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JP4724690B2 - 導光板および平面照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられる導光板および平面照明装置に関し、どの様な光源に対しても、その光源の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続や連続的に光源からの光線束に対応した傾斜面を有する光学素子を光源からの距離に比例して関数的に増加する密度分布を有する様にし、指向性のある点光源の様な少ない光源でも明るく、また線状等の形状を持つ指向性分布のある光源でも明るい出射光が得られる導光板および平面照明装置に関する。
従来の導光板および平面照明装置は、導光板の裏面部に散乱を利用する方法を用いるものである。この方法では、酸化チタン等の白色材料を混入させたインクを用いて円形状や矩形状を光源から離れるほど多くのドット印刷を行い、光源から離れるほど散乱光を得るようにして導光板からの出射光の均一性を得ようとしている。
さらに、射出成形法を用いるもので、導光板の表面部や裏面部に散乱を利用し、ランダムに微細な凸凹形状を成形するものが知られている。
また同様に、射出成形法を用いた導光板および平面照明装置として、導光板の表面部や裏面部に屈折や反射を利用する方法を用いたものが知られている。この方法では、凸形状や凹形状を単に光源から離れるほど多く分布(グラデーション)する様に成形し、光源から離れるほど屈折や反射等の確率を高くし、導光板からの出射光を均一にしている。
さらに、射出成形法を用いた導光板および平面照明装置として、導光板の表面部や裏面部に屈折や反射を利用する方法を用いるものも知られている。この方法では、光源と平行にプリズム形状を成形し、光源からの光線をプリズムの辺で屈折させたり反射させて出射面に偏向させたり出射面から出射している。
また同様に、光源と平行にプリズム形状を導光板の表面部や裏面部に設ける方法が知られている。この方法では、光源から離れるほどプリズムの高さや深さを高くまたは深く設けて、光源から離れるほど光源からの光線を多く受けて、反射光や屈性光を多く利用して、光源からの距離に関係なく出射光を均一化させている。
従来の導光板および平面照明装置は、導光板の裏面部に散乱を利用する方法を用いるもので、酸化チタン等の白色材料を混入させたインクを用いて円形状や矩形状を光源から離れるほど多くのドット印刷を行い、光源から離れるほど散乱光を得るようにして導光板からの出射光の均一性を得ようとしていたが、白色材料やインク等によって光を吸収してしまうとともに光が散乱してしまい出射面のみに光線が到達せず、絶対出射光量が低いため輝度に課題がある。
また、射出成形によって導光板の表面部や裏面部にランダムに微細な凸凹形状を成形し、光源からの光線を散乱する方法では光の吸収による損失はないが、上記の印刷法と同様に光が散乱してしまい出射面のみに光線が到達せず、出射光の輝度が低いとともに凸凹形状の分布がランダムなため輝度斑等に課題がある。
また同様に凸形状や凹形状を単に光源から離れるほど多く分布(グラデーション)する場合には、インク等の印刷や微細な凸凹形状のランダム成形等と比べると改善されているが、単に光源から離れるほど屈折や反射等の確率を高くさせているだけで、光線の指向性(輝度分布)や光源の形状等に対応されていないため光源の持つ光量と指向性やエネルギを十分引き出して利用されていない課題がある。
さらに、導光板の表面部や裏面部に光源と平行にプリズム形状を成形し、光源からの光線をプリズムの辺で屈折させたり反射させて出射面に偏向させたり出射面から出射する方法は、プリズムの稜長に対して全て同条件である場合(単純理想状態の場合)には成立するが、実際には光源の指向性(輝度分布)や光源の形状等に対応されていないため光源の持つ光量と指向性やエネルギを十分引き出して利用されていない課題がある。
また同様に、導光板の表面部や裏面部に光源と平行にプリズム形状を設け、光源から離れるほどプリズムの高さや深さを高くまたは深く設けて、光源から離れるほど光源からの光線を多く受けて、反射光や屈折光を多く利用して、光源からの距離に関係なく出射光を均一化させる方法では、光源から離れる位置での方法としては良いが、プリズム自身が実際には光源の指向性(輝度分布)や光源の形状等に対応されていないため光源の持つ光量と指向性やエネルギを十分引き出して利用されていない課題がある。
