JP4415514B2 - 熱転写記録媒体とそれを用いた熱転写記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドプリンタで着色顔料を含有する熱転写記録層を転写可能な受像層をもつ中間転写箔上に熱転写し、詳しくは、少なくとも2色以上の色を重ねて面積階調による階調カラー画像などを形成し、その印画された中間転写媒体の受像層を目的の被転写体に転写する熱転写記録するための熱転写記録媒体であり、特に金属およびガラス等の物品に良好に転写可能な熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、サーマルヘッドプリンタを用いて階調画像を形成する熱転写記録方式としては、昇華転写方式と溶融転写方式が知られている。
【0003】
昇華転写方式は、昇華性(熱移行性)染料とバインダー樹脂とからなる熱転写記録層を支持体上に設けた熱転写記録媒体を受像シートと重ね、サーマルヘッドの熱量に応じて熱転写記録層中の昇華型染料を受像シート上に移行させ階調画像を形成するものである。
しかしながら、このような昇華性(熱移行性)染料を用いて画像を形成した場合、形成された画像は耐久性が劣り、耐熱性や耐光性を要求する分野への利用が制限される。また、感熱記録感度が溶融転写方式と比べ低いため、乾電池などのバッテリー駆動によるプリンターの小型軽量化、将来実用が期待されている高解像力サーマルヘッドを用いる高速記録材料としては適していない等の欠点を有している。
【0004】
一方、溶融転写方式は、支持体上に顔料や染料などの色材とワックスなどの結合剤からなる熱溶融性のインキ転写層を設けた熱転写記録媒体を用いてサーマルヘッド等の加熱デバイスに画像情報に応じたエネルギーを印加し、受像シート上にインキ転写層を融着させて画像を形成させる方式である。溶融転写方式によって形成される画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字、線画等の2値画像の記録に適している。また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックよりなる熱転写記録媒体を用いて、受像シート上に重ねて画像を形成することにより、カラー画像の形成も可能である。このようなカラー画像形成用熱転写記録媒体として特公昭63−65029号公報がある。
また、一方熱転写記録方法において、上記のような被転写体となる受像シートに直接転写し最終転写物とするだけでなく、熱転写記録媒体から目的の被転写体に直接画像を転写せずに剥離可能な受像層が設けられた中間媒体の受像層上に熱転写記録層からなる画像を転写しておき、しかる後に画像(熱転写記録層)を受像層とともに目的の被転写体に再転写する方法が知られている。以下ではこれを再転写方法と称することにする。
【0005】
この方法を用いてキャッシュカード,クレジットカード,各種IDカード,プリペードカードのようなプラスチックカードや官製はがきやパスポートのような紙、あるいはTシャツやハンカチといった布など様々な被転写体へ画像を転写することが可能となる。
この方法の場合、直接目的の被転写体へ印画するに方法に比べて被転写体の材質や表面状態によらず高解像度の画像を得ることができ、また平滑でない被転写体への印画が可能である等メリットがある。
しかしながら被転写体によっては、最終的に画像を転写された中間転写媒体を目的の被転写体に転写する際に、中間転写媒体の受像層及び印画された感熱転写インク層と密着性が向上するよう予め被転写体の表面に、プライマー層インクを塗布しプライマー層を設ける必要がある。このような被転写体に対する前処理は非常に手間がかかる場合が多いうえ、被転写体によってはその前処理ができない場合がある。
【0006】
また従来のプリペイドカードやキャッシュカードやクレジットカード,各種IDカード等のプラスチック板の他に金属板やガラス板等様々な材質の被転写体に対応でき良好な印画が可能な熱転写記録媒体はこれまで無かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特公昭63−65029号公報に記載の熱転写記録媒体の場合、低融点の結晶性ワックスをインキ層の結合剤として用いているため、インキの滲みによって解像力の低下が発生しやすい。また転写画像の接着強度および皮膜強度が弱く、画像部を手で強くこすると画像部がとれてしまう。このような現象を解決する方法として種々の提案がなされてきた。例えば特開昭61−244592号公報には、65%以上の非晶質ポリマーと離型性物質と着色剤よりなる感熱インキ層を有する感熱転写記録媒体が提案されている。
しかしながら、上記特開昭61―244592号公報に記載の熱転写記録媒体も、結晶性ワックスを含むため、各色の重ね印画を行った部分の接着強度は不十分なものとなっている。
【0008】
