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JP4669347B2 - 液体塗布装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents

液体塗布装置およびインクジェット記録装置 Download PDF

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JP4669347B2 JP2005235403A JP2005235403A JP4669347B2 JP 4669347 B2 JP4669347 B2 JP 4669347B2 JP 2005235403 A JP2005235403 A JP 2005235403A JP 2005235403 A JP2005235403 A JP 2005235403A JP 4669347 B2 JP4669347 B2 JP 4669347B2
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Description

本発明は、液体塗布装置およびインクジェット記録装置に関する。詳しくは、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早めるなど所定の目的で媒体に液体を塗布する液体塗布装置に関するものである。また、同様に、インクジェット記録で用いられる記録媒体に対して、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早めるなどの目的で液体を塗布する機構を備えたインクジェット記録装置に関するものである。
広く媒体に液体もしくは液状の材料を塗布する方式として、スピンコータ、ロールコータ、バーコータ、ダイコータが知られている。これらの塗布方式は、比較的長い媒体に塗布を連続的に行うことを前提としたものである。このため、例えば、比較的小さなサイズの媒体が断続的に搬送されてこれらに塗布を行う場合には、媒体ごとに、その塗布開始や終了の位置で塗料ビードが乱れるなどして均一な塗膜が得られなくなるなどの問題を生じることがある。
このような問題を解消可能な一構成として、特許文献1に記載されたものが知られている。この構成は、ダイコータ方式において、回転するロッドバーを用い、このロッドバーに対して吐出用スリットから塗料を吐出し、ロッドバー上に塗膜を形成する。そして、形成された塗膜はロッドバーの回転に伴い媒体に接触して転写されるものである。ここで、ロッドバーに形成された塗膜を媒体に転写、塗布しないときは、塗料はロッドバーの回転によりヘッド内に戻り回収用スリットを介して回収される。すなわち、非塗布時でもロッドバーは回転し続け、その際、塗料はロッドバーに塗膜を形成した状態にある。これにより、媒体が断続的に供給されそれらに断続的に塗布を行う場合でも、均一な塗膜を得ることを可能としている。
インクジェット記録装置の分野においても液体塗布機構を用いたものが知られている。特許文献2には、ローラと接するドクターブレードを用い、このブレードとローラとの間にコーティング液を溜めるようにし、ローラの回転に伴ってこのローラにコーティング液が付与されることが記載されている。そして、このローラの回転に伴い、これと他のローラとの間を搬送される支持体に対し付与されているコーティング液が転写、塗布される。特許文献3にも、同様に、インクジェット記録装置において、染料を不溶化する処理液を記録の前に予め塗布する機構が示されている。この文献の実施例1には、補充タンクに在る処理液が、回転するローラに付着することによって汲み出され同時にその汲み出した処理液が記録紙に塗布されることが記載されている。
しかしながら、以上の特許文献1ないし3に記載の構成は、いずれも、ロッドバーないしローラが回転しつつそのバーないしローラの表面に塗布液が付与もしくは供給されるが、その付与もしくは供給する部分が大気に開放されあるいは連通した部分である。このため、塗布液の蒸発などが問題となる。また、装置の姿勢が変わったときに、それによって塗布液が漏れるなどの問題を生じるおそれがある。
特に、プリンタなどのインクジェット記録装置では、運搬時の姿勢変化による液体の漏れなどを考慮すると、小型化された装置には上記各文献に記載の塗布機構を適用し難い。
これに対し、印刷版のパターンが表面に形成されたローラに、塗布液としてのインクを付与ないし供給する部分をシールする構成を有するグラビア印刷装置が特許文献4に開示されている。この装置では、2つのドクターブレードを有するインクチャンバーをローラの周面に当接させることにより、ローラとの間で液室(インク溜り)を形成している。
特開2001−70858号公報 特表2002−517341号公報 特開平08−72227号公報 特開平08−58069号公報
ところで、特許文献4では、インクを貯蔵するためのインクタンクと液室との間にポンプが設けられており、このポンプによりインクタンク内のインクを液室に圧送している。この圧送により、インクタンクから液室にインクを供給し、また、液室から排出されたインクを受ける収容タンクへ液室内のインクを送っている。
その際、長期間にわたって装置を停止させていた場合に、液室や液室内へインクを送る流路内において、蒸発や沈殿等による塗布液の増粘や固着が発生する場合がある。しかし、この流路内での塗布液の増粘や固着の問題について、特許文献4では何ら言及されてはいない。
塗布液が流路内で蒸発し増粘・固着した場合には、塗布液の循環が阻害されることがあり、塗布装置の信頼性を保ち得る範囲で良好な循環を行うことが難しくなることがある。例えば、液室内で増粘が発生した場合には、塗布される液体が通常より粘度が高くなっている。これにより、適切な塗布が妨げられた場合、塗布に部分的なムラが出てしまうことがある。このムラにより、最終的に印字された画像にムラが出るなどの弊害を招いてしまうことが懸念される。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、媒体への液体の塗布ムラを軽減できる液体塗布装置およびインクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記液体を循環させる循環動作を制御するための循環手段と、前記循環手段による前回の循環動作からの経過時間に関連する情報を取得する取得手段とを備え、前記循環手段は、前記取得手段が取得した情報に応じて前記循環動作における循環速度および循環時間の少なくとも一方を制御することを特徴とする。
また、本発明は、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記液体を循環させるための循環動作を制御する循環手段とを有し、前記循環手段は、前回の循環動作からの経過時間が長くなるに伴って、の循環動作における循環時間長くなるように制御することを特徴とする。
また、本発明は、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、前記貯蔵手段、前記経路およびに前記液体保持空間を含む流路内において前記液体を循環させるための循環動作を制御する循環手段とを有し、前記循環手段、前回の循環動作からの経過時間が長くなるに伴って、次の循環動作における循環速度が速くなるように制御することを特徴とする。
