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JP4841076B2 - 密閉型電池 - Google Patents

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JP4841076B2 JP2001256075A JP2001256075A JP4841076B2 JP 4841076 B2 JP4841076 B2 JP 4841076B2 JP 2001256075 A JP2001256075 A JP 2001256075A JP 2001256075 A JP2001256075 A JP 2001256075A JP 4841076 B2 JP4841076 B2 JP 4841076B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉型電池に関し、特に電池缶の極性と異なる極性の電池端子を金属板に絶縁性部材を装着して設けた電池ヘッダーに特徴を有する密閉型電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型の電子機器の電源として各種の電池が用いられており、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ等の電源として、小型で大容量のリチウム電池やリチウムイオン二次電池等の密閉型電池が用いられている。
機器の小型化に対応して、円筒型電池に加えて、小さな空間を有効に利用することができる角型の密閉式電池がひろく用いられている。角型電池においては、電池の一方の電極として作用する電池缶と絶縁性部材によって隔離した電池端子が取り付けられている。
【0003】
図4に、角型の密閉型電池の電池ヘッダー部の構造の説明する図を示す。
密閉型電池1は、ステンレス鋼、ニッケルめっきを表面に施した軟鋼等、アルミニウムからなる角筒状の金属容器2(以下、電池缶とも称す)に、正極電極および負極電極をセパレータを介して対向させて巻回した電池要素3が収納されており、電池缶2の上端には、金属板4に絶縁性部材5を介して取り付けた電極導出ピン6からなる電池ヘッダー7が取り付けられて電池缶2を封口している。
電池ヘッダー7の電池缶2の内部側の電極導出ピン6には、電池要素3の一方のタブ8が接合されており、他方のタブ9が電池缶の内壁面に接合されている。
電池缶2と極性が異なるタブ8が電池缶2に接触すると短絡を生じるので、タブ8の電池要素3の近傍には絶縁性部材10で被覆するとともに、電池要素の上部には、船状のスペーサー11を装着することが行われている。
【0004】
ところが、電池缶2と極性が異なるタブ8は、電池要素と電極導出ピン6の接続部との直線距離に比べて長いタブが折り曲げられた状態で装着されているために、電池要素の上部に設けたスペーサー11の上部と電池ヘッダーの間から延びて電池缶2に接触したり、また外部からの衝撃によって位置ずれ等が生じて接触して短絡を生じるおそれがあった。
【0005】
図5は、従来の密閉型電池の製造工程の一例を説明する図である。
図5(A)に示すように、電池要素3を電池缶2内に収納し、電池要素に接続した一方のタブ9を電池缶2の内壁面に接合し、電池要素の上部にスペーサーを装着した後に、電池ヘッダー7を電池缶の装着状態とはほぼ直角に配置した状態で電極導出ピン6にタブ8を接合する。
次いで、図5(B)に示すように、タブ8と電池ヘッダー7との接合部の端部で大きく折り曲げるとともに、その下部でも折り曲げている。
こうして、タブを折り曲げた後に、図5(C)に示すように、電池ヘッダー7を電池缶2の開口部に装着して電池缶2と電池ヘッダー7の会合部を溶接によって封口している。
電池要素2と電極導出ピン6とを結合するタブ8は、電池要素3の近傍は、絶縁性部材10によって絶縁されているまた電池要素3上にはスペーサー11が配置されているので、電池要素2の近傍では電池缶2の内壁面との接触して短絡を生じる可能性は小さいが、電極導出ピン6との接合部の近傍は溶接の問題で被覆されていない。また中間の折り曲げ部も折り曲げが容易に行われるようにするために、絶縁性部材による被覆は行われていない。このため、電池缶の内壁面と接触する可能性を完全になくすことは困難であった。
