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JP4412070B2 - 画像読み取り装置、画像データの補正方法 - Google Patents

画像読み取り装置、画像データの補正方法 Download PDF

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JP4412070B2 JP2004187052A JP2004187052A JP4412070B2 JP 4412070 B2 JP4412070 B2 JP 4412070B2 JP 2004187052 A JP2004187052 A JP 2004187052A JP 2004187052 A JP2004187052 A JP 2004187052A JP 4412070 B2 JP4412070 B2 JP 4412070B2
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Description

本発明は、原稿に形成された画像を読み取る画像読み取り装置等に係り、より詳しくは、モードによって原稿に照射する光の光量を切り換えて画像を読み取る画像読み取り装置等に関する。
従来、複写機やファクシミリ等の読み取り装置、コンピュータ入力用のスキャナ等として、原稿の画像情報を自動的に読み取る画像読み取り装置が用いられている。この種の画像読み取り装置では、原稿の主走査方向に沿って延設される光源を用いて原稿に光を照射し、照射された原稿から反射した反射光をイメージセンサにて受光することで、原稿上の画像を読み取っている。
近年、読み取り時間の高速化(短時間化)に伴って、読み取りに際してイメージセンサが電荷を蓄積することのできる蓄積時間は短縮化されてきている。その結果、イメージセンサからの出力値は一般的に小さくなり、相対的にノイズの影響が大きくなってしまうという問題が発生している。そこで、このような問題を解決する目的で、光源の光量を多くなるように設定を行うことで、イメージセンサからの出力を大きくする手法が考えられる。ただし、光源の光量を多くした場合、光源による消費電力量も多くなってしまうという問題がある。そこで、画像を読み取る読み取りモードに応じて光源の光量を切り換えることで、所望とする画質を確保しつつ消費電力を抑える技術が提案されている(特許文献1参照。)。
特開2003−162014号公報(第3−4頁、図2)
ところで、上述したような画像読み取り装置では、原稿の主走査方向位置によって光源から照射される光量にばらつきがあったり、また、経時的に光源の光量が変動したりするといった事態が生じ得る。このような光量の変動が生じると、例えばハーフトーンの画像が一様に形成された原稿を読み取った場合に、出力値(出力される画像信号)が光源の光量に応じたばらつきを有する不均一なものとなってしまう。
そこで、光源に対向して原稿の主走査方向に延びる白色の部材(白基準部材)を配置すると共に、この白基準部材に対して光源から光を照射し、白基準部材から反射した反射光をイメージセンサにて受光し、原稿の主走査方向の照度分布に対応する補正用データ(シェーディング補正データ)を予め取得しておく手法が広く用いられている。そして、実際の原稿読み取りを行う際には、原稿を読み取って得られた画像信号を、シェーディング補正データを用いて補正(シェーディング補正)することで、光源の光量分布に起因するむらを除去している。
しかしながら、上記特許文献1のように読み取りモードに応じて光源の光量を変えるような場合には、光源の光量を変更することに伴って、その光量分布のプロファイルが変化してしまうことがあった。このように光量分布のプロファイルが変化してしまうと、ある読み取り条件(光量)下で取得したシェーディング補正データを用いて他の読み取り条件(光量)で得られた画像信号をシェーディング補正することになるため、的確なシェーディング補正を施すことができなくなり、光源の光量分布に起因するばらつきを除去しきれないことがあった。
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、例えばモード等によって原稿に照射する光の光量を切り換えて画像の読み取りを行う場合に、それぞれの光量において光源の光量分布に起因するばらつきを抑制することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される画像読み取り装置は、原稿に光を照射手段で照射し、照射手段により照射される原稿の画像を読み取り手段で読み取り、原稿の画像を読み取るモードに応じて照射手段により照射される光量を光量切換手段で切り換え、光量切換手段により切り換えられる複数の光量に対応する複数のシェーディング補正データを記憶手段で記憶し、光量切換手段による光量の切り替えに応じて記憶手段に記憶される複数のシェーディング補正データにおける一のシェーディング補正データを選択し、読み取り手段により原稿を読み取って得られた画像データに補正手段でシェーディング補正を施す。
ここで、モードは、原稿の画像を白黒画像として読み取る白黒モードとカラー画像として読み取るカラーモードとを含み、光量切換手段は、白黒モードよりもカラーモードにおける光量が多くなるように、照射手段により照射される光の光量を切り換えることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される画像読み取り装置は、原稿に光を照射手段で照射し、照射手段により照射される原稿の画像を読み取り手段で読み取り、原稿の画像を読み取るモードに応じて照射手段により照射される光量を光量切換手段で切り換え、読み取り手段にて原稿の画像を読み取る前に、光量切換手段により切り換えられる光量におけるシェーディング補正データを補正データ取得手段で取得し、読み取り手段により原稿を読み取って得られた画像データに対し補正データ取得手段により取得されたシェーディング補正データを用いて補正手段でシェーディング補正を施す。
ここで、補正データ取得手段は、光量切換手段にて切り換えられる光量に応じて、サンプリング回数を異ならせてシェーディング補正データを取得することを特徴とすることができる。
さらに、他の観点から捉えると、本発明が適用される画像読み取り装置は、原稿に第1の光量または第1の光量とは異なる第2の光量で光を照射する光源と、原稿から反射する反射光を受光するセンサと、センサにて読み取られる基準部材と、第1の光量にてセンサにより基準部材を読み取って得られた第1の補正データおよび第2の光量にてセンサにより基準部材を読み取って得られた第2の補正データを記憶するメモリと、第1の光量にてセンサにより読み取られた原稿の画像データに対してメモリから読み出された第1の補正データを用いて補正を施し、第2の光量にてセンサにより読み取られた原稿の画像データに対してメモリから読み出された第2の補正データを用いて補正を施す補正部とを含んでいる。
ここで、光源は、第1の光量に設定された場合と第2の光量に設定された場合とでその光量分布の形状が異なることを特徴とすることができる。