また、本発明は、インクジェット記録装置であって、請求項1乃至6のいずれかに記載の液体塗布装置と、前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録ヘッドからインクを吐出して前記媒体に画像を記録する記録手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、インクジェット記録装置であって、インクと反応する反応液を記録媒体に塗布するための塗布ローラと、前記塗布ローラに当接して形成される液体保持空間に前記反応液を保持するための保持部材とを備え、前記塗布ローラを回転させることにより、前記液体保持空間内の反応液を前記塗布ローラを介して前記記録媒体に塗布する液体塗布手段と、前記液体塗布手段により反応液が塗布された記録媒体に対して、前記インクを吐出するための記録ヘッドと、前記反応液を貯蔵するための貯蔵手段と、前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記反応液を循環させるための循環動作を制御する循環手段と、前記循環手段による前回の循環動作からの経過時間に関連する情報を取得する取得手段とを備え、前記循環手段は、前記取得手段が取得した情報に応じて前記循環動作における循環速度および循環時間の少なくとも一方を制御することを特徴とする。
本発明によれば、前回の循環動作からの経過時間に応じて、液体の循環動作を制御する。このため、経過時間に依存する液体の蒸発度合いに適した循環動作が実行可能となる。この結果、流路内において液体の増粘や固着が軽減され、これら増粘や固着に起因する塗布のムラを軽減することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の液体塗布装置100に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。ここに示す液体塗布装置100は、概略、媒体に対し所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を有して構成されている。
液体塗布手段は、円筒状の塗布ローラ1001、この塗布ローラ1001に対向して配置された円筒状のカウンターローラ(媒体支持部材)1002、および塗布ローラ1001を駆動するローラ駆動機構1003などを有する。このローラ駆動機構1003は、ローラ駆動モータ1004と、このローラ駆動モータ1004の駆動力を塗布ローラ1001に伝達するギアトレインなどを有する動力伝達機構1005とによって構成されている。
また、液体供給手段は、塗布ローラ1001の周面との間で塗布液を保持する液体保持部材2001、およびこの液体保持部材2001に液体を供給する後述の液体流路3000(図1では不図示)などを有して構成される。塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002は、それぞれ、それらの両端が不図示のフレームに対して回動自在に取り付けられた、互いに平行な軸によって回動自在に支持されている。また、液体保持部材2001は、塗布ローラ1001の長手方向のほぼ全体にわたって延在するものであり、塗布ローラ1001の周面に対して接離動作を可能とする機構を介して上記のフレームに移動可能に取り付けられている。
本実施形態の液体塗布装置は、さらに、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002とのニップ部に媒体を搬送するための、ピックアップローラなどからなる媒体供給機構1006を備える。また、この媒体の搬送路において、塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002の後流側には、塗布液が塗布された媒体を排紙部(不図示)へ向けて搬送する、排紙ローラなどからなる排紙機構1007が設けられる。これらの給紙機構や排紙機構も、塗布ローラなどと同様、動力伝達機構1005を介して伝えられる駆動モータ1004の駆動力によって動作する。
なお、本実施形態で使用する塗布液は、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早めることを目的とした液体である。
塗布する液体の成分の一例を以下に記述する。
硝酸カルシウム・4水和物 10%
グリセリン 42%
界面活性剤 1%
水 残量
また、前記塗布液の粘度は25℃で5〜6cP(センチポアズ)である。
なお、本発明の適用において塗布液は、上記のものに限られないことは勿論である。例えば、別の塗布液として、染料を不溶化あるいは凝集させる成分を含有する液体を用いることも可能である。また、別の塗布液として、媒体のカール(媒体が湾曲形状となる現象)を抑制する成分を含有する液体を用いることも可能である。
塗布する液体に水を用いる場合、本発明の塗布ローラとの液体保持部材の当接部分での周動性は、表面張力を下げる成分を前記液体に含ませることで良好なものとなる。
上述の塗布する液体の成分の一例では、グリセリン及び界面活性剤が水の表面張力を下げる成分である。
次に、以上概略を説明した液体塗布装置を構成する各部の要素についてより詳細に説明する。
図2は、塗布ローラ1001、カウンターローラ1002および液体保持部材2001などの配置の一例を示す縦断側面図である。
カウンターローラ1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されている。塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき媒体Pを挟持し得ると共に、媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
また、液体保持部材2001は、バネ部材(押圧手段)2006の付勢力によって塗布ローラ1001の周面に対して付勢されて当接するとき、塗布ローラ1001による液体塗布領域全体に亘って延在する長尺な液体保持空間Sを形成するようになっている。この液体保持空間S内には、後述の液体供給経路3000から液体保持部材2001を介して塗布液が供給される。このとき、液体保持部材2001が以下のように構成されているため、塗布ローラ1001の停止状態において、液体保持空間Sから外方へ不用意に塗布液が漏出するのを防止することができる。
この液体保持部材2100の構成を、図3ないし図8に示す。
図3に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを有して構成されている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、底部の断面形が円弧状をなす凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
上記のようにこの実施形態における液体保持部材は、継ぎ目のない一体に形成された当接部材2009が、バネ部材2006の付勢力によって塗布ローラ1001の外周面に隙間なく連続した状態で当接する。その結果、液体保持空間Sは、この当接部材2009と、空間形成基材の一面と、塗布ローラ1001の外周面とによる実質的に閉塞した空間となり、この空間に塗布液が保持される。そして、塗布ローラ1001の回転が停止した状態では、当接部材2009と塗布ローラ1001の外周面とは液密状態を維持し、液体が外部へと漏出するのを確実に防止することができる。一方、塗布ローラ1001が回転するときは、後述されるように、塗布液は塗布ローラ1001の外周面と当接部材2009との間をすり抜けて、塗布ローラの外周面に層状に付着する。ここで、塗布ローラ1001の停止状態において、その外周面と当接部材2009とが密接状態にあるとは、上記のとおり、上記液体保持空間Sの内と外との間で液体を通さないことである。この場合、当接部材2009の当接状態としては、それが塗布ローラ1001の外周面に対し、直に接する状態の他、毛管力によって形成される液体の膜を解して上記外周面に当接する状態を含むものである。