これら接着強度が弱いことは再転写方式においては受像層ごと再転写されるため転写された受像層が保護層となるためある程度カバーされるが、転写画像の強度が弱いと結局その部分で画像がはがれてしまう。また転写画像であるインキ層と受像層の接着強度および皮膜強度がいくら強くても、被転写体との接着強度が強くないと被転写体から剥がれてしまう。このため被転写体に予め前処理としてプライマー層の塗布等をすることにより、被転写体と転写画像および受像層との接着強度を強固にする必要があった。
【0009】
また、白色以外に着色された被転写体、金属や金属蒸着物のような光沢のある被転写体、或いはガラスや透明ブラスチックのような透明な被転写体に対して任意のフルカラーの画像を転写する場合、前処理として画像を転写する部分のみ白色層を塗布する必要があるが非常に困難であり、白色以外の部分にの任意の位置にフルカラーの画像を設けたり或いは、透明、あるいはメタリック調の画像を任意の位置に設けたりすることができなかった。
【0010】
本発明は、前記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、低融点の結晶性ワックスをインキ層の結合剤として使用したことに起因したインキの滲みによる解像力の低下を防ぐ事、また、ワックスを使用していると転写した画像を手で擦ったような場合の耐久性が足りず、画像が取れて無くなり易いこと点を改善し耐久性を増す事、これらを同時に充分達成することのできる熱転写記録媒体を提供することを目的とし、特に紙やプラスチックカード以外にガラスや金属等を材質とした透明あるいは金属光沢のある被転写体にもプライマー塗布等の前処理がなくても任意の画像を形成できる熱転写記録媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、溶融転写方式を用い、上記課題を解決することを可能とした。
すなわち、第1項に係わる発明は少なくとも基材の一方に熱により溶融あるいは軟化して転写する熱転写記録層を有する熱転写記録媒体であって、
無色又は淡色の微粒子、着色顔料、および樹脂を主成分とする熱転写記録層が、支持体の長手方向に沿ってシアン、マゼンタ、及びイエローの少なくとも3色および白色隠蔽層および透明な接着層が面順次に繰り返し塗り分けて設けてあり、各色の熱転写記録層を形成する組成物が、その固形分総量100重量部に対して、着色顔料が19〜30重量部、樹脂が40〜80重量部、無色又は淡色の微粒子が1〜30重量部という配合組成で膜厚が0.2〜1.0μmあり、更に各色の熱転写記録層と白色隠蔽層の樹脂が同一種の非晶質有機重合体であり、前記白色隠蔽層を形成する組成物が、その固形分総量100重量部に対して、白色顔料が20〜70重量部、樹脂が30〜80重量部であることを特徴する熱転写記録媒体である。
【0012】
また、請求項2に係わる発明は、前記熱転写記録層および白色隠蔽層中の樹脂が球状法軟化点70〜150℃の範囲にあるエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体である。
【0013】
また、請求項3に係わる発明は、前記熱転写記録層および白色隠蔽層中の樹脂がガラス転移点40〜100℃の範囲にあるアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体である。
【0014】
また、請求項4に係わる発明は、前記熱転写記録層および白色隠蔽層中の樹脂が平均分子量が10,000〜20,000の範囲にある塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体である。
【0015】
また、請求項5に係わる発明は、前記熱転写記録層中の無色又は淡色の微粒子がシリカであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
【0016】
また、請求項6に係わる発明は、透明接着層が熱転写記録層および白色隠蔽層中の樹脂と同種の樹脂を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
【0017】
また、請求項7に係わる発明は、請求項1から6に記載の熱転写記録媒体を用いて、少なくとも転写可能な受像層をもつ中間転写媒体に予め印画し、その印画された中間転写媒体の受像層を目的の被転写体に転写することを特徴とする熱転写記録方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の熱転写記録媒体の転写原理は、サーマルヘッド等の熱媒体によって熱転写記録材に熱が加えられ、その熱によって熱転写記録層中の熱溶融性物質であるエポキシ樹脂が溶解状態となり、粘着性が発現され、中間転写箔上に熱的に接着することによって画像が記録される。
