JP4764953B1 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 接触部材等との接触ストレスの緩和効果を持続的に発揮することができ、かつ、繰り返し使用時の電位安定性にも優れた電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】 電子写真感光体の表面層である電荷輸送層が、電荷輸送物質と、特定のシロキサン部位を含む繰り返し構造単位を特定量有するポリカーボネート樹脂Aと、特定の繰り返し構造単位を含むポリエステル樹脂Cまたはポリカーボネート樹脂Dとを含有し、該電荷輸送層は、電荷輸送物質およびポリエステル樹脂Cまたはポリカーボネート樹脂Dにより形成されるマトリックス中に、ポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインとを有するマトリックス−ドメイン構造を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 電子写真感光体の表面層である電荷輸送層が、電荷輸送物質と、特定のシロキサン部位を含む繰り返し構造単位を特定量有するポリカーボネート樹脂Aと、特定の繰り返し構造単位を含むポリエステル樹脂Cまたはポリカーボネート樹脂Dとを含有し、該電荷輸送層は、電荷輸送物質およびポリエステル樹脂Cまたはポリカーボネート樹脂Dにより形成されるマトリックス中に、ポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインとを有するマトリックス−ドメイン構造を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真感光体ならびに電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置に搭載される電子写真感光体に用いられる光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)として、有機光導電性物質の開発が盛んに行われている。有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は、有機光導電性物質や樹脂(結着樹脂)を溶剤に溶解・分散させて得られる塗布液を支持体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成された感光層を有するものが通常である。また、感光層の層構成については、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層してなる積層型(順層型)のものが一般的である。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は、電子写真感光体として必要とされる特性のすべてを満たしているわけではない。電子写真プロセスにおいて、電子写真感光体の表面には、現像剤、帯電部材、クリーニングブレード、紙、転写部材のような種々のもの(以下「接触部材等」ともいう。)が接触する。電子写真感光体に要求される特性には、これら接触部材等との接触ストレスによる画像悪化の低減が挙げられる。特に、近年、電子写真感光体の耐久性が向上するのに伴い、上記接触ストレスによる画像悪化の低減効果の持続性が望まれている。
上記接触ストレスの緩和に関して、シロキサン構造を分子鎖中に有するシロキサン変性樹脂を上記種々の部材と接触する電子写真感光体の表面層に含有させることが提案されている。例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂にシロキサン構造を組み込んだ樹脂が開示されている。また、特許文献2には、シロキサン構造を有するブロック共重合樹脂材料を用いて電子写真感光体の表面層中にドメインを形成する技術が開示されている。同様に、特許文献3には、電子写真感光体の電荷輸送層中にシリコーン材料を粒子状に分散させた状態で用いる技術が開示されており、放電破壊が効果的に阻止され、画像劣化(黒ポチ)を抑制できることが示されている。特許文献4および特許文献5にはシロキサン構造を側鎖に有するポリカーボネート樹脂が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜5で開示されている電子写真感光体では、電子写真特性の維持と持続的な接触ストレスの低減の両立が達成できているわけではない。特許文献1では、シロキサン構造を組み込まれたポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂を含有することにより初期の滑り性の付与がなされている。滑り性の持続性に関しても向上が見られているが、十分とはいえない。また、特許文献1には、持続的に滑り性を付与する手法として樹脂の混合した表面層が提案されている。しかしながら、特許文献1には、樹脂混合によるドメイン形成は光透過率の低下や感度が低くなることが記載されており、シロキサンの含有量はドメイン形成が発生しないように制御されている。また、特許文献1に記載のシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂のシロキサン部分の含有量を高めた場合、ポリアリレート樹脂中に電荷輸送物質の凝集体を形成し、繰り返し使用時の電位安定性に劣る場合があった。
特許文献2に開示されている材料は、同一樹脂内に低表面エネルギー性を有する成分とマトリックス成分を有する樹脂であり、この低表面エネルギー性を有する成分がドメインを形成し、低表面エネルギー状態が形成されることが示されている。低表面エネルギー性を発現するシロキサン部位は、表面移行性(界面移行性)が高く、電荷輸送層と近接する電荷発生層との界面に存在しやすいため、積層型の感光層を有する電子写真感光体では電位変動の増加の要因となることがある。特許文献2に記載の材料により作製された電子写真感光体においても、上記要因による電位変動が発生する場合があった。
特許文献3に開示されている電荷輸送層中にシリコーン材料を粒子状に分散させた電子写真感光体においても、上記同様の表面移行性(界面移行性)のため、上記要因による電位変動が発生する場合があった。
また、特許文献4に開示されているシロキサン構造を側鎖に有するポリカーボネート樹脂を電子写真感光体に用いた場合には、ポリカーボネート樹脂中に電荷輸送物質の凝集体が形成され、繰り返し使用時の電位安定性に劣る場合があった。特許文献4では、透明性、電気特性を悪化させないために、シロキサン含有量を少なくする工夫を行っているが、他の樹脂とマトリックス−ドメイン構造を形成することについては記載されていない。また、特許文献4には、電子写真感光体への滑り性の付与について記載されており、初期の滑り性については向上するが、繰り返し使用時の滑り性の持続には十分とはいえない場合があった。特許文献5では、耐熱性を悪化させないために、シロキサン含有量を少なくする工夫を行っているが、他の樹脂とマトリックス−ドメイン構造を形成することについては記載されていない。また、特許文献5には、電子写真感光体への滑り性の付与について記載されており、初期の滑り性については向上するが、繰り返し使用時の滑り性の持続には十分とはいえない場合があった。
本発明の目的は、接触部材等との接触ストレスの緩和効果を持続的に発揮することができ、かつ、繰り返し使用時の電位安定性にも優れた電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層ならびに該電荷発生層上に設けられた電荷輸送物質および樹脂を含有する電荷輸送層を有し、かつ、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体において、
該電荷輸送層が、電荷輸送物質と、下記式(1)もしくは(101)で示される繰り返し構造単位、下記式(2)で示される繰り返し構造単位および下記式(3)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂Aと、下記式(C)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂Cおよび下記式(D)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂と、を含有し、
該ポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位の含有量が、該ポリカーボネート樹脂Aの全質量に対して10質量%以上40質量%以下であり、
該ポリカーボネート樹脂A中の下記式(2)で示される繰り返し構造単位の含有量が、該ポリカーボネート樹脂Aの全質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、
該電荷輸送層が、該電荷輸送物質ならびに該ポリエステル樹脂Cおよび該ポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されたマトリックスと、該マトリックス中に該ポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインとを有するマトリックス−ドメイン構造を有する
ことを特徴とする電子写真感光体である。
該電荷輸送層が、電荷輸送物質と、下記式(1)もしくは(101)で示される繰り返し構造単位、下記式(2)で示される繰り返し構造単位および下記式(3)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂Aと、下記式(C)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂Cおよび下記式(D)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂と、を含有し、
該ポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位の含有量が、該ポリカーボネート樹脂Aの全質量に対して10質量%以上40質量%以下であり、
該ポリカーボネート樹脂A中の下記式(2)で示される繰り返し構造単位の含有量が、該ポリカーボネート樹脂Aの全質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、
該電荷輸送層が、該電荷輸送物質ならびに該ポリエステル樹脂Cおよび該ポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されたマトリックスと、該マトリックス中に該ポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインとを有するマトリックス−ドメイン構造を有する
ことを特徴とする電子写真感光体である。
(式(1)中、Y1は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。W1およびW2は、それぞれ独立に、下記式(a)または(b)で示される1価の基である。)
