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JP4600948B2 - 車載用音響再生装置 - Google Patents

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JP4600948B2
JP4600948B2 JP2001062543A JP2001062543A JP4600948B2 JP 4600948 B2 JP4600948 B2 JP 4600948B2 JP 2001062543 A JP2001062543 A JP 2001062543A JP 2001062543 A JP2001062543 A JP 2001062543A JP 4600948 B2 JP4600948 B2 JP 4600948B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用の音響再生装置に係り、特に複数の音響源の中から乗員が任意に選択して聴取できる車載用音響再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車載用音響再生装置として、いろいろな音源、例えば、CD、MD、ラジオ等からの信号から複数の信号を選択して、各々の信号を指定した異なった位置のスピーカから音声再生するシステムが普及している。例えば、フロント席用音声をフロントスピーカから再生し、リア席用音声をリアスピーカから再生ようなシステムがある。しかしこのようなシステムでは、各スピーカからの異なった再生音声が混じり合い、聞きづらいことから、フロント席用音声はフロントスピーカから再生し、リア席用音声からはヘッドフォンから再生することで実現している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の車載用音響再生装置では、リア席の乗員は自動車に乗車している間、頭部に常にヘッドフォンを載せ音声を聴取していなければならないため、乗員にとっては非常に煩わしく、また外部からの音、例えば他の乗員から話し掛けられた場合にその声が聞こえないなどの問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するもので、各スピーカから異なった音源の信号が再生されている場合でも、車室内の各座席において良好に音響信号を聴取でき、かつ乗員にとって煩わしさの無い車載用音響再生装置を実現することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するもので、車室内前方に配置されるフロントスピーカとセンタスピーカと、車室内後方に配置されるリアスピーカとウーハスピーカと、フロント席用とリア席用の再生音源の選択を行う選択手段と、前記選択手段によりフロント席用に選択された音源の出力信号を前記フロントスピーカに供給するフロント出力手段と、前記選択手段によりリア席用に選択された音源の出力信号を前記リアスピーカに供給するリア出力手段とを備えた車載用音響再生装置において、フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、センタスピーカとウーハスピーカからの出力を遮断する遮断手段と、フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、フロントスピーカとリアスピーカからの出力信号に高域と低域を減衰する処理を行う周波数特性可変手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、車室内前方に配置されるフロントスピーカとセンタスピーカと、車室内後方に配置されるリアスピーカとウーハスピーカと、フロント席用とリア席用の再生音源の選択を行う選択手段と、前記選択手段によりフロント席用に選択された音源の出力信号を前記フロントスピーカに供給するフロント出力手段と、前記選択手段によりリア席用に選択された音源の出力信号を前記リアスピーカに供給するリア出力手段とを備えた車載用音響再生装置において、フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、フロントスピーカとリアスピーカからの出力を遮断する遮断手段と、フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、センタスピーカとウーハスピーカからの出力信号に高域と低域を減衰する処理を行う周波数特性可変手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、車室内前方に配置されるフロントスピーカとセンタスピーカと、車室内後方に配置されるリアスピーカとウーハスピーカと、フロント席とリア席のヘッドレスト付近に設けられたフロントヘッドスピーカとリアヘッドスピーカと、フロント席用