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JP4555778B2 - 誤差補正信号生成装置および該誤差補正信号生成装置を備えた直交変調装置 - Google Patents

誤差補正信号生成装置および該誤差補正信号生成装置を備えた直交変調装置 Download PDF

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Description

本発明は、直交変調器等の初期的なオフセット誤差の補正に関する。
従来より、I信号およびQ信号、すなわちベースバンド信号を直交変調するために直交変調器が使用されている。直交変調器は、I信号を受けるI信号用乗算器、Q信号を受けるQ信号用乗算器および加算器を備える。I信号用乗算器は、I信号とI信号用ローカル信号とを乗算して出力する。Q信号用乗算器は、Q信号とQ信号用ローカル信号(I信号用ローカル信号の位相を90度ずらした信号)とを乗算して出力する。加算器は、I信号用乗算器の出力およびQ信号用乗算器の出力とを加算してして出力する。加算器の出力が、ベースバンド信号を直交変調したRF(radio frequency)信号となる。
しかし、直交変調器には初期的なオフセット誤差が発生する。すなわち、RF信号には位相および振幅の誤差が生じる。
RF信号に生じる位相および振幅の誤差を除去するために、誤差除去用の直交変調器をさらにもう一つ備えることが特許文献1(特開2000−69097号公報)に記載されている。すなわち、直交変調用の直交変調器の出力に、誤差除去用の直交変調器の出力を加えて、RF信号に生じる位相および振幅の誤差を除去する。
しかしながら、上記のような誤差の除去法を用いた場合は、直交変調器を二個使用しなければならない。直交変調器が備える乗算器は高価なので、誤差の除去のためのコストが大きくなってしまう。
そこで、本発明は、直交変調器等のオフセット誤差を、誤差除去用の直交変調器をさらに設けることなく補正することを課題とする。
本発明による誤差補正信号生成装置の一態様によれば、ローカル信号を出力するローカル信号出力手段と、ローカル信号の位相を90度変更させた直交ローカル信号を出力する直交ローカル信号出力手段と、ローカル信号の位相を180度変更させた移相ローカル信号を出力する移相ローカル信号出力手段と、直交ローカル信号の位相を180度変更させた直交移相ローカル信号を出力する直交移相ローカル信号出力手段と、ローカル信号または移相ローカル信号に基づく第一補正信号を出力する第一補正信号出力手段と、直交ローカル信号または直交移相ローカル信号に基づく第二補正信号を出力する第二補正信号出力手段と、第一補正信号および第二補正信号に基づき補正信号を出力する補正信号出力手段とを備えるように構成される。
上記のように構成された本発明による誤差補正信号生成装置によれば、ローカル信号出力手段は、ローカル信号を出力する。直交ローカル信号出力手段は、ローカル信号の位相を90度変更させた直交ローカル信号を出力する。移相ローカル信号出力手段は、ローカル信号の位相を180度変更させた移相ローカル信号を出力する。直交移相ローカル信号出力手段は、直交ローカル信号の位相を180度変更させた直交移相ローカル信号を出力する。第一補正信号出力手段は、ローカル信号または移相ローカル信号に基づく第一補正信号を出力する。第二補正信号出力手段は、直交ローカル信号または直交移相ローカル信号に基づく第二補正信号を出力する。補正信号出力手段は、第一補正信号および第二補正信号に基づき補正信号を出力する。
上記本発明による誤差補正信号生成装置によれば、移相ローカル信号出力手段または直交移相ローカル信号出力手段は入力される信号の周波数にかかわらず入力される信号の位相と出力される信号の位相とが一定の位相差を有する素子であるように構成できる。
上記本発明による誤差補正信号生成装置によれば、素子は増幅器またはバランであるように構成できる。
上記本発明による誤差補正信号生成装置によれば、第一補正信号出力手段は、第一補正信号が通過する第一補正信号通過手段と、ローカル信号を第一補正信号通過手段に通すか否かを決定するローカル信号スイッチ手段と、移相ローカル信号を第一補正信号通過手段に通すか否かを決定する移相ローカル信号スイッチ手段と、ローカル信号スイッチ手段および移相ローカル信号スイッチ手段のいずれか一方を導通状態とする第一スイッチ制御手段とを有し、第二補正信号出力手段は、第二補正信号が通過する第二補正信号通過手段と、直交ローカル信号を第二補正信号通過手段に通すか否かを決定する直交ローカル信号スイッチ手段と、直交移相ローカル信号を第二補正信号通過手段に通すか否かを決定する直交移相ローカル信号スイッチ手段と、直交ローカル信号スイッチ手段および直交移相ローカル信号スイッチ手段のいずれか一方を導通状態とするスイッチ制御手段とを有するように構成できる。