その為、少なくとも2色以上の色を重ねて印画を行う際、インキの滲みのない鮮明な印画が得られる。また転写された記録画像は機械的強度に優れた特性が得られる。更に、熱転写記録層は、前記支持体の長手方向に沿ってシアン、マゼンタ、及びイエローの少なくとも3色が面順次に繰り返し塗り分けて設けてなり、各色の熱転写記録層を順次転写することでフルカラー画像を形成することができ、更に画像部分に白色隠蔽層を設けることにより白色以外に着色された被転写体、金属や金属蒸着物のような光沢のある被転写体、或いはガラスや透明ブラスチックのような透明な被転写体に対してフルカラーの画像を任意に転写することが可能となる。
【0019】
更に、その熱転写記録層および白色隠蔽層中の樹脂を選定することにより被転写体表面が金属やガラスであってもプライマー塗布等の前処理なしでの再転写が可能となる。
【0020】
以下、本発明の熱転写記録媒体について詳細に説明する。
図1、2は、支持体(2)上に熱転写記録層(3)、白色隠蔽層(4)、更に透明接着層(5)を設けた本発明に係わる熱転写記録媒体(1)を示す。
【0021】
本発明に用いることのできる支持体(2)としては、従来より昇華転写型や溶融転写型用として一般に用いられるものを使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチックフィルム、コンデンサーペーパー、パラフィン紙等の紙類を挙げることができるが、特に好ましいのはポリエステルフィルムである。
支持体(2)の厚みは2〜50μm、より好ましくは2〜16μmである。
熱転写記録層(3)は、着色顔料と樹脂と無色又は淡色の微粒子からなり、白色隠蔽層(4)は白色顔料と樹脂からなる。
【0022】
熱転写記録層(3)を形成する為の組成物の配合組成は、その固形分総量100重量部に対して、着色顔料が19〜30重量部、樹脂が40〜80重量部、無色又は淡色の微粒子が1〜30重量部である。
着色顔料が上記範囲より少ない場合は所望の印画濃度を得ることができず、多い場合は膜強度が低下する点で好ましくない。
樹脂が上記範囲より少ない場合は膜強度が低下する点で好ましくなく、多い場合は転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等が悪くなる点で好ましくない。
無色の微粒子が上記範囲より少ない場合は転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等が悪くなる点で好ましくなく、多い場合は良好なインキの流動性が得られない。
また、これに必要に応じて各種添加剤を配合することもできる。そしてその添加量は、前記熱転写記録層を形成する為の組成物100重量部に対して10重量部以下とするのが好ましい。
【0023】
また熱転写記録層(3)の膜厚は、0.2〜1.0μmが望ましい。
膜厚が0.2μmを下回ると十分な濃度を出すことが難しく、また1.0μmを上回るとサーマルヘッドの発熱部分に応じた転写が困難となり、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等が劣ることになる。
【0024】
シアン、マゼンタ、イエローの各色の膜厚に関しては通常、ドット形状、階調再現性が厚みにより大きくことなるため、3色の膜厚は同じにすることが一般的である。この場合その各色成分の光学濃度は異なることが多く、特定の色については十分な濃度が得られない場合がある。この場合では前記の膜厚の範囲内であればドット形状、階調再現性に対し影響が少ないため、十分な濃度の得られない特定の色の熱転写記録層については、他の特定の熱転写記録層より膜厚を厚くすることが可能であり、この様にすることで十分な光学濃度が得られる。これによりドット形状、階調表現性が損なわれず3色のバランスのとれた高濃度の画像を形成することが可能となる。
【0025】
以上のような熱転写記録層(3)に対し白色隠蔽層(4)は階調再現をする必要はなく任意の形状にベタ転写するのみであり、むしろ隠蔽性や箔切れが優先される。このため白色隠蔽層(4)を形成する組成は基本的には白色顔料と樹脂であり、その固形分総量100重量部に対して、好ましくは白色顔料が20〜70重量部、樹脂が30〜80重量部である。白色顔料が上記範囲より少ない場合は所望の隠蔽性を得ることができず、多い場合は膜強度と転写感度が低下する点で好ましくない。また、これに必要に応じて各種添加剤を配合することもできる。そしてその添加量は、前記熱転写記録層を形成する為の組成物100重量部に対して10重量部以下とするのが好ましい。
【0026】
また、白色隠蔽層(4)の膜厚は、好ましくは0.5〜2.0μmがである。膜厚が0.5μmを下回ると十分な隠蔽性を出すことが難しく、また2.0μmを上回るとサーマルヘッドの発熱部分に応じた転写が困難となり、詳しくは転写感度と箔切れ等が劣ることになる。
【0027】
本発明の熱転写記録層(3)および白色隠蔽層(4)に使われる樹脂としては各層間の接着強度、転写感度等を考慮して同一種の非晶質有機重合体を使用する。それら非晶質有機重合体の中で本発明においては以下に掲げるような樹脂を選定することによりドット再現性、箔切れが良好で階調表現に優れ高発色の画像が得られ、且つ金属やガラス等にも接着性を有する熱転写記録層(3)および白色隠蔽層(4)を得ることができる。