また、方法のカテゴリから捉えると、本発明は、第1の光量にて照射された基準部材を読み取って第1のシェーディング補正データを取得し、第1の光量とは異なる第2の光量にて照射された基準部材を読み取って第2のシェーディング補正データを取得し、第1の光量にて照射された原稿を読み取る際には第1のシェーディング補正データを用いてシェーディング補正を施し、第2の光量にて照射された原稿を読み取る際には第2のシェーディング補正データを用いてシェーディング補正を施すことを特徴としている。
本発明によれば、原稿に照射する光の光量を切り換えて画像の読み取りを行う場合に、それぞれの光量において光源の光量分布に起因するばらつきを抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
―実施の形態1―
図1は本実施の形態が適用される画像読み取り装置を示した図である。この画像読み取り装置は、大きく、積載された原稿束から原稿を順次、搬送する原稿送り装置10、スキャンによって画像を読み込むスキャナ装置70、および、読み込まれた画像信号を処理する処理装置80に大別される。
原稿送り装置10は、複数枚の原稿からなる原稿束を積載する原稿トレイ11、原稿トレイ11を上昇および下降させるトレイリフタ12を備えている。また、トレイリフタ12により上昇された原稿トレイ11の原稿を搬送するナジャーロール13、ナジャーロール13により搬送された原稿を更に下流側まで搬送するフィードロール14、ナジャーロール13により供給される原稿を1枚ずつ捌くリタードロール15を備えている。最初に原稿が搬送される第1搬送路31には、一枚ずつに捌かれた原稿を下流側のロールまで搬送するテイクアウェイロール16、原稿を更に下流側のロールまで搬送すると共にループ作成を行うプレレジロール17、一旦、停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、原稿読み取り部に対してレジストレーション調整を施しながら原稿を供給するレジロール18、読み込み中の原稿搬送をアシストするプラテンロール19、読み込まれた原稿を更に下流に搬送するアウトロール20を備えている。また、搬送路としての第1搬送路31には、搬送される原稿のループ状態に応じて支点を中心として回動するバッフル41を備えている。更に、プラテンロール19とアウトロール20との間には、読み取り部(第2の読み取り部)としてのCIS(Contact Image Sensor)50を備えている。
アウトロール20の下流側には、第2搬送路32および第3搬送路33が設けられ、これらの搬送路を切り替える搬送路切替ゲート42、読み込みが終了した原稿を積載させる排出トレイ40、排出トレイ40に対して原稿を排出させる第1排出ロール21を備えている。また、第3搬送路33を経由した原稿に対してスイッチバックさせる第4搬送路34、第4搬送路34に設けられ、実際に原稿のスイッチバックを行うインバータロール22およびインバータピンチロール23、第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を再度、プレレジロール17等を備える第1搬送路31に導く第5搬送路35、第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を排出トレイ40に排出する第6搬送路36、第6搬送路36に設けられ、反転排出される原稿を第1排出ロール21まで搬送する第2排出ロール24、第5搬送路35および第6搬送路36の搬送経路を切り替える出口切替ゲート43を備えている。
ナジャーロール13は、待機時にはリフトアップされて退避位置に保持され、原稿搬送時にニップ位置(原稿搬送位置)へ降下して原稿トレイ11上の最上位の原稿を搬送する。ナジャーロール13およびフィードロール14は、フィードクラッチ(図示せず)の連結によって原稿の搬送を行う。プレレジロール17は、停止しているレジロール18に原稿先端を突き当ててループを作成する。レジロール18では、ループ作成時に、レジロール18に噛み込んだ原稿先端をニップ位置まで戻している。このループが形成されると、バッフル41は支点を中心として開き、原稿のループを妨げることのないように機能している。また、テイクアウェイロール16およびプレレジロール17は、読み込み中におけるループを保持している。このループ形成によって、読み込みタイミングの調整が図られ、また、読み込み時における原稿搬送に伴うスキューを抑制して、位置合わせの調整機能を高めることができる。読み込みの開始タイミングに合わせて、停止されていたレジロール18が回転を開始し、プラテンロール19によって、第2プラテンガラス72B(後述)に押圧されて、下面方向から画像データが読み込まれる。
搬送路切替ゲート42は、片面原稿の読み取り終了時、および両面原稿の両面同時読み取りの終了時に、アウトロール20を経由した原稿を第2搬送路32に導き、排出トレイ40に排出するように切り替えられる。一方、この搬送路切替ゲート42は、両面原稿の順次読み取り時には、原稿を反転させるために、第3搬送路33に原稿を導くように切り替えられる。インバータピンチロール23は、両面原稿の順次読み取り時に、フィードクラッチ(図示せず)がオフの状態でリトラクトされてニップが開放され、原稿をインバータパス(第4搬送路34)へ導いている。その後、このインバータピンチロール23はニップされ、インバータロール22によってインバートする原稿をプレレジロール17へ導き、また、反転排出する原稿を第6搬送路36の第2排出ロール24まで搬送している。
スキャナ装置70は、上述した原稿送り装置10を備えることができると共に、この原稿送り装置10を装置フレーム71によって支え、また、原稿送り装置10によって搬送された原稿の画像読み取りを行っている。このスキャナ装置70は、第1の筐体を形成する装置フレーム71に、画像を読み込むべき原稿を静止させた状態で載置する第1プラテンガラス(プラテンガラス)72A、原稿送り装置10によって搬送中の原稿を読み取るための光の開口部を形成する第2プラテンガラス72Bが設けられている。なお、本実施の形態では、スキャナ装置70に対して原稿送り装置10が奥側を支点に揺動自在に取り付けられており、第1プラテンガラス72A上に原稿をセットする際には、原稿送り装置10を持ち上げて原稿を載置し、その後、原稿送り装置10をスキャナ装置70側に降ろして押し付けるようになっている。
また、第1の読み取り部としてのスキャナ装置70は、第2プラテンガラス72Bの下に静止し、および第1プラテンガラス72Aの全体に亘ってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ73、フルレートキャリッジ73から得られた光を像結合部へ提供するハーフレートキャリッジ75を備えている。フルレートキャリッジ73には、原稿に光を照射する照射手段あるいは光源としての照明ランプ74、原稿から得られた反射光を受光する第1ミラー76Aが備えられている。更に、ハーフレートキャリッジ75には、第1ミラー76Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー76Bおよび第3ミラー76Cが備えられている。更に、スキャナ装置70は、第3ミラー76Cから得られた光学像を光学的に縮小する結像用レンズ77、結像用レンズ77によって結像された光学像を光電変換する読み取り手段あるいはセンサとしてのCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ78、CCDイメージセンサ78を備える駆動基板79を備え、CCDイメージセンサ78によって得られた画像信号は駆動基板79を介して処理装置80に送られる。
