JP4451213B2 - ディスプレイ用基板 - Google Patents
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また、「遮断性」は「バリア性」、「EL」は「エレクトロルミネッセンス」、「LCD」は「液晶ディスプレイ」、「PDP」は「プラズマディスプレイパネル」、「パネル」は「素子」、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、「PEN」は「ポリエチレンナフタレート」、「(メタ)アリレ−ト」は「アリレ−ト及びメタアリレ−トの総称」、及び「(メタ)アクリレ−ト」は「アクリレ−ト及びメタアクリレ−トの総称」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
フィルムとシートのJIS−K6900での定義では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅の割りには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう。従って、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しにくいので、本明細書ではシートとフィルムの両方を含めて「フィルム」と定義する。
また、電子デバイスの分野においても、電子デバイス用基板として、ガラス基材などを用いた基板では、より薄膜化、省スペース化、軽量化が望まれている。
さらに、電子デバイス用基板として従来、Siウエハやガラスなどの無機材料が広く用いられてきた。ところが、近年、製品の軽量化、基板のフレキシブル化、低コスト化、ハンドリング特性などの様々な理由から樹脂フィルムを主体とするの基板(以下、樹脂フィルム基板、又はフィルム基板という)が望まれるようになっている。
特に、有機ELや液晶といったディスプレイ用途では、透明でかつ耐熱性を有し、デバイスが酸化劣化しないような酸素のバリア性、電子デバイス内の必要な真空度を維持でき、ディスプレイの寿命を伸ばせるような酸素や水蒸気のバリア性を有する樹脂フィルムを基材とするディスプレイ用基板も望まれている。しかしながら、ディスプレイ用基板は、ガラスなどの無機材料からなる基板と比較した場合、一般的に表面粗さがあり、特に最大突起が大きく、かつその処理が困難であるという問題を有している。表面に突起があると、ガスバリア性膜にピンホールが発生しやすく、酸素や水蒸気のバリア性が十分に得られない。さらに、表面に突起があると、その面に形成する電極にも突起が生じて、有機EL素子などのディスプレイによっては、電極となる透明導電層に突起(凹凸)があると、断線したり、電流が短絡したりするという問題があった。
そこで、包装材料やディスプレイ基板に用いる積層体には、水蒸気や酸素などのガスバリア性に優れ、かつ、断線や電流短絡の原因となる突起(凹凸)が極めて少ない透明ガス遮断性積層体が求められ、並びにそれを用いたディスプレイ用基板及びディスプレイも同様に求められている。
また、これらの欠点を克服するため、透明性耐熱性基材上にスパッタ法を用いてガス遮断層を形成するものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、その実施例に記載されているように酸素透過度が1cm3/m2 程度の低いガス遮断性しか得ることはできない。
さらにまた、樹脂フィルムとガス遮断層の密着性を改善するために、接着層を狭持させているものが知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、が、樹脂フィルム表面に存在する突起に起因するガス遮断層におけるピンホ−ルの抑制については考慮されていない。そのため、該公報の実施例には水蒸気透過度が0.1g/m2 と未だ電子デバイス用途のガス遮断性フィルムには不十分なガス遮断性であるという欠点がある。
さらにまた、シラン化合物成分に加え、1種以上の重合性単量体を水中で乳化重合して得られた水分散重合体をガス遮断性層とするものが知られている(例えば、特許文献5〜6参照。)。しかしながら、酸素透過度の抑制については記載されているが、水蒸気透過度の具体的な数値については言及されていない。