(式(a)および(b)中、Z1〜Z3は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上4以下である置換もしくは無置換のアルキル基を示す。Z4およびZ5は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上4以下である置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。R41〜R47は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す。n、mおよびkは、それぞれ独立に、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、nは10以上150以下であり、m+kは10以上150以下である。)
(式(101)中、R151〜R153は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。W3は、下記式(e)または(f)で示される1価の基である。)
(式(e)および(f)中、Z101〜Z103は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上4以下である置換もしくは無置換のアルキル基を示す。Z104およびZ105は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上20以下である置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。R141〜R147は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。p、qおよびsは、それぞれ独立に、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、pは10以上150以下であり、q+sは10以上150以下である。)
(式(2)中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。Y5は、酸素原子、または、硫黄原子を示す。)
(式(3)中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。Y4は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。)
(式(C)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。X3は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、または、複数のフェニレン基がアルキレン基もしくは酸素原子を介して結合した2価の基を示す。Y2は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。)
(式(D)中、R31〜R38は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。Y3は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。)
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、接触部材等との接触ストレスの緩和効果を持続的に発揮することができ、かつ、繰り返し使用時の電位安定性にも優れた電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
上記式(1)中、W1およびW2は、それぞれ独立に、上記式(a)または(b)で示される1価の基である。
上記式(a)および(b)中、Z1〜Z3は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上4以下である置換もしくは無置換のアルキル基を示す。炭素原子数が1以上4以下であるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂Aと電荷輸送物質との相溶性(相分離のしにくさのこと。以下同じ。)の点で、ブチル基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。
上記式(a)および(b)中、Z4およびZ5は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上4以下である置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。炭素原子数が1以上4以下であるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂Aと電荷輸送物質との相溶性の点で、プロピレン基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。
上記式(a)および(b)中、R41〜R47は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。これらの中でも、R41〜R47は、上記接触ストレス緩和の点で、メチル基であることが好ましい。
上記式(a)および(b)中、n、mおよびkは、それぞれ独立に、括弧内の構造(−Si−O−)の繰り返し数の平均値を示し、nは10以上150以下であり、m+kは10以上150以下である。nおよびm+kが、それぞれ10以上150以下であると、電荷輸送物質ならびにポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されるマトリックス中にポリカーボネート樹脂Aにより形成されるドメインが効率的に形成される。特に、nおよびm+kは、それぞれ20以上100以下であることが好ましい。
上記式(1)中、Y1は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましく、これらの中でも、機械的強度の点で、メチレン基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。あるいは、Y1は、置換基同士が連結して環構造を形成してなる基であってもよい。置換基同士が連結して環構造を形成してなる基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基などのシクロアルキリデン基などが挙げられる。これらの中でも、シクロヘキシリデン基が好ましい。
以下に、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の具体例を示す。
これらの中でも、上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)で示される繰り返し構造単位が好ましい。
上記式(101)中、R151〜R153は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。アルキル基としてはメチル基、エチル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基が挙げられる。これらの中でも、上記接触ストレス緩和の点で、メチル基であることが好ましい。
上記式(101)中、W3は、上記式(e)または(f)で示される1価の基である。
上記式(e)および(f)中、Z101〜Z103は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上4以下である置換もしくは無置換のアルキル基を示す。炭素原子数が1以上4以下であるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂Aと電荷輸送物質との相溶性の点で、ブチル基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。
上記式(e)および(f)中、Z104およびZ105は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上20以下である置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。炭素原子数が1以上20以下であるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基などが挙げられる。これらの中でも、ドメインを形成する点から、デシレン基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。
上記式(e)および(f)中、R141〜R147は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。これらの中でも、R141〜R147は、上記接触ストレス緩和の点で、メチル基であることが好ましい。
上記式(e)および(f)中、p、qおよびsは、それぞれ独立に、括弧内の構造(−Si−O−)の繰り返し数の平均値を示し、pは10以上150以下であり、q+sは10以上150以下である。pおよびq+sが、それぞれ10以上150以下であると、電荷輸送物質ならびにポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されるマトリックス中にポリカーボネート樹脂Aにより形成されるドメインが効率的に形成される。特に、pおよびq+sは、それぞれ20以上100以下であることが好ましい。
以下に、上記式(101)で示される繰り返し構造単位の具体例を示す。
これらの中でも、上記式(101−1)、(101−2)、(101−3)で示される繰り返し構造単位が好ましい。
上記式(2)中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、水素原子、メチル基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。Y5は、酸素原子、または、硫黄原子を示す。
以下に、上記式(2)で示される繰り返し構造単位の具体例を示す。
これらの中でも、上記式(2−1)、(2−2)で示される繰り返し構造単位が好ましい。
上記式(3)中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。
上記式(3)中、Y4は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましく、これらの中でも、機械的強度の点で、メチレン基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。あるいは、Y4は、置換基同士が連結して環構造を形成してなる基であってもよい。置換基同士が連結して環構造を形成してなる基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基などのシクロアルキリデン基などが挙げられる。これらの中でも、シクロヘキシリデン基が好ましい。
以下に、上記式(3)で示される繰り返し構造単位の具体例を示す。
これらの中でも、上記式(3−2)、(3−4)で示される繰り返し構造単位が好ましい。
また、本発明に用いられるポリカーボネート樹脂Aは、ポリカーボネート樹脂Aの全質量に対してシロキサン部位を10質量%以上40質量%以下で含有するポリカーボネート樹脂である。