上記本発明による誤差補正信号生成装置によれば、ローカル信号スイッチ手段、移相ローカル信号スイッチ手段、直交ローカル信号スイッチ手段および直交移相ローカル信号スイッチ手段は可変抵抗素子であるように構成できる。
上記本発明による誤差補正信号生成装置によれば、ローカル信号スイッチ手段、移相ローカル信号スイッチ手段、直交ローカル信号スイッチ手段および直交移相ローカル信号スイッチ手段は、PINダイオードまたは可変減衰器であるように構成できる。
上記本発明による誤差補正信号生成装置によれば、ローカル信号スイッチ手段または移相ローカル信号スイッチ手段の抵抗値をr1、直交ローカル信号スイッチ手段または直交移相ローカル信号スイッチ手段の抵抗値をr2とした場合、r1=C/sinθ、r2=C/cosθ、(ただし、Cは定数、0°<θ<90°)であるように構成できる。
上記本発明による誤差補正信号生成装置によれば、ローカル信号スイッチ手段または移相ローカル信号スイッチ手段の抵抗値をr1、直交ローカル信号スイッチ手段または直交移相ローカル信号スイッチ手段の抵抗値をr2とした場合、r1=C/sinθ、r2=C/cosθ、(ただし、Cは定数、0°<θ<90°)であるように構成できる。
上記本発明による誤差補正信号生成装置によれば、補正信号出力手段は、第一補正信号通過手段および第二補正信号通過手段に接続されているように構成できる。
本発明による誤差補正信号生成装置の他の態様によれば、ローカル信号または前記ローカル信号の位相を180度変更させた移相ローカル信号に基づく第一補正信号を出力する第一補正信号出力手段と、前記ローカル信号の位相を90度変更させた直交ローカル信号または前記直交ローカル信号の位相を180度変更させた直交移相ローカル信号に基づく第二補正信号を出力する第二補正信号出力手段と、前記第一補正信号および前記第二補正信号に基づき補正信号を出力する補正信号出力手段と、を備えるように構成できる。
本発明による直交変調装置は、上記本発明による誤差補正信号生成装置を備えた直交変調装置であって、ローカル信号とI信号とを乗算するI信号用乗算手段と、直交ローカル信号とQ信号とを乗算するQ信号用乗算手段と、I信号用乗算手段の出力とQ信号用乗算手段の出力と補正信号とを加算して出力する加算手段とを備えるように構成できる。
第1図は、本発明の実施形態にかかる直交変調装置1の構成を示す回路図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる直交変調装置1の構成を示す回路図である。直交変調装置1は、ローカル発振器10、90°移相器(直交ローカル信号出力手段)12、分配器22、32、180°位相アンプ(移相ローカル信号出力手段)23、180°位相アンプ(直交移相ローカル信号出力手段)33、180°位相アンプ24、34、分配器26、36、180°位相アンプ27、37、180°位相アンプ28、38、I信号用ミキサ42、Q信号用ミキサ44、加算器46、第一補正信号出力部50、第二補正信号出力部60、補正信号出力部70を備える。
なお、ローカル発振器10、90°移相器(直交ローカル信号出力手段)12、分配器22、32、180°位相アンプ(移相ローカル信号出力手段)23、180°位相アンプ(直交移相ローカル信号出力手段)33、180°位相アンプ24、34、分配器26、36、180°位相アンプ27、37、第一補正信号出力部50、第二補正信号出力部60、補正信号出力部70が直交変調装置1の初期的なオフセット誤差(オリジンオフセット)を補正するための信号を出力する誤差補正信号生成装置とみることができる。
ローカル発振器10は、ローカル信号Loを生成する。
90°移相器12(直交ローカル信号出力手段)は、ローカル発振器10からローカル信号Loを受け、ローカル信号Loそのものと、ローカル信号Loの位相を90度変更させた直交ローカル信号とを出力する。ローカル信号Loの位相を0°とすると、直交ローカル信号の位相は90°となる。なお、ローカル信号Loの位相を0°としたときの位相を、以後、単に、位相X°と表記することがある。