また、当接部材2009の長手方向における左右両側部は、図3ないし図8に示すように、正面(図3)、平面(図6)および側面(図7、図8)のいずれの方向から見ても緩やかに湾曲する形状をなしている。このため、塗布ローラ1001に対し、比較的強い押圧力で当接部材2120を当接させても、当接部材2009の全体が略均一に弾性変形し、局所的に大きな歪みが生じることはない。このため、当接部材2009は図6ないし図8に示すように、隙間なく連続的に塗布ローラ1001の外周面に当接し、上記の実質的に閉塞した空間を形成することができる。
一方、空間形成基材2002には、図3ないし図5に示すように、当接部材2009に囲繞された領域内に、それぞれ空間形成基材2002を貫通する孔を有して構成される液体供給口2004および液体回収口2005が設けられている。これらは空間形成基材の背面側に突設された円筒状の連結部20041,20051にそれぞれ連通している。また、この連結部20041,20051は、後述の液体供給流路3000に連結されている。なお、この実施形態では、液体供給口2004が当接部材2009に囲繞された領域の一端部(図3では左端部)近傍に形成され、液体回収口2005が同領域の他端部(図3では右端部)近傍に設けられる。この液体供給口2004は、液体流路3000から供給される塗布液を前述の液体保持空間Sに供給し、液体回収口2005は液体保持空間S内の液体を液体流路3000へと流出させるためのものである。この液体の供給、流出を行うことにより、液体保持空間S内において、塗布液は上記の左端部から右端部へと流動する。
(塗布液流路)
図11は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
この液体流路3000は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵する貯蔵タンク3003とを連結する第1流路(供給流路)3001を有する。また、液体流路3000は、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記貯蔵タンク3003とを連結する第2流路(回収流路)3002を有する。この貯蔵タンク3003には、大気連通口3004が設けられている。この大気連通口には、大気との連通、遮断を切換える大気連通弁3005が設けられている。また、第1流路3001内には切換弁3006が設けられている。この切換弁3006によって第1流路3001と大気との連通、遮断が切換え可能となっている。さらに第2流路3002内には、本液体流路3000内で塗布液および空気を所望の方向へと強制的に流動させるためのポンプ3007が連結されている。
この実施形態において、第1流路3001および第2の流路3002は円管状のチューブによって形成されている。各チューブの端部に形成される開口部は、貯蔵タンク3003の底部もしくは底部に近い位置に配置され、貯蔵タンク3003内の塗布液を完全に消費し得るようになっている。
ここで、本実施系形態におけるポンプ3007を図19に示す。ポンプ3007は図19のようなチューブポンプによって構成されている。このチューブポンプ3007は、ポンプ駆動モータ(ここでは図示せず)によって回転する回転体30071と、この回転体30071の外側に沿って弧状に配設された可撓性を有するポンプ構成チューブ30072とを有する。さらに、ポンプ3007は、前記回転体30071に回動自在に支持された2個のコロ30073,30074を有する。このチューブポンプでは、回転体30071が回転することにより、少なくとも一つのコロ30073,30074がポンプ構成チューブ30072を押し潰しながら転動する。この転動により、ポンプ構成チューブ30072内の塗布液または空気を下流側へと(図19では、貯蔵タンク側チューブ30022へと)送り出すと同時に、液体保持部材側チューブ30021から塗布液または空気を吸引する。また、このチューブポンプ3007は、駆動停止状態で必ずポンプ構成チューブを押し潰した状態で停止するため、チューブ30021とチューブ30022との連通は遮断される。
また、この実施形態における切換弁3006は、第1流路3001と大気との連通、遮断を切換え得るものであれば、種々のものが適用可能であるが、ここでは図11に示すような三方弁を使用している。この三方弁3006は、互いに連通する3つのポートを有している。このポートのうち2つのポートを、第1流路3001における貯蔵タンク側チューブ3011と、液体保持部材側チューブ3012と、大気連通口3013の中のいずれか二つに選択的に連通させ得るものとなっている。そして、この三方弁3006の切換えにより、チューブ3011とチューブ3012とを連通させる連結状態と、チューブ3012と大気連通口3013とを連通させる連結状態とが選択的に切り換えられる。これにより、液体保持部材2001と塗布ローラ1001とによって形成される空間Sに対し、貯蔵タンク3003内の塗布液あるいは大気連通口3013から取り込まれる空気の何れかを選択して供給することが可能となる。詳しくは、図22に示されるようにチューブ3011とチューブ3012とが連通している状態にあっては、貯蔵タンク3003内の塗布液が液体保持空間Sに供給される。一方、図23に示されるようにチューブ3012と大気連通口3013とが連通している状態にあっては、大気連通口3013から取り込まれる空気が液体保持空間Sに供給される。なお、三方弁3006の切換えは、後述の制御部4000からの制御信号によって行われ、塗布液の充填、供給などが行われる。
(制御系)
図12は、本実施形態の液体塗布装置における制御系の概略構成を示すブロック図である。
図12において、4000は液体塗布装置全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御部4000は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU4001と、このCPU4001によって実行される、図13にて後述される処理などの制御プログラムなどを格納するROM4002とを有する。また、制御部4000は、CPU4001の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM4003、フラッシュメモリやSRAM等の不揮発性メモリ4013などを有する。
この制御部4000は、後述する前回の液体流れ動作(前回の循環動作)からの経過時間を示す情報を取得する機能や、この経過時間を示す情報に基づいて液体移動手段(ポンプ)による予備循環を制御する機能を有する。
また、この制御部4000には、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む入力操作部4004、液体塗布装置の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う表示部4005が接続されている。また、制御部4000には、媒体の位置や各部の動作状態などを検出するセンサなどを含む検出部4006、内蔵電池を有するタイマシステム4012が接続されている。また、制御部4000には、前記ローラ駆動モータ1004、ポンプ駆動モータ4009、大気連通弁3005および切換弁3006などがそれぞれ駆動回路4007,4008,4010,4011を介して接続されている。なお、検出部4006を構成するセンサとしては、第2の実施形態における液体検知センサ、温度検知センサ等が含まれる。
本実施形態では、以上の構成により、塗布液の媒体への塗布動作(液体塗布動作)時において、所定のタイミングに応じて、ポンプ3007の停止および作動(駆動)を制御する。