とリア席用の再生音源の選択を行う選択手段と、前記選択手段によりフロント席用に選択された音源の出力信号を前記フロントスピーカに供給するフロント出力手段と、前記選択手段によりリア席用に選択された音源の出力信号を前記リアスピーカに供給するリア出力手段とを備えた車載用音響再生装置において、フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、フロントスピーカ、センタスピーカ、リアスピーカ、ウーハスピーカからの出力を遮断する遮断手段と、フロントヘッドスピーカとリアヘッドスピーカからの出力信号に高域と低域を減衰する処理を行う周波数特性可変手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、車室内前方に配置されるフロントスピーカとセンタスピーカと、車室内後方に配置されるリアスピーカとウーハスピーカと、フロント席とリア席のヘッドレスト付近に設けられたフロントヘッドスピーカとリアヘッドスピーカと、フロント席とリア席に音声信号を体感振動に変換するシート加振機と、フロント席用とリア席用の再生音源の選択を行う選択手段と、前記選択手段によりフロント席用に選択された音源の出力信号を前記フロントスピーカに供給するフロント出力手段と、前記選択手段によりリア席用に選択された音源の出力信号を前記リアスピーカに供給するリア出力手段とを備えた車載用音響再生装置において、フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、フロントスピーカ、センタスピーカ、リアスピーカ、ウーハスピーカからの出力を遮断する遮断手段と、フロントヘッドスピーカとリアヘッドスピーカからの出力信号に高域と低域を減衰する処理を行う周波数特性可変手段と、フロント席音源をフロント席加振機へ、リア席音源をリア席加振機へ伝達する伝達手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施の形態例である車載用音響再生装置を説明する。図1は、本発明の一実施の形態における車載用音響再生装置の構成を示す構成図である。
【0010】
1a,1bは音響信号を出力する複数の音響源装置で構成される音響源部で、例えば、CD、MD、カセットテープ、ラジオ、テレビ、ナビゲーション装置などの音声ガイド装置、自動車電話等よりなる。
【0011】
2は、フロント席で再生する音声の音源を選択するためのフロント席音声選択操作部で、押釦スイッチ等により構成される。尚、このフロント席音声選択操作部2の操作により、フロント席でリア席とは異なる音源の音声を再生することも、またリア席と同じ音源の音声を再生することも可能となる。
【0012】
3は、リア席で再生する音声の音源を選択するためのリア席音声選択操作部で、押釦スイッチ等により構成される。尚、このリア席音声選択操作部2の操作により、リア席でフロント席とは異なる音源の音声を再生することも、またフロント席と同じ音源の音声を再生することも可能となる。
【0013】
4は、フロント席音声選択部2の操作状態に応じて音源からの再生信号を選択的にフロントスピーカ9とセンタスピーカ10に伝達する、あるいはリア席音声選択部3の操作状態に応じて音源からの再生信号を選択的にリアスピーカ11とウーハスピーカ12に伝達する音声切換部で、リレー,スイッチングトランジスタ等により構成される。
【0014】
5a,5bは、音声切換部4からの信号を、フロントスピーカ用再生信号とセンタスピーカ用再生信号に、及びリアスピーカ用再生信号とウーハスピーカ用再生信号に分配する信号分配器で、スイッチングトランジスタ,リレー等により構成されるスイッチ回路からなる。
【0015】
6は、信号分配器5a,5bの出力信号の高域と低域を減衰する周波数特性可変部で、ディジタル信号処理回路,共振回路等により構成される。
【0016】
7は、フロント席音声選択部2やリア席音声選択操作部3による音源選択状態に応じて、スピーカ9〜12への出力を接断するスイッチで、スイッチングトランジスタ等で構成される。
【0017】
8は、アンプで、スイッチ部7から出力された音声信号を電力増幅し、各スピーカ9〜12から再生音として出力させる。
【0018】
9は、車室内前方に配置されるフロントスピーカで、10は車室内前方に配置されるセンタスピーカである。
【0019】
11は、車室内後方に配置されるリアスピーカで、12は車室内後方に配置されるウーハスピーカである。
【0020】
次に本発明の第1の実施例の態様における車載用音響再生装置の動作について説明する。
【0021】
