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JP4690826B2 - 射出成形機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転テーブル上に複数の下金型を搭載し、型開閉・射出ステージにおいて、該型開閉・射出ステージに設けられた上金型と下金型を型締めして射出を行い、エジェクトステージにおいて、下金型から成形品の突き出しを行うとともに、作業者によるサイクルスタートスイッチの操作に基づいて、次のサイクルの運転を開始する半自動運転モードをもつ射出成形機に関する。
回転テーブル上に複数の下金型を搭載し、型開閉・射出ステージにおいては、該型開閉・射出ステージに設けられた上金型と、型開閉・射出ステージに移送されてきた下金型とを型締めして、型締め後、金型内に溶融樹脂を射出・充填し、一方、エジェクトステージにおいては、該エジェクトステージに移送されてきた下金型から、成形品の突き出し(エジェクト)を行うようにした射出成形機は公知である。このような回転テーブルを備えた射出成形機では、型開閉・射出ステージにおける型閉じ(型締め)→射出→計量→型開きと、エジェクトステージにおけるエジェクト前進→エジェクト後退とを、同時進行で行うことが可能となっており、これにより、成形サイクルの短縮化を図れるようになっている。また、エジェクトステージにおいては、成形品の取り出し後に、下金型上にインサート成形のためのインサート物品を、装填(載置・位置決め)することが可能であり、このインサート物品の装填は、型開閉・射出ステージが動作中に行うことができるので、この点でも成形サイクルの短縮化を図れるようになっている。
上記のインサート物品の装填作業は、ロボットを用いて行われる場合と、作業者が手作業で行う場合とがある。ロボットによりインサート物品の装填を行う場合は、成形品の取り出しもロボットにより行われ、この場合にはマシン(射出成形機)は全自動運転モードをとり、成形サイクルは自動的に連続して繰り返される。他方、作業者が手作業によりインサート物品の装填を行う場合には、成形品の取り出しも手作業により行われるのが一般的であり、このように、手作業により成形品の取り出しやインサート物品の装填を行う場合には、作業者の予期せぬタイミングで次の成形サイクルが開始されて、回転テーブルが不意に回転すると、安全性の点で問題があるため、マシンは、作業者によるサイクルスタートスイッチの操作に基づいて、次のサイクルの運転を開始する半自動運転モードをとるようになっている。同一のインサート成形品を大量生産するのには、ロボットにより成形品の取り出しやインサート物品の装填を行うのが適しており、インサート物品の種別が異なる多品種のインサート成形品を少量生産するのには、手作業により成形品の取り出しやインサート物品の装填を行うのが適している。
図6は、ロボットを付設し回転テーブルを備えた従来の射出成形機(マシン)を上方から見た簡略図であり、同図において下側(ロボットを付設した側)がマシンの正面側であり、同図において上側がマシンの背面側である。
図6において、51は、マシン(射出成形機)の骨格を構成するフレーム、52は、フレーム51上に回転可能であるように組み付けられた回転テーブル、53は、回転テーブル52上に180°間隔で搭載された2つの下金型、S11は、マシンの背面に対応する型開閉・射出ステージ、S12は、マシンの正面に対応するエジェクトステージ、54は、型開閉・射出ステージS11に配置されて上下動可能な可動ダイプレートであり、可動ダイプレート54の下面側には上金型55が取り付けられており、可動ダイプレート54の上面側には図示を割愛した射出ユニットが搭載されている。また、56は、マシンの正面側に配置された(エジェクトステージS12に対応する位置に配置された)サイクルスタートスイッチであり、このサイクルスタートスイッチ56は、所定量だけ離間して配置された対をなす押しボタンスイッチで構成されており、サイクルスタートスイッチ56の操作が有効な期間において、作業者が2つの押しボタンスイッチを両手で同時に押圧することで、サイクルスタートスイッチ56の操作が有効なものとして受け付けられるようになっている。また、57は、マシンの正面側に配置された(エジェクトステージS12に対応する位置に配置された)ロボットであり、全自動運転モードには、成形品の取り出しとインサート物品の装填とを行うようになっている。
