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JP4770696B2 - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両およびその制御方法に関する。
従来、この種の車両としては、駆動輪に動力を出力するモータと、モータを駆動するモータ駆動回路とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、モータ駆動回路の短絡故障が検出されたときには、車両の牽引を禁止することにより、モータの回転による逆起電圧の発生を抑制して本来故障のなかった他の部分にまで損傷が及ぶのを防止している。
特開2006−87175号公報
ところで、こうした車両では、モータ駆動回路の短絡故障が発生したときには、モータ駆動回路のインバータをゲート遮断したとしても、オン故障したスイッチング素子とモータの巻き線コイルとによって閉回路が形成され、モータの回転による逆起電圧に伴う制動力が車両に作用する。モータからの動力を複数の駆動輪のうちの一部の駆動輪にだけ出力して走行する車両(例えば、後輪駆動の車両)では、こうした逆起電圧に伴う制動力もその一部の駆動輪だけに作用するため、前後輪に作用する制動力がアンバランスとなり、車両が旋回しているときなどに車両の安定性が損なわれる場合がある。
本発明の車両およびその制御方法は、車両の安定性が悪化するのを抑制することを目的とする。
本発明の車両およびその制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
駆動輪に連結された第1の車軸に動力を出力可能で、回転に伴って逆起電圧を発生する電動機と、
複数のスイッチング素子を有し、該複数のスイッチング素子のスイッチングを用いて前記電動機を駆動する駆動回路と、
少なくとも前記第1の車軸とは異なる第2の車軸に制動力を出力可能な制動力付与手段と、
前記駆動回路の複数のスイッチング素子のうち少なくとも一つに異常が生じた異常発生時には、所定制動力が前記制動力付与手段から前記第2の車軸に付与されるよう前記制動力付与手段を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両では、駆動輪に連結された第1の車軸に動力を出力可能で回転に伴って逆起電圧を発生する電動機を複数のスイッチング素子のスイッチングを用いて駆動する駆動回路の複数のスイッチング素子のうち少なくとも一つに異常が生じた異常発生時には、所定制動力が前記制動力付与手段から第2の車軸に付与されるよう制動力付与手段を制御する。駆動回路のスイッチング素子のうち少なくとも一つに異常が生じた異常発生時には、電動機の回転により生じる逆起電圧により第1の車軸に制動力が作用することがあるが、適当な制動力を所定制動力として制動力付与手段から第2の車軸に付与することにより、第2の車軸に制動力を付与しないものに比して前後輪に作用する制動力がアンバランスとなるのを抑制することができ、車両の安定性が悪化するのを抑制することができる。
こうした本発明の車両において、前記制御手段は、前記異常発生時には、車速が大きいほど大きくなる傾向の制動力を前記所定制動力として制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、車速に応じてより適正に車両の安定性の悪化を抑制することができる。
また、本発明の車両において、前記制御手段は、前記異常発生時には、前記電動機の回転に伴って生じる逆起電圧により前記第1の車軸に作用する制動力である作用制動力に対して所定の関係となる制動力を前記所定制動力として制御する手段であるものとすることもできる。ここで、「所定の関係」には、作用制動力と所定制動力とが所定の比となる関係や、操舵角が大きいほど作用制動力と所定制動力との偏差が小さくなる関係などが含まれる。
さらに、本発明の車両において、前記制御手段は、前記異常発生時には、車速と操舵角とのうち少なくとも一方に基づいて前記制動力付与手段から前記第2の車軸に制動力を付与するよう制動力付与要求がなされているか否かを判定し、該制動力付与要求がなされていると判定されたときには前記所定制動力が前記制動力付与手段から前記第2の車軸に付与されるよう制御し、前記制動力付与要求がなされていないと判定されたときには前記制動力付与手段から前記第2の車軸に制動力を付与しない手段であるものとすることもできる。この場合、異常発生時に車速が低いときや操舵角が小さいときには、制動力付与手段から第2の車軸に制動力を付与しないものとすることもできる。こうすれば、第2の車軸に制動力を付与する場合を限定することができ、必要のないときに無駄に第2の車軸に制動力を付与するのを回避することができる。
あるいは、本発明の車両において、前記制御手段は、前記駆動回路の複数のスイッチング素子のうち少なくとも一つがオン状態で故障したときを前記異常発生時として制御する手段であるものとすることもできる。
本発明の車両において、前記電動機は、多相交流電動機であり、前記電動機の各相に流れる電流を検出する複数の電流検出手段を備え、前記制御手段は、前記駆動回路の複数のスイッチング素子の全てをゲート遮断している最中に前記複数の電流検出手段のうちの少なくとも一つにより電流が検出されたときを前記異常発生時として制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動回路の複数のスイッチング素子のうちの少なくとも一つに異常が生じたことをより適正に判定することができる。このようにして駆動回路の複数のスイッチング素子のいずれかに異常が生じたことを判定することができるのは以下の理由による。例えば、駆動回路の複数のスイッチング素子のうちのいずれかがオン故障したときを考えると、オン故障したスイッチング素子を含む閉回路が形成される。そして、電動機が回転しているときには、その回転に伴って発生する逆起電圧によって閉回路を電流が流れる。したがって、この電流を検出することによって駆動回路に異常が生じたことを判定できる。