(液体塗布動作シーケンス)
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。すなわち、液体塗布装置に塗布開始指令が入力されると、制御部4000は、図13に示すフローチャートに従って以下の塗布動作シーケンスを実行する。
予備循環工程
ステップS1では、液体保持空間S、各流路3001、3002、三方弁3006、ポンプ3007の各部(単に「各部」とも呼ぶ)に対して、上記各部に塗布液がすでに充填されているか否かに関らず後述する予備循環工程を実行する。この予備循環工程の予備循環シーケンスは、貯蔵タンク3003の大気連通弁3005を大気に開放させると共に、ポンプ3007を一定時間駆動することにより行われる。
なお、各部に塗布液が既に充填されている場合は、流路3001→液体保持空間S→流路3002→貯蔵タンク3003を含む流路内で液体を循環させるだけである。一方、各部に塗布液が充填されていない場合は、流路3001→液体保持空間S→流路3002→貯蔵タンク3003を含む流路内で液体を循環させつつ、各部に塗布液を充填していく。
なお、本明細書において、「予備循環に関わる塗布液」とは、予備循環工程時に実際に各部を循環する塗布液を指す。また、予備循環に関わる塗布液は、予備循環によって増粘物および/または固着物が予備循環に用いた塗布液と相溶する場合は、該相溶したものも含む。
塗布工程
ステップS1で予備循環が終了すると、塗布ローラ1001が図1の矢印に示すように、時計周りに回転を開始する(ステップS2)。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間を摺り抜ける。この擦り抜けた塗布液Lは、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との当接部に送られる。
次いで、媒体送給機構1006によって塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との間に媒体が搬送され、これらのローラの間に媒体が挿入される。この挿入された媒体は、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002の回転に伴い排紙部へ向けて搬送される(ステップS3)。この搬送の間に、塗布ローラ1001の外周面に塗布された塗布液が、図9に示すように塗布ローラ1001から媒体Pに転写される。なお、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との間に媒体を供給する手段としては、上記の送給機構に限られないことは勿論である。媒体の供給手段として、例えば、所定のガイド部材を補助的に用いる手差しによる手段を併せて用いてもよく、また、手差し手段を単独で用いる構成など、どのような手段を用いてもよい。
図9において、交差する斜線で表現した部分が塗布液Lを示している。なお、ここでは、塗布ローラ1001および媒体Pにおける塗布液の層の厚みは、塗布時における塗布液Lの様子を明確に図示する上で、実際の厚みよりもかなり過大に表している。
上記のようにして、媒体Pの塗布された部分は塗布ローラ2001の搬送力により矢印方向に搬送されると共に、媒体Pと塗布ローラ2001の接触部に媒体Pの未塗布部分が搬送される。この動作を連続もしくは間欠的に行うことで媒体全体に塗布液を塗布して行く。
ところで、図9においては、当接部材2009から摺り抜けて塗布ローラ2001に付着した塗布液Lの全てが媒体Pに転写された理想的な塗布状態を示している。しかしながら、実際には、塗布ローラ1001に付着した塗布液Lの全てが媒体Pに転写されるとは限らない。つまり、搬送される媒体Pが塗布ローラ1001から離間する際、塗布液Lは、塗布ローラ1001にも付着し、塗布ローラ1001に塗布液Lが残留することが多い。この塗布ローラ1001における塗布液Lの残留量は、媒体Pの材質及び表面の微小な凹凸の状態によっても異なるが、媒体Pが普通紙の場合、塗布動作後も塗布ローラ1001の周面には塗布液Lが残留する。
図24、図25、図26は、媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。本図では液体を黒く塗りつぶしてある。
図24は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より上流側での状態を示している。同図において塗布ローラ1001の塗布面には液体が塗布面の表面の微細な凹凸をわずかに被うように液体が付着している。
図25は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部での、媒体Pである普通紙の表面と塗布ローラ1001の塗布面の状態を示している。同図において媒体Pである普通紙の表面の凸部は塗布ローラ1001の塗布面と接触し、接触した部分より液体が瞬時に媒体Pである普通紙の表面の繊維に浸透ないし吸着する。また塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に付着した液体が残留される。
図26は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より下流側での状態を示している。同図は媒体と塗布ローラ1001の塗布面が完全に離脱した状態である。塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に残留した液体と接触部における液体も極微量ながら塗布面に残留する。
この塗布ローラ1001に残留した塗布液は、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010との間を摺り抜けて液体保持空間S内に戻る。液体保持空間S内に戻った塗布液は、同空間S内に充填されている塗布液と混合される。
また、この塗布液の戻し動作は、図10に示すように媒体が存在しない状態で塗布ローラ1001を回転させた場合にも同様に行われる。すなわち、塗布ローラ1001を回転することで塗布ローラ1001の外周に付着した塗布液は、カウンターローラ1002と当接する部分(ニップ部)の間をすり抜ける。すり抜けた後は塗布ローラ1001側とカウンターローラ1002側とに塗布液が分離し、塗布ローラ1001に塗布液が残留する。そして、塗布ローラ1001側に付着した塗布液Lは当接部材2009の上縁部2010と塗布ローラ1001との間をすり抜けて液体保持空間S内に侵入し、同空間S内に充填されている塗布液に混合する。
終了工程
上記のようにして、媒体への塗布動作が実行されると、次に塗布工程を終了して良いか否かの判断を行う(ステップS4)。塗布工程を終了しない場合は、ステップS3に戻り、媒体の塗布が必要な部分全体に塗布工程を終了するまで塗布動作を繰り返す。一方、ステップS4にて塗布工程を終了すると、塗布ローラ1001を停止させ(ステップS5)。この後、塗布空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行い(ステップS6)、塗布にかかる処理を終了する。
なお、上記回収動作は、前記大気連通弁3005および切換弁3006を開放し、ポンプ3007を駆動することによって塗布液を塗布液保持空間Sおよび第2流路3002内の塗布液を液体貯留タンク3003へと流入させることによって行う。この回収動作を行うことにより、液体保持空間Sからの塗布液の蒸発を軽減することができる。また、回収動作後は大気連通弁3005を閉じ、切換弁3006を切換えて第1流路3001および大気連通口3013との連通を遮断することにより、貯蔵タンク3003を大気から遮断する。これにより、液体貯蔵タンク3003からの塗布液の蒸発を軽減することができると共に、移動、運搬などにおいて装置の姿勢が傾いた場合にも塗布液が外部へ流出するのを軽減ないしは完全に防止することができる。
