JP4653546B2 - ガスセンサ素子 - Google Patents
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Description
そして、上記基準ガス室形成層98に、発熱体22を設けたヒータ基板21が積層される。
即ち、リッチ信号を受けたシステムは車両用内燃機関の空燃比をリーン側(空気が多い側)に制御する方向に働くものの、実際の排気ガスの状態は空燃比センサの指示値よりリーンであるため、最悪の場合、失火(エンジン停止)に至るおそれもある。また、制御点が大きくずれることから、排気ガスにおいてNOx等の大気汚染ガスの濃度が高くなるおそれもある。
また付着水分は殆どが多孔質拡散抵抗層95に付着していることが判明した。勿論、高湿雰囲気に放置したガスセンサ素子においてリッチシフト現象の再現も確認されている。
すなわち、リッチシフトは、ガスセンサを車両用内燃機関の排気管等といった高湿雰囲気に放置した後に発生し、高湿雰囲気にガスセンサを放置した場合、ガスセンサ内部に設置したガスセンサ素子9(A/Fセンサ素子)に気化水分(水蒸気)が侵入し、主としてガスセンサ素子9の多孔質拡散抵抗層95に対し水分が物理吸着及び/または化学吸着する。
気化した水分、つまり水蒸気は加熱により更に体積膨張しつつ多孔質拡散抵抗層95を通じて外部に排出されようとするが、多孔質拡散抵抗層95は拡散抵抗を有するため、水蒸気の多孔質拡散抵抗層95からの排出にはそれなりの時間を要する。
そして水蒸気は多孔質拡散抵抗層95を通じて少しずつ外部に抜け、同時に素子周辺の排気ガスがガスセンサ素子9内部に取り込まれ始める。これによって、時間の経過と共にリッチシフトが収まり、通常の出力を得る。
勿論放置される雰囲気が乾燥していればこのような問題は発生しないが、例えば、駐車車両の排気管内は、排気ガスに燃焼生成物として含まれる水分によって高湿雰囲気となっており、リッチシフトの発生しやすい環境と考えられる。
該ガスセンサ素子は、上記チャンバ空間を形成するための開口部を有するチャンバ形成層と、該チャンバ形成層を覆う遮蔽層とを、上記固体電解質体の一方の面に順次積層してなり、上記チャンバ形成層及び上記遮蔽層は、ガス不透過性の緻密体からなり、
上記チャンバ空間と上記ガスセンサ素子の外部における被測定ガス雰囲気とを連結する導通孔が、上記遮蔽層に形成されており、
該導通孔は、平均細孔径2〜30μmの多孔質体を充填してなり、
上記導通孔は、上記チャンバ空間からの距離に応じて、断面積が変化するよう形成されており、
上記導通孔の最狭部断面積の総和Tと、上記遮蔽層の厚みDとは、0.005≦T/D 2 ≦0.5の関係を有することを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
第2の発明は、酸素イオン導電性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極とを有すると共に、上記被測定ガス側電極に面するチャンバ空間を内部に形成してなるガスセンサ素子であって、
該ガスセンサ素子は、上記チャンバ空間を形成するための開口部を有するチャンバ形成層と、該チャンバ形成層を覆う遮蔽層とを、上記固体電解質体の一方の面に順次積層してなり、上記チャンバ形成層及び上記遮蔽層は、ガス不透過性の緻密体からなり、
上記チャンバ空間と上記ガスセンサ素子の外部における被測定ガス雰囲気とを連結する導通孔が、上記チャンバ形成層に形成されており、
該導通孔は、平均細孔径2〜30μmの多孔質体を充填してなり、
上記導通孔は、上記チャンバ空間からの距離に応じて、断面積が変化するよう形成されており、
上記導通孔の最狭部断面積の総和Tと、導通孔の長さLとは、0.01≦T/L 2 ≦0.8の関係を有することを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項3)。
上記多孔質体は、平均細孔径が2μm以上であるため、拡散抵抗を小さくすることができ、多孔質体に付着した水分を速やかに外部に排出することができる。即ち、上記多孔質体には、被測定ガス雰囲気中の水蒸気が付着することがあるが、この水分が内燃機関等の始動時における熱によって脱離したとき、上述のごとく平均細孔径の大きい多孔質体から、水分を速やかに外部に排出することができる。
これにより、チャンバ空間における水蒸気圧の上昇を抑制して、ガスセンサ素子の出力においてリッチシフトの発生を抑制することができる。
