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JP4626470B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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JP4626470B2
JP4626470B2 JP2005291100A JP2005291100A JP4626470B2 JP 4626470 B2 JP4626470 B2 JP 4626470B2 JP 2005291100 A JP2005291100 A JP 2005291100A JP 2005291100 A JP2005291100 A JP 2005291100A JP 4626470 B2 JP4626470 B2 JP 4626470B2
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Description

本発明は、車両用空調装置に関する。
従来より、可変容量圧縮機の容量制御は、圧縮機の吐出容量を変化させる容量制御弁の電磁機構へ印加する電圧を制御手段の出力する制御値(目標値としてのDuty値)にて制御することにより行うようになっている。
制御手段の出力制御値の演算方式としては、蒸発器後流の空気温度をセンシングして、その検出された蒸発器後流の空気温度が目標とする温度に近づくように、すなわち検出温度と目標温度との偏差による比例積分(PI)演算によるフィードバック演算をしている。
一方、オートエアコンの制御においては、冬期、低水温条件下では、空調フィーリング向上のため、空調ユニット内の送風機は停止状態となっているが、制御手段はイグニッションがオンの状態で常時、制御値Dutyを演算している。このとき、蒸発器後流温度は、ヒータコアを流れるエンジン冷却水の温度が上昇するにつれて、ヒータコアからの輻射により上昇することになる。
オートエアコンの制御においては、この水温上昇に応じて送風機が作動を始め、これに応じて圧縮機も起動することになる。常時演算されている圧縮機の目標値であるDuty値は、圧縮機の起動時においては、送風機が停止中の蒸発器後流温度の上昇による影響で検出温度と目標温度との偏差が大きくなるため、最大値または最大値に近い大きな値として演算される。
このように、水温上昇に伴う送風機の作動開始時において、圧縮機を大きな容量で起動させると、能力過多のため蒸発器が過冷却されることになり、その結果、蒸発器が凍結することとなる。この凍結により、蒸発器周囲に分布していた水に溶け込んでいた臭い成分が、凍結により氷から遊離して空気中に混入することにより、凍結臭が発生することになる。
本発明は、上記点に鑑み、圧縮機の起動開始時、能力過多とならないようにすることで、蒸発器の過冷却を防止し、凍結臭の発生を防ぐことを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、空調対象空間に向かって空気を送風する送風機(8)と、
前記送風機の送風通路(2a)に配置され、前記空気を冷却する蒸発器(9)と、
前記送風機の送風通路のうち、前記蒸発器の下流側部位に配置され、車両エンジン冷却水を熱源として前記空気を加熱する暖房用熱交換器(15)と、
前記蒸発器の出口側の冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(11)と、
前記車両エンジン冷却水の温度が所定のしきい値に上昇するまで前記送風機を停止状態に維持し、前記車両エンジン冷却水の温度が所定のしきい値に上昇すると前記送風機を停止状態から送風状態に切り替える送風機制御手段(S4)と、
前記蒸発器の温度(Te)と目標冷却温度(TEO)との偏差(En)に応じた値を前回算出した吐出容量の目標値(Duty(n−1))に増減することにより、前記圧縮機に発生させるべき今回の吐出容量の目標値(Duty)を算出する算出手段(S9)と、
前記算出された目標値に応じて前記圧縮機の吐出容量を制御して、前記蒸発器の冷房能力を調整する容量制御手段(S10)と、を備え、
前記算出手段は、前記送風機制御手段により前記送風機が停止状態に維持されているときに前記吐出容量の目標値が0となる実出力値を出力し、
さらに、前記算出手段は、前記送風機制御手段により前記送風機が前記停止状態から前記送風状態へ切り替えられた時点で算出される前記目標値を、前記偏差(En)に応じた値を前記前回算出の目標値(Duty(n−1))に増減することにより連続的に算出される目標値よりも低い所定値(α、β、γ、λ)で置換して、前記所定値を前記切替時点での前記吐出容量の目標値とする実出力値を出力し、
前記送風状態への切替後における前記算出手段の次回の算出では、前記所定値を前記前回算出の目標値(Duty(n−1))として用いて前記偏差(En)に応じた値を前記所定値に増減することにより前記吐出容量の目標値を算出し、この算出された目標値を実出力値として出力することを特徴とする。
これによれば、送風機が停止状態から送風状態へ切り替えられた時点で、圧縮機の吐出容量の目標値を、前記偏差(En)に応じた値を前回算出の目標値(Duty(n−1))に増減することにより連続的に算出される吐出容量の目標値よりも低い値に抑制できる。そのため、前記偏差(En)及び前回算出の目標値(Duty(n−1))に基づいて連続的に算出される目標値で圧縮機を作動させると蒸発器が過冷却状態になる場合でも、その連続演算値よりも低い所定値(α、β、γ、λ)の吐出容量で圧縮機を作動させることにより蒸発器の過冷却を防止して、蒸発器の凍結による凍結臭の発生を防ぐことができる。
なお、送風機が停止状態にあるとき、車両のエンジン冷却水温度の上昇に応じて暖房用熱交換器(15)からの輻射によって蒸発器の温度も上昇することにより、これに応じて前記偏差(En)及び前回算出の目標値(Duty(n−1))に基づいて連続的に算出される目標値は比較的高い値となる。したがって、請求項1に記載の発明の所定値(α、β、γ、λ)は、上記連続的に算出の目標値よりも低い値として設定している。
請求項1に記載の車両用空調装置において、送風機の送風状態への切替時点置換される所定値は、請求項2に記載の発明のように、蒸発器の熱負荷状態に応じて補正することができる。具体的には、蒸発器の熱負荷が低くなるほど所定値を低くするよう補正する。
さらに具体的には、請求項3に記載の発明のように、外気温(Tam)により所定値(β)を補正してもよくまた、請求項4に記載の発明のように、蒸発器の吹出空気温度(Te)により所定値(γ)を補正してもよく、あるいは、請求項5に記載の発明のように、内外気の導入口の吸込口状態(TPI)と車速(SPD)と外気温(Tam)とにより所定値(λ)を補正してもよい。
また、請求項6に記載の発明は、空調対象空間に向かって空気を送風する送風機(8)と、
前記送風機の送風通路(2a)に配置され、前記空気を冷却する蒸発器(9)と、
前記送風機の送風通路のうち、前記蒸発器の下流側部位に配置され、車両エンジン冷却水を熱源として前記空気を加熱する暖房用熱交換器(15)と、
前記蒸発器の出口側の冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(11)と、
前記車両エンジン冷却水の温度が所定のしきい値に上昇するまで前記送風機を停止状態に維持し、前記車両エンジン冷却水の温度が所定のしきい値に上昇すると前記送風機を停止状態から送風状態に切り替える送風機制御手段(S4)と、
前記蒸発器の温度(Te)と目標冷却温度(TEO)との偏差(En)に応じた値を前回算出した吐出容量の目標値(Duty(n−1))に増減することにより、前記圧縮機に発生させるべき今回の吐出容量の目標値(Duty)を算出する算出手段(S9)と、
前記算出された目標値に応じて前記圧縮機の吐出容量を制御して、前記蒸発器の冷房能力を調整する容量制御手段(S10)と、を備え、
前記算出手段は、前記送風機制御手段により前記送風機が前記停止状態にあるとき前記目標値を所定値(α、Duty1(n−1))に保持する保持手段(S303)と、