本発明の車両において、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸と前記第1の車軸に連結された駆動軸とに接続され電力の入出力と前記出力軸および前記第1の車軸への駆動力の入出力を伴って前記駆動軸に対する前記出力軸の回転数を調整可能な回転調整手段と、を備えるものとすることもできる。この場合、前記回転調整手段は、前記内燃機関の出力軸と前記動力軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできる。
本発明の車両の制御方法は、
駆動輪に連結された第1の車軸に動力を出力可能で回転に伴って逆起電圧を発生する電動機と、複数のスイッチング素子を有し該複数のスイッチング素子のスイッチングを用いて前記電動機を駆動する駆動回路と、少なくとも前記第1の車軸とは異なる第2の車軸に制動力を出力可能な制動力付与手段と、を備える車両の制御方法であって、
前記駆動回路の複数のスイッチング素子のうち少なくとも一つに異常が生じた異常発生時には、所定制動力が前記制動力付与手段から前記第2の車軸に付与されるよう前記制動力付与手段を制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の車両では、駆動輪に連結された第1の車軸に動力を出力可能で回転に伴って逆起電圧を発生する電動機を複数のスイッチング素子のスイッチングを用いて駆動する駆動回路の複数のスイッチング素子のうち少なくとも一つに異常が生じた異常発生時には、所定制動力が前記制動力付与手段から第2の車軸に付与されるよう制動力付与手段を制御する。駆動回路のスイッチング素子のうち少なくとも一つに異常が生じた異常発生時には、電動機の回転により生じる逆起電圧により第1の車軸に制動力が作用することがあるが、適当な制動力を所定制動力として制動力付与手段から第2の車軸に付与することにより、第2の車軸に制動力を付与しないものに比して前後輪に作用する制動力がアンバランスとなるのを抑制することができ、車両の安定性が悪化するのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続されたモータMG1と、動力分配統合機構30と後輪66a,66bとに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ65を介して、最終的には後輪66a,66bに出力される。
図2は、モータMG1,MG2を中心とした電気駆動系の構成の概略を示す構成図である。モータMG1,MG2は、いずれも外表面に永久磁石が貼り付けられたロータと、三相コイルが巻回されたステータとを備える周知のPM型の同期発電電動機として構成されている。モータMG1,MG2は、同期発電電動機として構成されているから、回転軸に動力を入力すれば、モータMG1,MG2により発電することができる。即ち、モータMG1,MG2は回転に応じた逆起電圧を生じる。このモータMG1,MG2は、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。インバータ41は、6個のトランジスタT1〜T6と6個のダイオードD1〜D6とにより構成されている。6個のトランジスタT1〜T6は、電力ライン54の正極母線と負極母線とに対してソース側とシンク側とになるよう2個ずつペアで配置され、その接続点にモータMG1の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。この6個のトランジスタT1〜T6には、それぞれ6個のダイオードD1〜D6が逆並列接続されている。したがって、電力ライン54の正極母線と負極母線との間に電圧が作用している状態で対をなすトランジスタT1〜T6のオン時間の割合を制御することにより三相コイルに回転磁界を形成でき、モータMG1を回転駆動することができる。インバータ42は、6個のトランジスタT7〜T12と6個のダイオードD7〜D12とにより構成されている。6個のトランジスタT7〜T12は、インバータ回路42の正極母線と負極母線とに対してソース側とシンク側とになるよう2個ずつペアで配置され、その接続点にモータMG2の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。この6個のトランジスタT7〜T12には、それぞれ6個のダイオードD7〜D12が逆並列接続されている。したがって、電力ライン54の正極母線と負極母線との間に電圧が作用している状態で対をなすトランジスタT7〜T12のオン時間の割合を制御することにより三相コイルに回転磁界を形成でき、モータMG2を回転駆動することができる。