本発明において、シロキサン部位とは、シロキサン部分を構成する両端のケイ素原子およびそれらに結合する基と、該両端のケイ素原子に挟まれた酸素原子、ケイ素原子およびそれらに結合する基を含む部位である。具体的にいえば、本発明において、シロキサン部位とは、例えば、下記式(1−S)で示される繰り返し構造単位の場合、下記破線で囲まれた部位のことである。
また、下記式(1−T)で示される繰り返し構造単位の場合、下記破線で囲まれた部位のことである。
本発明のポリカーボネート樹脂Aの全質量に対するシロキサン部位の含有量が10質量%以上であると、接触ストレスの緩和効果が持続的に発揮される。また、シロキサン部位の含有量が10質量%以上であると、電荷輸送物質ならびにポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されるマトリックス中に効率的にドメインが形成される。また、シロキサン部位の含有量が40質量%以下であると、ポリカーボネート樹脂Aにより形成されるドメイン中で電荷輸送物質が凝集体を形成することが抑制され、電位変動が抑制される。
本発明のポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位の含有量は、一般的な分析手法で解析可能である。以下に、分析手法の例を示す。
電子写真感光体の表面層である電荷輸送層を溶剤で溶解させた後、サイズ排除クロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーのような各組成成分を分離回収可能な分取装置で、表面層である電荷輸送層に含有される種々の材料を分取する。分取されたポリカーボネート樹脂Aをアルカリ存在下などで加水分解させ、カルボン酸部分とビスフェノール部分に分解する。得られたビスフェノール部分に対し、核磁気共鳴スペクトル分析や質量分析により、シロキサン部分の繰り返し数やモル比を算出し、含有量(質量比)に換算する。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂Aは、上記式(1)もしくは(101)で示される繰り返し構造単位、上記式(2)で示される繰り返し構造単位および上記式(3)示される繰り返し構造単位の共重合体(好ましくはこれらの三元共重合体)であるが、その共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などのいずれの形態であってもよい。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は、電荷輸送物質およびポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されるマトリックス中にドメインを形成する点で、30,000以上200,000以下であることが好ましい。さらには、40,000以上150,000以下であることがより好ましい。
本発明において、樹脂の重量平均分子量(Mw)とは、常法に従い、特開2007−79555号公報に記載の方法により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂Aの共重合比は、一般的な手法である樹脂の1H−NMR測定による水素原子(樹脂を構成している水素原子)のピーク面積比による換算法によって確認することができる。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂Aは、例えば、ビスフェノール類とホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、または、ビスフェノール類とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エステル交換法)などの方法によって合成することが可能である。
上記式(C)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。
上記式(C)中、X3は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、または、複数のフェニレン基がアルキレン基もしくは酸素原子を介して結合した2価の基を示す。これらの中でも、置換もしくは無置換のアリーレン基、複数のフェニレン基がアルキレン基もしくは酸素原子を介して結合した2価の基が好ましい。アルキレン基としては、例えば、炭素数4〜8のアルキレン基などが挙げられる。これらの中でも、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基が好ましい。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基(o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基)、ナフチレン基などが挙げられる。これらの中でも、m−フェニレン基、p−フェニレン基が好ましい。さらには、これらは、1種類のみで用いるよりも、併用することが好ましい。m−フェニレン基とp−フェニレン基を併用する場合、m−フェニレン基とp−フェニレン基の比(モル比)は1:9〜9:1であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましい。複数のフェニレン基がアルキレン基もしくは酸素原子を介して結合した2価の基のフェニレン基としては、例えば、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基などが挙げられる。これらの中でも、p−フェニレン基が好ましい。複数のフェニレン基を結合させるアルキレン基としては、主鎖を構成する炭素原子数が1以上4以下の置換もしくは無置換のアルキレン基が好ましい。これらの中でも、メチレン基が好ましい。置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。
上記式(C)中、Y2は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましく、これらの中でも、機械的強度の点で、メチレン基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。あるいは、Y2は、置換基同士が連結して環構造を形成してなる基であってもよい。置換基同士が連結して環構造を形成してなる基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基などのシクロアルキリデン基などが挙げられる。これらの中でも、シクロヘキシリデン基が好ましい。また、上記式(C)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂Cは、上記式(C)で示される繰り返し構造単位を2種以上有する共重合体であってもよい。また、その共重合の形態としては、交互共重合であっても、ランダム共重合であっても、ブロック共重合であってもよい。
以下に、上記式(C)で示される繰り返し構造単位の具体例を示す。
これらの中でも、上記式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−6)、(4−7)、(4−8)で示される繰り返し構造単位が好ましい。
上記式(D)中、R31〜R38は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。
上記式(D)中、Y3は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましく、これらの中でも、機械的強度の点で、メチレン基が好ましい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。あるいは、Y3は、置換基同士が連結して環構造を形成してなる基であってもよい。置換基同士が連結して環構造を形成してなる基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基などのシクロアルキリデン基が挙げられる。これらの中でも、シクロヘキシリデン基が好ましい。また、上記式(D)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂Dは、上記式(D)で示される繰り返し構造単位を2種以上有する共重合体であってもよい。また、その共重合の形態としては、交互共重合であっても、ランダム共重合であっても、ブロック共重合であってもよい。
以下に、上記式(D)で示される繰り返し構造単位の具体例を示す。
これらの中でも、上記式(5−1)、(5−2)、(5−4)、(5−5)で示される繰り返し構造単位が好ましい。
本発明の電子写真感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質ならびにポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されたマトリックスと、該マトリックス中にポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインとを有するマトリックス−ドメイン構造を有している。本発明におけるマトリックス−ドメイン構造は、「海島構造」でいうならば、マトリックスが海に相当し、ドメインが島に相当する。
ポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインは、電荷輸送物質ならびにポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されたマトリックス中に形成された粒状(島状)構造を示す。ポリカーボネート樹脂Aにより形成された複数のドメインは、前記マトリックス中に互いに独立して存在している。このようなマトリックス−ドメイン構造の状態は、電荷輸送層の表面観察または電荷輸送層の断面観察を行うことにより確認することができる。
マトリックス−ドメイン構造の状態確認やドメインの計測は、例えば、レーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡などの顕微鏡を用いて行うことが可能である。
本発明におけるポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインの数平均粒径は、100nm以上500nm以下であることが好ましい。また、各ドメインの粒径の粒度分布は狭いほうが電荷輸送層の塗膜およびストレス緩和の効果の均一性の観点から好ましい。本発明における数平均粒径は、本発明の電荷輸送層を垂直に切断した断面の顕微鏡による観察により観測されるドメインのうち任意に100個選択し、切断されたドメインの最大径を平均化することにより算出している。