前記送風機制御手段により前記送風機が前記停止状態から前記送風状態へ切り替わると、前記所定値を前記前回算出の目標値(Duty(n−1))として用いて前記偏差(En)に応じた値を前記所定値に増減することにより前記吐出容量の目標値を演算する演算手段(S306)と、
前記吐出容量の目標値の実出力値を出力する出力手段(S309)とを有し、
前記所定値は、前記偏差に応じた値を前記前回算出の目標値(Duty(n−1))に増減することにより連続的に演算される吐出容量の目標値が前記停止状態から前記送風状態への切替時点に到達する値よりも低い値となるように予め設定されており、
前記送風機が前記停止状態にあるときは前記保持手段(S303)により前記所定値が保持されても、前記出力手段(S309)は前記吐出容量の目標値が0となる実出力値を出力し、
一方、前記送風機が前記停止状態から前記送風状態へ切り替えられると、前記出力手段(S309)は、前記演算手段(S306)において前記偏差(En)に応じた値を前記所定値に増減することにより演算された前記目標値を実出力値として出力することを特徴とする。
これによれば、送風機(8)が停止状態にあるとき、保持手段(S303)により、圧縮機(11)の吐出容量の目標値(Duty)を所定値(α、Duty1(n−1))に保持するが、算出手段(S9)の出力手段(S309)は圧縮機の吐出容量の目標値が0となる実出力値を出力する。
そして、送風機(8)が送風状態へ切り替えられると、算出手段(S9)の演算手段(S306)は、保持手段(S303)により保持された所定値(α、Duty1(n−1))を前回算出の目標値(Duty(n−1))として用いて前記偏差(En)に応じた値を前記所定値に増減することにより吐出容量の目標値を演算し、この所定値に基づく目標値を出力手段(S309)は実出力値として出力する。
ここで、前記所定値(α、Duty1(n−1))は、前記偏差に応じた値を前回算出の目標値(Duty(n−1))に増減することにより連続的に演算される吐出容量の目標値が送風機の停止状態から送風状態への切替時点に到達する値よりも低い値となるように予め設定されている。
このため、送風機が停止状態から送風状態へ切り替えられた時点で、圧縮機(11)は、保持手段(S303)により保持された前記所定値に基づき算出された目標値の吐出容量で作動するので、送風機の送風状態への切り替わり時点以降の圧縮機の吐出容量を低い値に抑制することができる。
したがって、請求項6に記載の発明においても、送風状態への切り替わり時における蒸発器の過冷却を防止して、蒸発器の凍結による凍結臭の発生を防ぐことができる。
なお、上記保持手段(S303)により保持された所定値(Duty1(n−1))を、請求項7に記載の発明のように算出手段への電源投入スイッチ(IG)が起動されたときに検出される蒸発器温度検出手段(34)の検出温度(Te)により補正する手段(S305)を備えれば、上記所定値を送風機の停止状態における蒸発器の温度変化に応じた値にすることができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の全体構成の概要を示すもので、車両用空調装置は車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)内側部等に配設される室内空調ユニット1を備えている。
この室内空調ユニット1はケース2を有し、このケース2内に車室内へ向かって空気が送風される空気通路2aを構成する。このケース2内の空気通路2aの最上流部に内気導入口3および外気導入口4を有する内外気切替箱5を配置している。この内外気切替箱5内に内外気切替ドア6を回転自在に配置している。
この内外気切替ドア6はサーボモータ7によって駆動されるもので、内外気切替ドア6の開度である吸込口開度TPIに応じて内気導入口3および外気導入口4の開口面積を連続的に調整する。この内外気切替ドア6の吸込口開度TPI=0%により、内気導入口3を全開して外気導入口4を全閉することにより、内気導入口3から内気(車室内空気)のみを導入する全内気(REC)モードを設定できる。
逆に、内外気切替ドア6の吸込口開度TPI=100%により、内気導入口3を全閉して外気導入口4を全開することにより、外気導入口4から外気(車室外空気)のみを導入する全外気(FRS)モードを設定できる。更に、全内気モードと全外気モードとの間で、内気導入口3および外気導入口4の開口比率である吸込口開度TPIを連続的に調整することにより、内気と外気の導入比率を連続的に変化させる内外気混入モードを設定できる。なお、内外気切替ドア6とサーボモータ7とにより本実施形態の内外気切替手段が構成される。
内外気切替箱5の下流側通路には車室内に向かって空気を送風する電動式の送風機8を配置している。この送風機8は、遠心式の送風ファン8aをモータ8bにより駆動するようになっている。送風機8の下流側通路には送風空気を冷却する冷房用熱交換器をなす蒸発器9を配置している。
この蒸発器9は、冷凍サイクル装置10を構成する要素の一つである。蒸発器9に流入した低圧の冷媒は送風機8によって送風された送風空気から吸熱して蒸発し、送風空気を冷却することができる。なお、冷凍サイクル装置10は周知のものであり、蒸発器9、圧縮機11、凝縮器12、気液分離器(レシーバ)13、膨張弁14によって構成される。
圧縮機11は、冷媒を吸入、圧縮および吐出するものであり、プーリ11aおよびベルトVを介して車両エンジンEの回転動力が伝達されて回転駆動される。なお、圧縮機11は可変容量型圧縮機であり、その詳細は後述する。
一方、室内空調ユニット1において、蒸発器9の下流側通路にはケース2内を流れる空気を加熱するヒータコア15を配置している。このヒータコア15は車両エンジン冷却水を熱源として、蒸発器9通過後の空気(冷風)を加熱する暖房用熱交換器である。ケース2内部においてヒータコア15の側方部位にはバイパス通路16が形成され、このバイパス通路16をヒータコア15のバイパス空気が流れる。
蒸発器9とヒータコア15との間に温度調整手段をなすエアミックスドア17を回転自在に配置してある。このエアミックスドア17はサーボモータ18により駆動されて、その回転位置(開度)が連続的に調整可能になっている。
このエアミックスドア17の開度によりヒータコア15を通る空気量(温風量)と、バイパス通路16を通過してヒータコア15をバイパスする空気量(冷風量)との割合を調節し、これにより、車室内に吹き出す空気の温度を調整するようになっている。
ケース2の空気通路の最下流部には、車両の前面窓ガラスWに向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口19、乗員の顔部に向けて空調風を吹き出すためのフェイス吹出口20、および乗員の足元部に向けて空調風を吹き出すためのフット吹出口21の計3種類の吹出口が設けられている。
これら吹出口19〜21の各上流部にはデフロスタドア22、フェイスドア23およびフットドア24が回転自在に配置されている。これらのドア22〜24は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ25によって開閉操作される。
次に、圧縮機11について説明すると、本実施形態の圧縮機11は、外部からの制御信号により吐出容量を連続的に可変制御できる可変容量型圧縮機である。具体的には、斜板式の圧縮機において吐出圧と吸入圧を利用して斜板室の圧力を制御することにより、斜板の傾斜角度を可変してピストンのストロークを変化させ、これにより、圧縮機吐出容量を略0%〜100%の範囲で連続的に変化させることができる。
このような斜板式の可変容量型圧縮機11は周知である。本実施形態は、斜板式の可変容量型圧縮機の中でも特に特開2001−107854号公報等により公知になっている流量制御タイプの可変容量型圧縮機を圧縮機11として用いている。
