JP4484288B2 - 画像処理方法および画像処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置により撮像された画像のデータの処理方法に関するものであり、特に、撮像装置の撮像可能領域より大きい撮像対象物の画像処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば電気部品装着装置において、装着すべき電気部品が吸着ノズルに吸着保持された状態において、その電気部品を撮像装置により撮像することによって、電気部品自体の状態を検査することが行われている。その電気部品の全体像を面CCDを備えたカメラ(以下、単にCCDカメラと称する)等の撮像装置により撮像し、得られた画像のデータから電気部品に関する所望の情報を取得するのである。しかし、大型で複雑な形状をした大型電気部品を撮像する場合に、通常のCCDカメラによりその大型電気部品を1度に撮像しようとすると画素数が十分でなく、1つの画素により撮像される範囲が大きくなるために解像度が低下し、リード等の細かい部分を精度よく認識することが困難である。
【0003】
そこで従来は、CCDカメラの代わりにラインセンサを備えたカメラ(以下、ラインセンサカメラと称する)が用いられていた。ラインセンサは、面CCDに比較して単位長さ当たりの画素数の多いものが製造可能であり、1つの画素により撮像される範囲が小さいため、解像度が高いのである。しかし、ラインセンサカメラはそれ自体が高価であり、また、特別な高輝度の光源を必要とするため装置コストが高くなり、しかも、画像取り込み速度が遅くなるという問題があった。
【0004】
それに対して、CCDカメラを用いる別の方法が知られている。この方法においては、図12に示すように、大型電気部品200の予め定められた複数の部分撮像範囲202(この場合は大型電気部品の4隅を撮像し得る範囲)が、複数のCCDカメラにより同時にまたは1個のCCDカメラにより逐次撮像され、それぞれの位置の情報が取得され、それら情報から大型電気部品200全体の位置の情報が取得される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および発明の効果】
しかし、上述のCCDカメラによる複数の画像を利用する方法においては、電気部品の全体像が取得されるわけではないので、撮像対象物である電気部品全体の検査を行うことができなかった。
【0006】
電気部品全体を複数の範囲に分けてそれぞれの範囲をCCDカメラで撮像し、取得された複数の画像を、撮像の際のCCDカメラと電気部品との相対位置に基づいてつなげば、電気部品の全体像を得ることができそうである。しかし、実際には、CCDカメラ等の撮像装置にはレンズ歪みが存在するので、CCDカメラにより撮像された像、特に、周辺部の像が歪んだものとなるのが普通である。さらに、電気部品とCCDカメラとの相対位置にも、本来あるべき正規の位置に対してなにがしかの誤差が存在するので、正規の位置にあるものとして複数の画像を単純につないでも、各画像の歪みや相対位置ずれのために電気部品全体の状態を良好に再現することができない。
以上、電気部品の撮像に関して説明したが、上記問題は電気部品に特有の問題ではなく、撮像対象物が何であっても同様に発生する問題である。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景とし、撮像対象物を複数の撮像範囲に分けて撮像した場合に、それにより取得された複数の画像に基づいて撮像対象物全体を良好に再現できるようにすることを課題として為されたものであり、本発明によって、下記各態様の画像処理方法,画像処理システムおよび補正データ作成方法が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合せが以下の態様に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常にそれら事項をすべて一緒に採用しなければならないわけではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
なお、以下の各項のうち、(1)項に、その(1)項に関する説明部分に記載されている「仮想画面上の一部を仮想位置として指定し、その仮想位置の情報のみ取得されるようにする」という要件と、(16)項に記載されている事項とを追加したものが請求項1に相当し、その請求項1に、上記(1)項に関する説明部分に記載されている「画像内の撮像対象物の境界と交差するシークラインの位置を仮想位置とする」という要件を追加したものが請求項2に相当し、請求項1または2に(3)項に記載の事項を追加したものが請求項3に相当し、その請求項3に(6)項に記載の事項を追加したものが請求項4に相当し、請求項1ないし4のいずれかに(13)項に記載の事項を追加したものが請求項5に相当し、(11)項に、(1)項に関する説明部分に記載されている「仮想画面上の一部を仮想位置として指定し、その仮想位置の情報のみ取得されるようにする」という要件と、(16)項に記載されている事項とを追加したものが請求項6に相当し、その請求項6に、(1)項に関する説明部分に記載されている「画像内の撮像対象物の境界と交差するシークラインの位置を仮想位置とする」という要件を追加したものが請求項7に相当する。
【0008】
(1)撮像すべき撮像対象物を、1つの撮像装置が1度に撮像することができる撮像範囲であって互に隣接する撮像範囲と部分的に重なる部分である重複部を含む複数の撮像範囲に分割し、それら撮像範囲をそれぞれ撮像し、それら複数の撮像範囲について各々取得した複数の画像のデータである複数群の画像データに基づいて前記撮像対象物の光学的特性値を取得する画像処理方法であって、
前記複数の撮像範囲に対応して想定される仮想画面において、前記光学的特性値を取得すべき仮想位置を設定し、その仮想位置を予め作成された補正データに基づいて補正することにより、前記複数群の画像データに基づいて形成される複数の物理画面のいずれかにおいて前記仮想位置に対応する物理位置を取得し、その物理位置における光学的特性値を仮想位置における光学的特性値として取得する画像処理方法。
本項に記載の画像処理方法においては、撮像対象物が複数の撮像範囲に分けて撮像され、取得された複数の画像のデータと補正データとに基づいて撮像対象物全体の状態が再現される。仮想画面上において光学的特性値を取得すべき位置である仮想位置が、補正データに基づいて、物理画面上において仮想位置に対応する位置である物理位置に補正されるのであり、複数の画像の各々が歪みを含み、あるいは複数の画像間に相対位置ずれが存在しても、それら歪みや相対位置ずれを反映した補正データの使用により、仮想画面上の各位置に正確に対応する物理位置が取得され、その物理位置における光学的特性値が、目的とする仮想位置の光学的特性値とされるのである。換言すれば、上記のようにして取得された仮想位置と光学的特性値との組合わせの集合は、歪みや相対位置ずれのある複数の画像が、歪みや相対位置ずれを修正された状態で、仮想画面上でつながれたものの画像データに相当することになる。
この方法によれば、例えば、小・中型の電気部品を撮像する場合と、大型の電気部品を撮像する場合とで共通の撮像装置を用いることによりコスト低下を実現することができる。
なお、画像全体が仮想画面上に再現されることは必ずしも必要ではなく、必要な位置の画像のみが再現されてもよい。具体的には、仮想画面上の一部が仮想位置として指定され、その仮想位置の情報のみ取得されてもよいのであり、それによってデータ処理量が軽減されるので、演算負荷を小さくすることができる。仮想位置は、例えば、画像内の撮像対象物の境界と交差するシークラインの位置とすることができ、このシークライン上の各点における光学的特性値が最も急激に変化する点を探せば、その点が撮像対象物の境界を形成する点の一つであるエッジ点であることになる。
また、補正データは、例えば、後述する補正データ作成方法に基づいて予め作成されたものを用いることができる。仮想位置を補正データに基づいて補正し、それに対応する物理位置を取得する場合に、後述するように撮像装置の撮像素子に対応する仮想画面上の範囲を補正して物理画面上の範囲を取得してもよく、仮想画面上の任意の点の座標を補正して物理画面上の対応する点の座標を取得してもよい。
「光学的特性値」とは、例えば、輝度、色相等光学的特性を表す値のうち少なくとも1つであって、例えば、2階調ないし256階調で表される値とすることができる。
(2)前記撮像装置が複数の撮像素子を有するものであり、前記画像データが、それら複数の撮像素子の位置と関連付けられた前記光学的特性値の情報を含み、かつ、前記補正データが、前記物理画面の各撮像素子に対応する実素子範囲と、仮想画面上において各実素子範囲に対応する仮想素子範囲とを関連付ける情報を含むものであって、前記仮想位置を予め作成された補正データに基づいて補正する工程が、前記仮想位置を含む仮想素子範囲を選択し、その仮想素子範囲に対応する物理画面上の実素子範囲を取得する工程を含み、前記物理位置における光学的特性値を仮想位置における光学的特性値として取得する工程が、仮想素子範囲における光学的特性値として実素子範囲における光学的特性値を取得する工程を含む (1)項に記載の画像処理方法。
本項に記載の画像処理方法においては、補正データが、撮像装置の各撮像素子に対応する範囲に対して作成され、仮想位置に対応する物理位置が撮像素子の単位で取得される。ある仮想範囲内における仮想位置は全て、その仮想範囲に対応する素子範囲における光学的特性値と対応付けられるので、解像度が画素の大きさにより制限される。しかし、本項に記載の画像処理方法においては、仮想画面上における仮想範囲に対応する素子範囲が予め定められているので、任意の仮想位置について補正量を演算する場合に比較して計算負荷が小さくて済む。なお、仮想画面において、物理画面の実素子範囲に対応する各仮想素子範囲の面積は互いに同一であるとみなす。