ここで、まず、第1プラテンガラス72Aに載置された原稿の画像を読み取る場合には、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とが、2:1の割合でスキャン方向(矢印方向)に移動する。このとき、フルレートキャリッジ73の照明ランプ74の光が原稿の被読み取り面に照射されると共に、その原稿からの反射光が第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cの順に反射されて結像用レンズ77に導かれる。結像用レンズ77に導かれた光は、CCDイメージセンサ78の受光面に結像される。CCDイメージセンサ78は1次元のセンサであり、1ライン分を同時に処理している。このライン方向(スキャンの主走査方向)の1ラインの読み取りが終了すると、主走査方向とは直交する方向(副走査方向)にフルレートキャリッジ73を移動させ、原稿の次のラインを読み取る。これを原稿サイズ全体に亘って実行することで、1ページの原稿読み取りを完了させる。
一方、第2プラテンガラス72Bは、例えば長尺の板状構造をなす透明なガラスプレートで構成される。原稿送り装置10によって搬送される原稿がこの第2プラテンガラス72Bの上を通過する。このとき、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とは、図1に示す実線の位置に停止した状態にある。まず、原稿送り装置10のプラテンロール19を経た原稿の1ライン目の反射光が、第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cを経て結像用レンズ77にて結像され、CCDイメージセンサ78によって画像が読み込まれる。即ち、1次元のセンサであるCCDイメージセンサ78によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、原稿送り装置10によって搬送される原稿の次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。原稿の先端が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置に到達した後、原稿が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って1ページの読み取りが完了する。
本実施の形態では、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とを停止させ、第2プラテンガラス72BにてCCDイメージセンサ78により原稿の第1面の読み取りを行う原稿の搬送時に、同時(時間の完全一致ではなく、同一の原稿搬送時程度の意味) にCIS50によって、原稿の第2面の読み取りを行うことが可能である。即ち、CCDイメージセンサ78とCIS50とを用いて、搬送路への原稿の一度の搬送で、この原稿における表裏両面の画像を読み取ることを可能としている。
図2は、CIS50を用いた読み取り構造を説明するための図である。図2に示すように、CIS50は、プラテンロール19とアウトロール20との間に設けられる。原稿の片面(第1面)は、第2プラテンガラス72Bに押し当てられ、この第1面の画像はCCDイメージセンサ78にて読み込まれる。一方、CIS50では、原稿を搬送する搬送路を介して対向する他方の側から、片面(第2面)の画像が読み込まれる。このCIS50は、ハウジング50aと、このハウジング50aの搬送路側に形成された開口に装着されるガラス51と、このガラス51を透過して原稿の第2面に光を照射するLED(Light Emitting Diode)アレイ52と、LEDアレイ52からの反射光を集光するセルフォックレンズ(登録商標)53と、このセルフォックレンズ53により集光された光を読み取るラインセンサ54を備えている。ラインセンサ54としては、CCDやCMOSセンサ、密着型センサ等を用いることができ、実寸幅(例えばA4長手幅297mm)の画像を読み取ることが可能である。CIS50では、縮小光学系を用いずに、セルフォックレンズ53とラインセンサ54を用いて画像の取り込みを行うことから、構造をシンプルにすることができ、且つ、筐体を小型化し、消費電力を低減することができる。尚、カラー画像を読み込む場合には、LEDアレイ52にR(赤)G(緑)B(青)の3色のLED光源を組み合わせるかあるいは白色のLED光源を用い、ラインセンサ54としてRGB3色用の3列一組のセンサを用いれば良い。
また、CIS50による画像読み取りに際して、この読み取り部を構成する搬送路に、CIS50のハウジング50aに対して原稿の搬送方向上流側に突出する突出部50bから原稿の搬送方向下流側に向かって延びる制御部材55、搬送される原稿が突き当てられる対向部材としての突き当て部材60を備えている。ここで、制御部材55はCIS50を介して原稿送り装置10(図1参照)に取り付けられているが、突き当て部材60はスキャナ装置70(図1参照)に取り付けられている。また、この突き当て部材60の下流側にはガイド61が設けられ、このガイド61と突き当て部材60との間には開口部63を構成し、更に、ガイド61の下部であって開口部63に連続する箇所には、原稿の表面に付着してきたごみや汚れを溜めるごみ溜め部62が設けられている。制御部材55および突き当て部材60は、原稿の搬送路に直交する方向に(即ち、原稿送り装置10の前面から後面の方向に)、原稿送り装置10の前面から後面まで、搬送路の位置に対応して設けられている。
ここで、制御部材55は、上述した突出部50bに取り付けられたねじからなる回転軸551と、この回転軸551に対して一端が巻き回されることにより揺動可能に支持されると共に、他端である自由端が突き当て部材60に向かって延びる板状の案内部材としてのガイド部材552と、回転軸551に対して巻き回され、一方のアームの端部が突出部50bに形成された穿孔50cに挿入され、もう一方のアームの端部がガイド部材552を突き当て部材60方向に向けて付勢するように配置されるねじりバネ553とを有している。ここで、突出部50bは原稿の搬送路に直交する方向の両端部に二箇所設けられており、回転軸55およびねじりバネ553もこれに対応して両端部に二箇所に設けられている。一方、ガイド部材552は、原稿の搬送路に直交する方向の前面から後面まで設けられている。
