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JP4438606B2 - ベルト駆動システム - Google Patents

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JP4438606B2
JP4438606B2 JP2004328311A JP2004328311A JP4438606B2 JP 4438606 B2 JP4438606 B2 JP 4438606B2 JP 2004328311 A JP2004328311 A JP 2004328311A JP 2004328311 A JP2004328311 A JP 2004328311A JP 4438606 B2 JP4438606 B2 JP 4438606B2
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Description

本発明は、複数の補機がベルト駆動される乗り物、例えば乗用車やトラック等に搭載されるベルト駆動システムに関する。
近年、エンジンの騒音等の問題が論じられ、エンジン静粛化をねらいとしたエンジン振動の抑制やエンジン回転の安定化が盛んに研究されている。ベルトで駆動される補機系において慣性モーメントの大きい補機が不安定な挙動を示すと、エンジン回転が不安定になることがわかっていた。一般に、ベルト駆動される各補機の等価慣性モーメントは、増速比の2乗をかけたものとなる。エンジン補機の中で車両用交流発電機は、大きなイナーシャを有しており、更には増速比も高いため車両用交流発電機のイナーシャが回転変動を増幅させる役割を担い、車両用交流発電機の回転の安定化がエンジン回転の安定につながるため、検討が進められていた。
車両用交流発電機の回転変動を抑制する手法としては、振動を抑制する理論が応用される。回転変動を振動に置き換えた場合、振動を抑制する手段としては、
1)振動の原因を取り除く(振動絶縁)
2)振動の原因を安定させる(動吸振器)
等が代表的な考え方である。
2)の動吸振器は、特定の共振域にターゲットをしぼり、振動する物体の1/10程度の質量とこれに合わせた適当な弾性体のバネ定数、減衰定数等で設計された動吸振器で振動を吸収させ、振動しているものを静かにしてしまうものである。車両用交流発電機の場合には、回転子に適当な弾性体(バネ)を介して慣性モーメントを接続することになる。
また、1)の振動絶縁は、振動の伝達経路に弾性材等を介し、振動の伝達を抑えることで振動を抑制するものである。この考え方を車両用交流発電機に採用し、車両用交流発電機の慣性モーメントの影響を軽減する方法が具体化され、提案されている(例えば特許文献1、2参照。)。特許文献1に開示された車両用交流発電機では、エンジンとベルトを介して連結されるプーリに一方向クラッチが設けられている。特許文献2に開示された車両用交流発電機では、バネを介したダンパープーリが用いられている。これらの方式では、車両用交流発電機の回転変動によるイナーシャ分のトルクがクラッチやダンパーで吸収(絶縁)されるため、ベルトシステムが安定する。
特開昭61−228153号公報(第1−3頁、図1−5) 特表2001−523325号公報(第25−63頁、図1−26)
ところで、上述した特許文献1および特許文献2のそれぞれの手法はいずれも車両用交流発電機の回転部分に弾性体やクラッチ等の機械的要素を介在させる必要があるため、発電トルクやイナーシャ分のトルクがクラッチやダンパー等の接続箇所に荷重としてかかるとともにこれらの接続箇所には遠心力も働くことから、製造、設計が難しいという問題があった。特に、バネやクラッチ機構の接続部分が破壊して故障する可能性が高くなる。また、接続部分の構造も複雑となり製造コストがかかるほか、耐久性と大きさの制約のなかできめ細やかな設計が必要となることから製品種類も増え、更にコストアップしてしまうことになる。