図6に示す構成において、マシンが全自動運転モードをとっている際には、テーブル回転開始タイミングに至ると(型開きが終了すると)、マシンの図示せぬコントローラからの指令により、回転テーブル52が180°回転駆動される。この後、テーブル回転が停止されると、型開閉・射出ステージS11では、型閉じ(型締め)→射出→計量→型開きの順で各行程が実行され、エジェクトステージS12では、エジェクト前進→ロボット57による成形品の取り出し→エジェクト後退→ロボット57によるインサート物品の装着が行われる(ロボット57の駆動制御は、マシンの図示せぬコントローラからの指令に基づいて行われる)。インサート物品の装着は、型開閉・射出ステージS11における型開き行程の終了よりも、以前に終了しており、型開きが終了すると回転テーブル52は180°回転駆動されて、上記の繰り返しとなる。
他方、作業者の手作業により成形品の取り出しとインサート物品の装填を行う場合には、サイクルスタートスイッチ56の操作をロボット57が邪魔をするので、マシンの正面からロボット57を邪魔にならない場所に移動させるとともに、マシンに半自動運転モードをとらせる。マシンが半自動運転モードをとった際には、1つの成形サイクルのスタートは、作業者によるサイクルスタートスイッチ56の両手押し操作によって開始される。サイクルスタートスイッチ56の操作が有効な期間は、例えば、型開閉・射出ステージS11において型開き行程が終了した時点以降とされており、作業者が型開閉・射出ステージS11において型開きが終了したことを確認した上で、サイクルスタートスイッチ56を両手押しすると、これを受けたマシンの図示せぬコントローラからの指令により、回転テーブル52が180°回転駆動される。回転テーブル52の回転が停止すると、型開閉・射出ステージS11では、型閉じ(型締め)→射出→計量→型開きの順で各行程が実行され、エジェクトステージS12では、エジェクト前進→エジェクト後退→作業者による成形品の取り出しおよびインサート物品の装着が行われる。作業者によるインサート物品の装着も、型開閉・射出ステージS11における型開き行程の終了よりも、以前に終了するのが通常であり、型開き完了後にサイクルスタートスイッチ56が両手押しされることで、回転テーブル52は180°回転駆動されて、上記の繰り返しとなる。
上記したように、従来の回転テーブルを備えた射出成形機は、半自動運転モードで運転される場合には、ロボット57をマシンの正面から移動させねばならず、半自動運転モードから全自動モードに切り替える場合には、ロボット57をマシンの正面に移動させて、据え付ける必要があった。このため、ロボット57の搬送作業が煩わしく、また、ロボット57を据え付ける際の位置決めや動作確認にも時間をとられるという指摘があった。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、回転テーブルを備えた射出成形機において、マシンの正面側に配置された(エジェクトステージに対応する位置に配置された)ロボットを移動させることなく、半自動運転モードでのサイクルスタート操作を支障なく行えるようにすることにある。
本発明は上記した目的を達成するため、回転テーブル上に複数の下金型を搭載し、型開閉・射出ステージにおいて、該型開閉・射出ステージに設けられた上金型と下金型を型締めして射出を行い、エジェクトステージにおいて、下金型から成形品の突き出しを行う構成をとり、作業者によるサイクルスタートスイッチの操作に基づいて次のサイクルの運転を開始する半自動運転モードと、ロボットにより少なくとも成形品の取り出しを行う全自動運転モードとをもつ射出成形機で、射出成形機の正面には、前記ロボットを設置し、射出成形機の正面と、射出成形機の右側面または左側面とには、前記サイクルスタートスイッチを設けたことを特徴とする。