【0028】
まずは樹脂が球状法軟化点70〜150℃の範囲にあるエポキシ樹脂である。サーマルヘッドを使用して熱転写する場合の熱的条件は、通常300〜400℃で数ミリ秒であり、これを静的な条件に換算すると100〜150℃で5秒となる。又、前述のように熱転写記録するためには樹脂が軟化或いは溶解し粘着性を有するまで加熱する必要がある。
従って、サーマルヘッドから供給される熱量と、エポキシ樹脂を溶解状態を考慮すると、球状法軟化点の上限は150℃となる。この上限以上の樹脂を使用すると、転写時により多くのエネルギーを必要とし、サーマルヘッドの寿命が極端に短くなる。又、球状法軟化点が70℃以下ののエポキシ樹脂を使用すると再転写後、擦りやセロハンテープ剥離により画像の剥がれが発生し易くなり、また熱転写記録媒体の保存に於いても巻取状態の保存でブロッキング等が発生しやすくなる。
【0029】
また、本発明の熱転写記録層に主材料として使用するエポキシ樹脂の特性として、特に好ましくは、エポキシ当量(1グラムのエポキシ基を含む樹脂のグラム数)は600〜5000であり、分子量が800〜5000のものである。
もしこのエポキシ樹脂のエポキシ当量が、前記下限値よりも低い場合には(600未満)、擦りに対する画像の耐久性が充分でなく、再転写後でも擦りやセロハンテープ剥離により画像部の剥がれが発生し易いので好ましくない。逆に、もしこのエポキシ当量が、前記上限値よりも高い場合には(5,000を超える)、感熱転写の際に必要とする熱エネルギが多大過ぎてしまう為に、サーマルヘッドの寿命を縮めてしまうとか、感熱転写の感度も低いことから、画像を高速で感熱転写記録しようとする用途には不向きであるので好ましくない。
【0030】
それから、このエポキシ樹脂の分子量が、もし前記下限値よりも低い場合には(800未満)、擦りに対する画像の耐久性が充分でなく、再転写後の擦りにより転写画像に剥がれが発生し易いので好ましくない。逆に、もしこの分子量が、前記上限値よりも高い場合には(5,000を超える)、感熱転写の際に必要とする熱エネルギーが多大過ぎてしまう為に、サーマルヘッドの寿命を縮めてしまうとか、感熱転写の感度も低いことから、画像を高速で感熱転写記録しようとする用途には不向きであるので好ましくない。
【0031】
本発明で最も好ましいエポキシ樹脂は、球状法軟化点、エポキシ当量、および分子量の全ての特性が同時に前記それぞれの範囲内に在る場合である。この場合には、特に画像の転写性と耐久性に関して高い効果が得られるので好ましい。
【0032】
以上の理由から球状法軟化点が70〜150℃、好ましくはエポキシ当量が600〜5000、及び分子量が800〜5000の範囲にあるエポキシ樹脂を選択する訳であるが、このようなエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグルシジルエーテル、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフロロアセトングリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂やフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂や、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルメタキシメンジアミン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、およびヘキサヒドロビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0033】
次に、ガラス転移点(Tg)が40〜100℃の範囲にあるアクリル樹脂である。本発明の熱転写記録層(3)および白色隠蔽層(4)に含有されるアクリル樹脂は、同様にサーマルヘッド等の熱媒体に対する印画適正と転写記録後の画像の耐久性を考慮するとTgが40℃〜100℃の範囲のものを使用する。
サーマルヘッドを使用して熱転写する場合に前記アクリル樹脂のTgが100℃以上であると、熱転写させるためのサーマルヘッドへの印加エネルギーが大きくなり過ぎて、サーマルヘッドの寿命を縮めると共に、昇華転写方式と比較してエネルギー的な優位性が無くなってしまう。また、Tgが40℃以下であると、再転写後、擦りやセロハンテープ剥離により画像の剥がれが発生し易くなり、また熱転写記録媒体の保存に於いても巻取状態の保存でブロッキング等が発生しやすくなる。
【0034】
また、本発明の熱転写記録層に主材料として使用するアクリル樹脂は、好ましくは、重量平均分子量が2000〜50000のものが良い。アクリル樹脂の重量平均分子量が、もし前記下限値よりも低い場合には(2000未満)、擦りに対する画像の耐久性が充分でなく、再転写後の転写画像が擦りやセロハンテープ剥離で画像の剥がれが発生し易いので好ましくない。逆に、もしこの重量平均分子量が、前記上限値よりも高い場合には(50000を超える)、熱転写記録層の箔切れを悪くするために、転写性を悪化させ、得られる画像の解像度が悪くなってしまう。