何れにせよ、これら従来の方法では、光源の光量の指向性やエネルギ分布および光源の形状等に対応されていなく、これら従来の方法では限界であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためなされたもので、従来と比較して、常に光源からの光量の指向性やエネルギ分布に対応した位置に光源からの光線束に対応した連続に傾斜面を有する光学素子を設けることによって、常に光源からの輝度やエネルギが等しい位置に連続に同等な光学素子の傾斜面によって全反射や屈折等を行い出射面側に同等な輝度やエネルギを出射することができるとともに光源からの輝度やエネルギの減衰に伴って光学素子密度分布を光源からの距離に比例して増加するようにして導光板のあらゆる位置でも出射光量と出射角度との積が等しく出射することができる導光板と平面照明装置を提供することにある。
また、常に光源からの光量の指向性やエネルギ分布に対応した位置に光源からの光線束に対応した傾斜面を有する光学素子を連続的に設けることによって、常に光源からの光量の指向性やエネルギが等しい位置に連続的に同等な光学素子の傾斜面によって全反射や屈折等を行い出射面側に同等な輝度やエネルギを出射することができるとともに光源からの輝度やエネルギの減衰に伴って光学素子密度分布を光源からの距離に比例して増加するようにして導光板のあらゆる位置でも出射する光量とその立体角との積が等しく出射することができる導光板と平面照明装置を提供することにある。
本発明の請求項1に係る導光板は、指向性を有した複数の光源からの光を導く入射部と、該光を出射する表面部と、当該表面部の反対側に位置する裏面部と、これら表面部と裏面部とを接続する側面部とを有し、入射部を側面部で囲んだ内部に設けた導光板において、入射部は曲線状であって、表面部または裏面部には光源の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続または連続的に光源からの光線束に対応した傾斜面を有する光学素子を、光源に対向するほど入射部から離れるように曲線的に設け、さらに光源からの距離方向に対し該光学素子は光源からの距離に比例して関数的に増加する密度分布を有することを特徴とする。
請求項1に係る導光板は、指向性を有した複数の光源からの光を導く入射部と、該光を出射する表面部と、当該表面部の反対側に位置する裏面部と、これら表面部と裏面部とを接続する側面部とを有し、入射部を側面部で囲んだ内部に設けた導光板において、入射部は曲線状であって、表面部または裏面部には光源の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続または連続的に光源からの光線束に対応した傾斜面を有する光学素子を、光源に対向するほど入射部から離れるように曲線的に設け、さらに光源からの距離方向に対し該光学素子は光源からの距離に比例して関数的に増加する密度分布を有するので、常に光源からの輝度やエネルギが等しい位置に連続性な光学素子の傾斜面によって全反射や屈折等を行い、出射面側に連続性に同等な輝度やエネルギを出射することができる。しかも、光源からの輝度やエネルギの減衰に伴って光学素子密度分布を光源からの距離に比例して増加するようにして導光板のあらゆる位置でも出射する光量とその立体角との積が等しく出射することができる。また、連続的であるが光学素子の長さや隣り合う光学素子の間隔をコントロールすることにより、光学素子からの出射する所の光量とその立体角との積が等しいが、光学素子を欠損させた所には光学素子の有る所より低い光エネルギを得ることができる。
さらに、請求項2に係る導光板は、光学素子の断面が三角形状、台形形状、円弧形状であるとともに連続または連続的であることを特徴とする。
請求項3に係る導光板は、光学素子の断面が三角形状、台形形状、円弧形状であるとともに連続または連続的であるので、導光板の入射部から導光板内に進入した光線が三角形状、台形形状および円弧形状の傾斜面が光源からの光線束に対応した位置に存在することができる。そして、これらが連続の場合にはどの位置でも同等な輝度やエネルギを出射することができ、連続的であってもどの位置でも同等な輝度やエネルギを連続的に出射することができる。
また、請求項3に係る導光板は、光学素子を光源から遠ざかるほど光学素子の高さを高くまたは/および部分的に高低をつけることを特徴とする。
請求項3に係る導光板は、光学素子を光源から遠ざかるほど光学素子の高さを高くまたは/および部分的に高低をつけるので、光源から遠い光学素子においても光源から光線を受けて全反射をすることができたり、部分的に高低をつけることによって導光板からの出射量や出射角度を変化させることができる。