本発明によれば、射出成形機(マシン)の正面以外にも、マシンの右側面または左側面の何れか一方にもサイクルスタートスイッチを備えた構成としているので、マシンの正面(エジェクトステージに対応する位置)にロボットを据え付けた状態としたまま、半自動運転モードの際には、マシンの側面に設けたサイクルスタートスイッチを用いて、各成形サイクルのスタートの指示操作を支障なく行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1〜図4は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と記す)による射出成形機に係り、本実施形態は、回転テーブル上に4つの下金型を搭載し、回転テーブルの90°づつの回転で下金型が4つのステージに順次位置付けられる、4ステージタイプの構成への適用例である。
図1は、ロボットを付設した本実施形態の射出成形機のメカニズムの概要を示す右側面から見た説明図である。また、図2は、ロボットを付設した本実施形態の射出成形機を上方から見た簡略図であり、同図において下側(ロボットを付設した側)がマシン(射出成形機)の正面側であり、同図において上側がマシンの背面側である。なお、図2においては、射出ユニットの図示を割愛してある。
図1、図2において、1は、マシン(射出成形機)の骨格を構成するフレーム、2は、フレーム1の上部構造部1a上に、回転保持部3を介して回転可能であるように組み付けられた回転テーブル、4は、フレーム1の上部構造部1aに取り付けられたテーブル回転用モータ(テーブル回転用電動サーボモータ)、5は、フレーム1の上部構造部1aに配設され、テーブル回転用モータ4の回転を回転テーブル2に伝えて、回転テーブル2を回転させる回転伝達機構、6は、回転テーブル2上に90°間隔で搭載された4つの下金型である。
図2に示すように、各下金型6は、回転テーブル2の図2の矢印A方向への間欠的な90°回転毎に、マシンの背面に対応する型開閉・射出ステージS1、マシンの左側面に対応する第1遊休ステージS2、マシンの正面に対応するエジェクトステージS3、マシンの右側面に対応する第2遊休ステージS4に、順次、位置付けられるようになっている。型開閉・射出ステージS1に位置付けられた下金型6は、型開閉・射出ステージS1に設けられた可動ダイプレート9に取り付けられた上金型7とで、対をなす金型を構成するようになっている。
8は、型開閉・射出ステージS1におけるフレーム1の上部構造部1aの下側に配置されて、上部構造部1aに対して上下動可能なテールストック、9は、型開閉・射出ステージS1におけるフレーム1の上部構造部1aの上側に配置されて、上部構造部1aに対して上下動可能な可動ダイプレート、10は、その一端をテールストック8に固定され、その他端を可動ダイプレート9に固定された3本のタイバーで、該タイバー10により、テールストック8と可動ダイプレート9とが一体となって上下動するように連結されている。3本のタイバー10のうち、回転テーブル2の回転中心に位置するタイバー10は、フレーム1の上部構造部1aおよび回転保持部3を挿通して上下方向に摺動可能となっており、残りの2本のタイバー10は、フレーム1の上部構造部1aを挿通して上下方向に摺動可能となっている。なお、可動ダイプレート9の下面側には上金型7が取り付けられており、可動ダイプレート9の上面側には射出ユニット11が搭載されており、射出ユニット11は可動ダイプレート9と共に上下動するようになっている。
12は、テールストック8に搭載された型開閉用モータ(型開閉用電動サーボモータ)、13、その回転部(ここでは、例えばナット体)をテールストック8に回転可能に保持されたボールネジ機構で、型開閉用モータ12の回転は、ボールネジ機構13の回転部に伝達され、これにより回転部に螺合したボールネジ機構13の直動部(ここでは、例えばボールネジ軸)が直線移動(ここでは、上下方向に移動)するようになっている。14は、型開閉・射出ステージS1におけるフレーム1の上部構造部1aの下面側と、テールストック8の上面側との間に設けられた(上部構造部1aの下面側とテールストック8の上面側とを連結した)トグルリンク機構で、このトグルリンク機構14の力の入力端であるクロスヘッド14aが、型開閉用モータ12の回転を直線運動に変換するボールネジ機構13の直動部により上下方向に駆動されることによって、折り畳み駆動または伸張駆動されるようになっている。
