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JP4339578B2 - エレベータ装置 - Google Patents

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JP4339578B2
JP4339578B2 JP2002343462A JP2002343462A JP4339578B2 JP 4339578 B2 JP4339578 B2 JP 4339578B2 JP 2002343462 A JP2002343462 A JP 2002343462A JP 2002343462 A JP2002343462 A JP 2002343462A JP 4339578 B2 JP4339578 B2 JP 4339578B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータ装置に関するものである。さらに具体的には、かご及び釣合錘を巻上機により昇降するローピング方式のエレベータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
機械室レスエレベータ装置としては、一般に、2:1ローピング方式のエレベータが採用されている(例えば、特許文献1参照。)。この2:1ローピング方式のエレベータ装置においては、ロープの両端は、それぞれ、綱止め部に固定されている。また、綱止め部に固定されたロープは、かごに設けられた滑車に巻きかけられ、この滑車から、巻上機に巻き掛けられ、巻上機から、釣合錘に設けられた滑車に巻き掛けられている。
【0003】
このような構成の2:1ローピング方式を用いたエレベータ装置においては、かご及び釣合錘の昇降を行う場合、巻上機を回転することにより、このロープを移動させる。このとき、ロープは、かご及び釣合錘の昇降速度に対して、2倍の速さで移動しており、従って、巻上機の回転数は多くなっている。
【0004】
また、機械室レスエレベータにも、1:1ローピング方式を用いることが考えられる(例えば、特許文献2参照)。この場合、ロープの一端をかごに、他端を釣合錘に固定して、かごと釣合錘との間に巻上機を配置してロープを巻き掛ける。このような構成の1:1ローピング方式のエレベータ装置において、かご及び釣合錘の昇降を行う場合にも、巻上機を回転させることによりロープを移動させる。このとき、ロープは、かご及び釣合錘の移動速度と同じ速度で移動する。従って、2:1ローピング方式のエレベータ装置のかごと同じ速度でかごを昇降する場合、1:1ローピング方式では、2:1ローピング方式の巻上機の回転速度に対して、1/2の速度で、巻上機を回転させればよい。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−167743号公報
【特許文献2】
特開2002−8178号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、2:1ローピング方式を用いたエレベータ装置の場合、巻上機は、かごや釣合錘の上昇速度に対して2倍の速さでロープを移動させる必要がある。即ち、1:1ローピングの場合と同じ昇降速度を確保しようとすると、2:1ローピング方式のエレベータ装置の巻上機は、2倍の速度で回転しなければならない。このため、2:1ローピング方式のエレベータ装置においては、巻上機の回転や停止により発生する音が大きくなってしまう場合がある。
【0007】
しかし、巻上機の回転速度のみを考慮して、1:1ローピング方式を採用した場合、巻上機は、かごと釣合錘とからロープを直接受ける必要がある。このため、巻上機は、昇降路の上方、即ち、かご及び釣合錘が最も上に上昇した場合の位置におけるこれらの天井部よりもさらに上に配置される必要がある。従って、1:1ローピング方式では、昇降路の上部に巻上機を配置するスペースを確保する必要があり、このため、エレベータの省スペース化が制限されてしまう場合がある。
【0008】
従って、この発明は、巻上機の駆動の際の騒音を防止して静音化を図り、さらに、この場合にも、機械室レスエレベータの昇降路上部のスペースを小さくすることができるよう、改良したエレベータ装置を提案するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
従って、この発明のエレベータ装置は
降路内を昇降するかごと、
前記昇降路内を昇降する釣合錘と、
前記かご及び前記釣合錘を昇降させる巻上機であって、前記かご、あるいは、前記釣合錘が、前記巻上機と対向する高さにあるときに、前記かごあるいは前記釣合錘と昇降路の側壁との間に配置された巻上機と、