本発明におけるマトリックス−ドメイン構造を形成するためには、ポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位の含有量は、電荷輸送層中のポリカーボネート樹脂A、ポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの全質量に対して2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。また、上記接触ストレスの緩和と繰り返し使用時の電位安定性の両立の観点からも、ポリカーボネート樹脂Aのシロキサン部位の含有量は、電荷輸送層中のポリカーボネート樹脂A、ポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの全質量に対して2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。さらには、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体の電荷輸送層のマトリックス−ドメイン構造は、電荷輸送物質、ポリカーボネート樹脂A、ならびに、ポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂を含有する電荷輸送層用塗布液を用いて形成することができる。また、上記マトリックス−ドメイン構造は、ドメインを形成するポリカーボネート樹脂Aと、マトリックスを形成するポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂のみを含有する電荷輸送層用塗布液を用いても形成することができる。一方、電荷輸送物質とシロキサン部位を有するポリカーボネート樹脂を含有する電荷輸送層用塗布液を用いて電荷輸送層を形成すると、電荷輸送物質がシロキサン部位を有するポリカーボネート樹脂中で凝集体を形成する場合がある。本発明におけるマトリックス−ドメイン構造と、上記の電荷輸送物質の凝集体が形成された構造とは異なる状態である。本発明の、電荷輸送物質ならびにポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されたマトリックスと、該マトリックス中にポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインとを有するマトリックス−ドメイン構造を有する電荷輸送層を有する電子写真感光体は、電位特性が安定的に維持される。この理由の詳細は不明であるが、本発明者らは、以下に示す現象によるものと考えている。
すなわち、本発明の電子写真感光体の電荷輸送層のマトリックス−ドメイン構造は、電荷輸送物質ならびにポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されたマトリックス中に、ポリカーボネート樹脂Aがドメインを形成している構造である。この場合は、マトリックスが、電荷輸送物質と、ポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂とにより形成されているため、良好な電荷輸送能を保持することが可能になっている。また、ポリカーボネート樹脂Aにより形成されているドメイン中に、電荷輸送物質の凝集体が確認されなければ、電荷輸送物質の凝集による電荷輸送能の低下は引き起こされないと考えられる。また、電荷輸送層中にポリカーボネート樹脂Aにより形成されているドメインが含有されていることにより、ストレス緩和の効果が持続的に発現していると考えられる。
さらに、本発明のマトリックス−ドメイン構造のドメインを形成するポリカーボネート樹脂A中の構造に特定量の上記式(2)で示される繰り返し構造単位(ジフェニルエーテルカーボネート構造)を含有させることで、ポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されたマトリックス中に、ドメインを形成しやすくなっていると考えられる。これは、マトリックスを形成するポリエステル樹脂Cやポリカーボネート樹脂Dが空間的に広がりやすい構造のカーボネート結合および多数の芳香環構造を有するのに対し、ポリカーボネート樹脂Aはジフェニルエーテルカーボネート構造を有することに起因している。すなわち、エーテル構造は折れ曲がりやすく、ポリカーボネート樹脂Aは空間の中で比較的自由な配置をとることができる。さらに、ポリカーボネート樹脂Aのシロキサン部位はビスフェノールの側鎖にグラフトされた構造であり、シロキサン部位の末端基が自由に動くことができる。これらの2つの理由により、ポリカーボネート樹脂Aはドメインを形成しやすくなっている。ポリカーボネート樹脂A中の上記式(2)で示される繰り返し構造単位(ジフェニルエーテルカーボネート構造)の含有量は、具体的には、ポリカーボネート樹脂Aの全質量に対して5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。ジフェニルエーテルカーボネート構造が5質量%未満であると、ポリカーボネート樹脂Aが空間的に広がりやすく、電荷輸送層用塗布液の段階で分離が促進され、マトリックス用の樹脂である、ポリエステル樹脂Cやポリカーボネート樹脂Dとの極端な分離が促進されやすい。その結果、本発明のマトリックス−ドメイン構造のドメインを形成できず、電荷輸送層の光透過率の低下や電荷輸送物質の凝集や表面への析出が起き、電位安定性が低下する。ジフェニルエーテルカーボネート構造が50質量%を越えると、ポリカーボネート樹脂A以外のものもドメインに取り込まれやすくなり、ドメインの大きさが不均一なりやすい。その結果、電荷輸送物質もドメインに多く取り込まれ、電荷輸送能の低下が引き起こされる。
また、ポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位が両末端主鎖にブロック共重合された場合と異なり、ビスフェノールの側鎖にグラフトされた構造であるために、シロキサン部位同士がドメインを形成しやすい。そのようなドメインと芳香環構造を有する電荷輸送物資とは相溶性が低く、その結果、ドメイン中に含有される電荷輸送物質は減少し、電荷輸送物質の凝集による電荷輸送能の低下は抑えられる。
以下に、本発明に用いられるポリカーボネート樹脂Aの合成例を示す。
(合成例1)
上記式(1−1)、(2−1)および(3−4)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂A(1)の合成
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)プロパン15.4g(エーピーアイコーポレーション製)をトルエン150g、白金量1%の白金ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液0.10gを入れ、80℃に昇温した。そこに片末端ハイドロジェンジメチルシロキサン165g(繰り返し単位数20)を滴下し、滴下終了後、110℃で3時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去し、下記式(6)で示される化合物を得た。
上記式(1−1)、(2−1)および(3−4)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂A(1)の合成
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)プロパン15.4g(エーピーアイコーポレーション製)をトルエン150g、白金量1%の白金ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液0.10gを入れ、80℃に昇温した。そこに片末端ハイドロジェンジメチルシロキサン165g(繰り返し単位数20)を滴下し、滴下終了後、110℃で3時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去し、下記式(6)で示される化合物を得た。
次に、シロキサン部位を有する上記式(6)で示されるジオール23g、下記式(7)
で示されるジオール20g(DIC(株)製)、および、下記式(8)
で示されるジオール57g(本州化学工業(株)製)を5質量%の水酸化ナトリウム水溶液1100mlに溶解させた。この溶液にハイドロサルファイト0.1gを加えて撹拌した。これにメチレンクロライド500mlを追加し、撹拌しつつ、15℃に保ちながら、次いでホスゲン30gを40分で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、分子量調節剤としてp−t−ブチルフェノール(DIC(株)製)0.48gを加え、激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後0.4mlのトリエチルアミンを加え、20〜25℃にて1時間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗相(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、105℃、24時間乾燥して、上記式(1−1)、(2−1)および(3−4)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂A(1)を80g得た。表1に示す。上記のとおりにしてポリカーボネート樹脂A(1)中のシロキサン部位の含有量を算出したところ、21質量%であった。また、ポリカーボネート樹脂A(1)の重量平均分子量は60,000であった。表1に示す。
(合成例2)
上記式(101−1)、(2−1)および(3−4)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂A(101)の合成
500mlセパラフラスコに、1、1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−10−ウンデセン(エーピーアイコーポレーション(株)製)36.6g、トルエン150g、白金量1%の白金ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液0.10gを入れ、80℃に昇温した。そこに末端ハイドロジェンジメチルシロキサン234g(繰り返し単位数30)を滴下し、滴下終了後、110℃で3時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去し、下記式(106)で示される化合物を得た。
上記式(101−1)、(2−1)および(3−4)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂A(101)の合成
500mlセパラフラスコに、1、1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−10−ウンデセン(エーピーアイコーポレーション(株)製)36.6g、トルエン150g、白金量1%の白金ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液0.10gを入れ、80℃に昇温した。そこに末端ハイドロジェンジメチルシロキサン234g(繰り返し単位数30)を滴下し、滴下終了後、110℃で3時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去し、下記式(106)で示される化合物を得た。
