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JP4701948B2 - パタン光照射装置、3次元形状計測装置、及びパタン光照射方法 - Google Patents

パタン光照射装置、3次元形状計測装置、及びパタン光照射方法 Download PDF

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Description

本発明は、パタンを有する光を物体に照射するパタン光照射装置及びパタン光照射方法、さらには、当該パタン光照射装置を用いた3次元形状計測装置に関するものである。
3次元形状計測装置には、計測対象となる物体に光パタンを投影し、照射パタンを縞解析法などの位相解析手法を用いて解析することによって対象の3次元情報(高さ情報)を得るものがある。このような装置についてより詳細に説明すると、まず、光源からパタン形成板を介して計測対象に向けて光を照射することによって計測対象にパタン形成板の像を投影する。そして、パタン形成板の像を投影した計測対象を撮像し、画像を得る。次に、この画像におけるパタン形成板の像のパタンを、計測対象を設置しない場合(すなわち基準平面のみがある場合)のパタンと比較し、計測対象を設置することにより生じるパタンのずれ量(位相変位量)に基づいて高さ情報を算出する。
ここで、計測物体に投影されるパタンとしては、正弦波パタンが度々用いられている。これは、矩形波パタンを用いる場合には明部と暗部との境界部分しか高さの算出に用いることができないのに対して、正弦波パタンを用いる場合には、波の任意の部分に基づいて高さを算出できることにより、分解能を向上させられるからである。
3次元形状計測装置の測定方法の一例を図11〜図13を用いて説明する。図11(a)、図11(b)は計測対象の一例を示すものであり、それぞれ計測対象を上面、側面から見た図である。このような計測対象に正弦波パタン光を照射すると、図12の左図のようになる。なお、図中では、中間調部分を表現せず黒又は白の2値によって縞模様を表現しているが、実際の縞模様は輝度の勾配を有するグラデーションになる。
図12の左図に示すように、高さのある物体に正弦波パタン光を照射すると、正弦波の縞模様が物体の高さに応じて変化する。図12の右図は、物体を設置しない基準平面における照射パタン、及び物体における照射パタンについての、画像における左右方向の位置と輝度値との関係を示すグラフである。同図に示すように、高さを有する物体に投影された正弦波パタンには、位相のずれが生じる。この位相のずれ量から、図13に示す三角測量の原理に基づいて高さを算出することができる。
このような3次元形状計測装置のパタン光照射装置には、正弦波パタン光を照射するために以下に示すような各種手法が用いられている。まず、第1の手法としては、正弦波パタンを投影するための正弦濃淡パタンが形成されたフィルムに光を照射する手法が挙げられる。この手法では、正弦波パタン光が形成されるようにフィルムにグラデーション(濃淡)を形成している。なお、濃淡の形成は、ハロゲン化銀などの感光粒子を用いた感光やインクジェットプリンタなどによる印刷によって行っている。
また、第2の手法としては、液晶プロジェクタによって正弦波状の光パタンを照射する手法が挙げられる。この手法では、液晶素子によって正弦濃淡パタンを形成するとともにプロジェクタによってその濃淡パタンを計測対象に投影する。この場合、濃淡は個々の液晶素子の透過率を調節することによって表現している。
そして、第3の手法は、微細なスリットを有する回折格子に光を照射することによって正弦波パタン光を照射する手法である。この手法では、スリットの幅や間隔を適切に調節することによって光の回折を誘起し、回折した光の干渉作用によって正弦波パタン光を形成している。
また、第4の手法としては、変調用信号によって経時的に振幅(輝度)変調を生じさせた光を計測対象に走査する手法である。この手法では、時間と輝度との関係が正弦関数によって表されるように光に振幅変調を生じさせ、この光を計測対象に走査することによって計測対象に正弦波パタン光を照射している。
また、さらに別の手法として、特許文献1には以下の手法が開示されている。引用文献1には、マイクロレンズアレイを用いた位置測定装置について記載されている。この位置測定装置は、光源と、光源からの光を散乱させるための散乱板と、散乱板を透過した光を選択的に通過させるスリットマスクと、スリットマスクの前方に設けられたレンズアレイとを備えている。この位置測定装置では、スリットとレンズアレイとを組み合わせることにより、レンズアレイの個々のレンズがそれぞれ擬似的な光源としての役割を果たす。そして、レンズアレイのレンズの焦点を適切に調節することによって、隣接するレンズ同士からの光を重ね合わせて擬似的な正弦波パタン光を形成する。
特開平8−313209号公報(平成8年(1996)11月29日公開) 特開平7−19825号公報(平成7年(1995)1月20日公開)
しかしながら、上述した従来の技術は、さまざまな問題点を有している。例えば、濃淡パタンが形成されたフィルムに光を照射する手法においては、フィルムからなるパタン形成板の大きさが問題となる。そのことについて以下に詳述する。