本実施の形態において、ガイド部材552は、例えばSUS等の金属製の板金(金属板)で構成される。また、ガイド部材552の自由端側はCIS50による読み取り位置の近傍、具体的には、読み取り位置より原稿の搬送方向上流側3mmの位置まで延びている。さらに、ガイド部材552の自由端側つまり原稿と接触する部位には、ヘミング曲げされた折り部552aが設けられており、この折り部552aを設けることにより、搬送されてくる原稿と接触する際における紙粉等の発生を防止できるようになっている。そして、ガイド部材552を金属製の板金で構成すると共にねじりバネ553によって撓み自在とすることで、搬送されてくる原稿の厚み分を吸収できると共に、折り曲げ後のついた原稿であっても安定して搬送できるようになっている。
一方、突き当て部材60は、原稿の搬送方向上流側に設けられ、搬送される原稿を案内する原稿搬送面60aと、原稿搬送面60aよりも原稿の搬送方向下流側に原稿搬送面60aよりも一段下げて形成される段差面60bとを有している。また、この段差面60bは、セルフォックレンズ53による光のフォーカスポイントの延長線と対向するように形成されており、段差面60b上には、二次区延伸ポリエステルフィルムからなる白基準テープ64が貼り付けられている。したがって、白基準テープ64は、突き当て部材60を介してスキャナ装置70に取り付けられていることになる。本実施の形態では、白基準テープ64の上面が搬送路に露出した状態で配置されており、白基準テープ64の上面は、原稿搬送面60aの上面よりもわずかに奥側(搬送路から離れる側)に位置している。また、突き当て部材60の搬送路側(上部)であって白基準テープ64に対して原稿の搬送方向に直交する方向の両端部には、図中破線で示すように、原稿搬送方向に向かって延びる間隙形成手段としてのリブ65が形成されている。このリブ65は、突き当て部材60と共に樹脂により一体的に形成されており、リブ65の高さは搬送されてくる原稿の厚さを勘案して、0.1〜1.0mmの範囲より適宜設定される。なお、リブ65の高さは使用される頻度が高い原稿の厚さよりもわずかに大きいことが好ましい。そして、このリブ65に対してねじりバネ553により付勢されたガイド部材552が当接することにより、ガイド部材552と突き当て部材60の原稿搬送面60aとの間に、原稿が搬送される前の状態で、リブ65の高さに応じた0.1〜1.0mmの隙間が形成されることになる。
また、突き当て部材60の下側であって、第1プラテンガラス72Aの上部側には、この第1プラテンガラス72Aに密着するように取り付けられる基準部材としての白基準板66が設けられている。
ここで、CIS50は、光学結像レンズにセルフォックレンズ53を採用していることから、焦点(被写界)震度が±0.3mm程度と浅く、スキャナ装置70を用いた場合に比べて約1/13以下の深度となっている。CIS50による読み取りに際しては、原稿の読み取り位置を所定の狭い範囲内に収めることが要求される。そこで、本実施の形態では、制御部材55を設け、原稿を制御部材55によって突き当て部材60に押し当てて搬送し、プラテンロール19とアウトロール20との間にある原稿の姿勢を安定的に制御できるように構成した。図2に示す一点鎖線矢印は、制御部材55を設けた場合の原稿の動きを示したものである。搬送される原稿が突き当て部材60に押し当てられながら搬送されることが理解される。すなわち、制御部材55によって、搬送される原稿を突き当て部材60に押し当てた状態で読み取ることで、被写界深度の浅いCIS50を用いた場合におけるピントの甘さを改善している。
次に、図1に示す処理装置80について説明する。
図3は、処理装置80を説明するためのブロック図である。本実施の形態が適用される処理装置80は、大きく、センサ(CCDイメージセンサ78およびCIS50)から得られた画像情報を処理する信号処理部81と、原稿送り装置10およびスキャナ装置70を制御する制御部90とを備えている。信号処理部81は、原稿の表面(第1面)を読み取るCCDイメージセンサ78および裏面(第2面)を読み取るCIS50のラインセンサ54からの各々の出力に対して所定の画像処理を施している。この信号処理部81には、入力されてくるディジタル信号に対してシェーディング補正やオフセット補正等の各種処理を施す画像処理回路が2系統備えられており、CCDイメージセンサ78によって読み取られた表面(第1面)の画像データに対して画像処理を施す第1画像処理回路100、CIS50によって読み取られた裏面(第2面)の画像データに対して画像処理を施す第2画像処理回路200を備えている。これら画像処理回路からの出力は、例えばプリンタ等のIOT(Image Output Terminal)や、パーソナルコンピュータ(PC)等のホストシステムへ出力される。
一方、制御部90は、各種両面読み取りの制御や片面読み取りの制御等を含め、原稿送り装置10およびスキャナ装置70の全体を制御する画像読み取りコントロール91、CCDイメージセンサ78およびCIS50を制御するCCD/CISコントロール92、読み取りタイミングに合わせてCIS50のLEDアレイ52やフルレートキャリッジ73の照明ランプ74を制御する光量切換手段としてのランプコントロール93、スキャナ装置70におけるモータのオン/オフなどを行いフルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とのスキャン動作を制御するスキャンコントロール94、原稿送り装置10におけるモータの制御、各種ロールの動作やフィードクラッチの動作、ゲートの切り替え動作等を制御する搬送機構コントロール95を備えている。これらの各種コントロールからは、原稿送り装置10およびスキャナ装置70に対して制御信号が出力され、かかる制御信号に基づいて、これらの動作制御が可能となる。画像読み取りコントロール91は、ホストシステムからの制御信号や、例えば自動選択読み取り機能に際して検出されるセンサ出力、ユーザからの選択等に基づいて、読み取りモードを設定し、原稿送り装置10およびスキャナ装置70を制御している。このような読み取りモードとしては、1パス(反転なし)による両面同時読み取りモード、反転パスを用いた反転両面読み取りモード、1パスによる片面読み取りモード等の原稿流し読み取り、あるいは、第1プラテンガラス72A上に原稿を載置して読み取る原稿固定読み取りが考えられる。
図4は、上述した第1画像処理回路100の機能をさらに詳述したブロック図である。本実施の形態では、CCDイメージセンサ78から、RED、GREEN、BLUEの三色の画像信号が、それぞれ、ODD、EVENに分割されて出力されてくる。すなわち、RED、GREEN、BLUE各色の画像信号を奇数(ODD)画素と偶数(EVEN)画素とにそれぞれ振り分けて並列に出力することで、CCDイメージセンサ78から第1画像処理回路100へのデータ転送速度を高速化している。