(3)前記補正データが、前記仮想画面上において予め設定された複数の設定座標と、それら設定座標に対応する物理座標を取得するために設定座標を補正すべき補正量とが関連付けられた補正テーブルを含み、前記仮想位置を予め作成された補正データに基づいて補正する工程が、前記仮想位置を表す仮想座標の補正量を、仮想座標毎に前記補正テーブルの前記設定座標とそれに対応する補正量とに基づいて演算する補正量演算工程を含む (1)項に記載の画像処理方法。
前項に記載の画像処理方法においては、補正量が、任意の仮想位置について作成されるのではなく、撮像素子に対応する仮想素子範囲ごとに作成される。それに対して、本項に記載の画像処理方法においては、例えば、補正量が連続的な値であると仮定され、設定座標とそれの補正量とに基づいて任意の仮想座標における補正量が取得される。本項に記載の画像処理方法においては、画素を単位とせず、任意の仮想座標における補正量が得られるので、精度が向上する効果が得られる。仮想座標における補正量を演算する演算方法は、例えば、その仮想座標に最も近い設定座標における補正量に基づいて演算するものであってもよいし、次項に記載するように、仮想座標の近傍複数の点に基づいて演算するものであってもよい。なお、設定座標は仮想画面上に均一に配置されることが望ましい。
(4)前記補正量演算工程が、前記仮想座標における前記補正量を、その仮想座標の近傍複数の設定座標と、それら設定座標における補正量とに基づいて演算する工程を含む (3)項に記載の画像処理方法。
本項に記載の画像処理方法においては、仮想座標における補正量が、仮想座標の近傍複数の設定座標とそれらの補正量とに基づいて補正されるため、仮想座標にもっとも近い設定座標に基づいて補正量が演算される場合に比較して、補正量の信頼性が向上する。1回の演算に用いる設定座標の数はいくつであってもよいが、例えば、仮想座標の近傍4点の設定座標と、それら設定座標における補正量とに基づいて、仮想座標における補正量が演算されることとすれば、計算負荷の増大を少なくするとともに、補正量の信頼性を向上させることができる。
(5)前記画像データが、撮像装置の撮像素子の位置と関連付けられた前記光学的特性値の情報を含み、前記物理画面が、各撮像素子に対応する範囲である実素子範囲と、それに対応する光学的特性値とに基づいて形成されたものであって、前記仮想座標の光学的特性値が、それに対応する前記物理座標を含む前記実素子範囲の光学的特性値に基づいて取得されることを特徴とする (3)項または (4)項に記載の画像処理方法。
本項に記載の画像処理方法においては、光学的特性値が、撮像素子を単位として定められているので、 (2)項における補正量と同様に精度が画素により制限されるが、計算負荷を低下させることができる。
(6)前記撮像装置が複数の撮像素子を有するものであり、前記画像データが、それら複数の撮像素子の位置と関連付けられた前記光学的特性値の情報を含み、前記物理画面が、前記撮像素子を代表する点の位置を表す実素子座標とそれに対応する光学的特性値とに基づいて形成されたものであって、
前記仮想座標を補正して取得される物理座標における光学的特性値を取得する工程が、前記物理座標における光学的特性値を、物理座標毎に前記実素子座標と、それの光学的特性値とに基づいて演算する光学的特性値演算工程を含む (3)項または (4)項に記載の画像処理方法。
前項に記載の画像処理方法においては、光学的特性値が物理座標ごとに定められるのではなく、撮像素子に対応する素子範囲ごとに定められている。これに対して、本項に記載の画像処理方法においては、任意の仮想座標に対応する物理座標が演算され、さらに、演算された物理座標の含まれる物理画面上において光学的特性値が連続的な値であるとの仮定に基づいて、任意の物理座標における光学的特性値が演算される。本項に記載の物理画面においては、撮像素子を代表する点(素子代表点と称し、素子代表点の位置を素子位置と称する)の位置は各々対応する実素子範囲内に含まれる位置であればいずれの位置であってもよいが、例えば、実素子範囲の中心位置とされることが望ましい。撮像素子により実素子範囲全体の平均値として取得されるの光学的特性値が、実素子範囲の中心位置の光学的特性値であるとすることが合理的であるからである。本項に記載の画像処理方法によれば、任意の物理座標における光学的特性値が得られるので、実素子範囲を単位とする場合に比較して画像処理の精度が向上する効果が得られる。物理座標の光学的特性値は、次項に記載されているように近傍複数の素子代表点の位置とそれらの光学的特性値とに基づいて演算されることが望ましい。
(7)前記光学的特性値演算工程が、前記物理座標における光学的特性値を、その物理座標の近傍複数の実素子座標と、それら実素子座標における光学的特性値とに基づいて演算する工程を含む (6)項に記載の画像処理方法。
本実施形態においては、近傍の複数の実素子座標と、それらの光学的特性値とに基づいて、その物理座標の光学的特性値が演算されるので精度が向上する。1回の演算に用いる実素子座標および光学的特性値を、例えば、近傍9点の実素子位置とそれらの光学的特性値とし、それらによって特定される自由曲面上の値として物理座標の光学的特性値が演算されるようにすることも可能であるが、近傍4点の実素子位置とそれらの光学的特性値に基づいて比例計算により演算されるようにすれば、比較的小さい演算負荷で画像処理の精度を向上させることができる。
(8)前記仮想位置について、複数の物理画面のうちいずれの物理画面に基づいて情報を取得するかが予め定められていることを特徴とする (1)項ないし (7)項のいずれか1つに記載の画像処理方法。
重複部については、少なくとも2つの物理画面に基づいて光学的特性値を取得することができ、補正データに基づいて補正することによりいずれの物理画面に基づいてもほぼ同じ光学的特性値を得ることができるので、どちらから情報を取得してもよい。本項に記載の画像処理方法においては、仮想画面上の各位置について、どの物理画面に基づいて情報を取得するかが予め定められている。ある物理画面と別の物理画面との境界線は、重複部に対応する部分に設けられ、例えば、仮想画面上において各撮像範囲の中心同士を結ぶ線分と直交しかつその線分を2等分する直線とされる。
(9)前記複数の撮像範囲において、前記重複部の幅が、前記撮像装置の1つの撮像素子により撮像される範囲の複数倍以上の幅を有することを特徴とする (1)項ないし (8)項のいずれか1つに記載の画像処理方法。
重複部において、どちらの物理画面からも情報を取得することができない位置が存在してはならないので、重複部が少なくとも1つの撮像素子により撮像される範囲の2倍の幅を有することが望ましい。ただし、ここにおける2倍は、物理座標における光学的特性値がその物理座標の近傍4個の素子代表点の光学的特性値に基づいて演算されることが前提となっており、近傍のさらに多数の素子代表点の光学的特性に基づいて演算される場合には、重複部の幅はさらに大きくされる必要がある。その場合には、重複部の幅は、1つの撮像素子により撮像される範囲の10倍程度とされることが望ましい。また、後述するように、複数の基準マークが規則的に設けられた基材を用いて補正データが作成される場合には、基準マークの1つを2つの物理画面で撮像することができる程度に物理画面を重複させることが望ましい。
(10)(1) 項ないし (9)項のいずれかに記載の画像処理方法であって、前記撮像対象物がコネクタである画像処理方法。
本項に記載の画像処理方法においては、例えば、電気部品装着装置において、装着対象物としてのコネクタを撮像し、それの画像情報を取得することにより、コネクタの状態を検査することができる。
(11)撮像すべき撮像対象物を、複数の撮像範囲であって互に隣接する撮像範囲と部分的に重複する重複部を有する複数の撮像範囲に分けて撮像する少なくとも1つの撮像装置と、
前記撮像装置により前記複数の撮像範囲の各々に対応して取得された複数の画像のデータである複数群の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記複数群の画像データに基づいて前記撮像対象物の情報を取得する際に用いられる補正データを記憶する補正データ記憶手段と、
前記複数群の画像データに基づいて複数の物理画面を形成するとともに、前記複数の撮像範囲全てに対応して想定される仮想画面において前記撮像対象物の情報を取得すべき仮想位置を、前記補正データに基づいて補正して物理位置を取得し、その物理位置の光学的特性値と仮想位置とが関連付けられた仮想データを作成する仮想データ作成手段と
を含む画像処理システム。
本項の画像処理システムによれば、 (1)項の画像処理方法を実施することができる。仮想位置および物理位置は、それぞれ撮像装置の複数の撮像素子に各々対応する仮想素子範囲および物理素子範囲であってもよいし、次項以下に記載するように、仮想画面および物理画面上の1点であってもよい。
本項に記載の画像処理システムに、 (1)項ないし(10)項に記載の特徴を適用することができる。
(12)前記仮想データ作成手段が、前記仮想位置を示す座標である仮想座標を、前記補正データに基づいて補正して物理座標を取得し、その物理座標の光学的特性値と仮想座標とが関連付けられた仮想データを作成するものである(11)項に記載の画像処理システム。