さらにまた、透明電極層に補助電極層を設けるものが知られている(例えば、特許文献7参照。)。しかしながら、本出願とは、層構成や目的が異なり、基板の表面粗さの平坦化、及び該平坦化の数値については言及されておらず、記載及び示唆も全くない。
さらにまた、前記の特許文献1〜7のいずれにも、平担化層をパターン状とし、該パターンの凹部に透明導電層、前記補助電極層、酸素捕捉剤、水蒸気捕捉剤、封止用樹脂、電極層、正孔注入層、発光層及び/又は陰極層などを埋め込むことで、ガスバリア性などの機能を向上させたり、より薄型とすることについては言及されていない。
請求項2の発明に係わるディスプレイ用基板は、前記透明基材と前記平坦化層の間に、透明無機化合物層が形成されているように、したものである。
請求項3の発明に係わるディスプレイ用基板は、前記透明基材が樹脂フィルムであるように、したものである。
請求項4の発明に係わるディスプレイ用基板は、前記凹部に、補助電極層が形成されてなるように、したものである。
請求項5の発明に係わるディスプレイ用基板は、前記凹部に、正孔注入層、発光層及び陰極層が順次形成されてなるように、したものである。
請求項6の発明に係わるディスプレイ用基板は、前記凹部に、封止用樹脂が埋め込まれてなるように、したものである。
請求項7の発明に係わるディスプレイ用基板は、前記凹部に、酸素捕捉剤及び/又は水蒸気捕捉剤が埋め込まれてなるように、したものである。
このような500nmの突起上に、膜厚が20nm程度の薄膜のガスバリア層や透明導電層(電極層となる)を形成した場合、突起の頂部を覆うことはできず、突き抜けた突起が残ってしまう。該突起により、ガスバリア層にピンホ−ルが発生してガスバリア性が劣化したり、透明導電層が断線や短絡して、フィルム基板として使用できなくなる可能性が高い。
そこで、樹脂フィルムに突起があったとしても、突起(凹凸)を極めて少なくできるような、透明基材/第1透明無機化合物層/平坦化層/第2透明無機化合物層の層構成とすることで、前記第2透明無機化合物層の表面粗さRa(平均粗さ)が5nm以下、Rmax(最大突起長)が80nm以下とすることで、水蒸気や酸素などのガスバリア性に優れ、かつ、断線や電流短絡の原因となる突起(凹凸)が極めて少ない、樹脂フィルムを用いた包装材料やディスプレイ基板に用いる樹脂フィルムを主体とした透明ガス遮断性フィルムを見出して本発明に至った。
さらに、電子デバイス用基板として、ガラス基材などを用いた基板では、耐熱性がよく高熱がかけられるので、バリア層なしで、パターン化したレジスト層で、絶縁層、捕捉剤や封止剤の囲いとして使用することができ、ガスバリア性などの機能を向上させたり、より薄型とすることができる。
請求項2の本発明によれば、前記透明基材と前記平坦化層の間に、透明無機化合物層を形成することで、水蒸気の透過や酸素の透過を遮断する機能に加え、その上に形成される平坦化層と透明無機化合物層の積層体の応力による膜剥がれを防止して、透明基材との間に挟持させ強固に密着させることができるディスプレイ用基板が提供される。また透明基材からの脱ガスを防止させることもできる。
請求項3の本発明によれば、フレキシブル性があり、軽く、割れず、曲げられ、より省スペース化、軽量化、薄型化できるディスプレイ用基板が提供される。
請求項4の本発明によれば、前記凹部に、補助電極層を形成することで、透明導電層の配線抵抗を低減させ、より省スペース化、軽量化、薄型化できるディスプレイ用基板が提供される。
請求項5の本発明によれば、前記凹部に、正孔注入層、発光層及び陰極層を順次形成することで、省スペース化、軽量化、薄型化でき、また、透明基材として樹脂フィルムを用いた場合にはフレキシブル性があり、軽く、割れず、曲げられるディスプレイ用基板が提供される。
請求項6の本発明によれば、前記凹部に、封止用樹脂を埋め込むことで、より薄型のディスプレイ用基板が提供される。
請求項7の本発明によれば、前記凹部に酸素捕捉剤及び/又は水蒸気捕捉剤が埋め込まれ、ガスバリア性が向上し、かつより薄型で、かつ長寿命のディスプレイ用基板が提供される。
図1は、本発明のガス遮断性積層体の1実施例を示す断面図である。
図2は、本発明のガス遮断性積層体の1実施例を示す断面図である。