第1画像処理回路100は、CCDイメージセンサ78から出力されてくる各画像信号(RED_ODD出力、RED_EVEN出力、GREEN_ODD出力、GREEN_EVEN出力、BLUE_ODD出力、BLUE_EVEN出力)に対してサンプルホールドを行うサンプルホールド回路101(具体的には101a〜101f)、各画像信号を所定の出力レベルまで増幅する増幅回路102(具体的には102a〜102f)、アナログ信号である各画像信号をディジタル信号に変換するA/D変換回路103(具体的には103a〜103f)、ディジタル信号に変換された各色のODD、EVEN信号(RED_ODDおよびRED_EVEN、GREEN_ODDおよびGREEN_EVEN、BLUE_ODDおよびBLUE_EVEN)をそれぞれ合成する合成回路104(具体的には104a〜104c)、合成された各色の画像信号にシェーディング補正を施すシェーディング補正回路105(105a〜105c)、BLUE、REDのライン間隔分だけREDの画像信号を遅延させ、また、BLUE、GREENのライン間隔分だけGREENの画像信号を遅延させることでBLUEのタイミングにRED、GREENを一致させる遅延回路106(具体的には106a、106b)、RGB各色の画像信号に対して画像処理を施す画像処理回路107、を有している。ここで、画像処理回路107は、入力されてくるRGB各色の画像信号に対して、例えば色空間変換処理、拡大縮小処理、地肌除去処理、2値化処理等の画像処理を施す。なお、CCDイメージセンサ78を用いて白黒読み取りを行う場合には、読み取られたRGB3色の画像信号に基づき、画像処理回路107において白黒画像データの生成を行う。
図5は、上述した第1画像処理回路100のうち、シェーディング補正回路105をさらに詳述したブロック図である。シェーディング補正回路105は、合成回路104から入力されてくる各色の画像信号に対し、CCDイメージセンサ78の感度のばらつきや照明ランプ74の光量分布特性に応じた補正を施す。このシェーディング補正回路105は、合成回路104からパスAを介して入力される画像信号に対してシェーディング補正を施した後、パスBを介して出力する補正手段あるいは補正部としてのシェーディング補正処理回路111と、白基準板66を読み取って得られ、合成回路104からパスCを介して入力される1ライン分のシェーディングデータを保持し、この保持したシェーディングデータを第1の外部メモリ121あるいは第2の外部メモリ122に転送することが可能なシェーディング補正用メモリ112とを備えている。また、第1の外部メモリ121あるいは第2の外部メモリ122に保持されたシェーディングデータは、逆にシェーディング補正用メモリ112に転送することもできる。そして、シェーディング補正処理回路111は、パスDを介して、シェーディング補正用メモリ112に保持されたシェーディングデータを読み出し、パスAを介して入力されてくる画像信号に対しシェーディング補正を施す。ここで、第1の外部メモリ121および第2の外部メモリ122には、後述するように、それぞれ異なる光量において採取されたシェーディングデータが格納されており、記憶手段あるいはメモリとして機能している。
なお、本実施の形態において、CIS50は、白黒読み取り専用に設定されている。このため、第2画像処理回路200は、第1画像処理回路100とは異なり、CIS50からODD、EVENに分割されて出力されてくる白黒(B/W)の画像信号を処理する回路を有しており、RGBの3色の画像信号を処理する回路は有していない。
次に、上述したCCDイメージセンサ78を用いた、原稿の画像読み取りについて説明する。本実施の形態に係る画像読み取り装置では、原稿に形成された画像をカラー画像として読み取るモード(以下、カラーモードという)と白黒画像として読み取るモード(以下、白黒モードという)とで、読み取り速度(スキャン速度)を異ならせている。具体的には、例えば第1プラテンガラス72A上に載置された原稿の画像を読み取る固定読み取りの場合には、フルレートキャリッジ73およびハーフレートキャリッジ75の移動速度を異ならせ、原稿送り装置10によって搬送される原稿の画像を読み取る流し読み取りの場合には、原稿送り装置10による原稿の搬送速度を異ならせている。すなわち、高画質が要求されるカラーモードに対し、高速性が要求される白黒モードでは、カラーモードよりも高速なスキャン速度で読み取りを行っている。また、カラーモードでは、照明ランプの光量を多くすることによりS/N比を改善して高画質を確保する一方、白黒モードでは、照明ランプの光量をカラーモードよりも少なくすることにより消費電力の低減を図っている。そして、本実施の形態に係る画像読み取り装置では、カラーモードと白黒モードとでシェーディング補正で使用するシェーディングデータを異ならせることにより、光源の光量に応じたシェーディング補正を施すようになっている。
図6は、本実施の形態に係る画像読み取り装置において、CCDイメージセンサ78側のシェーディングデータを取得するための処理の流れを示している。
まず、この画像読み取り装置の電源が投入されると(ステップ101)、ランプコントロール93は、照明ランプ74を、白黒モードにおける光量に設定する(ステップ102)。次いで、スキャンコントロール94によって、フルレートキャリッジ73が白基準板66の下部に位置するように、フルレートキャリッジ73およびハーフレートキャリッジ75が移動せしめられる。そして、白黒モードにおける光量に設定された照明ランプ74によって照射され、白基準板66から反射した反射光がCCDイメージセンサ78に入射し、白黒モードの光量における白基準板66の読み取り画像データが得られる。この白基準板66の読み取り画像データ(白黒用シェーディングデータ、第1の補正データ)は、第1画像処理回路100に入力され、A/D変換等所定の処理が施された後、シェーディング補正回路105のシェーディング補正用メモリ112に一旦、保持される(ステップ103)。次に、シェーディング補正用メモリ112に保持された白黒用シェーディングデータを第1の外部メモリ121に転送して第1の外部メモリ121内に保持させる(ステップ104)。
なお、白黒モードでは、上述したようにカラーモードと比較して照明ランプ74の光量を少なくしているため、ノイズ分が入りやすくS/N比が低下しやすい。そこで、ステップ103では、白基準板66の同一位置を16回読み取り、その平均を取ることで白黒用シェーディングデータを得ている。また、白基準板66の読み取り位置が常に同一であると、白基準板66に付着したごみや埃の影響を取り除くことができない。そこで、本実施の形態では、CCDイメージセンサ78によって白基準板66の同一位置を16回読み取った後、フルレートキャリッジ73およびハーフレートキャリッジ75をわずかに動かして、今度は白基準板66の別の同一位置を16回読み取り、その平均を取ることで他の白黒用シェーディングデータを得ている。そして、得られた二つの白黒用シェーディングデータのうちノイズが少ない方を選択することで、良好な白黒用シェーディングデータを得ている。