この流量制御タイプの可変容量型圧縮機11の概要を説明すると、圧縮機11は容量制御弁11bを備えている。この容量制御弁11bは、圧縮機11の吐出冷媒流量に応じた差圧ΔPによる力F1を発生する差圧応動機構(図示せず)と、この吐出冷媒流量に応じた差圧による力F1と対抗する電磁力F2を発生する電磁機構(図示せず)とを内蔵している。この電磁機構の電磁力F2は、後述の空調制御装置30から出力される制御電流Inによって決定される。
そして、この差圧ΔPに応じた力F1と電磁力F2に応じて変位する弁体(図示せず)により圧縮機11の斜板室(図示せず)の圧力、すなわち、制御圧Pcを変化させて斜板の傾斜角度を変化させ、それにより、吐出容量を連続的に変化させるようになっている。ここで、吐出容量は冷媒の吸入圧縮を行う作動空間の幾何学的な容積であり、具体的には、ピストンストロークの上死点と下死点との間のシリンダ容積である。
なお、斜板式可変容量型圧縮機11においては、周知のように制御圧Pcの低下→斜板の傾斜角度の増加→ピストンストロークの増加→吐出容量の増加となり、逆に、制御圧Pcの上昇→斜板の傾斜角度の減少→ピストンストロークの減少→吐出容量の減少となるように吐出容量変更機構が構成されている。
ところで、上記電磁力F2は、差圧ΔPに応じた力F1に対抗する力であるから、電磁力F2を増減することにより目標差圧を決定することになり、現実の差圧ΔPがこの電磁力F2により決定される目標差圧となるように斜板室の制御圧Pcが制御され、吐出容量が変化することになる。更に、差圧ΔPと吐出冷媒流量は比例関係にあるから、目標差圧を決定することは目標吐出冷媒流量を決定することになる。
そして、電磁力F2は容量制御弁11bの電磁機構に供給される制御電流Inに応じて決定されるから、図2に示すように、制御電流Inの増加に応じて目標差圧および目標吐出冷媒流量が増加する関係となる。
なお、制御電流Inは、具体的には電流制御回路の構成上、通常用いられるように、比例積分(PI)演算により算出される出力Duty値に基づくデューティ制御により変化させる方式としている。なお、この出力Duty値およびそのもととなる目標値は、算出手段としての空調制御装置30において算出されるものであり、それらの算出方法は後述する。
また、斜板式可変容量型圧縮機11においては制御圧Pcの調整により吐出容量を100%から略0%付近まで連続的に変化させることができる。そして、吐出容量を略0%付近に減少することにより、圧縮機11を実質的に作動停止状態にすることができる。従って、圧縮機11の回転軸をプーリ11a、ベルト等を介して車両エンジンE側のプーリに常時連結するクラッチレスの構成とすることができる。もちろん、圧縮機11の回転軸に必要に応じて電磁クラッチを装着して電磁クラッチにより圧縮機11への動力伝達を断続する構成にしてもよい。
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明すると、空調制御装置(A/C ECU)30は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。
この空調制御装置30は、エンジンの始動および停止を司るイグニッションスイッチが投入(IGオン)されたときに、車両に搭載された車載電源である図示しないバッテリーから直流電源が供給されると、演算処理や制御処理を開始するように構成されている。すなわち、本実施形態ではイグニッションスイッチが、算出手段としての空調制御装置30の電源投入スイッチに相当する。
空調制御装置30の入力側には空調用センサ群31〜36からそれぞれセンサ検出信号が入力され、また、車室内前部の計器盤付近に配置される空調操作パネル37に設けられた各種空調操作スイッチ38〜43からそれぞれ操作信号が入力される。
空調用センサ群としては、具体的には、外気温Tamを検出する外気温検出手段としての外気温センサ31、内気温Trを検出する内気温センサ32、車室内に入射する日射量Tsを検出する日射センサ33、蒸発器9の空気吹出部に配置されて蒸発器吹出空気温度Teを検出する蒸発器温度検出手段である蒸発器温度センサ34、ヒータコア15に流入するエンジン冷却水温度Twを検出する水温センサ35、車両の速度SPDを検出する車速センサ36等が設けられる。
また、空調操作パネル37には各種空調操作スイッチとして、吹出モードドア22〜24により切り替わる吹出モードをマニュアル設定する吹出モードスイッチ38、内外気切替ドア6による内外気吸込モードをマニュアル設定する内外気切替スイッチ39、圧縮機11の作動指令信号を出すエアコンスイッチ40、送風機8の風量をマニュアル設定する送風機作動スイッチ41、空調自動制御状態の指令信号を出すオートスイッチ42、および車室内温度を設定する温度設定手段をなす温度設定スイッチ43等が設けられる。
なお、エアコンスイッチ40は圧縮機11の稼働状態と停止状態とを切り替えるものであり、エアコンスイッチ40を停止状態にすると、容量制御弁11bの制御電流Inを強制的に0にして、圧縮機11の吐出容量を略0容量にし、圧縮機11は実質的に停止状態となる。
これに対し、エアコンスイッチ40を稼動状態にすると、空調制御装置30で演算された所定の出力Duty値(0〜100%)に基づく制御電流Inを容量制御弁11bに出力して、圧縮機11を制御電流Inに応じた吐出容量(0〜100%)で稼働する状態にする。なお、この稼動状態においても、制御電流Inすなわち出力Duty値が0%に設定されると、それに応じて圧縮機11の吐出容量も0%に調節される。
空調制御装置30の出力側には、圧縮機11の電磁式容量制御弁11b、各機器の電気駆動手段をなすサーボモータ7、18、25、送風機8のモータ8b、および凝縮器冷却ファン12aのモータ12bが接続され、これらの機器の作動が空調制御装置30の出力信号により制御される。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。最初に、空調制御装置30が実行する制御処理全体の概要を図3のメインルーチンを示すフローチャートに基づき説明する。この制御処理は、オートスイッチ42が投入されてオートモードが設定され、また、エアコンスイッチ40の設定により圧縮機11が稼動状態に設定されているときに行われ、電源投入スイッチとしてのエンジンのイグニッションスイッチ(IG、図示せず)の投入によりスタートし、所定の繰り返し時間(例えば200〜300ms)で繰り返し実行される。
先ず、ステップS1ではフラグ、タイマ等の初期化がなされ、次のステップS2で空調用センサ群31〜36からのセンサ検出信号および空調操作パネル37の操作信号を読み込む。
次に、ステップS3にて車室内吹出空気の目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは空調熱負荷変動にかかわらず、温度設定スイッチ43により設定した設定温度Tsetに車室内温度(内気温)Trを維持するために必要な車室内吹出空気温度である。具体的には、下記数式(1)によりTAOを演算する。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C
・・・(1)
ここで、Trは内気温センサ32により検出される内気温、Tamは外気温センサ31により検出される外気温、Tsは日射センサ33により検出される日射量、Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインおよびCは補正用の定数である。
次に、ステップS4にて、送風機8により送風される空気の風量を算出する。具体的にはモータ8bに印加するブロワモータ電圧をTAOに基づいて算出する。本実施形態では、TAOの極低温域(最大冷房域)および極高温域(最大暖房域)でブロワモータ電圧を最大値または最大値付近の高電圧にして、送風機8の風量を最大風量または最大風量付近に制御する。そして、TAOが極低温域または極高温域から中間温度域に向かって変化するにつれてブロワモータ電圧を低下して、送風機8の風量を減少させる。