ステップS6における後処理を終了すると、ステップS7にて、後処理の終了時を示す情報を記憶する。すなわち、後処理が終了すると、CPU4001は、最終の液体流れ動作(循環動作)に相当する上記回収動作の終了時の時間を示す情報をタイマシステム4012から読み出し、不揮発性メモリ4013に記憶する。タイマシステム4012は、内蔵電池を有しているので、仮に装置の電源が落とされても、上記内蔵電池から電源供給を受けて計時を行うことができる。
なお、上記回収動作の終了時の時間は時刻であっても良いし、ある基準点からの経過時間(差分時間)であっても良い。
以上のように、この実施形態における液体塗布装置では、液体保持空間Sに充填された塗布液が、塗布ローラ1001の回転によって、塗布ローラ1001に対する当接部材2009の下縁部2011の押圧力に抗して、液体保持空間Sの外側へとすり抜ける。この擦り抜けた塗布液は、塗布ローラ1001の周面に層状に供給される。この塗布液の層の厚さ、すなわち塗布ローラ1001への塗布液の供給量は、塗布液の粘度、塗布ローラ1001の外周面と媒体との相対速度、および塗布ローラ1001の外周面に対する当接部材2009の押圧力などに依存する。
本実施形態では、液体が蒸発することによる弊害を解消するために予備循環を行う。ここで、本実施形態において、液体はいつ蒸発するかを説明する。本実施形態で使用される、各部品の接合部や各流路3001、3002に用いられるチューブは、完全に空気を密閉することはできない。よって、非常にわずかずつではあるが、そのような部品から液体が蒸発してしまう。例えば、予備循環工程による充填動作から終処理工程による回収動作までの間に各流路3001、3002にある塗布液(リアクタ)は増粘していく。液体が増粘してしまうと糊状(増粘物とも呼ぶ)になったり、液体が固まった固形物(固着物とも呼ぶ)ができてしまう。糊状になった液体は、次に液体が充填される場合に、通常の液体よりも粘性が高いために、流路において液体の流れを阻害する要因となる。
また、後処理工程において回収しきれなかった液体は、機構が入り組んでいる流路3001や流路3002中に残ってしまうことがある。このように内部の供給路やポンプ内などに残ってしまった液体は、次の予備循環工程による充填動作で液体が充填されるまで、蒸発が進む。糊状になった液体は、次に液体が充填された場合に、液体の流れを阻害してしまう。また、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002とのニップ部に増粘された液体が存在すると、上記ニップ部をすり抜ける液体の厚みに差が生じてしまう。これにより、塗りムラになってしまう。
なお、本明細書において、「液体が増粘する」とは、糊状やゲル状、固体状のものなど、予め決められた組成の液体から溶媒や水分等が蒸発して、上記液体よりも粘度が高まったものを含み、液体貯蔵タンクに収容される液体よりも粘度が高まる意を含む。また、温度低下による粘度の上昇や、凝固点近傍において液体に含まれる成分の凝固点の違いによって生じる、ある成分が凝固した状態等も含まれる。すなわち、「液体が増粘する」とは、供給路や回収路の壁面、切換弁の内部、液体保持部材の壁面、ポンプの内部等において、液体が各流路を流れにくくなる状態になることを指す。また、「増粘した液体」は、液体に、増粘物および固着物の少なくとも一方が分散された状態、および液体と増粘物および固着物の少なくとも一方とが相分離した状態を含む。
「増粘物」とは、液体が増粘して、糊状やゲル状になったものを指し、「固着物」とは、増粘物よりもさらに粘度が上昇したものを指す。すなわち、増粘物および固着物は共に、各流路の少なくとも一部を塞ぐ等して、液体の流動を阻害するものであり、液体から生成され、その液体よりも粘度が高い生成物である。
増粘物や固着物は、再び液体が充填され、ある程度長い時間液体と混ざり合っていれば相溶する。その性質をふまえ、本実施形態では、前回の液体流れ動作(「最終循環動作」ともいう)からの経過時間に応じた予備循環動作を行うことにより、蒸発等による塗布液の増粘の弊害を回避する。予備循環動作とは、従来の充填動作、塗布動作中やその合間に行われる循環動作、回収動作とは目的が異なった循環動作である。すなわち、予備循環とは、増粘物や固着物の生成により増粘した塗布液の粘度を、該増粘物や固着物の粘度よりも低くするための循環である。従来の充填→印字(塗布)→終了シーケンスでは、所望の量の塗布液を供給することは必須であり、そのための塗布液の循環は欠かすことが出来ない。しかし、本実施形態における予備循環シーケンスとは、塗布液の信頼性を保ち、印字物の画像品位を保つことを目的に行われる塗布液の循環である。塗布液を循環させることで、増粘物を相溶させたり、増粘してしまった塗布液の濃度を、増粘前のもので薄める役目をはたす。
なお、本明細書において、「循環動作」は、塗布液を、液体保持空間S、各流路3001、3002、三方弁3006、ポンプ3007に対して充填するための循環動作、上記各部から塗布液を貯蔵タンク3003へと回収するための循環動作を含む。また、「循環動作」は、塗布動作中に行う循環動作、充填、塗布、回収のそれぞれの動作の合間に行う循環動作、および予備循環動作を含む。よって、最終循環動作とは、対象となる今回の循環動作の直前に行われた循環動作を指す。
本実施形態では、前述のように塗布液が増粘した場合に、塗布液の循環を妨げたり、塗りムラになったりするのを軽減するために、前回の循環動作(最終循環動作)からの経過時間に応じて、塗布液の予備循環を行うものである。
図14は、図13のステップS1の予備循環工程に係わる処理手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS21において、CPU4001は前回の液体流れ動作(前回の循環動作)からの経過時間に関連する情報を取得する。すなわち、塗布開始指令が入力されると、タイマシステム4013から現在の時刻を示す情報を読み出す。また、不揮発性メモリ4013に記憶されている、前回の液体流れ動作(循環動作)の終了時を示す情報を読み出す。そして、これら読み出した2つの情報に基づいて、前回の循環動作からの経過時間を示す情報を取得する。
次いで、ステップS22において、CPU4001はステップS21にて取得された経過時間を示す情報に応じて、予備循環シーケンスを決定する。最後に、ステップS23において、ステップS22にて決定された予備循環シーケンスに基づいて予備循環シーケンスを行う。
図14のステップS22で、前回の循環動作からの経過時間によって予備循環シーケンスが決定されるが、その決定方法の一例を図15に示す。図15に示すようなテーブルを参照することによって、前回の循環動作からの経過時間に応じた予備循環シーケンスを決定する。具体的には、図15に示される所定の時間間隔P〜Pのうち、取得した経過時間が該当する時間間隔に対応する予備循環シーケンスA〜Fを選択するのである。なお、0≦P(秒)<P(秒)(秒)≦P(秒)<P(秒)(秒)≦P(秒)<P(秒)(秒)≦P(秒)<P(秒)である。
これら予備循環シーケンスA〜Fは、液体の循環速度を異ならせたものである。前回の循環動作からの経過時間が長ければ長いほど、塗布液が流路壁に固着してしまっている可能性が高い。この固着物を流路壁から剥がすには、液体の循環速度を速くすることが望ましい。そこで、経過時間が長くなるに従って、予備循環シーケンスにおける液体の循環速度を速くする。つまり、各シーケンスの液体循環速度をA<B<C<D<E<Fの順に設定しておくのである。