近年では、この種の三次元形状計測装置は半導体の実装基板などの検査に用いられることが多い。これは、基板の各部の高さを計測することによって、部品の取り付けミスや半田の不具合などを検出しようとするものである。ここで、正確な検査のためには、μmオーダーの高分解能が要求されるが、分解能を上げるためには、正弦波パタンのピッチ(周期)を小さくしなければならない。例えば、上記の濃淡パタンが形成されたフィルムからなるパタン形成板によって1視野内に200周期の正弦波パタンを投影する場合について考える。フィルム上に正弦濃淡パタンを形成するためには、濃淡を感光粒子又は印刷用粒子からなるドットによって表現する必要がある。例えば、粒子1個のサイズが5μmで、正弦波パタンに用いる濃淡を256階調(8bit階調)で表現する場合、正弦波1周期に必要なフィルムのサイズは、
5(μm)×256(階調)×2=2560(μm)
となる。そして、これを200周期分作るためには、フィルムのサイズが
2560(μm)×200(周期)=512(mm)
必要となる。これは、つまり、フィルムを通過した光をイメージサークルが512mm以上のレンズで集光する必要があることを意味する。このようなレンズは、通常の35mmフィルム用カメラに用いられる43mm程度のイメージサークルを有するレンズに比べて著しく大きく、大変高価である。よって、パタン光照射装置のコストが増大してしまう。このことは、液晶素子によって正弦濃淡パタンを形成する手法についても同様である。
また、回折格子を用いて正弦波パタン光を照射する手法においては、光の回折現象を利用しているため、単一波長の光源が必要とされる。つまり、特殊な光源が必要になるため、パタン光照射装置のコストが増大し、かつ小型化が難しい。
一方、変調用信号によって経時的に振幅変調を生じさせた光を計測対象に走査する手法においては、パタンを投影した計測対象を撮像し、撮像した画像を解析するのに適していない。その理由を説明すると、走査には一定の時間を要するため、計測対象のある瞬間を捉えた画像には、正弦波パタンの一部しか撮像されないことになる。よって、一回の撮像によって得られた画像からは視野全体に渡る高さの算出を行うことができないからである。
また、特許文献1に記載されたマイクロレンズアレイを用いる手法では、マイクロレンズアレイに用いる各レンズが単板(単レンズ)構成に限定されるため、単一波長の光源を用いない場合に、光源からの光の波長に応じて焦点距離が変わったり、色収差の影響が残ったりする。このことから単一波長の光源が必要となる。よって、回折格子を用いる場合と同様の問題が発生する。
また、マイクロレンズアレイを用いる手法には、照射パタンの形状変更を容易に行うことができないという問題もある。通常の3次元形状の測定において、高さ方向の分解能を変化させるためには正弦波パタンのピッチを変化させる必要がある。また、3次元形状を測定するのと併せて、対象物の全体または一部を撮像してテンプレート画像とのパターンマッチングを行いたい場合には、パタン光ではなく、一様な輝度を持つ光、すなわちパタンのない光を照射する必要がある。このようにパタンの形状を変化させる必要がある場合に、マイクロレンズアレイを用いる手法では、マイクロレンズアレイ全体を交換しなければならない。このマイクロレンズアレイ全体の交換には多大なコストを要するため、照射パタンの形状変更を容易に行うことができないのである。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、従来の技術が有する上記の諸問題を解決し、低コストで画像処理に好適な正弦波パタン光を照射することのできるパタン光照射装置を実現することにある。
本発明に係るパタン光照射装置は、パタンを有する光を対象物に照射するためのパタン光照射装置であって、上記課題を解決するために、開口部が複数設けられたパタン形成板と、上記パタン形成板に光を照射するための光照射手段と、上記光照射手段によって照射され、上記パタン形成板の開口部を通過した光を一体的に集光し、集光した光を上記対象物に導くための投影レンズとを備え、上記投影レンズは、上記パタン形成板の像が対象物に結像せずに正弦波パタンとして投影されるように配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、光照射手段が開口部を有するパタン形成板に光を照射することにより、パタン形成板の後方では、パタン形成板の開口部とそれ以外のマスク部とによって略パタン形成板の像が形成される。そして、形成されたパタン形成板の像は、投影レンズによって集光され、対象物に投影される。ここで、投影レンズの位置は、パタン形成板によって形成されたパタン形成板の像が対象物に結像しないように、ピントの合った位置からずらして配置されている。これにより、像の輪郭、すなわちパタン形成板の開口部とマスク部との境界部分におけるコントラストが弱くなり、像は開口部の中央からマスク部にかけて光の輝度が滑らかに落ちていくことになる。つまり、対象物に投影される開口部の像の輝度は、開口部の中央を頂上とした滑らかな山状になる。さらに、開口部の間隔を適切に設定することにより、隣接する開口部を通過した光束同士が重なり合い、マスク部の像の輝度は、マスク部の中央を底とした滑らかな谷状となる。その結果、開口部の中央を最大、マスク部の中央を最小とする、疑似正弦波のパタン光を対象物に照射することが可能になる。
以上のように、本発明では、正弦波パタンの濃度勾配を再現する際に、上述したフィルムや液晶プロジェクタを用いた従来技術のように離散化(量子化)されたドットの濃淡(フィルムの場合は印刷用粒子、液晶プロジェクタの場合は液晶素子)によって表現せずに、ピントのズレというアナログ的な手法によって再現している。そのため、正弦波パタンの1周期に必要なパタン形成板のサイズは、印刷用粒子や液晶素子による濃淡を利用した従来の技術に比べて小さくて済む。