なお、冬場などの暖房条件下において、エンジン起動直後のエンジン冷却水温度Twが低い場合は、ブロワモータ電圧=0として送風機8を停止し、乗員にとって暖房感が得られる程度まで冷却水温が上昇すると、送風を開始する、すなわちウオームアップ制御を行うようになっている。
次に、ステップS5にて、エアミックスドア17の目標開度SWを上記TAO、蒸発器吹出空気温度Te(蒸発器温度センサ34の検出温度)、及びエンジン冷却水温度Tw(水温センサ35の検出温度)に基づいて次の数式(2)により算出する。
SW=〔(TAO−Te)/(Tw−Te)〕×100(%) ・・・(2)
なお、SW=0(%)は、エアミックスドア17の最大冷房位置であり、バイパス通路16を全開し、ヒータコア15側の通風路を全閉する。これに対し、SW=100(%)は、エアミックスドア17の最大暖房位置であり、バイパス通路16を全閉し、ヒータコア15側の通風路を全開する。
次に、ステップS6にて吹出モードを決定する。この吹出モードも目標吹出温度TAOに基づいて決定する。本実施形態では、TAOが低温域から高温域へと上昇するにつれて吹出モードをフェイスモード→バイレベル(B/L)モード→フットモードへと順次切り替える。
次に、ステップS7にて内外気切替ドア6の目標開度を算出する。この内外気切替ドア6の目標開度である吸込口開度TPIの算出によって内外気吸い込みモードが決定される。本実施形態では、目標吹出温度TAOが低温域から高温域へと上昇するに応じて、目標開度TPI=0%から100%へと増大するように設定される。ここで、内外気切替ドア6の目標開度TPI=0%は、内気導入口3を全開して外気導入口4を全閉する全内気モード(RECモード)時の開度であり、同じく目標開度TPI=100%は、内気導入口3を全閉して外気導入口4を全開する全外気モード(FRSモード)時の開度である。
次に、ステップS8にて、蒸発器9の目標冷却温度TEOを算出する。この目標冷却温度TEOは蒸発器9にて車室内吹出空気を冷却する際の目標温度であり、車室内吹出空気の温度調整や湿度調整を行うために必要な温度である。この目標冷却温度TEOは前述の目標吹出温度TAOや外気温Tam等に基づいて算出される。
具体的には、目標冷却温度TEOは目標吹出温度TAOが低下するにつれて低下するように算出され、また、外気温Tamの低温域では、窓ガラスWの曇り防止のためにTEOは外気温Tamの低下とともに低下するように算出される。
次に、ステップS9は圧縮機11の制御であり、電磁式容量制御弁11bに供給する制御電流Inを算出する。すなわち、基本的には、実際の蒸発器吹出空気温度Teと目標冷却温度TEOとの温度偏差En(En=Te−TEO)を算出し、この温度偏差Enに基づいてTeをTEOに近づけるための出力Duty値を比例積分制御(PI制御)などによるフィードバック制御手法にて、次の数式(3)に基づき算出する。
制御電流Inは、この(3)式におけるDuty値に相当する量(In=Duty)として算出する。したがって、制御電流InおよびDuty値は、圧縮機11が現在吐出すべき容量、すなわち現在の目標値に相当する。
Duty(n)=Duty(n−1)+kp(En(n)−En(n−1))
+(θ/Ti)×En(n) ・・・(3)
ここで、nは演算回数を示す数、kpは比例定数、θはサンプリング時間、Tiは積分定数である。また、En(n)は今回の温度偏差、En(n−1)は前回の温度偏差であり、Duty(n)は今回のDuty値、Duty(n−1)は前回のDuty値である。
本実施形態では、TEOが低下すると温度偏差Enが拡大するので、TeがTEOに近づくように制御電流Inが増加する。そして、制御電流Inの増加により圧縮機11の吐出容量が増加するので、圧縮機11の冷媒吐出流量も増加することになる。
なお、暖房条件下でのウオームアップ制御時には、上記ステップS4にて送風機8が停止状態にあるときは、制御電流Inも0とされて稼動状態にある圧縮機11の吐出容量は0とされ、送風機8がエンジン冷却水温度Twの上昇に応じて送風(オン)状態に切り替わるときに、圧縮機11もその時点で出力された制御電流Inに応じた吐出容量で作動する。
次に、ステップS10に進み、上記ステップS4〜S7およびS9で算出、決定された制御状態が得られるように、空調制御装置30より各種機器のアクチュエータ駆動部(11b、7、18、25、8b、12b)に対して出力信号が出力される。その後に、ステップS2の制御処理に戻るようになっている。
次に、図4に基づいて上記ステップS9における圧縮機制御の処理内容を具体的に説明する。この図4に示す制御ルーチンは、図3のメインルーチンの実行において、繰り返し実行される。
まずステップS201にて、圧縮機11の制御の目標値であるDuty1(n)を、上記数式(3)に基づき、すなわち、数式(3)において、Duty(n)をDuty1(n)として算出する。
次に、ステップS202にて、送風機8の今回演算における作動状態が、前回の演算における状態に対して、停止状態(OFF、ブロワモータ電圧=0)から送風状態(ON)へと切り替わったか否かが判定される。本実施形態では、この送風機8のOFFからONへの切り替わりは、上記ステップS4において、水温センサ35により検出されるエンジン冷却水温度Twが上昇して、水温しきい値(例えば30〜60℃の範囲の所定値)に達したときに行われる。
送風機8がOFFからONへの切り替わりがない、すなわち、送風機8が送風停止(OFF)状態のまま、あるいは送風(ON)状態のままである場合は、ステップS203にて、ブロワON中か否かが判定され、判定結果がNO、すなわち、送風機8が停止(OFF)中の場合はステップS205にてDuty2=0と設定される。
ステップS203にて判定結果がYES、すなわち、送風機8が送風状態(ON)にあるときは、ステップS204にて、圧縮機11がONモード中か否かが判定される。具体的には、ステップS204での判定は、圧縮機11の出力Duty値に基づいて行われるのではなく、エアコンスイッチ40の設定状態および送風機8の作動状態に応じて行われる。すなわち、エアコンスイッチ40により圧縮機11が稼動状態に設定され、かつ、送風機8がON状態にあるとき、圧縮機11がONモードにあるとYES判定される。YES判定の場合は、次のステップS206でDuty2=100と設定される。
一方、送風機8がON状態にあっても、ステップS2で読み込まれたエアコンスイッチ40の設定条件により圧縮機11が停止状態に設定されているときは、ステップS204での判定結果はNOとなる。この場合には次のステップS205にてDuty2=0とされる。
ステップS202にて送風機8がOFFからONへ切り替わったと判定(YES判定)された場合は、ステップS207にて、圧縮機11の状態が前回のOFFモードから今回、ONモードへと切り替わったか否かが判定される。なお、この判定も、ステップS204と同様であり、エアコンスイッチ40の設定状態および送風機8のONまたはOFFの作動状態に応じて判定される。したがって、ステップS202での判定結果がYESの場合、すなわち、送風機8がOFFからONへと切り替わったことを受けて、圧縮機11が稼動状態であればステップS207にてYES判定、すなわち圧縮機11はONモードに切り替わったと判定され、次のステップS208へ移行する。
ステップS202でYES判定であっても圧縮機11がOFFモードのままのときは、ステップS207での判定結果はNOとなり、次のステップS203へ移行し送風機8の状態変化のない場合と同様の処理が継続される。
ステップS208では、Duty1(n)が、ステップS201で数式(3)の繰り返し演算により算出された値ではなく、予め設定された固定値αに置換される。その後、ステップS206にて、Duty2=100(%)に設定される。
なお、エンジン冷却水温度Twの上昇に応じて「ブロワON」となる時点では、このエンジン冷却水の輻射により蒸発器温度としての蒸発器吹出空気温度Teも上昇している。したがってこの時点では温度偏差Enが比較的大きくなっている。これにより、ステップS201で温度偏差Enに応じて算出されるDuty1(n)も比較的大きい値となっている。