複数の音響源からの音響信号から、乗員は自分の聞きたい音響源信号を自由に選択する。まず、前席乗員と後席乗員がそれぞれ違う音響源を選択した時、例えば、前席の乗員がフロント席音声選択操作部2により音源1aを音響源として選択し、後席の乗員がリア席音声選択部3の操作により音源1bを音響源として選択した場合、フロント席音声選択操作部2から、音源1aが選択されたことを示す信号、リア席音声選択操作部3から、音源1bが選択されたことを示す信号(以下、両信号を合わせて切換制御信号という)が音声切換部4に出力され、音声切換部4は音源1aがフロントスピーカ(Fスピーカ)9、又はセンタスピーカ(Cスピーカ)10から再生されるように、また、音源1bがリアスピーカ(Rスピーカ)11、又はウーハスピーカ(Wスピーカ)12から再生されるように切換られる。音源1aの出力信号は、信号をFスピーカ9とCスピーカ10に分配する信号分配器5aに出力され、音源1bの出力信号は、信号をRスピーカ11とWスピーカ12に分配する信号分配器5bに出力される。
【0022】
信号分配器5a,5bより分配された出力信号は、再生音の周波数特性を変化させる周波数特性可変部6に出力される。そして、切換制御信号を受けて、周波数特性可変部6は入力信号における低音〜中低音、及び高音の帯域をカット(あるいは減衰)して、スイッチ部7に出力する。ここで、中域の帯域(減衰される帯域)とは人の音声の明瞭度を最も保つ事ができる「200Hz〜4kHz」程度が望ましい。
【0023】
切換制御信号を受けたスイッチ部7は、Cスピーカ10とWスピーカ12からの再生音出力を遮断するようにスイッチ接続状態が切換り、周波数特性が変換された各信号がアンプ8に出力される。アンプ8では、スイッチ部7からの出力信号が電力増幅され、Fスピーカ9,Rスピーカ11から再生音として出力される。
【0024】
尚、Fスピーカ9、及びRスピーカ11への信号はスイッチ部7を通らなくても良く、周波数特性可変部6をアンプ8に直結する構成とすることも可能である。
【0025】
以上のように、前席乗員に対してはFスピーカ9から低域及び高域の減衰された音源1aの再生信号が再生され、後席乗員に対してはRスピーカ11から低域及び高域の減衰された音源1bの再生信号が再生されることとなる。尚、再生音源として他の組み合わせの音源が選択された時も同様の動作となる。
【0026】
音声信号の高域は4〜5kHzを中心に感度が一番高いという人間の聴感特性から耳につきやすく、違う音源での場合に互いに邪魔をし合う影響がでやすい。また低域はエネルギーが高く回り込み易いため、車室内等では離れた位置での影響が大きい。本実施の形態では、スピーカから離れた位置での影響の大きい音声信号の低域と耳につきやすい高域の成分も減衰しているので、前席側への再生音の後席への悪影響を抑えることができ、また後席側への再生音の前席への悪影響を抑えることができ、結果、前席,後席でそれぞれの影響をあまり受けずに別々の音源の再生音声を聴取することができる。
【0027】
次に、前席乗員と後席乗員がそれぞれ同じ音響源を選択した時、例えば、前席乗員と後席乗員が音源1aを音響源として選択した場合、フロント席音声選択操作部2から、音源1aが選択されたことを示す信号、リア席音声選択操作部3から、音源1aが選択されたことを示す信号が音声切換部4に出力され、音声切換部4は音源1aがFスピーカ9、又はCスピーカ10から再生されるように、また、Rスピーカ11、又はWスピーカ12からも音源1aが再生されるように切換られる。音源1aの出力信号は、信号をFスピーカ9とCスピーカ10に分配する信号分配器5a、及び信号をRスピーカ11とWスピーカ12に分配する信号分配器5bに出力される。
【0028】
信号分配器5a,5bにより分配された出力信号は、再生音の周波数特性を変化させる周波数特性可変部6に出力されるが、切換制御信号を受けて、周波数特性可変部6は入力信号の周波数特性を変更せずに、スイッチ部7に出力する。
【0029】
切換制御信号を受けたスイッチ部7は、Cスピーカ10とWスピーカ12からの再生音出力も再生出力するようにスイッチ接続状態が切換り、周波数特性が変換されていない各信号がアンプ8に出力される。アンプ8では、スイッチ部7からの出力信号が電力増幅され、Fスピーカ9,Cスピーカ10,Rスピーカ11,Wスピーカ12から再生音として出力される。
【0030】
尚、Fスピーカ9、及びRスピーカ11の信号はスイッチ部7を通らなくても良く、周波数特性可変部6をアンプ8に直結する構成とすることも可能である。
【0031】
以上のように、前席と後席の乗員が同じ音源を選択した時には、前席の乗員及び後席の乗員に対して、Fスピーカ9,Cスピーカ10,Rスピーカ11,Wスピーカ12から同じ音源の音が再生される。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の態様における車載用音響再生装置の動作について、図2を用いて説明する。
【0033】
尚、本第2実施の形態における車載用音響再生装置のハード構成自体は、図1に示した構成と同様であるため、同じ番号を付し説明を省略する。
【0034】