分配器22は、90°移相器12からローカル信号Loを受けて分配し、180°位相アンプ23および24に向けて出力する。分配器32は、90°移相器12から直交ローカル信号を受けて分配し、180°位相アンプ33および34に向けて出力する。
180°位相アンプ(移相ローカル信号出力手段)23は、分配器22からローカル信号Loを受け、位相を180度変更させながら増幅して出力する。ローカル信号Loの位相を180度変更させた信号を移相ローカル信号(位相180°)という。180°位相アンプ(直交移相ローカル信号出力手段)33は、分配器32から直交ローカル信号を受け、位相を180度変更させながら増幅して出力する。直交ローカル信号の位相を180度変更させた信号を直交移相ローカル信号(位相270°)という。なお、180°位相アンプ23、33は位相を180度変更できるものであれば、アンプでなくてもよい。例えば、バランでも代用できる。すなわち、入力される信号あるいは出力される信号の周波数にかかわらず、入力される信号の位相と出力される信号の位相とが一定の位相差を有する素子であればよい。また、180°位相アンプ23、33の出力は、抵抗Rを介して接地されている。
180°位相アンプ24は、分配器22からローカル信号Loを受け、位相を180度変更させながら増幅して出力する。出力される信号の位相は180°となる。180°位相アンプ34は、分配器32から直交ローカル信号を受け、位相を180度変更させながら増幅して出力する。出力される信号の位相は270°となる。なお、180°位相アンプ24、34は位相を180度変更できるものであれば、アンプでなくてもよい。例えば、バランでも代用できる。すなわち、入力される信号あるいは出力される信号の周波数にかかわらず、入力される信号の位相と出力される信号の位相とが一定の位相差を有する素子であればよい。
分配器26は、180°位相アンプ24の出力を受けて分配し、180°位相アンプ27および28に向けて出力する。分配器36は、180°位相アンプ34の出力を受けて分配し、180°位相アンプ37および38に向けて出力する。
180°位相アンプ27は、分配器26の出力を受け、位相を180度変更させながら増幅して出力する。分配器26の出力の位相は180°であり、さらに180°位相アンプ27により180°変更される。よって、位相が0°になる。したがって、180°位相アンプ27の出力は、ローカル信号Loである。
180°位相アンプ37は、分配器36の出力を受け、位相を180度変更させながら増幅して出力する。分配器36の出力の位相は270°であり、さらに180°位相アンプ37により180°変更される。よって、位相が90°になる。したがって、180°位相アンプ37の出力は、直交ローカル信号である。
なお、180°位相アンプ27、37は位相を180度変更できるものであれば、アンプでなくてもよい。例えば、バランでも代用できる。すなわち、入力される信号あるいは出力される信号の周波数にかかわらず、入力される信号の位相と出力される信号の位相とが一定の位相差を有する素子であればよい。また、180°位相アンプ27、37の出力は、抵抗Rを介して接地されている。
180°位相アンプ28は、分配器26の出力(位相180°)を受け、位相を180度変更させながら増幅して出力する。出力される信号の位相は0°となる。すなわち、ローカル信号Loが出力される。180°位相アンプ34は、分配器36の出力(位相270°)を受け、位相を180度変更させながら増幅して出力する。出力される信号の位相は90°となる。すなわち、直交ローカル信号が出力される。なお、180°位相アンプ28、38は位相を180度変更できるものであれば、アンプでなくてもよい。例えば、バランでも代用できる。すなわち、入力される信号あるいは出力される信号の周波数にかかわらず、入力される信号の位相と出力される信号の位相とが一定の位相差を有する素子であればよい。
I信号用ミキサ42は、180°位相アンプ28の出力するローカル信号Loとベースバンド信号の内のI信号とを乗算して出力する。
Q信号用ミキサ44は、180°位相アンプ38の出力する直交ローカル信号とベースバンド信号の内のQ信号とを乗算して出力する。
加算器46は、I信号用ミキサ42、Q信号用ミキサ44および補正信号出力部70の各出力を加算して出力する。加算器46の出力が直交変調装置1の出力するRF(radio frequency)信号となる。
第一補正信号出力部50は、180°位相アンプ27からローカル信号を、180°位相アンプ23から移相ローカル信号を受ける。そして、ローカル信号または移相ローカル信号に基づき第一補正信号を出力する。