【0035】
本発明で使用されるアクリル樹脂は、例えば、以下に例示するアクリル系樹脂から、前記Tg及び分子量範囲に含まれるものを適宜選定して用いる事が出来る。 例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリルニトリル、等のアクリル系単量体の単独重合体並びにこれらの共重合体、並びに上記アクリル系単量体の1種または2種以上と共重合可能な他の単量体、例えばスチレン、ブタジエン、等との共重合体が挙げられる。
【0036】
もう一つは平均分子量が10000〜20000の範囲にある塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂である。本発明の熱転写記録層(3)および白色隠蔽層(4)に含有される塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、同様にサーマルヘッド等の熱媒体に対する印画適正と転写記録後の画像の耐久性を考慮すると平均分子量が10,000〜20,000の範囲のものを使用する。
サーマルヘッドを使用して熱転写する場合に前記塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂の平均分子量が20,000以上であると、皮膜強度が強く切れが悪くなりドット再現性および階調性が低下する。また転写感度も悪くなり熱転写させるためのサーマルヘッドへの印加エネルギーが大きくなり過ぎて、サーマルヘッドの寿命を縮めると共に、昇華転写方式と比較してエネルギー的な優位性が無くなってしまう。また、平均分子量が10,000以下であると再転写後の擦りやセロハンテープ剥離で転写画像の剥がれを発生しやすい。
【0037】
また、本発明の熱転写記録層に主材料として使用する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、好ましくは、Tgが60〜80℃のものが良い。Tgが80℃以上の塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂では転写感度も悪くなり熱転写させるためのサーマルヘッドへの印加エネルギーが大きくなり過ぎて、サーマルヘッドの寿命を縮めると共に、昇華転写方式と比較してエネルギー的な優位性が無くなってしまう。また、Tgが60℃以下であると再転写後、擦りやセロハンテープ剥離により画像の剥がれが発生し易くなり、また熱転写記録媒体の保存に於いても巻取状態の保存でブロッキング等が発生しやすくなる。
【0038】
本発明で使用される塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、例えば、以下に例示する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂の中で、分子量及びTg範囲に含まれるものを適宜選定して用いる事が出来る。 例えば、通常の塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂の他に塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルマレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルアクリル酸共重合樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルヒドロキシアクリレート共重合樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコールマレイン酸共重合樹脂等が挙げられる。
【0039】
熱転写記録層(3)に含有される無色又は淡色の微粒子は、熱転写するときの転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等を向上さるせ為に必要な成分であり、無色又は淡色のものを使用するのは、熱転写で形成された着色画像の発色を損なわないようにする為である。このような無色又は淡色の微粒子の例としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、澱粉、酸化亜鉛、テフロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレート樹脂ビーズ、ポリウレタン樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン及びメラミン樹脂ビーズなどを挙げることができる。上記の中では、特に、シリカの微粒子が好ましく更に好ましくは平均粒径が0.1μm以下のシリカが好ましい。
【0040】