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や、モータMG1,MG2の三相コイルの各相に流れる相電流を検出する電流センサ45U,45V,45W,46U,46V,46Wからの相電流Iu1,Iv1,Iw1,Iu2,Iv2,Iw2などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42のトランジスタT1〜T6,T7〜T12へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,図示しないステアリングの操舵角を検出する操舵角センサ88からの操舵角θなどが入力ポートを介して入力されており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、前輪63a,63bおよび後輪66a,66bに制動力を出力するブレーキ64a,64b,67a,67bへの駆動信号などが出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図3は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,電流センサ46U,46V,46WからのモータMG2の三相コイルの各相に流れる相電流Iu2,Iv2,Iw2など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして後輪66a,66bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nr(モータMG2の回転数Nm2)を乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。
続いて、モータMG2の三相コイルの各相に流れる相電流Iu2,Iv2,Iw2のうち絶対値が最も大きい電流値を最大電流I2として設定すると共に(ステップS120)、モータMG2のインバータ42がゲート遮断されているか否かを判定し(ステップS130)、モータMG2のインバータ42がゲート遮断されていないと判定されたときには、最大電流I2を閾値Iref1と比較する(ステップS140)。ここで、閾値Iref1は、モータMG2やインバータ42に過大な電流が流れているか否かを判定するために用いられるものであり、モータMG2やインバータ42の特性などにより定められる。
最大電流I2が閾値Iref1以下のときには、モータMG2やインバータ42に過大な電流は流れていないと判断し、要求パワーPe*を閾値Prefと比較する(ステップS150)。閾値Prefは、エンジン22の特性などにより定められ、エンジン22を効率よく運転可能なパワーの下限値などに設定される。要求パワーPe*が閾値Pref以上のときには、要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS160)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図5に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS170)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を図6に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2であるリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS180)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS190)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS200)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図6の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS210)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のトランジスタT1〜T6,T7〜T12のスイッチング制御を行なう。
一方、ステップS150で要求パワーPe*が閾値Pref未満のときには、エンジン22が停止されるようエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に共に値0を設定すると共に(ステップS220)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS230)、前述したステップS180〜S210の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。運転制御停止指令を受信したエンジンECU24は、エンジン22の運転制御を停止する。
ステップS140で最大電流I2が閾値Iref1より大きいときには、モータMG2やインバータ42に過大な電流が流れていると判断し、モータMG2のインバータ42のゲート遮断指令をモータECU40に送信すると共に(ステップS240)、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に共に値0を設定し(ステップS250)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS260)、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*についてはエンジンECU24にモータMG1のトルク指令Tm1*についてはモータECU40に送信して(ステップS270)、駆動制御ルーチンを終了する。ゲート遮断指令を受信したモータECU40は、モータMG2のインバータ42のトランジスタT7〜T12を全てオフにする。