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、機械的弾性要素を使用することなく磁気的な力を利用することで機械応力が発生せず、トルクの調整や製造、設計が容易であり、故障が少なく低コストで、エンジンの安定化を達成することができるベルト駆動システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明のベルト駆動システムは、複数の補機の回転軸と、補機を回転駆動するエンジンの駆動軸とを含む複数の軸を有し、前記補機として他の補機と比べて慣性モーメントが最も大きい車両用交流発電機を含むサーペンタイン方式のベルト駆動システムであって、車両用交流発電機は、エンジンから回転駆動力が伝達されるプーリと、プーリと一体で回転駆動される回転子と、電機子巻線が巻装された固定子とを有しており、回転子は、固定子に対して回転磁束を供給する回転子鉄心と、回転軸に対して回転自在に連結された磁性体で構成され、円盤状回転体で形成された磁性質量体と、回転子鉄心の軸方向端面に設けられ、回転子鉄心と一体に回転するとともに磁性質量体に対して磁束を供給する励磁源とを備え、磁性質量体と励磁源によって、エンジンの駆動軸に発生するトルク変動に対し、駆動軸とベルトを介して連結された車両用交流発電機内の振動抑制を行っている。回転子と磁性質量体との速度差に応じて回転子と磁性質量体との間にバネに相当するねじりトルクを発生させており、回転子に対して動吸振器を取り付けた場合と同様の挙動を機械的な力の作用なしに実現してエンジンの安定化を図ることができる。特に、過大応力による破損や繰り返し応力による疲労が発生しないため故障が少なく信頼性が高く、低コストな吸振機構を実現することができる。また、プーリ内部に複雑な構造を備えた従来品に比べて、製造や設計が容易となる。
また、上述した磁性質量体は、回転子鉄心に対して回転軸の軸方向端面に設けられ冷却ファンとして機能し、磁性質量体は、冷却ファンとして機能する冷却用のブレードを有するとともに回転軸に回転自在に支持されたベース部と、励磁源の対向面に配置されベース部より電気抵抗の小さい金属板とを備え、励磁源は、磁性質量体と対向する面に磁極が設けられ、磁極をNS励磁する。これにより、いわゆる誘導機と同一の磁気力発生原理に基づいてねじりトルクを発生させることができ、良好な動吸振器機能を持たせた小型で安価な車両用回転電機を実現することができる。具体的には、NS励磁された励磁源に対し、ベース部より電気抵抗の低い金属板を励磁源の対向面に配置することで、相対運動が発生した際にこの金属板部分で渦電流が発生する。この渦電流と励磁磁束の間で相対速度方向に磁気力が発生する。また、磁気力の発生方向は相対運動を抑制する方向に働くため、機械式弾性体(バネ)をつなげたものと同じ挙動を示す。これは誘導機で言うところの滑りの正負でモータと発電が切り替わり、トルク方向が反転するのと同じ原理である。
また、磁性質量体は、冷却ファンとして機能する冷却用のブレードを有する。これにより、回転による空気抵抗で制動力が働くため、吸振器としての機能を高めることができる。それとともに、冷却風を発生させることができるため、冷却性を高めることができる。
また、上述した励磁源は、回転子と同一の極数であることが望ましい。これにより、励磁源の極性と回転子磁極の極性を合わせることができるため、ねじりトルクを最大とすることが可能になり、部品容積の減少による小型化および低コスト化を達成することができる。
また、上述した励磁源は、永久磁石で構成されることが望ましい。これにより、さらに小型化でき、励磁源の固定が容易となり、遠心力等で破壊することなく信頼性の高い車両用回転電機を実現することができる。また、永久磁石の厚み、面積を変更することで磁気力変更が容易となるため、トルクの調整が容易となる。
また、上述した励磁源は、コイルと、ランデル型鉄心とで構成されることが望ましい。ランデル型鉄心を用いることにより、このランデル型鉄心が一組で多極の構成が作製でき、コイルも1個でよいため、製造コストを抑えて低コスト化を達成することができる。また、コイルを使用する構成となっているため、通電量で磁気力を調整することができ、任意にトルク(磁気的バネ力)を調整することができる。これにより、エンジンの状況に応じてバネ定数を変更することができ、必要に応じて通電を切って磁性質量体を空回りさせることもできる。このように、振動吸収効果を高めるとともに、非常時の安全を確保することができ、より信頼性の高い車両用回転電機を実現することができる。
