JP4533275B2 - 液体塗布装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
このような構成において、ローラが回転することにより、上記液室の塗布液がローラに供給される。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の液体塗布装置100に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。
ここに示す液体塗布装置100は、概略、塗布媒体に対し所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を有して構成されている。
硝酸カルシウム・4水和物 10%
グリセリン 42%
界面活性剤 1%
水 残量
また、前記塗布液の粘度は25℃で5〜6cP(センチポアズ)である。
なお、本発明の適用において塗布液は、上記のものに限られないことは勿論である。例えば、別の塗布液として、染料を不溶化あるいは凝集させる成分を含有する液体を用いることも可能である。また、別の塗布液として、塗布媒体のカール(媒体が湾曲形状となる現象)を抑制する成分を含有する液体を用いることも可能である。
上述の塗布する液体の成分の一例では、グリセリン及び界面活性剤が水の表面張力を下げる成分である。
図2は、塗布ローラ1001、カウンターローラ1002および液体保持部材2001などの配置の一例を示す説明縦断側面図である。
カウンターローラ1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されており、塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき塗布媒体Pを挟持し得る。これと共に、塗布媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
また、液体保持部材2001は、バネ部材(押圧手段)2006の付勢力によって塗布ローラ1001の周面に対して付勢されて当接するとき、塗布ローラ1001による液体塗布領域全体に亘って延在する長尺な液体保持空間Sを形成するようになっている。この液体保持空間S内には、後述の液体供給経路3000から液体保持部材2001を介して塗布液が供給される。本実施形態では、液体保持部材2001が以下のように構成されているため、塗布ローラ1001の停止状態において、液体保持空間Sから外方へ不用意に塗布液が漏出するのを防止することができる。
図3に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを有して構成されている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、底部の断面形が円弧状をなす凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
図11は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
この液体流路3000は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵する貯蔵タンク3003とを連結する第1流路(供給流路)3001を有する。また、液体流路3000は、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記貯蔵タンク3003とを連結する第2流路(回収流路)3002を有する。この貯蔵タンク3003には、大気連通口3004が設けらており、また、この大気連通口には、大気との連通、遮断を切換える大気連通弁3005が設けられている。また、第1流路3001内には切換弁3006が設けられており、この切換弁3006によって第1流路3001と大気との連通、遮断が切換え可能となっている。さらに第2流路3002内には、本液体流路3000内で塗布液および空気を所望の方向へと強制的に流動させるためのポンプ3007が連結されている。
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。 すなわち、液体塗布装置に電源が投入されると、制御部4000は、図13に示すフローチャートに従って以下の塗布動作シーケンスを実行する。
ステップS1では、前記塗布空間Sに対する塗布液の充填工程を実行する。この充填工程では、まず、貯蔵タンク3003の大気連通弁3005を大気に開放させると共に、ポンプ3007を一定時間駆動する。これにより、液体塗布空間Sおよび各流路3001,3002内に塗布液が充填されていない場合には、ポンプによって内部の空気が貯留部へと送られて大気へと排出されると共に各部に塗布液が充填される。また、既に各部に塗布液が充填されている場合には、各部の塗布液が流動して適正な濃度および粘度の塗布液が供給される。この初期動作によって、塗布ローラ1001に対し塗布液が供給された状態となり、塗布媒体への塗布が可能となる。
記録ジョブを受信すると(ステップS2)、予備回転動作を行う(ステップS3)。この予備回転動作は、塗布ローラ1001を回転させることによって行われるが、その回転数は、磨耗の抑制が期待できる量や、画像とスループットとのバランスによって決定される。すなわち、後述する塗布液の溜まりに、所定量の塗布液が溜まるように予備回転動作を制御する。
本明細書において、「予備回転動作」とは、塗布ローラによる塗布媒体への実際の塗布動作の前に行う塗布ローラの回転動作であって、塗布ローラの液体保持部材への戻り位置における、塗布ローラと当接部材との間に塗布液を溜めるための動作である。