したがってステップS208におけるこの固定値αは、上記ステップS201で算出されるDuty1(n)の値よりも低い、例えば30%程度に設定することができる。
そして、いずれの場合もステップS209にて、圧縮機11の制御の目標値として出力Duty値が、次の数式(4)にて、Duty1(n)およびDuty2のうち小さいほうの値として決定されたのち、メインルーチンへ戻る。
Duty=MIN(Duty1(n)、Duty2) ・・・(4)
以上の処理により算出される出力Duty値は、送風機8および圧縮機11の現在(今回)の状態に応じて、次のように設定される。なお、「ステップ」を省略する。
a)オートモードで送風機8が送風(ON)状態にあり、かつ、稼動状態に設定されている圧縮機11が出力Duty値に基づく吐出容量で作動している通常時、S201でDuyt1(n)が算出され、送風機8がON状態のままであるため、S202でNOと判定され、S203でYESと判定され、圧縮機11がONモードであるためS204でYESと判定され、S206でDuty2=100と設定され、S209で出力Duty値はDuty1(n)に設定される。したがって、圧縮機11は演算された目標値Duty1(n)の吐出容量で作動を継続する。
b)エンジン冷却水温度Twが水温しきい値より低いウオームアップ制御中では、S201でDuty1(n)が算出され、送風機8が停止中のためS202でNO判定、S203でNO判定となり、次のS205でDuty2=0と設定され、S209で出力Duty値は0に設定される。この出力Duty値により、圧縮機11の吐出容量は0となる。
なお、Twが水温しきい値より低いとき、このb)の処理が繰り返されるあいだ、S201にて目標値Duty1(n)の演算が上記数式(3)に基づき継続される。
c)ウオームアップ制御中でも、S201でDuty1(n)は繰り返し算出される。このウオームアップ制御中にエンジン冷却水温度Twが上昇して水温しきい値に達すると、それまでOFFとなっていた送風機8がONへ切り替わり、これによりS202の判定結果がYESとなり、これに応じて圧縮機11がOFFモードからONモードへ切り替わる。このS202の判定結果に応じてS207の判定はYESとなり、次のS208でDuty1(n)=αに置換され、S206でDuty2=100に設定され、S209で出力Duty値はαに設定される。したがって、それまで吐出容量=0であった圧縮機11は、演算値Duty1(n)よりも小さい固定値αに基づく少ない吐出容量で作動(ON)する。
なお、空調操作パネル37での設定により空調制御装置30がマニュアルモードで作動中に、Twが水温しきい値より高い温度であっても送風機8が停止状態になっている場合に、乗員によりオートスイッチ42が投入されてオートモードに切り替えられると、送風機8は自動的にON状態となり、また、オートスイッチ42に連動してエアコンスイッチ40も自動的に圧縮機11を稼動状態にする。この場合にも、上記c)と同様に、S201→S202でYES→S207でYES→S208→S206→S209の処理により、圧縮機11は出力Duty値=αに基づく少ない吐出容量で作動を開始することができる。
以上のような本実施形態の制御処理による作動状態の変化の例を、図5の時間線図に示す。なお、図5において、時間t=0においてイグニッションONされて、上記メインルーチン(図3)の処理が開始される。ここで、目標冷却温度TEOは一定値としている。また、イグニッションON時に、オートスイッチ42が投入されており、エアコンスイッチ40は圧縮機11が稼動状態となるように設定されている。
イグニッションONとともに、Duty1(n)は温度偏差En=Te−TEOに応じて繰り返し演算される。この間、エンジン冷却水温Twがしきい値より低いときは、送風機8はウオームアップ制御によりOFF状態が維持され、上記b)の処理により、Duty=0すなわち圧縮機11の吐出容量も0とされる。なお、Twの上昇に応じて、その輻射の影響によりOFF状態の蒸発器9の吹出空気温度Teは上昇する。
その後、Twが上昇して水温しきい値に達すると、図5中、「ブロワON」にて示される時点で、送風機8はOFFからONへと切り替わり、これに応じて圧縮機11はOFF状態からON状態へと切り替わる。このとき、上記c)の処理により、出力Duty値はDuty1(n)からαに置換され、圧縮機11はDuty=α(<Duty1(n))による低い吐出容量で起動(作動開始)する。この固定値αに基づく吐出容量では、蒸発器吹出空気温度Teは過度に低下することなく、したがって、蒸発器9は凍結しない。
そして時間経過とともに、送風機8の送風状態(ON)および圧縮機11のON状態が継続し、上記)の処理により、圧縮機11はS201で算出されるDuty1(n)による吐出容量で作動して、蒸発器吹出空気温度Teが目標冷却温度TEOに近づくように制御される。
なお、図5には比較のため、従来制御による作動状態も示している。すなわち、本実施形態のようなDutyの置換を行わず、「ブロワON」時点でそれまでの繰り返し演算で算出された目標値Duty1(n)そのもので圧縮機11を起動、制御した場合を細線で示す。図示の如く、従来制御では、送風機8が停止状態から送風状態への切り替わり時点で、演算されている目標値Duty1(n)で圧縮機11を起動するので、蒸発器9は過冷却されてTeは氷点より低くなる、すなわち蒸発器9は凍結することとなる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態とは、図4に示した圧縮機制御ルーチンにおけるステップS208の処理のみが異なり、他の構成は同じである。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本第2実施形態では、送風機8が停止状態から送風状態への切り替わり時点で圧縮機11を起動するときの圧縮機11の制御目標値Dutyとして、その時点で演算されたDuty1(n)を所定値βで置換する。すなわち、ステップS208においては、Duty1(n)=βの演算を行う。
本第2実施形態におけるこの置換される所定値βは、外気温センサ31により検出される外気温Tamの関数として与えられる。すなわち、図6に示すように、所定値βはTam<0℃で下限値(25%)に、および、Tam>20℃で上限値(45%)にそれぞれ固定され、0≦Tam≦20の範囲ではTamの増加に応じて所定値βが下限値から上限値まで増加するように設定される。なお、ステップS208において用いられるTamは、送風機8が停止状態から送風状態へ切り替わる時点で外気温センサ31により検出された値とすることができる。
この図6に示される所定値βは、外気温Tamに応じた蒸発器9の熱負荷状態を反映した値とみなすことができる。すなわち、Tamが低い場合は蒸発器9の熱負荷は小さく、Tamが高い場合は蒸発器9の熱負荷は大きい。そして、蒸発器9付近の温度、すなわち蒸発器吹出空気温度Teを凍結しない温度とするには、蒸発器9の熱負荷が小さい場合は、その熱負荷が大きい場合と比較して、圧縮機11の吐出容量をより小さく制限する必要がある。
したがって、送風機8が停止状態から送風状態へ切り替わる時点で、圧縮機11を起動する際の圧縮機11の吐出容量の目標値としてのDutyをこの外気温Tamの関数である所定値βで置換することにより、圧縮機11の作動状態を、外気温Tamに応じて、Tamが低い場合は圧縮機11の吐出容量をより小さくするよう制限し、あるいは、Tamが高い場合は圧縮機11の吐出容量をそれよりも高い値になるよう制限することができる。
以上のように、本第2実施形態では、圧縮機11の吐出容量を適切な値に制限して、外気温Tamの変化によらず蒸発器9の凍結を防止し、かつ、蒸発器9の冷房能力を維持することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本第3実施形態は、上記第1および第2実施形態とは、図4に示した圧縮機制御ルーチンにおけるステップS208の処理のみが異なり、他の構成は同じである。以下、第1および第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本第3実施形態では、送風機8が停止状態から送風状態への切り替わり時点で圧縮機11を起動するときの圧縮機11の制御目標値Dutyとして、その時点で演算されたDuty1(n)を所定値γで置換する。すなわち、ステップS208においては、Duty1(n)=γの演算を行う。