さらに、請求項4に係る導光板は、傾斜面を表面部および裏面部と成す角度がπ/2−2・臨界角から臨界角の範囲であることを特徴とする。
請求項4に係る導光板は、傾斜面を表面部および裏面部と成す角度がπ/2−2・臨界角から臨界角の範囲であるので、導光板内に導かれる光線の最大入射角度から臨界角を破る最小角度までの範囲を用いることにより、全反射光が全て臨界角を破ることができる。
また、請求項5に係る導光板は、傾斜面を光源からの距離に比例して表面部および裏面部と成す角度が臨界角に近づくことを特徴とする。
請求項5に係る導光板は、傾斜面を光源からの距離に比例して表面部および裏面部と成す角度が臨界角に近づくので、光源からの輝度やエネルギの減衰に伴っても、光源からの距離に比例して全反射した反射光が小さな出射角で出射する。このため、導光板の出射面のあらゆる位置でも出射する光量とその立体角との積が等しく出射することができる。
さらに、請求項6に係る導光板は、傾斜面を傾斜面の中央部を中心にして内側または外側に円弧を、あるいは傾斜面の部分的に内側と外側とに円弧を成していることを特徴とする。
請求項6に係る導光板は、傾斜面を傾斜面の中央部を中心にして内側または外側に円弧を、あるいは傾斜面の部分的に内側と外側とに円弧を成しているので、同じ大きさの導光板内での出射位置を傾斜面の内側を円弧にした場合には光源側に近づけることができる。また、光源が近い場合には全反射した光が平行光になり、光源が遠い場合には全反射した光が集光することができる。
また、同じ大きさの導光板内での出射位置を傾斜面の外側を円弧にした場合には光源側から遠ざけることができる。また、光源が近い場合には全反射した光が平行光になり、光源が遠い場合には全反射した光を拡散することができる。
さらに、一つの傾斜面に部分的に内側および外側に円弧にすることにより一つの斜面で集光や拡散等の異なる作用を得ることができる。
また、請求項7に係る平面照明装置は、指向性を有した複数の光源と、光源からの光を導く入射部と、該光を出射する表面部と、当該表面部の反対側に位置する裏面部と、これら表面部と裏面部とを接続する側面部とを有し、入射部を側面部で囲んだ内部に曲線状に設け、光源の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続または連続的に光源からの光線束に対応した傾斜面を有し、光源に対向するほど入射部から離れるように曲線的に設けられ、さらに光源からの距離方向に対し、光源からの距離に比例して関数的に増加する密度分布に施すとともに傾斜面の傾きを変化できる光学素子を表面部または裏面部に有する導光板と、導光板からの出射光の微細な輝度斑を補正する補正シートと、導光板の入射部および出射面以外を覆い導光板からの漏れ光を再び導光板内に反射する反射体とを具備することを特徴とする。
請求項7に係る平面照明装置は、指向性を有した複数の光源と、光源からの光を導く入射部と、該光を出射する表面部と、当該表面部の反対側に位置する裏面部と、これら表面部と裏面部とを接続する側面部とを有し、入射部を側面部で囲んだ内部に曲線状に設け、光源の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続または連続的に光源からの光線束に対応した傾斜面を有し、光源に対向するほど入射部から離れるように曲線的に設けられ、さらに光源からの距離方向に対し、光源からの距離に比例して関数的に増加する密度分布に施すとともに傾斜面の傾きを変化できる光学素子を表面部または裏面部に有する導光板と、導光板からの出射光の微細な輝度斑を補正する補正シートと、導光板の入射部および出射面以外を覆い導光板からの漏れ光を再び導光板内に反射する反射体とを具備するので、常に光源からの輝度やエネルギが等しい位置に連続または連続的な光学素子の傾斜面によって全反射や屈折等を行い、出射面側に連続または連続的に同等な輝度やエネルギを出射することができる。しかも、光源からの輝度やエネルギの減衰に伴って光学素子の密度分布を光源からの距離に比例して関数的に増加するようにして導光板のあらゆる位置でも出射する光量とその立体角との積が等しく出射したり、傾斜面の角度の設定によって出射面からの出射角度を自由にコントロールすることができる。