こうした電池ヘッダー部でのタブと電池缶の内壁面との接触による短絡を防止するために、特開平8−153511号公報においては、円筒形電池において電池要素の上部に絶縁性リングを配置することが提案されているが、電池要素上にスペーサを配置するものであり充分なものではなかった。また、特開平8−3291号公報には、電池ヘッダーに設ける絶縁板とスペーサーとを一体に構成するとともに、スペーサーにタブの接続用の開口部を設けることが記載されているが、従来の電池ヘッダーに比べて構造が複雑であり、製造工程も煩雑なものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電極導出ピンを絶縁性部材を介して取り付けた電池ヘッダーを装着した密閉型電池において、電池要素と電極導出ピンとを接続するタブが、電池缶に接触して短絡を生じることがない密閉型電池を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、電池缶の極性と異種の極性の電池端子を絶縁性部材を介して設けた電池ヘッダーを装着した密閉型電池において、電池要素に接続したタブが電池ヘッダーの金属板に絶縁性部材を介して設けた接合部に接合されていると共に、電池ヘッダーと絶縁性部材が一体化されており、電池要素に接続したタブと電池缶の内壁面との間には、電池ヘッダーの金属板に装着した絶縁性部材を折り曲げて形成したタブと内壁面との電気的接触を防止する区画壁部が形成されている密閉型電池によって解決することができる。
また、区画壁部が、電池要素に接続したタブを接合部に接合した後に、タブの折り曲げの後に、絶縁性部材を折り曲げて形成した前記の密閉型電池である。
電池ヘッダーの金属板に取り付けた絶縁性部材は、折り曲げ用の肉薄部が形成された前記の密閉型電池である。
接合部が、電池ヘッダーの金属板に絶縁性部材を介して取り付けた電極導出ピン、あるいは電極導出ピンによってかしめて取り付けた接合用金属板である前記の密閉型電池である。
また、リチウムイオン電池である前記の密閉型電池である。
また、電池缶の極性と異種の極性の電池端子を設けた電池ヘッダーを装着した密閉型電池の製造方法において、電池要素に接続したタブを電池ヘッダーの金属板に絶縁性部材を介して設けた接合部に接合の後に、タブを折り曲げるとともに、絶縁性部材を折り曲げてタブの区画壁部を形成した後に、電池ヘッダーを電池缶の開口部に装着して封口する密閉型電池の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の密閉型電池は、電池要素に接続したタブを電池ヘッダーと接合した後に、タブを折り曲げる等の処理を行って電池缶内に収納する密閉型電池におけるタブと電池缶の内壁面との導電接触の防止を電池ヘッダー側に設けた絶縁性部材からなる区画壁部によって可能であることを見いだしたものである。
区画壁部としては、電池ヘッダーの接合部にタブを抵抗溶接、レーザー溶接等によって接合する際に問題なく接合することができるような構造を有するものでは、区画壁部と接合部との距離が大きく、タブの位置を制限して導電接触が生じないようにする機能が不充分であり、タブの接合時には区画壁部が形成されておらず、タブの接合の後に絶縁性部材の一部を折り曲げて形成されるタブとの距離が短い区画壁部の形成によって実現可能であることを見いだしたものである。
【0009】
図1は、本発明の密閉型電池を説明する図である。
本発明の密閉型電池1は、ステンレス鋼、ニッケルめっきを表面に施した軟鋼、アルミニウム等からなる角筒状の金属容器2(以下、電池缶とも称す)に、正極電極および負極電極をセパレータを介して対向させたものを巻回した電池要素3が収納されており、電池缶2の上端には、金属板4に絶縁性部材5を介して取り付けた電極導出ピン6からなる電池ヘッダー7が取り付けられて電池缶2の開口部に装着されて封口されている。
電池ヘッダー7の電池缶2の内部側の電極導出ピン6に電池要素3の一方のタブ8が接合されており、他方のタブ9が電池缶の内壁面に接合されている。絶縁性部材5の一部は、タブ8が電池缶の壁面と接触することを防止した区画壁部12を形成している。
したがって、折り曲げられたタブ8は、電池缶の内壁面に接触することはなく、また外部から衝撃が加わっても区画壁部12によって移動が制限されるのでタブ8と電池缶の内壁面との電気的接触が生じることがない信頼性の大きな密閉型電池を得ることが可能となる。
【0010】
以上の説明においては、電池要素の他方のタブが電池缶の内壁面に接合されている例について述べたが、電池ヘッダーの金属板に接合されたものであっても良い。電池ヘッダーの金属板への接合は、電極導出ピンに一方のタブを接合する工程において、絶縁性部材の外側の部分へ同様に接合することによって行うことができる。
【0011】
図2は、本発明の密閉型電池の製造工程の一例を説明する図を示す。
図2(A)に示すように、電池要素3を電池缶2内に収納し、電池要素に接続した一方のタブ9を電池缶2の内壁面に接合し、電池要素の上部にスペーサーを装着した後に、電池ヘッダー7を電池缶の装着状態とはほぼ直角に配置した状態で電極導出ピン6にタブ8を接合する。絶縁性部材5には切り込み部13が形成されている。
次いで、図2(B)に示すように、タブ8と電池ヘッダー7との接合部の端部で大きく折り曲げるとともに、その下部でも折り曲げる。更に、絶縁性部材5に設けた切り込み部13によって両端部を直角に折り曲げることによって区画壁部12を形成する。
