JP4533274B2 - 液体塗布装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
とするインクで記録した際に顔料の凝集を早めるなど所定の目的で媒体に液体を塗布する液体塗布装置に関するものである。また、同様に、インクジェット記録で用いられる記録媒体に対して、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早めるなどの目的で液体を塗布する機構を備えたインクジェット記録装置に関するものである。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の液体塗布装置100に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。ここに示す液体塗布装置100は、概略、塗布媒体に対し所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を有して構成されている。
凝集を早めることを目的とした液体である。
塗布する液体の成分の一例を以下に記述する。
硝酸カルシウム・4水和物 10%
グリセリン 42%
界面活性剤 1%
水 残量
また、前記塗布液の粘度は25℃で5〜6cP(センチポアズ)である。
なお、本発明の適用において塗布液は、上記のものに限られないことは勿論である。例えば、別の塗布液として、染料を不溶化あるいは凝集させる成分を含有する液体を用いることも可能である。また、別の塗布液として、塗布媒体のカール(媒体が湾曲形状となる現象)を抑制する成分を含有する液体を用いることも可能である。
上述の塗布する液体の成分の一例では、グリセリン及び界面活性剤が水の表面張力を下げる成分である。
する。
図2は、塗布ローラ1001、カウンタローラ1002および液体保持部材2001などの配置の一例を示す説明縦断側面図である。
カウンタローラ1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されている。この構成により、塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき塗布媒体Pを挟持し得ると共に、塗布媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
本実施形態では、塗布ローラ1001の材質はゴム硬度40度のシリコンとし、表面粗さはRa1.6μmとし、直径23.169mmとした。カウンタローラ1002の材質は鉄材とし、直径は14mmとした。
図3に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成
基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを有して構成されている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
図11は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
この液体流路3000は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵するバッファタンク3002とを連結する第1流路(供給流路)に含まれるチューブ3101およびチューブ3102を有する。また、液体流路3000は、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記バッファタンク3002とを連結する第2流路(回収流路)に含まれるチューブ3103、チューブ3104、およびチューブ3105を有する。このバッファタンク3002には、大気連通口3004が設けられている。
図12は、本実施形態の液体塗布装置における制御系の概略構成を示すブロック図である。
図において、4000は液体塗布装置全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御部4000は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU4001を有する。また、制御部4000は、CPU4001によって実行される、図13にて後述される処理などの制御プログラムなどを格納するROM4002と、CPU4001の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM4003などを有する。
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。 すなわち、液体塗布装置に電源が投入されると、制御部4000は、図13に示すフローチャートに従って以下の塗布動作シーケンスを実行する。
図13において、ステップS1では、前記塗布空間Sに対する塗布液の充填工程を実行する。この充填工程では、まず、各遮断弁を「循環」の開閉組み合わせにすると共に、ポンプ3007を一定時間駆動する。この開閉組み合わせにすると、液体塗布空間Sに対して第1流路および第2流路によってバッファタンク3002が連通する。これにより、液体塗布空間Sおよび第1流路および第2流路に塗布液が充填されていない場合には、ポンプによって内部の空気がバッファタンク3002へと送られて大気連通口3004を通して大気へと排出されると共に各部に塗布液が充填される。また、既に各部に塗布液が充填されている場合には、各部の塗布液が流動して適正な濃度および粘度の塗布液が供給される。この初期動作によって、塗布ローラ1001に対し塗布液が供給された状態となり、塗布媒体への塗布が可能となる。
ステップS1で、液体保持部材内の液面の高さを検知するための液面管理手段としてのセンサ等により、バッファタンク3002内の塗布液の充填が不十分であると判断する場合は、各遮断弁を「補給」の開閉組み合わせにする。これと共に、ポンプ3007を一定時間駆動する。この開閉組み合わせにすると、交換タンク3001に対して第3流路および第4流路によってバッファタンク3002が連通する。これにより、バッファタンク3002に塗布液が充填されていく。