以上のように、請求項1に係る導光板は、指向性を有した複数の光源からの光を導く入射部と、該光を出射する表面部と、当該表面部の反対側に位置する裏面部と、これら表面部と裏面部とを接続する側面部とを有し、入射部を側面部で囲んだ内部に設けた導光板において、入射部は曲線状であって、表面部または裏面部には光源の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続または連続的に光源からの光線束に対応した傾斜面を有する光学素子を、光源に対向するほど入射部から離れるように曲線的に設け、さらに光源からの距離方向に対し該光学素子は光源からの距離に比例して関数的に増加する密度分布を有するので、常に光源からの輝度やエネルギが等しい位置に連続性な光学素子の傾斜面によって全反射や屈折等を行い、出射面側に連続性に同等な輝度やエネルギを出射することができる。しかも、光源からの輝度やエネルギの減衰に伴って光学素子密度分布を光源からの距離に比例して関数的に増加するようにして導光板のあらゆる位置でも出射する光量とその立体角との積が等しく出射することができるので、均一な輝度や視野角の出射光を得ることができる。
また、連続的であるが光学素子の長さや隣り合う光学素子の間隔をコントロールすることにより、光学素子からの出射する所の光量とその立体角との積が等しいが、光学素子を欠損させた所には光学素子の有る所より低い光エネルギを得ることができ、導光板に希望する輝度分布を表現することができる。
さらに、請求項2に係る導光板は、光学素子の断面が三角形状、台形形状、円弧形状であるとともに連続または連続的であるので、導光板の入射部から導光板内に進入した光線が三角形状、台形形状および円弧形状の傾斜面が光源からの光線束に対応した位置に存在することができる。そして、これらが連続の場合にはどの位置でも同等な輝度やエネルギを出射することができ、連続的であっても、あらゆる位置で同等な輝度やエネルギを連続的に出射することができる。
また、請求項3に係る導光板は、光学素子を光源から遠ざかるほど光学素子の高さを高くまたは/および部分的に高低をつけるので、光源から遠い光学素子においても光源から光線を受けて全反射をすることができる。このため、光源から遠い位置でも出射光を多く出射して光源の遠近に関係無く均一な導光板からの出射輝度を得る事ができたり、部分的に高低をつけることによって導光板の任意の位置からの出射量を多くしたり少なくしたり、導光板の任意の位置からの出射角度を変化することができる。その結果、必要とする導光板の任意の位置での輝度のコントロールや視野角のコントロールをすることができる。
さらに、請求項4に係る導光板は、傾斜面を表面部および裏面部と成す角度がπ/2−2・臨界角から臨界角の範囲であるので、導光板内に導かれる光線の最大入射角度から臨界角を破る最小角度までの範囲を用いるので、全反射光が全て臨界角を破ることができる。これにより、導光板の出射面からの出射角度範囲が大きく取れるため、必要とする出射角を自由に選択することができて目的に合わせることができる。
また、請求項5に係る導光板は、傾斜面を光源からの距離に比例して表面部および裏面部と成す角度が臨界角に近づくので、光源からの輝度やエネルギの減衰に伴っても、光源からの距離に比例して全反射した反射光が小さな出射角で出射する。このため、導光板の出射面のあらゆる位置でも出射する光量とその立体角との積が等しく出射することができ、均一な出射量および均一な視野角を得ることができる。
さらに、請求項6に係る導光板は、傾斜面を傾斜面の中央部を中心にして内側または外側に円弧を、あるいは傾斜面の部分的に内側と外側とに円弧を成しているので、同じ大きさの導光板内での出射位置を傾斜面の内側を円弧にした場合には光源側に近づけることができる。また、光源が近い場合には全反射した光が平行光になり、光源が遠い場合には全反射した光が集光することができる。さらに、同じ大きさの導光板内での出射位置を傾斜面の外側を円弧にした場合には光源側から遠ざけることができる。また、光源が近い場合には全反射した光が平行光になり、光源が遠い場合には全反射した光が拡散することができ、これら内側と外側に円弧を一つの傾斜面で部分的に二つの異なる円弧によって、集光や拡散等の作用および効果を一つの傾斜面で得ることができる。これにより、導光板の大きさや必要な出射光量や視野角等を自由にコントロールすることができる。