本項に記載の画像処理システムにおいては、 (3)項に記載の画像処理方法におけると同様に、任意の仮想座標に対応する物理座標が取得され、その物理座標の光学的特性値が取得されることにより、精度の高い撮像対象物の情報が取得される。物理座標における光学的特性値は、その物理座標が含まれる素子範囲に対応する値に基づいて取得されるようにしてもよいが、その物理座標の近傍の少なくとも1つ、望ましくは複数の実素子位置における光学的特性値に基づいて演算され、取得されるようにしてもよい。後者の方が、精度が向上するので望ましい。
(13)(11)項または(12)項に記載の画像処理システムにおける補正データを作成する補正データ作成方法であって、
表面に複数の基準マークが規則的に設けられた基材を、前記撮像装置により前記複数の撮像範囲の少なくとも2つに対応する部分に分割してそれぞれ撮像し、取得された少なくとも2つの画像のデータである少なくとも2群の画像データに基づいてそれぞれ形成される少なくとも2つの物理画面と、前記複数の撮像範囲全体に対応して想定される仮想画面であって基準マークが撮像されるべき位置が予め設定されている仮想画面とに基づいて、前記物理画面上における基準マークの実際の位置である実マーク位置と前記仮想画面上において予め設定された基準マークの位置である設定マーク位置とを一致させるための補正データを作成する補正データ作成方法。
本項に記載の補正データ作成方法によれば、撮像装置により撮像される画像の歪みに起因する基準マークのずれと、上記複数の撮像範囲を撮像する際の撮像装置の相対位置ずれおよび相対位相ずれとの両方を補正可能な補正データを作成することができる。画像歪みや相対位置ずれ,相対位相ずれ等が存在しないか、無視できる程小さい場合は、物理画面上における実マーク位置と、仮想画面上において予め定められた設定マーク位置とが一致するはずである。それに対して、実マーク位置と設定マーク位置とが一致しない場合に、設定マーク位置とそれに対応する基準マークの実マーク位置とが一致するように補正する補正データが作成される。補正データは、1つの物理画面に対応する範囲内において連続的であると考えることができるが、ある物理画面とそれに隣接する物理画面との境界部においては、連続していないとして作成される。
補正データは、 (1)項ないし(10)項に記載の画像処理方法、および(11)項または(12)項に記載の画像処理システムに対応して作成される。言い換えれば、基準マークの設けられた基材が、前記画像処理方法におけると同様に広さ,撮像範囲同士の間隔および重複部の幅等が設定された撮像範囲において撮像され、補正データが作成されるのである。
ただし、基準マークの設けられた基材の大きさは、必ずしも撮像装置により撮像される複数の撮像範囲全体に対応する大きさ以上である必要はない。基材が複数の撮像範囲の全部に対応する大きさ以上のものである場合には、基材と撮像装置とを複数回相対移動させて基材の各部を撮像装置に撮像させれば、複数の撮像範囲の全部に対する補正データを作成するに必要な数の画像が得られて便利であるが、複数の撮像範囲のうちの少なくとも2つの撮像範囲に対応する大きさを有するものであれば、3つの撮像範囲の補正データの作成に必要な画像を取得することができるのである。例えば、撮像範囲が3つである場合に、互いに隣接する2つの撮像範囲よりやや大きい基材を準備し、まず2つの撮像範囲の2つの画像を得、その2つの画像に基づいて2つの撮像範囲の補正データを作成する。次に、基材を上記2つの撮像範囲の一方と、残る1つの撮像範囲とに対応する位置へ移動させて、それら2つの撮像範囲の撮像と補正データの作成とを行うのである。このようにして得られた補正データは、先に撮像された2つの撮像範囲同士と、後に撮像された2つの撮像範囲とにはそれぞれ共通に使用できるが、3つの撮像範囲に共通には使用できない。しかし、中央の撮像範囲についての補正データの一方に座標変換を施すことにより、他方の補正データと一致させることができ、それと同じ座標変換を座標変換が施された中央の撮像範囲と一緒に撮像された端の撮像範囲の補正データに施すことによって、3つの撮像範囲に共通に使用可能な補正データが得られるのである。
基準マークは、できる限り細かい間隔で、撮像範囲全面にわたって均一に設けられることが望ましい。
(14)前記補正データを作成する工程が、前記物理画面上における前記実マーク位置を示す実マーク座標と前記仮想画面上における前記設定マーク位置を示す設定マーク座標とを一致させるための補正データを作成する(13)項に記載の補正データ作成方法。
実マーク座標は、例えば、各基準マークの中心座標とすることができる。例えば、特願平7−273829号に記載の画像処理方法等、既存の画像処理方法を利用し、物理画面上における各基準マークの像を取得してそれの中心の座標を検出する。その方法によれば、基準マークの像を取得する際に、画像データに基づいて取得された光学的特性値が連続的な値であると仮定して、基準マークと背景との境界部が検出されるので、基準マークの形象を精度良く認識することができる。
(15)前記補正データを作成する工程が、前記仮想画面上における設定マーク座標と、その設定マーク座標から、前記物理画面上のそれに対応する基準マークの実マーク座標へのベクトルである補正ベクトルを作成し、それら設定マーク座標と補正ベクトルとが関連付けられた補正テーブルを作成する補正テーブル作成工程を含む(14)項に記載の補正データ作成方法。
設定マーク座標が (3)項に記載の「設定座標」に対応し、補正ベクトルが「補正量」に対応する。前記補正テーブルは、各物理画面について作成される。
(16)前記画像処理システムが1つの撮像装置を有するものであり、その撮像装置により前記複数の撮像範囲を順次撮像する画像処理システムにおいて、前記補正データを作成する工程が、
複数の物理画面のうち少なくとも1つの物理画面について、それに対応する補正テーブルに基づいて物理画面の仮想画面に対する画像歪みを示す画像歪みデータを作成する画像歪みデータ作成工程と、
各物理画面について、それぞれの仮想画面に対するずれを示す画面ずれデータを作成する画面ずれデータ作成工程と
を含む(13)項ないし(15)項のいずれか1つに記載の補正データ作成方法。
1つの撮像装置により複数の撮像範囲を撮像する場合は、各物理画面においてレンズ等撮像装置の構成部品の歪みに起因する補正量は等しいと考えることができる。そこで、本項に記載の補正データ作成方法においては、各物理画面に共通に利用される画像歪みデータと、各物理画面同士の画面ずれデータとを含む補正データが作成される。それにより、補正データを各物理画面に対応する補正テーブルの状態で記憶する場合に比較して情報量を圧縮することができる。
さらに、この補正データによれば、画像歪みデータと画面ずれデータとが別々に分けて記憶されているので、画像歪みデータと画面ずれデータとを分けて利用することができる。例えば、電気部品装着装置の駆動時間の経過とともに撮像装置の設置位置が変化する場合に、補正データの、画像歪みデータは修正せず、画面ずれデータのみを修正して利用することができる。
(17)前記画面ずれデータ作成工程が、
前記複数の物理画面の各々に対応する補正テーブルに含まれる補正ベクトルに基づいて、各物理画面の前記仮想画面に対する仮想画面に平行な方向への位置ずれである平行位置ずれを算出する平行位置ずれ算出工程と、
前記複数の物理画面の各々に対応する補正テーブルに含まれる補正ベクトルに基づいて、各物理画面の仮想画面に対する仮想画面に垂直な軸線回りの位相のずれである位相ずれを算出する位相ずれ算出工程とを含む(16)項に記載の補正データ作成方法。
(18)前記画面ずれデータ作成工程が、
前記複数の物理画面の各々において、代表として選択される基準マークである少なくとも1つの代表マークの実マーク座標とそれに対応する前記設定マーク座標との位置ずれに基づいて、前記平行位置ずれを算出する平行位置ずれ算出工程と、
前記代表マークの実マーク座標とそれに対応する設定マーク座標との位置ずれに基づいて前記位相ずれを算出する位相ずれ算出工程と
を含む(16)項に記載の補正データ作成方法。
本項に記載の補正データ作成方法によれば、例えば、各物理画面中心付近等の、画像歪みの影響が小さい部分の基準マークを代表マークとして、平行位置ずれと位相ずれとを算出することができる。このことにより、前項に記載の補正データ作成方法におけるより、演算負荷を軽減させて補正データを作成することができる。
(19)前記画面ずれデータ作成工程が、さらに、前記画面ずれデータと予め設定された物理画面のオフセット量である設定オフセット量とに基づいて、各物理画面間の実際のずれ量である実ずれ量を取得する実ずれ量取得工程を含む(14)項ないし(16)項のいずれか1つに記載の補正データ作成方法。
実ずれ量は、全ての物理画面についてそれに対応する補正テーブルに基づいて取得することとしてもよいし、複数の物理画面のうち隣接する2つの物理画面について取得して、他の間隔も同じであるとして取得してもよい。
(20)前記複数の物理画面のうちの1つが主物理画面として設定され、その主物理画面以外の物理画面が副物理画面として設定され、
前記実ずれ量取得工程が、前記主物理画面に対する前記副物理画面それぞれの相対ずれ量を取得する相対ずれ量取得工程を含む(19)項に記載の補正データ作成方法。
本項に記載の補正データ作成方法においては、主物理画面に対する副物理画面それぞれの相対ずれ量を取得するので、例えば、画像歪みデータを、主物理画面に対応する補正テーブルの情報に基づいて取得することができる。
(21)前記主物理画面が全物理画面の中央に位置するものである(20)項に記載の補正データ取得方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の1つである電気部品装着システムが図1,図2に示されている。この電気部品装着システムは特開平6−291490号公報に詳細に記載されているシステムと基本構成を同じくするものであるので、ここでは全体の説明は簡略にし、本発明に関連の深い部分のみを詳細に説明する。