次に、シロキサン部位を有する上記式(106)で示されるジオール24g、上記式(7)で示されるジオール20g(DIC(株)製)、および、上記式(8)で示されるジオール55g(本州化学工業(株)製)を5質量%の水酸化ナトリウム水溶液1100mlに溶解させた。この溶液にハイドロサルファイト0.1gを加えて撹拌した。これにメチレンクロライド500mlを追加し、撹拌しつつ、15℃に保ちながら、次いでホスゲン30gを40分で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、分子量調節剤としてp−t−ブチルフェノール(DIC(株)製)0.48gを加え、激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後0.4mlのトリエチルアミンを加え、20〜25℃にて1時間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、先相(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、105℃、24時間乾燥して、上記式(101−1)、(2−1)および(3−4)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂A(101)を80g得た。表2に示す。上記のとおりにしてポリカーボネート樹脂A(101)中のシロキサン部位の含有量を算出したところ、21質量%であった。また、ポリカーボネート樹脂A(101)の重量平均分子量は60,000であった。表2に示す。
また、上記のポリカーボネート樹脂Aの合成例で示した合成方法と同様の方法を用いて、表1および表2に示すポリカーボネート樹脂を製造した。
なお、ポリカーボネート樹脂A(27)〜A(34)およびA(127)〜A(132)は、本発明に用いられるポリカーボネート樹脂Aではなく、後述の比較例用のポリカーボネート樹脂である。
ポリカーボネート樹脂A(32)の(G)は、下記式(G)で示される繰り返し構造単位である。
ポリカーボネート樹脂A(33)の(H)は、下記式(H)で示される末端構造である。ポリカーボネート樹脂A(33)は、上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有さない代わりに、下記式(H)で示される末端構造を有するものである。上記p−t−ブチルフェノールの代わりに、下記式(H)で示される末端構造に対応する分子量調節剤を用いて合成できる。
ポリカーボネート樹脂A(34)の(I)は、下記式(I)で示される繰り返し構造単位である。
ポリカーボネート樹脂A(132)の(L)は、下記式(L)で示される繰り返し構造単位である。
本発明の電子写真感光体の表面層である電荷輸送層は、ポリカーボネート樹脂Aと、ポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂とを含有するが、さらに他の樹脂を混合して用いてもよい。混合して用いてもよい他の樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dは、上記式(1)もしくは(101)で示される繰り返し構造単位を有さないことが、上記マトリックス−ドメイン構造の効率的な形成の観点から好ましい。さらには、上記式(1)もしくは(101)で示される繰り返し構造単位を有さないポリエステル樹脂Cを用いることが、上記マトリックス−ドメイン構造の効率的な形成の観点から特に好ましい。
本発明の電子写真感光体の表面層である電荷輸送層に含有される電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物などが挙げられる。これら電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。また、これらの中でも、電荷輸送物質としてトリアリールアミン化合物を用いることが電子写真特性の向上の点で好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
上記のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層ならびに該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する電子写真感光体である。また、電荷輸送層が電子写真感光体の表面層(最上層)である電子写真感光体である。
また、本発明の電子写真感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有する。また、電荷輸送層は、ポリカーボネート樹脂A、ならびに、ポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂を含有する。
また、電荷輸送層を積層構造としてもよく、その場合は、少なくとも最も表面側の電荷輸送層(表面層となる電荷輸送層)に上記マトリックス−ドメイン構造を有させる。電子写真感光体としては、一般的には、円筒状支持体上に感光層を形成してなる円筒状の電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状、シート状などの形状も可能である。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスのような金属製の支持体を用いることができる。
アルミニウムやアルミニウム合金性の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理したものを用いることもできる。
また、アルミニウム、アルミニウム合金または酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着によって被膜形成された層を有する金属製支持体や樹脂製支持体を用いることもできる。
また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子のような導電性粒子を樹脂などに含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチックを用いることもできる。
支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の抑制などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体の表面が導電性を付与するために設けられた層である場合、その層の体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以下であることが好ましく、特には1×106Ω・cm以下であることがより好ましい。
支持体と、後述の中間層または電荷発生層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。これは、導電性粒子を結着樹脂に分散させた導電層用塗布液を用いて形成される層である。
導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体などが挙げられる。
また、結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以上であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
導電性粒子や抵抗調節粒子を分散させた導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
支持体または導電層と、電荷発生層との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、例えば、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護のために形成される。
中間層は、結着樹脂を含有する中間層用塗布液を導電層上に塗布し、これを乾燥または硬化させることによって形成することができる。
中間層の結着樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
中間層の電気的バリア性を効果的に発現させる観点から、また、塗工性、密着性、耐溶剤性、抵抗の好適化の観点から、中間層の結着樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、熱可塑性のポリアミド樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂としては、溶液状態で塗布できるような低結晶性または非結晶性の共重合ナイロンが好ましい。
中間層の膜厚は、0.05μm以上7μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
また、中間層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするため、中間層には、半導電性粒子や電子輸送物質(アクセプターのような電子受容性物質)を含有させてもよい。
支持体、導電層または中間層上には、電荷発生層が設けられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンのような金属フタロシアニンは、高感度であるため好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。これらの中でも、特には、ブチラール樹脂が好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
分散方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いた方法が挙げられる。
電荷発生物質と結着樹脂との割合は、1:10〜10:1(質量比)の範囲が好ましく、特には1:1〜3:1(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択される。有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などの添加剤を必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質(アクセプターのような電子受容性物質)を含有させてもよい。
電荷発生層上には、電荷輸送層が設けられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質は、上述のとおりである。
本発明の電子写真感光体の表面層である電荷輸送層は、ポリカーボネート樹脂Aを含有し、かつ、ポリエステル樹脂Cおよびポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂を含有するが、上述のとおり、他の樹脂をさらに混合して用いてもよい。混合して用いてもよい他の樹脂は、上述のとおりである。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および上記各樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、4:10〜20:10(質量比)の範囲が好ましく、5:10〜12:10(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。これら溶剤は、単独で使用してもよいが、2種類以上を混合して使用してもよい。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤、芳香族炭化水素溶剤を使用することが、樹脂溶解性の観点から好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