また、請求項7に係る平面照明装置は、指向性を有した複数の光源と、光源からの光を導く入射部と、該光を出射する表面部と、当該表面部の反対側に位置する裏面部と、これら表面部と裏面部とを接続する側面部とを有し、入射部を側面部で囲んだ内部に曲線状に設け、光源の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続または連続的に光源からの光線束に対応した傾斜面を有し、光源に対向するほど入射部から離れるように曲線的に設けられ、さらに光源からの距離方向に対し、光源からの距離に比例して関数的に増加する密度分布に施すとともに傾斜面の傾きを変化できる光学素子を表面部または裏面部に有する導光板と、導光板からの出射光の微細な輝度斑を補正する補正シートと、導光板の入射部および出射面以外を覆い導光板からの漏れ光を再び導光板内に反射する反射体とを具備するので、常に光源からの輝度やエネルギが等しい位置に連続または連続的な光学素子の傾斜面によって全反射や屈折等を行い、出射面側に連続または連続的に同等な輝度やエネルギを出射することができる。しかも、光源からの輝度やエネルギの減衰に伴って光学素子の密度分布を光源からの距離に比例して関数的に増加するようにして導光板のあらゆる位置でも出射する光量とその立体角との積が等しく出射したり、傾斜面の角度の設定によって出射面からの出射角度を自由にコントロールすることができる。その結果、平面照明装置の必要目的によって、輝度重視や視野角重視あるいは均一性を重視するなど自由度の広い設計および平面照明装置を可能とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
なお、本発明は、光源の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続または連続的に光源からの光線束に対応した傾斜面を有する光学素子を表面部や裏面部に光源からの距離に比例して関数的に増加する密度分布を有する様にした導光板と指向性や指向性分布を有する光源を備えた平面照明装置を提供するものである。
図1および図2は本発明に係る導光板の略図、図3は本発明に係る導光板の光線の略軌跡図である。
平面照明装置は、図1や図2に示す導光板2、光源4、不図示のリフレクタ、不図示の補正フィルムおよび不図示の反射ケースから概略構成される。
導光板2は、屈折率が1.4〜1.7程度の透明なアクリル樹脂(PMMA)やポリカーボネート(PC)等で形成される。この導光板2は、側面部11と、光の出射目的である表面部8と、その反対側に位置する裏面部9および光源4からの光を導く入射部5とからなる。
導光板2は、図1および図2に示す様に、光源4の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続に光学素子20を表面部8または裏面部9に施す構成とすることができる。
尚、ここでは、図示しずらいために、光学素子20を連続的に設けた図は省略してある。
ここで、光学素子20の長さを、短くして傾斜面での全反射量を少なくしたり、長くして傾斜面での全反射量を多くする。これにより、光学素子20からの全反射量をコントロールすることができる。
また、隣り合う光学素子20の間隔を長くしたり、間隔を短くする。これにより、光学素子20からの出射する所の光量とその立体角との積が等しいが、光学素子20を欠損させた所(間隔)には光学素子20の有る所より低い光エネルギを得る。これにより、導光板2に希望する輝度分布を表現することができる。
さらに、導光板2は、光源4から離れるほど光源4からの輝度やエネルギが減衰する。このため、入射部5から離れるほど光学素子20を多くなる様する。そして、表面部8または裏面部9に施した光学素子20を光源4からの距離に比例して指数関数的に増加する密度分布を有する様にする。これにより、入射部5の近傍の光学素子20の単位面積と強い光強度との積と、入射部5から離れた端部6,6b近傍の光学素子20の単位面積と弱い光強度との積とが等しくなる。
また、導光板2は、光学素子20を光源4からの光線束に対応した傾斜面を有する様に断面が三角形状や台形形状および円弧形状にして、光源4からの光線を損失無く効率良く傾斜面で全反射させる。
さらに、導光板2は、図示しないが光学素子20を光源4から遠ざかるほど光学素子20の高さを高くする。これにより、傾斜面部の高さを高くすることができ、傾斜面部の面積を大きくすることができる。その結果、光源4から遠い光学素子20においても光源4からの光線を多く受けることができる。そして、受けた光線を傾斜面で全反射をして出射面方向に光線を偏向させて、光源4から遠い位置でも出射光を多く出射することができ、光源4の遠近に関係無く均一な導光板2からの出射輝度を得ることができる。