熱転写記録層(3)に含有される着色顔料は、公知の種々顔料を用いることができる。一例としては、ブラック単色印字用としてはカーボンブラックが好ましく、多色印字用としては、イエロー、マゼンタ、シアンを形成する顔料及びこの3色の顔料にブラックを加えた4色の顔料を使用する。これら顔料は、1種類もしくは2種類以上組み合わせて使用することも可能である。
【0041】
また、白色隠蔽層に含有される白色顔料は公知の種々顔料を用いることができる。一例としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、カオリン、クレー、酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、ポリエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレート樹脂ビーズ、ポリウレタン樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン及びメラミン樹脂ビーズなどを挙げることができる。1種類もしくは2種類以上組み合わせて使用することも可能である。また、これら白色顔料の中で隠蔽性の良好な顔料が好ましく用いられ、更に好ましくは平均粒径が0.1μm〜1μmの白色顔料が好ましく用いられる。
【0042】
本発明の熱転写記録媒体(1)においては支持体(2)上に熱転写記録層(3)、白色隠蔽層(4)の他に透明な接着層(5)を設けることができる。この接着層(5)を設けることにより、中間転写箔上の受像層上に各色の熱転写記録層(3)を順次転写し画像を形成後、白色隠蔽層(4)を転写し更に接着層(5)を転写してから被転写体へ再転写を行う。
接着層(5)は再転写する部分かそれより大きい面積で全面に転写するため、ドット再現や階調性は不要であり、受像層、熱転写記録層(3)、白色隠蔽層(4)と被転写体とより接着性のよい樹脂を使うことができる。これにより受像層、熱転写記録層(3)、白色隠蔽層(4)と接着が弱い被転写体に対してより強固な転写画像が得られる。
【0043】
本発明の接着層に用いられる樹脂としては熱転写記録層や白色隠蔽層に用いられる樹脂と同一種の非晶質有機重合体に更に被転写体と接着性の良い樹脂を選択して添加できる。
例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂の他に熱可塑性樹脂でニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体の1種又は2種以上の熱可塑性樹脂などである。
接着層の厚みとしては好ましくは、0.1〜5μmである。また樹脂の他には適宜シリコーンオイルやシリコーンパウダー、シリカ等の各種フィラーを添加しても全く問題ない。
【0044】
本発明の熱転写記録媒体においては、白色隠蔽層を任意の位置に転写することで、白色隠蔽層が転写された部分は通常のフルカラー画像を転写でき、白色隠蔽層を転写しない部分では金属光沢を有する被転写体に対しては、メタリック調の画像、透明な被転写体に対しては透明な画像を得ることができる。
【0045】
本発明の熱転写記録媒体の製造方法は、プラスチック等の基体上に各層の材料をそれぞれ水、或いは有機溶剤等に、分散または溶解した組成物を、グラビアコート等のソルベントコート法によって面順次に塗布し、乾燥して熱転写記録層を形成することにより成る。
【0046】
また、支持体(2)の熱転写記録層(3)を設けていない側よりサーマルヘッドを用いて熱を加え、中間転写箔上に熱転写記録層(3)を転写する際に、サーマルヘッドが支持体(2)に付着して熱転写記録媒体(1)のスムーズな走行性を妨害するのを防ぐために、支持体(2)の熱転写記録層(3)が設けられていない側に、バックコート層(6)を設けることが望ましい。
【0047】
このようなバックコート層(6)に用いられる材料としては、ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂等にシリコンオイルを含有させたもの、または、シリコン変性樹脂等を挙げることができる。また、耐熱性を向上させる目的で、架橋剤を併用しても良い。
バックコート層(6)を設ける際の塗布厚は、0.1〜2μm程度が好ましい。
【0048】
以上の如き熱転写記録媒体(1)を用いて、画像を形成する為に使用する中間転写箔としては、上質紙、コート紙等の紙類、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルム、あるいは紙、プラスチックフィルム上に受像層をコーティングしたもの等が挙げられる。
【0049】
