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JP4492450B2 - エアクリーナ及び燃料吸着部材 - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンの吸気系から漏れ出す揮発燃料を吸着するための燃料吸着部材を備えたエアクリーナ及びその燃料吸着部材に関するものである。
従来、この種のエアクリーナとしては、例えば特許文献1に開示されるような構成のものが提案されている。この従来構成においては、クリーナハウジング内に吸入エアを濾過するためのフィルタエレメントがエア流路と交差するように配設されている。また、クリーナハウジング内において、フィルタエレメントのエア流の下流側にはエンジンの吸気系から漏れ出す揮発燃料を吸着するための燃料吸着部材がエア流路と交差するように配設されている。
特開2002−266713号公報
ところで、燃料吸着部材を有するエアクリーナにおいては、エンジンの吸気側でバックファイアが発生したとき、そのバックファイアの圧力を受けて吸着部材全体がフィルタエレメント側に押し出され、クリーナハウジングに対する燃料吸着部材の取付部が破損するおそれがあった。そして、このように破損が生じると、破片がエアとともにエンジン内に吸入されて、エンジントラブルを発生させることがある。
前述した特許文献1に記載された従来のエアクリーナにおいては、燃料吸着部材の外周縁の全周に樹脂枠を被覆形成して、クリーナハウジングに対する燃料吸着部材の取付部全体を補強している。このため、バックファイア圧力に耐え得るようになっているが、燃料吸着部材の補強構造が大がかりになって、製作コストのアップを招くという問題があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、エンジンの吸入側からのバックファイア圧力を受けた際に、吸着部材の取付部が破損するおそれを防止することができるとともに、構成を簡単することができるエアクリーナを提供することにある。
この発明は、上記の目的を達成するために、バックファイア圧力の燃料吸着部材に対する影響度が場所によって相違することに着目してなされたものであって、請求項1に記載の発明は、揮発燃料を吸着するための燃料吸着部材をフィルタエレメントの下流側に設けたエアクリーナにおいて、エンジンの吸気側からのバックファイア圧力を受けた際に、前記燃料吸着部材を取付状態に維持するための維持手段を、バックファイア圧力の影響度が高い部分に対応して設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記維持手段は、バックファイア圧力の影響度が高い部分において、そのバックファイア圧力を低減させる低減構成よりなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記低減構成は、バックファイア圧力を燃料吸着部材の上流側へ逃がすための逃がし部であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記逃がし部を燃料吸着部材の一部に形成したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記逃がし部を燃料吸着部材とクリーナハウジングとの間に形成したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記維持手段は、バックファイア圧力の影響度が高い部分において、クリーナハウジングに対する燃料吸着部材の取付強度を他の部分よりも高くした構成よりなることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記維持手段は、前記燃料吸着部材におけるバックファイア圧力の影響度が高い部分の剛性を他の部分よりも高くした構成よりなることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、全体としてシート状をなし、揮発燃料を吸着するためにエアクリーナに用いられる燃料吸着部材において、外周側の一部に、通気抵抗を他の部分よりも低くした低通気抵抗部を設けて、エアクリーナに対する装着状態において、エンジンのバックファイア圧力を前記低通気抵抗部から逃がすように構成したことを特徴とする。
(作用)
請求項1に記載の発明においては、エンジンの吸気側でバックファイアが発生して、そのバックファイアの圧力がクリーナハウジング内に作用した場合、維持手段により燃料吸着部材が取付状態に維持される。よって、燃料吸着部材がバックファイア圧力によりフィルタエレメント側に押し出されて、クリーナハウジングに対する燃料吸着部材の取付部が破損するおそれを抑制することができる。そして、前記維持手段がバックファイア圧力の影響度が高い部分にのみ設けられているため、製造コストを低減できる。