【0010】
図1において10はベースである。ベース10上には複数本のコラム12が立設されており、コラム12上に固定の固定台14に操作盤等が設けられている。ベース10上にはまた、図2に示すように、被装着基材としてのプリント基板16(電気部品装着前のプリント配線板および電気部品装着後のプリント回路板の総称としてプリント基板なる用語を使用する)をX軸方向(図2および図3において左右方向)に搬送する基板コンベア18が設けられている。プリント基板16は基板コンベア18により搬送され、図示しない位置決め支持装置により予め定められた位置に位置決めされ、支持される。
【0011】
ベース10の水平面内においてX軸方向と直交するY軸方向の両側にはそれぞれ、フィーダ型電気部品供給装置20およびトレイ型電気部品供給装置22が設けられている。フィーダ型電気部品供給装置20においては、多数のフィーダ24がX軸方向に並べて設置される。各フィーダ24にはテーピング電気部品がセットされる。テーピング電気部品は、キャリヤテープに等間隔に形成された部品収容凹部の各々に電気部品が収容され、それら部品収容凹部の開口がキャリヤテープに貼り付けられたカバーフィルムによって塞がれることにより、キャリヤテープ送り時における電気部品の部品収容凹部からの飛び出しが防止されたものである。このキャリヤテープがY軸方向に所定ピッチずつ送られ、カバーフィルムが剥がされるとともに、部品供給位置へ送られる。
【0012】
また、トレイ型電気部品供給装置22は、電気部品を部品トレイに収容して供給する。部品トレイは、図2に示すように配設された多数の部品トレイ収容箱26内にそれぞれ複数枚ずつ積まれている。これら部品トレイ収容箱26はそれぞれ図示しない支持部材により支持され、コラム12内に設けられた昇降装置と移動装置とにより順次部品供給位置へ移動させられる。部品供給位置は、部品トレイ収容箱26が垂直に積み重ねられて待機させられる待機位置より、基板コンベア18に近い位置に設定されており、部品供給位置において収容箱の上方に後述する装着ヘッド60が電気部品を取り出すためのスペースが確保されている。今回部品を供給すべきトレイがそれの収容された部品トレイ収容箱26ごと待機位置から水平方向に移動させられて、電気部品が供給される。電気部品を供給し終わった部品トレイ収容箱26は、次の部品トレイ収容箱26が部品供給位置へ移動させられる前に、上記待機位置へ水平方向に戻され、さらに、待機位置の上方に設けられた退避領域へ退避させられる。
【0013】
これらフィーダ型電気部品供給装置20およびトレイ型電気部品供給装置22により供給される電気部品28(図1参照)は、ベース10上に設けられた電気部品装着装置30によってプリント基板16に装着される。ベース10上の基板コンベア18のY軸方向における両側にはそれぞれ、図1に示すようにX軸方向に延びるガイドレール32が設けられ、X軸スライド34がガイドブロック36において移動可能に嵌合されている。
【0014】
X軸スライド34は、図2に示すように、フィーダ型電気部品供給装置20から基板コンベア18を越えてトレイ型電気部品供給装置22にわたる長さを有し、2個のナット38(図3には1個のみ示されている)がそれぞれボールねじ40に螺合され、それらボールねじ40がそれぞれX軸サーボモータ42によって同期して回転させられることにより、X軸方向に移動させられる。
【0015】
X軸スライド34上には、Y軸スライド44がX軸方向と直交する方向であるY軸方向に移動可能に設けられている。X軸スライド34の垂直な側面46には、図3に示すように、Y軸方向に延びるボールねじ48が取り付けられるとともに、Y軸スライド44がナット50において螺合されており、ボールねじ48が図2に示すY軸サーボモータ52によりギヤ54,56を介して回転させられることにより、Y軸スライド44は一対のガイドレール58に案内されてY軸方向に移動させられる。
【0016】
Y軸スライド44の垂直な側面59には、図3に示すように、装着ヘッド60が一体的に設けられている。装着ヘッド60にはホルダ64が昇降可能に設けられており、このホルダ64に吸着ノズル62が着脱可能に取り付けられている。吸着ノズル62は電気部品28を負圧により吸着して保持するものであるが、保持した電気部品28の明るい背景を形成するバックライト63を一体的に備えている。装着ヘッド60には、さらに、プリント基板16に設けられた位置決め基準であるフィデューシャルマーク(以下Fマークと称する)を撮像するFマークカメラ66(図2参照)が移動不能に設けられている。Fマークカメラ66は面CCDを備えるCCDカメラである。
【0017】
前記X軸スライド34には、図2および図3に示すように反射装置としての1組の反射鏡70,71が図示しないケーシングにより固定されている。一方の反射鏡70は、装着ヘッド60のY軸方向の移動経路の真下において、吸着ノズル62の中心線を含む垂直面に対して約45度傾斜させられ、それのX軸スライド34から近い側の端部が下方に位置する反射面72を有する。これに対して反射鏡71は、X軸スライド34を挟んだ反対側に、反射鏡70の反射面72と垂直面に対して対称に傾斜し、X軸スライド34から近い側の端部が下方に位置する反射面73を有する。これら反射鏡70,71は、X軸スライド34を移動させるボールねじ40の上方の位置であって、フィーダ型電気部品供給装置20とプリント基板16との間およびトレイ型電気部品供給装置22とプリント基板16との間の位置に設けられている。反射面72の外面には、ハーフミラー処理が施され、装着ヘッド60側から照射される光の大半を反射する一方、下方から照射された光を透過させるようになっている。
【0018】
X軸スライド34には、また、装着ヘッド60の反対側であって前記反射鏡71の鏡73に対向する位置において、吸着ノズル62に保持された電気部品28を撮像するパーツカメラ74が固定されている。パーツカメラ74はCCDカメラであり、反射鏡70,71と共に電気部品28を撮像する電気部品撮像装置76を構成している。
【0019】
X軸スライド34には、さらに、反射鏡70の反射面72の下側に、フロントライト84が図示しない取付部材によって取り付けられている。フロントライト84は、プリント基板86に多数の発光ダイオード88が固定されるとともに、拡散板89で覆われて成り、水平に配設されている。このフロントライト84は、電気部品28に下方から光を照射し、電気部品28の表面像を取得するときに使用される。
【0020】
本電気部品装着システムは、図4に示す制御装置100によって制御される。制御装置100は、CPU102,ROM104,RAM106およびそれらを接続するバス108を有するコンピュータを主体とするものである。バス108には画像入力インタフェース110を介して前記Fマークカメラ66,パーツカメラ74等が接続されている。バス108にはまた、サーボインタフェース112を介して前記X軸サーボモータ42,Y軸サーボモータ52等が接続されている。バス108にはまたデジタル入力インタフェース114およびデジタル出力インタフェース116が接続されている。デジタル出力インタフェース116には基板コンベア18,フィーダ型電気部品供給装置20,トレイ型電気部品供給装置22,電気部品装着装置30等が接続されている。
【0021】
コンピュータのROM104には、電気部品28をプリント基板16に装着するための装着プログラムを始め、種々の制御プログラムが記憶させられている。その中に、後述する画像処理プログラムと補正データ作成プログラムとが含まれている。
【0022】
次に作動を説明する。電気部品28をプリント基板16に装着する装着作業は、前記特開平6−291490号公報に詳細に記載されているので、全体の説明は簡略にし、本発明に関連の深い部分を詳細に説明する。
プリント基板16に電気部品28を装着する場合には、装着ヘッド60は、X軸スライド34およびY軸スライド44の移動によりフィーダ型電気部品供給装置20またはトレイ型電気部品供給装置22の部品供給位置へ移動して電気部品28を保持する。吸着ノズル62が下降させられて電気部品28に接触させられるとともに負圧が供給され、電気部品28を吸着した後、上昇させられるのである。
【0023】
次に、装着ヘッド60はフィーダ24の部品供給位置とプリント基板16の部品装着位置とを結ぶ直線に沿って部品装着位置へ移動させられるのであるが、この際、X軸スライド34の部品供給位置と部品装着位置との間の位置に固定されている反射鏡70上方を必ず通過する。部品供給位置および部品装着位置がフィーダ型電気部品供給装置20およびプリント基板16のいずれの位置にあっても、装着ヘッド60が部品供給位置から部品装着位置へ移動するためには必ず、X軸スライド34上をY軸方向へ移動してフィーダ型電気部品供給装置20とプリント基板16との間の部分を通る。したがって、X軸スライド34の部品供給位置と部品装着位置との間に位置する部分に反射鏡70を固定しておけば、装着ヘッド60は必ず反射鏡70上方を通過するのである。
【0024】
このとき、バックライト63を明るい背景とする電気部品28のシルエット像を形成する光、あるいはフロントライト84に照らされた電気部品28の表面の像を形成する光は反射面72により水平方向に反射された後、反射面73により上方へ反射される。装着ヘッド60が反射鏡70上を通過するとき、電気部品28は反射面72上を通り、パーツカメラ74は反射面73上に固定されているので、撮像面に入光する像形成光により電気部品28の像がパーツカメラ74により撮像される。
【0025】