本実施形態では、トグルリンク機構14が伸張駆動されると(クロスヘッド14aが上昇駆動されると)、テールストック8が下降駆動され、これと一体となってタイバー10、可動ダイプレート9、上金型7、射出ユニット11が下降して、型開閉・射出ステージS1にある下金型6に対して上金型7が下降することで型閉じが行われ、金型タッチ後にさらにクロスヘッド14aが所定量だけ上昇駆動されて、上金型7と下金型6とに対して型締め力が付与されるようになっている。また、トグルリンク機構14が折り畳み駆動されると(クロスヘッド14aが下降駆動されると)、テールストック8が上昇駆動され、これと一体となってタイバー10、可動ダイプレート9、上金型7、射出ユニット11が上昇して、型開きが行われるようになっている。
15は、エジェクトステージS3におけるフレーム1の上部構造部1aの下側に取り付けられたエジェクト用モータ(エジェクト用電動サーボモータ)、16は、その回転部(ここでは、例えばナット体)を、エジェクトステージS3におけるフレーム1の上部構造部1aの下側に回転可能に保持されたボールネジ機構で、エジェクト用モータ15の回転は、ボールネジ機構16の回転部に伝達され、これにより回転部に螺合したボールネジ機構16の直動部(ここでは、例えばボールネジ軸)が直線移動(ここでは、上下方向に移動)するようになっている。17は、エジェクトステージS3におけるフレーム1の上部構造部1aの下側において所定量だけ上下動可能であるように配置されたエジェクトプレートで、このエジェクトプレート17には、ボールネジ機構16の直動部の端部が固定されており、エジェクト用モータ15の駆動力で、エジェクトプレート17が上昇駆動もしくは下降駆動されるようになっている。エジェクトプレート17は、フレーム1の上部構造部1aに垂下・固定された複数のガイドピン18に沿って上下動するようになっており、エジェクトプレート17には、第1エジェクトピン19が立設・固定されている。第1エジェクトピン19は、フレーム1の上部構造部1a並びに回転テーブル2の貫通穴内を挿通して、エジェクトステージS3にある下金型6内を上下動可能とされている。下金型6内には、図示していないが所定量だけ上下動可能とされた第2エジェクトピンが設けられており、第2エジェクトピンは第1エジェクトピン19により押し上げ駆動可能となっている。
エジェクト用モータ15の駆動力によりエジェクトプレート17が上昇駆動されると(エジェクト前進駆動されると)、第1エジェクトピン19が図示せぬ第2エジェクトピンに当接して、この当接後は、第1エジェクトピン19が第2エジェクトピンを押し上げて、下金型6からの成形品の突き出しが行われる。エジェクト前進行程が完了すると、エジェクト用モータ15の駆動力によりエジェクトプレート17が下降駆動され(エジェクト後退駆動され)、これと一体となって第1エジェクトピン19も下降する。第1エジェクトピン19が下降すると、金型内の図示せぬ第2エジェクトピンは、バネの力で下降する。このようなエジェクト前進、後退行程が完了すると、成形品は下金型6から離型された状態となる。
20は、マシンの正面側に配置された(エジェクトステージS3に対応する位置に配置された)ロボットで、マシンの図示せぬコントローラからの指令に基づいて駆動制御されるようになっている。このロボット20は、マシンが全自動運転モードをとっている際には、エジェクトステージS3にある下金型6から離型された成形品を取り出し、続いて、エジェクトステージS3にある下金型6にインサート物品を装填(載置・位置決め)するようになっている。なお、マシンが半自動運転モードをとっている際には、エジェクトステージS3において下金型6から離型された成形品は、次の第2遊休ステージS4において、作業者による手作業によって下金型から取り出され、続いて、第2遊休ステージS4にある下金型6に対して、手作業によってインサート物品の装填が行われるようになっている。