請求項2に記載の発明では、維持手段がバックファイア圧力の影響度を低減させるため、燃料吸着部材の取付部の破損を有効に防止できる。
請求項3に記載の発明においては、維持手段がバックファイア圧力を逃がすための逃がし部から構成されているため、クリーナハウジング内に作用したバックファイア圧力が逃がし部からフィルタエレメント側に放出される。よって、吸着部材の取付部が破損するおそれを防止することができる。
請求項4に記載の発明においては、逃がし部が吸着部材の一部に形成されているため、クリーナハウジング側に構造の変更を加える必要がなく、製作コストを低減することができる。
請求項5に記載の発明においては、逃がし部が燃料吸着部材とクリーナハウジングとの間に設けられているため、燃料吸着部材の構成に変更を加えるのみで取付部の破損を防止でき、構成が簡単である。
請求項6に記載の発明においては、バックファイア圧力影響度が高い部分では他の部分よりも、クリーナハウジングに対する吸着部材の取付強度が高くなるように構成されている。このため、吸着部材の取付強度を部分的に補強するという簡単な構成で、吸着部材の取付部が破損するおそれを防止することができる。
請求項7に記載の発明においては、剛性を高くすることにより、バックファイア圧力に抗するようにしたことにより、取付部の破損を防止できる。
請求項8に記載の発明においては、取付部の破損を通気抵抗の低減により防止できるようにした燃料吸着部材とすることができ、このため、前述した請求項1の効果を有するエアクリーナを実現できる。
以上のように、この発明によれば、エンジンの吸入側からのバックファイア圧力を受けた際に、燃料吸着部材の取付部が破損するおそれを防止することができるとともに、燃料吸着部材の構成が簡単になるという効果を発揮する。
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態のエアクリーナのクリーナハウジング11は、インレットポート12aを有するとともに、上面を開口した第1クリーナハウジング12と、アウトレットポート13aを有するとともに下面を開口した第2クリーナハウジング13とに分割して構成されている。そして、この第1クリーナハウジング12及び第2クリーナハウジング13は、それらの開口部において互いに重合した状態で、図示しないクランプにより着脱可能に結合されている。
前記第1クリーナハウジング12と第2クリーナハウジング13との開口部間には、ひだ折り状のフィルタエレメント14がインレットポート12aからアウトレットポート13aに至るエア流路と交差するように配設され、エンジンの吸気系に吸引されるエアA1を濾過するようになっている。フィルタエレメント14のエア流の下流側において、第2クリーナハウジング13の内壁には複数の取付座15が突出形成されている。取付座15には通気性を有する燃料吸着部材16がエア流路と交差するように配設され、エンジンの吸気系から漏れ出す揮発燃料F1を吸着するようになっている。
図1及び図2に示すように、前記燃料吸着部材16は、不織布等よりなるシート基材に活性炭等の粒状吸着材17aを保持してなる保持シート17を、表裏から不織布等よりなる一対の被覆シート18,19により被覆して構成されている。そして、両被覆シート18,19の外周縁部を重合接着させることにより、燃料吸着部材16の外周縁に取付部となる二層構造の外周フランジ部16aが形成されている。なお、両被覆シート18,19のうち、少なくともエア流の下流側の被覆シート18は、バックファイアの熱に耐え得るように、太い繊維を用いている。
前記燃料吸着部材16の外周フランジ部16aには複数の取付孔20が所要の間隔をおいて形成されている。各取付孔20に挿通可能に対応するように、前記第2クリーナハウジング13の内の取付座15上にはピン21が突設されている。そして、これらのピン21を燃料吸着部材16の取付孔20に挿通して熱カシメすることにより、燃料吸着部材16が取付座15上に取り付け配置されている。
図1及び図2に示すように、前記燃料吸着部材16において、エアクリーナ内におけるアウトレットポートの軸線上近傍に位置する部分、つまりアウトレットポート13aから離間して配置される側の端部には外周フランジ部16aに連続して、両被覆シート18,19を重合接着させた二層構造部16bが形成されている。この二層構造部16bには、維持手段を構成する逃がし部(低通気抵抗部)及び低減構成としての複数の逃がし孔22が所要の間隔をおいて透設形成されている。従って、この二層構造部16bの通気抵抗は他の部分よりも低くなっている。そして、エンジンの吸気側でバックファイアが発生して、バックファイア圧力P1がアウトレットポート13aからクリーナハウジング11内に作用した場合、そのバックファイア圧力P1が逃がし孔22からフィルタエレメント14側に放出される。これにより、燃料吸着部材16全体がフィルタエレメント14側に押し出されるのが抑制されて、燃料吸着部材16が第2クリーナハウジング13に対する取付状態に維持されるようになっている。