まず、前席乗員と後席乗員がそれぞれ違う音響源を選択した時、例えば、前席の乗員がフロント席音声選択操作部2の操作により音源1aを音響源として選択し、後席の乗員がリア席音声選択部3の操作により音源1bを音響源として選択した場合、フロント席音声選択操作部2から、音源1aが選択されたことを示す信号、リア席音声選択操作部3から、音源1bが選択されたことを示す信号が音声切換部4に出力され、音声切換部4は音源1aがFスピーカ9、又はCスピーカ10から再生されるように、また、音源1bがRスピーカ11、又はWスピーカ12から再生されるように切換られる。音源1aの出力信号は、信号をFスピーカ9とCスピーカ10に分配する信号分配器5aに出力され、音源1bの出力信号は、信号をRスピーカ11とWスピーカ12に分配する信号分配器5bに出力される。
【0035】
信号分配器5a,5bにより分配された出力信号は、再生音の周波数特性を変化させる周波数特性可変部6に出力される。そして、切換制御信号を受けて、周波数特性可変部6は入力信号における低音〜中低音、及び高音の帯域をカット(あるいは減衰)して、スイッチ部7に出力する。
【0036】
切換制御信号を受けたスイッチ部7は、Fスピーカ9とRスピーカ11からの再生音出力を遮断するようにスイッチ接続状態が切換り、周波数特性が変換された各信号がアンプ8に出力される。アンプ8では、スイッチ部7からの出力信号が電力増幅され、Cスピーカ10,Wスピーカ12から再生音として出力される。
【0037】
尚、Cスピーカ10、及びWスピーカ12への信号はスイッチ部7を通らなくても良く、周波数特性可変部6をアンプ8に直結する構成とすることも可能である。
【0038】
以上のように、前席乗員に対してはCスピーカ10から低域及び高域の減衰された音源1aの再生信号が再生され、後席乗員に対してはWスピーカ12から低域及び高域の減衰された音源1bの再生信号が再生されることとなる。尚、再生音源として他の組み合わせの音源が選択された時も同様の動作となる。
【0039】
音声信号の高域は4〜5kHzを中心に感度が一番高いという人間の聴感特性から耳につきやすく、違う音源での場合に互いに邪魔をし合う影響がでやすい。また低域はエネルギーが高く回り込み易いため、車室内等では離れた位置での影響が大きい。本実施の形態では、スピーカから離れた位置での影響の大きい音声信号の低域と耳につきやすい高域の成分も減衰しているので、前席側への再生音の後席への悪影響を抑えることができ、また後席側への再生音の前席への悪影響を抑えることができ、結果、前席,後席でそれぞれの影響をあまり受けずに別々の音源の再生音声を聴取することができる。さらに、Fスピーカ9,Rスピーカ11がドア等に配置され、Fスピーカ9が後席の近くに存在する場合、あるいはRスピーカ11が前席の近くに存在する場合に、特に効果的である。
【0040】
次に、前席乗員と後席乗員がそれぞれ同じ音響源を選択した時、例えば、前席の乗員と後席の乗員が音源1aを音響源として選択した場合、フロント席音声選択操作部2から、音源1aが選択されたことを示す信号、リア席音声選択操作部3から、音源1aが選択されたことを示す信号が音声切換部4に出力され、音声切換部4は音源1aがFスピーカ9、又はCスピーカ10から再生されるように、また、Rスピーカ11、又はWスピーカ12からも音源1aが再生されるように切換られる。音源1aの出力信号は、信号をFスピーカ9とCスピーカ10に分配する信号分配器5a、及び信号をRスピーカ11とWスピーカ12に分配する信号分配器5bに出力される。
【0041】
信号分配器5a,5bにより分配された出力信号は、再生音の周波数特性を変化させる周波数特性可変部6に出力されるが、切換制御信号を受けて、周波数特性可変部6は入力信号を周波数特性を変更せずに、スイッチ部7に出力する。
【0042】
切換制御信号を受けたスイッチ部7は、Fスピーカ9とRスピーカ11からの再生音出力を遮断するようにスイッチ接続状態が切換り、周波数特性が変換されていない各信号がアンプ8に出力される。アンプ8では、スイッチ部7からの出力信号が電力増幅され、Fスピーカ9,Cスピーカ10,Rスピーカ11,Wスピーカ12から再生音として出力される。
【0043】
尚、Cスピーカ10、及びWスピーカ12の信号はスイッチ部7を通らなくても良く、周波数特性可変部6をアンプ8に直結する構成とすることも可能である。
【0044】
以上のように、前席と後席の乗員が同じ音源を選択した時には、前席乗員及び後席乗員に対して、Fスピーカ9,Cスピーカ10,Rスピーカ11,Wスピーカ12から同じ音源の音が再生される。
【0045】
次に、本発明の第3の実施例の態様における車載用音響再生装置の動作について、図3を用いて説明する。
【0046】
音響源部1a,1b、フロント席音声選択操作部2、リア席音声選択操作部3、周波数特性可変部6、スピーカ9〜12等については、図1に示した車載用音響再生装置と同様の構成であるので、同一符号を付し説明は省略する。
【0047】