図3は、本発明のディスプレイ用基板の1実施例を示す断面図である。
また、応力を相殺するように、表裏が対称又は対称に近い層構成とすることが好ましい。即ち、(近似対称)第2平坦化層15B/第3透明無機化合物層13C/透明基材11/第1透明無機化合物層13A/平坦化層15/第2透明無機化合物層13B、(表裏対称)第4透明無機化合物層13D/第2平坦化層15B/第3透明無機化合物層13C/透明基材11/第1透明無機化合物層13A/平坦化層15/第2透明無機化合物層13B、などの層構成である。
このような層構成とすることで、第2透明無機化合物層13Bの表面粗さRa(平均粗さ)が5nm以下、Rmax(最大突起長)が80nm以下とすることができる。
(透明基材)本発明の透明ガス遮断性積層体10の透明基材11としては、その利用される分野の要求性能の従い、適宜選択すればよい。
包装用途としては、充填適性、印刷適性等を考慮する必要があり、透明基材11の材料としては、ガラス類、PET、PEN、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリビニールアルコール(PVA)、エチレン−酢酸ビニール共重合体鹸化物(EVOH)、あるいはそれらの複合樹脂等をあげることができる。もちろん、ここに例として挙げた限りではない。
また、ガラス中に、透明電極との密着性や発光特性を向上させるために、例えば錫のような添加物を添加してもよい。
ガラスの厚さは、通常0.2〜5mm程度とする。ガラス基材でも、厚さが1mm以下程度の薄膜ガラス等を用いた場合には、樹脂基材と同様にフレキシブル性が得られる。
透明基材としてガラスを用いた場合には、ガラス自身が優れたガスバリア性を有するので、第1透明無機化合物層13Aを設けなくてもよく、より省スペース化、軽量化、薄型化することができる。
また、透明基材11の材料としては、樹脂を主体とするものでもよく、例えば、ポリエポキシド含浸ガラスクロスのような、強化材へ樹脂含浸したものも含む。この場合のTgは含浸樹脂のTgである。
但し、近年、ディスプレイ用部材の低温度形成が検討されており、工程で曝される温度も低温度化が進んでいるので、線膨張係数が5〜1000ppm/K程度で、Tgが70〜700℃程度でも、可能な場合があり、特に限定されるものではない。
一般的に、線膨張係数が高いと、透明ガス遮断性積層体10を前記温度の工程に流す際に基板寸法が安定せず、熱膨張および収縮に伴い、遮断性性能が劣化する不都合や、或いは、熱工程に耐えられないという不具合が生じやすくなり、線膨張係数が低いと、フィルムがガラスのように割れてしまいフレキシビリティが劣化する。
一般的に、Tgが高いと透明ガス遮断性積層体10を前記温度の工程に流す際に基板寸法が安定せず、熱膨張および収縮に伴い、遮断性性能が劣化する不都合や、或いは、熱工程に耐えられないという不具合が生じやすくなる。Tgが低いと、フィルムがガラスのように割れやすくなりフレキシビリティが劣化する。またTgが存在しない樹脂フィルムに関しては、線膨張係数がフレキシビリティに与える効果が大きいため問うに値しない。
また、第2透明無機化合物13Bなどの薄膜は高真空条件下で成膜するので、高真空下で透明基材11からの脱ガスすると、成膜が阻害され、緻密な膜が成膜できないので、脱ガスを防止し、安定した成膜をすることができる。
また、それらから選ばれた二種以上の複合体である、酸化窒化物や、さらに炭素を含有してなる酸化炭化物層、無機窒化炭化物層、無機酸化窒化炭化物等も適用できる。
即ち、無機酸化物(MOx)、無機窒化物(MNy)、無機炭化物(MCz)、無機酸化炭化物(MOxCz)、無機窒化炭化物(MNyCz)、無機酸化窒化物(MOxNy)、無機酸化窒化炭化物(MOxNyCz)で、好ましいMは、Si、Al、Tiなどの金属元素である。
第1透明無機化合物層13A、及び平坦化層15は、機能的にみると平坦化機能であり、特に両者の層構成とすることで、無機化合物層との親和性、濡れ性がよいため、孔、凹部、及びクラック(割れ)などの欠陥を埋め、覆い、塞ぐことができる。またレベリング性がよいために、欠陥を埋めて覆い、乾燥後の表面は平滑となる。この親和性とレベリング性の相乗効果で超平坦化機能を発揮する。