次に、前記のように構成されたエアクリーナの作用を説明する。
さて、前記燃料吸着部材16は、その二層構造部16bがインレットポート12a側に位置するようにクリーナハウジング11内に組み付けられる。
エンジンの運転時には、エアA1がインレットポート12aからクリーナハウジング11内を通してエンジンに吸引され、そのエアに含まれる塵埃等がフィルタエレメント14によって濾過される。
また、エンジンの停止時に、エンジンの吸気系から揮発燃料F1が漏れ出した場合には、その揮発燃料F1がアウトレットポート13aからクリーナハウジング11の第2クリーナハウジング13内に侵入してくる。この場合、揮発燃料F1はエアよりも重いため、第2クリーナハウジング13内に侵入した揮発燃料F1は図1の右方へはそれほど流れず、下方に流れて、燃料吸着部材16の保持シート17に含まれる粒状吸着材17aにより吸着される。よって、揮発燃料F1が外気に放出されることはなく、大気汚染を抑制することができる。このように、揮発燃料F1が到達しにくい部分には粒状吸着材17aが設けられていない二層構造部16bを配置しているため、粒状吸着材17aの使用量を減らすことができ、そして、減らしたとしても、燃料吸着部材16全体に粒状吸着材17aを設けた構成と同等の機能を得ることができる。
さらに、エンジンにバックファイアが発生した場合には、バックファイア圧力P1がアウトレットポート13aからクリーナハウジング11の第2クリーナハウジング13内に至る。この場合、バックファイア圧力P1は方向性をもって第2クリーナハウジング13内に作用するため、すなわちアウトレットポート13aの軸線に沿って第2クリーナハウジング13内に向かって作用するため、バックファイア圧力P1の影響度は、第2クリーナハウジング13の内部においてアウトレットポート13aから離間して、そのアウトレットポート13aと反対側のハウジング内壁面近傍部分が高くなる。
ところが、この影響度が高くなる部分には、燃料吸着部材16の複数の逃がし孔22が配置されているため、バックファイア圧力P1は逃がし孔22からフィルタエレメント14側に放出されることにより逃がされる。従って、燃料吸着部材16がバックファイア圧力P1を受けてフィルタエレメント14側に押し出されることはなく、第2クリーナハウジング13内の取付座15に対する燃料吸着部材16の取付部が破損するおそれを確実に抑制することができる。このため、破片によるエンジントラブルのおそれを未然に回避できる。
また、この第1実施形態では、燃料吸着部材16の端部の二層構造部16bの逃がし孔22により、バックファイアの圧力を放出できるため、燃料吸着部材16の外周に樹脂枠等を被覆形成して、クリーナハウジング11に対する燃料吸着部材の取付部をバックファイア圧力P1に耐えるように補強する必要がなく、燃料吸着部材16の構成を簡素化することができる。
しかも、燃料吸着部材16に複数の逃がし孔22を形成したことにより、燃料吸着部材16全体としての通気抵抗を低減できるため、エンジンの圧力損失による効率低下を低減することもできる。
なお、逃がし孔22がアウトレットポート13aから離れたところ、言い換えれば吸引エア流が通りにくいところに位置するため、逃がし孔22の位置や面積を適宜に設定することにより、吸引エア流をハウジング11内のほぼ全域に形成することが可能になり、このような場合には、フィルタエレメント14の全域を利用して、有効な濾過を行い得る。
以上に述べた、第1実施形態は以下に挙げる効果を発揮する。
(1) 揮発燃料F1が外気に放出されることなく、粒状吸着材17aに確実に吸着して大気汚染を抑制することができる。
(2) 揮発燃料F1が到達しにくい部分には粒状吸着材17aが設けられていないため、粒状吸着材17aの使用量を減らすことができ、コストダウンに寄与できる。
(3) バックファイア圧力P1の影響度が高くなる部分には、燃料吸着部材16の複数の逃がし孔22が配置されているため、バックファイア圧力P1は逃がし孔22からフィルタエレメント14側に放出され、第2クリーナハウジング13内の取付座15に対する燃料吸着部材16の取付部が破損するおそれを確実に抑制することができる。
(4) 燃料吸着部材16の外周に補強のための樹脂枠を設ける必要がなく、燃料吸着部材16の構成を簡素化することができる。
(5) 複数の逃がし孔22を形成したことにより、燃料吸着部材16全体としての通気抵抗を低減でき、エンジンの圧力損失による効率低下を低減することができる。