前記巻上機に巻きかけられ、かつ、一端を前記かごに固定され、他端を前記釣合錘に固定されたロープと、
前記かごから、前記巻上機の方向に、前記ロープの向きを変えるかご用返し車と、
前記釣合錘から、前記巻上機の方向に、前記ロープの向きを変える釣合錘用返し車と、
前記かご用返し車または前記釣合錘用返し車とを支持する支持部と、
を備えるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置100を説明するための斜視図であり、図2は、エレベータ装置100の一部透視図を含む上面図、図3は、エレベータ装置100の昇降路上方を説明するため、図1の上方部分を拡大した斜視図である。
【0012】
図1に示すように、エレベータ装置100は、機械室を有しない機械室レスエレベータ装置である。エレベータ装置100は、周囲を側壁2で囲まれた昇降路4に、かご6、釣合錘8が、ロープ10の端部にそれぞれ固定されて、昇降可能な状態で吊り下げられている。
【0013】
また、図2に示すように、かご6の一面には、開閉可能なドア12が設けられ、このドアに対向する面を含む側壁2には、エレベータ装置100を使用する建物の各階に対応する位置に、ドア14が設けられている。
【0014】
なお、この明細書において、このドア12、14面側を正面(図2においては、下方)、ドア面に対向する面側を背面(図2においては、上方)と称し、正面、背面に垂直な2面のうち、正面から見て左側を左側面(図2においては、左側)、正面から見て右側を右側面(図2においては、右側)と称することとする。また、ドア12が開閉する方向を間口方向(図2においては、左右方向)、間口方向に垂直な方向を奥行き方向(図2においては、上下方向)と称することとする。
【0015】
昇降用のロープ10の一端は、かご6の頂部中央付近に固定され、他端は、釣合錘8の頂部中央付近に固定されている。また、図2に示すように、上方から見た場合、釣合錘8は、長手方向が、奥行き方向に対して平行になるよう配置され、かつ、かご6の、左側面と、これに対向する側壁2の左側面との間に、背面側に寄せて配置されている。
【0016】
また、昇降路4には、2組、計4本のガイドレール110、112、114、116が設けられている。ガイドレール110、112は、対向する1対のレールである。ガイドレール110、112は、それぞれ、かご6の左側面、右側面に接し、かつ、この面の中心部分を通るようにして、昇降方向に向けて立てられている。また、ガイドレール114、116は、対向する1対のレールである。ガイドレール114、116は、それぞれ、釣合錘8の、間口方向に対して平行な方向の、互いに対向する側面に接し、かつ、この面の中心部分を通るようにして、昇降方向に向けて立てられている。
【0017】
また、昇降路4上方には、支持梁が設けられている。図2に示すように、支持梁は、2本の梁120、122を組み合わせた形状となっている。具体的には、一方の支持梁120は、上面から見て、間口方向に対して平行な方向に配置されている。また、支持梁120は、一端(図2においては、右側)を、ガイドレール110の頂部に設けられた支持台126によって支持され、他端(図2においては、左側)を、ガイドレール112の頂部に設けられた支持台128によって支持されている。ガイドレール110、112は、かご6の2側面の中心部分を通るように配置されているため、支持梁120も、かご6の中心部上方を通るように、間口方向に平行に配置されている。
【0018】
また、支持梁122は、間口方向に対して垂直な方向に配置されている。支持梁122は、一端(図2においては、上側)を、ガイドレール114の頂部に設けられた支持台130によって支持され、他端(図2においては、下側)を、支持梁120と共に、支持台128によって支持されている。支持梁120と支持梁122とは、共通する支持台128に支持される部分において、垂直に交わり接続されている。
【0019】
また、各支持台126、128、130と、これに支持される支持梁120、122との間には、それぞれ、緩衝部材132が設けられている。
【0020】
支持梁122の下側、かつ、ガイドレール112付近には、巻上機134が取り付けられている。巻上機134は、ロープ10を巻きかけるシーブ136と、シーブ136を回転させる駆動部138とによって構成される。また、ここでは、かご6が、巻上機134の高さにまで巻き上げられた場合に、巻上機134のシーブ136の設けられた面が側壁2の左側面と対向し、シーブ136とは逆の面が、かご6の左側面に対向するように配置されている。また、シーブ136の回転する面は、間口方向に対してほぼ垂直、即ち、支持梁122に対してほぼ平行になっている。