第一補正信号出力部50は、PINダイオード(ローカル信号スイッチ手段)52、PINダイオード(移相ローカル信号スイッチ手段)54、接合部分(第一補正信号通過手段)56、制御電流受入抵抗(第一スイッチ制御手段)58を有する。
PINダイオード(ローカル信号スイッチ手段)52は、一端が180°位相アンプ27に接続されており、他端が接合部分56に接続されている。PINダイオード52は、ローカル信号を接合部分56に通すか否かを決定する。すなわち、他端(接合部分56側)から一端(180°位相アンプ27側)に向けて電流を流したときに、ローカル信号を接合部分56に通す。
PINダイオード(移相ローカル信号スイッチ手段)54は、一端が180°位相アンプ23に接続されており、他端が接合部分56に接続されている。PINダイオード54は、移相ローカル信号を接合部分56に通すか否かを決定する。すなわち、一端(180°位相アンプ23側)から他端(接合部分56側)に向けて電流を流したときに、移相ローカル信号を接合部分56に通す。
なお、PINダイオード52および54の抵抗rは、r=a/iというように近似できる。ただし、iはPINダイオード52および54に流す制御電流、aおよびbはPINダイオード52および54に固有の定数である。
接合部分(第一補正信号通過手段)56は、PINダイオード52および54が接合している部分である。PINダイオード52あるいは54を通過した信号(第一補正信号という)が接合部分56を通過していく。接合部分56を通過していく第一補正信号は、補正信号出力部70に与えられる。
制御電流受入抵抗(第一スイッチ制御手段)58は、一端が接合部分56に接続され、他端が電源V1に接続されている。制御電流受入抵抗58は、制御電流受入抵抗58を流れる制御電流により、PINダイオード52および54のいずれか一方を導通状態とする。すなわち、電源V1の電位を正とすれば、制御電流受入抵抗58の他端(電源V1側)から一端(接合部分56側)に制御電流が流れ、PINダイオード52の他端(接合部分56側)から一端(180°位相アンプ27側)に向けて制御電流が流れる。よって、PINダイオード52が導通状態となり、ローカル信号が接合部分56に通される。また、電源V1の電位を負とすれば、制御電流受入抵抗58の一端(接合部分56側)から他端(電源V1側)に制御電流が流れ、PINダイオード54の一端(180°位相アンプ23側)から他端(接合部分56側)に向けて制御電流が流れる。よって、PINダイオード54が導通状態となり、移相ローカル信号が接合部分56に通される。
なお、PINダイオード52および54を流れる制御電流は、PINダイオード52および54の抵抗をC/sinθあるいはC/sinθとするようにすることが好ましい(ただし、Cは定数、0°<θ<90°)。PINダイオード52および54の抵抗r=a/iより、制御電流=|Isin−bθ|あるいは|Isin−2bθ|とすることが好ましい。
なお、抵抗を上記のように設定でき、しかも導通するか否かを決定できるならば、PINダイオード52および54のかわりに、可変抵抗素子(例えば、可変減衰器)を用いてもよい。
第二補正信号出力部60は、180°位相アンプ37から直交ローカル信号を、180°位相アンプ33から直交移相ローカル信号を受ける。そして、直交ローカル信号または直交移相ローカル信号に基づき第二補正信号を出力する。
第二補正信号出力部60は、PINダイオード(直交ローカル信号スイッチ手段)62、PINダイオード(直交移相ローカル信号スイッチ手段)64、接合部分(第二補正信号通過手段)66、制御電流受入抵抗(第二スイッチ制御手段)68を有する。
PINダイオード(直交ローカル信号スイッチ手段)62は、一端が180°位相アンプ37に接続されており、他端が接合部分66に接続されている。PINダイオード62は、直交ローカル信号を接合部分66に通すか否かを決定する。すなわち、他端(接合部分66側)から一端(180°位相アンプ37側)に向けて電流を流したときに、直交ローカル信号を接合部分66に通す。
PINダイオード(直交移相ローカル信号スイッチ手段)64は、一端が180°位相アンプ33に接続されており、他端が接合部分66に接続されている。PINダイオード64は、直交移相ローカル信号を接合部分66に通すか否かを決定する。すなわち、一端(180°位相アンプ33側)から他端(接合部分66側)に向けて電流を流したときに、直交移相ローカル信号を接合部分66に通す。