また、導光板2は、図示しないが光学素子20を部分的に高低をつけることにより、傾斜面部の高さを高くまたは低くすることができる。これにより、傾斜面部の面積を大きくまたは小さくすることができる。その結果、導光板2の任意の位置からの出射量を多くしたり少なくすることができたり、導光板の任意の位置からの出射角度を変化することができる。これにより、必要とする導光板2の任意位置の輝度のコントロールや視野角のコントロールをすることができる。
なお、光学素子20を部分的に高低をつけることにより、例えば断面積が三角形状の光学素子20である場合には、一つの連続する三角形の稜の高さを連続的に変化させることができ、出射光の変化を連続性の有るものにできる。
また、光学素子20の傾斜面を表面部8や裏面部9と成す角度がπ/2−2・臨界角γから臨界角γの範囲としている。すなわち、傾斜面を光源4からの距離に比例して光源4から離れるほど表面部8および裏面部9と成す角度が臨界角γに近づく様にする。
ここで、光源4からの光を入射部5から導光板2の内部に導いた時、例えば導光板2の材料がポリカーボネート(PC)樹脂の場合、ポリカーボネート樹脂の屈折率n=1.59であるので、空気層から導光板2内に入って導光板2内に存在する光線L0は、0≦|α|≦sin-1(1/n)の式により(但し、式中のnは空気層とし、屈折率n=1)略屈折角α=±38.9713°の範囲内にある。
また、屈折角α=±38.9713°の範囲内で導光板2内に入射した光は、導光板2と空気層(屈折率n=1)との境界面では、sinγ=(1/n)の式により臨界角を表わすことができる。例えば一般の導光板2に使用されている樹脂材料であるポリカーボネート樹脂の屈折率はn=1.59程度であるので、臨界角γはγ=38.97°程度になる。また、アクリル樹脂(PMMA)材料を用いた導光板の場合には、アクリル樹脂の屈折率nがn=1.49程度であり、屈折角αはα=±42.38°程度となるので、臨界角γもγ=42.38°程度となる。
例えばアクリル樹脂から成る導光板2の屈折率nはn=1.49程度であり、図3の例において、導光板2に入った光線の屈折角αがα=42.38°ほどになる。従って、導光板2の裏面部9に設けた光学素子20は、裏面部9と成す角度θが(π/2−2・42.38°より)5.24°から42.38°の範囲の内、入射部5の近傍に最小値である角度θ1=5.24°の傾斜面21が設けられ、入射部5から離れた位置に最大値である角度θ2=42.38°の傾斜面22が設けられる。
上記構成の導光板2内に導かれる光線の中で入射部5の近傍に多い入射角β=42°程度の光線L1は光学素子20の傾斜面21(傾斜度θ1=5.24°)で全反射する。この全反射した光線L11は導光板2の表面部8方向に進み、ここで(入射角36°程度)光線L11は臨界角γを破り表面部8の外に(出射角61°程度)出射光L12として出射する。
このように、導光板2の中に進入した光線の中で屈折角の小さい光線は導光板2の延長方向(入射部5の反対方向)に進んだ光線以外の入射角の大きい光線として入射部の近傍にも多く存在する。そのため、入射部近傍の位置に設ける光学素子20の傾斜面21は、裏面部9と成す角が90°から臨界角γを2倍した値を減じた程度にして、入射角の大きい光線でも傾斜面21で全反射をして、表面部8方向に進み導光板2の臨界角γを破り、表面部8から出射することができる。
また、導光板2内に導かれる光線の中で入射部5から離れる方向に多く進む光線の入射角β=2°程度の光線L2は光学素子20の傾斜面22(傾斜度θ1=42.38°)で全反射する。この全反射した光線L21は導光板2の表面部8方向に進み、ここで(入射角1.5°程度)光線L21は臨界角γを破り表面部8の外に(出射角2.24°程度)出射光L22として出射する。
このように、導光板2の中に進入した光線の中で屈折角の小さい光線は導光板2の入射部5の反対方向(延長方向)に進み、入射部5付近に設けた光学素子20に衝突する確率が少ない。このため、入射部5から離れた位置に設ける光学素子20の傾斜面22は、裏面部9と成す角が臨界角γに等しい程度にして、入射角の小さい光線でも傾斜面22で全反射をして、表面部8方向に進み導光板2の臨界角γを破り、表面部8から出射することができる。
ゆえに、上記の様に両極端な場合についての説明でも解るように、本例の導光板では、入射部5からの光線に対して、入射部5から離れるに従って光学素子20の傾斜面の傾斜角が徐々に傾斜面21から傾斜面22に成る様に、光源4からの距離に比例して裏面部9と成す角度が臨界角γに近づく様にした。その結果、光源4からの輝度やエネルギの減衰に伴っても光源4からの距離に対応した光学素子20によって導光板2の出射面のあらゆる位置でも出射する光量とその立体角との積が等しく出射することができる。