【0021】
また、支持梁120の上部には、かご用返し車140が設けられている。かご用返し車140は、2つの滑車142、144を含んで構成されている。また、かご用返し車140は、滑車142、144の回転する面が、間口方向に対してほぼ平行、即ち、上面から見て、支持梁120の長手方向に対してほぼ平行になるように配置されている。また、滑車142は、かご6に固定されたロープ10を昇降路4上方で受ける。ここで、滑車142は、このロープ10を受ける部分が、かご6の中央部の上方付近にあるように配置される。また、このロープ10は、滑車142から、滑車144に巻きかけられ、シーブ136に巻きかけられる。ここで、滑車144のロープ10をシーブ136に渡す部分は、シーブ136のロープ10を受ける部分の上方向になるように配置される。即ち、ロープ10は、かご6と、滑車142との間、あるいは、滑車144と、シーブ136の間にあるとき、昇降方向に対して概ね平行になっている。
【0022】
また、支持梁122の上部の、巻上機134よりも背面側に近い部分には、釣合錘用返し車146が設けられている。釣合錘用返し車146は、1つの滑車148を含んで構成される。釣合錘用返し車146は、滑車148の回転する面が、間口方向に対して垂直、即ち、上面から見て、支持梁122の長手方向に平行になるように、配置されている。また、滑車148は、釣合錘8から上方に伸びるロープ10を受ける。滑車148のロープ10を釣合錘8から受ける部分は、釣合錘8の中央の真上付近に来るように配置される。また、滑車148に巻きかけられたロープ10は、シーブ136に巻きかけられる。滑車148の、シーブ136にロープ10を渡す部分は、シーブ136のこのロープ10の受け口付近の上方に配置される。即ち、ロープ10は、釣合錘8と、滑車148との間、あるいは、滑車148と、シーブ136との間にある場合、昇降方向に対してほぼ平行になっている。
【0023】
また、かご用返し車140及び釣合錘用返し車146のそれぞれの配置場所は、巻上機134の高さよりも高くなっている。しかし、同一平面において、個々の高さのみを比べた場合には、かご用返し車140及び釣合錘用返し車146共に、巻上機の高さよりも低くなっている。
【0024】
このように構成されたエレベータ装置100において、ロープ10の一端は、かご6に固定され、かご6から、上方にあるかご用返し車140の滑車142、144に巻きかけられて、ロープの方向を巻上機のシーブ136の方向に変更し、シーブ136に巻きかけられる。続けて、ロープ10は、シーブ136から、滑車148にロープが巻きかけられ、釣合錘8の方向にロープの方向が変更されて、釣合錘8に固定される。
【0025】
ここで、巻上機134のシーブ136が、駆動部138によって、図1の矢印方向に回転すると、ロープ10は矢印方向に移動する。ロープ10が矢印方向に移動すると、この移動方向に合わせて、かご用返し車140の滑車142、144が矢印方向に回転する。かご6は、ロープ10により引き上げられ、ガイドレール110、112に沿って上昇する。一方、釣合錘用返し車146の滑車148は、ロープ10の移動方向に合わせて、矢印方向に回転する。これにより、釣合錘8は、ガイドレール114、116に沿って下降する。かご6を下降させる場合には、巻上機134のシーブ136の回転方向を逆向きにすればよい。
【0026】
なお、このようにエレベータ装置100が稼動している際のガイドレール110、112、114や、巻上機134、各返し車140、146による衝撃は、各緩衝部材132によってある程度吸収される。
【0027】
また、上述したように、かご6と滑車142との間、滑車144とシーブ136との間、あるいは、釣合錘8と滑車148との間、滑車148とシーブ136との間、にロープ10がある場合、ロープ10は、昇降方向に対して概ね平行になっている。従って、ロープ10は、各返し車140、146により適切に方向を変えられ、円滑に移動することができる。また、ロープ10は、支持梁120、122などとは接触しないように移動できる。従って、ロープ10にかかる摩擦が抑えられている。
【0028】
また、以上のように、実施の形態1においては、かご6及び釣合錘8にそれぞれロープ10の両端を固定する1:1ローピング方式を採用する。このため、巻上機の回転によるロープの移動速度は、かご6の昇降の速度と同じである。即ち、2:1ローピング方式の場合のように、2倍の速度で巻上機134を回転させる必要はない。このため、巻上機134により発生する騒音を抑えることができる。
【0029】