従来、透明基材11の両面、少なくとも、第1透明無機化合物層13Aを設ける側を研摩し、平滑性を向上させておく方法もあるが、該方法の欠点である研摩工程の増加も、本発明によれば解消することができる。
例えば、ゾルゲルコート層、フォトレジスト層などが例示できる。また、パターン化する場合の好ましい材料としては、エッチング処理により容易にパターン化でき、使い易さからフォトレジスト材料である。
ゾルゲルコート層15の形成には、たとえば、乾式法(スパッタ法、イオンプレ−ティング法、CVD法等)、あるいは湿式法(スピンコート法、ロールコート法、キャスト法)等の公知の方法により形成することができる。
その中でも、透明ゾルゲルコート層(平坦化層15)を形成する材料に、例えば、アミノアルキルジアルコキシシラン、もしくはアミノアルキルトリアルコキシシラン等が好適に使用でき、これらの材料を用いてウェットコーティング法により平坦化層を形成できる。その際には、これらの材料および架橋性化合物を原料とする塗料組成物を、第1透明無機化合物層13A面に塗工、乾燥することで、加水分解を主とする化学反応により得られた反応生成物で、加水分解、縮合と、架橋性化合物による架橋とによるゾルゲル反応が進行し、架橋構造を有するポリシロキサンの塗膜が得られる。
また、特許第3438266号、第3438267号に記載されているようなゾルゲルコート剤を用いても、不十分な平坦性しか得られない。本発明者らは、アミノアルキルジアルコキシシラン、もしくはアミノアルキルトリアルコキシシラン等を、第1透明無機化合物層13Aの面に形成した場合にのみ、十分な平坦性が得られ、かつ、該平坦面に、遮断性層(第2透明無機化合物層13B)を設けることで、超遮断性が発現する。
該フォトレジスト材料としては、必要とされる膜厚や加工適性に従って、適宜選択すればよい。例えば、東京応化工業社の半導体材料用には、g線用フォトレジストとして、OFPRシリーズ(標準レジスト)TSMRシリーズ(サブミクロン対応レジスト)、 i線用フォトレジストとしてTSCRシリーズ(ハーフミクロン対応高・中反射基板用染料レジスト)、THMR−iP/iNシリーズ(ハーフミクロン対応レジスト)、TDMR−ARシリーズ(サブハーフミクロン対応レジスト)、TSQR−iQシリーズ(サブハーフミクロン対応レジスト)、KrFエキシマレーザー用フォトレジストとしてTDUR−P/Nシリーズ(クォーターミクロン対応レジスト)、電子ビーム用フォトレジストとしてOEBRシリーズがある。またフラットパネルディスプレイ用電子材料用フォトレジストとしてTFRシリーズ(TFT用高感度ポジタイプ)、CFPRシリーズ(LCD/PDPカラーフィルター作成用顔料分散型ネガタイプ)、PMER−Pシリーズ(STN用ポジタイプ)、TLCR(STN用ポジタイプ)、オーディルBFシリーズ(PDPリブ加工用ドライフィルムレジスト)、オーディルFIシリーズ(PDP電極形成用ドライフィルムレジスト)がある。またプリント配線板用/ケミカルミーリング用電子材料フォトレジストには、オーディルシリーズ(ドライフィルムレジスト)、OPSR(フォトソルダーレジスト)、OPレジスト(プリント配線板用ネガタイプ)、TSGRレジスト(炭酸ナトリウム現像タイププリント配線板用ネガタイプ)、PMER(アルカリ現像ネガタイプ/ポジタイプ)、BMR(耐メッキネガタイプ)、TPR(PVC系ネガタイプ)、EPPR(耐薬品性ネガタイプ)等があり、もちろんここにあげた限りではない。
露光は、紫外線(UV‐A、UV‐B及びUV‐Cを含むUV)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線などの電離放射線を、全面に照射すればよく、好ましくは、取扱い性やコスト面から紫外線(UV)がより好ましい。
フォトレジストを用いた平坦化層15は、該平坦化層15を容易にパターン化でき、例えば、感光性レジストを金属層上へ塗布し、乾燥した後に、所定のパターン版にてマスキングして、密着露光し、水又は現像液などで現像し、必要に応じて、硬膜処理やベーキング処理をする。