図9は、液体保持空間Sに塗布液が充填され、塗布ローラ1001の回転により塗布媒体Pに液体が塗布されている状態を示す図である。図9において、交差する斜線で表現した部分が塗布液Lを示している。なお、ここでは、塗布ローラ1001および塗布媒体Pにおける塗布液の層の厚みは、塗布時における塗布液Lの様子を明確に図示する上で、実際の厚みよりもかなり過大に表している。
ステップS3にて予備回転動作が終了すると、再びポンプ3007が作動を開始すると共に、塗布ローラ1001が図1の矢印に示すように、時計周りに回転を開始する。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間を摺り抜ける。この擦り抜けた塗布液は、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との当接部に送られる。
図23は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より上流側での状態を示している。同図において塗布ローラ1001の塗布面には液体が塗布面の表面の微細な凹凸をわずかに被うように液体が付着している。
図24は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部での、媒体Pである普通紙の表面と塗布ローラ1001の塗布面の状態を示している。同図において媒体Pである普通紙の表面の凸部は塗布ローラ1001の塗布面と接触し、接触した部分より液体が瞬時に媒体Pである普通紙の表面の繊維に浸透ないし吸着する。また塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に付着した液体が残留される。
図18は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より下流側での状態を示している。同図は媒体と塗布ローラ1001の塗布面が完全に離脱した状態である。塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に残留した液体と接触部における液体も極微量ながら塗布面に残留する。
ステップS4にて塗布媒体への塗布が終了すると、ステップS2にて受信した記録ジョブの全ての枚数分の塗布が終了したか否かの判断を行う(ステップS5)。ステップS5にて、記録ジョブの全ての枚数分の塗布が終了していないと判断すると、ステップS3に戻り、記録ジョブの全てに塗布が完了するまで、ステップS3〜S5を繰り返す。
第1の実施形態では、一枚毎に予備回転動作を行っているが、本実施形態では、ある閾値枚数を超えるまでは予備回転動作を行わず、上記閾値枚数を超える場合に予備回転動作を行う。
図16は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。
同図において、ステップS21、S22、S26、S28、S30の処理は、図13に示した、それぞれ、ステップS1、S2〜S5の処理と同様である。
なお、本明細書において、「初期予備回転動作」とは、装置の立ち上げ時や、前回からの塗布動作から長時間経過した後の塗布動作前に行う予備回転動作であり、後述の閾値分の予備回転シーケンスを行う。本実施形態では、前回の予備回転動作終了時を基準として、今回の塗布動作の前までに塗布が行われた記録媒体の枚数が閾値と同じ枚数になる場合に予備回転動作を行う。この予備回転動作を行うためのシーケンスが、「閾値分の予備回転シーケンス」である。
なお、本明細書において、「枚数カウンタ値」とは、前回の予備回転動作終了時から何枚の塗布媒体に塗布を行ったかに対応した情報(記録枚数に対応した情報)を示す。よって、“枚数カウンタ値N”とは、前回の予備回転動作終了時から、N枚の塗布媒体に塗布が行われたことを示す。
なお、本実施形態では、予備回転動作を行うか否かの判断基準として、記録媒体の枚数に関する情報を用いているが、記録媒体の枚数そのもの値を用いる必要はない。例えば、記録媒体のサイズに関する情報(A4サイズ、A3サイズ等)や、記録データのサイズに関する情報、あるいは記録媒体の搬送量に関する情報等を用いても良い。 (第3の実施形態)
本実施形態では、記録ジョブ毎に、該記録ジョブに対応する記録枚数に適切な予備回転動作を行う。
図19は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。
同図において、ステップS41、S42、S45の処理は、図13に示した、それぞれ、ステップS1〜3の処理と同様である。
図21は、上述の液体塗布装置とほぼ同様の構成を有した塗布機構を備えたインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
このインクジェット記録装置1には、複数枚の記録媒体Pを積載する給送トレイ2が設けられており、半月形状の分離ローラ3が、給送トレイに積載された記録媒体Pを1枚づつ分離して搬送経路に給送する。搬送経路中には、上記液体塗布機構の液体塗布手段を構成する塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002が配置されており、給送トレイ2から給送された記録媒体Pは、両ローラ1001,1002の間に送られる。塗布ローラ1001はローラ駆動モータの回転によって図21において時計周り方向に回転し、記録媒体Pを搬送しながら塗布液を記録媒体Pの記録面に塗布する。塗布液が塗布された記録媒体Pは、搬送ローラ4とピンチローラ5との間に送られ、搬送ローラ4が、図中、反時計周り方向へと回転することによって、記録媒体Pはプラテン6の上を搬送され、記録手段を構成する記録ヘッド7に対向する位置へと移動する。記録ヘッド7は所定数のインク吐出用のノズルを配設したインクジェット記録ヘッドであり、この記録ヘッド7が図の紙面と垂直方向に走査する間に、記録データに従ってノズルから記録媒体Pの記録面に対してインク滴を吐出して記録を行う。この記録動作と搬送ローラ4による所定量の搬送動作とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を形成して行く。この画像形成動作とともに、記録媒体の搬送路において記録ヘッドの走査領域の後流側に設けられた、排紙ローラ8と排紙拍車9によって記録媒体Pが挟持され、排紙ローラ8の回転によって排紙トレイ10上に排紙される。