さらに、実施の形態1においては、かご用返し車140及び釣合錘用返し車146を配置し、これによって、ロープ10の方向を変更して、巻上機134に導いている。このため、巻上機134を、かご6や釣合錘8の上部に設ける必要がない。即ち、高さの高い巻上機134は、かご6と側壁部2との間の余ったスペースに配置することができ、比較的高さの低い返し車140、146のみを、かご6や釣合錘8の上方に配置すればよい。従って、エレベータ装置100の昇降路4の上方に必要なスペースを小さくすることができる。
【0030】
また、各返し車140、146によって、ロープ10は、かご6及び釣合錘8の中心部にそれぞれ固定されている。従って、かご6及び釣合錘8を、バランスよく安定して昇降させることができ、また、これによって、さらに騒音などを防止することができる。
【0031】
また、各支持梁120、122に設けた緩衝部材132により、ガイドレール110、112、114や、巻上機134、返し車140、146において発生する揺れなどの衝撃をある程度吸収することができる。従って、さらに、静音化を図ることができる。
【0032】
なお、実施の形態1においては、ロープ10の端部を、それぞれ、かご6及び釣合錘8の中心部に固定した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、昇降をバランスよく行うことができるものであれば、他の位置に固定されている物であっても良い。
【0033】
また、実施の形態1においては、かご6と滑車142との間、滑車144とシーブ136との間、釣合錘8と滑車148との間、滑車148とシーブ136との間にある場合、ロープ10が、昇降方向に対してある程度平行になるように、滑車142、144、148及びシーブ136の位置を決めた。しかし、この発明はこれに限るものではなく、ロープを適切な方向に導き、あるいは適切に移動させることができるものであれば、他の位置に配置するようにしてもよい。
【0034】
また、実施の形態1においては、ガイドレール110、112、114と、支持梁120、122との間に、緩衝部材132を設ける場合について説明した。これは、ガイドレール110、112、114や、支持梁120、122等における振動をある程度吸収し、静音化を図るためである。しかし、この発明はこれに限るものではなく、他の位置に緩衝部材を設けたものや、あるいは、このような緩衝部材を有しないものであってもよい。
【0035】
また、実施の形態1においては、ガイドレール110、112、114、116を備え、ガイドレールの上方に支持梁120、122を配置して、支持梁120、122を支持する場合について説明した。しかし、この発明は、支持梁がガイドレールによって支持されるものに限らず、例えば、側壁2により支持梁を支持するなど、他の支持方法によるものであってもよい。従って、また、昇降路内にガイドレールを備えるものに限るものでもない。
【0036】
また、実施の形態1においては、支持梁120、122を直行するように組み合わせて、これにより、巻上機134や、各返し車140、146を支持する場合について説明した。しかし、支持梁120、122の構造は、このような場合に限るものではなく、かごや、釣合錘の配置位置にあわせて、適切な位置に支持梁120を配置し、返し車を用いて、巻上機に、ロープを導くものであればよい。
【0037】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2におけるエレベータ装置200を説明するための斜視図である。また、図5は、エレベータ装置200の一部透視部分を含む上面図である。
【0038】
図4、5に示すように、エレベータ装置200は、実施の形態1において説明したエレベータ装置100と類似するものであり、側壁2で囲まれた昇降路4に、かご6及び釣合錘8が、ロープ10の両端のそれぞれに固定されて、吊り下げられている。しかし、エレベータ装置100とは異なり、エレベータ装置200において、釣合錘8は、図5に示すように、かご6の背面と側壁2の背面との間(図5においては、上側)に、かつ、上から見た場合に、釣合錘8の長手方向が間口方向と平行になるような向きに、配置されている。従って、エレベータ装置200は、エレベータ装置100とは、ガイドレール、支持梁、巻上機や返し車等の配置位置等が異なっている。以下、具体的に説明する。
【0039】