また、予備循環シーケンスA〜Fは液体の循環速度を異なせたものに限られるものではなく、例えば、液体の循環時間を異ならせたものであってもよい。すなわち、液体の循環時間が長ければ長いほど、流路内に残存する増粘物や固着物が循環中の液体と相溶される。そこで、経過時間が長くなるに従って、予備循環シーケンスにおける液体の循環時間を長くする。つまり、各シーケンスの液体循環時間をA<B<C<D<E<Fの順に設定しておくのである。
更には、予備循環シーケンスA〜Fは、液体の循環速度と液体の循環時間の両方を異ならせたものであってもよい。
このように本実施形態では、前回の循環動作からの経過時間に応じて、複数種の異なる予備循環シーケンスの中から1つの予備循環シーケンスを選択する。これにより、塗布液の増粘に依存する経過時間を考慮して予備循環シーケンスが選択されることになるので、塗布液の増粘度合いに適した予備循環が可能となる。予備循環シーケンスA〜Fにおける循環速度や循環時間を異ならせる手法は、例えば図16に示されるように、ポンプ3007の回転速度や回転時間を制御することによって実現出来る。図16のように各予備循環シーケンスをポンプ3007の回転速度や回転時間を変化させて設定しているので、取得された経過時間に応じて、予備循環に用いる塗布液の量を最適にすることができる。よって、予備循環を無駄に行うことがなくなるので、コストダウンにも繋がる。
以上のように、本実施形態によれば、前回の循環動作から長時間経過するなどして、各部中の塗布液が増粘、固着した場合であっても、大規模な装置の追加を行わずに、貯蔵タンクから液体保持空間への塗布液の循環をスムーズに行うことができる。また、各部中の塗布液が増粘、固着を軽減することができるので、塗布液の品質を保持することができ、塗布のムラを軽減することができる。このため、常に媒体への塗布液の塗布が均一なものとなり、高品質の画像を常時形成でき、画像の信頼性を保つことができる。
特に、前回の循環動作からの経過時間に応じた予備循環シーケンスを行うことで、長時間放置する等して増粘、固着した塗布液の粘度を低くすること、具体的には、貯蔵タンクに貯蔵される塗布液の粘度に近づけることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、前回の循環動作からの経過時間に応じて最適な予備循環シーケンスを選択している。これに加えて、上記経過時間後の予備循環開始時の各部の状態に応じて最適な予備循環シーケンスを選択するようにしても良い。本実施形態では、前回の循環動作からの経過時間に加えて、予備循環開始時において、液体保持空間Sに塗布液があるか否かに応じて予備循環シーケンスを決定している。
図17は、本実施形態に係る予備循環工程に係わる処理手順を示すフローチャートであって、図13のステップS1の予備循環工程に係わる処理手順を示すフローチャートである。
ステップS31において、CPU4001は前回の循環動作からの経過時間を示す情報を取得する。すなわち、塗布開始指令が入力されると、CPU4001はタイマシステム4012から現在の時刻を示す情報を読み出す。また、不揮発性メモリ4013に記憶されている、前回の循環動作の終了時を示す情報を読み出す。そして、これら読み出した2つの情報に基づいて、前回の循環動作からの経過時間を示す情報を取得する。 次いで、ステップS32では、液体保持空間S内に設けられた液体検知センサによって液体保持空間S内に塗布液が充填されているか否かの判断を行う。液体保持空間Sに塗布液が充填されている場合は、ステップS33に進む。ステップS33では、例えば図18において、塗布液が充填されている場合に対応するテーブルであるテーブル1を選択する。そのうえで、ステップS34で、図18を参照し、前回の循環動作からの経過時間に基づいて、予備循環シーケンスを決定する。次いで、ステップS35において、ステップS34にて選択された予備循環シーケンスを実行する。
ステップS32において、液体保持空間Sに液体が充填されていないと判断された場合、ステップS36へと進む。ステップS36では、塗布液が充填されてない場合に対応するテーブルであるテーブル2を選択する。そのうえで、ステップS37で、図18を参照し、前回の循環動作からの経過時間に基づいて、予備循環シーケンスを決定する。次いで、ステップS5において、ステップS37にて選択された予備循環シーケンスを実行する。
図18に示すように、本実施形態では、予備循環シーケンスを決定するためのテーブルを、前回の循環動作からの経過時間と、液体保持空間S内の塗布液の有無の状況とから最適なシーケンスを選択できるように構成している。すなわち、所定の時間間隔P11〜P13のうち、取得された経過時間が該当する時間間隔と、液体保持空間S内に塗布液が充填されているか否かに応じて、最適な予備循環シーケンスを選択するのである。ここで、時間間隔P11は、0<経過時間≦P11の時間間隔の上限である。また、時間間隔P12は、P11の時間間隔の上限<経過時間≦P12の時間間隔の上限である。さらに、時間間隔P13は、P12の時間間隔の上限<経過時間である。
なお、本実施形態では、最適な予備循環シーケンスの決定要素として、前回の循環動作からの経過時間と、液体保持空間S内の塗布液の有無を用いているが、これに限定されない。例えば、前回の循環動作からの経過時間と、装置の温度とに応じて最適な予備循環シーケンスを決定するようにしても良い。この場合は、装置内に設けられた温度検知センサによって、装置の温度を検知し、該温度に基づいて予備循環シーケンスを選択すればよい。
又、本実施形態では、液体保持空間S内に塗布液が充填されているか否かの判断を液体検知センサによって行っているが、この判断をその他の方法で代用出来る場合はセンサを用いなくともよい。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態において、媒体に塗布すべき液体の量は、塗布ローラに対する液体保持部材の押圧力を、ばね部材の弾性力を変更することによって変更することが可能である。さらに、液体保持部材と塗布ローラあるいは無端ベルトを支持するローラなどの硬度を変更することによっても、液体塗布量を変更することが可能である。
また、液体保持部材を塗布ローラに向けて押圧する押圧手段として、上記各実施形態では、バネ部材としてコイルバネを用いた場合を示したがそれに限定されない。上記押圧手段として、その他のバネ、例えば板バネを用いることも可能であり、さらには、バネ部材に代えてゴムなどの弾性部材を用いることも可能である。
また、本発明において、液体保持部材に形成する液体供給口および液体回収口の形成位置および数は、上記実施形態に限定されない。例えば、液体供給口を液体保持空間内の両端部に配置し、液体回収口を前記両液体供給口の間に一つまたは複数の液体回収口を形成することも可能である。また逆に、液体回収口を液体保持空間内の両端部に配置し、その両液体回収口の間に一つまたは複数の液体回収口を配置しても良く、要は液体供給部材内に保持される液体が液体保持空間内で流動可能になれば良い。
さらに、上記実施形態では、塗布ローラあるいは無端ベルトに対向してカウンターローラを設けた場合を示したが、これに限定されない。すなわち、このカウンターローラに代えて板材などの支持部材を設け、この板材と塗布ローラとの間で塗布部材を挟持するよう構成し、媒体に対し塗布ローラあるいは無端ベルトの移動力を伝達するようにすることも可能である。この場合には支持部材における媒体との接触面は、摩擦係数が低く表面エネルギーの小さい面とすることが必要である。
(インクジェット記録装置の実施形態)