また、平均細孔径が30μm以下であるため、電極材料にとって有害な物質(Pb、P、S等があげられる)のチャンバ空間への侵入を抑えることができる。
また、上記多孔質体の平均細孔径は、30μmを超える場合、排気ガス中に含まれる、電極材料にとって有害な物質が多孔質体を透過し、被測定ガス側電極に達することで、センサ特性を損なうおそれがある。
また、上記導通孔及び上記多孔質体は、1個であっても複数個であってもよい。
この場合には、拡散抵抗を充分に小さくすることができ、多孔質体に付着した水分を速やかに、かつ充分に外部に排出することができる。
また、被測定ガスに曝される多孔質体の表面積が充分に小さくなり、被測定ガス中の水分の吸着量が低減し、リッチシフトの発生そのものを充分に抑制することができる。
この場合には、分散の少ない均一な気孔の分布を得ることができる。
通常、2μm以上の気孔径を設ける場合には、相応する粒径の多孔質体を用いる場合と、相応する粒径の樹脂等を焼成前の拡散抵抗層に混入し、焼成時に消失させることによる気孔を利用する場合が考えられる。このとき、孔の分散は均一であることが望ましいが、気孔率を75体積%に近づけることによって樹脂等の配置構成が最密充填に近づき、焼成後に分散の少ない均一な気孔の分布を得ることができる。そして、上記気孔率範囲においては、内燃機関始動初期の水分排出に充分な効果を得ることができる。
また、上記気孔率が75体積%を超える場合は、上記多孔質体の強度が低下し、強度に優れたガスセンサ素子を得ることが困難となるおそれがある。
この場合には、より一層分散の少ない均一な気孔の分布を得ることができると共に、内燃機関始動初期の水分排出に充分な効果を得ることができる。したがって、リッチシフトの発生をより確実に抑制することができる。
ガスセンサ素子の出力は、上記多孔質体における拡散抵抗に応じて決定し、該拡散抵抗は、ガス導通断面積及び拡散距離に依存して変化する。ガス導通断面積は導通孔の断面積に依存し、拡散距離は導通孔の長さに依存して変化する。即ち、導通孔の断面積が大きいほど、長さが短いほど、センサ出力は大きくなる。そこで、ガスセンサ素子を上記導通孔の形成部分付近においてチャンバ空間に向かって研磨加工していくことにより、導通孔の長さを調整することで拡散距離を調整し、センサ出力の調整を行うことができる。
この場合には、製造容易かつ強度に優れたガスセンサ素子を得ることができる。
この場合には、上記導通孔の形成を容易に行うことができる。また、上記導通孔は、例えばピンホール状に形成することができる。
この場合には、上記チャンバ空間への被測定ガスの導入を必要充分に行うことができると共に、ガスセンサ素子の強度を確保することができる。
一方、T/D2<0.005の場合には、上記チャンバ空間への被測定ガスの導入を充分に行うことが困難となるおそれがある。
また、T/D2>0.5の場合には、強度に優れたガスセンサ素子を得ることが困難となるおそれがある。
尚、上記最狭部断面積とは、上記導通孔の軸方向に直交する面において上記遮蔽層を切断した場合において、最も上記導通孔の断面積が小さい部分における、その断面積をいう。
この場合には、上記チャンバ空間への被測定ガスの導入を充分に行うことができると共に、ガスセンサ素子の強度を確保することができる。
一方、T/S<1.0×10-5の場合、上記チャンバ空間への被測定ガスの導入を充分に行なうことが困難となるおそれがある。
また、T/S>5.0×10-3の場合、強度に優れたガスセンサ素子を得ることが困難となるおそれがある。
この場合には、導通孔の形状として、種々の形状を採用することが容易となる。また、上記導通孔は、例えばスリット状に形成することができる。
この場合には、上記チャンバ空間への被測定ガスの導入を充分に行うことができると共に、ガスセンサ素子の強度を確保することができる。
尚、上記最狭部断面積とは、上記導通孔の軸方向に直交する面において上記チャンバ形成層を切断した場合において、最も上記導通孔の断面積が小さい部分における、その断面積の大きさをいう。
また、T/L2>0.8の場合には、上記チャンバ形成層における多孔質体の占有割合が大きくなり、ガスセンサ素子の強度を確保することが困難となるおそれがある。例えば、ガスセンサ素子の研磨等の加工を行う際に、上記チャンバ形成層の強度が不十分なために上記遮蔽層又は上記固体電解質体と上記チャンバ形成層との間において剥離が発生するおそれがある。更に、上記最狭部断面積が著しく大きくなる、又は、上記導通孔の長さが著しく小さくなることにより、拡散抵抗が低下し過ぎて所望のセンサ出力(限界電流出力)を得ることが困難となるおそれがある。