本発明の電子写真感光体の各層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、対光安定剤のような劣化防止剤や、有機微粒子、無機微粒子などの微粒子が挙げられる。劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系対光安定剤、硫黄原子含有酸化防止剤、リン原子含有酸化防止剤が挙げられる。有機微粒子としては、例えば、フッ素原子含有樹脂粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン樹脂粒子のような樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナのような金属酸化物の粒子が挙げられる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図1に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、SnO2コート処理硫酸バリウム(導電性粒子)10部、酸化チタン(抵抗調節用顔料)2部、フェノール樹脂(結着樹脂)6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部およびメタノール4部/メトキシプロパノール16部の混合溶剤を用いて導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で硬化(熱硬化)させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生物質)10部を、シクロヘキサノン250部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1.積水化学工業(株)製、結着樹脂)5部を溶解させた液に加えた。これを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下1時間分散した。分散後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.26μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(CTM−1)
で示される化合物(電荷輸送物質)8部、下記式(CTM−2)
で示される化合物(電荷輸送物質)2部、合成例1で合成したポリカーボネート樹脂A(1)を3部および上記式(4−1)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂C(1)(p−フェニレンとm−フェニレンのモル比は5:5、重量平均分子量120,000)7部を、ジメトキシメタン20部およびキシレン60部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が19μmの電荷輸送層を形成した。形成された電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂C(1)により形成されたマトリックス中に、ポリカーボネート樹脂A(1)により形成されたドメインが含有されていることが確認された。
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。電荷輸送層に含有される樹脂の構成およびシロキサン部位の含有量を表3に示す。
次に、評価について説明する。
評価は、2,000枚繰り返し使用時の明部電位の変動(電位変動)ならびに初期および2,000枚繰り返し使用時のトルクの相対値およびトルク測定時の電子写真感光体の表面の観察について行った。
評価装置としては、キヤノン(株)製レーザービームプリンターLBP−2510(帯電(一次帯電):接触帯電方式、プロセススピード:94.2mm/s)を、電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)を調整できるように改造して用いた。また、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレードを、電子写真感光体の表面に対して、当接角25°および当接圧35g/cmとなるように設定した。
評価は、温度23℃、相対湿度50%環境下で行った。
<電位変動評価>
評価装置の780nmのレーザー光源の露光量(画像露光量)については、電子写真感光体の表面での光量が0.3μJ/cm2となるように設定した。電子写真感光体の表面電位(暗部電位および明部電位)の測定は、電子写真感光体の端部から130mmの位置に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器とを交換して、現像器位置で行った。電子写真感光体の非露光部の暗部電位が−450Vとなるように設定し、レーザー光を照射して暗部電位から光減衰させた明部電位を測定した。また、A4サイズの普通紙を用い、連続して画像出力を2,000枚行い、その前後での明部電位の変動量を評価した。テストチャートは、印字比率5%のものを用いた。結果を表7中の電位変動に示す。
評価装置の780nmのレーザー光源の露光量(画像露光量)については、電子写真感光体の表面での光量が0.3μJ/cm2となるように設定した。電子写真感光体の表面電位(暗部電位および明部電位)の測定は、電子写真感光体の端部から130mmの位置に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器とを交換して、現像器位置で行った。電子写真感光体の非露光部の暗部電位が−450Vとなるように設定し、レーザー光を照射して暗部電位から光減衰させた明部電位を測定した。また、A4サイズの普通紙を用い、連続して画像出力を2,000枚行い、その前後での明部電位の変動量を評価した。テストチャートは、印字比率5%のものを用いた。結果を表7中の電位変動に示す。
<トルクの相対値評価>
上記電位変動評価条件と同条件において、電子写真感光体の回転モーターの駆動電流値(電流値A)を測定した。この評価は、電子写真感光体とクリーニングブレードとの接触ストレス量を評価したものである。得られた電流値の大きさは、電子写真感光体とクリーニングブレードとの接触ストレス量の大きさを示す。
上記電位変動評価条件と同条件において、電子写真感光体の回転モーターの駆動電流値(電流値A)を測定した。この評価は、電子写真感光体とクリーニングブレードとの接触ストレス量を評価したものである。得られた電流値の大きさは、電子写真感光体とクリーニングブレードとの接触ストレス量の大きさを示す。
さらに、以下の方法でトルク相対値の対照となる電子写真感光体を作製した。
実施例1の電子写真感光体の電荷輸送層に用いたポリカーボネート樹脂A(1)を、上述のポリエステル樹脂C(1)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、これを対照用電子写真感光体とした。
作製した対照用電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に電子写真感光体の回転モーターの駆動電流値(電流値B)を測定した。
このようにして得られたポリカーボネート樹脂Aを用いた電子写真感光体の駆動電流値(電流値A)と、ポリカーボネート樹脂Aを用いなかった電子写真感光体の回転モーターの駆動電流値(電流値B)との比を算出した。得られた(電流値A)/(電流値B)の数値を、トルクの相対値として評価した。このトルクの相対値の数値は、電子写真感光体とクリーニングブレードとの接触ストレス量の増減を示し、トルクの相対値の数値が小さいほうが電子写真感光体とクリーニングブレードとの接触ストレス量が小さいことを示す。結果を、表7中の初期トルクの相対値に示す。
続いて、A4サイズの普通紙を用い、連続して画像出力を2,000枚行った。テストチャートは、印字比率5%のものを用いた。その後、2,000枚繰り返し使用後のトルクの相対値測定を行った。2,000枚繰り返し使用後のトルクの相対値は初期トルクの相対値と同様の評価で行った。この場合、対照用電子写真感光体に対しても2,000枚繰り返し使用を行い、そのときの駆動電流値を用いて2,000枚繰り返し使用後のトルクの相対値を算出した。結果を、表7中の2,000枚後トルクの相対値として示す。
<マトリックス−ドメイン構造の評価>
上記の方法により作製された電子写真感光体に対して、電荷輸送層を垂直方向に切断した電荷輸送層の断面を超深度形状測定顕微鏡VK−9500((株)キーエンス製)を用いて断面観察を行った。その際、対物レンズ倍率50倍とし、電子写真感光体の表面の100μm四方(10000μm2)を視野観察とし、視野内にあるランダムに選択された100個の形成されたドメイン部位の最大径の測定を行った。得られた最大径より平均値を算出し、数平均粒径とした。結果を表7に示す。
上記の方法により作製された電子写真感光体に対して、電荷輸送層を垂直方向に切断した電荷輸送層の断面を超深度形状測定顕微鏡VK−9500((株)キーエンス製)を用いて断面観察を行った。その際、対物レンズ倍率50倍とし、電子写真感光体の表面の100μm四方(10000μm2)を視野観察とし、視野内にあるランダムに選択された100個の形成されたドメイン部位の最大径の測定を行った。得られた最大径より平均値を算出し、数平均粒径とした。結果を表7に示す。
〔実施例2〜68および101〜168ならびに比較例1〜13、16〜19、101〜113および116〜119〕
実施例1において、電荷輸送層に用いた樹脂を表3、表4、表5または表6に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。実施例2〜68および101〜168の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂Cあるいはポリカーボネート樹脂Dにより形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインが含有されていることが確認された。比較例5、17、105および117の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂C(4)やポリカーボネート樹脂D(5)により形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂A(28)あるいはポリカーボネート樹脂A(128)により形成されたドメインが含有されていることが確認された。比較例8、18、108および118の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂C(4)やポリカーボネート樹脂D(5)により形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂A(30)あるいはポリカーボネート樹脂A(130)により形成されたドメインが含有されていることが確認されたが、ドメインは不均一であった。比較例11、19、111および119の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂C(4)やポリカーボネート樹脂D(5)により形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂A(32)あるいはポリカーボネート樹脂A(132)により形成されたドメインが含有されていることが確認された。トルク相対値の対照となる電子写真感光体は、対応する電荷輸送層中の樹脂に表3中の樹脂で樹脂Aとは異なる構造の樹脂のみを含有する電子写真感光体を用いた。結果を表7および表8に示す。