次に、ランプコントロール93は、照明ランプ74を、カラーモードにおける光量に設定する(ステップ105)。そして、カラーモードにおける光量に設定された照明ランプ74によって照射され、白基準板66から反射した反射光がCCDイメージセンサ78に入射し、カラーモードの光量における白基準板66の読み取り画像データが得られる。この白基準板66の読み取りデータ(カラー用シェーディングデータ、第2の補正データ)は、第1画像処理回路100に入力され、A/D変換等所定の処理が施された後、シェーディング補正回路105のシェーディング補正用メモリ112に一旦、保持される(ステップ106)。次に、シェーディング補正用メモリ112に保持されたカラー用シェーディングデータを第2の外部メモリ122に転送して第2の外部メモリ122内に保持させる(ステップ107)。
そして、白黒用シェーディングデータおよびカラー用シェーディングデータを取得した後、動作を一旦終了し、実際の画像読み取りが開始されるまで待機状態に入る。
なお、カラーモードでは、白黒モードと比較して照明ランプ74の光量を多くしているため、ノイズ分が入りにくくS/N比も低下しにくい。そこで、ステップ106では、白基準板66の同一位置を8回(白黒モードの半分)読み取り、その平均を取ることでカラー用シェーディングデータを得ている。また、白黒モードと同様、白基準板66の二箇所でカラー用シェーディングデータの取得を行い、白基準板66に付着したごみや埃の影響を取り除いている。
図7は、本実施の形態に係る画像読み取り装置において、CCDイメージセンサ78によって原稿の画像を読み取る処理の流れを示している。
CCDイメージセンサ78を用いた画像読み取りの指示があると(ステップ201)、まず、読み取りモードが白黒モードであるか否かが判断される(ステップ202)。ステップ202において、読み取りモードが白黒モードである場合、ランプコントロール93は、照明ランプ74を、白黒モードにおける光量に設定する(ステップ203)。また、第1画像処理回路100のシェーディング補正回路105では、第1の外部メモリ121に格納された白黒用シェーディングデータをシェーディング補正用メモリ112に転送する(ステップ204)。次いで、シェーディング補正用メモリ112に保持されたシェーディングデータ(白黒用シェーディングデータ)は、シェーディング補正処理回路111に出力される(ステップ205)。その後、CCDイメージセンサ78による画像読み取りが開始される(ステップ206)。白黒モードの場合、シェーディング補正回路105のシェーディング補正処理回路111では、CCDイメージセンサ78から入力されてくるRGB各色の画像信号を、白黒用シェーディングデータを用いてシェーディング補正を施して出力する。
一方、ステップ202において、読み取りモードがカラーモードである場合、ランプコントロール93は、照明ランプ74をカラーモードにおける光量に設定する(ステップ207)。また、第1画像処理回路100のシェーディング補正回路105では、第2の外部メモリ122に格納されたカラー用シェーディングデータをシェーディング補正用メモリ112に転送する(ステップ208)。次いで、シェーディング補正用メモリ112に保持されたシェーディングデータ(カラー用シェーディングデータ)は、シェーディング補正処理回路111に出力される(ステップ205)。その後、CCDイメージセンサ78による画像読み取りが開始される(ステップ206)。カラーモードの場合、シェーディング補正回路105のシェーディング補正処理回路111では、CCDイメージセンサ78から入力されてくるRGB各色の画像信号を、カラー用シェーディングデータを用いてシェーディング補正を施して出力する。
なお、ステップ201において、画像読み取りの指示が固定読み取りである場合には、フルレートキャリッジ73が第1プラテンガラス72Aの副走査方向端部側の下部に移動せしめられ、その後、ステップ206においてフルレートキャリッジ73が第1プラテンガラス72Aの下部を副走査方向に移動することによって読み取りが行われる。一方、ステップ201において、画像読み取りの指示が流し読み取りである場合には、フルレートキャリッジ73が第2プラテンガラス75の下部に移動せしめられ、その後、ステップ206において同じ位置に固定された状態で読み取りが行われる。
図8は、本実施の形態で用いた照明ランプ74の主走査方向の位置とその光量との関係であって、白黒モードおよびカラーモードにおける光量分布を共に示している。
上述したように、カラーモードの場合は、白黒モードの場合よりも光量が多くなるように設定される。これは、具体的には、照明ランプ74に供給する電流の電流値を大きくすることによってなされる。ここで、図8には、白黒モードにおける光量分布に重ね合わせるように、カラーモードにおける光量分布の形状を示しているが、白黒モードにおける光量分布とカラーモードにおける光量分布の形状とでは、若干異なる部位があることがわかる。つまり、照明ランプ74の光量によって、その光量分布の形状が変わってしまうのである。このため、例えば白黒モードにおいて、カラー用シェーディングデータを用いてシェーディング補正を行った場合、この例では、主走査方向中央部では弱めのシェーディング補正が施されるの対し、主走査方向両端部では強めのシェーディング補正が施されることになってしまい、得られる画像データにおいて主走査方向にむらが生じてしまうことになる。
これに対し、本実施の形態では、照明ランプ74の光量が異なる白黒モードとカラーモードとで、異なるシェーディングデータ(白黒用シェーディングデータ、カラー用シェーディングデータ)を予め取得しておき、モードに応じて、シェーディング補正に使用するシェーディングデータを選択するようにした。つまり、カラーモードでは図8に示すカラーモードにおける光量分布に対応したシェーディングデータを用いてシェーディング補正を施し、白黒モードでは図8に示す白黒モードにおける光量分布に対応したシェーディングデータを用いてシェーディング補正を施すようにした。これにより、照明ランプ74の光量を異ならせることに伴って主走査方向の照度分布の形状が変わるような場合であっても、白黒モードおよびカラーモードの両モードにおいて、共に正確なシェーディング補正を施すことができるようになり、得られる画像データにおけるむらの発生を抑制することが可能になる。
なお、本実施の形態では、白黒用シェーディングデータを第1の外部メモリ121に、カラー用シェーディングデータを第2の外部メモリ122にそれぞれ格納するようにしていたが、これに限られるものではなく、一つの外部メモリに白黒用シェーディングデータおよびカラー用シェーディングデータを共に格納するようにしてもよい。また、本実施の形態では、照明ランプ74の光量を異ならせるモードとして白黒モードおよびカラーモードを挙げていたが、これに限られるものではなく、また3モード以上であってもよい。さらに、本実施の形態では、CCDイメージセンサ78を用いて読み取りを行う例について説明を行ったが、これに限られるものではなくCIS50を用いて読み取りを行う場合にも適用可能である。さらにまた、本実施の形態では、照明ランプ74の光量を異ならせる例について説明を行ったが、例えば光源としてLEDを採用することも可能である。
―実施の形態2―