また、上記導通孔は、上記チャンバ形成層の1〜20%の体積を有することが好ましい。この場合には、上記チャンバ空間への被測定ガスの導入を充分に行なうことができると共に、ガスセンサ素子の強度を確保することができる。
本発明の参考例にかかるガスセンサ素子につき、図1〜図4を用いて説明する。
本例のガスセンサ素子1は、酸素イオン導電性の固体電解質体11と、該固体電解質体11の一方の面に設けた被測定ガス側電極12と、上記固体電解質体11の他方の面に形成した基準ガス側電極13とを有する。また、上記ガスセンサ素子1は、上記被測定ガス側電極12に面するチャンバ空間140を内部に形成してなる。
ガスセンサ素子1は、チャンバ空間140とガスセンサ素子1の外部における被測定ガス雰囲気とを連結する導通孔3を有する。
該導通孔3は、平均細孔径2μm以上の多孔質体4を充填してなる。
また、上記多孔質体4は気孔率が30〜75体積%である。
導通孔3は、遮蔽層17に形成されており、その開口径は例えば50〜250μmとすることができる。
なお、本例においては、遮蔽層17に形成されている導通孔3は1つであり、且つ導通孔3の断面積T0はチャンバ空間140からの距離に関係なく一定である。そのため、上記最狭部断面積の総和Tは、上記断面積T0と一致する。それ故、上記断面積T0と上記厚みDとは、0.005≦T0/D2≦0.5の関係を有する。
この場合においても、上記最狭部断面積の総和Tは、上記断面積T0と一致するため、上記断面積T0と上記面積Sとは、1.0×10-5≦T0/S≦5.0×10-3の関係を有する。
上記平均細孔径は、例えば例えば電子顕微鏡によって得られた多孔質部の画像に基づき孔部の統計処理を行う方法により測定することができる。
図1、図2に示すごとく、ジルコニアよりなる酸素イオン導電性の固体電解質体11の表面にアルミナよりなる緻密でガスを透過しない絶縁層101を設け、その表面に白金よりなる被測定ガス側電極12とこれに接続されたリード部121、端子部122が設けてある。
上記チャンバ形成層14に対して、緻密でガスシール性のアルミナセラミックスよりなる遮蔽層17が積層される。
そして、該遮蔽層17に、多孔質体4が充填された上記導通孔3が形成されている。多孔質体4としては、例えば、気孔率が60%、平均細孔径が8μmのアルミナ多孔質体を用いることができる。
このヒータ基板21には通電により発熱する発熱体22、該発熱体22に通電するためのリード部23が基準ガス室形成層18と対面するよう設けてあり、またこれら発熱体22やリード部23を設けた面とは反対側の面に端子部24が設けてある。
端子部24とリード部23との間は導体を充填したスルーホール211により導通が取られている。
上記多孔質体4は、平均細孔径が2μm以上であるため、拡散抵抗を小さくすることができ、多孔質体4に付着した水分を速やかに外部に排出することができる。即ち、上記多孔質体4には、被測定ガス雰囲気中の水蒸気が付着することがあるが、この水分が内燃機関等の始動時におけるセンサ加熱によって脱離したとき、上述のごとく平均細孔径の大きい多孔質体4から、水分を速やかに外部に排出することができる。
これにより、チャンバ空間140における水蒸気圧の上昇を抑制して、ガスセンサ素子1の出力においてリッチシフトの発生を抑制することができる(実験例、図16参照)。
また、上記多孔質体4の平均細孔径は、30μm以下であるため、電極材料にとって有害な物質(Pb、P、S等)のチャンバ空間140への侵入を抑えることができる。
さらには、上記多孔質体4の気孔率を50〜75体積%とすることにより、リッチシフトの発生をより確実に抑制することができる。
また、導通孔3の断面積T0と、遮蔽層17の厚みDとは、0.005≦T0/D2≦0.5の関係を有する。そのため、チャンバ空間140への被測定ガスの導入を必要充分に行なうことができると共に、ガスセンサ素子1の強度を確保することができる。
本例は、図5、図6に示すごとく、導通孔3を、チャンバ空間140からの距離に応じて断面積が変化するように形成したガスセンサ素子1の例である。
例えば、図5に示すごとく、チャンバ空間140から遠ざかるに従って断面積が大きくなるように導通孔3を形成することもできるし、反対に、図6に示すごとく、チャンバ空間140から遠ざかるに従って断面積が小さくなるように導通孔3を形成することもできる。