実施例1において、電荷輸送層に用いた樹脂を表3、表4、表5または表6に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。実施例2〜68および101〜168の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂Cあるいはポリカーボネート樹脂Dにより形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインが含有されていることが確認された。比較例5、17、105および117の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂C(4)やポリカーボネート樹脂D(5)により形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂A(28)あるいはポリカーボネート樹脂A(128)により形成されたドメインが含有されていることが確認された。比較例8、18、108および118の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂C(4)やポリカーボネート樹脂D(5)により形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂A(30)あるいはポリカーボネート樹脂A(130)により形成されたドメインが含有されていることが確認されたが、ドメインは不均一であった。比較例11、19、111および119の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂C(4)やポリカーボネート樹脂D(5)により形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂A(32)あるいはポリカーボネート樹脂A(132)により形成されたドメインが含有されていることが確認された。トルク相対値の対照となる電子写真感光体は、対応する電荷輸送層中の樹脂に表3中の樹脂で樹脂Aとは異なる構造の樹脂のみを含有する電子写真感光体を用いた。結果を表7および表8に示す。
〔実施例69、70、169および170〕
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送物質を、上記式(CTM−1)で示される化合物8部および上記式(CTM−2)で示される化合物2部から、上記式(CTM−1)で示される化合物8部および下記式(CTM−3)
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送物質を、上記式(CTM−1)で示される化合物8部および上記式(CTM−2)で示される化合物2部から、上記式(CTM−1)で示される化合物8部および下記式(CTM−3)
で示される化合物2部に変更し、樹脂を表3または表6に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。実施例69、70、169および170の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂Cあるいはポリカーボネート樹脂Dにより形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインが含有されていることが確認された。結果を表7および表8に示す。
〔実施例71および171〕
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送物質を、上記式(CTM−1)で示される化合物8部および上記式(CTM−2)で示される化合物2部から、下記式(CTM−4)
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送物質を、上記式(CTM−1)で示される化合物8部および上記式(CTM−2)で示される化合物2部から、下記式(CTM−4)
で示される化合物10部に変更し、樹脂を表3または表5に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。実施例71および171の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリカーボネート樹脂Dにより形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインが含有されていることが確認された。結果を表7および表8に示す。
〔実施例72および172〕
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送物質を、上記式(CTM−1)で示される化合物8部および上記式(CTM−2)で示される化合物2部から、下記式(CTM−5)
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送物質を、上記式(CTM−1)で示される化合物8部および上記式(CTM−2)で示される化合物2部から、下記式(CTM−5)
で示される化合物10部に変更し、樹脂を表3または表5に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。実施例72および172の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリカーボネート樹脂Dにより形成されたマトリックス中にポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインが含有されていることが確認された。結果を表7および表8に示す。
〔比較例14〕
実施例1において、上記ポリカーボネート樹脂A(1)を、上記式(4−4)で示される構造単位および末端に上記式(H)で示される構造を有し、樹脂中のシロキサン部位の含有量が20質量%であるポリエステル樹脂(J)(重量平均分子量:120,000)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表7に示す。
実施例1において、上記ポリカーボネート樹脂A(1)を、上記式(4−4)で示される構造単位および末端に上記式(H)で示される構造を有し、樹脂中のシロキサン部位の含有量が20質量%であるポリエステル樹脂(J)(重量平均分子量:120,000)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表7に示す。
〔比較例15〕
電荷発生層までは実施例1と同様に形成した。
電荷発生層までは実施例1と同様に形成した。
次に、上記式(CTM−1)で示される化合物(電荷輸送物質)8部、上記式(CTM−2)で示される化合物(電荷輸送物質)2部、表4に示すポリエステル樹脂C(4)9.9部およびメチルフェニルポリシロキサン0.1部を、ジメトキシメタン20部およびクロロベンゼン60部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が19μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。比較例15の電子写真感光体の電荷輸送層においては、電荷輸送物質とポリエステル樹脂C(4)により形成されたマトリックス中にメチルフェニルポリシロキサンにより形成されたドメインが含有されていることが確認された。
評価は実施例1と同様に行った。結果を表7に示す。
表3、表4、表5および表6中の「樹脂A」は、シロキサン部位を有する樹脂を意味し、特に、表3および表5中の「樹脂A」は、本発明に用いられるポリカーボネート樹脂Aを意味する。
表3、表4、表5および表6中の「シロキサンの質量比A(質量%)」は、「樹脂A」の全質量に対する「樹脂A」中のシロキサン部位の含有量(質量%)を意味する。
表3、表4、表5および表6中の「樹脂B」は、「樹脂A」以外の樹脂(ポリエステル樹脂Cやポリカーボネート樹脂D)を意味する。
表3、表4、表5および表6中の「シロキサンの質量比B(質量%)」は、電荷輸送層中の「樹脂A」および「樹脂B」の全質量に対する「樹脂A」中のシロキサン部位の含有量(質量%)を意味する。
実施例と比較例1および101との比較により、電荷輸送層中のポリカーボネート樹脂Aの全質量に対するポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位の含有量を低くした場合、十分な接触ストレスの緩和効果が得られないことがわかる。このことは、本評価法の初期および2,000枚後トルクの相対値が十分に小さくないことにより示されている。
実施例と比較例2、3、102および103との比較により、電荷輸送層中のポリカーボネート樹脂Aの全質量に対するポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位の含有量を低くした場合、ポリエステル樹脂Cやポリカーボネート樹脂Dと併用しても、マトリックス−ドメイン構造の形成は見られず、十分な接触ストレスの緩和効果が得られないことがわかる。
実施例と比較例4および104との比較により、電荷輸送層中のポリカーボネート樹脂Aの全質量に対するポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位の含有量を高くした場合、電荷輸送物質との相溶性が不十分となり、ポリカーボネート樹脂A中に電荷輸送物質の凝集が発生し、電位変動を生じることがわかる。
実施例と比較例5、17、105および117との比較により、ポリカーボネート樹脂Aの全質量に対するポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位の含有量を高くした場合でも、ポリエステル樹脂Cやポリカーボネート樹脂Dと併用することで、マトリックス−ドメイン構造の形成が見られ、持続的に接触ストレスの緩和効果が得られることがわかる。しかしながら、シロキサン部位の含有量を高くした場合、電位変動が大きくなる。顕微鏡による観察により、ドメイン内に電荷輸送物質の凝集体が確認されることから、ポリカーボネート樹脂Aの全質量に対するシロキサン部位の含有量が、電位変動の抑制効果の点で重要であることがわかる。