本第3実施形態におけるこの置換される所定値γは、蒸発器温度センサ34により検出される蒸発器吹出空気温度Teの関数として与えられる。すなわち、図7に示すように、所定値γはTem<0℃で下限値(25%)に、および、Te>20℃で上限値(45%)にそれぞれ固定され、0≦Te≦20の範囲ではTeの増加に応じて所定値γが下限値から上限値まで増加するように設定される。なお、ステップS208において用いられるTeは、送風機8が停止状態から送風状態へ切り替わる時点で蒸発器温度センサ34により検出された値とすることができる。
この図7に示される所定値γは、蒸発器吹出空気温度Teに応じた蒸発器9の熱負荷状態を反映した値とみなすことができる。すなわち、Teが低い場合は蒸発器9の熱負荷は小さく、Teが高い場合は蒸発器9の熱負荷は大きい。そして、蒸発器9付近の温度、すなわち蒸発器吹出空気温度Teを凍結しない温度とするには、蒸発器9の熱負荷が小さい場合は、その熱負荷が大きい場合と比較して、圧縮機11の吐出容量をより小さく制限する必要がある。
したがって、送風機8が停止状態から送風状態へ切り替わる時点で、圧縮機11を起動する際の圧縮機11の吐出容量の目標値としてのDutyをこの蒸発器吹出空気温度Teの関数である所定値γで置換することにより、圧縮機11の作動状態を、蒸発器吹出空気温度Teに応じて、Teが低い場合は圧縮機11の吐出容量をより小さくするよう制限し、あるいは、Teが高い場合は圧縮機11の吐出容量をそれよりも高い値になるよう制限することができる。
以上のように、本第3実施形態では、圧縮機11の吐出容量を適切な値に制限して、蒸発器吹出空気温度Teの変化によらず蒸発器9の凍結を防止し、かつ、蒸発器9の冷房能力を維持することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本第4実施形態は、上記第1ないし第3実施形態とは、図4に示した圧縮機制御ルーチンにおけるステップS208の処理のみが異なり、他の構成は同じである。以下、第1ないし第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
実施形態では、送風機8が停止状態から送風状態への切り替わり時点で圧縮機11を起動するときの圧縮機11の制御目標値Dutyとして、その時点で演算されたDuty1(n)ではなく所定値λで置換する。すなわち、ステップS208においては、Duty1(n)=λの演算を行う。
本第4実施形態におけるこの置換される所定値λは、次の数式(5)により算出される。
λ=α−20×f(TPI)×f(SPD)×f(Tam) ・・・(5)
ここで、αは固定値(例えば30)であり、関数f(TPI)、f(SPD)、f(Tam)はそれぞれ、図8、図9、図10に示される特性として設定されている。
すなわち、関数f(TPI)は、図8に示すように、内外気切替ドア6のサーボモータ7に与えられる吸気口開度TPIに対して、TPI=0(RECモード)からTPI=100(FRSモード)へ増加するに応じて、f(TPI)は0から1へ増加するよう設定されている。
また、関数f(SPD)は、図9に示すように、車速センサ36により検出される車速SPDに対して、SPD<10km/hで0、および、SPD>60km/hで1に固定され、10≦SPD≦60の範囲ではSPDの増加に応じてf(SPD)が0から1まで増加するように設定される。
さらに、関数f(Tam)は、図10に示すように、外気温センサ31により検出される外気温Tamに対して、Tam<5℃で1に、および、Tam>20℃で0にそれぞれ固定され、5≦Tam≦20の範囲ではTamの増加に応じてf(Tam)が1から0まで減少するように設定される。
なお、このステップS208において用いられる吸込口開度TPI、車速SPDおよび外気温Tamは、送風機8が停止状態から送風状態へ切り替わる時点での、それぞれの設定値および検出値とすることができる。
したがって、これら関数f(TPI)、f(SPD)、f(Tam)に基づいて数式(5)により算出される所定値λは、最も蒸発器9の熱負荷が小さい条件である、FRSモードかつSPD≧60km/hかつTam≦5℃のとき、最も小さい値α−20となる。また、逆に、最も蒸発器9の熱負荷が大きい条件である、RECモードかつSPD≦10km/hかつTam≧20℃のとき、最も大きい値αとなる。
これにより、蒸発器9の熱負荷状態に応じて、その熱負荷が小さくなるに応じて、所定値λが小さくするので、送風機8が停止状態から送風状態へ切り替わる時点で、圧縮機11を起動する際の吐出容量の目標値としてのDutyを所定値λに置換することにより、蒸発器9の熱負荷状態に応じて、熱負荷が小さい場合は圧縮機11の吐出容量をより小さくするよう制限し、あるいは、熱負荷が大きい場合は圧縮機11の吐出容量をそれよりも高い値になるよう制限することができる。
以上のように、本第4実施形態では、圧縮機11の吐出容量を適切な値に制限して、蒸発器9の熱負荷状態の変化によらず、すなわち、吸込口開度TPI、車速SPDおよび外気温Tamの変化によらず、蒸発器9の凍結を防止し、かつ、蒸発器9の冷房能力を維持することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本第5実施形態は、上記第1ないし第4実施形態とは、圧縮機制御ルーチンが図4に示すものに代えて図11に示すものに変更され、他の構成は同じである。以下、第1ないし第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本第5実施形態において、上記メインルーチン(図3)のステップS9における圧縮機制御の処理内容を図11に示すフローチャートに基づき具体的に説明する。この図11に示す制御ルーチンも、上記第1ないし第4実施形態と同様、図3のメインルーチンの実行において、繰り返し実行される。
まずステップS301で、イグニッションスイッチ(IG)からの信号に基づきIGが投入(ON)されたか否かが判定される。IGがOFFからONへ切り替わったと判定された場合はステップS305へ移行し、IGの状態が変化ない、すなわち、IGがONのままの場合はステップS302に移行する。
ステップS305では、Duty1(n−1)の初期設定が行われる。具体的には、固定値α(例えば、30%)を用いて、Duty1(n−1)=αと設定される。この初期設定の後、ステップS302へ移行する。
ステップS302では、送風機8が停止状態(OFF)か否かが判定される。判定結果がYES、すなわち送風機8が停止状態(ブロワOFF)の場合は、ステップS303へ移行し、判定結果がNO、すなわち送風機8が送風状態(ブロワON)の場合は、ステップS306へ移行する。
ステップS303では、Duty1(n−1)がホールドされる。すなわち、Duty1(n)=Duty1(n−1)とする。その後、ステップS304にてDuty2=0と設定される。
一方、ステップS302でブロワONと判定された場合は、ステップS306にて、上記数式(3)と同様、数式(6)により、Duty1(n)が算出される。
Duty1(n)=Duty1(n−1)+kp(En(n)−En(n−1))
+(θ/Ti)×En(n) ・・・(6)
次のステップS307では、圧縮機11がONモード中か否かが判定される。具体的には、上記第1ないし第4実施形態におけるステップS204と同様、エアコンスイッチ40により圧縮機11が稼動状態に設定され、かつ、送風機8がON状態(ブロワON)にあるとき、圧縮機11がONモードにあると判定される。
ステップS307での判定結果がNO、すなわち圧縮機11がONモード中でなければ、ステップS304にてDuty2=0とされ、判定結果がYES、すなわち圧縮機11がONモード中であればステップS308にてDuty2=100と設定される。