なお、図5、図6における導通孔3は、円錐状のパンチピンを用いて遮蔽層17のグリーンシートにパンチングを行うことにより形成することができる。
その他は、参考例1と同様である。
ガスセンサ素子1の出力は、上記多孔質体1における拡散抵抗に応じて決定し、該拡散抵抗は、ガス導通断面積及び拡散距離に依存して変化する。ガス導通断面積は導通孔3の断面積に依存し、拡散距離は導通孔3の長さに依存して変化する。即ち、導通孔3の断面積が大きいほど、長さが短いほど、センサ出力は大きくなる。
そこで、ガスセンサ素子1を導通孔3の形成部分付近においてチャンバ空間140に向かって研磨加工していくことにより、導通孔3の長さを調整することで拡散距離を調整し、センサ出力の調整を行うことができる。
一方、図6に示す導通孔3の場合は、研磨加工すると、拡散距離が短くなると共に、ガス導通断面積が大きくなる。それ故、図7の曲線L2に示すごとく、センサ出力は大きく増加し、研磨量の増加に対するセンサ出力の増加率が高い。
その他、参考例1と同様の作用効果を有する。
なお、図7における縦軸(センサ出力)及び横軸(研磨量)の数値は、相対単位(Arb.units)を用いて表している。
本例は、図8、図9に示すごとく、導通孔3を、チャンバ形成層14に形成したガスセンサ素子1の例である。
上記導通孔3は、ガスセンサ素子1の軸方向に対して直交する方向に、チャンバ空間140と外部の被測定ガス雰囲気とを連通するように形成される。
また、多孔質体4は、焼成前のチャンバ形成層14のグリーンシートに導通孔3を形成した後、該導通孔3に充填し、チャンバ形成層14と多孔質体4とを一緒に焼成することができる。また、焼成後のチャンバ形成層14における導通孔3に多孔質体4を充填した後、焼成することもできる。
なお、上記導通孔3は、チャンバ形成層14に形成する代わりに、絶縁層101に形成することもできる。
その他は、参考例1と同様である。
また、上記導通孔3を異なる2箇所に形成しているため、ガスセンサ素子1の出力の方向依存性を低減することができる。
その他、参考例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図10〜図12に示すごとく、導通孔3を、チャンバ空間140からの距離に応じて断面積が変化するように形成したガスセンサ素子1の例である。
例えば、図10に示すごとく、チャンバ空間140から遠ざかるに従って断面積が小さくなるように導通孔3を形成することもできるし、反対に、図11に示すごとく、チャンバ空間140から遠ざかるに従って断面積が大きくなるように導通孔3を形成することもできる。
その他は、実施例2と同様である。
本例のガスセンサ素子1のセンサ出力を調整するに当っては、図12の矢印に示すごとく、ガスセンサ素子1の軸方向に沿った角部を斜めに研磨して、例えば破線Bに示すような斜面を形成していくことにより、チャンバ形成層14の幅を小さくしていく。これにより、導通孔3の長さを調整することにより、センサ出力を調整することができる。
なお、図12は、ガスセンサ素子1の軸方向に直交する断面を表す図であるが、遮蔽層17及びチャンバ形成層14以外の層は省略して描いている。
その他、実施例2と同様の作用効果を有する。
本例は、図13〜図15に示すごとく、導通孔3を、チャンバ形成層14における、ガスセンサ素子1の先端側に形成した例である。
この場合にも、例えば、図13に示すごとく、チャンバ空間140から遠ざかるに従って断面積が小さくなるように導通孔3を形成することもできるし、反対に、図14に示すごとく、チャンバ空間140から遠ざかるに従って断面積が大きくなるように導通孔3を形成することもできる。
また、図示は省略するが、チャンバ空間140からの距離に関わらず、導通孔3の断面積を一定とすることもできる。
その他は、実施例2と同様である。
なお、図15は、ガスセンサ素子1の軸方向に沿った断面を表す図であるが、遮蔽層17及びチャンバ形成層14以外の層は省略して描いている。
その他、実施例2と同様の作用効果を有する。
本例は、図16に示すごとく、ガスセンサ素子における多孔質体の平均細孔径とリッチシフト量との関係を測定した例である。
即ち、上記参考例1に示した構成のガスセンサ素子において、多孔質体の平均細孔径を種々変化させたものを複数種類用意する。