図2(C)に示すように、電池ヘッダー7を電池缶2の開口部に装着して電池缶2と電池ヘッダー7の会合部を溶接によって封口する。
電池要素2と電極導出ピン6とを結合するタブ8は、電池ヘッダーから伸びる区画壁部12によって電池缶の内壁面に接触して短絡することが防止できる。
以上の説明では、一方のタブを電池缶の内壁面に接合する例について述べたが、電池ヘッダーへのタブの接合工程において、電池ヘッダーの金属板に接合しても良い。
【0012】
図3は、本発明の密閉型電池の電池に組立前の電池ヘッダーの一例を説明する図である。
図3(A)は、電池ヘッダーの一部に断面図を示す側面図であり、図3(B)は、電池缶の内部側から見た電池ヘッダーの平面図である。
電池ヘッダー7は、金属板4に設けた貫通孔14に絶縁性部材5に設けた円筒部5Bを貫通させ、電池ヘッダーの外側から外部絶縁部材5Cを装着する。更に絶縁性部材5に設けた円筒部5Aの貫通孔15に電極導出ピン6を貫通させ、内部絶縁性部材5Aに接して配置した、押さえ板16上からかしめて固着と封止が行われている。
また、絶縁性部材5には、切り込み部13が形成されており、切り込み部13に沿って折り曲げることができる。
以上の説明では、電池ヘッダーに設ける絶縁性部材5が複数の部材から構成されている例について述べたが、金属板4の電池缶の外面側と電池缶の内面側の部材が一体に構成されたものであっても良い。
【0013】
インサートモールド等によって絶縁性部材がヘッダーを構成する蓋体部分の金属板に一体に形成された場合には、絶縁性部材を複数の部材によって構成した場合に比べて、厚みを薄くすることができるので、ヘッダーの小型化が可能となる。さらに、ヘッダーの組立工程数を減少することが可能となる。
絶縁性部材としては、ポリプロピレン、あるいはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の熱可塑性フッ素樹脂等を挙げることができる。
また、電極導出ピンとして陽分極された場合に表面に耐食性の酸化皮膜を形成するアルミニウム、あるいはアルミニウム合金等の金属を用いる場合には、接続用のニッケル、銅等のリード線の溶接による接続が困難であるので、電池ヘッダーには、ニッケル板、ニッケルめっきを施した軟鋼板、銅板、洋白板等の接合特性の良好な金属からなる電極引出板を、電池ヘッダーの金属板上に載置して電極導出ピンによってかしめることが好ましい。また、電極引出板には、電極引出板と電極導出ピンとの接触抵抗を低下させ、さらには電池端子部に付着した電解液による化学的な腐食および接触電位差による電気化学的な溶出および腐食を防止する点で有効である。電極引出板にめっきする金属としては、金等の貴金属、銀、錫等を挙げることができるが、とくに耐食性が大きな金等の貴金属を用いて行うことが好ましい。
【0014】
【発明の効果】
電池缶の極性と異種の極性の電池端子を絶縁性部材によって取り付けた電池ヘッダーにおいて、電池要素に接続したタブを電池ヘッダーの接合部に接合した後に、電池ヘッダーに取り付けた絶縁性部材を接合部を囲むように折り曲げて区画壁としてタブが電池缶の内壁面に接触することを防止したので、あらかじめ区画壁を設けた後にタブを接合するものに比べて、両者の接触の防止する機能が確実な区画壁を形成することができるので、信頼性が高い密閉型電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の密閉型電池を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の密閉型電池の製造工程の一例を説明する図を示す。
【図3】図3は、本発明の密閉型電池の電池に組立前の電池ヘッダーを説明する図である。
【図4】図4は、角型の密閉型電池の電池ヘッダー部の構造の説明する図を示す。
【図5】図5は、従来の密閉型電池の製造工程の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1…密閉型電池、2…金属容器、3…電池要素、4…金属板、5…絶縁性部材、5A…内部絶縁性部材、5B…円筒状部、5C…外部絶縁性部材、6…電極導出ピン、7…電池ヘッダー、8,9…タブ、10…絶縁性部材、11…スペーサー、12…区画壁部、13…切り込み部、14…貫通孔、15…貫通孔、16…押さえ板

Claims (1)

  1. 電池缶の極性と異種の極性の電池端子を絶縁性部材を介して設けた電池ヘッダーを装着した密閉型電池において、電池要素に接続したタブが電池ヘッダーの金属板に絶縁性部材を介して設けた接合部に接合されていると共に、電池ヘッダーと絶縁性部材が一体化されており、電池要素に接続したタブと電池缶の内壁面との間には、電池ヘッダーの金属板に装着した絶縁性部材を折り曲げて形成したタブと内壁面との電気的接触を防止する区画壁部が形成されていることを特徴とする密閉型電池。
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