本実施形態においては、電気部品28の大きさがパーツカメラ74により1回で撮像できる範囲より大きくても撮像が可能である。電気部品28の全体像が複数回(例えば5回)に分けて撮像されるのである。前述の反射鏡70の反射面72に対向する位置である撮像位置を通過する間に、装着ヘッド60が一定距離移動する毎に停止させられ、その停止中にパーツカメラ74が電気部品28を撮像する。パーツカメラ74の露光時間は電子シャッタにより制御される。電子シャッタは、パーツカメラ74のCCDに形成されている像(各撮像素子の電荷)を一旦消去した後、予め定められている露光時間の間に形成された像のデータを読み出すものである。
【0026】
例えば、Y軸方向の寸法が約150mmの電気部品が、Y軸方向の視野が約40mmのパーツカメラ74により5回に分けて撮像される。予め設定された各停止位置間の間隔である設定間隔は、後述する基準マークの間隔の整数倍であって、各撮像範囲が互いに隣接する撮像範囲と部分的に重なる重複部を有するように設定されており、本実施形態においては約35mmである。各重複部の幅が約5mmとされているのである。撮像範囲がY軸方向に沿って順に設定されており、実際に撮像される範囲の大きさは、Y軸方向において約180mmである。なお、重複して撮像される範囲の幅は、パーツカメラ74の少なくとも1つの撮像素子により撮像される範囲(本実施形態においては0.1mm×0.1mm)の2倍以上とされればよく、10倍程度とされてもよい。
【0027】
なお、設定間隔は、予め定められた値であれば基準マークの間隔の整数倍であることは必要ではない。設定間隔は、例えば、約37mmに設定されてもよいし、約33mmに設定されてもよい。
【0028】
図5に示すように、撮像によりそれぞれ取得される5つの画像データに基づいて、制御装置100において5つの物理画面150(図には物理画面150が1つのみ示されている)が形成される。各物理画面150上の各位置は、補正データ152により、電気部品28の全撮像範囲に対応して想定される仮想画面154上の各位置に対応付けられる。物理画面150に形成される電気部品28の像は、パーツカメラ74のレンズの歪みの影響を受けて歪んでおり、また、パーツカメラ74の光軸まわりの傾きの影響を受けて傾いているため、複数の物理画面150の像を仮想画面154上において単純につなぎ合わせるのみでは、形状,寸法の正確な電気部品28の像は得られない。そこで、上記レンズの歪みやパーツカメラ74の光軸まわりの傾きの影響を除くための補正が必要なのであり、物理画面150上の位置が、その上に想定される座標面の座標である物理座標で表され、後述する画像処理プログラムにより補正データ152を使用して、同じく仮想画面154上に想定される座標面の座標である仮想座標と対応付けられるのである。
【0029】
上記のように複数回の撮像により得られた画像データに基づいて、電気部品28の検査と位置ずれおよび位相ずれの検出が行われる。例えば、電気部品28が多数のリードを備えたコネクタやQFP(クオードフラットパッケージ)である場合には、それらの表面像がフロントライト84およびパーツカメラ74を使用して取得され、リードの本数,倒れの有無,ピッチ誤差等が検出されて、装着できるものか否かが判定され、装着できるものであれば位置ずれと位相ずれとが検出され、それらずれが修正された上でプリント基板16に装着されるのである。
【0030】
上記コネクタやQFPの検査や位置検出のためには、各リードの位置が検出されることが必要であるが、そのための画像処理は、前述の複数の物理画面150と1つの仮想画面154との間の補正以外は、特開平8−180191号公報に詳細に記載されているものと同じである。仮想画面154上に各リードの検査に必要なシークラインが設定されており、それらシークラインと各リードの像のエッジとの交点がエッジ点として取得され、取得された複数ずつのエッジ点の位置の座標に基づいて各リードの中心の位置が演算されるのである。具体的には、仮想画面154の各シークライン上の各点の位置が指定されれば、物理/仮想変換ドライバ156により、各指定位置に対応する物理画面150上の位置が前記補正データ152に基づいて取得され、物理画面150上においてその取得された位置に近接する4つの素子位置の光学的特性値に基づく補間演算により、取得された位置の光学的特性値が演算され、その光学的特性値が仮想画面154の指定位置の光学的特性値とされるのである。
【0031】
上述の画像処理と並行して、装着ヘッド60はプリント基板16の部品装着位置上へ移動させられ、吸着ノズル62が下降させられて電気部品28を装着位置に装着する。以上で1回の装着作業が終了する。ただし、電気部品28の検査の結果、装着に適さない(誤ったあるいは不良な)電気部品28であることが判明した場合には、その電気部品28は予め設定されている廃棄位置へ搬送され、廃棄される。
【0032】
次に画像処理について詳細に説明する。
上述の画像処理はコンピュータのROM104に格納された画像処理プログラムの実行により行われるのであるが、まず、その際使用される補正データ152を作成する補正データ作成プログラムについて説明する。補正データ作成プログラムは、図6に示すように、画像データに基づいて各々形成された物理画面160(図には2つのみ示されているが、本実施形態では5つ形成される)上の物理座標と、補正データ152を作成するために検査用基材170の撮像範囲に対応して想定された仮想画面162の仮想座標とのずれを補正する補正量のデータである補正データ152を作成するものである。
【0033】
補正データ152は、図7に示す多数の基準マーク172の設けられた検査用基材170(図には一部のみ示されている)を撮像することにより作成される。検査用基材170は、電気部品28を撮像する場合と同様に吸着ノズル62により保持され、装着ヘッド60の5つの停止位置において撮像される。撮像によりそれぞれ取得された5つの画像データに基づいて5つの物理画面160が形成され、それら物理画面160上において認識された基準マーク172の位置を示す実マーク座標と、撮像範囲に対応して想定された仮想画面162上において予め設定された基準マーク172の位置を示す設定マーク座標との位置ずれに基づいて補正データ152が作成される。以下、さらに詳細に説明する。
【0034】
補正データ152の作成が指示されると、補正データ作成用の検査用基材170が、図示しない基材保持装置から吸着ノズル62により取り出される。検査用基材170は、精度よく位置決めされて基材保持装置に保持されているため、吸着ノズル62に対する位置ずれおよび位相ずれが殆どない状態で吸着され、装着ヘッド60の停止時に、複数の基準マーク172がほぼ予定の位置に位置決めされる。検査用基材170は、多数の基準マーク172が配列された撮像面の大きさが、撮像すべき全ての撮像範囲の面積に対応する大きさに製作されている。基準マーク172は、撮像面全体に、互いに直交する2方向(以下、それぞれをたて・よこ方向と称する)に沿って延びる複数の直線の格子点上に形成されており、各撮像範囲において、たて・よこ方向に奇数個ずつ撮像されるように形成されている。それらたて・よこ方向は、撮像される際に、X軸方向およびY軸方向に平行となるように設定されている。本実施形態においては、基準マーク172は、黒色の円であって互に隣接する基準マーク172の中心間の、ピッチが、各基準マーク172の直径の倍の大きさとされ、たて方向及びよこ方向のピッチが等しくされている。図示の例では、基準マーク172が直径約2.5mmの黒く塗りつぶされた円形とされ、互に隣接する基準マーク172のピッチが約5mmとされている。検査用基材170は、線膨張係数が小さい石英ガラスに基準マーク172が印刷により形成されており、基準マーク172以外の部分である背景部は無色透明である。
【0035】
なお、基準マーク172は黒色に限らず、背景と異なるコントラストを有する輝度あるいは色彩とされればよい。さらに、基準マーク172は、それの直径が約3.5mmとされ、隣接する基準マーク172との中心間ピッチが約7mmとされる等大きさやピッチが変更されてもよいし、たて方向とよこ方向とで基準マーク172間のピッチが異ならされてもよい。基準マーク172は円形以外の形状であってもよく、例えば、正方形,長方形,三角形,楕円形,十字形等でもよい。
【0036】
基材収容装置は、例えば、各部品供給装置に隣接して設けることができる。その場合、検査用基材170は電気部品28と同様にして基材収容装置から取り出され、撮像後に元の位置に戻されることが望ましい。ただし、検査用基材170が電気部品28と同様にして基材供給装置から順次1個ずつ供給され、撮像後に廃棄装置に逐次廃棄されるようにしてもよい。いずれにしても、検査用基材170が装着ヘッド60の移動に伴って反射鏡70上を通過する際にパーツカメラ74により、前述の電気部品28と同様に5回に分けて撮像される。そして、撮像により取得された5つの画像のデータに基づいて5つの物理画面160が形成され、それぞれに対応する5つの補正テーブル174が作成される。以下、補正テーブル174の作成について説明する。
【0037】
物理画面160は、1つの主物理画面とそれ以外の副物理画面とに分けられ、本実施形態においては5つの物理画面160の中央の1つが主物理画面、両側の2つずつがそれぞれ副物理画面とされている。主物理画面に対応する補正テーブル174は、撮像装置自体の特性による画像歪みとパーツカメラ74の位相ずれとを補正するための補正データを含むものとして作成され、副物理画面に対応する補正テーブル174は、撮像装置自体の特性による画像歪みとパーツカメラ74の位相ずれと各副物理画面の主物理画面に対する位置ずれとを補正するための補正データを含むものとして作成される。また、撮像装置自体の特性による画像歪みを補正するための歪み補正データも作成される。その理由は、以下の通りである。
【0038】