(6) 燃料吸着部材16の逃がし孔22により、バックファイア圧力P1を逃がすことができるため、バックファイアに抗するための構成をハウジング11に施す必要がなく、エアクリーナを低コストで製造できる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第2実施形態においては、図3及び図4に示すように、燃料吸着部材16が第2クリーナハウジング13内のエア流路の断面積(開口面積)よりも小さくなるように形成されている。そして、第2クリーナハウジング13内に燃料吸着部材16を配置した状態で、アウトレットポート13aから離間した側に、すなわち、バックファイア圧力P1の影響度が高い部分に、維持手段を構成する逃がし部及び低減構成としての逃がし空間25が形成されている。これにより、アウトレットポート13aから第2クリーナハウジング13内に作用するバックファイア圧力P1が、逃がし空間25からフィルタエレメント14側に放出されるようになっている。
従って、この第2実施形態においては、前記第1実施形態の(1)〜(6)に記載の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(7) 燃料吸着部材16全体を小さくすることができ、さらなるコストダウンが可能になる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第3実施形態においては、図5及び図6に示すように、燃料吸着部材16が第2クリーナハウジング13内のエア流路の全体を覆うように配設されている。また、この燃料吸着部材16においては、外周フランジ部16aを除くほぼ全面に亘って、粒状吸着材17aを保持した保持シート17が設けられている。そして、アウトレットポート13aから離間した側には、取付座15に対する燃料吸着部材16の固定が省略されて、維持手段を構成する逃がし部及び低減構成としての撓曲可能部26が設けられている。これにより、アウトレットポート13aから第2クリーナハウジング13内にバックファイア圧力P1が作用したときには、図5に鎖線で示すように、撓曲可能部26がバックファイア圧力P1によりフィルタエレメント14側に撓曲変形して、バックファイア圧力P1が放出されるようになっている。
従って、この第3実施形態においても、前記第1実施形態の(1)(3)(4)(6)と同様な効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第4実施形態では、図7に示すように、燃料吸着部材16においてバックファイア圧力P1の影響が高い部分、すなわちアウトレットポート13aから離間した側の部分の取付強度が他の部分よりも高くなるように構成され、この取付強度増大構造27により維持手段が構成されている。具体的には、アウトレットポート13aから離間した側の部分において、取付座15に対する燃料吸着部材16の熱カシメ箇所が他の部分よりも多くなるように構成されている。これにより、アウトレットポート13aから第2クリーナハウジング13内にバックファイア圧力P1が作用したとき、そのバックファイア圧力P1の影響度が高い部分において、燃料吸着部材16の取付部が破損しないように補強されている。
従って、この第4実施形態においても、前記第3実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第5実施形態においては、図8及び図9に示すように、第2クリーナハウジング13の内周面に取付座15が全周に亘って形成されている。そして、取付座15に燃料吸着部材16の外周フランジ部16aを当てた状態で、レーザ光Bを照射することにより、この取付座15に対して、燃料吸着部材16の外周フランジ部16aがレーザ溶着部28にて溶着固定されている。また、この実施形態では、維持手段を構成する取付強度増大構造27として、燃料吸着部材16のバックファイア圧力P1の影響度が高い部分に、すなわち、インレットポート12a側の部分に補強用レーザ溶着部29が前記レーザ溶着部28に沿って二重に施されている。
従って、この第5実施形態においては、前記第4実施形態と同様な効果を得ることができる。
参考例
次に、この発明の参考例を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この参考例においては、図10及び図11に示すように、前記第4実施形態の維持手段を構成する取付強度増大構造27として、燃料吸着部材16の外周フランジ部16aにおいて、バックファイア圧力P1の影響度が高い部分に、すなわち、インレットポート12a側の部分に合成樹脂製の補強枠30が被覆形成されている。この補強枠30は高剛性部を構成している。そして、この補強枠30を含めて、燃料吸着部材16の外周フランジ部16aが取付座15に対してピン21の熱カシメにより固定されている。このように、燃料吸着部材16の全周に枠を設けるのではなく、バックファイア圧力P1の影響度を最も受ける一端部にのみ補強枠30を設けているため、補強枠30の組付けが容易で、軽量化に寄与できる。