13は、フロント席のヘッドレスト付近に設けられたフロントヘッドスピーカ(FHスピーカ)で、14は、リア席のヘッドレスト付近に設けられたリアヘッドスピーカ(RHスピーカ)である。
【0048】
24は、フロント席音声操作部2の操作状態に応じて音源からの再生信号を選択的にFスピーカ9とCスピーカ10とFHスピーカ13に伝達する、あるいは、リア席音声操作部3の操作状態に応じて音源からの再生信号を選択的にRスピーカ11とWスピーカ12とRHスピーカ14に伝達する音声切換部で、リレー,スイッチングトランジスタ等により構成される。
【0049】
25a,25bは、Fスピーカ用再生信号とCスピーカ用再生信号とFHスピーカ用再生信号、及びRスピーカ用再生信号とWスピーカ用再生信号とRHスピーカ用再生信号を分配する分配器で、スイッチングトランジスタ,リレー等からなるスイッチ回路により構成される。
【0050】
27は、フロント席音声選択部2やリア席音声選択操作部3による音源選択状態に応じて、各スピーカ9〜14への出力を接断するスイッチで、スイッチングトランジスタ等で構成される。
【0051】
28は、アンプで、スイッチ部27から出力された音声信号を電力増幅し、各スピーカ9〜14から再声音として出力させる。
【0052】
まず、前席乗員と後席乗員がそれぞれ違う音響源を選択した時、例えば、前席の乗員がフロント音声選択操作部2の操作により音源1aを音響源として選択し、後席の乗員がリア席音声選択部3にの操作により音源1bを音響源として選択した場合、フロント席音声選択操作部2から、音源1aが選択されたことを示す信号、リア席音声選択操作部3から、音源1bが選択されたことを示す信号が音声切換部24に出力され、音声切換部24は音源1aがFスピーカ9、Cスピーカ10、又はFHスピーカ13から再生されるように、また、音源1bがRスピーカ11、Wスピーカ12、又はRHスピーカ14から再生されるように切換られる。音源1aの出力信号は、信号をFスピーカ9とCスピーカ10とFHスピーカ13に分配する信号分配器25aに出力され、音源1bの出力信号は、信号をRスピーカ11とWスピーカ12とRHスピーカ14に分配する信号分配器25bに出力される。
【0053】
信号分配器25a,25bにより分配された出力信号は、再生音の周波数特性を変化させる周波数特性可変部6に出力される。そして、切換制御信号を受けて、周波数特性可変部6は入力信号における低音〜中低音、及び高音の帯域をカット(あるいは減衰)して、スイッチ部27に出力する。
【0054】
切換制御信号を受けたスイッチ部27は、Fスピーカ9、Cスピーカ10、Rスピーカ11、Wスピーカ12からの再生音出力を遮断するようにスイッチ接続状態が切換り、周波数特性が変換された各信号がアンプ28に出力される。アンプ28では、スイッチ部27からの出力信号が電力増幅され、FHスピーカ13,RHスピーカ14から再生音として出力される。
【0055】
尚、FHスピーカ13、及びRHスピーカ14への信号はスイッチ部27を通らなくても良く、周波数特性可変部6をアンプ28に直結する構成とすることも可能である。
【0056】
以上のように、前席乗員に対してはFHスピーカ13から低域及び高域の減衰された音源1aの再生信号が再生され、後席乗員に対してはRHスピーカ14から低域及び高域の減衰された音源1bの再生信号が再生されることとなる。尚、再生音源として他の組み合わせの音源が選択された時も同様の動作となる。
【0057】
音声信号の高域は4〜5kHzを中心に感度が一番高いという人間の聴感特性から耳につきやすく、違う音源での場合に互いに邪魔をし合う影響がでやすい。また低域はエネルギーが高く回り込み易いため、車室内等では離れた位置での影響が大きい。本実施の形態では、スピーカから離れた位置での影響の大きい音声信号の低域と耳につきやすい高域の成分も減衰しており、またスピーカはそれぞれの座席専用に座席ヘッドレスト付近に設けられているので、自分の選択した音源は耳に非常に近く、隣席の音源は座席で遮断されているので、前席側への再生音の後席への悪影響を抑えることができ、また同様に後席側への再生音の前席への悪影響を抑えることができ、結果、前席,後席でそれぞれの影響をあまり受けずに別々の音源の再生音声を聴取することができる。
【0058】
次に、前席乗員と後席乗員がそれぞれ同じ音響源を選択した時、例えば、前席乗員と後席乗員が音源1aを音響源として選択した場合、フロント席音声選択操作部2から、音源1aが選択されたことを示す信号、リア席音声選択操作部3から、音源1aが選択されたことを示す信号が音声切換部24に出力され、音声切換部24は音源1aがFスピーカ9、Cスピーカ10、FHスピーカ13から再生されるように、また、Rスピーカ11、Wスピーカ12、RHスピーカ14からも音源1aが再生されるように切換られる。音源1aの出力信号は、信号をFスピーカ9、Cスピーカ10、FHスピーカ13に分配する信号分配器25a、及び信号をRスピーカ11、Wスピーカ12、RHスピーカ14に分配する信号分配器25bに出力される。