実施例と比較例6、7、106および107との比較により、ポリカーボネート樹脂A中の上記式(2)で示される繰り返し構造単位の含有量を低くした場合、ポリエステル樹脂Cやポリカーボネート樹脂Dと併用しても、マトリックス−ドメイン構造の形成は見られず、十分な接触ストレスの緩和効果が得られず、電位変動も大きくなることがわかる。これにより、ポリカーボネート樹脂A中の上記式(2)で示される繰り返し構造単位の含有量が、マトリックス−ドメイン構造の形成の点で重要であることがわかる。
実施例と比較例8、18、108および118との比較により、ポリカーボネート樹脂A中の上記式(2)で示される繰り返し構造単位の含有量を高くした場合でも、ポリエステル樹脂Cやポリカーボネート樹脂Dと併用することで、マトリックス−ドメイン構造の形成は見られることがわかる。しかしながら、上記式(2)で示される繰り返し構造単位の含有量が多い場合、ドメインは大きく不均一となり、持続的な接触ストレスの緩和効果が得られず、電位変動も大きくなることがわかる。これにより、上記式(2)で示される繰り返し構造単位の含有量を高くした場合、電荷輸送物質がドメインに取り込まれやすくなり、ドメインが大きく不均一になることがわかる。
実施例と比較例9、10、109および110との比較により、ポリカーボネート樹脂Aから上記式(2)で示される繰り返し構造単位を除いた場合、ポリエステル樹脂Cやポリカーボネート樹脂Dと併用しても、マトリックス−ドメインの形成は見られず、十分な接触ストレスの緩和効果が得られず、電位変動も大きくなることがわかる。
実施例と比較例11、19、111および119との比較により、電荷輸送層中のポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位の繰り返し数の平均値を小さくした場合、ポリエステル樹脂Cやポリカーボネート樹脂Dと併用しても、十分な接触ストレスの緩和効果が得られないことがわかる。これにより、接触ストレスの緩和の効果の発現が、シロキサン部位の主鎖の長さに依存することがわかる。また、ポリカーボネート樹脂Aであれば、シロキサン部位の繰り返し数の平均値が10であっても効果が得られることがわかる。これにより、効果の発現が、ポリカーボネート樹脂Aの繰り返し構造単位の構造に依存することがわかる。
実施例と比較例12および112との比較により、ポリカーボネート樹脂Aの代わりに末端にのみシロキサン部位を有するポリカーボネート樹脂を用いた場合、その樹脂の構造上、電荷輸送層中のシロキサン部位含有ポリカーボネート樹脂に対するシロキサン部位の含有量が低くなってしまい、持続的な接触ストレスの緩和効果は得られないことがわかる。また、末端にのみシロキサン部位を有するポリカーボネート樹脂を用いた場合は、ポリカーボネート樹脂Aを用いた場合とは異なり、マトリックス−ドメイン構造を形成しない。これにより、接触ストレスの緩和効果の発現およびマトリックス−ドメイン構造の形成には、ポリカーボネート樹脂中のシロキサン部位の配置が重要であることがわかる。
実施例と比較例13および113との比較により、主鎖にシロキサン部位を有するポリカーボネート樹脂とシロキサン部位を含有しないポリエステル樹脂Cとを併用した場合、接触ストレスの緩和効果が持続しないことがわかる。これは、主鎖にシロキサン部位を有し、両末端がカーボネート結合で結合されている構造であると、シロキサン部位の自由度が失われ、マトリックス−ドメイン構造を形成しにくいことに由来する。
実施例と比較例14との比較により、ポリカーボネート樹脂Aの代わりに末端にのみシロキサン部位を有するポリエステル樹脂を用いた場合、電位変動が大きく、接触ストレスの緩和効果の持続性が不十分になることがわかる。これにより、マトリックス−ドメイン構造を形成には、シロキサン部位の配置だけでなく、ポリカーボネート樹脂Aの共重合体の構造も重要であることがわかる。
実施例と比較例15との比較により、ポリカーボネート樹脂Aの代わりにメチルフェニルシロキサンを用いた場合でも、マトリックス−ドメイン構造の形成は見られ、接触ストレスの緩和効果が持続的に見られることがわかる。しかしながら、メチルフェニルシロキサンを用いた場合は、電位変動が大きくなることがわかる。メチルフェニルシロキサンのようなシロキサン部位を有するシリコーンオイル材料は、電位に悪影響を及ぼすことが知られていて、電荷発生層と電荷輸送層の界面にシリコーンオイル材料が移行することにより発現すると考えられる。メチルフェニルシロキサンは、シリコーンオイル材料にフェニル基が導入されたものであることにより、電荷発生層と電荷輸送層の界面付近への移行性は抑制されるものの、抑制が十分ではないことにより、電位変動を生じていると考えられる。一方、ポリカーボネート樹脂Aは、シロキサン部位のみならず、特定量の上記式(2)で示される繰り返し構造単位(ジフェニルエーテル構造)を含有するため、電荷発生層と電荷輸送層の界面への移行性は抑制され、さらにドメインを形成することにより、電位変動の抑制がなされている。
実施例と比較例16および116との比較により、ポリカーボネート樹脂Aを本発明の規定の範囲内としても、ポリエステル樹脂Cやポリカーボネート樹脂Dと併用しなければ、マトリックス−ドメイン構造の形成は見られず、十分な接触ストレスの緩和効果が得られず、電位変動も大きくなることがわかる。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
Claims (5)
- 支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層ならびに該電荷発生層上に設けられた電荷輸送物質および樹脂を含有する電荷輸送層を有し、かつ、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体において、
該電荷輸送層が、電荷輸送物質と、下記式(1)もしくは(101)で示される繰り返し構造単位、下記式(2)で示される繰り返し構造単位および下記式(3)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂Aと、下記式(C)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂Cおよび下記式(D)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂と、を含有し、
該ポリカーボネート樹脂A中のシロキサン部位の含有量が、該ポリカーボネート樹脂Aの全質量に対して10質量%以上40質量%以下であり、
該ポリカーボネート樹脂A中の下記式(2)で示される繰り返し構造単位の含有量が、該ポリカーボネート樹脂Aの全質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、
該電荷輸送層が、該電荷輸送物質ならびに該ポリエステル樹脂Cおよび該ポリカーボネート樹脂Dの少なくとも一方の樹脂により形成されたマトリックスと、該マトリックス中に該ポリカーボネート樹脂Aにより形成されたドメインとを有するマトリックス−ドメイン構造を有する
ことを特徴とする電子写真感光体。
(式(1)中、Y1は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。W1およびW2は、それぞれ独立に、下記式(a)または(b)で示される1価の基である。)
(式(a)および(b)中、Z1〜Z3は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上4以下である置換もしくは無置換のアルキル基を示す。Z4およびZ5は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上4以下である置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。R41〜R47は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す。n、mおよびkは、それぞれ独立に、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、nは10以上150以下であり、m+kは10以上150以下である。)
(式(101)中、R151〜R153は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。W3は、下記式(e)または(f)で示される1価の基である。)
(式(e)および(f)中、Z101〜Z103は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上4以下である置換もしくは無置換のアルキル基を示す。Z104およびZ105は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上20以下である置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。R141〜R147は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。p、qおよびsは、それぞれ独立に、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、pは10以上150以下であり、q+sは10以上150以下である。)
(式(2)中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。Y5は、酸素原子、または、硫黄原子を示す。)
(式(3)中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。Y4は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。)
(式(C)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。X3は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、または、複数のフェニレン基がアルキレン基もしくは酸素原子を介して結合した2価の基を示す。Y2は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。)
(式(D)中、R31〜R38は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。Y3は、単結合、または、置換もしくは無置換のアルキレン基を示す。) - 前記電荷輸送層中の前記ポリカーボネート樹脂A中の前記シロキサン部位の含有量が、前記電荷輸送層中の前記ポリカーボネート樹脂A、前記ポリエステル樹脂Cおよび前記ポリカーボネート樹脂Dの全質量に対して2質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記式(1)もしくは(101)中のnが20以上100以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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