上述の第1および第2の実施形態で示した液体塗布装置はインクジェット記録装置に適用するのが有効である。以下、上述の液体塗布装置をインクジェット記録装置に適用した場合について説明する。但し、第1および第2の実施形態で示した塗布動作制御は同様に適用されるため、ここでは説明を省略する。
図20は、上述の液体塗布装置とほぼ同様の構成を有した塗布機構を備えたインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
このインクジェット記録装置1には、複数枚の記録媒体Pを積載する給送トレイ2が設けられている。半月形状の分離ローラ3は、給送トレイに積載された記録媒体Pを1枚づつ分離して搬送経路に給送する。搬送経路中には、上記液体塗布機構の液体塗布手段を構成する塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002が配置されており、給送トレイ2から給送された記録媒体Pは、両ローラ1001,1002の間に送られる。塗布ローラ1001はローラ駆動モータの回転によって図20において時計周り方向に回転し、記録媒体Pを搬送しながら塗布液を記録媒体Pの記録面に塗布する。塗布液が塗布された記録媒体Pは、搬送ローラ4とピンチローラ5との間に送られる。このとき、搬送ローラ4が、図中、反時計周り方向へと回転することによって、記録媒体Pはプラテン6の上を搬送され、記録手段を構成する記録ヘッド7に対向する位置へと移動する。記録ヘッド7は所定数のインク吐出用のノズルを配設したインクジェット記録ヘッドである。記録ヘッド7は、この記録ヘッド7が図の紙面と垂直方向に走査する間に、記録データに従ってノズルから記録媒体Pの記録面に対してインク滴を吐出して記録を行う。この記録動作と搬送ローラ4による所定量の搬送動作とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を形成して行く。この画像形成動作とともに、記録媒体の搬送路において記録ヘッドの走査領域の後流側に設けられた、排紙ローラ8と排紙拍車9によって記録媒体Pが挟持される。この挟持された記録媒体Pは、排紙ローラ8の回転によって排紙トレイ10上に排紙される。
なお、このインクジェット記録装置としては、インクを吐出するノズルを記録媒体の最大幅に亘って配設した長尺な記録ヘッドを用いて記録動作を行ういわゆるフルライン型のインクジェット記録装置を構成することも可能である。
また、この実施形態で用いる塗布液は、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早める処理液である。この実施形態では、塗布液として処理液を用いることにより、この処理液とこの処理液が塗布された記録媒体に吐出されるインクの色材である顔料を反応させて顔料の凝集を早めさせる。そして、この不溶化により、記録濃度の向上を図ることができる。さらに、ブリーディングの軽減または防止が可能となる。なお、インクジェット記録装置において用いる塗布液としては、上述の例に限られないことは勿論である。
図21は、上述したインクジェット記録装置の要部を示す斜視図である。同図に示すように、給送トレイ2の一端の上方に塗布機構100が設けられ、この塗布機構より上部で、給送トレイ2の中央部上方に記録ヘッド7などを備えた記録機構が設けられる。
図27は、上述したインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。同図において、液体塗布機構の要素であるローラ駆動機構1004、ポンプ駆動モータ4009、および大気連通弁のアクチュエータ3005は、前述した液体塗布装置とで説明したものと同様の要素である。
CPU5001は、図28にて後述する処理手順のプログラムに従い、塗布機構の各要素の駆動を制御する。これとともにCPU5001は、記録機構にかかるLFモータ5013、CRモータ5015、および記録ヘッド7の駆動を、それぞれの駆動回路5012、5014、5016を介して制御する。すなわち、LFモータ5013の駆動によって搬送ローラ4などを回転させ、また、CRモータの駆動によって記録ヘッド7を搭載したキャリッジを移動させる。さらに、記録ヘッドのノズルからインクを吐出させる制御を行う。
図28は、本実施形態のインクジェット記録装置における液体塗布およびそれに伴う記
録動作の手順を示すフローチャートである。
同図において、ステップS101、S102、S104〜S106の処理、およびステップS109〜S112の処理は、図13に示した、それぞれ、ステップS1、S2、S4〜S6、S8〜S11の処理と同様である。
図28に示すように、本実施形態では、記録装置に記録開始命令が入力されると、予備循環処理を行い(ステップS101)、塗布ローラ回転などの一連の液体塗布動作を行う(ステップS102〜S103)。そして、記録媒体に液体を塗布する。
このようにして塗布液が塗布された記録媒体に対して、記録動作を行う(ステップS104)。すなわち、搬送ローラ4によって所定量ずつ搬送される記録媒体Pに対して記録ヘッド7を走査させ、この走査の間に記録データに応じてノズルからインクを吐出することにより記録媒体にインクを付着させてドットを形成する。この付着するインクは塗布液と反応するため、濃度向上や滲みの低減が可能となる。以上の記録媒体の搬送と記録ヘッドの走査を繰り返すことにより、記録媒体Pに対して記録がなされ、記録を終了した記録媒体は排紙トレイ10上に排紙される。ステップS105で記録が終了したと判断すると、塗布ローラを停止し(S106)、塗布空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行う(ステップS107)。
ステップS107における後処理を終了すると、ステップS108にて、後処理の終了時を示す情報を記憶する。すなわち、後処理が終了すると、CPU4001は、最終の液体流れ動作(循環動作)に相当する上記回収動作の終了時の時間を示す情報をタイマシステム4012から読み出し、不揮発性メモリ4013に記憶する。タイマシステム4012は、内蔵電池を有しているので、仮に装置の電源が落とされても、上記内蔵電池から電源供給を受けて計時を行うことができる。以上により、図28の処理を終了する。
なお、本実施形態では、1つの記録媒体に対する塗布液の塗布が完了してから記録動作を行うものであるが、これに限られるものではない。例えば、記録媒体に対する液体塗布に伴い、その塗布が終了した部分に対して順次記録を行う形態ものであってもよい。すなわち、塗布ローラから記録ヘッドへ至る搬送路の長さが記録媒体の長さよりも短く、記録媒体上の液体の塗布がなされた部分が記録ヘッドによる走査領域に至るときに、記録媒体の他の部分に塗布機構によって塗布が行われる。この形態によれば、記録媒体の所定量の搬送ごとに、記録媒体の異なる部分で、順次、液体塗布と記録がなされていくことになる。
また、本発明における記録装置においては、液体塗布機構によって、蛍光増白剤を含有する液体を塗布することにより、媒体の白色度を向上させることが可能である。このとき、前記液体塗布後の記録手段は、インクジェット記録方式に限られず、熱転写方式、電子写真方式などの記録方式でも効果を得ることができる。
また、銀塩写真方式の記録装置において、記録前に、感光剤を塗布してもよい。