マスク版のパターンは、例えばメッシュ状、ストライプ状、又は所望のパターンなどである。メッシュ状は、ライン部で囲まれた複数の開口部又は凹部からなり、開口部又は凹部の形状(メッシュパターン)は特に限定されず、例えば、正3角形等の3角形、正方形、長方形、菱形、台形などの4角形、6角形、等の多角形、円形、楕円形などが適用できる。これらの開口部の複数を、組み合わせてメッシュとする。ストライプ状は、ライン部と、該ライン部間の開口部又は凹部からなっており、該ストライプ状はアドレス電極などを設ける場合に好適である。また、所望のパターンは、用いられるアプリケーションの電極の取り出し方等により決まるので、単純な幾何学模様ではなく、複雑な形状を有するパターンも多く、特に限定されるものではない。
開口部とは平坦化層15を除去したもので、凹部とは平坦化層15の厚さ方向の1部又は全部を除去したもので、凹部の底部には薄皮状に平坦化層15が残っていてもよい。
なお、凹部を設け、凹部の底部には薄皮状に平坦化層15が残っている場合、該底部のRa(平均粗さ)及びRmax(最大粗さ)は、平坦化層15の土手部より低く凹んでいるので、底部のRa(平均粗さ)は5nm以下、Rmax(最大粗さ)は80nm以下の範囲に限定されない。
通常、ライン幅、及びライン間隔(ラインピッチ)は、その凹部の中に入れるものによって異なるので、μm〜cmオーダーまであり、特に限定されるものではない。
また、透明基板11としてガラス基材を用いた基板では、耐熱性がよく高熱がかけられるので、バリア層なしで、パターン化したレジスト層(平坦化層15)ライン部で囲まれた凹部へ、絶縁層、透明導電層、補助電極層を設けたり、及び/又は封止剤を注入することができる。
このように、平担化層をパターン状とし、該パターンの凹部に酸素捕捉剤及び/又は水蒸気捕捉剤を埋め込むことで、ガスバリア性などの機能を向上させることができる。また、該パターンの凹部に透明導電層、前記補助電極層、封止用樹脂、電極層、正孔注入層、発光層及び/又は陰極層などを埋め込むことで、該当する層の厚みを無視できるので、より薄型とすることができる。
紫外線の波長は200〜400nm程度で、保護層の材料に応じて、波長を選択すれば良い。その照射量は、組成物の材質や量と、UVランプの出力と、加工速度に応じて照射すれば良い。
エッチング処理に使用するエッチング材料は、平坦化層15より突き出した突起を、選択的に除去できるものであれば、特に限定されることはなく、例えば、ドライエッチング、及びウェットエッチングの方法がある。
ウェットエッチングは、酸性水溶液や有機溶剤等の溶液により、被加工物品の突起を浸食(腐蝕)し除去するエッチング方法である。具体的には、酸化珪素をエッチングする場合にはフッ化水素(HF)、ITOをエッチングする場合には塩酸−硝酸の混合水溶液等が使用され、プラズマエッチングの場合にはアシストガスの併用が好ましい。
そのほか、高電解研磨(AEP)、化学機械的研磨(CMP)等によるエッチング法を用いてもよい。
このようにして、第2透明無機化合物層13BのRa(平均粗さ)が5nm以下、かつRmax(最大粗さ)が80nm以下の範囲に平坦化され、高度なガス遮断性を発揮できる。
(第4透明無機化合物層)第4透明無機化合物層13Dとしては、第1透明無機化合物層13A、第2透明無機化合物層13Bに、及び第3透明無機化合物層13Cと使用する材料と同様なものが適用できる。
該ディスプレイ用基板20は、透明性、耐熱性、ガス遮断性に優れ、断線や短絡しにくいので、ディスプレイ用基板として好ましく使用できる。
例えば、透明導電層21、及び補助電極層23を注入し埋め込めば、絶縁層が不要で、より薄型なディスプレイを作製することができる。
また、平担化層15の凹部に酸素捕捉剤や水蒸気捕捉剤を注入し埋め込めば、ガス遮断性に優れる本発明の透明ガス遮断性積層体10をもってしても、僅かに透過してきた酸素や水蒸気を捕捉させることができる。特に、有機ELや液晶といったディスプレイ用途では、デバイスが酸化劣化せず、また、電子デバイス内の必要な真空度を長期間維持できるので、ディスプレイの寿命を著しく伸ばすことができる。
さらにまた、平担化層15の凹部に封止用樹脂が埋め込めば、より薄型なディスプレイを作製することができるといったメリットが生じる。
さらにまた、平担化層15の凹部に封止用樹脂が埋め込めば、より薄型なディスプレイを作製することができるといったメリットが生じる。