また、銀塩写真方式の記録装置において、記録前に、感光剤を塗布してもよい。
1002 カウンターローラ
2002 空間形成部材
2006 バネ手段
2010 上縁部
2011 下縁部
6001 領域Aに溜められた塗布液
Claims (10)
- 媒体に接触して液体を塗布するための塗布部材を回転させるための回転手段と、
前記塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記回転手段によって前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間内の液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記回転手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記媒体への前記液体の塗布を支持する情報を受信すると、前記媒体が前記塗布部材と接触する前に前記回転手段によって前記塗布部材を回転させて、前記塗布部材の表面が前記保持部材に突入する側における前記塗布部材と前記保持部材との当接部分よりも回転方向上流側の部分であって、前記媒体が搬送されたときに前記塗布部材と当接する部分よりも回転方向下流側の部分に、前記液体の溜まりを形成する予備回転動作を行うように前記回転手段を制御すること
を特徴とする液体塗布装置。 - 前記制御手段は、前記液体を所定枚の前記媒体に塗布する毎に前記予備回転動作を行うように前記回転手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の液体塗布装置。
- 前記制御手段は、前記液体を一枚の前記媒体に塗布する毎に前記予備回転動作を行うように前記回転手段を制御することを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。
- 前記制御手段は、前記液体が塗布された媒体の数が閾値に達すると、前記予備回転動作を行うように前記回転手段を制御することを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。
- 前記制御手段は、前記液体を塗布すべき媒体の数に関する情報に基づいて、前記数に応じた量の前記予備回転動作を行うように前記回転手段を制御することを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。
- 媒体に液体を塗布する塗布ローラと、
前記塗布ローラに当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材と、
前記塗布ローラに対向して配置される対向ローラと、
前記塗布ローラを回転させることにより、前記塗布ローラと前記対向ローラとのニップ部で挟持される媒体に対して、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布ローラを介して塗布する液体塗布手段と、
前記塗布ローラを制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記媒体が前記塗布部材と接触する前に前記塗布ローラを回転させることにより、前記塗布ローラと前記保持部材との当接部分よりも回転方向上流側に位置し、且つ前記ニップ部よりも回転方向下流側に位置する部分に、前記液体の溜まりを形成するように制御することを特徴とする液体塗布装置。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の液体塗布装置と、
前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録ヘッドからインクを吐出して前記媒体に画像を記録する記録手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記液体は、前記インクと反応する反応液であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
- インクと反応する反応液を記録媒体に塗布するための塗布ローラと、前記塗布ローラに当接して形成される液体保持空間に反応液を保持するための保持部材とを備え、前記塗布ローラを回転させることにより、前記液体保持空間内の反応液を前記塗布ローラを介して前記記録媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記塗布ローラを制御する制御手段と、
前記液体塗布手段により前記反応液が塗布された記録媒体に対してインクを吐出するためのインクジェットヘッドと、
を備え、
前記制御手段は、前記記録媒体が前記塗布ローラと接触する前に前記塗布ローラを回転させることにより、前記塗布ローラの表面が前記保持部材に突入する側における前記塗布ローラと前記保持部材との当接部分よりも回転方向上流側の部分であって、前記記録媒体が搬送されたときに前記塗布部材と当接する部分よりも回転方向下流側の部分に、前記反応液の溜まりを形成するように制御することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記反応液は、前記インク中の色材を不溶化あるいは凝集させるための成分を含有することを特徴とする請求項8または9に記載のインクジェット記録装置。
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