そして、ステップS304、または、S308で、それぞれDuty2が設定された後、次のステップS309で、圧縮機11の制御の目標値として出力Duty値が、上記数式(4)にて、Duty1(n)およびDuty2のうち小さいほうの値として決定される。そののち、メインルーチンへ戻る。
以上の演算により算出される出力Duty値は、送風機8および圧縮機11の現在(今回)の状態に応じて、次のように設定される。
a)オートモードで送風機8が送風(ON)状態にあり、かつ、稼動状態に設定されている圧縮機11が出力Duty値に基づく吐出容量で作動している通常時、S301での判定はNOであり、S302で送風機8はON状態のためNOと判定され、S306でDuyt1(n)が算出され、次のS307で圧縮機11はONモード中であるためYESと判定され、S308でDuty2=100と設定され、S309で出力Duty値はDuty1(n)に設定される。したがって、圧縮機11は演算された目標値Duty1(n)の吐出容量で作動する。
b)イグニッションスイッチが投入(OFF→ON)された直後では、S301でのYES判定により、S305でDuty1(n−1)=αに初期設定され、次のS302でTwが水温しきい値より低いため送風機8が停止状態(OFF状態)にあり、すなわち判定結果はYESとなり、S303で初期設定されたDuty1(n−1)はホールドされ、S304でDuty2=0に設定され、S309で出力Duty値は0に設定される。これにより、圧縮機11の吐出容量は0となる。
c)エンジン冷却水温度Twが水温しきい値より低いウオームアップ制御中では、IGがON中であるためS301での判定はNOであり、S302でTwがまだ低く送風機8はOFFのままであるのでYES判定され、S303で前回までホールドされているDuty1(n−1)を継続してホールドし、S304でDuty2=0と設定され、S309で出力Duty値は0に設定される。これにより圧縮機11の吐出容量は0が維持される。なお、Twが水温しきい値に達するまでの期間、このc)の処理が繰り返されるあいだ、Duty1(n)の演算は行われない。
d)ウオームアップ制御中に、エンジン冷却水温度Twが上昇して水温しきい値に達すると、送風機8は送風(ON)状態となる。したがって、S301でのNO判定ののち、S302で送風機8のONへ切り替わりによりNO判定となり、次のS306でDuty1(n)の演算が数式(6)により開始される。この演算におけるDuty1(n−1)は、前回までS303でホールドされていたDuty1(n−1)=αが用いられる。
次のS307で、送風機8のON状態に応じて圧縮機11はONモードと判定(YES判定)され、S308でDuty2=100と設定され、S309で出力Duty値はS306で算出されたDuty1(n)に設定される。
このd)での処理により、それまで吐出容量=0とされていた圧縮機11は、Duty1(n)にて作動(起動)することになるが、この場合のDuty1(n)は初回の演算であるため、初期設定されたDuty1(n−1)=αと温度偏差Enとに基づいて数式(6)によりPI演算された値となる。したがって、圧縮機11は比較的小さい値に制限された吐出容量で作動を開始することができる。
以上のような本第5実施形態の制御処理による作動状態の変化の例を、図12の時間線図に示す。なお、図12において、時間t=0においてイグニッションONされて、上記メインルーチン(図3)の処理が開始される。ここで、目標冷却温度TEOは一定値としている。また、イグニッションON時に、オートスイッチ42が投入されており、エアコンスイッチ40はオンモードに設定されている。
時間t=0においてイグニッションONとともに、上記処理b)により、DutyはDuty1(n−1)=αに初期設定され、冷却水温Twが水温しきい値より低いため送風機8は停止状態(OFF)のままである。この状態は、上記c)の処理によりTwがしきい値に達するまで継続される。
Twがしきい値に達すると、これに応じて図中「ブロワON」で示される時点で、送風機8が停止状態から送風状態(ON)へ変化し、さらに、これに応じてオンモードに設定されている圧縮機11もON状態になる。このときの圧縮機11の制御目標値Dutyは、初回演算のDuty1(n)、すなわち、ホールドされている初期設定値であるDuty1(n−1)=αと温度偏差Enとに基づいて数式(6)によりPI演算された値が与えられる(上記処理d))。
この初回のPI演算された値Duty(n)は、常時演算が行われた場合の演算値Duty1(n)より低い値であるので、圧縮機11は、比較的低い吐出容量で起動する。これにより、蒸発器吹出空気温度Teは過度に低下することなく、したがって、蒸発器9は凍結しない。
そして時間経過とともに、送風機8の送風状態(ON)および圧縮機11のON状態が継続し、上記d)の処理により、圧縮機11は演算されたDuty1(n)による吐出容量で作動して、蒸発器吹出空気温度Teが目標冷却温度TEOに近づくように制御される。
なお、図12においても、比較のため図5と同様の従来制御による作動状態も示している。この比較により、送風機8の停止中におけるDuty1(n)の演算中止、および、初期設定値Duty1(n−1)=αのホールドにより、圧縮機11の起動が低い吐出容量で行われ、蒸発器9は過冷却されることなく、したがって凍結が発生しないことが理解される。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本第6実施形態は、上記第5実施形態とは、図11に示した圧縮機制御ルーチンにおけるステップS305の処理のみが異なり、他の構成は同じである。以下、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本第6実施形態では、イグニッションON後のDuty値の初期設定値Duty1(n−1)として、固定値ではなく、次の数式(7)で演算される値に設定される。
Duty1(n−1)=α+kp×En+(θ/Ti)×En ・・・(7)
ここで、αは固定値、kpは正の比例定数、θはサンプリング時間、Tiは積分定数である。また、Enは初期設定時における蒸発器吹出空気温度Teと目標冷却温度TEOとの温度偏差(Te−TEO)である。
すなわち、初期設定値Duty1(n−1)は、固定値αをTeの増加に応じて大きくなるよう補正した値として設定される。これにより、初期設定値Duty1(n−1)は、イグニッションON時の蒸発器9の熱負荷状態に応じて、蒸発器9の熱負荷が大きい、すなわちTeが高い場合には比較的大きい値とされ、逆に、蒸発器9の熱負荷が小さい、すなわちTeが低い場合には比較的小さい値とされる。したがって、送風機8のONに応じて圧縮機11が作動を開始するとき、蒸発器9の熱負荷が小さいときは圧縮機11の吐出容量は比較的小さくなって蒸発器9の過冷却を防止しつつ冷房能力を発揮させ、蒸発器9の熱負荷が大きいときは圧縮機11の吐出容量は比較的大きくなって蒸発器9の過冷却を防止しつつ冷房能力を発揮させることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、蒸発器温度検出手段として蒸発器9の空気吹出部に配置されて蒸発器吹出空気温度Teを、蒸発器9の温度として検出する蒸発器温度センサ34を用いる例を示したが、これに限らず、蒸発器9のフィンに直接配置されたサーミスタにより、フィンの温度を蒸発器9の温度として検出するものでもよい。
上記各実施形態では、圧縮機11は斜板式可変容量型圧縮機を用いた例を示したが、これに限らず、例えば、スクロール式可変容量型圧縮機でもよい。さらに、圧縮機11の駆動源として、上述のようにエンジンEの回転を使用する例を示したが、これに限らず、例えば電動モータで駆動する、いわゆる電動圧縮機を用いてもよい。電動圧縮機では、上述の出力Duty値により、電動圧縮機の吐出容量を決める電動モータの回転数を制御することができる。