21は、マシンの正面側に対となって設けられたサイクルスタートスイッチ、22は、マシンの右側面側に対となって設けられたサイクルスタートスイッチであり、それぞれのサイクルスタートスイッチ21、22は、所定量だけ離間して設けられた対をなす押しボタンスイッチで構成されており、サイクルスタートスイッチの操作が有効な期間において、作業者が2つの押しボタンスイッチを両手で同時に押圧することで、サイクルスタートスイッチの操作が有効なものとして受け付けられるようになっている。このような両手押しタイプのサイクルスタートスイッチとする所以は、次の成形サイクルの指示を行う際には、両手が必ずマシンの可動部外にあるようにして、作業者の安全を確保するためである。
マシンの正面側に設けられたサイクルスタートスイッチ21は、ロボット20がマシンの正面側に据え付けられた状態では、ロボット20が邪魔をして操作が困難乃至不能であるが、マシンの右側面側に設けられたサイクルスタートスイッチ22は、ロボット20がマシンの正面側に据え付けられた状態であっても、容易に操作可能となっている。そこで、本実施形態では、マシンの正面側にロボット20を据え付けたままの状態で、マシンに半自動運転モードをとらせた場合には、作業者は、マシンの右側面側のサイクルスタートスイッチ22を用いて、各成形サイクルの運転開始を指示するようになっている。
なお、マシンの正面側のサイクルスタートスイッチ21は、マシンの正面側からロボット20を移動させた状態において、マシンに半自動運転モードをとらせた場合において用いられるようになっている。このようにする所以は、マシンの正面側には図示していないが表示装置や入力ボードなどが設けられており、ロボット20がない状態では、作業者はマシンの正面側に立った方が、表示画像を監視しつつ作業を行うことができて好都合であるからである。
本実施形態では、マシンに半自動運転モードをとらせた際に、マシンの正面側にロボット20が据え付けられているか否かに応じて、マシンの右側面側のサイクルスタートスイッチ22の操作のみを有効とするか、マシンの正面側のサイクルスタートスイッチ21の操作のみを有効とするかを切り替えるようになっている。このような切り替えは、図3に示すように専用の切り替えスイッチ31を設けて、スイッチ31の切り替え操作で行うか、あるいは、図4に示すように表示装置の所定の表示画面41中にスイッチ選択欄42a、42bを設けて、スイッチ選択欄42a、42bのいずれかをカーソルで指定することで行うようにされる。
次に、本実施形態のマシン(射出成形機)が全自動運転モードをとった際の、インサート成形の動作を説明する。インサート成形を全自動運転モードで行うときには、マシンの正面側にはロボット20が据え付けられた状態にある。マシンの図示せぬコントローラは、ある成形サイクルが完了すると(次のテーブル回転開始タイミングに至ると(型開きが終了すると))、直ちに次の成形サイクルを開始させ、これによって、回転テーブル2が90°だけ回転駆動される。回転テーブル2の回転が停止されると、マシンの図示せぬコントローラの指令に基づき、型開閉・射出ステージS1では、型閉じ(型締め)→射出→計量→型開きの順で各行程が実行され、エジェクトステージS3では、エジェクト前進→ロボット20による成形品の取り出し→エジェクト後退→ロボット20によるインサート物品の装着が行われる(ロボット20の駆動制御も、マシンの図示せぬコントローラからの指令に基づいて行われる)。インサート物品の装着は、型開閉・射出ステージS1における型開き行程の終了よりも、以前に終了しており、型開きが終了すると、回転テーブル2は90°回転駆動されて、上記の繰り返しとなる。なお、全自動運転モードでの運転開始時には、インサート物品が当初に装填された下金型6が型開閉・射出ステージS1に到達するまでは(すなわち、回転テーブル2が180°だけ回転するまでは)、型開閉・射出ステージS1での動作は行われず、当初に成形品が被着した下金型6がエジェクトステージS3に到達するまでは(すなわち、回転テーブル2が360°だけ回転するまでは)、エジェクトステージS3では、インサート物品の装着動作のみが行われる。
