JP4669347B2 - 液体塗布装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
(第1の実施形態)
図1は、本発明の液体塗布装置100に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。ここに示す液体塗布装置100は、概略、媒体に対し所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を有して構成されている。
塗布する液体の成分の一例を以下に記述する。
硝酸カルシウム・4水和物 10%
グリセリン 42%
界面活性剤 1%
水 残量
また、前記塗布液の粘度は25℃で5〜6cP(センチポアズ)である。
なお、本発明の適用において塗布液は、上記のものに限られないことは勿論である。例えば、別の塗布液として、染料を不溶化あるいは凝集させる成分を含有する液体を用いることも可能である。また、別の塗布液として、媒体のカール(媒体が湾曲形状となる現象)を抑制する成分を含有する液体を用いることも可能である。
上述の塗布する液体の成分の一例では、グリセリン及び界面活性剤が水の表面張力を下げる成分である。
カウンターローラ1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されている。塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき媒体Pを挟持し得ると共に、媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
また、液体保持部材2001は、バネ部材(押圧手段)2006の付勢力によって塗布ローラ1001の周面に対して付勢されて当接するとき、塗布ローラ1001による液体塗布領域全体に亘って延在する長尺な液体保持空間Sを形成するようになっている。この液体保持空間S内には、後述の液体供給経路3000から液体保持部材2001を介して塗布液が供給される。このとき、液体保持部材2001が以下のように構成されているため、塗布ローラ1001の停止状態において、液体保持空間Sから外方へ不用意に塗布液が漏出するのを防止することができる。
図3に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを有して構成されている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、底部の断面形が円弧状をなす凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
図11は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
この液体流路3000は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵する貯蔵タンク3003とを連結する第1流路(供給流路)3001を有する。また、液体流路3000は、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記貯蔵タンク3003とを連結する第2流路(回収流路)3002を有する。この貯蔵タンク3003には、大気連通口3004が設けられている。この大気連通口には、大気との連通、遮断を切換える大気連通弁3005が設けられている。また、第1流路3001内には切換弁3006が設けられている。この切換弁3006によって第1流路3001と大気との連通、遮断が切換え可能となっている。さらに第2流路3002内には、本液体流路3000内で塗布液および空気を所望の方向へと強制的に流動させるためのポンプ3007が連結されている。
図12は、本実施形態の液体塗布装置における制御系の概略構成を示すブロック図である。
図12において、4000は液体塗布装置全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御部4000は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU4001と、このCPU4001によって実行される、図13にて後述される処理などの制御プログラムなどを格納するROM4002とを有する。また、制御部4000は、CPU4001の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM4003、フラッシュメモリやSRAM等の不揮発性メモリ4013などを有する。
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。すなわち、液体塗布装置に塗布開始指令が入力されると、制御部4000は、図13に示すフローチャートに従って以下の塗布動作シーケンスを実行する。
ステップS1では、液体保持空間S、各流路3001、3002、三方弁3006、ポンプ3007の各部(単に「各部」とも呼ぶ)に対して、上記各部に塗布液がすでに充填されているか否かに関らず後述する予備循環工程を実行する。この予備循環工程の予備循環シーケンスは、貯蔵タンク3003の大気連通弁3005を大気に開放させると共に、ポンプ3007を一定時間駆動することにより行われる。
ステップS1で予備循環が終了すると、塗布ローラ1001が図1の矢印に示すように、時計周りに回転を開始する(ステップS2)。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間を摺り抜ける。この擦り抜けた塗布液Lは、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との当接部に送られる。
図24は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より上流側での状態を示している。同図において塗布ローラ1001の塗布面には液体が塗布面の表面の微細な凹凸をわずかに被うように液体が付着している。
図25は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部での、媒体Pである普通紙の表面と塗布ローラ1001の塗布面の状態を示している。同図において媒体Pである普通紙の表面の凸部は塗布ローラ1001の塗布面と接触し、接触した部分より液体が瞬時に媒体Pである普通紙の表面の繊維に浸透ないし吸着する。また塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に付着した液体が残留される。
上記のようにして、媒体への塗布動作が実行されると、次に塗布工程を終了して良いか否かの判断を行う(ステップS4)。塗布工程を終了しない場合は、ステップS3に戻り、媒体の塗布が必要な部分全体に塗布工程を終了するまで塗布動作を繰り返す。一方、ステップS4にて塗布工程を終了すると、塗布ローラ1001を停止させ(ステップS5)。この後、塗布空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行い(ステップS6)、塗布にかかる処理を終了する。
まず、ステップS21において、CPU4001は前回の液体流れ動作(前回の循環動作)からの経過時間に関連する情報を取得する。すなわち、塗布開始指令が入力されると、タイマシステム4013から現在の時刻を示す情報を読み出す。また、不揮発性メモリ4013に記憶されている、前回の液体流れ動作(循環動作)の終了時を示す情報を読み出す。そして、これら読み出した2つの情報に基づいて、前回の循環動作からの経過時間を示す情報を取得する。
第1の実施形態では、前回の循環動作からの経過時間に応じて最適な予備循環シーケンスを選択している。これに加えて、上記経過時間後の予備循環開始時の各部の状態に応じて最適な予備循環シーケンスを選択するようにしても良い。本実施形態では、前回の循環動作からの経過時間に加えて、予備循環開始時において、液体保持空間Sに塗布液があるか否かに応じて予備循環シーケンスを決定している。