このことについて詳細に説明すると、本発明では、パタン形成板における開口部の1ピッチが正弦波パタンの1周期に相当する。ここで、パタン形成板は、開口部とマスク部という2値的な領域によって形成されるため、上述した濃淡を再現したフィルムや液晶素子を用いてパタン形成板を構成する場合に比べて、開口部のピッチを小さくすることが容易である。これにより、所望の波数の正弦波パタンを形成するためのパタン形成板のサイズを小さくすることができる。その結果、パタン形成板を通過した光を投影するための投影レンズを小型化することができ、パタン光照射装置の製造コストを抑制することができる。換言すれば、同一のサイズの投影レンズを用いた場合には、従来技術よりも多くの波数を含む正弦波パタンを照射することが可能になる。
さらに、アナログ的な方法によって正弦波パタンを形成するため、離散化されたドットの濃淡を利用する従来の技術に比べて、本来の正弦波に近いきめの細かい正弦波パタンを形成することができる。
また、本発明の構成は、スリットによる光の回折現象を用いるものではなく、また、マイクロレンズアレイのように投影レンズの構成が単板(単レンズ)構成に限定されるものでもない。従って、用いる光源が単一波長の光源に限定されることがなく、正弦波パタン光を照射するための装置の製造コストの抑制や小型化が容易になる。
また、本発明の構成によれば、変調用信号を用いて時系列的に振幅(輝度)変調を行った光を対象物に走査するものとは異なり、対象物に対して常に正弦波パタンの全領域を投影することができる。これにより、このパタン光照射装置を三次元形状計測装置などに用いた場合、ある瞬間に撮像した画像を基に、求めたい領域全体の高さ情報を求めることができる。つまり、正弦波パタンの画像を撮像する際に、シャッター速度を上げることができる。従って、基板検査装置などのように、対象物と撮像装置とを相対的に移動させながら計測する場合や、形状が時々刻々と変化する対象物を計測する場合においても好適に用いることができる。
以上のように、本発明によれば、従来の技術が有する上記の諸問題を解決しつつ、低コストで画像処理に好適な正弦波パタン光を照射できるパタン光照射装置を実現することができる。
また、上記パタン形成板の隣接する2つの開口部の間隔は、当該開口部の開口幅よりも大きいことが好ましい。
従来、特許文献2に示すように、パタン形成板のマスク幅と開口幅とは1対1の長さで形成されることが多かった。しかしながら、この様な装置に使われる光源は、その光線の方向(指向性)がそろっているとは限らず、投影されたマスク部の像の中央部分の輝度が、左右の開口部から回り込んだ光が重なることによって上昇する傾向にある。これにより、照射パタンの暗部の輝度が増加し、照射パタンのコントラストの低下が引き起こされる。このため、照射パタンのSN比が低下し、ひいては計測精度が低下するという問題が生じる。この問題は、照射パタンの反復数を増やすために、開口部のピッチを小さくするようにマスク幅を減少させた場合に一層顕著になる。
ここで、本発明では、開口部の間隔(すなわちマスク幅)を開口幅よりも大きくする、すなわちマスク部の中央を開口部から遠ざけることにより、開口部からマスク部の像の中央部分に回り込む光の量を減少させることができる。これにより、マスク部の像の中央における輝度を下げることができる。つまり、正弦波パタンにおける最小輝度値を下げることができ、これにより正弦波パタンの振幅が増大する。これは、正弦波パタンのコントラストが上昇し、SN比が大きくなることを意味する。従って、この正弦波パタンを用いて対象物の高さ情報を測定すれば、高精度で測定することができるようになる。
また、上記投影レンズは、複数の単レンズが直列に設けられた複合レンズであることが好ましい。
上記構成によれば、複数の単レンズを組み合わせることによって、光の波長の違いに応じた色収差を軽減することができる。これにより、光の波長によらず、一定した条件で正弦波パタン光を照射することができるようになる。
また、上記パタン形成板は複数の液晶素子からなり、上記パタン形成板の開口部と当該開口部によって挟まれるマスク部とは、上記液晶素子への電圧の印加の有無によって形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、ある液晶素子が開口部として機能するかマスク部として機能するか、すなわち光を透過させるか遮断するかは当該素子への電圧印加の有無で決定される。このため、印加電圧を変化させるだけで、その素子における光源からの光の透過/遮断を容易に切り換えることができる。これにより、例えば分解能を変化させるためにパタンのピッチを変化させたり、対象物全体を撮像してテンプレート画像とのパターンマッチングを行うためにパタンの有無を切り換えたりすることを簡便に行うことができるようになる。
また、上記光照射手段は、光を照射する光源と、当該光源からの光を集光し、平行光にしてパタン形成板に導く集光レンズとを有していることが好ましい。
上記構成によれば、光源からの光を集光レンズによって集光するために、エネルギー効率を挙げることができる。さらに、一般的な光源と集光レンズとを用いているため、低コストで平行光をパタン形成板に照射することができるようになる。
本発明に係る3次元形状測定装置は、上記パタン光照射装置と、上記パタン光照射装置によって正弦波パタンが投影される上記対象物を撮像する撮像装置と、上記撮像装置によって撮像された画像中の正弦パタンを解析し、上記対象物の高さ情報を算出する画像解析装置とを備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、3次元形状測定装置は上述したパタン光照射装置を備えている。よって、従来の技術が有する上記の諸問題を解決しつつ3次元情報(高さ情報)を測定することができる。