図4、5に示すように、昇降路4には、かご6の昇降を導くガイドレール210、212が、間口方向に向き合って立てられ、釣合錘8の昇降を導くガイドレール214、216が、間口方向に向き合って、昇降路4の背面側(図5においては、上側)に立てられている。ガイドレール210、212は、それぞれ、かご6の右側面(図5においては、右側)、左側面(図5においては、左側)に接し、かつ、この側面の中心を通るように昇降方向に向けて立てられている。また、ガイドレール214、216は、それぞれ、釣合錘8の左側面(図5においては、左側)、右側面(図5においては、右側)に接し、かつ、この側面の中心を通るように昇降方向に向けて立てられている。
【0040】
支持梁は、支持梁220と222とを組み合わせて構成されている。支持梁220は、一端を、かご6用のガイドレール210の頂部に設けられた支持台226に支持され、他端を、他方のかご6用のガイドレール212の頂部に設けられた支持台228に支持されている。即ち、支持梁220は、かご6の右左側面中心部に接するように設けられたガイドレール210、212に支持されているため、かご6の中心部の上方に、かつ、間口方向に平行な向きに配置されている。
【0041】
また、支持梁222は、一端を、釣合錘8用のガイドレール214の頂部に設けられた支持台230によって支持され、他端を、ガイドレール212の頂部の支持台228に、支持梁220と共に支持されている。また、支持梁222の端部のうちガイドレール214に支持される側には、三角形の部分が備えられ、三角形の一の頂点は、釣合錘8の中央部上方に位置するように形成されている。
【0042】
支持梁220と、支持梁222とは、支持台228に支持される部分において垂直に交わって接続されている。また、各支持台226、228、230と、支持梁220、222との間には、緩衝部材232が設けられている。
【0043】
支持梁222の下側、かつ、ガイドレール212の近くには、巻上機234が、下方に向けて配置されている。巻上機234は、エレベータ装置100と同様に、シーブ236と、駆動部238とを含んで構成される。また、かご6が巻上機234の高さにまで引き上げられた際、巻上機234は、かご6の左側面と、これに対向する側壁2の左側面との間のスペースに来るように配置されている。また、このとき、シーブ236が、側壁2の左側面に対向し、巻上機234のシーブ236面とは逆の面が、かご2の左側面に対向するように配置されている。
【0044】
また、かご用返し車240は、2個の滑車242及び244を含んで構成される。かご用返し車240は、滑車242、244の回転する面が、間口方向と平行になるように、支持梁220の上方に配置されている。また、滑車242は、かご6中心部分から上方に伸びたロープ10を受ける位置に配置され、滑車244は、巻きかけられたロープ10を、真下方向に下げ、シーブ236に巻きかけられるようにする位置に配置されている。即ち、かご用返し車240は、一方で、かご6中心部から真上に伸びるロープ10を受け、他方で、巻上機のシーブ236から真上に伸びるロープ10を受け、かご6中心部と、シーブ236で間のロープ10が円滑に移動するように、方向を変えている。
【0045】
また、釣合錘用返し車246は、2個の滑車248及び250を含んで構成される。図5に示すように、釣合錘用返し車246は、滑車248、250の回転する面が、支持梁222の三角形の斜面の部分に平行になるようにして、支持梁222の上に配置されている。また、滑車248は、シーブ236から、真上方向に伸びたロープ10を受ける位置に配置されている。また、滑車250は、巻きかけられたロープ10を真下方向に下げ、釣合錘8の中央部に至るようにする位置に配置されている。即ち、釣合錘用返し車246は、一方で釣合錘8の中心部から真上に伸びるロープ10を受け、他方で、巻上機のシーブ236から真上に伸びるロープ10を受け、釣合錘8の中心部と、シーブ236との間でロープ10が円滑に移動するように、ロープ10の方向を変えている。
【0046】
このように構成されたエレベータ装置200において、ロープ10の一端は、かご6に固定され、かご6から、上方にあるかご用返し車240の滑車242、244に巻きかけられて、ロープ10の方向を巻上機234のシーブ236の方向に変更し、シーブ236に巻きかけられる。また、シーブ236から、滑車248、250にロープ10が巻きかけられ、釣合錘8の方向にロープ10の方向が変更されて、釣合錘8に固定される。
【0047】
ここで、巻上機234のシーブ236が、駆動部238によって、図4の矢印方向に回転すると、ロープ10は矢印方向に移動する。ロープ10が矢印方向に移動すると、この移動方向に合わせて、かご用返し車240の滑車242、244が矢印方向に回転する。かご6は、ロープ10により引き上げられ、ガイドレール210、212に沿って上昇する。一方、釣合錘用返し車246の滑車248は、ロープ10の移動方向に合わせて、矢印方向に回転する。これにより、釣合錘8は、ガイドレール214、216に沿って下降する。かご6を下降させる場合には、巻上機の234の回転方向を逆向きにすればよい。