なお、上記各実施形態において、媒体に塗布すべき液体の量は、塗布ローラに対する液体保持部材の押圧力を、ばね部材の弾性力を変更することによって変更することが可能である。さらに、液体保持部材と塗布ローラあるいは無端ベルトを支持するローラなどの硬度を変更することによっても、液体塗布量を変更することが可能である。
上述の第1および第2の実施形態で示した液体塗布装置はインクジェット記録装置に適用するのが有効である。以下、上述の液体塗布装置をインクジェット記録装置に適用した場合について説明する。但し、第1および第2の実施形態で示した塗布動作制御は同様に適用されるため、ここでは説明を省略する。
このインクジェット記録装置1には、複数枚の記録媒体Pを積載する給送トレイ2が設けられている。半月形状の分離ローラ3は、給送トレイに積載された記録媒体Pを1枚づつ分離して搬送経路に給送する。搬送経路中には、上記液体塗布機構の液体塗布手段を構成する塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002が配置されており、給送トレイ2から給送された記録媒体Pは、両ローラ1001,1002の間に送られる。塗布ローラ1001はローラ駆動モータの回転によって図20において時計周り方向に回転し、記録媒体Pを搬送しながら塗布液を記録媒体Pの記録面に塗布する。塗布液が塗布された記録媒体Pは、搬送ローラ4とピンチローラ5との間に送られる。このとき、搬送ローラ4が、図中、反時計周り方向へと回転することによって、記録媒体Pはプラテン6の上を搬送され、記録手段を構成する記録ヘッド7に対向する位置へと移動する。記録ヘッド7は所定数のインク吐出用のノズルを配設したインクジェット記録ヘッドである。記録ヘッド7は、この記録ヘッド7が図の紙面と垂直方向に走査する間に、記録データに従ってノズルから記録媒体Pの記録面に対してインク滴を吐出して記録を行う。この記録動作と搬送ローラ4による所定量の搬送動作とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を形成して行く。この画像形成動作とともに、記録媒体の搬送路において記録ヘッドの走査領域の後流側に設けられた、排紙ローラ8と排紙拍車9によって記録媒体Pが挟持される。この挟持された記録媒体Pは、排紙ローラ8の回転によって排紙トレイ10上に排紙される。
録動作の手順を示すフローチャートである。
同図において、ステップS101、S102、S104〜S106の処理、およびステップS109〜S112の処理は、図13に示した、それぞれ、ステップS1、S2、S4〜S6、S8〜S11の処理と同様である。
また、銀塩写真方式の記録装置において、記録前に、感光剤を塗布してもよい。
2002 空間形成基材
2004 液体供給口
2005 液体回収口
3001 第1流路
3002 第2流路
3003 貯蔵タンク
3004、3013 大気連通口
3005 大気連通弁
3006 切換弁
3007 ポンプ
3011 貯蔵タンク側チューブ
3012 液体塗布部材側チューブ
Claims (9)
- 媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、
前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、
前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記液体を循環させる循環動作を制御するための循環手段と、
前記循環手段による前回の循環動作からの経過時間に関連する情報を取得する取得手段とを備え、
前記循環手段は、前記取得手段が取得した情報に応じて前記循環動作における循環速度および循環時間の少なくとも一方を制御することを特徴とする液体塗布装置。 - 前記循環手段は、前記取得手段が取得した情報に基づいて、前記循環速度および循環時間の少なくとも一方が異なる複数の異なる循環動作の中から1つの循環動作を選択することを特徴とする請求項1に記載の液体塗布装置。
- 前記取得手段が取得した情報に応じて、前記循環動作に必要な前記液体の量を決定する決定手段を更に備え、
前記循環手段は、前記決定手段が決定した量に応じて前記循環動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の液体塗布装置。 - 前記循環手段は、前記流路内に液体の流れを発生させるポンプを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体塗布装置。
- 媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、
前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、
前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記液体を循環させるための循環動作を制御する循環手段とを有し、
前記循環手段は、前回の循環動作からの経過時間が長くなるに伴って、次の循環動作における循環時間が長くなるように制御することを特徴とする液体塗布装置。 - 媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、
前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、
前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記液体を循環させるための循環動作を制御する循環手段とを有し、
前記循環手段は、前回の循環動作からの経過時間が長くなるに伴って、次の循環動作における循環速度が速くなるように制御することを特徴とする液体塗布装置。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の液体塗布装置と、
前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録ヘッドからインクを吐出して前記媒体に画像を記録する記録手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - インクと反応する反応液を記録媒体に塗布するための塗布ローラと、前記塗布ローラに当接して形成される液体保持空間に前記反応液を保持するための保持部材とを備え、前記塗布ローラを回転させることにより、前記液体保持空間内の反応液を前記塗布ローラを介して前記記録媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体塗布手段により反応液が塗布された記録媒体に対して、前記インクを吐出するための記録ヘッドと、
前記反応液を貯蔵するための貯蔵手段と、
前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、
前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記反応液を循環させるための循環動作を制御する循環手段と、
前記循環手段による前回の循環動作からの経過時間に関連する情報を取得する取得手段とを備え、
前記循環手段は、前記取得手段が取得した情報に応じて前記循環動作における循環速度および循環時間の少なくとも一方を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記反応液は、前記インク中の色材を不溶化あるいは凝集させるための成分を含有することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
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