また、上述したエンジンからプーリに回転駆動力を伝えるベルト駆動システムとしてサーペンタイン方式が用いられることが望ましい。サーペンタイン方式のベルト駆動システムは、1本のベルトを介してエンジンの回転駆動力が車両用回転電機を含む各種の補機に伝達されるため、特にエンジン回転が不安定となりやすいが、補機の中でも慣性モーメントが大きい車両用回転電機において上述した構成の吸振器を用いることにより、特に効果的にエンジン回転の安定化を実現することができる。
以下、本発明を適用した一実施形態の回転電機としての車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。また、図2は図1に示す車両用交流発電機を含むベルト駆動システムの構成を示す図である。図2に示すように、本実施形態では、クランク軸(C/S)、エアコン(A/C)、車両用交流発電機(ALT)、アイドラー(Idler)、パワーステアリング(P/S)、ウォーターポンプ(W/P)、オートテンショナー(A/T)のそれぞれに固定されて回転する7種類のプーリ100〜106がベルト110で連結された7軸のサーペンタイン方式のベルト駆動システムが用いられる。例えば、クランクプーリ100に対して車両用交流発電機のプーリ102は直径が1/3.3に設定されており、車両用交流発電機の回転数はエンジンのクランク軸の回転数に対して3.3倍で増速されている。
図1に示すように、車両用交流発電機1は、電機子巻線が巻装されて電機子として働く固定子2と、界磁として働く回転子3と、固定子2および回転子3を支持するハウジング4と、固定子2に電気的に接続されて交流電力を直流に変換する整流器5と、界磁電流量を増減して発電量を制御する電圧調整器11とを含んで構成されている。
回転子3は、シャフト(回転軸)6と一体になって回転しており、回転子鉄心としてのランデル型ポールコア7、界磁コイル8、吸振器30、冷却ファン33、34等によって構成されている。シャフト6は、2つのベアリング35a、35bで回転可能に支持されており、一方端にプーリ102がナット21によって締め付け固定されているとともに、他方端にスリップリング9、10が備わっている。吸振器30は、プーリ102側の一方のポールコア7の軸方向端面に設けられており、所定の慣性モーメントを有する磁性質量体としての磁性慣性体31と、励磁源32とを有している。磁性慣性体31のプーリ側端面には冷却ファン33が形成されている。
次に、吸振器30の詳細について説明する。磁性慣性体31は、所定の感性モーメントを有する円盤状回転体であり、励磁源32の対向面に配置される金属板311と、磁性材料としての鉄からなる鉄部材としてのベース部312とを備える。金属板311は、鉄よりも電気抵抗の小さな金属材料、例えばアルミニウムや銅などで構成される。なお、ベース部312は、鉄以外の磁性材料を用いて形成するようにしてもよい。ベース部312は、冷却ファン33として機能する冷却用のブレード33aを有している。また、ベース部312は、内径側がベアリング51を介してシャフト6に固定されており、これにより磁性慣性体31の全体が回転自在となっている。
図3は、励磁源32の詳細を示す斜視図である。図3に示すように、励磁源32は、永久磁石321と、磁性体で構成されるベース部322とを備える。永久磁石321は、回転子3の磁極と同一の極数数に設定されている。例えば、2つのポールコア7のそれぞれに8個、合計で16個の爪状磁極部が形成されている場合を考えると、永久磁石321の磁極数も16に設定されており、8個のS極磁石と8個のN極磁石とが交互に配置されている。上述した励磁源32の永久磁石321と磁性慣性体31の金属板311との間には、0.3mm程度のエアギャップが形成されている。
次に、吸振器30の慣性モーメントJとトルク帰還定数Kの設定方法について説明する。サーペンタイン方式で補機駆動するエンジンの各補機の軸周りの運動方程式は、以下のようになり、軸数分の連立方程式となる。
Figure 0004438606