なお、PINダイオード62および64の抵抗rは、r=a/iというように近似できる。ただし、iはPINダイオード62および64に流す制御電流、aおよびbはPINダイオード62および64に固有の定数である。
接合部分(第二補正信号通過手段)66は、PINダイオード62および64が接合している部分である。PINダイオード62あるいは64を通過した信号(第二補正信号という)が接合部分66を通過していく。接合部分66を通過していく第二補正信号は、補正信号出力部70に与えられる。
制御電流受入抵抗(第二スイッチ制御手段)68は、一端が接合部分66に接続され、他端が電源V2に接続されている。制御電流受入抵抗68は、制御電流受入抵抗68を流れる制御電流により、PINダイオード62および64のいずれか一方を導通状態とする。すなわち、電源V2の電位を正とすれば、制御電流受入抵抗68の他端(電源V2側)から一端(接合部分66側)に制御電流が流れ、PINダイオード62の他端(接合部分66側)から一端(180°位相アンプ37側)に向けて制御電流が流れる。よって、PINダイオード62が導通状態となり、直交ローカル信号が接合部分66に通される。また、電源V2の電位を負とすれば、制御電流受入抵抗68の一端(接合部分66側)から他端(電源V2側)に制御電流が流れ、PINダイオード64の一端(180°位相アンプ33側)から他端(接合部分66側)に向けて制御電流が流れる。よって、PINダイオード64が導通状態となり、直交移相ローカル信号が接合部分66に通される。
なお、PINダイオード62および64を流れる制御電流は、PINダイオード62および64の抵抗をC/cosθ(PINダイオード52および54の抵抗をC/sinθとした場合)あるいはC/cosθ(PINダイオード52および54の抵抗をC/sinθとした場合)とするようにすることが好ましい(ただし、Cは定数、0°<θ<90°)。PINダイオード62および64の抵抗r=a/iより、制御電流=|Icos−bθ|あるいは|Icos−2bθ|とすることが好ましい。
補正信号出力部70は、第一補正信号および第二補正信号に基づき補正信号を出力する。補正信号出力部70は、キャパシタンス要素72、74、アンプ76を有する。
キャパシタンス要素72は、第一補正信号出力部50から出力された第一補正信号を受ける。キャパシタンス要素74は、第二補正信号出力部60から出力された第二補正信号を受ける。アンプ76は、キャパシタンス要素72および74の出力を受けて増幅し、補正信号として出力する。なお、アンプ76は、ゲインを変更することができるバリアブルアンプである。ただし、アンプ76のゲインを固定し、アンプ76と加算器46との間に減衰の度合いを変更できるバリアブルアッテネータを接続してもよい。
次に、本発明の実施形態の動作を説明する。
ローカル発振器10により生成されたローカル信号Loは、90°移相器12に与えられる。90°移相器12からは、ローカル信号Lo(位相0°)が分配器22へ、直交ローカル信号(位相90°)が分配器32へ与えられる。
分配器22は、ローカル信号Lo(位相0°)を180°位相アンプ24に与える。180°位相アンプ24はローカル信号Lo(位相0°)の位相を180°変更させて増幅し、分配器26に与える。分配器26は与えられた信号(位相180°)を180°位相アンプ28に与える。180°位相アンプ28は与えられた信号(位相180°)の位相を180°変更させて増幅し、I信号用ミキサ42に与える。I信号用ミキサ42に与えられた信号は、位相0°であり、ローカル信号Loである。I信号用ミキサ42は、ローカル信号Loとベースバンド信号の内のI信号とを乗算して出力する。
分配器32は、直交ローカル信号(位相90°)を180°位相アンプ34に与える。180°位相アンプ34は直交ローカル信号(位相90°)の位相を180°変更させて増幅し、分配器36に与える。分配器36は与えられた信号(位相270°)を180°位相アンプ38に与える。180°位相アンプ38は与えられた信号(位相270°)の位相を180°変更させて増幅し、Q信号用ミキサ44に与える。Q信号用ミキサ44に与えられた信号は、位相90°であり、直交ローカル信号である。Q信号用ミキサ44は、直交ローカル信号とベースバンド信号の内のQ信号とを乗算して出力する。
I信号用ミキサ42およびQ信号用ミキサ44の出力を加算器46により加算すれば、通常の直交変調装置として動作する。しかし、この場合、初期的なオフセット誤差(オリジンオフセット)が生ずる。具体的には、位相誤差および振幅誤差が生ずる。そこで、加算器46にさらに補正信号を与え、I信号用ミキサ42およびQ信号用ミキサ44の出力の和に補正信号を加える。補正信号の生成のための動作を以下に説明する。