試料1〜4が本発明のガスセンサ素子である。
リッチシフト量の測定は、よりリッチシフトが発生しやすい環境として車両用内燃機関の排気管等を想定した室温80℃、湿度95%の高湿雰囲気にてガスセンサ素子を15時間保持した後に行なった。
なお、各試料のセンサ出力は、同一雰囲気においては同等となるように調整してある。例えば、大気雰囲気においては、全てのガスセンサ素子のセンサ出力を約1.5mAとなるようにした。
本例の結果から、本発明によれば、リッチシフトを充分に抑制することができるガスセンサ素子を得ることができることが分かる。
本例は、図17に示すごとく、上記実験例1において調べた平均細孔径とリッチシフト量との関係を更に詳細に調べた例である。
本例では、実験例1において用いた試料の他に、多孔質体の平均細孔径が2μm、3μmの2種類のガスセンサ素子を、それぞれ、試料5、試料6として追加した。
その他は、実験例1と同様である。
本例の結果から、本発明によれば、リッチシフト量を充分に抑制することができるガスセンサ素子を得ることができる。
本例は、図18に示すごとく、上記実験例2と同様の方法にて、ガスセンサ素子における多孔質体の気孔率とリッチシフト量との関係を測定した例である。
即ち、多孔質体の気孔率を10%、13%、16%、30%、40%、60%、70%とした7種類のガスセンサ素子を、それぞれ、試料1〜7として用意した。
その他は、実験例2と同様である。
本例の結果から、気孔率を30%以上とすることにより、リッチシフトを充分に抑制することができるガスセンサ素子を得ることができる。
11 固体電解質体
12 被測定ガス側電極
13 基準ガス側電極
14 チャンバ形成層
140 チャンバ空間
17 遮蔽層
3 導通孔
4 多孔質体
Claims (5)
- 酸素イオン導電性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極とを有すると共に、上記被測定ガス側電極に面するチャンバ空間を内部に形成してなるガスセンサ素子であって、
該ガスセンサ素子は、上記チャンバ空間を形成するための開口部を有するチャンバ形成層と、該チャンバ形成層を覆う遮蔽層とを、上記固体電解質体の一方の面に順次積層してなり、上記チャンバ形成層及び上記遮蔽層は、ガス不透過性の緻密体からなり、
上記チャンバ空間と上記ガスセンサ素子の外部における被測定ガス雰囲気とを連結する導通孔が、上記遮蔽層に形成されており、
該導通孔は、平均細孔径2〜30μmの多孔質体を充填してなり、
上記導通孔は、上記チャンバ空間からの距離に応じて、断面積が変化するよう形成されており、
上記導通孔の最狭部断面積の総和Tと、上記遮蔽層の厚みDとは、0.005≦T/D 2 ≦0.5の関係を有することを特徴とするガスセンサ素子。 - 請求項1において、上記導通孔の最狭部断面積の総和Tと、上記遮蔽層における上記チャンバ空間に面する部分の面積Sとは、1.0×10 -5 ≦T/S≦5.0×10 -3 の関係を有することを特徴とするガスセンサ素子。
- 酸素イオン導電性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極とを有すると共に、上記被測定ガス側電極に面するチャンバ空間を内部に形成してなるガスセンサ素子であって、
該ガスセンサ素子は、上記チャンバ空間を形成するための開口部を有するチャンバ形成層と、該チャンバ形成層を覆う遮蔽層とを、上記固体電解質体の一方の面に順次積層してなり、上記チャンバ形成層及び上記遮蔽層は、ガス不透過性の緻密体からなり、
上記チャンバ空間と上記ガスセンサ素子の外部における被測定ガス雰囲気とを連結する導通孔が、上記チャンバ形成層に形成されており、
該導通孔は、平均細孔径2〜30μmの多孔質体を充填してなり、
上記導通孔は、上記チャンバ空間からの距離に応じて、断面積が変化するよう形成されており、
上記導通孔の最狭部断面積の総和Tと、導通孔の長さLとは、0.01≦T/L 2 ≦0.8の関係を有することを特徴とするガスセンサ素子。 - 請求項1〜3のいずれか1項において、上記多孔質体の平均細孔径は、5μm以上であることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記多孔質体は、気孔率が30〜75体積%であることを特徴とするガスセンサ素子。
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