この(1)式を用いた連立方程式は、軸数分n個の固有振動数(共振周波数)を持つことが知られている。この周波数に対し、例えばエンジンの爆発によるトルク変動の周期が一致した場合に大きな回転変動(共振)が発生する。
このように、図2に示すようなベルト駆動システムは軸数分の共振周波数が発生するが、本実施形態では、車両で最も問題となる共振であるアイドル回転域で発生する共振を抑制することを目的とした設計を行うものとする。
(1)式を用いた連立運動方程式を解くことにより、固有値とともに固有ベクトルが求められる。詳細は省くが、この固有ベクトルを使用してモード化を実施し、問題となる共振周波数に対応したモード等価慣性モーメントおよびモード等価バネ定数を求めることができる。結果として、Ji とKi と共振周波数fi は、以下の関係となっている。
Figure 0004438606
例えば、6気筒エンジンの場合を考えると、アイドル回転は、800〜900rpmである。エンジンの爆発による周波数は、回転周波数の3倍の周波数であり、アイドル回転では、40Hzから45Hzの間となる。
図4は、図2に示したベルト駆動システムにおいて吸振器を使用しない従来構造の車両用交流発電機と吸振器を使用した本実施形態の車両用交流発電機を用いた場合の共振解析結果を示す図である。図4において、点線が従来構成に対応する特性を、実線が本実施形態の構成に対応する特性をそれぞれ示している。また、縦軸は伝達関数の大きさを示すコンプライアンスで、エンジンのクランク軸に1Nmのトルクが加わった場合の車両用交流発電機1の回転子3の変位の大きさを示している。この特性が凸となっている部分が共振している部分であり、従来構造を車両用交流発電機を用いた場合にはほぼ42Hzの共振周波数が存在するため、アイドル回転域での共振が問題となる。この周波数に対応したモード等価慣性モーメントJi およびモード等価バネ定数Ki は、Ji =0.0041Kgm2、Ki =289Nm/Radとして求めた。
これに対し、一般的な動吸振器では、以下の式に基づいて動吸振器の設計が行われる。
Figure 0004438606
ここで、Cdiは吸振器の減衰係数である。また、μ=0.1とし、車両用交流発電機1の回転子3の慣性モーメントに対し、十分小さい慣性モーメントで動吸振器を設計している。
本実施形態では、励磁源32と磁性慣性体31とで誘導機を構成し、その回転差により、モータおよび発電作用による正負のトルク、すなわち、バネに相当するねじりトルクを発生させている。また、励磁源32の永久磁石321磁力とベース部322の磁気的な抵抗値を調整することにより、Kdi、Cdiの係数に相当するトルクを発生させている。
図4に実線で示すように、本実施形態の車両用交流発電機1を使用した場合には、42Hzをねらって設計された吸振器30を回転子3に備えたことにより、アイドル回転域である42Hz付近の振動を抑制することができた。50Hz付近に新たに共振点が発生しているが、この領域はアイドル領域ではなく、連続してこの回転数が維持されることがないため、特に問題とはならない。
他の補機に比べて等価慣性モーメントが最も大きい車両用交流発電機1の回転子3の挙動が安定するため、エンジン全体が安定化に向かい、振動の少ない快適なエンジンシステム(ベルト駆動システム)を実現することができる。また、バネ等の機械要素を動吸振器に使用していないため、接続部の破断等の故障がなく、著しく信頼性を向上できる。
また、動吸振器は回転子3の軸方向端面側に配置しており、余空間を使用するため、車両用交流発電機1が大型化することを防止することができる。また、動吸振器としての磁性慣性体31にブレード33aをつけて遠心風を発生させているため、その空気抵抗により制動力が発生する。これにより、動吸振器の減衰係数に相当する制動力が容易に作られ、誘導機としてのトルクが少なくてもよいことになるため、励磁源32等の小型化が可能になる。また、冷却ファン33を吸振器30と一体化することができるため、ハウジング4内の空間を有効活用でき、十分な冷却性を確保できる効果もある。