ここで使用する受像層は、熱転写記録媒体の熱転写記録層および白色隠蔽層および接着層に共通の用いられるものと同一種の非晶質有機重合体であることが好適である。即ち、同一種の樹脂を受像層として使用することによって、熱転写時に熱転写記録媒体の熱転写記録層が十分に溶融しなくても熱転写時の熱によって熱転写記録層と受像層とが良好に接着し、十分な箔切れを以て印画が成されるため転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等が向上する。更には形成された画像は、耐摩耗性、耐擦過性等の画像耐性に優れたものとなる。また、支持体と受像層の間に剥離力をコントロールする意味での剥離層、再転写後の耐性を向上させる為の保護層、セキュリティ性を持たせるためのホログラム層等を任意の設けてもよい。
【0050】
上記の如き本発明の熱転写記録媒体及び上記の如き中間転写箔を使用して面積階調による階調画像表現を得る際に使用する熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段がいずれも使用することが出来、熱エネルギーをコントロールすることにより、階調画像を得ることが可能となる。
【0051】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、文中部又は%とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
(実施例1)
まず、下記組成の熱転写記録層用インキ組成物を調製した。
(シアンインキ)
フタロシアニンブルー … 9部
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株):エピコート1007)… 20部
※軟化点128℃ エポキシ当量1750〜2200 分子量2900
無色微粒子(シリカ:日本アエロジル(株)製アエロジルR972)… 4部
メチルエチルケトン …67部
(マゼンタインキ)
カーミン6B … 9部
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株):エピコート1007) …20部
※軟化点128℃ エポキシ当量1750〜2200 分子量2900
無色微粒子(シリカ:日本アエロジル(株)製アエロジルR972)… 4部
メチルエチルケトン …67部
(イエローインキ)
ジスアゾイエロー … 9部
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株):エピコート1007) …20部
※軟化点128℃ エポキシ当量1750〜2200 分子量2900
無色微粒子(シリカ:日本アエロジル(株)製アエロジルR972)… 4部
メチルエチルケトン …67部
(白色隠蔽層インキ)
酸化チタン …10部
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株):エピコート1007) …20部
※軟化点128℃ エポキシ当量1750〜2200 分子量2900
メチルエチルケトン …70部
【0052】
上記処方の熱転写記録層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ5.4μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、グラビア印刷機を用い乾燥膜厚がシアン、マゼンタ、イエローは0.6μm、白色隠蔽層は1.5μmになるように長手方向に沿って面順次に繰り返し塗り分けて塗布及び乾燥して本発明の熱転写記録媒体を得た。
【0053】
次に、100μmの易接着ポリエステルフィルムの易接着面に下記の受像層インキを用いて、乾燥膜厚が5μmになるように塗布及び乾燥して、中間転写箔を得た。
(受像層インキ)
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株):エピコート1007) …30部
※軟化点128℃ エポキシ当量1750〜2200 分子量2900
メチルエチルケトン …70部
【0054】
得られた熱転写記録媒体の熱転写記録層面と中間転写箔とを重ね、サーマルヘッドを用いて、サーマルヘッドの発熱部に応じた面積階調による画像をシアン、マゼンタ、イエローの順に順次形成し中間転写箔上に面積階調のみからなるフルカラー画像を形成させることができた。更に画像上に白色隠蔽層を画像上に転写し被転写体(アルミ板)と重ねて中間転写箔の裏面より180℃の熱ロールで加圧することによって画像を転写した。
【0055】
(実施例2)
実施例1の熱転写記録層と白色隠蔽層と下記の接着層を用いて、実施例1と同様に、各インキを裏面に耐熱処理を施した厚さ5.4μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、グラビア印刷機を用い乾燥膜厚がシアン、マゼンタ、イエローは0.6μm、白色隠蔽層は1.5μm、接着層1.0μmになるように長手方向に沿って面順次に繰り返し塗り分けて塗布及び乾燥して本発明の熱転写記録媒体を得た。
【0056】
(接着層インキ)
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株):エピコート1007) …20部