ステップS130でインバータ42がゲート遮断されていると判定されると、最大電流I2を閾値Iref2と比較する(ステップS280)。ここで、閾値Iref2は、インバータ42がゲート遮断されているにも拘わらずモータMG2の三相コイルのいずれかに電流が流れているか否かを判定するために用いられるものであり、モータMG2やインバータ42の特性により定められ、前述した閾値Iref1より小さい値例えば値0やそれよりも若干大きい値などに設定される。いま、インバータ42をゲート遮断した状態を考えているため、6個のトランジスタT7〜T12は全てオフされている。したがって、最大電流I2は通常は略値0となる。しかし、6個のトランジスタT7〜T12のいずれかがオンの状態で故障しているとき、例えばトランジスタT7がオンの状態で故障しているときを考えると、トランジスタT7〜T12の全てをオフしようとしてもトランジスタT7がオンしていることになり、トランジスタT7,モータMG2のU相のコイル,V相またはW相のコイル,ダイオードD8またはダイオードD9,トランジスタT7の閉回路が形成され、モータMG2が回転しているときにはその回転により生じる逆起電圧により閉回路に電流が流れることになる。実施例では、こうしたインバータ42の異常を判定するためにインバータ42をゲート遮断した状態で最大電流I2を閾値Iref2と比較するのである。
最大電流I2が閾値Iref2以下のときには、インバータ42は正常であると判断し、ステップS220以降の処理を実行する。こうしてステップS180〜S210の処理によりモータMG2のインバータ42のトランジスタT7〜T12のゲート遮断が解除されると、次回に駆動制御ルーチンが実行されたときに、ステップS130でインバータ42はゲート遮断されていないと判定される。
一方、ステップS280で最大電流I2が閾値Iref2より大きいときには、インバータ42に異常が生じていると判断し、ブレーキ64a,64bから前輪63a,63bに制動力を付与する制動力付与要求がなされているか否かを示す制動力付与要求フラグFを設定する(ステップS290)。制動力付与要求フラグFは、制動力付与要求がなされていないときに値0が設定され、制動力付与要求がなされているときに値1が設定されるフラグである。いま、インバータ42のトランジスタT7〜T12のいずれかに異常が生じているときを考えているから、モータMG2の回転に伴って生じる逆起電圧に応じた制動トルクが駆動軸としてのリングギヤ軸32aを介して後輪66a,66bに作用する。したがって、前輪63a,63bと後輪66a,66bとに作用する制動トルクがアンバランスであることによって車両の安定性が損なわれるおそれがある。実施例では、こうしたおそれがあるときに、制動力付与要求がなされていると判断し、制動力付与要求フラグFに値1を設定するものとした。制動力要求フラグFは、実施例では、車速Vと操舵角θと制動力付与要求フラグFとの関係を予め定めて制動力付与要求フラグ設定用マップとしてROM74に記憶しておき、車速Vと操舵角θの絶対値とが与えられると記憶したマップから対応する制動力付与要求フラグFを導出して設定するものとした。制動力付与要求フラグ設定用マップの一例を図7に示す。制動力要求フラグFは、図示するように、車速Vが大きいほど且つ操舵角θの絶対値が大きいほど値1が設定されやすいようになっている。これは、前述した車両の安定性が損なわれるおそれは、車速Vが大きいほど即ちモータMG2の回転が大きくなり後輪66a,66bに作用する制動トルクが大きいほど大きくなり、操舵角θの絶対値が大きいほど即ち急旋回しているときほど大きくなると考えられることに基づく。
続いて、設定した制動力付与要求フラグFの値を調べ(ステップS300)、制動力付与要求フラグFが値1のときには、制動力付与要求がなされていると判断し、車速Vに基づいて前輪63a,63bに出力すべき目標制動トルクTb*を設定すると共に(ステップS310)、設定した目標制動トルクTb*に応じた制動トルクが前輪63a,63bに出力されるようブレーキ64a,64bを駆動して(ステップS320)、ステップS240以降の処理を実行する。ここで、目標制動トルクTb*の設定は、実施例では、車速Vと目標制動トルクTb*との関係を予め実験などにより定めて目標制動トルク設定用マップとして記憶しておき、車速Vが与えられると記憶したマップから対応する目標制動トルクTb*を導出して設定するものとした。目標制動トルク設定用マップの一例を図8に示す。目標制動トルクTb*は、図示するように、車速Vが大きいほど大きくなる傾向に設定するものとした。これは、車速Vが大きいほど駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転数Nrが大きくなり、モータMG2の回転に伴って生じる逆起電圧が大きくなり、後輪66a,66bに大きな制動トルクが作用すると考えられることに基づく。このように、インバータ42がゲート遮断され且つ最大電流I2が閾値Iref2より大きいとき、即ちインバータ42のトランジスタT7〜T12のいずれかに異常が生じて閉回路が形成されているときに、制動力付与要求がなされているときには、車速Vに応じた目標制動トルクTb*に応じた制動トルクを前輪63a,63bに出力することにより、前輪63a,63bと後輪66a,66bとに作用する制動トルクがアンバランスになることによる車両の安定性の悪化を抑制することができる。