また、ここでは凹形状の光学素子20を例にとって説明したが、凸形状の場合には、凹形状の傾斜面21や傾斜面22の対向側の位置になる傾斜面が光源側に対向するので、上記の説明と同様の作用および効果を得ることができる。
なお、ここでは裏面部9に傾斜面を設けた光学素子20について説明したが、前に説明したように、入射部から入射した光線は、例えばアクリル樹脂の場合に屈折角αはα=±42.38°、ポリカーボネート樹脂の場合には屈折角αはα=±38.9713°と表面部8方向と裏面部9方向に進むので、表面部8に光学素子20を設けて上記の説明と同じ構成にした時には、フロントライトに用いる様な導光板2を得ることができる。また、一度表面部で全反射させた光線を再度裏面部9で全反射する様に光学素子20の傾斜面の角度を選択することによって自由に出射光をコントロールすることができる。
さらに、光学素子20の傾斜面21や傾斜面22の中央部を中心にして内側または外側に円弧にすることにより、同じ大きさの導光板2内での出射位置を傾斜面21や傾斜面22の内側を円弧にした場合には光源側に近づけることができ、傾斜面21や傾斜面22の外側を円弧にした場合には光源側から遠ざけることができる。
また、傾斜面21や傾斜面22の外側を円弧にした場合に、光源4が近い時には全反射した光が平行光になり、光源4が遠い場合には全反射した光を拡散することができる。
さらに、傾斜面21や傾斜面22の内側を円弧にした場合に、光源4が近い時には全反射した光が平行光になり、光源4が遠い場合には全反射した光を集光することができる。
また、光学素子20の傾斜面21や傾斜面22に内側と外側との異なる二つの円弧を一つの傾斜面に設けて、例えば傾斜面21や傾斜面22の表面部8や裏面部9に近い所に内側方向の円弧と、表面部8や裏面部9から遠い所に外側方向の円弧にすることにより、一つの傾斜面で部分的に二つの異なる集光と拡散との作用を得ることができる。
ここで、詳しく説明する光学素子20は、図1に示す様に、光源4が半導体発光素子(LED)等の点光源の場合には、光源4が半導体発光素子であるために半導体発光素子の中心が特に輝度が高く、中心以外は減衰しているので、これらに対応した分布となっている。すなわち、導光板2の中央に円形状(や多角形状)の入射部5を設け、輝度分布の強い方向を導光板2の4つの端部6方向とし、輝度の低い部分が入射部5に近づき、輝度等が等しい位置が完全に連続した周となり、導光板2の外周方向に近づくにつれてピッチおよび分布が細かくなるように光学素子20が設けてある。
同様に、光学素子20は、図2に示す様に、光源4が半導体発光素子(LED)等の点光源の場合には、光源4が半導体発光素子であるために半導体発光素子の中心が特に輝度が高く、中心以外は減衰しているので、これらに対応した分布となっている。すなわち、導光板2の中央下方向に略楕円形状の入射部5を設け、輝度分布の強い方向を導光板2の2つの上方端部6方向および1つの中心下部とし、輝度の低い部分が入射部5に近づき、輝度等が等しい位置が完全に連続した周となり、および下方向両端部6b方向および導光板2の外周方向に近づくにつれてピッチおよび分布が細かくなるように光学素子20が設けてある。
また、光学素子20は、三角形状や台形形状および円弧形状の断面を有し、例えば5μm〜100μm程度の底辺幅を有した導光板2の端で終わる連続な凹形状または凸形状を成して構成することができる。
同様に、光学素子20は、三角形状や台形形状および円弧形状の断面を有し、例えば5μm〜100μm程度の底辺幅を有した凹形状または凸形状を成し、導光板2の表面部8や裏面部9上に光源4の輝度や光エネルギ分布に対応した位置に連続的に設ける構成とすることができる。
この様に、連続または連続的な光学素子20を導光板2の表面部8や裏面部9に設けることによって、光学素子20の傾斜面によって光源4から導光板2内に進入した光線を全反射し、どの位置でも同等な光量の指向性やエネルギを連続または連続的に出射することができる。
また、目的とする輝度バランス等によって連続的な光学素子20の隣り合う間隔をコントロールしても良い。
例えば光源4は、半導体発光素子であって、LEDやレーザ等からなり、単色光やRGB(赤色、緑色、青色)からなる白色や蛍光材料を用いて波長変換することによって白色光にしたものも用いられる。