本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、画像読み取りを行う前に予め白黒用シェーディングデータおよびカラー用シェーディングデータを取得しておくのではなく、画像を読み取るモードに応じて、読み取りを開始する直前にモードに対応したシェーディングデータ(本実施の形態では白黒用シェーディングデータまたはカラー用シェーディングデータ)を取得するようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9は、本実施の形態に係る第1画像処理回路100のうち、シェーディング補正回路105を詳述したブロック図である。本実施の形態では、シェーディングデータを格納するためのメモリとして、シェーディング補正用メモリ112のみが設けられており、実施の形態1で用いた外部メモリは設けられていない。
次に、CCDイメージセンサ78を用いた、原稿の画像読み取りについて説明する。
図10は、本実施の形態に係る画像読み取り装置において、CCDイメージセンサ78側のシェーディングデータの取得およびCCDイメージセンサ78によって原稿の画像を読み取る処理の流れを示している。
CCDイメージセンサ78を用いた画像読み取りの指示があると(ステップ301)、まず、読み取りモードが白黒モードであるか否かが判断される(ステップ302)。ステップ302において、読み取りモードが白黒モードである場合、ランプコントロール93は、照明ランプ74を、白黒モードにおける光量に設定する(ステップ303)。次いで、スキャンコントロール94によって、フルレートキャリッジ73が白基準板66の下部に位置するように、フルレートキャリッジ73およびハーフレートキャリッジ75が移動せしめられる。そして、白黒モードにおける光量に設定された照明ランプ74によって照射され、白基準板66から反射した反射光がCCDイメージセンサ78に入射し、白黒モードの光量における白基準板66の読み取り画像データが得られる。この白基準板66の読み取り画像データ(白黒用シェーディングデータ)は、第1画像処理回路100に入力され、A/D変換等所定の処理が施された後、補正データ取得手段としてのシェーディング補正回路105のシェーディング補正用メモリ112に保持される(ステップ304)。そして、シェーディングメモリ112に保持されたシェーディングデータ(白黒用シェーディングデータ)は、シェーディング補正処理回路111に出力される(ステップ305)。その後、CCDイメージセンサ78による画像読み取りが開始される(ステップ306)。白黒モードの場合、シェーディング補正回路105のシェーディング補正処理回路111では、CCDイメージセンサ78から入力されてくるRGB各色の画像信号を、白黒用シェーディングデータを用いてシェーディング補正を施して出力する。
ここで、白黒モードでは、上述したようにカラーモードと比較して照明ランプ74の光量を少なくしているため、ノイズ分が入りやすくS/N比が低下しやすい。そこで、ステップ304では、白基準板66の同一位置を16回読み取り、その平均を取ることで白黒用シェーディングデータを得ている。また、白基準板66の読み取り位置が常に同一であると、白基準板66に付着したごみや埃の影響を取り除くことができない。そこで、本実施の形態では、CCDイメージセンサ78によって白基準板66の同一位置を16回読み取った後、フルレートキャリッジ73およびハーフレートキャリッジ75をわずかに動かして、今度は白基準板66の別の同一位置を16回読み取り、その平均を取ることで他の白黒用シェーディングデータを得ている。そして、得られた二つの白黒用シェーディングデータのうちノイズが少ない方を選択することで、良好な白黒用シェーディングデータを得ている。
一方、ステップ302において、読み取りモードがカラーモードである場合、ランプコントロール93は、照明ランプ74を、カラーモードにおける光量に設定する(ステップ307)。次いで、スキャンコントロール94によって、フルレートキャリッジ73が白基準板66の下部に位置するように、フルレートキャリッジ73およびハーフレートキャリッジ75が移動せしめられる。そして、カラーモードにおける光量に設定された照明ランプ74によって照射され、白基準板66から反射した反射光がCCDイメージセンサ78に入射し、カラーモードの光量における白基準板66の読み取り画像データが得られる。この白基準板66の読み取り画像データ(カラー用シェーディングデータ)は、第1画像処理回路100に入力され、A/D変換等所定の処理が施された後、シェーディング補正回路105のシェーディング補正用メモリ112に保持される(ステップ308)。そして、シェーディング補正用メモリ112に保持されたシェーディングデータ(カラー用シェーディングデータ)は、シェーディング補正処理回路111に出力される(ステップ305)。その後、CCDイメージセンサ78による画像読み取りが開始される(ステップ306)。カラーモードの場合、シェーディング補正回路105のシェーディング補正処理回路111では、CCDイメージセンサ78から入力されてくるRGB各色の画像信号を、カラー用シェーディングデータを用いてシェーディング補正を施して出力する。
ここで、カラーモードでは、白黒モードと比較して照明ランプ74の光量を多くしているため、ノイズ分が入りにくくS/N比も低下しにくい。そこで、ステップ308では、白基準板66の同一位置を8回(白黒モードの半分)読み取り、その平均を取ることでカラー用シェーディングデータを得ている。また、白黒モードと同様、白基準板66の二箇所でカラー用シェーディングデータの取得を行い、白基準板66に付着したごみや埃の影響を取り除いている。
このように、本実施の形態では、照明ランプ74の光量が異なる白黒モードとカラーモードとで、画像の読み取りを行う直前に照明ランプ74をモードに応じた光量に設定してからシェーディングデータ(白黒用シェーディングデータまたはカラー用シェーディングデータ)を取得するようにしたので、実施の形態1で説明した効果に加え、シェーディング補正用メモリ112の他に外部メモリを設ける必要がなくなり、装置の小型化、低コスト化を図ることが可能になる。
また、本実施の形態では、画像の読み取りを行う直前にシェーディングデータを取得しているが、その際、画像を読み取るモードが白黒モードであるかあるいはカラーモードであるかによって、シェーディングデータ(白黒用シェーディングデータ、カラー用シェーディングデータ)を取得する際のサンプリング回数を異ならせるようにした。これにより、光量が少なく設定される白黒モードではサンプリング回数を多くすることによりより正確なシェーディングデータが得られ、光量が白黒モードよりも多く設定されるカラーモードではサンプリング回数を少なくすることにより高速化を図ることが可能になる。