本実施形態において、補給工程となり、各遮断弁が「補給」の開閉組み合わせになると、塗布液は、バッファタンク3002に充填される。すなわち、図15に示すように、交換タンク3001から第3流路を介して流動してきた塗布液は、バッファタンク3002の内部に位置する第3流路の端部3404からバッファタンク3002内へと充填される。それと共に、大気連通口3004から空気がバッファタンク3002内に流入し、バッファタンク3002の内部に位置する第4流路の端部3403から空気が第4流路を介して交換タンク3001内へと送られる。このようにして、交換タンク3001からバッファタンク3002へと塗布液が充填されていく。この充填は、図16に示す様に第4流路の端部3403の水位まで行われる。この第4流路の端部3403の水位まで塗布液が充填されると、塗布液の流れは交換タンク3001とバッファタンク3002との間での循環の流れになり、バッファタンク3002内の水位は変化しない。この第4流路の端部3403を、バッファタンク3002の大気連通口3004の位置よりも重力方向に低い位置に配置することで、大気連通口から塗布液が流出することはない。すなわち、上記位置に配置された第4流路の端部3403によって、バッファタンク3002内の水位を検出するための手段としてのセンサを設けなくても、液面を管理することが可能となる。
ここで、塗布開始指令が入力されると(ステップS2)、再びポンプ3007が作動を開始すると共に(ステップS3)、塗布ローラ1001が図1の矢印に示すように、時計周りに回転を開始する(ステップS4)。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間を摺り抜ける。この擦り抜けた塗布液は、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンタローラ1002との当接部に送られる。
図17は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より上流側での状態を示している。同図において塗布ローラ1001の塗布面には液体が塗布面の表面の微細な凹凸をわずかに被うように液体が付着している。
図18は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部での、媒体Pである普通紙の表面と塗布ローラ1001の塗布面の状態を示している。同図において媒体Pである普通紙の表面の凸部は塗布ローラ1001の塗布面と接触し、接触した部分より液体が瞬時に媒体Pである普通紙の表面の繊維に浸透ないし吸着する。また塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に付着した液体が残留される。
図19は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より下流側での状態を示している。同図は媒体と塗布ローラ1001の塗布面が完全に離脱した状態である。塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に残留した液体と接触部における液体も極微量ながら塗布面に残留する。
上記のようにして、塗布媒体への塗布動作が実行されると、次に塗布工程を終了して良いか否かの判断を行い(ステップS6)、塗布工程を終了しない場合は、ステップS5に戻り、塗布媒体の塗布が必要な部分全体に塗布工程を終了するまで塗布動作を繰り返す。塗布工程を終了すると、塗布ローラ1001を停止させ(ステップS7)、さらに、ポンプ3007の駆動を停止させる(ステップS8)。この後、ステップS2へ移行し、塗布開始指令が入力されていれば、前述のステップS2〜S8の動作を繰り返す。一方、塗布開始指令が入力されていなければ、塗布空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行い(ステップ9)、塗布にかかる処理を終了する。
また、回収動作後は、各遮断弁を「放置」の開閉組み合わせにする。この開閉組み合わせにすると、交換タンク3001、バッファタンク3002及び液体塗布空間Sは互いに遮断された状態になる。よって、移動、運搬などにおいて装置の姿勢が傾いた場合にも塗布液が各タンク間を移動や外部へ流出するのを完全に防止ないしは軽減することができる。
次に、本発明の第2の実施形態の要部を図に基づき説明する。
図24は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の第2の実施形態の概略構成を示す説明図である。
本実施形態では、塗布液供給手段およびバッファタンクは、第1の実施形態と同様の構成を用いている。本実施形態では、減圧方式の循環において、交換タンクからの第1の補給流路と、バッファタンクから第2の補給流路との合流、および第1の補給流路と第2の補給流路との切換を、バッファタンクと液体供給口との間で行っている。
また「放置」、「補給」、「塗布」、「回収」の各工程における、各遮断弁の開閉組み合わせの設定を表2に示す。
第1および第2の実施形態では、交換タンク3001を、液体塗布装置内に配置しているが、交換タンク3001とバッファタンク3002とを同一の装置内の納めることが本質ではない。本発明の一実施形態で重要なことは、メインタンクとバッファタンクとを用いる場合、従来よりもポンプの数を減らすことである。よって、本発明の一実施形態では、交換タンク3001を液体塗布装置に対して、別個の部材としても良い。すなわち、交換タンク3001を液体塗布装置に外付けにしても良い。
また、第4流路を設けず、交換タンク3001を袋タイプの塗布液貯蔵手段としても良い。
さらに、第1および第2の実施形態では、メインタンクとして交換タンクを用いているが、これに限らず、液体塗布装置に備え付けタイプのタンクであっても良い。
図20は、上述の液体塗布装置とほぼ同様の構成を有した塗布機構を備えたインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
このインクジェット記録装置1には、複数枚の記録媒体Pを積載する給送トレイ2が設けられており、半月形状の分離ローラ3が、給送トレイに積載された記録媒体Pを1枚ずつ分離して搬送経路に給送する。搬送経路中には、上記液体塗布機構の液体塗布手段を構成する塗布ローラ1001およびカウンタローラ1002が配置されており、給送トレイ2から給送された記録媒体Pは、両ローラ1001,1002の間に送られる。塗布ローラ1001はローラ駆動モータの回転によって図20において時計周り方向に回転し、記録媒体Pを搬送しながら塗布液を記録媒体Pの記録面に塗布する。塗布液が塗布された記録媒体Pは、搬送ローラ4とピンチローラ5との間に送られ、搬送ローラ4が、図中、反時計周り方向へと回転することによって、記録媒体Pはプラテン6の上を搬送され、記録手段を構成する記録ヘッド7に対向する位置へと移動する。記録ヘッド7は所定数のインク吐出用のノズルを配設したインクジェット記録ヘッドであり、この記録ヘッド7が図の紙面と垂直方向に走査する間に、記録データに従ってノズルから記録媒体Pの記録面に対してインク滴を吐出して記録を行う。この記録動作と搬送ローラ4による所定量の搬送動作とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を形成して行く。この画像形成動作とともに、記録媒体の搬送路において記録ヘッドの走査領域の後流側に設けられた、排紙ローラ8と排紙拍車9によって記録媒体Pが挟持され、排紙ローラ8の回転によって排紙トレイ10上に排紙される。