本発明の液体塗布装置に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。 図1に示した塗布ローラ、カウンターローラおよび液体保持部材などの配置の一例を示す縦断側面図である。 図1および図2に示した液体保持部材の正面図である。 図3に示した液体保持部材をVI−VI線にて切断した端面を示す端面図である。 図3に示した液体保持部材をV−V線にて切断した端面を示す端面図である。 図3に示した液体保持部材の平面図である。 図3に示した液体塗布部材の当接部を液体塗布ローラに当接させた状態を示す左側面図である。 図3に示した液体塗布部材の当接部を液体塗布ローラに当接させた状態を示す右側面図である。 本発明の実施形態において、液体保持部材と塗布ローラとによって形成される液体保持空間に塗布液が充填され、塗布ローラの回転により媒体に液体が塗布されている状態を示す縦断断面図である。 本発明の実施形態において、液体保持部材と塗布ローラとによって形成される液体保持空間に塗布液が充填され、塗布媒体が存在しない状態で塗布ローラを回転させた状態を示す縦断断面図である。 本発明の実施形態における液体塗布装置の液体流路の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における液体塗布動作シーケンスを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る予備循環の動作処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る、予備循環シーケンスを決定するテーブルを示す図である。 本発明の実施形態に係る予備循環シーケンスの内容を決定するテーブルを示す図である。 本発明の実施形態に係る予備循環の動作処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る、予備循環シーケンスを決定するテーブルを示す図である。 本発明の実施形態におけるポンプの動作を説明する図である。 本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す縦断側面図である。 図20に示したインクジェット記録装置の要部を示す斜視図である。 本発明の実施形態における三方弁を説明する図である。 本発明の実施形態における三方弁を説明する図である。 媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。 媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。 媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態におけるインクジェット記録装置の記録動作のシーケンスを示すフローチャートである。
符号の説明
2001 液体保持部材
2002 空間形成基材
2004 液体供給口
2005 液体回収口
3001 第1流路
3002 第2流路
3003 貯蔵タンク
3004、3013 大気連通口
3005 大気連通弁
3006 切換弁
3007 ポンプ
3011 貯蔵タンク側チューブ
3012 液体塗布部材側チューブ

Claims (9)

  1. 媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、
    前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、
    前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記液体を循環させる循環動作を制御するための循環手段と、
    前記循環手段による前回の循環動作からの経過時間に関連する情報を取得する取得手段とを備え、
    前記循環手段は、前記取得手段が取得した情報に応じて前記循環動作における循環速度および循環時間の少なくとも一方を制御することを特徴とする液体塗布装置。
  2. 前記循環手段は、前記取得手段が取得した情報に基づいて、前記循環速度および循環時間の少なくとも一方が異なる複数の異なる循環動作の中から1つの循環動作を選択することを特徴とする請求項1に記載の液体塗布装置。
  3. 前記取得手段が取得した情報に応じて、前記循環動作に必要な前記液体の量を決定する決定手段を更に備え、
    前記循環手段は、前記決定手段が決定した量に応じて前記循環動作制御することを特徴とする請求項1に記載の液体塗布装置。
  4. 前記循環手段は、前記流路内に液体の流れを発生させるポンプを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体塗布装置。
  5. 媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、
    前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、
    前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記液体を循環させるための循環動作を制御する循環手段とを有し、
    前記循環手段は、前回の循環動作からの経過時間が長くなるに伴って、の循環動作における循環時間長くなるように制御することを特徴とする液体塗布装置。
  6. 媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、
    前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、
    前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記液体を循環させるための循環動作を制御する循環手段とを有し
    前記循環手段、前回の循環動作からの経過時間が長くなるに伴って、次の循環動作における循環速度が速くなるように制御することを特徴とする液体塗布装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の液体塗布装置と、
    前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録ヘッドからインクを吐出して前記媒体に画像を記録する記録手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. インクと反応する反応液を記録媒体に塗布するための塗布ローラと、前記塗布ローラに当接して形成される液体保持空間に前記反応液を保持するための保持部材とを備え、前記塗布ローラを回転させることにより、前記液体保持空間内の反応液を前記塗布ローラを介して前記記録媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体塗布手段により反応液が塗布された記録媒体に対して、前記インクを吐出するための記録ヘッドと、
    前記反応液を貯蔵するための貯蔵手段と、
    前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通するための経路と、
    前記貯蔵手段、前記経路および前記液体保持空間を含む流路内において前記反応液を循環させるための循環動作を制御する循環手段と、
    前記循環手段による前回の循環動作からの経過時間に関連する情報を取得する取得手段とを備え、
    前記循環手段は、前記取得手段が取得した情報に応じて前記循環動作における循環速度および循環時間の少なくとも一方を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 前記反応液は、前記インク中の色材を不溶化あるいは凝集させるための成分を含有することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
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