本実施形態においては、1つのパーツカメラ74により5つの撮像範囲が撮像されるので、各実マーク座標の設定マーク座標に対するずれのうち、レンズの歪み等撮像装置自体に起因するずれである画像歪みの要素は5つの撮像範囲についてほぼ同じであると考えることができる。そして、そのように考えることにより補正テーブル174の更新を容易化し得る。パーツカメラ74の位相ずれや、各副物理画面の主物理画面に対する位置ずれは、電気部品装着システムの温度変化,経時変化,再調整等によって変わる可能性があるが、撮像装置自体の特性による画像歪みはパーツカメラ74の交換が行われない限り変わらないものであるので、歪み補正データとしての歪み補正テーブルが一旦取得されれば、原則として更新は行われず、パーツカメラ74の位相ずれや、各副物理画面の主物理画面に対する位置ずれのデータのみが更新され、その更新されたデータと、更新されない歪み補正テーブルとに基づいて、容易に補正テーブル174が更新されるようにできるのである。
【0039】
前述のように、検査用基材170は吸着ノズル62によりほぼ正しい位置に保持されるが、μmオーダの精度で保持させることは困難であり、その程度の保持位置・位相ずれが生じることは許容されている。したがって、主物理画面および副物理画面における基準マーク172の位置も画像歪みおよび物理画面同士の位置ずれおよび位相ずれである画面位置・位相ずれに起因する誤差と共に、検査用基材170の保持位置・位相ずれに起因する誤差を含んでいる。そして、この保持位置・位相ずれに起因する誤差は、検査用基材170の位置ずれおよび位相ずれによって生じるものであるため、まず主物理画面および副物理画面の各々に対応する座標ずれテーブルを作成し、それら座標ずれテーブルの各基準マーク座標に、検査用基材170の保持位置・位相ずれに起因する誤差を除くための共通の座標変換を施すことによって除去し得るものである。よって、検査用基材170の保持位置・位相ずれに起因する実マーク座標の誤差が、以下のようにして除去され、各物理画面160に対応する補正テーブル174が作成される。
【0040】
まず、すべての物理画面160における基準マーク172の位置を示す実マーク座標と、撮像範囲に対応して想定された仮想画面162上において予め設定された基準マーク172の位置を示す設定マーク座標との位置ずれを示すマーク座標ずれが、各設定マーク座標と対応付けられたマーク座標ずれテーブルが作成される。
【0041】
このマーク座標ずれテーブル作成のために、まず、5回の撮像により取得された画像のデータである5群の画像データに基づいて形成される5つの物理画面160の各々において、各基準マーク172の位置が検出される。画像データは、パーツカメラ74のCCDにおける各撮像素子の位置と、それら撮像素子により検出された各画素の光学的特性値としての輝度とが対応付けられたデータであり、その画像データの集合により物理画面160が形成される。輝度は本実施形態においては256階調で表されるが、例えば、2階調で表される二値データとされてもよい。本実施形態においては、基準マーク172が黒色、それ以外の背景部が無色透明とされているので、例えば、その階調の変化量がしきい値以上である部分を基準マーク172と背景部との境界であるエッジとして取得することができる。図8に示すように、エッジと複数のシークライン180との交点をエッジ点182とし、複数のエッジ点182の座標に基づいて基準マーク172の中心点の座標が演算され、物理画面160上において基準マーク172の位置を示す実マーク座標とされる。本実施形態においては、輝度の変化が連続的であると仮定され、前述の物理/仮想変換ドライバ156により、仮想画面154上の任意の点の輝度が検出されるので、実マーク座標が精度良く検出される。
【0042】
次に、物理画面160上の実マーク座標と、仮想画面162上に予め設定された基準マーク172の理想的な位置を示す設定マーク座標とを比較して、両者の位置ずれを検出するじゅうたんパターンマッチングが行われる。具体的には、各設定マーク座標を中心とした一定の広さを有する検索範囲内において実マーク座標が検索され、その検索範囲内に存在する実マーク座標が設定マーク座標に対応する基準マーク172の位置を表す座標であるとして、その実マーク座標と設定マーク座標とが関連づけられる。なお、少なくとも1つの設定マーク座標について、それを中心とした検索範囲内に基準マーク172の実マーク座標が存在しない場合は、今回の補正データ作成がエラーであると判定され、処理が中止される。
【0043】
それに対して、全ての設定マーク座標について、関連する実マーク座標が検出されれば、各設定マーク座標とそれに対応する実マーク座標とのずれ量を示すマーク座標ずれが、各設定マーク座標と対応付けられたマーク座標ずれテーブルが、各物理画面160に対応してそれぞれ作成される。
【0044】
上記のようにじゅうたんパターンマッチングが行われる理由は、以下の通りである。検査用基材170が、吸着ノズル62により十分は位置精度で保持されており、検査用基材170の装着ヘッドに対する位置ずれが許容誤差範囲内であれば、その状態で撮像された検査用基材170の画像データに基づいて、信頼性の高い補正データ152を作成することができる。しかし、検査用基材170の吸着ノズル62に保持された位置が、予め想定された位置に対して大きくずれている場合には、そのずれを含む状態で補正データを作成すれば、補正データの信頼性が低下する可能性がある。そこで、本実施形態においては、前述のように少なくとも1つの基準マーク172について物理画面160上における実マーク座標が、設定マーク座標の検索範囲から外れるほど大きくずれている場合には、補正データ152の作成が中止される。さらに、1つの物理画面160について基準マーク172がたて・よこ両方向のうち少なくとも一方向について偶数個撮像された場合にも、エラーとして補正データ152の作成が中止される。この処理により、検査用基材170がほぼ正しい位置で撮像された場合にのみ補正データ152が作成されることが保証され、補正データ152の信頼性が高くなる。
【0045】
前述のようにして取得される各マーク座標ずれは、前記撮像装置自体の特性による画像歪みと、Y軸スライド44の移動方向に対するパーツカメラ74の傾きであって各物理画面160に共通の位相ずれγと、各副物理画面の主物理画面に対する位置ずれとに加えて、吸着ノズル62による検査用基材170の保持の位置ずれおよび位相ずれβをも含むものである。
【0046】
そこで、まず、吸着ノズル62による検査用基材170の保持の位置ずれおよび位相ずれがないものとみなして、各物理画面160に対応するマーク座標ずれテーブルから、各物理画面の中心の仮想画面に対する位置ずれと、位相ずれα0 ,α1 ,α2 ,α3 およびα4 とが演算される(図9参照)。1つのマーク座標ずれテーブルに含まれる全ての設定マーク座標におけるマーク座標ずれの平均値が各物理画面の中心の仮想画面に対する位置ずれとして取得される。なお、水平方向成分は、例えば、各物理画面160の中心に位置する基準マーク172のうち少なくとも1つを、その物理画面160を代表する代表マークとし、その代表マークに対応する設定座標の補正量に基づいて取得されてもよい。
【0047】
上記位相ずれα0 ,α1 ,α2 ,α3 およびα4 の演算は、それぞれ次のようにして行われる。各マーク座標ずれテーブルの設定マーク座標のたて・よこ方向のうちいずれか一方向(本実施形態においてはよこ方向)の列ごとに、実マーク座標のよこ列の設定マーク座標のよこ列に対する傾きであるよこ列の傾きがそれぞれ算出され、それらよこ列の傾きの平均値が、画面位置ずれの傾き成分として取得される。具体的には、各よこ列について中心の設定マーク座標に対して対称に位置する設定マーク座標が互いに関連づけられ、それら関連付けられた設定マーク座標におけるマーク座標ずれに基づいてそれぞれ仮の傾きが算出され、それら仮の傾きの平均値がよこ列の傾きとして取得される。それらよこ列の傾きの平均値が、各物理画面160の位相ずれα0 ,α1 ,α2 ,α3 およびα4 として取得される。
【0048】
一方、5つの物理画面の中心184の一次回帰直線186の傾き角が、吸着ノズル62による検査用基材170の保持の位相ずれβを表す角度として演算される。この際、理論的には物理画面の中心の座標について計算されるようにすべきであるが、実用上は、物理画面の中心間の距離を各撮像間における装着ヘッド60の公称移動距離である上記設定間隔とし、物理画面の中心の装着ヘッド60の移動軌跡からの外れ量を物理画面の中心の座標のうち装着ヘッド60の移動方向と直交する方向の座標であるX座標として一次回帰線186が求められるようにすればよい。求められた一次回帰線186の傾き角である検査用基材170の保持の位相ずれβと、各物理画面の位相ずれα0 ,α1 ,α2 ,α3 およびα4 の平均値αとの差が、パーツカメラ74のY軸スライド44に対する(Y軸スライド44の移動方向であるY軸方向に対する)位相ずれ(傾き角)γとして求められ、RAM106に格納される。なお、上記一次回帰直線の傾き角の代わりに、1つの物理画面の中心と他の4つの物理画面の各中心とを結ぶ4本の直線の傾き角の平均値や、代表的な2つの物理画面の中心を結ぶ直線の傾き角を、吸着ノズル62による検査用基材170の保持の位相ずれとして使用することも可能である。
【0049】
また、5つの物理画面の中心184の位置ずれの平均値が、吸着ノズル62による検査用基材170の保持の位置ずれとして演算される。そして、その保持の位置ずれと、主物理画面の中心の位置ずれとの差が0になり、かつ、吸着ノズル62による検査用基材170の保持の位相ずれおよびパーツカメラ74のY軸スライド44に対する位相ずれが0になるように、主物理画面のマーク座標ずれテーブルに座標変換が施され、画像歪みにのみ起因するマーク座標のずれが各設定マーク座標に対応付けられた歪み補正テーブルが作成される。