このように、本実施形態の車両用交流発電機1では、回転子3と磁性慣性体31との速度差に応じて回転子3と磁性慣性体31との間にバネに相当するねじりトルクを発生させており、回転子3に対して動吸振器を取り付けた場合と同様の挙動を機械的な力の作用なしに実現してエンジンの安定化を図ることができる。特に、過大応力による破損や繰り返し応力による疲労が発生しないため故障が少なく信頼性が高く、低コストな吸振機構を実現することができる。また、プーリ内部に複雑な構造を備えた従来品に比べて、製造や設計が容易となる。
また、磁性慣性体31は、鉄部材としてのベース部312と、ベース部312より電気抵抗の小さい金属材料からなる金属板311とを備え、NS励磁された励磁源32を用いている。これにより、いわゆる誘導機と同一の磁気力発生原理に基づいてねじりトルクを発生させることができ、良好な動吸振器機能を持たせた小型で安価な車両用交流発電機1を実現することができる。具体的には、NS励磁された励磁源32に対し、鉄部材としてのベース部312より電気抵抗の低い金属板311をベース部312との間に設けることで、相対運動が発生した際にこの金属板311において渦電流が発生する。この渦電流と励磁磁束の間で相対速度方向に磁気力が発生する。また、磁気力の発生方向は相対運動を抑制する方向に働くため、機械式弾性体(バネ)をつなげたものと同じ挙動を示す。これは誘導機で言うところの滑りの正負でモータと発電が切り替わり、トルク方向が反転するのと同じ原理である。
また、励磁源32の極性と回転子磁極の極性を合わせることにより、ねじりトルクを最大とすることが可能になり、部品容積の減少による小型化および低コスト化を達成することができる。
また、励磁源32を永久磁石321を用いて構成することによりさらに小型化でき、励磁源32の固定が容易となり、遠心力等で破壊することなく信頼性の高い車両用交流発電機1を実現することができる。また、永久磁石321の厚み、面積を変更することで磁気力変更が容易となるため、トルクの調整が容易となる。
また、励磁源32をポールコア7の軸方向端面に設けているため、回転軸を中心に回転自在となる磁性慣性体31に対して容易に磁束供給を行うことができ、しかも、励磁源32の固定も容易となって小型化とともに信頼性向上が可能となる。
また、磁性慣性体31は回転により空気抵抗となるブレード33aを備えており、回転による空気抵抗で制動力が働くため、吸振器としての機能を高めることができる。したがって、磁気力によるねじりトルクの発生機構を小型化することができる。しかも、非接触で制動力を発生させることができるため、信頼性を向上させることが可能になる。また、冷却風を発生させることができるため、冷却性を高める効果もある。
また、エンジンからプーリ102に回転駆動力を伝えるベルト駆動システムとしてサーペンタイン方式が用いられている。このサーペンタイン方式のベルト駆動システムでは、1本のベルトを介してエンジンの回転駆動力が車両用交流発電機1を含む各種の補機に伝達されるため、特にエンジン回転が不安定となりやすいが、補機の中でも慣性モーメントが大きい車両用交流発電機1において吸振器30を用いることにより、特に効果的にエンジン回転の安定化を実現することができる。
図5は、他の実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。図5に示す車両用交流発電機1Aは、図1に示した車両用交流発電機1に対して、吸振器30を吸振器30Aに置き換えた構造を有している。吸振器30Aは、磁性慣性体31と励磁源32Aとを有している。磁性慣性体31は、吸振器30に含まれるものと同一構造のものが用いられる。励磁源32Aは、ランデル型コア(ランデル型鉄心)331とコイル332とを備える。ランデル型コア331には互い違いに円周方向に配置された18個の爪状磁極部が形成されており、コイル332に通電することにより、N極磁極とS極磁極が交互に発生する。このように電磁石によって励磁源32を構成することにより、通電電流を可変して励磁が制御できるため、等価的に動吸振器のバネ定数を変更することができる。したがって、エアコンのコンプレッサの作動に合わせてトルクを変更するなど、状態に応じて最適なバネ定数を設定することができる。また、高回転時に励磁を止めて磁性慣性体31を空回りさせて、遠心力による破壊を防止するなど、安全性をさらに高めることができる。