また、本発明に係るパタン光照射方法は、パタンを有する光を対象物に照射するためのパタン光照射方法であって、上記課題を解決するために、開口部が複数設けられたパタン形成板に光を照射する光照射工程と、上記光照射工程において上記パタン形成板を通過した光を、上記パタン形成板の像が上記対象物に結像しないようにピントをずらして配置した投影レンズを介して、上記対象物に正弦波パタン光として照射する投影工程とを含んでいることを特徴とする。
上記構成によれば、光照射工程において開口部を有するパタン形成板に光を照射することにより、パタン形成板の後方では、パタン形成板の開口部とそれ以外のマスク部とによってパタン形成板の像が形成される。そして、形成されたパタン形成板の像は、投影工程において対象物に投影される。ここで、投影工程では、ピントをずらした投影レンズによって、パタン形成板の像を対象物に投影する。これにより、パタン形成板によって形成されたパタン形成板の像が対象物に結像せず、像の輪郭、すなわちパタン形成板の開口部とマスク部との境界部分におけるコントラストが弱くなり、像は開口部の中央からマスク部にかけて光の輝度が滑らかに落ちていくことになる。つまり、対象物に照射される開口部の像の輝度は、開口部の中央を頂上とした滑らかな山状になる。さらに、開口部の間隔を適切に設定することにより、隣接する開口部を通過した光束同士が重なり合い、マスク部の像の輝度は、マスク部の中央を底とした滑らかな谷状となる。その結果、開口部の中央を最大、マスク部の中央を最小とする、疑似正弦波のパタン光を対象物に照射することが可能になる。
以上のように、本発明では、正弦波パタンの濃度勾配を再現する際に、ピントのズレというアナログ的な手法によって再現している。そのため、正弦波パタンの1周期に必要なパタン形成板のサイズは、印刷用粒子や液晶素子による濃淡を利用した従来の技術に比べて小さくて済む。その結果、パタン形成板を通過した光を投影するための投影レンズを小型化することができ、パタン光照射装置の製造コストを抑制することができる。換言すれば、同一のサイズの投影レンズを用いた場合には、従来技術よりも多くの波数を含む正弦波パタンを照射することが可能になる。
さらに、アナログ的な方法によって正弦波パタンを形成するため、離散化されたドットの濃淡を利用する従来の技術に比べて、本来の正弦波に近いきめの細かい正弦波パタンを形成することができる。
また、本発明の構成は、スリットによる光の回折現象を用いるものではなく、また、マイクロレンズアレイのように投影レンズの構成が単板(単レンズ)構成に限定されるものでもない。従って、用いる光源が単一波長の光源に限定されることがなく、正弦波パタン光を照射するための装置の製造コストの抑制や小型化が容易になる。
また、本発明の構成によれば、変調用信号を用いて時系列的に振幅(輝度)変調を行った光を対象物に走査するものとは異なり、対象物に対して常に正弦波パタンの全領域を投影することができる。これにより、このパタン光照射装置を三次元形状計測装置などに用いた場合、ある瞬間に撮像した画像を基に、求めたい領域全体の高さ情報を求めることができる。つまり、正弦波パタンの画像を撮像する際に、シャッター速度を上げることができる。従って、基板検査装置などのように、対象物と撮像装置とを相対的に移動させながら計測する場合や、形状が時々刻々と変化する対象物を計測する場合においても好適に用いることができる。
以上のように、本発明によれば、従来の技術が有する上記の諸問題を解決しつつ、低コストで画像処理に好適な正弦波パタン光を照射できるパタン光照射方法を実現することができる。
また、上記パタン形成板の隣接する2つの開口部の間隔は、当該開口部の開口幅よりも大きいことが好ましい。
上記構成によれば、開口部の間隔(すなわちマスク幅)を開口幅よりも大きくする、すなわちマスク部の中央を開口部から遠ざけることにより、開口部からマスク部の像の中央部分に回り込む光の量を減少させることができる。これにより、マスク部の像の中央における輝度を下げることができる。つまり、正弦波パタンにおける最小輝度値を下げることができ、これにより正弦波パタンの振幅が増大する。これは、正弦波パタンのコントラストが上昇し、SN比が大きくなることを意味する。従って、この正弦波パタンを用いて対象物の高さ情報を測定すれば、高精度で測定することができるようになる。
以上のように、本発明に係るパタン光照射装置は、開口部が複数設けられたパタン形成板と、上記パタン形成板に光を照射するための光照射手段と、上記パタン形成板を通過した光を一体的に集光し、集光した光を上記対象物に導くための投影レンズとを備え、上記投影レンズは、上記パタン形成板の像が対象物に結像せずに正弦波パタンとして照射されるように配置された構成となっている。
また、本発明に係るパタン光照射方法は、開口部が複数設けられたパタン形成板に光を照射する光照射工程と、上記光照射工程において上記パタン形成板を通過した光を、ピントをずらした投影レンズを介して上記対象物に正弦波パタン光として照射する投影工程とを含んだ構成となっている。
従って、上述したように、従来の技術が有する諸問題を解決しつつ、低コストで画像処理に好適な正弦波パタン光を照射できるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1から図17に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態では、本発明のパタン光照射装置を、3次元形状計測装置に用いられるパタン投影ユニットに適用した例を用いて説明する。ただし、本発明のパタン光照射装置は、3次元形状計測装置用に限定されるものではなく、物体に正弦波パタン光を照射する装置であれば何れのものにも適用可能である。