【0050】
この歪み補正テーブルをそのまま使用することも可能であるが、本実施形態においては設定マーク座標間を補間するために、0.5mm間隔で補正点が設定され、それら補正点の位置と各補正点の補正量とが対応付けられたものが作成され、それが最終的な歪み補正テーブルとしてRAM106に格納される。
【0051】
上記歪み補正テーブルに、前記パーツカメラ74のY軸スライド44に対する位相ずれとに対応する座標変換を施せば、主物理画面用の補正テーブル174が得られる。
【0052】
さらに、4つの副物理画面の中心の位置ずれに対して、吸着ノズル62による検査用基材170の保持の位置ずれと主物理画面の中心の位置ずれとの差と、吸着ノズル62による検査用基材170の保持の位相ずれとを除去するための座標変換が施されて、各副物理画面の主物理画面に対する位置ずれを補正するための画面相対位置補正データが取得され、RAM106に格納される。この画面相対位置補正データと、前記パーツカメラ74のY軸スライド44に対する位相ずれγとに対応する座標変換を前記歪み補正テーブルに施せば、各副物理画面用の補正テーブル174が得られる。
【0053】
以上のようにして得られる主,副物理画面用の補正テーブル174を全てRAM106に格納しておき、必要に応じて使用することも可能であるが、本実施形態においては、RAM106の記憶容量を節減するために、実際には、歪み補正テーブルと、パーツカメラ74の位相ずれおよび各副物理画面の主物理画面に対する位置ずれのデータとのみがRAM106に格納されるようにされている。仮想画面上において、任意の点が指定される毎に、その指定点に近接する4つの補正点の補正量が歪み補正テーブルから読み出され、それら補正量にパーツカメラ74の位相ずれに対応する座標変換が施されて主物理画面用の補正量とされ、歪み補正テーブルから読み出された補正量にパーツカメラ74の位相ずれと各副物理画面の主物理画面に対する位置ずれとに対応する座標変換が施されて各副物理画面用の補正量とされるようにされているのである。したがって、歪み補正テーブルとパーツカメラ74の位相ずれのデータとの組合わせが、主物理画面用の補正テーブル174であり、歪み補正テーブルとパーツカメラ74の位相ずれのデータおよび各副物理画面の主物理画面に対する位置ずれのデータとの組合わせが各副物理画面用の補正テーブル174であることになる。
【0054】
各補正テーブル174は、図10に示すように、設定マーク座標における補正量についてX軸方向におけるものとY軸方向におけるものとを分けて把握することができるものとされる。図10には、X軸方向における各基準マーク172における補正量を結んで任意の仮想座標に対応する補正量が示されている。なお、位置ずれ,位相ずれが、仮想画面に対する物理画面のずれとして求められているため、ずれ量は後の画像処理においてそのまま補正量として使用される。
【0055】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、マーク座標ずれテーブルから、吸着ノズル62による検査用基材170の保持位置・位相誤差が除去されて補正テーブル174が作成されるが、例えば、後に行われる電気部品28の位置検出の要求精度が、検査用基材170の吸着ノズル62による保持位置・位相ずれを許容する程度である場合や、電気部品28の吸着ノズル62による保持位置・位相ずれを取得する必要がなく、電気部品28が欠陥を有しないものであるか否か等の検査が可能であればよい場合等には、マーク座標ずれテーブル自体を補正テーブルとして使用することも可能である。ただし、前述のように5mmまたは7mm間隔で設けられた設定マーク座標とそれの補正量とに基づいて、補間演算により0.5mm間隔等さらに小さい間隔で設定された補正点の位置と各補正点における補正量とのテーブルとして作成されることが望ましいことは同様である。
【0056】
次に電気部品28の像を取得する画像処理プログラムについて説明する。このプログラムは、1つの電気部品28を複数回(1回で撮像される場合があっても差し支えない)撮像して取得された画像データと、上述の補正データ作成プログラムにより作成された補正データ152とに基づいて電気部品28の像を再現するためのものである。
【0057】
本画像処理プログラムにおいても、5つの撮像範囲の全てに対応する1つの仮想画面である仮想画面154が予め想定されている。この仮想画面154に、検出すべき電気部品28に対して予め定められているシークラインが設定される。シークラインは、電気部品28の像の境界と交差するように設定される。シークラインについては特開平8−180191号公報に記載されているものと同一であるので説明を省略する。
【0058】
本実施形態においては、シークラインに沿って予め定められた微小な間隔で指定点が、仮想画面上の座標である仮想座標によって指定され、物理/仮想変換ドライバ156により、物理画面上においてその仮想座標に対応する物理座標の光学的特性値が画像データに基づいて演算される。それにより、演算負荷を小さく抑えつつ電気部品の形状,寸法,位置等を検出することができる。
【0059】
まず、仮想座標に基づいて5つの物理画面150のうちいずれの物理画面150に基づいて光学的特性値を取得すべきかが決定される。具体的には、仮想座標のY座標により対応する物理画面150のイメージナンバが取得される。仮想座標の中心を原点とする座標軸を設定した場合に、複数回の撮像間における装着ヘッド60の移動量の1.5倍,0.5倍,−0.5倍および−1.5倍の位置にそれぞれ境界線176が設定されており、仮想座標のY座標がどの境界線176間に位置するかによって、対応する物理画面150のイメージナンバが決定される。イメージナンバは、5つの物理画面150に対応して0から4まで順に設定されており、2が前述の主物理画面にのイメージナンバであり、それ以外が副物理画面のイメージナンバである。
【0060】
仮想座標に対応する補正量は、イメージナンバが2であれば、歪み補正テーブルとパーツカメラ74の位相ずれのデータとに基づいて取得される。これに対して、イメージナンバが2以外の場合は、仮想座標にそのイメージナンバに対応する副物理画面の位置補正データ(各副物理画面の主物理画面に対する位置ずれのデータ)と、パーツカメラ74の位相ずれのデータとが呼び出され、それらデータと歪み補正テーブルとに基づいて取得される。具体的には、歪み補正テーブルの各補正点の補正量に、副物理画面の主物理画面に対する位置ずれとパーツカメラ74の位相ずれとに対応する座標変換が施されることによって、最終的な補正量が取得される。
【0061】
歪み補正テーブルは、前述のように0.5mm間隔で設定された格子点と、それら格子点に対応する補正量とを含むように構成されている。この歪み補正テーブルにおいて、仮想座標の近傍4つの格子点における補正量がそれぞれ取得される。
【0062】
本実施形態においては、図10に示すように画像の歪みが連続的に変化する値であると仮定されており、図11に示すように、今回補正量を算出すべき仮想座標Eについて、近傍4点の格子点A,B,C,Dが選択される。それら格子点A,B,C,Dにおける補正量(図において高さ方向で示されるベクトル)に基づいて仮想座標Eにおける補正量が線形補間により演算される。この補正量は、X軸方向成分とY軸方向成分とに分けてそれぞれ演算されるが、以下に例としてX軸方向の成分を算出する場合について説明する。
【0063】
図11に、仮想座標E(X,Y)と、仮想座標Eの線形補間に使用される4個の格子点A(x,y),B(x+1,y),C(x+1,y+1),D(x,y+1)が示され、それら各格子点におけるX軸方向の補正量がf(x,y),f(x+1,y),f(x+1,y+1),f(x,y+1)で示されている。ここで、仮想座標Eと格子点AとのX座標およびY座標の差をa=X−x,b=Y−yと仮定すると、仮想座標Eにおける補正量f(X,Y)は、以下に示す式(5)により演算される。
f(X,Y)=f(x,y)(1−a)(1−b)+f(x+1,y)a(1−b)+f(x+1,y+1)ab+f(x,y+1)(1−a)b・・・(5)
【0064】
補正量のY軸方向成分についても同様に演算されて、仮想座標Eの補正量が取得される。そして、これらX,Y軸方向成分に対して、前記副物理画面の主物理画面に対する位置ずれとパーツカメラ74の位相ずれとに対応する座標変換が施されることにより、仮想座標に対する補正量が算出され、仮想座標が補正されて物理画面160上の物理座標が取得される。
【0065】
次に取得された物理座標に基づいて、仮想座標に対応する光学的特性値が取得される。前述の仮想座標に対応するイメージナンバの物理画面150が呼び出され、その物理画面150上の物理座標における光学的特性値が取得され、その光学的特性値が仮想座標に対応する光学的特性値とされる。具体的には、今回光学的特性値を取得すべき物理座標について、その物理座標の近傍4点の素子位置と、その素子位置における光学的特性値が取得される。ここで、素子位置は、1つの撮像素子により撮像される範囲である素子範囲に対応する位置であり、本実施形態においては各素子範囲の中心である。その素子位置における光学的特性値は、各素子範囲における光学的特性値の平均であって、各撮像素子により取得された光学的特性値そのものである。取得された近傍4点の素子位置と、それら素子位置における光学的特性値とに基づいて、前述の補正量と同様に線形補間が行われ、物理座標における光学的特性値が取得されるのである。
【0066】