【0059】
信号分配器25a,25bにより分配された出力信号は、再生音の周波数特性を変化させる周波数特性可変部6に出力されるが、切換制御信号を受けて、周波数特性可変部6は入力信号を周波数特性を変更せずにスイッチ部27に出力する。
【0060】
切換制御信号を受けたスイッチ部27は、Fスピーカ9、Cスピーカ10、Rスピーカ11、Wスピーカ12からの再生音出力を音声再生するようにスイッチ接続状態が切換り、周波数特性が変換されていない各信号がアンプ28に出力され、そして各スピーカから音声が再生される。アンプ28では、スイッチ部27からの出力信号が電力増幅され、FHスピーカ13,RHスピーカ14から再生音として出力される。
【0061】
尚、FHスピーカ13、及びRHスピーカ14の信号はスイッチ部27を通らなくても良く、周波数特性可変部6をアンプ28に直結する構成とすることも可能である。
【0062】
以上のように、前席の乗員及び後席の乗員に対してFHスピーカ13,RHスピーカ14から同じ音源の音が再生される。
【0063】
次に、本発明の第4の実施例の態様における車載用音響再生装置の動作について、図4を用いて説明する。
【0064】
音響源部1a,1b、フロント席音声選択操作部2、リア席音声選択操作部3、信号分配器25a,25b、周波数特性可変部6、スイッチ部27、アンプ28、スピーカ9〜14等については、図3の車載用音響再生装置と同様の構成のため、同一符号を付し説明は省略する。
【0065】
15は、音声信号を振動で伝えるフロント席・リア席のシート下等に埋め込まれたシート加振機で、トランデューサや圧電素子等により構成される。
【0066】
16は、音声信号の低音部分のみを抽出し、音声信号の変化に応じてシート加振器への振動信号を出力する伝達部で、トランデューサや圧電素子等により構成される。
【0067】
まず、前席乗員と後席乗員がそれぞれ違う音響源を選択した時、例えば、前席の乗員がフロント音声選択操作部2の操作により音源1aを音響源として選択し、後席の乗員がリア席音声選択部3の操作により音源1bを音響源として選択した場合、フロント席音声選択操作部2から、音源1aが選択されたことを示す信号、リア席音声選択操作部3から、音源1bが選択されたことを示す信号(以下、両信号を合わせて切換制御信号という)が音声切換部24、及び伝達部16に出力され、音声切換部24は音源1aがFスピーカ9、Cスピーカ10、又はFHスピーカ13から再生されるように、また、音源1bがRスピーカ11、Wスピーカ12、又はRHスピーカ14から再生されるように切換られる。音源1aの出力信号は、信号をFスピーカ9とCスピーカ10とFHスピーカ13に分配する信号分配器25aに出力され、音源1bの出力信号は、信号をRスピーカ11とWスピーカ12とRHスピーカ14に分配する信号分配器25bに出力される。
【0068】
信号分配器25a,25bにより分配された出力信号は、再生音の周波数特性を変化させる周波数特性可変部6、及び伝達部16に出力される。そして、切換制御信号を受けて、周波数特性可変部6は入力信号における低音〜中低音、及び高音の帯域をカット(あるいは減衰)して、スイッチ部7に出力する。
【0069】
切換制御信号を受けたスイッチ部27は、Fスピーカ9、Cスピーカ10、Rスピーカ11、Wスピーカ12からの再生音出力を遮断するようにスイッチ接続状態が切換り、周波数特性が変換された各信号がアンプ28に出力される。アンプ28では、スイッチ部27からの出力信号が電力増幅され、FHスピーカ13,RHスピーカ14から再生音として出力される。かつ、同時にフロント席音声選択操作部2、リア席音声選択操作部3から切換制御信号を受けた伝達部16は、信号分配器25a,25bにより分配された出力信号の低音部分のみを抽出し、音源1aの振動信号をシート加振機15aに伝達し、音源1bの低域信号をシート加振機15bに伝達し、各シート加振機15a,15bを振動させる。
【0070】
尚、FHスピーカ13、及びRHスピーカ14への信号はスイッチ部27を通らなくても良く、周波数特性可変部6をアンプ28に直結する構成とすることも可能である。
【0071】
以上のように、前席乗員に対してはFHスピーカ13から低域及び高域の減衰された音源1aの再生信号が再生され、かつ同時にシート加振機15aにより音源1aの音声信号の低域部分の変化に追随した体感振動を与え、後席乗員に対してはRHスピーカ14から低域及び高域の減衰された音源1bの再生信号が再生され、かつ同時にシート加振機15bにより音源1bの音声信号の低域部分の変化に追随した体感振動を与えることとなる。
【0072】
尚、再生音源として他の組み合わせの音源が選択された時も同様の動作となる。
【0073】