図2は、3次元形状計測装置の全体構成を示す図である。3次元形状計測装置100は、計測対象となる物体に向けてパタン光を照射し、計測対象に投影されたパタンを縞解析法などの位相解析手法を用いて解析することによって対象の3次元情報(高さ情報)を得るためのものである。3次元形状計測装置100は、図2に示すように、パタン投影ユニット(パタン光照射装置)1、投影コントローラ2、撮像ユニット3、画像収集・処理ユニット4、テーブルコントローラ5、及びXY移動テーブル6を備えている。
パタン投影ユニット1は、正弦波パタンを有する光を計測対象200に照射するためのものである。計測対象200は例えば半導体基板などであり、パタン投影ユニット1は、計測対象200の表面の法線方向から角度を成すように設けられている。すなわち、計測対象200には、パタン投影ユニット1から斜めにパタン光が照射されることになる。なお、パタン投影ユニット1の詳細な構成については後述する。
投影コントローラ2は、パタン投影ユニット1の光量を制御するためのものである。撮像ユニット3は、図示しないカメラとレンズとを有している。撮像ユニット3は、計測対象200を撮像し、計測対象200に投影された正弦波パタンの輝度情報を画像として取得する。取得した画像は、撮像ユニット3によって電子データに変換され、画像収集・処理ユニット4に送信される。
画像収集・処理ユニット4は、撮像ユニット3で撮像された画像の電子データを取り込み、画像処理により計測対象の3次元形状(高さ情報)を計測する。なお、画像処理による3次元形状の計測方法には、公知の各種技術を用いることができる。
XY移動テーブル6は、計測対象200を設置する台である。XY移動テーブル6は、図示しないモータなどによって、計測対象200を水平方向に移動させることができる。このとき、XY移動テーブル6は、水平方向を含む面をXY平面とした場合に、X軸方向およびY軸方向の双方に変位することができる。これにより、計測対象200を、パタン投影ユニット1および撮像ユニット3の双方に対して相対的に移動させることができる。
テーブルコントローラ5は、上記のXY移動テーブル6のモータに電流を流したり、止めたりすることによって、XY移動テーブル6を移動させるためのものである。なお、テーブルコントローラ5がXY移動テーブル6をどのように移動するかは、上記の画像収集・処理ユニット4からの指令を受け取ることによって決定される。
次に、パタン投影ユニット1の詳細な構造について説明する。パタン投影ユニット(パタン光照射装置)1は、図1に示すように、光源10、集光レンズ11、投影パタン(パタン形成板)12、及び投影レンズ13を備えている。
光源10には、LED、ハロゲンランプ、又はキセノンランプなどの各種光源を用いることができる。集光レンズ11は、光源10から照射された光を集光して平行光にするためのレンズである。なお、光源10及び集光レンズ11の組み合わせは、請求項における光照射手段に相当する。
投影パタン12は、図3に示すように、それぞれ所定の幅を有する長方形(矩形状)の開口部及びマスク部の組が複数平行に、すなわち格子状に並べられたものである。換言すると、投影パタン12は、所定の開口幅を有する開口部が所定の間隔で複数設けられているともいえる。ここで、開口部は光を通過(透過)させる領域として、マスク部は光を通過(透過)させない領域として機能する。このように、本実施形態のパタン投影ユニット1では、正弦濃淡パタンを有する投影パタンではなく、開口部及びマスク部の2値的な領域が格子状に配列された投影パタンを用いている。
投影パタン12の製造方法としては特に限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、プリントフィルムの表面にインキを格子状に乗せる(印刷する)ことによって製造してもよいし、あるいは、図5に示すように、ガラス基板上にクロム蒸着を格子状に行うことによって製造してもよい。しかしながら、本実施形態ではより好ましい形態として、マトリックス状に配列された液晶素子によって投影パタン12を構成する。
液晶素子を用いた投影パタン12の例を図6に示す。この場合、パタン投影ユニット1は、図6及び図7に示すように、液晶素子からなる投影パタン12の個々の電極に接続された液晶パタンコントローラ14をさらに備えている。そして、液晶パタンコントローラ14が個々の液晶素子への印加電圧をオン/オフ制御することにより、投影パタン12の開口部及びマスク部を形成する。このように投影パタン12を液晶素子によって構成し、液晶パタンコントローラ14が液晶素子への印加電圧のオン/オフを変更することにより、計測対象200に投影するパタンを簡便に切り換えることができるようになる。なお、パタンを切り換える場面としては、例えば正弦波パタン光が必要な3次元計測から一様な輝度の光が必要なパターンマッチング用の画像を取得するための計測に切り換えるときや、計測対象200の微細度に応じてパタン周期を切り換えるときなどが挙げられる。
投影レンズ13は、投影パタン12を通過した平行光を一体的に集光して計測対象200に照射するためのレンズである。これにより、投影パタン12の像、すなわち開口部及びマスク部からなるパタンが、計測対象200に投影される。ここで、本実施形態のパタン投影ユニット1では、図1及び図7に示すように、投影レンズ13によって計測対象200に投影された投影パタン12の像が計測対象200に結像しないように、投影レンズ13がピントの合う位置からずらして配置されている。