分配器22は、ローカル信号Lo(位相0°)を180°位相アンプ23に与える。180°位相アンプ23はローカル信号Lo(位相0°)の位相を180°変更させて増幅し、移相ローカル信号(位相180°)を第一補正信号出力部50に出力する。
分配器32は、直交ローカル信号(位相90°)を180°位相アンプ33に与える。180°位相アンプ33は直交ローカル信号(位相90°)の位相を180°変更させて増幅し、直交移相ローカル信号(位相270°)を第二補正信号出力部60に出力する。
分配器26は与えられた信号(位相180°)を180°位相アンプ27に与える。180°位相アンプ27は与えられた信号(位相180°)の位相を180°変更させて増幅し、ローカル信号Lo(位相0°)を第一補正信号出力部50に出力する。
分配器36は与えられた信号(位相270°)を180°位相アンプ37に与える。180°位相アンプ37は与えられた信号(位相270°)の位相を180°変更させて増幅し、直交ローカル信号(位相90°)を第二補正信号出力部60に出力する。
第一補正信号出力部50においては、PINダイオード52あるいは54のいずれか一方が導通状態とされる。第二補正信号出力部60においては、PINダイオード62あるいは64のいずれか一方が導通状態とされる。いずれのPINダイオードが導通状態となるかにより、補正信号の位相の範囲が異なる。具体的には、下記の表のようになる。
Figure 0004555778
そこで、PINダイオード52および62を導通状態としたときを例にとって、第一補正信号出力部50および第二補正信号出力部60の動作を説明する。
電源V1の電位を正とすれば、制御電流受入抵抗58の他端(電源V1側)から一端(接合部分56側)に制御電流が流れ、PINダイオード52の他端(接合部分56側)から一端(180°位相アンプ27側)に向けて制御電流が流れる。よって、PINダイオード52が導通状態となる。
電源V2の電位を正とすれば、制御電流受入抵抗68の他端(電源V2側)から一端(接合部分66側)に制御電流が流れ、PINダイオード62の他端(接合部分66側)から一端(180°位相アンプ37側)に向けて制御電流が流れる。よって、PINダイオード62が導通状態となる。
PINダイオード52に流す制御電流によって、動作が異なるので場合分けして説明する。
(1)PINダイオード52に流す制御電流=|Isin−bθ|の場合
この場合、PINダイオード62に流す制御電流=|Icos−bθ|となる。すると、PINダイオード52の抵抗値r1=a/i=a/(Isinθ)=C/sinθとなる。また、PINダイオード62の抵抗値r2=a/i=a/(Icosθ)=C/cosθとなる。ただし、C=a/Iである。
ここで、ローカル信号Loの電圧をv1、直交ローカル信号の電圧をv2とする。v1およびv2の実効値が共にvであるとする。すると、v1=v・cosωt、v2=v・sinωtとなる。
よって、接合部分56を流れる電流の実効値は(v/C)sinθとなり、接合部分66を流れる電流の実効値は(v/C)cosθとなる。接合部分56を流れる電流および接合部分66を流れる電流を加えたものが補正信号となる。補正信号の電流実効値は、は(v/C)・(sinθ+cosθ)=(vI/a)・(sinθ+cosθ)となる。よって、Iを適宜設定することにより、補正信号の電流実効値を適宜設定できる。したがって、振幅誤差に相当する、補正信号の電流実効値を適宜設定できる。
また、補正信号の電流は、v1/r1+v2/r2=(v・cosωt)/r1+(v・sinωt)/r2=(v/C)・(sinθcosωt+cosθsinωt)=(v/C)・sin(ωt+θ)となる。よって、補正信号の電流の位相はθ(ただし、0°<θ<90°)となる。よって、θを適宜設定することにより、補正信号の電流の位相を適宜設定できる。したがって、位相誤差を打ち消すことができる、補正信号の電流の位相を適宜設定できる。
0°<θ<90°なので、補正信号の電流の位相を0°を超え90°未満の範囲で設定することができる。
(2)PINダイオード52に流す制御電流=|Isin−2bθ|の場合
この場合、PINダイオード62に流す制御電流=|Icos−2bθ|となる。すると、PINダイオード52の抵抗値r1=a/i=a/(Isinθ)=C/sinθとなる。また、PINダイオード62の抵抗値r2=a/i=a/(Icosθ)=C/cosθとなる。ただし、C=a/Iである。