本実施の形態が適用される画像読み取り装置を示した図である。 CISおよびCIS近傍の構造を説明するための図である。 処理装置を説明するためのブロック図である。 第1画像処理回路の構成を詳述したブロック図である。 実施の形態1におけるシェーディング補正回路の構成を詳述したブロック図である。 CCDイメージセンサ側のシェーディングデータを取得するための処理の流れを示すフローチャートである。 CCDイメージセンサによって原稿の画像を読み取る処理の流れを示す図である。 本実施の形態で用いた照明ランプの主走査方向の位置とその光量との関係を説明するフローチャートである。 実施の形態2におけるシェーディング補正回路の構成を詳述したブロック図である。 CCDイメージセンサ側のシェーディングデータの取得およびCCDイメージセンサによって原稿の画像を読み取る処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10…原稿送り装置、50…CIS、51…ガラス、52…LEDアレイ、53…セルフォックレンズ、54…ラインセンサ、60…突き当て部材、64…白基準テープ、66…白基準板、70…スキャナ装置、72A…第1プラテンガラス、72B…第2プラテンガラス、73…フルレートキャリッジ、74…照明ランプ、75…ハーフレートキャリッジ、77…結像用レンズ、78…CCDイメージセンサ、80…処理装置、81…信号処理部、90…制御部、91…画像読み取りコントロール、92…CCD/CISコントロール、93…ランプコントロール、94…スキャンコントロール、95…搬送機構コントロール、100…第1画像処理回路、101…サンプルホールド回路、102…増幅回路、103…A/D変換回路、104…合成回路、105…シェーディング補正回路、106…遅延回路、107…画像処理回路、111…シェーディング補正処理回路、112…シェーディング補正用メモリ、121…第1の外部メモリ、122…第2の外部メモリ、200…第2画像処理回路

Claims (7)

  1. 原稿に光を照射する照射手段と、
    前記照射手段により照射される原稿の画像を読み取る読み取り手段と、
    原稿の画像を白黒画像として読み取る白黒モードおよびカラー画像として読み取るカラーモードにおいて、当該白黒モードよりも当該カラーモードでの光量が多くなるように、前記照射手段により照射される光量を切り換える光量切換手段と、
    前記読み取り手段にて原稿の画像を読み取る前に、前記光量切換手段により切り換えられる前記カラーモードでの光量において第1の回数で測定を行った結果に基づいてカラーモード用のシェーディング補正データを取得し、且つ、当該光量切換手段により切り換えられる前記白黒モードでの光量において当該第2の回数よりも多い第2の回数で測定を行った結果に基ついて白黒モード用のシェーディング補正データを取得する補正データ取得手段と、
    前記補正データ取得手段によって取得された前記カラーモード用のシェーディング補正データおよび前記白黒モード用のシェーディング補正データを記憶する記憶手段と、
    前記光量切換手段による光量の切り換えに応じて前記記憶手段に記憶される前記カラーモード用のシェーディング補正データおよび前記白黒モード用のシェーディング補正データのいずれか一方を選択し、前記読み取り手段により原稿を読み取って得られた画像データにシェーディング補正を施す補正手段と
    を含む画像読み取り装置。
  2. 前記補正データ取得手段は、前記第1の回数で測定を行った結果の平均値に基づいて前記カラーモード用のシェーディング補正データを取得し、前記第2の回数で測定を行った結果の平均値に基づいて前記白黒モード用のシェーディング補正データを取得することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  3. 原稿に光を照射する照射手段と、
    前記照射手段により照射される原稿の画像を読み取る読み取り手段と、
    原稿の画像を白黒画像として読み取る白黒モードおよびカラー画像として読み取るカラーモードにおいて、当該白黒モードよりも当該カラーモードでの光量が多くなるように、前記照射手段により照射される光量を切り換える光量切換手段と、
    前記読み取り手段にて原稿の画像を読み取る前に、前記カラーモードにて画像を読み取る場合には前記光量切換手段により切り換えられる当該カラーモードでの光量において第1の回数で測定を行った結果に基づいてカラーモード用のシェーディング補正データを取得し、前記白黒モードにて画像を読み取る場合には当該光量切換手段により切り換えられる当該白黒モードでの光量において当該第1の回数よりも多い第2の回数で測定を行った結果に基づいて白黒モード用のシェーディング補正データを取得する補正データ取得手段と、
    前記読み取り手段により原稿を読み取って得られた画像データに対し前記補正データ取得手段により取得された前記カラーモード用のシェーディング補正データまたは前記白黒モード用のシェーディング補正データを用いてシェーディング補正を施す補正手段と
    を含む画像読み取り装置。
  4. 前記補正データ取得手段は、前記第1の回数で測定を行った結果の平均値に基づいて前記カラーモード用のシェーディング補正データを取得し、前記第2の回数で測定を行った結果の平均値に基づいて前記白黒モード用のシェーディング補正データを取得することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  5. 原稿に第1の光量または当該第1の光量よりも少ない第2の光量で光を照射する光源と、
    原稿から反射する反射光を受光するセンサと、
    前記センサにて読み取られる基準部材と、
    前記第1の光量にて前記センサにより前記基準部材を第1の回数読み取った結果に基づいて第1の補正データを取得し、前記第2の光量にて当該基準部材を当該第1の回数よりも多い第2の回数読み取った結果に基づいて第2の補正データを取得する補正データ取得部と、
    前記補正データ取得部によって取得された前記第1の補正データおよび前記第2の補正データを記憶するメモリと、
    前記第1の光量にて前記センサにより読み取られた原稿の画像データに対して前記メモリから読み出された前記第1の補正データを用いて補正を施し、前記第2の光量にて前記センサにより読み取られた原稿の画像データに対して当該メモリから読み出された前記第2の補正データを用いて補正を施す補正部と
    を含む画像読み取り装置。
  6. 前記補正データ取得部は、前記第1の回数読み取った結果の平均値に基づいて前記第1の補正データを取得し、前記第2の回数読み取った結果の平均値に基づいて前記第2の補正データを取得することを特徴とする請求項5記載の画像読み取り装置。
  7. 第1の光量にて照射された基準部材を第1の回数読み取った結果に基づいて第1のシェーディング補正データを取得し、
    前記第1の光量よりも少ない第2の光量にて照射された前記基準部材を前記第1の回数よりも多い第2の回数読み取った結果に基づいて第2のシェーディング補正データを取得し、
    前記第1の光量にて照射された原稿を読み取る際には前記第1のシェーディング補正データを用いてシェーディング補正を施し、前記第2の光量にて照射された原稿を読み取る際には前記第2のシェーディング補正データを用いてシェーディング補正を施すこと
    を特徴とする画像データの補正方法。
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