なお、投影レンズ13は、1つの単レンズのみを有する単レンズ構成としてもよいが、本実施形態ではより好ましい形態として、2つの単レンズを光路方向に直列に配列した複合レンズ構成とする。なお、投影レンズ13の有する単レンズの数は2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。このように、投影レンズ13を複合レンズ構成とすることにより、光源10から照射される光が単一波長の光でない場合であっても、波長の相違による色収差を軽減することができる。
このようなパタン投影ユニット1において、光源10から照射された光は、エネルギー効率を上げるために集光レンズ11にて集光され、投影パタン12に照射される。その結果、投影パタン12の開口部に照射された光はそのまま通過し、マスク部に照射された光は遮断されることによって、投影パタン12の後方では開口部及びマスク部の像(すなわちパタン)が形成される。
そして、投影パタン12を通過した光は、投影レンズ13によって計測対象に照射される。ここで、投影レンズ13は、上述したようにピントをずらして配置されているため、投影レンズ13を通過したパタン光は、計測対象200の照射面上に正弦波パタンとして投影される。この原理について以下に詳述する。
まず、投影レンズ13のピントが合っている場合で、投影パタン12を通過する光が理想的な(完全な)平行光の場合について考える。この場合、投影パタン12の像が計測対象200に結像し、計測対象200に投影されるパタンの輝度は、図8の実線のようなグラフになる。すなわち、像は開口部において常に最大輝度を示し、開口部とマスク部との境界で輝度は最大値から最小値に減少し、そして、マスク部において常に最小輝度を示す。
ところが、実際には投影パタン12を通過する光が理想的な平行光でないため、図8の破線で示すように、開口部とマスク部との境界部分にぼやけが生じる。すなわち、像の輝度は開口部の中央で最大になり、開口部とマスク部との境界近傍で減少し、マスク部の開口部から最も遠い位置で最小となる。
ここで、本実施形態では、投影レンズ13のピントをずらすことにより、図8の一点破線で示すように、開口部の中央からマスク部にかけての輝度の勾配がさらになだらかになる。そして、このマスク部の間隔、すなわち、開口部と開口部との間の距離を調節することによって、隣接する開口部から回り込んだ光が重ね合わされる。図9は、このときの像の輝度を示すグラフである。図9に示すように、上述した輝度(一点鎖線)と、隣接する開口部から回り込んだ光による輝度(二点鎖線)とが重ね合わされて、擬似的な正弦波形状の輝度(実線)となる。このようにして、輝度が開口部の中央で最大、マスク部の中央で最小となる正弦波パタンが計測対象200の照射面上に形成される。
ところで、上記の説明では、投影パタン12の開口部とマスク部との幅の比について特に言及しなかったが、マスク部の幅は開口部の幅よりも大きいことが好ましい。このことについて以下に説明する。
図19に示すように、光源10から照射され、集光レンズ11によって集光された光線は、様々な波長を有する光を含むため、完全な平行光とはならずに、広がり角度Θを持った光線となる。なお、この広がり角度Θは、集光レンズ11のレンズ面のどの位置を通過した光線についても適用される。これにより、投影パタン12に照射される光線は、全てが投影パタン12のパタン形成面に対して垂直に(すなわち0°で)差し込むわけではなく、0°以上Θ°以下で差し込むことになる。これにより、上述したように光の回り込みが生じる。
すなわち、理想的な平行光の場合、マスク部の後ろには光線が全く照射されない影ができるが、実際には、図19に示すように、開口部のマスク部との境界近傍からマスク部に向かってΘ°以下で指し込んだ光が、マスク部の後ろに回り込む。これにより、輝度が最小となるマスク部の像の中央部分にも光が回り込み、マスク部の中央の輝度が上昇することになる。このマスク部の中央の輝度の上昇は、正弦波パタンの輝度の最小値の上昇を意味し、得られる正弦波パタンの輝度のコントラストが低下することになる。これにより、得られる正弦波パタンのSN比が低下し、精確な3次元情報の測定を妨害する要因となっている。
このような問題に対処するため、本実施形態のパタン投影ユニット1では、図18に示す従来の構成(開口幅:マスク幅=1:1)とは異なり、図10に示すように投影パタン12のマスク部の幅が開口部の幅よりも大きく設計されている。このように設計することにより、マスク部の中央が開口部から離れることになる。そのため、マスク部の像の中央に回り込む光線の量が減少し、マスク部の像の中央における輝度を低下させることができる。その結果、得られる正弦波パタンの輝度のコントラストが上昇し、精確な3次元情報の測定が可能になる。
さて、このようにして正弦波パタンが投影された計測対象200は、撮像ユニット3によって撮像される。そして、撮像によって得られた画像は、デジタルデータとして画像収集・処理ユニット4に送信される。次に、画像収集・処理ユニット4は、受信した画像における正弦波パタンを解析することによって計測対象200の高さ情報を測定する。この際の解析方法には公知の縞解析手法、例えば武田らによる論文(J. Opt. Soc. Am, P.72〜P.156, 1982)に記載された方法を用いることができる。よって、ここでは縞解析手法について簡単に説明するに留める。
例えば、上面図が図11(a)で、側面図が図11(b)で示される計測対象200に正弦波パタン光を照射した場合、計測対象200の表面上に形成されるパタンは、図12の左図に示すようになる。なお、図中では、中間調部分を表現せず黒又は白の2値によって縞模様を表現しているが、実際の縞模様は輝度の勾配を有するグラデーションになる。