音声信号の高域は4〜5kHzを中心に感度が一番高いという人間の聴感特性から耳につきやすく、違う音源での場合に互いに邪魔をし合う影響がでやすい。また低域はエネルギーが高く回り込み易いため、車室内等では離れた位置での影響が大きい。本実施の形態では、スピーカから離れた位置での影響の大きい音声信号の低域と耳につきやすい高域の成分も減衰しており、またスピーカはそれぞれの座席専用に座席ヘッドレスト付近に設けられているので、自分の選択した音源は耳に非常に近く、隣席の音源は座席で遮断されているので、前席側への再生音の後席への悪影響を抑えることができ、また後席側への再生音の前席への悪影響を抑えることができ、結果、前席,後席でそれぞれの影響をあまり受けずに別々の音源の再生音声を聴取することができる。さらに、シート加振機15a,15bの振動により、ヘッドレストスピーカ13,14からの中低域の音だけではもの足りない低音感を補うことができ、重低音の体感と同様の効果を得ることが出来る。
【0074】
次に、前席乗員と後席乗員がそれぞれ同じ音響源を選択した時、例えば、前席乗員と後席乗員が音源1aを音響源として選択した場合、フロント席音声選択操作部2から、音源1aが選択されたことを示す信号、リア席音声選択操作部3から、音源1aが選択されたことを示す信号が音声切換部24、及び伝達部16に出力され、音声切換部24は音源1aがFスピーカ9、Cスピーカ10、FHスピーカ13から再生されるように、また、Rスピーカ11、Wスピーカ12、RHスピーカ14からも音源1aが再生されるように切換られる。音源1aの出力信号は、信号をFスピーカ9、Cスピーカ10、FHスピーカ13に分配する信号分配器25a、及び信号をRスピーカ11、Wスピーカ12、RHスピーカ14に分配する信号分配器25bに出力される。
【0075】
信号分配器25a,25bにより分配された出力信号は、再生音の周波数特性を変化させる周波数特性可変部6及び伝達部16に出力されるが、切換制御信号を受けて、周波数特性可変部6は入力信号を周波数特性を変更せずにスイッチ部27に出力する。
【0076】
切換制御信号を受けたスイッチ部27は、Fスピーカ9、Cスピーカ10、Rスピーカ11、Wスピーカ12からの再生音出力を音声再生するようにスイッチ接続状態が切換り、周波数特性が変換されていない各信号がアンプ28に出力される。アンプ28では、スイッチ部27からの出力信号が電力増幅され、FHスピーカ13,RHスピーカ14から再生音として出力される。かつ、同時にフロント席音声選択操作部2、リア席音声選択操作部3から切換制御信号を受けた伝達部16は、信号分配器25a,25bにより分配された出力信号の低音部分のみを抽出し、音源1aの振動信号をシート加振機15aに伝達し、音源1bの振動信号をシート加振機15bに伝達し、各シート加振機15a,15bを振動させる。
【0077】
尚、FHスピーカ13、及びRHスピーカ14はスイッチ部27を通らなくても良く、周波数特性可変部6をアンプ28に直結する構成とすることも可能である。
【0078】
以上のように、前席乗員及び後席乗員に対してFHスピーカ13,RHスピーカ14からから音源の音が再生され、かつ同時にシート加振機15a,15bに音源1aの音声信号の低域部分の変化に追随した体感振動を受けることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、複数の音響源の中から乗員が任意に選択して聴取でき、また他席の音響再生の妨害を妨げずに良好な状態で音楽等を楽しむ事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態例の車載用音響再生装置の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態例の車載用音響再生装置の構成を示す構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態例の車載用音響再生装置の構成を示す構成図である。
【図4】本発明の第4の実施形態例の車載用音響再生装置の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
2・・・・フロント席音声選択操作部
3・・・・リア席音声選択操作部
4・・・・音声切換部
5a,5b・・信号分配器
6・・・・周波数特性可変部
7・・・・スイッチ
8・・・・アンプ
9・・・・フロントスピーカ
10・・・センタスピーカ
11・・・リアスピーカ
12・・・ウーハスピーカ
13・・・フロントヘッドスピーカ
14・・・リアヘッドスピーカ
15a,15b・・シート加振機
16・・・伝達部

Claims (4)

  1. 車室内前方に配置されるフロントスピーカとセンタスピーカと、車室内後方に配置されるリアスピーカとウーハスピーカと、
    フロント席用とリア席用の再生音源の選択を行う選択手段と、
    前記選択手段によりフロント席用に選択された音源の出力信号を前記フロントスピーカに供給するフロント出力手段と、