ここで、ローカル信号Loの電圧をv1、直交ローカル信号の電圧をv2とする。v1およびv2の実効値が共にvであるとする。すると、v1=v・cosωt、v2=v・sinωtとなる。
よって、接合部分56を流れる電流の実効値は(v/C)sinθとなり、接合部分66を流れる電流の実効値は(v/C)cosθとなる。接合部分56を流れる電流および接合部分66を流れる電流を加えたものが補正信号となる。補正信号の電流実効値は、は(v/C)・(sinθ+cosθ)=(vI/a)・(sinθ+cosθ)=vI/aとなる。よって、Iを適宜設定することにより、補正信号の電流実効値を適宜設定できる。したがって、振幅誤差に相当する、補正信号の電流実効値を適宜設定できる。なお、θが変化しても、補正信号の電流実効値は変化しない。
また、補正信号の電流は、v1/r1+v2/r2=(v・cosωt)/r1+(v・sinωt)/r2=(v/C)・(sinθcosωt+cosθsinωt)=(v/C)・(sinθ+cosθ)1/2・sin(ωt+tan−1(tanθ))となる。よって、補正信号の電流の位相はtan−1(tanθ)(ただし、0°<θ<90°)となる。よって、θを適宜設定することにより、補正信号の電流の位相を適宜設定できる。したがって、位相誤差を打ち消すことができる、補正信号の電流の位相を適宜設定できる。
0°<θ<90°なので、0°<tan−1(tanθ)<90°となる。よって、補正信号の電流の位相を0°を超え90°未満の範囲で設定することができる。
このように、PINダイオード52および62を導通状態にしたときは補正信号の電流の位相を0°を超え90°未満の範囲で設定することができる。同様に、PINダイオード54および62を導通状態にしたときは補正信号の電流の位相を90°を超え180°未満の範囲で設定することができる。PINダイオード54および64を導通状態にしたときは補正信号の電流の位相を180°を超え270°未満の範囲で設定することができる。PINダイオード52および64を導通状態にしたときは補正信号の電流の位相を270°を超え360°未満の範囲で設定することができる。
なお、これまで、誤差補正信号生成装置を直交変調装置1に適用した例を説明したきた。しかし、誤差補正信号生成装置は、それ単独でノイズキャンセル回路として利用できる。さらに、誤差補正信号生成装置は、直交変調装置に限らず、フェイズドアレイアンテナにも適用可能である。
本発明の実施形態によれば、第一補正信号出力部50がローカル信号(位相0°)を受けるPINダイオード52あるいは移相ローカル信号(位相180°)を受けるPINダイオード54のいずれか一方を導通状態とする。さらに、第二補正信号出力部60が直交ローカル信号(位相90°)を受けるPINダイオード62あるいは直交移相ローカル信号(位相270°)を受けるPINダイオード64のいずれか一方を導通状態とする。
このため、導通状態となったPINダイオードの組み合わせにより、補正信号の位相を0°〜360°まで設定できる。これにより、直交変調装置1の位相誤差が0°〜360°までの値をとっても、補正信号が位相誤差を打ち消すことがきるように、補正信号の位相を設定できる。
さらに、PINダイオード52、54、62および64はその抵抗を制御電流により変化させることができるため、補正信号が直交変調装置1の振幅誤差を打ち消すことがきるように、補正信号の長幅を設定できる。
また、PINダイオード52および54の抵抗をC/sinθとし、PINダイオード62および64の抵抗をC/cosθとした場合は、制御電流を決定する変数であるθがそのまま補正信号の位相となる。よって、補正信号の位相の設定が容易である。
なお、PINダイオード52および54の抵抗をC/sinθとし、PINダイオード62および64の抵抗をC/cosθとした場合は、制御電流を決定する変数であるθが変化しても、補正信号の実効値は変わらない。よって、補正信号の実効値の設定が容易である。

Claims (2)

  1. ローカル信号を出力するローカル信号出力手段と、
    前記ローカル信号の位相を90度変更させた直交ローカル信号を出力する直交ローカル信号出力手段と、
    前記ローカル信号の位相を180度変更させた移相ローカル信号を出力する移相ローカル信号出力手段と、
    前記直交ローカル信号の位相を180度変更させた直交移相ローカル信号を出力する直交移相ローカル信号出力手段と、