図12の左図に示すように、高さのある物体に正弦波パタン光を照射すると、正弦波の縞模様が物体の高さに応じて変化する。図12の右図は、凸部のない基準平面におけるパタンの輝度、又は凸部におけるパタンの輝度と、スキャン方向における位置との関係を示すグラフである。同図に示すように、高さを有する物体(凸部)に投影された正弦波パタンには、位相にずれが生じる。このずれは物体の高さに依存しており、このずれを計測することで物体の高さ情報を得ることができる。
図13に高さ計測の原理(三角測量の原理)を示す。計測対象200の高さは基準平面からの距離として計算される。図13では、説明を簡単にするため基準平面からの高さがhである平面を計測する場合で示す。パタン投影ユニット1から投影されるパタンが基準平面上の点Oの位置に向けて照射されているものとする。パタン投影ユニット1と撮像ユニット3の向きをこの状態に保ったままで高さhだけ離れた平面を計測する場合、パタンは点Pに投影される。すなわち撮像ユニット3から見ると、基準平面の撮像時と比べて、パタンが距離PQだけずれたところ計測される。これが図12におけるパタンのずれに相当する。
この位置ずれPQを用いれば、図13に示す三角測量の原理に基づく式(1)によって、高さhを算出することができる。ただし、dは撮像ユニット3とパタン投影ユニット1との光軸中心間の距離、Lは撮像ユニット3から基準平面までの距離であり、これらは既知の値である。なお、上記のパタンの位置ずれは、正弦波のような周期性のあるパタンにおける位置ずれであるため、位相差と呼ばれる。
このようにして測定された計測対象200の高さ情報(3次元形状情報)は、XY平面座標と対応付けられて、画像収集・処理ユニット4の図示しない記憶部に設けられたデータベースに、取り出し可能に記憶される。そして、ユーザは、画像収集・処理ユニット4に接続された図示しないディスプレイによって、データベースに記憶された計測対象200の3次元形状情報を閲覧することができる。
次に、本発明の実施例について図15から図17を用いて説明する。本実施例では、投影パタン12として、マトリックス状に配列した液晶素子を用いた。そして、投影パタン12の開口部のピッチ(つまり、ある開口部の中央からこれに隣接する開口部の中央までの距離)を100μmとした。これは、10LP(Line Pair)/mmに相当し、液晶素子で構成する上で特別な技術を用いることなく容易に製造可能な値である。この構成によれば、1視野内に200周期の正弦波パタンを投影するために必要なサイズが、
100(μm)×200(周期)=20(mm)
となる。よって、通常の35mmフィルムカメラなどに用いられるレンズで充分対応可能なサイズである。
開口部の幅とマスク部との幅は1:1.7とした。一方、集光レンズ、投影パタン、投影レンズ、及び照射面の配置は、図14に示すようにした。具体的には、集光レンズに焦点距離80mm、撮影倍率0.3倍のものを用い、集光レンズと投影パタンとの間の距離を約25mm、投影パタンから投影レンズの主点までの距離を約50mm、投影レンズの主点から照射面までの距離を約270mmとした。これにより、投影パタンの像は、照射面に結像せずピントのぼけた像となった。
このようなパタン投影ユニットによって投影されるパタンの1周期分の輝度を示したグラフが図15である。図15に示すように、ある開口部1を通過した光によって照射面に形成される輝度は、破線のようになった。そして、開口部1に隣接する開口部2を通過した光によって照射面に形成される輝度は、一点鎖線のようになった。実際に照射面に形成される輝度は、これら2つの輝度を重ね合わせた実線のようになった。図15に示すように、開口部の像の中央の輝度を1とした場合、マスク部の像の中央の輝度は約0.5となり、像の輝度は、開口部の中央からマスク部の中央までなだらかに減少し、マスク部の中央から隣接する別の開口部の中央までなだらかに増加し、擬似的な正弦波パタンが形成されることが検証された。
また、投影レンズのピントをずらした場合とピントを合わせた場合との比較結果を図16に示す。図16では、実際に基準平面に投影したパタンを撮像ユニットによって撮像した画像から得られた輝度値を縦軸とし、撮像ユニットの画素番号を横軸としている。そして、実線がピントをずらした場合(すなわち、本実施例)、破線がピントを合わせた場合(すなわち、対照例)のグラフを示す。ここでは、ピント以外は同一の条件とした。図16に示すように、ピントを合わせた場合では、開口部の像からマスク部の像にかけての輝度の勾配が大きくなり、正弦波からのくずれが生じていることが示された。これに対して、本実施例では、正弦波に近いパタンが形成された。この結果から、投影レンズのピントをずらして配置する本実施例の構成の方が、対照例よりも正弦波に近い形状のパタンを投影できることが検証された。
最後に、開口部の幅(開口幅)とマスク部の幅(マスク幅)とを変化させた場合の比較結果を図17に示す。図17では、実際に基準平面に投影したパタンを撮像ユニットによって撮像した画像から得られた輝度値を縦軸とし、撮像ユニットの画素番号を横軸としている。そして、実線が、開口幅とマスク幅の比を1:1.7にした場合(すなわち、本実施例)、破線が開口幅とマスク幅の比を1:1にした場合(すなわち、対照例)のグラフを示す。ここでは、開口幅とマスク幅との比以外は、同一の条件とした。図17に示すように、本実施例と対照例とにおいて、開口部の像の中央の輝度値(最大輝度値)はほぼ同一の値であった。これに対して、マスク部の像の中央の輝度値(最小輝度値)は、本実施例では約50であったのに対して、対照例では約80であった。以上のように、本実施例の構成、すなわち、マスク幅を開口幅よりも大きくした場合の方が、照射面に投影される正弦波パタンの振幅が大きくなり、コントラストが向上することが検証された。