同図において、ステップS101、S103〜S105の処理、およびステップS108〜S110の処理は、図13に示した、それぞれ、ステップS1、S3〜S5、S7〜S9の処理と同様である。
また、銀塩写真方式の記録装置において、記録前に、感光剤を塗布してもよい。
2004 液体供給口
2005 液体回収口
3001 交換タンク
3002 バッファタンク
3003 台座
3004 大気連通口
3005、3006 注射針状の連結口
3007 ポンプ
3101、3102、3103、3104、3106、3107、3108 チューブ
3201、3202、3203、3204、3205 遮断弁
3301、3302 丁字流路
3501、3502 ゴム
Claims (11)
- 媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間内の液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体を貯蔵するための第1の貯蔵手段と、
前記第1の貯蔵手段から前記保持部材に前記液体を供給するための第1の経路と、
前記保持部材から前記第1の貯蔵手段に前記液体を回収するための第2の経路と、
前記第2の経路に配置され、前記第1の貯蔵手段、前記第1の経路、前記第2の経路および前記保持部材を含む流路内で前記液体を流動させるためのポンプと、
前記流路に補給する液体を貯蔵するための第2の貯蔵手段と、
前記第2の貯蔵手段と前記第2の経路とを連通する第3の経路であって、前記第2の経路において前記ポンプよりも前記保持部材側に接続された、第3の経路と、
を備え、
前記第2の貯蔵手段に貯蔵される前記液体は前記第3の経路を介して前記ポンプによって前記第2の経路に補給されることを特徴とする液体塗布装置。 - 前記第2の貯蔵手段と前記第2の経路との連通または当該連通の遮断を選択的に実行可能な切換手段を更に備え、
前記切換手段は、前記第3の経路に配置されることを特徴とする請求項1に記載の液体塗布装置。 - 前記第1の貯蔵手段と前記第2の貯蔵手段とを連通するための第4の経路を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の液体塗布装置。
- 前記第1の貯蔵手段に貯蔵される液体は、前記第4の経路を介して前記第2の貯蔵手段へ回収されることを特徴とする請求項3に記載の液体塗布装置。
- 前記第1の貯蔵手段内の前記第4の経路の端部は、前記第1の貯蔵手段内の前記第1の経路の端部よりも、重力方向上側に位置することを特徴とする請求項3に載の液体塗布装置。
- 前記第2の貯蔵手段は、前記第3および第4の経路との連結部以外はほぼ密閉されていることを特徴とする請求項3に記載の液体塗布装置。
- 媒体に液体を塗布するための塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間内の液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体を貯蔵するための第1の貯蔵手段と、
前記第1の貯蔵手段から前記保持部材に前記液体を供給するための第1の経路と、
前記保持部材から前記第1の貯蔵手段に前記液体を回収するための第2の経路と、
前記第2の経路に配置され、前記第1の貯蔵手段、前記第1の経路、前記第2の経路および前記保持部材を含む流路内で前記液体を流動させるためのポンプと、
前記流路に補給する液体を貯蔵するための第2の貯蔵手段と、
前記第2の貯蔵手段と前記第1の経路とを連通する第3の経路と、
を備え、
前記第2の貯蔵手段に貯蔵される前記液体は前記第3の経路を介して前記ポンプによって前記第1の経路に補給されることを特徴とする液体塗布装置。 - 前記第2の貯蔵手段は交換可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の液体塗布装置。
- 請求項1に記載の液体塗布装置と、
前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録ヘッドからインクを吐出して前記媒体に画像を記録する記録手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - インクジェット記録装置であって、
インクと反応する反応液を記録媒体に塗布するための塗布ローラと、前記塗布ローラに当接して形成される液体保持空間に前記反応液を保持するための保持部材とを備え、前記塗布ローラを回転させることにより、前記液体保持空間内の反応液を前記塗布ローラを介して前記記録媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体塗布手段により前記反応液が塗布された記録媒体に対してインクを吐出するためのインクジェットヘッドと、
前記反応液を貯蔵するための第1の貯蔵手段と、
前記第1の貯蔵手段から前記保持部材に前記液体を供給するための第1の経路と、
前記保持部材から前記第1の貯蔵手段に前記液体を回収するための第2の経路と、
前記第2の経路に配置され、前記第1の貯蔵手段、前記第1の経路、前記第2の経路および前記保持部材を含む流路内で前記液体を流動させるためのポンプと、
前記液体を貯蔵するための交換可能な第2の貯蔵手段と、
前記第2の貯蔵手段と前記第2の経路とを連通する第3の経路であって、前記第2の経路において前記ポンプよりも前記保持部材側に接続された、第3の経路とを備え、
前記第2の貯蔵手段に貯蔵される液体は、前記第3の経路を介して、前記ポンプによって前記第2の経路へ補給されることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記反応液は、前記インク中の色材を不溶化あるいは凝集させるための成分を含有することを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
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