本発明の第1実施形態を示す全体システム構成図である。 第1実施形態における容量制御弁の制御電流と目標差圧および目標流量との関係を示す特性図である。 第1実施形態の空調制御全体の概要を示すフローチャートである。 第1実施形態の圧縮機制御の具体例を示すフローチャートである。 第1実施形態の作動状態の変化の例を示す時間線図である。 第2実施形態におけるDuty値を決める関数βの特性を示す図である。 第3実施形態におけるDuty値を決める関数γの特性を示す図である。 第4実施形態におけるDuty値を決める関数f(TPI)の特性を示す図である。 第4実施形態におけるDuty値を決める関数f(SPD)の特性を示す図である。 第4実施形態におけるDuty値を決める関数f(Tam)の特性を示す図である。 第5実施形態の圧縮機制御の具体例を示すフローチャートである。 第5実施形態の作動状態の変化の例を示す時間線図である。
符号の説明
2…ケース、2a…空気通路、6…内外気切替ドア(内外気切替手段)、
7…サーボモータ(内外気切替手段)、9…蒸発器(冷房用熱交換器)、
11…可変容量型圧縮機、11b…容量制御弁(容量制御手段)、
30…空調制御装置(空調制御手段)。

Claims (7)

  1. 空調対象空間に向かって空気を送風する送風機(8)と、
    前記送風機の送風通路(2a)に配置され、前記空気を冷却する蒸発器(9)と、
    前記送風機の送風通路のうち、前記蒸発器の下流側部位に配置され、車両エンジン冷却水を熱源として前記空気を加熱する暖房用熱交換器(15)と、
    前記蒸発器の出口側の冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(11)と、
    前記車両エンジン冷却水の温度が所定のしきい値に上昇するまで前記送風機を停止状態に維持し、前記車両エンジン冷却水の温度が所定のしきい値に上昇すると前記送風機を停止状態から送風状態に切り替える送風機制御手段(S4)と、
    前記蒸発器の温度(Te)と目標冷却温度(TEO)との偏差(En)に応じた値を前回算出した吐出容量の目標値(Duty(n−1))に増減することにより、前記圧縮機に発生させるべき今回の吐出容量の目標値(Duty)を算出する算出手段(S9)と、
    前記算出された目標値に応じて前記圧縮機の吐出容量を制御して、前記蒸発器の冷房能力を調整する容量制御手段(S10)と、を備え、
    前記算出手段は、前記送風機制御手段により前記送風機が停止状態に維持されているときに前記吐出容量の目標値が0となる実出力値を出力し、
    さらに、前記算出手段は、前記送風機制御手段により前記送風機が前記停止状態から前記送風状態切り替えられた時点で算出される前記目標値を、前記偏差(En)に応じた値を前記前回算出の目標値(Duty(n−1))に増減することにより連続的に算出される目標値よりも低い所定値(α、β、γ、λ)で置換して、前記所定値を前記切替時点での前記吐出容量の目標値とする実出力値を出力し、
    前記送風状態への切替後における前記算出手段の次回の算出では、前記所定値を前記前回算出の目標値(Duty(n−1))として用いて前記偏差(En)に応じた値を前記所定値に増減することにより前記吐出容量の目標値を算出し、この算出された目標値を実出力値として出力することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記算出手段は、前記置換される所定値前記蒸発器の熱負荷状態に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 外気温(Tam)を検出する外気温検出手段(31)を備え、
    前記算出手段は、前記置換される所定値(β)を前記外気温検出手段(31)により検出される外気温により補正することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記蒸発器の吹出空気温度(Te)を検出する蒸発器温度検出手段(34)を備え、
    前記算出手段は、前記置換される所定値(γ)を、前記切替時点で検出される前記蒸発器温度検出手段の検出温度により補正することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  5. 前記送風通路への空気の吸込口(3、4)を内気導入状態ないし外気導入状態に設定する内外気設定手段(6、S7)と、車速(SPD)を検出する車速検出手段(36)と、外気温を検出する外気温検出手段(31)とを備え、
    前記算出手段は、前記置換される所定値(λ)を、前記内外気設定手段により設定されている吸込口状態(TPI)と、前記車速検出手段により検出される車速および前記外気温検出手段により検出される外気温とにより補正することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  6. 空調対象空間に向かって空気を送風する送風機(8)と、
    前記送風機の送風通路(2a)に配置され、前記空気を冷却する蒸発器(9)と、
    前記送風機の送風通路のうち、前記蒸発器の下流側部位に配置され、車両エンジン冷却水を熱源として前記空気を加熱する暖房用熱交換器(15)と、
    前記蒸発器の出口側の冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(11)と、
    前記車両エンジン冷却水の温度が所定のしきい値に上昇するまで前記送風機を停止状態に維持し、前記車両エンジン冷却水の温度が所定のしきい値に上昇すると前記送風機を停止状態から送風状態に切り替える送風機制御手段(S4)と、
    前記蒸発器の温度(Te)と目標冷却温度(TEO)との偏差(En)に応じた値を前回算出した吐出容量の目標値(Duty(n−1))に増減することにより、前記圧縮機に発生させるべき今回の吐出容量の目標値(Duty)を算出する算出手段(S9)と、
    前記算出された目標値に応じて前記圧縮機の吐出容量を制御して、前記蒸発器の冷房能力を調整する容量制御手段(S10)と、を備え、
    前記算出手段は、前記送風機制御手段により前記送風機が前記停止状態にあるとき前記目標値を所定値(α、Duty1(n−1))に保持する保持手段(S303)と、
    前記送風機制御手段により前記送風機が前記停止状態から前記送風状態へ切り替わると、前記所定値を前記前回算出の目標値(Duty(n−1))として用いて前記偏差(En)に応じた値を前記所定値に増減することにより前記吐出容量の目標値を演算する演算手段(S306)と、
    前記吐出容量の目標値の実出力値を出力する出力手段(S309)とを有し、
    前記所定値は、前記偏差に応じた値を前記前回算出の目標値(Duty(n−1))に増減することにより連続的に演算される吐出容量の目標値が前記停止状態から前記送風状態への切替時点に到達する値よりも低い値となるように予め設定されており、
    前記送風機が前記停止状態にあるときは前記保持手段(S303)により前記所定値が保持されても、前記出力手段(S309)は前記吐出容量の目標値が0となる実出力値を出力し、
    一方、前記送風機が前記停止状態から前記送風状態へ切り替えられると、前記出力手段(S309)は、前記演算手段(S306)において前記偏差(En)に応じた値を前記所定値に増減することにより演算された前記目標値を実出力値として出力することを特徴とする車両用空調装置。
  7. 前記蒸発器の吹出空気温度(Te)を検出する蒸発器温度検出手段(34)を備え、
    前記算出手段(S9)は、更に、前記所定値(Duty1(n−1))を前記算出手段への電源投入スイッチ(IG)が起動されたときに検出される前記蒸発器温度検出手段の検出温度により補正する手段(S305)を備えることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
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