一方、ステップS300で、車速Vが閾値Vref未満であるときや、車速Vが閾値Vref以上であっても操舵角θの絶対値が閾値θref未満のときには、制動力付与要求はなされていないと判断し、ブレーキ64a,64bから前輪63a,63bに制動力を付与することなく、ステップS240以降の処理を実行する。これにより、制動力付与要求はなされていないときに、無駄に前輪63a,63bに制動力を付与するのを回避することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2のインバータ42のトランジスタT7〜T12のいずれかに異常が生じて閉回路が形成されたときには、ブレーキ64a,64bから前輪63a,63bに制動トルクを出力するから、モータMG2の回転に伴って後輪66a,66bに作用する制動トルクとブレーキ64a,64bから前輪63a,63bに出力する制動トルクとがアンバランスになることによる車両の安定性の悪化を抑制することができる。しかも、このとき、車速Vが大きいほど大きくなる傾向の制動トルクをブレーキ64a,64bに出力するから、車両の安定性の悪化を車速に応じて抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2のインバータ42がゲート遮断されているときや、インバータ42がゲート遮断されていないときでも最大電流I2が閾値Iref1を超えたときには、エンジン22を停止すると共にモータMG1からトルクを出力しないものとしてもよいが、ある程度のトルク、例えば、要求トルクTr*を所定トルクで制限したトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とを制御するものとしてもよい。こうすれば、モータMG2に異常が生じたときでも、エンジン22からの動力を用いて走行することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2のインバータ42がゲート遮断されているときに、最大電流I2を用いてインバータ42に異常が生じているか否かを判定するものとしたが、これに代えてまたは加えて、モータMG2の温度やインバータ42の温度などを用いてインバータ42に異常が生じているか否かを判定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2のインバータ42にのトランジスタT7〜T12のいずれかに異常が生じて閉回路が形成されたときには、車速Vと操舵角θの絶対値とに基づいて制動力付与要求がなされていると判断したときにブレーキ64a,64bから前輪63a,63bに制動トルクを出力するものとしたが、車速Vや操舵角θの絶対値に拘わらずブレーキ64a,64bから前輪63a,63bに制動トルクを出力するものとしてもよい。また、実施例では、車速Vと操舵角θの絶対値とに基づいて制動力付与要求がなされているか否かを判断するものとしたが、車速Vだけに基づいて判断するものとしてもよいし、操舵角θの絶対値だけに基づいて判断するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、車速Vに基づいて設定された目標制動トルクTb*をブレーキ64a,64bから前輪63a,63bに出力するものとしたが、車速Vに拘わらず一定の制動トルクをブレーキ64a,64bから前輪63a,63bに出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、図8の制動トルク設定用マップに示したように、車速Vが大きいほど大きくなる傾向に目標制動トルクTb*を設定するものとしたが、図6のマップを用いずに、車速Vに応じてモータMG2から後輪66a,66bに作用する制動トルクを推定し、推定した制動トルクに対して所定の比(例えば、1:1など)となるよう目標制動トルクTb*を設定するものとしてもよいし、制動トルクに対して操舵角θに応じた比(例えば、操舵角θが大きいほど所定の比に近づく傾向の比)となるよう目標制動トルクTb*を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して後輪66a,66bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ132と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ134とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機130を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力やモータMG2からの動力を後輪66a,66bに出力するものとしたが、これらの動力を前輪63a,63bに出力するものとしてもよい。この場合、モータMG2のインバータ42に異常が生じたときには、ブレーキ67a,67bから後輪66a,66bに制動トルクを出力すればよい。
実施例では、エンジン22からの動力とモータMG2からの動力とにより走行するハイブリッド自動車20について説明したが、モータからの動力だけにより走行する電気自動車に適用するものとしてもよい。
ここで、実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、後輪66a,66bに動力を出力可能で回転に伴って逆起電圧を発生するモータMG2が「電動機」に相当し、6個のトランジスタT7〜T12を有しそのトランジスタT7〜T12のスイッチングを用いてモータMG2を駆動するインバータ42が「駆動回路」に相当し、前輪63a,63bに制動力を付与するブレーキ64a,64bが「制動力付与手段」に相当し、インバータ42のトランジスタT7〜T12のいずれかに異常が生じて閉回路が形成されたときにブレーキ64a,64bから前輪63a,63bに目標制動トルクTb*に応じた制動トルクが出力されるようブレーキ64a,64bを駆動するハイブリッド用電子制御ユニット70が「制御手段」に相当する。