また、本実施形態のマシン(射出成形機)の正面側にロボット20が据え付けられた状態において、本実施形態のマシンが半自動運転モードをとった際の、インサート成形の動作を説明する。このときには、先にも述べたように、マシンの右側面側のサイクルスタートスイッチ22の操作のみが有効となるような選択操作が行われている。マシンが半自動運転モードをとった際には、1つの成形サイクルのスタートは、作業者によるサイクルスタートスイッチの両手押し操作によって開始される。サイクルスタートスイッチの操作が有効な期間は、例えば、型開閉・射出ステージS1において型開き行程が終了した時点以降とされており、作業者が型開閉・射出ステージS1において型開きが終了したことを確認した上で、マシンの右側面側のサイクルスタートスイッチ22を両手押しすると、これを受けたマシンの図示せぬコントローラからの指令により、回転テーブル2が90°回転駆動される。回転テーブル2の回転が停止すると、型開閉・射出ステージS1では、型閉じ(型締め)→射出→計量→型開きの順で各行程が実行され、エジェクトステージS3では、エジェクト前進→エジェクト後退の順で各行程が実行され、第2遊休ステージS4では、作業者による成形品の取り出しおよびインサート物品の装着が行われる。第2遊休ステージS4での作業者によるインサート物品の装着も、型開閉・射出ステージS1における型開き行程の終了よりも、以前に終了するのが通常であり、型開き完了後にサイクルスタートスイッチ22が両手押しされることで、回転テーブル2は90°回転駆動されて、上記の繰り返しとなる。なお、半自動運転モードでの運転開始時には、インサート物品が当初に装填された下金型6が型開閉・射出ステージS1に到達するまでは(すなわち、回転テーブル2が90°だけ回転するまでは)、型開閉・射出ステージS1での動作は行われず、当初に離型が行われた成形品を乗せた下金型6が第2遊休ステージS4に到達するまでは(すなわち、回転テーブル2が360°だけ回転するまでは)、第2遊休ステージS4では、インサート物品の装着動作のみが行われる。
なお、本実施形態のマシン(射出成形機)の正面側にロボット20がない状態において、本実施形態のマシンが半自動運転モードをとった際の、インサート成形の動作については、エジェクトステージS3において、作業者により成形品の取り出しおよびインサート物品の装着が行われ、用いられるサイクルスタートスイッチがマシンの正面側のサイクルスタートスイッチ21であることを除けば、マシン(射出成形機)の正面側にロボット20が据え付けられた状態において、マシンが半自動運転モードをとった際のインサート成形の動作と同様である。
以上のように、本実施形態では、マシンの正面側のサイクルスタートスイッチ21以外にも、マシンの右側面側にもサイクルスタートスイッチ22を備えた構成としているので、マシンの正面(エジェクトステージに対応する位置)にロボット20を据え付けた状態としたまま、半自動運転モードの際には、マシンの右側面側のサイクルスタートスイッチ22を用いて、各成形サイクルのスタートの指示操作を支障なく行うことができる。
なお、上述した実施形態では、マシンの右側面側にサイクルスタートスイッチを設けた構成としたが、回転テーブル2の回転方向が図2の矢印A方向とは逆の場合には、マシンの左側面側にサイクルスタートスイッチを設ければよい。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。図5は、ロボットを付設した本発明の他の実施形態の射出成形機を上方から見た簡略図であり、同図において下側(ロボットを付設した側)がマシン(射出成形機)の正面側であり、同図において上側がマシンの背面側である。なお、図5においては、射出ユニットの図示を割愛してあり、また、前述した実施形態と同等の構成要素には同一符号を付してある。
図5に示した他の実施形態が先の実施形態と相違するのは、図5に示した他の実施形態では、回転テーブル2上に2つの下金型6を180°間隔で搭載し、回転テーブル2を間欠的に180°づつ回転させて、下金型6を、交番的に、マシンの背面に対応する型開閉・射出ステージS1と、マシンの正面に対応するエジェクトステージS3とに位置付けるようにした、2ステージタイプの構成とした点にある。