【0048】
なお、このようにエレベータ装置200が稼動している際のガイドレール210、212、214や、巻上機234、各返し車240、246による衝撃は、各緩衝部材232によってある程度吸収される。
【0049】
また、上述したように、かご6と滑車242との間、滑車244とシーブ236との間、あるいは、釣合錘8と滑車250との間、滑車248とシーブ236との間、にロープ10がある場合、その部分のロープ10は、昇降方向に対して概ね平行になっている。即ち、ロープ10は、各返し車240、246により適切に方向を変えられ円滑に移動でき、ロープ10と、支持梁220、222などとは、接触しないようになっている。
【0050】
以上説明したように、実施の形態2においては、かご6及び釣合錘8にそれぞれロープの両端を固定する1:1ローピング方式を採用する。このため、巻上機234の回転によるロープの移動速度は、かご6の昇降の速度と同じである。即ち、2:1ローピング方式の場合のように、2倍の速度で巻上機234を回転させる必要はない。このため、巻上機234により発生する騒音を抑えることができる。
【0051】
さらに、実施の形態2においては、かご用返し車240及び釣合錘用返し車246を配置し、これによって、ロープ10の方向を変更して、巻上機234に導いている。このため、巻上機234を、かご6や釣合錘8の上部に設ける必要がない。即ち、高さの高い巻上機234は、かご6と側壁部2との間の余ったスペースに配置することができ、比較的高さの低い返し車240、246のみを、かご6や釣合錘8の上方に配置すればよい。従って、エレベータ装置200の昇降路4の上方に必要なスペースを小さくすることができる。
【0052】
また、各返し車240、246によって、ロープ10は、かご6及び釣合錘8の中心部にそれぞれ固定されている。従って、かご6及び釣合錘8を、安定して昇降させることができ、また、これによって、さらに、騒音などを防止することができる。
【0053】
また、各支持台226、228、230に設けた緩衝部材232により、ガイドレール210、212、214や、巻上機234、各返し車240、246において発生する揺れなどによる振動をある程度吸収することができる。従って、さらに、静音化を図ることができる。
【0054】
なお、実施の形態2においては、ロープ10の端部を、それぞれ、かご6及び釣合錘8の中心部に固定した。しかし、この発明は、実施の形態1と同様、これに限るものではない。
【0055】
また、実施の形態2においては、かご6と滑車242との間、滑車244とシーブ236との間、釣合錘8と滑車250との間、滑車248とシーブ236との間にある場合、ロープ10が、昇降方向に対して平行になるように、返し車240、246及びシーブ236の位置を決めた。しかし、実施の形態1と同様に、この発明はこれに限るものはない。
【0056】
また、実施の形態2においては、緩衝部材232を設ける場合について説明したが、実施の形態1と同様に、この発明においては、緩衝部材232も備えるものに限るものではない。
【0057】
また、実施の形態2においては、ガイドレール210、212、214により、支持梁220、222を支持する場合について説明した。しかし、実施の形態1と同様に、この発明は、他の方法により、支持梁を支持するものであればよい。また、支持梁220、222の形状も、実施の形態2において説明したものに限るものではない。
その他の部分は、実施の形態1と同様であるから説明を省略する。
【0058】
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3におけるエレベータ装置300の斜視図である。また、図7は、エレベータ装置300を、上方から見た場合を説明するための一部透視部分を含む上面図である。
【0059】
実施の形態3におけるエレベータ装置300は、実施の形態1において説明したエレベータ装置200と類似するものである。エレベータ装置300は、エレベータ装置200と同様に、四方を側壁2で囲まれた昇降路4に、かご6及び釣合錘8が、ロープ10の端部にそれぞれ固定されて、吊り下げられている。また、エレベータ装置300においても、釣合錘8は、かご6の背面側(図7においては、上方)かつ、上面から見た場合に、釣合錘8の長手方向が、間口方向に対して平行になるように配置されている。しかし、エレベータ装置200とは異なり、釣合錘8は、比較的小さく、また、右側面側(図7においては、右側)に片寄って配置されている。従って、ガイドレール、支持梁、返し車、巻上機の配置等は、エレベータ装置200のものと異なっている。以下、具体的に説明する。