また、複数の入射部5を持つ場合には各入射部に異なる発光色の光源4を用いて導光板2全体から白色の光を出射しても良い。
不図示のリフレクタは、白色の絶縁性材料やアルミニウム等の金属を蒸着したシート状または金属等からなり、導光板2の入射部5および光源4を囲するようにし、光源4からの光を反射し、反射光を導光板2の入射部5に再び入射させる。
不図示の補正シートは、透過性のある樹脂等からなり、表面に光を偏向するための凹凸が設けてある。この補正シートは、導光板2からの出射光を補正するため、強い輝度の出射光を拡散したり、輝度が弱い出射光を集光したり、また全体を拡散させたり、部分的に拡散と集光とを行ったり、目的に合わせて補正すべき拡散シート、集光シート、散乱シート、拡散集光シート等を選択し、加工してある面を上方に向けた順方向使用や逆方向使用等にして使用する。
尚、光学素子20の分布や形状等によって、指向性の有る出射光を必要とする時には、本補正シートを用いないでも良い。
不図示の反射体は、熱可塑性樹脂に例えば酸化チタンのような白色材料を混入したシートや熱可塑性樹脂のシートにアルミニウム等の金属蒸着を施したり、金属箔を積層した物やシート状金属からなる。この反射体は、入射部5と表面部8以外の部分を覆い光源4からの光が導光板2によって表面部8に出射した以外の光を反射または乱反射し、再び導光板2に入射させて光源4からの光を全て表面部8から出射するようにする。
本発明に係る導光板の略図 本発明に係る導光板の略図 本発明に係る導光板の光線の略軌跡図
符号の説明
2…導光板、4…光源、5…入射部、6,6b…端部、8…表面部、9…裏面部、20…光学素子、21,22…傾斜面、β…入射角、α…屈折角、γ…臨界角、n…屈折率、θ…表面部および裏面部と傾斜面とが成す角度、L1,L11,L12,L2,L21,L22…光線。

Claims (7)

  1. 指向性を有した複数の光源からの光を導く入射部と、該光を出射する表面部と、当該表面部の反対側に位置する裏面部と、これら前記表面部と前記裏面部とを接続する側面部とを有し、前記入射部を前記側面部で囲んだ内部に設けた導光板において、前記入射部は曲線状であって、前記表面部または前記裏面部には前記光源の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続または連続的に前記光源からの光線束に対応した傾斜面を有する光学素子を、前記光源に対向するほど前記入射部から離れるように曲線的に設け、さらに前記光源からの距離方向に対し該光学素子は前記光源からの距離に比例して関数的に増加する密度分布を有することを特徴とする導光板。
  2. 前記光学素子は、断面が三角形状、台形形状、円弧形状であるとともに連続または連続的であることを特徴とする請求項1記載の導光板。
  3. 前記光学素子は、前記光源から遠ざかるほど前記光学素子の高さを高くまたは/および部分的に高低をつけることを特徴とする請求項1記載の導光板。
  4. 前記傾斜面は、前記表面部および前記裏面部と成す角度がπ/2−2・臨界角から臨界角の範囲であることを特徴とする請求項1記載の導光板。
  5. 前記傾斜面は、前記光源からの距離に比例して前記表面部および前記裏面部と成す角度が臨界角に近づくことを特徴とする請求項1記載の導光板。
  6. 前記傾斜面は、前記傾斜面の中央部を中心にして内側または外側に円弧を、あるいは前記傾斜面の部分的に内側と外側とに円弧を成していることを特徴とする請求項1記載の導光板。
  7. 指向性を有した複数の光源と、前記光源からの光を導く入射部と、該光を出射する表面部と、当該表面部の反対側に位置する裏面部と、これら前記表面部と前記裏面部とを接続する側面部とを有し、前記入射部を前記側面部で囲んだ内部に曲線状に設け、前記光源の輝度分布または光エネルギ分布に対応した位置に連続または連続的に前記光源からの光線束に対応した傾斜面を有し、前記光源に対向するほど前記入射部から離れるように曲線的に設けられ、さらに前記光源からの距離方向に対し、前記光源からの距離に比例して関数的に増加する密度分布に施すとともに前記傾斜面の傾きを変化できる光学素子を表面部または裏面部に有する導光板と、前記導光板からの出射光の微細な輝度斑を補正する補正シートと、前記導光板の前記入射部および出射面以外を覆い前記導光板からの漏れ光を再び前記導光板内に反射する反射体とを具備することを特徴とする平面照明装置。
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