図5に示した他の実施形態においても、マシン(射出成形機)の正面側にロボット20が据え付けられた状態において、マシンが半自動運転モードをとった際のインサート成形のときには、作業者はマシンの右側面側に立って、マシンの右側面側のサイクルスタートスイッチ22を用いて、各成形サイクルのスタートの指示操作を行うようにされる。また、作業者による成形品の取り出しとインサート物品の装填は、マシンの右側面側に立った作業者により、エジェクトステージS3にある下金型6に対して行われる。
斯様な構成をとる図5に示した他の実施形態においても、マシンの正面(エジェクトステージに対応する位置)にロボット20を据え付けた状態としたまま、半自動運転モードの際には、マシンの右側面側のサイクルスタートスイッチ22を用いて、各成形サイクルのスタートの指示操作を支障なく行うことができる。
本発明の一実施形態に係る射出成形機における、メカニズムの概要を示す右側面から見た説明図である。 本発明の一実施形態に係る射出成形機を、上方から見た簡略化した説明図である。 本発明の一実施形態に係る射出成形機における、サイクルスタートスイッチ選択用の切り替えスイッチを示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る射出成形機における、サイクルスタートスイッチ選択用の画面表示例を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係る射出成形機を、上方から見た簡略化した説明図である。 従来の射出成形機を上方から見た簡略化した説明図である。
符号の説明
1 フレーム
1a フレームの上部構造部
2 回転テーブル
4 テーブル回転用モータ(テーブル回転用電動サーボモータ)
5 回転伝達機構
6 下金型
S1 型開閉・射出ステージ
S2 第1遊休ステージ
S3 エジェクトステージ
S2 第2遊休ステージ
7 上金型
8 テールストック
9 可動ダイプレート
10 タイバー
11 射出ユニット
12 型開閉用モータ(型開閉用電動サーボモータ)
13 ボールネジ機構
14 トグルリンク機構
14a クロスヘッド
15 エジェクト用モータ(エジェクト用電動サーボモータ)
16 ボールネジ機構で
17 エジェクトプレート
18 ガイドピン
19 第1エジェクトピン
20 ロボット
21、22 サイクルスタートスイッチ
31 サイクルスタートスイッチ選択用の切り替えスイッチ
41 表示装置の所定の表示画面
42a、42b スイッチ選択欄

Claims (3)

  1. 回転テーブル上に複数の下金型を搭載し、型開閉・射出ステージにおいて、該型開閉・射出ステージに設けられた上金型と下金型を型締めして射出を行い、エジェクトステージにおいて、下金型から成形品の突き出しを行う構成をとり、作業者によるサイクルスタートスイッチの操作に基づいて次のサイクルの運転を開始する半自動運転モードと、ロボットにより少なくとも成形品の取り出しを行う全自動運転モードとをもつ射出成形機で、
    射出成形機の正面には、前記ロボットを設置し、
    射出成形機の正面と、射出成形機の右側面または左側面とには、前記サイクルスタートスイッチを設けたことを特徴とする射出成形機。
  2. 請求項1に記載の射出成形機において、
    前記サイクルスタートスイッチは、両手による同時押しで操作が有効となる対をなす押しボタンスイッチであることを特徴とする射出成形機。
  3. 請求項1に記載の射出成形機において、
    前記回転テーブル上には4つの下金型が搭載されて、1成形サイクル毎に前記回転テーブルが90°づつ回転されて、下金型は、射出成形機の背面に対応する前記型開閉・射出ステージと、射出成形機の正面に対応する前記エジェクトステージと、射出成形機の右側面および左側面に対応する2つの遊休ステージとを、取り得るように構成され、
    前記半自動運転モード時のインサート成形の場合には、前記サイクルスタートスイッチを設けた前記右側面または左側面に対応する前記遊休ステージにおいて、作業者による成形品の取り出しとインサート物品の装填とが行われるようにし、
    前記全自動運転モード時のインサート成形の場合には、前記エジェクトステージにおいて、前記ロボットによる成形品の取り出しとインサート物品の装填とが行われるようにしたことを特徴とする射出成形機。
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