このように、励磁源32Aをコイル332とランデル型コア331によって構成する場合には、ランデル型コア331が一組で多極の構成が作製でき、コイル332も1個でよいため、製造コストを抑えて低コスト化を達成することができる。また、コイル332を使用する構成となっているため、通電量で磁気力を調整することができ、任意にトルク(磁気的バネ力)を調整することができる。これにより、エンジンの状況に応じてバネ定数を変更することができ、必要に応じて通電を切って磁性慣性体31を空回りさせることもできる。このように、振動吸収効果を高めるとともに、非常時の安全を確保することができ、より信頼性の高い車両用交流発電機1を実現することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。上述した実施形態では、車両用交流発電機に吸振器を設けたが、他の車両用回転電機に吸振器を設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、ポールコア7のプーリ102側の端面に吸振器30等を備えたが、ポールコア7の反プーリ側端面に吸振器30等を設けたり、ポールコア7の端面から離して吸振器30等を設けるようにしてもよい。
一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。 本実施形態のベルト駆動システムの構成を示す図である。 励磁源の詳細を示す斜視図である。 吸振器の有無に対応する共振解析結果を示す図である。 他の実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。
符号の説明
1 車両用交流発電機
2 固定子
3 回転子
4 ハウジング
5 整流器
6 シャフト
7 ランデル型ポールコア
8 界磁コイル
9、10 スリップリング
11 電圧調整器
30 吸振器
31 磁性慣性体
32 励磁源
33、34 冷却ファン
33a ブレード
35a、35b、51 ベアリング
311 金属板
312、322 ベース部
321 永久磁石

Claims (4)

  1. 複数の補機の回転軸と、前記補機を回転駆動するエンジンの駆動軸とを含む複数の軸を有し、前記補機として他の補機と比べて等価慣性モーメントが最も大きい車両用交流発電機を含むサーペンタイン方式のベルト駆動システムであって、
    前記車両用交流発電機は、エンジンから回転駆動力が伝達されるプーリと、前記プーリと一体で回転駆動される回転子と、電機子巻線が巻装された固定子とを有し、
    前記回転子は、
    前記固定子に対して回転磁束を供給する回転子鉄心と、
    前記回転軸に対して回転自在に連結された磁性体で構成され、円盤状回転体で形成された磁性質量体と、
    前記回転子鉄心の軸方向端面に設けられ、前記回転子鉄心と一体に回転するとともに前記磁性質量体に対して磁束を供給する励磁源とを備え、
    前記磁性質量体は、前記回転子鉄心に対して前記回転軸の軸方向端面に設けられ冷却ファンとして機能し、前記磁性質量体は、前記冷却ファンとして機能する冷却用のブレードを有するとともに回転軸に回転自在に支持されたベース部と、前記励磁源の対向面に配置され前記ベース部より電気抵抗の小さい金属板とを備え、
    前記励磁源は、前記磁性質量体と対向する面に磁極が設けられ、前記磁極をNS励磁し、
    前記磁性質量体と前記励磁源によって、前記エンジンの駆動軸に発生するトルク変動に対し、前記駆動軸とベルトを介して連結された前記車両用交流発電機内の振動抑制を行った
    ことを備えることを特徴とするベルト駆動システム。
  2. 請求項において、
    前記励磁源は、前記回転子と同一の極数であることを特徴とするベルト駆動システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記励磁源は、永久磁石で構成されることを特徴とするベルト駆動システム。
  4. 請求項1又は2において、
    前記励磁源は、コイルと、ランデル型鉄心とで構成されることを特徴とするベルト駆動
    システム。
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