    前記選択手段によりリア席用に選択された音源の出力信号を前記リアスピーカに供給するリア出力手段とを備えた車載用音響再生装置において、
    フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、センタスピーカとウーハスピーカからの出力を遮断する遮断手段と、
    フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、フロントスピーカとリアスピーカからの出力信号に高域と低域を減衰する処理を行う周波数特性可変手段とを有することを特徴とする車載用音響再生装置。
  2. 車室内前方に配置されるフロントスピーカとセンタスピーカと、車室内後方に配置されるリアスピーカとウーハスピーカと、
    フロント席用とリア席用の再生音源の選択を行う選択手段と、
    前記選択手段によりフロント席用に選択された音源の出力信号を前記フロントスピーカに供給するフロント出力手段と、
    前記選択手段によりリア席用に選択された音源の出力信号を前記リアスピーカに供給するリア出力手段とを備えた車載用音響再生装置において、
    フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、フロントスピーカとリアスピーカからの出力を遮断する遮断手段と、
    フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、センタスピーカにフロント席用音源の出力信号を供給し、ウーハスピーカにリア席用音源の出力信号を供給する選択供給手段と、
    フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、センタスピーカとウーハスピーカからの出力信号に高域と低域を減衰する処理を行う周波数特性可変手段とを有することを特徴とする車載用音響再生装置。
  3. 車室内前方に配置されるフロントスピーカとセンタスピーカと、車室内後方に配置されるリアスピーカとウーハスピーカと、
    フロント席とリア席のヘッドレスト付近に設けられたフロントヘッドスピーカとリアヘッドスピーカと、
    フロント席用とリア席用の再生音源の選択を行う選択手段と、
    前記選択手段によりフロント席用に選択された音源の出力信号を前記フロントスピーカに供給するフロント出力手段と、
    前記選択手段によりリア席用に選択された音源の出力信号を前記リアスピーカに供給するリア出力手段とを備えた車載用音響再生装置において、
    フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、フロントスピーカ、センタスピーカ、リアスピーカ、ウーハスピーカからの出力を遮断する遮断手段と、
    フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、フロントヘッドスピーカにフロント席用音源の出力信号を供給し、リアヘッドスピーカにリア席用音源の出力信号を供給する選択供給手段と、
    フロントヘッドスピーカとリアヘッドスピーカからの出力信号に高域と低域を減衰する処理を行う周波数特性可変手段とを有することを特徴とする車載用音響再生装置。
  4. 車室内前方に配置されるフロントスピーカとセンタスピーカと、車室内後方に配置されるリアスピーカとウーハスピーカと、
    フロント席とリア席のヘッドレスト付近に設けられたフロントヘッドスピーカとリアヘッドスピーカと、
    フロント席とリア席に音声信号を体感振動に変換するシート加振機と、
    フロント席用とリア席用の再生音源の選択を行う選択手段と、
    前記選択手段によりフロント席用に選択された音源の出力信号を前記フロントスピーカに供給するフロント出力手段と、
    前記選択手段によりリア席用に選択された音源の出力信号を前記リアスピーカに供給するリア出力手段とを備えた車載用音響再生装置において、
    フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、フロントスピーカ、センタスピーカ、リアスピーカ、ウーハスピーカからの出力を遮断する遮断手段と、
    フロント席用音源と別の音源がリア席用音源として選択されたとき、フロントヘッドスピーカにフロント席用音源の出力信号を供給し、リアヘッドスピーカにリア席用音源の出力信号を供給する選択供給手段と、
    フロントヘッドスピーカとリアヘッドスピーカからの出力信号に高域と低域を減衰する処理を行う周波数特性可変手段と、
    フロント席音源の信号をフロント席加振機へ、リア席音源の信号をリア席加振機へ伝達する伝達手段とを有することを特徴とする車載用音響再生装置。
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