また、エンジン22が「内燃機関」に相当し、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26と駆動軸としてのリングギヤ軸32aとに接続された動力分配統合機構30と動力分配統合機構30に接続されたモータMG1とが「回転調整手段」に相当する。なお、実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両の形態としてもよいし、こうした車両の制御方法の形態としてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド自動車20に搭載されてモータMG1,MG2やインバータ41,42,バッテリ50などからなる電気駆動系の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 制動力付与要求フラグ設定用マップの一例を示す説明図である。 要求制動トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、31a 回転軸、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、63a,63b 前輪、65 デファレンシャルギヤ、66a,66b 後輪、64a,64b,67a,67b ブレーキ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 操舵角センサ、90U,90V,90W,91U,91V,91W 電流センサ、130 対ロータ電動機、132 インナーロータ 134 アウターロータ、B1 ブレーキ、MG1,MG2 モータ、D1〜D12 ダイオード、T1〜T12 トランジスタ。

Claims (8)

  1. 駆動輪に連結された第1の車軸に動力を出力可能で、回転に伴って逆起電圧を発生する電動機と、
    複数のスイッチング素子を有し、該複数のスイッチング素子のスイッチングを用いて前記電動機を駆動する駆動回路と、
    少なくとも前記第1の車軸とは異なる第2の車軸に制動力を出力可能な制動力付与手段と、
    前記駆動回路の複数のスイッチング素子のうち少なくとも一つに異常が生じた異常発生時には、前記電動機の回転に伴って生じる逆起電圧により前記第1の車軸に作用する制動力である作用制動力に対して所定の関係となる制動力としての所定制動力が前記制動力付与手段から前記第2の車軸に付与されるよう前記制動力付与手段を制御する制御手段と、
    を備える車両。
  2. 前記制御手段は、前記異常発生時には、車速が大きいほど大きくなる傾向の制動力を前記所定制動力として制御する手段である請求項1記載の車両。
  3. 前記制御手段は、前記異常発生時には、車速と操舵角とのうち少なくとも一方に基づいて前記制動力付与手段から前記第2の車軸に制動力を付与するよう制動力付与要求がなされているか否かを判定し、該制動力付与要求がなされていると判定されたときには前記所定制動力が前記制動力付与手段から前記第2の車軸に付与されるよう制御し、前記制動力付与要求がなされていないと判定されたときには前記制動力付与手段から前記第2の車軸に制動力を付与しない手段である請求項1または2記載の車両。
  4. 前記制御手段は、前記駆動回路の複数のスイッチング素子のうち少なくとも一つがオン状態で故障したときを前記異常発生時として制御する手段である請求項1ないし3いずれか記載の車両。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の車両であって、
    前記電動機は、多相交流電動機であり、
    前記電動機の各相に流れる電流を検出する複数の電流検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記駆動回路の複数のスイッチング素子の全てをゲート遮断している最中に前記複数の電流検出手段のうちの少なくとも一つにより電流が検出されたときを前記異常発生時として制御する手段である
    車両。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の車両であって、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の出力軸と前記第1の車軸に連結された駆動軸とに接続され、電力の入出力と前記出力軸および前記第1の車軸への駆動力の入出力を伴って前記駆動軸に対する前記出力軸の回転数を調整可能な回転調整手段と、
    を備える車両。
  7. 前記回転調整手段は、前記内燃機関の出力軸と前記動力軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である請求項記載の車両。
  8. 駆動輪に連結された第1の車軸に動力を出力可能で回転に伴って逆起電圧を発生する電動機と、複数のスイッチング素子を有し該複数のスイッチング素子のスイッチングを用いて前記電動機を駆動する駆動回路と、少なくとも前記第1の車軸とは異なる第2の車軸に制動力を出力可能な制動力付与手段と、を備える車両の制御方法であって、
    前記駆動回路の複数のスイッチング素子のうち少なくとも一つに異常が生じた異常発生時には、前記電動機の回転に伴って生じる逆起電圧により前記第1の車軸に作用する制動力である作用制動力に対して所定の関係となる制動力としての所定制動力が前記制動力付与手段から前記第2の車軸に付与されるよう前記制動力付与手段を制御する、
    車両の制御方法。

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