※ 軟化点128℃ エポキシ当量1750〜2200 分子量2900
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株):バイロン200) …10部
メチルエチルケトン …70部
【0057】
得られた熱転写記録媒体を実施例1と同様に中間転写箔に面積階調のみからなるフルカラー画像を形成させ、その画像上に白色隠蔽層を転写し更に接着層を転写して被転写体(アルミ板)と重ねて中間転写箔の裏面より180℃の熱ロールで加圧することによって画像を転写した。
【0058】
以下、下表のように樹脂の種類、比率を変え実施例1,2と同様に熱転写記録媒体と中間転写箔を作成し中間転写箔に画像転写させて被転写体(アルミ板)への再転写を行った。
【0059】
【表1】
【0060】
この表において、組成は重量部を、塗布量は層厚をμmで表している。
【0061】
また、使用した樹脂の球状法軟化点、ガラス転移点、分子量を次表に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
以上のよう構成で得られた被転写物について画質および耐性等の評価を行った。評価結果は次の通りである。
【0064】
【表3】
【0065】
上記の表に示した通り本発明による熱転写記録媒体(実施例1〜6)は、階調再現性において作製したフルカラー画像がハイライト部からシャドウ部まで忠実に再現され高濃度で更に、記録後の画像の耐久性を具備した優れた熱転写記録媒体を得ることができ、本発明の目的が達成された。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、熱転写記録層中に着色顔料とバインダー樹脂と無色の微粒子とを含有させ、サーマルヘッドプリンタで熱転写記録層を受像層が剥離可能な中間転写箔上に熱転写し、面積階調による階調再現性の優れた画像を形成し、その画像上に白色隠蔽層を任意に転写し、更に透明接着層を転写することができ、この画像を形成した受像層を被転写体へ熱による再転写ができる熱転写記録媒体であって、特に金属やガラス等に任意のフルカラー画像が転写でき、転写後の画像の保存性、機械的強度に優れている熱転写記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写シート(熱転写記録媒体)の一実施例を説明するものであり、(A)は平面図、(B)は構成断面図である。
【図2】本発明の熱転写シート(熱転写記録媒体)の別の一実施例を説明するものであり、(A)は平面図、(B)は構成断面図である。
【符号の説明】
1…熱転写記録媒体
2…支持体
3…熱転写記録層
4…白色隠蔽層
5…接着層
6…バックコート層
Claims (7)
- 少なくとも基材の一方に熱により溶融あるいは軟化して転写する熱転写記録層を有する熱転写記録媒体であって、
無色又は淡色の微粒子、着色顔料、および樹脂を主成分とする熱転写記録層が、支持体の長手方向に沿ってシアン、マゼンタ、及びイエローの少なくとも3色および白色隠蔽層および透明な接着層が面順次に繰り返し塗り分けて設けてあり、各色の熱転写記録層を形成する組成物が、その固形分総量100重量部に対して、着色顔料が19〜30重量部、樹脂が40〜80重量部、無色又は淡色の微粒子が1〜30重量部という配合組成で膜厚が0.2〜1.0μmあり、更に各色の熱転写記録層と白色隠蔽層の樹脂が同一種の非晶質有機重合体であり、前記白色隠蔽層を形成する組成物が、その固形分総量100重量部に対して、白色顔料が20〜70重量部、樹脂が30〜80重量部であることを特徴する熱転写記録媒体。 - 前記熱転写記録層および白色隠蔽層中の樹脂が球状法軟化点70〜150℃の範囲にあるエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- 前記熱転写記録層および白色隠蔽層中の樹脂がガラス転移点40〜100℃の範囲にあるアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- 前記熱転写記録層および白色隠蔽層中の樹脂が平均分子量が10,000〜20,000の範囲にある塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- 前記熱転写記録層中の無色又は淡色の微粒子がシリカであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
- 透明接着層が熱転写記録層および白色隠蔽層中の樹脂と同種の樹脂を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
- 請求項1から6に記載の熱転写記録媒体を用いて、少なくとも転写可能な受像層をもつ中間転写媒体に予め印画し、その印画された中間転写媒体の受像層を目的の被転写体に転写することを特徴とする熱転写記録方法。
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