以上で、1つの仮想座標における光学的特性値の取得作業が終了する。この作業が繰り返されて光学的特性値を取得すべき全ての仮想座標について上記の処理が行われれば、シークライン上において光学的特性値の評価を行うことが可能になり、光学的特性値の急変する位置(変化勾配の極大点に対応する位置、あるいは変化勾配が設定勾配以上となる位置)がエッジジ点として検出される。そして、複数のエッジ点の位置から電気部品28の形状,寸法,位置等の情報が取得される。
【0067】
本実施形態においては、物理画面上の画像の歪みを補正する歪み補正テーブルと、物理画面の位置や位相を補正する補正データとを含む補正データ152が作成され、歪み補正テーブルが5つの物理画面150に共用とされているので、補正データ152のデータ量を圧縮することができる。また、画像歪みと相対位置・位相ずれとが分けて取り扱われるので、いずれか一方についてのみデータを更新することができる。例えば、撮像装置に起因する画像歪みは殆ど変化しないので、撮像装置の交換時にのみ更新することとし、撮像装置と電気部品保持装置との相対位置や相対位相のずれに対応する補正データのみを更新することができるのである。このようにすれば、補正テーブル174全体を更新する場合に比較して演算負荷が小さくて済み、撮像装置と電気部品保持装置との相対位置や相対位相のずれを頻繁に検出して修正することが可能となる。
【0068】
なお、上記実施形態においては、パーツカメラ74と装着ヘッド60とがX軸方向に相対移動しないようにされているが、X軸方向とY軸方向との両方に相対移動させられるようにしてもよい。その場合には、撮像範囲がX,Y両方向において複数に分割されることとなる。
【0069】
また、上記実施形態においては、パーツカメラ74が1つ設けられ、その1つのパーツカメラにより撮像範囲が複数回に分けて撮像されるが、パーツカメラが複数個設けられて、複数の撮像範囲が同時に撮像されるようにしてもよい。その場合、パーツカメラの数と撮像範囲の数とを互いに異ならせることもでき、例えば、パーツカメラを2つ設けて複数の撮像範囲がそれの半分の回数で撮像されるようにしてもよい。パーツカメラを複数個設けることにより撮像に要する時間を短縮することができる。
【0070】
前記実施形態における電気部品装着システムの撮像装置においては、一方の撮像位置に2個一組の反射鏡が設けられていたが、撮像装置を別の態様とすることもできる。例えば、前記反射鏡73をハーフミラーとし、その背後に別の反射鏡を1個配設するのである。反射鏡73とその背後の反射鏡とにそれぞれ対向するパーツカメラのレンズの倍率を変えることにより、小さい電気部品は大きな倍率で撮像し、大きな電気部品は小さな倍率で撮像するというように、目的に合わせて2個のパーツカメラを使い分けたり、1つの電気部品の倍率の異なる2つの画像を取得したりすることが可能となる。
【0071】
以上、本発明の実施形態のいくつかを説明したが、これは例示であり、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および発明の効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電気部品装着システムの一部を抜き出して示す側面図である。
【図2】上記電気部品装着システムを示す平面図である。
【図3】上記電気部品装着システムの装着ヘッドを拡大して示す側面断面図である。
【図4】上記電気部品装着システムの制御装置を示すブロック図である。
【図5】図4の制御装置において物理画面上の画像データから仮想画面上の画像データを演算する過程を概念的に示す図である。
【図6】図4の制御装置において補正データを作成する過程を概念的に示す図である。
【図7】上記電気部品装着システムにおける補正データ作成プログラムの実行時に利用される検査用基材を示す平面図である。
【図8】上記電気部品装着システムにおける補正データ作成プログラムの実行時に利用されるシークラインの一例を示す図である。
【図9】上記電気部品装着システムにおける補正データ作成の一過程を説明するための図である。
【図10】上記電気部品装着システムにおいて取得される物理画面の歪みの一例を表したグラフである。
【図11】上記電気部品装着システムにおいて、仮想画面上で指定された座標の補正量を演算するための線形補間を説明する図である。
【図12】従来の画像処理方法を説明する図である。
【符号の説明】
16:プリント基板 28:電気部品 60:装着ヘッド 66:Fマークカメラ 70,71:反射鏡 74:パーツカメラ 150,160:物理画面 152:補正データ 154:仮想画面 156:物理/仮想変換ドライバ 170:検査用基材 172:基準マーク 174:補正テーブル
Claims (7)
- 撮像すべき撮像対象物を、1つの撮像装置が1度に撮像することができる撮像範囲であって互に隣接する撮像範囲と部分的に重なる部分である重複部を含む複数の撮像範囲に分割し、それら撮像範囲をそれぞれ撮像し、それら複数の撮像範囲について各々取得した複数の画像のデータである複数群の画像データに基づいて前記撮像対象物の光学的特性値を取得する画像処理方法であって、
前記複数の撮像範囲に対応して想定される仮想画面において、その仮想画面の一部のみを前記光学的特性値を取得すべき仮想位置として設定し、その仮想位置のみを予め作成された補正データに基づいて補正することにより、前記複数群の画像データに基づいて形成される複数の物理画面のいずれかにおいて前記仮想位置のみに対応する物理位置のみを取得し、その物理位置における光学的特性値を仮想位置における光学的特性値として取得するとともに、前記補正データを、前記複数の物理画面のうちの1つの、前記仮想画面に対する画像歪みを示す画像歪みデータと、前記複数の物理画面の各々の前記仮想画面に対する全体的なずれを示す画面ずれデータとに分けて作成し、前記仮想位置に対応する物理位置の取得を、それら画像歪みデータと画面ずれデータとに基づいて行う画像処理方法。 - 前記仮想画面の一部として、撮像により取得された画像内の撮像対象物の境界と交差するシークラインを光学的特性値を取得すべき仮想位置として設定する請求項1に記載の画像処理方法。
- 前記補正データが、前記仮想画面上において予め設定された複数の設定座標と、それら設定座標に対応する物理座標を取得するために設定座標を補正すべき補正量とが関連付けられた補正テーブルを含み、前記仮想位置を予め作成された補正データに基づいて補正する工程が、前記仮想位置を表す仮想座標の補正量を、仮想座標毎に前記補正テーブルの前記設定座標とそれに対応する補正量とに基づいて演算する補正量演算工程を含む請求項1または2に記載の画像処理方法。
- 前記撮像装置が複数の撮像素子を有するものであり、前記画像データが、それら複数の撮像素子の位置と関連付けられた前記光学的特性値の情報を含み、前記物理画面が、前記撮像素子を代表する点の位置を表す実素子座標とそれに対応する光学的特性値とに基づいて形成されたものであって、
前記仮想座標を補正して取得される物理座標における光学的特性値を取得する工程が、前記物理座標における光学的特性値を、物理座標毎に前記実素子座標と、それの光学的特性値とに基づいて演算する光学的特性値演算工程を含む請求項3に記載の画像処理方法。 - 前記補正データを作成する補正データ作成工程を含み、その補正データ作成工程が、表面に複数の基準マークが規則的に設けられた基材を、前記撮像装置により前記複数の撮像範囲の少なくとも2つに対応する部分に分割してそれぞれ撮像し、取得された少なくとも2つの画像のデータである少なくとも2群の画像データに基づいてそれぞれ形成される少なくとも2つの物理画面と、前記複数の撮像範囲全体に対応して想定される仮想画面であって基準マークが撮像されるべき位置が予め設定されている仮想画面とに基づいて、前記物理画面上における基準マークの実際の位置である実マーク位置と前記仮想画面上において予め設定された基準マークの位置である設定マーク位置とを一致させるための補正データを作成する工程を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理方法。
- 撮像すべき撮像対象物を、複数の撮像範囲であって互に隣接する撮像範囲と部分的に重複する重複部を有する複数の撮像範囲に分けて撮像する少なくとも1つの撮像装置と、
その撮像装置により前記複数の撮像範囲の各々に対応して取得された複数の画像のデータである複数群の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記複数群の画像データに基づいて前記撮像対象物の情報を取得する際に用いられる補正データを記憶する補正データ記憶手段と、
前記複数の撮像範囲全てに対応して想定される仮想画面の一部のみを前記撮像対象物の情報を取得すべき仮想位置として設定し、その仮想画面の一部のみについて、前記仮想位置を前記補正データに基づいて補正して物理位置を取得し、その取得した物理位置のみの光学的特性値を前記複数群の画像データに基づいて取得し、その物理位置のみの光学的特性値と前記仮想画面の一部のみの仮想位置とが関連付けられた仮想データを作成する仮想データ作成手段と
を含み、かつ、前記補正データ記憶手段が、前記補正データを、前記複数の物理画面のうちの1つの、仮想画面に対する画像歪みを示す画像歪みデータと、前記複数の物理画面の各々の仮想画面に対する全体的なずれを示す画面ずれデータとに分けて記憶する手段を含み、仮想データ作成手段が、前記仮想位置に対応する物理位置の取得を、それら画像歪みデータと画面ずれデータとに基づいて行う手段を含む画像処理システム。 - 前記仮想データ作成手段が、前記仮想画面の一部として、撮像により取得された画像内の撮像対象物の境界と交差するシークラインを光学的特性値を取得すべき仮想位置として設定する手段を含む請求項6に記載の画像処理システム。
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