さらにまた、平担化層15の凹部に、電極層、正孔注入層、発光層及び/又は陰極層などを埋め込むことで、より薄型の有機ELディスプレイとすることができる。
透明導電層15の厚さは、2〜1000nmが望ましい。2nm未満では、導電性が十分でなく、1000nmを超えると、それ自身の応力が大きくなり、フレキシビリティが損なわれたり、透明性が失われる。また生産性にも影響を与える。
封止用樹脂の形成方法としては、シルクスクリーン印刷法、ダイコート法、ディスペンサー法、ポッティング法などの公知の方法が適用できる。
得られた透明ガス遮断性積層体のRaは0.8nm、Rmaxは53nmと十分に平坦で、水蒸気透過度も測定限界以下(0.05g/m2・24h以下)と良好であった。
得られた透明ガス遮断性積層体のRaは1.1nm、Rmaxは78nmと十分に平坦で、水蒸気透過度も測定限界以下(0.05g/m2・24h以下)と良好であった。
・正孔注入層は、ポリビニルカルバゾール(PVCz):トリフェニルジアミン(TPD)=1:1溶液をスピンコートし、乾燥して、厚さが50nmとし、フォトリソグラフィー法でパターンとした。
・発光層は、東京化成社製のキノリノールアミン錯体(3量体)(Alq3)をスピンコートし、乾燥して、厚さが10nmとし、フォトリソグラフィー法でパターンとした。
・陰極層は、Mg:Ag=10:1をスパッタ法により厚さ100nmに成膜した後に、フォトリソグラフィー法でパターンとした。これにより平担化層の凹部に正孔注入層、発光層、及び陰極層が埋まり、該正孔注入層、発光層、及び陰極層の厚みが増加することなく薄型有機ELディスプレイ用基板を得た。
平担化層なしで積層を行った以外は、実施例1と同様に行い、比較例1の透明ガス遮断性積層体を得た。
得られた透明ガス遮断性積層体のRaは5.2nm、Rmaxは85nmと凹凸があり、水蒸気透過度も0.2g/m2・24hと悪く、ディスプレイ用樹脂フィルム基板には、使用できないレベルであった。
水蒸気透過度は、水蒸気透過率測定装置パ−マトラン3/31(MOCON社製、商品名)を用い、40℃100%Rhの条件で測定した。
11:透明基材
13A:第1無機化合物層
13B:第2無機化合物層
13C:第3無機化合物層
13D:第4無機化合物層
15A:平坦化層
15B:第2平坦化層
20:ディスプレイ用基板
21:透明導電層
23:補助電極層
Claims (7)
- 透明基材の少なくとも一方の面に、平坦化層、透明無機化合物層が順次積層されてなるディスプレイ用基板であって、前記平担化層には、パターン状の凹部が設けられており、前記凹部に積層された前記透明無機化合物層面には、透明導電層が形成されており、前記透明無機化合物層が酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、若しくは酸化インジウム、又はそれらから選ばれた二種以上の複合体からなる膜であることを特徴とするディスプレイ用基板。
- 前記透明基材と前記平坦化層の間に、透明無機化合物層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用基板。
- 前記透明基材が樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のディスプレイ用基板。
- 前記凹部に、補助電極層が形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディスプレイ用基板。
- 前記凹部に、正孔注入層、発光層及び陰極層が順次形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のディスプレイ用基板。
- 前記凹部に、封止用樹脂が埋め込まれてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のディスプレイ用基板。
- 前記凹部に、酸素捕捉剤及び/又は水蒸気捕捉剤が埋め込まれてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のディスプレイ用基板。
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