    前記ローカル信号または前記移相ローカル信号に基づく第一補正信号を出力する第一補正信号出力手段と、
    前記直交ローカル信号または前記直交移相ローカル信号に基づく第二補正信号を出力する第二補正信号出力手段と、
    前記第一補正信号および前記第二補正信号に基づき補正信号を出力する補正信号出力手段と、
    を備え、
    前記第一補正信号出力手段は、
    前記第一補正信号が通過する第一補正信号通過手段と、
    前記ローカル信号を前記第一補正信号通過手段に通すか否かを決定するローカル信号スイッチ手段と、
    前記移相ローカル信号を前記第一補正信号通過手段に通すか否かを決定する移相ローカル信号スイッチ手段と、
    前記ローカル信号スイッチ手段および前記移相ローカル信号スイッチ手段のいずれか一方を導通状態とする第一スイッチ制御手段とを有し、
    前記第二補正信号出力手段は、
    前記第二補正信号が通過する第二補正信号通過手段と、
    前記直交ローカル信号を前記第二補正信号通過手段に通すか否かを決定する直交ローカル信号スイッチ手段と、
    前記直交移相ローカル信号を前記第二補正信号通過手段に通すか否かを決定する直交移相ローカル信号スイッチ手段と、
    前記直交ローカル信号スイッチ手段および前記直交移相ローカル信号スイッチ手段のいずれか一方を導通状態とするスイッチ制御手段とを有
    前記ローカル信号スイッチ手段、前記移相ローカル信号スイッチ手段、前記直交ローカル信号スイッチ手段および前記直交移相ローカル信号スイッチ手段は可変抵抗素子であり、
    前記ローカル信号スイッチ手段または前記移相ローカル信号スイッチ手段の抵抗値をr1、前記直交ローカル信号スイッチ手段または前記直交移相ローカル信号スイッチ手段の抵抗値をr2とした場合、
    r1=C/sinθ、r2=C/cosθ、(ただし、Cは定数、0°<θ<90°)
    である誤差補正信号生成装置。
  2. ローカル信号を出力するローカル信号出力手段と、
    前記ローカル信号の位相を90度変更させた直交ローカル信号を出力する直交ローカル信号出力手段と、
    前記ローカル信号の位相を180度変更させた移相ローカル信号を出力する移相ローカル信号出力手段と、
    前記直交ローカル信号の位相を180度変更させた直交移相ローカル信号を出力する直交移相ローカル信号出力手段と、
    前記ローカル信号または前記移相ローカル信号に基づく第一補正信号を出力する第一補正信号出力手段と、
    前記直交ローカル信号または前記直交移相ローカル信号に基づく第二補正信号を出力する第二補正信号出力手段と、
    前記第一補正信号および前記第二補正信号に基づき補正信号を出力する補正信号出力手段と、
    を備え、
    前記第一補正信号出力手段は、
    前記第一補正信号が通過する第一補正信号通過手段と、
    前記ローカル信号を前記第一補正信号通過手段に通すか否かを決定するローカル信号スイッチ手段と、
    前記移相ローカル信号を前記第一補正信号通過手段に通すか否かを決定する移相ローカル信号スイッチ手段と、
    前記ローカル信号スイッチ手段および前記移相ローカル信号スイッチ手段のいずれか一方を導通状態とする第一スイッチ制御手段とを有し、
    前記第二補正信号出力手段は、
    前記第二補正信号が通過する第二補正信号通過手段と、
    前記直交ローカル信号を前記第二補正信号通過手段に通すか否かを決定する直交ローカル信号スイッチ手段と、
    前記直交移相ローカル信号を前記第二補正信号通過手段に通すか否かを決定する直交移相ローカル信号スイッチ手段と、
    前記直交ローカル信号スイッチ手段および前記直交移相ローカル信号スイッチ手段のいずれか一方を導通状態とするスイッチ制御手段とを有
    前記ローカル信号スイッチ手段、前記移相ローカル信号スイッチ手段、前記直交ローカル信号スイッチ手段および前記直交移相ローカル信号スイッチ手段は可変抵抗素子であり、
    前記ローカル信号スイッチ手段または前記移相ローカル信号スイッチ手段の抵抗値をr1、前記直交ローカル信号スイッチ手段または前記直交移相ローカル信号スイッチ手段の抵抗値をr2とした場合、
    r1=C/sin 2 θ、r2=C/cos 2 θ、(ただし、Cは定数、0°<θ<90°)
    である誤差補正信号生成装置。
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