従って、この参考例においては、補強枠30がバックファイア圧力P1に抗することにより、前記第4実施形態と同様な効果を得ることができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図12に示すように、燃料吸着部材16においてバックファイア圧力P1の影響度が高い端部側の部分が下方へ後退するように、燃料吸着部材16をクリーナハウジング11に対して傾斜して支持すること。従って、このように構成した場合は、バックファイア圧力P1の影響度が高い端部側の部分の上流側空間が広くなるため、この部分の圧力がいわばバッファのように作用し、取付部の破損を防止できる。
・ 図13に示すように、二層構造部16bに複数の逃がし孔22を設けた構成において、バックファイア圧力P1の影響度が高くなる端部側ほど圧力が円滑に逃がされるように、逃がし孔22の密度を高くすること。
・ 二層構造部16bに複数の逃がし孔22を設けた構成において、バックファイア圧力P1の影響度が高くなる端部側ほど圧力が円滑に逃がされるように、逃がし孔22の大きさを大きくすること。
・ 二層構造部16bに複数の逃がし孔22を設けた構成において、逃がし孔22の形状を、四角形、スリット形状等、円形以外の形状に変更すること。
・ バックファイア圧力P1の影響度が高くなる部分において、燃料吸着部材16を取付座15にピン21等によって固定するだけではなく、図14に示すように、その部分において燃料吸着部材16の外周フランジ部16aを第2クリーナハウジング13に形成した保持溝13b内に挟入して補強すること。
・ 前記図7、図8及び図9に示す第4実施形態及び第5実施形態において、取付強度増大構造27としてのピン21の熱カシメの個数、または補強用レーザ溶着部29の本数を任意に変更して構成すること。
第1実施形態のエアクリーナを示す縦断面図。 図1の2−2線における断面図。 第2実施形態のエアクリーナを示す縦断面図。 図3の4−4線における断面図。 第3実施形態のエアクリーナを示す縦断面図。 図5の6−6線における断面図。 第4実施形態のエアクリーナを示す横断面図。 第5実施形態のエアクリーナを示す横断面図。 同じく第5実施形態のエアクリーナを下部側を除いて示す縦断面図。 参考例のエアクリーナを示す横断面図。 図9の11−11線における部分断面図。 燃料吸着部材を傾斜させた変形例を示す縦断面図。 逃がし孔の構成を変更した変形例を示す縦断面図。 燃料吸着部材の外周フランジ部の固定構造における変形例を示す部分断面図。
符号の説明
11…クリーナハウジング、12…第1クリーナハウジング、13…第2クリーナハウジング、13a…アウトレットポート、14…フィルタエレメント、15…取付座、16…燃料吸着部材、20…取付孔、21…ピン、22…維持手段を構成する逃がし部、低通気抵抗部及び低減構造としての逃がし孔、25…維持手段を構成する逃がし部、低通気抵抗部及び低減構造としての逃がし空間、26…維持手段を構成する逃がし部及び低減構造としての撓曲可能部、27…維持手段を構成する取付強度増大構造、28…レーザ溶着ライン、29…補強用レーザ溶着部、30…高剛性部としての補強枠、F1…揮発燃料、P1…バックファイア圧力。

Claims (8)

  1. 揮発燃料を吸着するための燃料吸着部材をフィルタエレメントの下流側に設けたエアクリーナにおいて、
    エンジンの吸気側からのバックファイア圧力を受けた際に、前記燃料吸着部材を取付状態に維持するための維持手段を、バックファイア圧力の影響度が高い部分に対応して設けたことを特徴とするエアクリーナ。
  2. 前記維持手段は、バックファイア圧力の影響度が高い部分において、そのバックファイア圧力を低減させる低減構成よりなることを特徴とする請求項1に記載のエアクリーナ。
  3. 前記低減構成は、バックファイア圧力を燃料吸着部材の上流側へ逃がすための逃がし部であることを特徴とする請求項2に記載のエアクリーナ。
  4. 前記逃がし部を燃料吸着部材の一部に形成したことを特徴とする請求項3に記載のエアクリーナ。
  5. 前記逃がし部を燃料吸着部材とクリーナハウジングとの間に形成したことを特徴とする請求項3に記載のエアクリーナ。
  6. 前記維持手段は、バックファイア圧力の影響度が高い部分において、クリーナハウジングに対する燃料吸着部材の取付強度を他の部分よりも高くした構成よりなることを特徴とする請求項1に記載のエアクリーナ。
  7. 前記維持手段は、前記燃料吸着部材におけるバックファイア圧力の影響度が高い部分の剛性を他の部分よりも高くした構成よりなることを特徴とする請求項1に記載のエアクリーナ。
  8. 全体としてシート状をなし、揮発燃料を吸着するためにエアクリーナに用いられる燃料吸着部材において、
    外周側の一部に、通気抵抗を他の部分よりも低くした低通気抵抗部を設けて、エアクリーナに対する装着状態において、エンジンのバックファイア圧力を前記低通気抵抗部から逃がすように構成したことを特徴とする燃料吸着部材。
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