本発明は上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、本明細書で示した数値範囲以外であっても、本発明の趣旨に反しない合理的な範囲であれば、本発明に含まれることはいうまでもない。
本発明のパタン光照射装置は正弦波パタンを有する光を対象物に照射するためのパタン光照射装置であって、例えば3次元形状計測装置のパタン投影ユニットなどに好適に用いることができる。
本発明の一実施形態を示すものであり、パタン投影ユニットの要部構成を示す図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、3次元形状計測装置の要部構成を示す図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、投影パタンに設けられたパタン形状を示す平面図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、投影パタンの構成例を示す側面図である。 本発明の他の実施形態を示すものであり、投影パタンの構成例を示す側面図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、投影パタンの構成例を示す平面図である。 本発明の他の実施形態を示すものであり、パタン投影ユニットの要部構成を示す図である。 計測対象に投影される投影パタンの像の開口部及びマスク部における輝度を示す図である。 計測対象に投影される投影パタンの像の開口部及びマスク部における輝度を示す図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、投影パタンに設けられた開口幅とマスク幅との比を示す平面図である。 (a)は計測対象の形状を示す上面図であり、(b)は計測対象の形状を示す側面図である。 図11の計測対象に正弦波パタン光を照射した場合に形成されるパタンを示す図である。 三角測量の原理を説明する図である。 本発明の一実施例を示すものであり、パタン投影ユニットの構成を示す図である。 本発明の一実施例を示すものであり、正弦波パタンが形成された様子を示す図である。 本発明の一実施例を示すものであり、投影レンズのピントをずらした場合とずらさない場合とにおける、照射面に投影されたパタンの比較結果を示す図である。 本発明の一実施例を示すものであり、開口幅とマスク幅の比を1:1.7にした場合と1:1にした場合とにおける、照射面に投影されたパタンの比較結果を示す図である。 従来技術を示すものであり、投影パタンに設けられた開口幅とマスク幅との比を示す平面図である。 開口部を通過した光が、マスク部の像に差し込む現象を説明する図である。
符号の説明
1 パタン投影ユニット(パタン光照射装置)
3 撮像ユニット(撮像装置)
4 画像収集・処理ユニット(画像解析装置)
10 光源(光照射手段)
11 集光レンズ(光照射手段)
12 投影パタン
13 投影レンズ
100 3次元形状計測装置
200 計測対象(対象物)

Claims (5)

  1. パタンを有する光を対象物に照射するためのパタン光照射装置であって、
    複数の液晶素子からなり、上記液晶素子への電圧の印加の有無によって複数の開口部および当該開口部によって挟まれるマスク部が形成されるパタン形成板と、
    上記パタン形成板に光を照射するための光照射手段と、
    上記光照射手段によって照射され、上記パタン形成板の開口部を通過した光を一体的に集光し、集光した光を上記対象物に導くための投影レンズとを備え、
    上記投影レンズは、上記パタン形成板の像が対象物に結像せずに正弦波パタンとして投影されるように配置されており、
    上記パタン形成板の隣接する2つの開口部の間隔は、当該開口部の開口幅よりも大きいことを特徴とするパタン光照射装置。
  2. 上記投影レンズは、複数の単レンズが直列に設けられた複合レンズであることを特徴とする請求項に記載のパタン光照射装置。
  3. 上記光照射手段は、光を照射する光源と、当該光源からの光を集光し、平行光にしてパタン形成板に導く集光レンズとを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のパタン光照射装置。
  4. 請求項1からの何れか1項に記載のパタン光照射装置と、
    上記パタン光照射装置によって正弦波パタンが投影される上記対象物を撮像する撮像装置と、
    上記撮像装置によって撮像された画像中の正弦波パタンを解析し、上記対象物の高さ情報を算出する画像解析装置とを備えていることを特徴とする3次元形状計測装置。
  5. パタンを有する光を対象物に照射するためのパタン光照射方法であって、
    複数の液晶素子からなり、上記液晶素子への電圧の印加の有無によって複数の開口部および当該開口部によって挟まれるマスク部が形成されるパタン形成板であって、隣接する2つの開口部の間隔が当該開口部の開口幅よりも大きいパタン形成板に光を照射する光照射工程と、
    上記光照射工程において上記パタン形成板を通過した光を、上記パタン形成板の像が上記対象物に結像しないようにピントをずらして配置した投影レンズを介して、上記対象物に正弦波パタン光として照射する投影工程とを含んでいることを特徴とするパタン光照射方法。
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