【0060】
図6及び図7に示すように、エレベータ装置300においては、かご6の昇降方向を導く一対のガイドレール310、312と、釣合錘8の昇降方向を導く一対のガイドレール314、316とが配置されている。また、ガイドレール310と312とが向き合う方向と、ガイドレール314と316とが向き合う方向とは、共に間口方向で、平行である。また、釣合錘8は、かご6のドア側から見て背面右側(図7においては、右上方)に寄せて配置されているため、釣合錘8の左側面、右側面の中心にそれぞれ接するように配置されたガイドレール314、316も、背面右側に片寄っている。
【0061】
また、ガイドレール312、314、316の上部には、支持板318が、各ガイドレール312、314、316上部に備えられた支持台326を介して支持されている。また、支持板318と、支持台326との間にはそれぞれ、緩衝部材332が設けられている。
支持板318は、変形した四角形であり、昇降路4の背面左側の一角と、ガイドレール312、316と、かご6の中心部付近上方の点との4点を覆うように形成され、従って、支持板318は、この4点を繋ぐ四角形とほぼ同様の形状になっている。また、支持板318には、ロープ10を通すロープ通し穴320、322、324が設けられている。
【0062】
巻上機334は、シーブ336と駆動部338とを含んで構成される。なお、図7においては、説明のため、巻上機334の上方の支持板318の部分を切り欠いた状態で表している。巻上機334は、支持板318の下方、かつ、昇降路4の背面左側(図7においては、左上方)に寄せて配置され、かご6及び釣合錘8が、巻上機334と同じ高さに引き上げられた場合にも、巻上機334には衝突しないように配置されている。具体的には、巻上機334は、シーブ336が、かご6の背面に対向し、シーブ面とは反対側の面は、側壁2の背面に対向するようにして配置されている。さらに、巻上機334が、釣合錘8の左側面と、側壁2の左側面との間に来るように配置されている。
【0063】
また、支持板318の上部には、かご用返し車340が設けられている。かご用返し車340は、2つの滑車342と344とが含まれる。一方の滑車342は、かご6の中心から、真上方向に伸びる、ロープ10を受ける位置に配置されている。また、他方の滑車344は、巻上機334のシーブ336から、真上方向に伸びるロープ10を受ける位置に配置されている。即ち、かご用返し車340は、図7に示すように、滑車342、344の回転する面が、上面から見た場合に、かご6の中心部上方に位置する部分から、背面左側(図7においては、左上)の角の、シーブ336上方に向う方向に対して平行になるように配置されている。ロープ10は、かご6中心部から、真上方向に伸びて、滑車342、344に巻きかけられ、ロープ通し穴320を通り、シーブ336に巻きかけられる。
【0064】
また、支持板318には、釣合錘用返し車346が設けられている。釣合錘用返し車346は、釣合錘8上方の側壁2付近に配置されている。釣合錘用返し車346は、滑車348を含んで構成される。滑車348は、一方で、釣合錘8中心部から真上方向に伸びるロープ10を受け、他方で、シーブ336から真上方向に伸びるロープ10を受ける。即ち、ロープ10は、釣合錘8中心部から、上方に伸びて、ロープ通し穴322を通り、滑車348に巻きかけられて、ロープ通し穴324を通り、下方に下りて、シーブ336に巻きかけられる。
その他の部分は実施の形態1、2と同様であるから説明を省略する。
【0065】
以上説明したように、実施の形態3においては、かご6及び釣合錘8にそれぞれロープの両端を固定する1:1ローピング方式を採用する。このため、巻上機334の回転によるロープの移動速度は、かご6の昇降の速度と同じである。即ち、2:1ローピング方式の場合のように、2倍の速度で巻上機334を回転させる必要はない。このため、巻上機334により発生する騒音を抑えることができる。
【0066】
さらに、実施の形態3においては、かご用返し車340及び釣合錘用返し車346を配置し、これによって、ロープ10の方向を変更して、巻上機334に導いている。このため、巻上機334を、かご6や釣合錘8の上部に設ける必要がない。即ち、高さの高い巻上機334は、かご6、釣合錘8と、側壁部2との間の余ったスペースに配置することができ、比較的高さの低い返し車340、346のみを、かご6や釣合錘8の上方に配置すればよい。従って、エレベータ装置300の昇降路4の上方に必要なスペースを小さくすることができる。
【0067】
また、各返し車340、346によって、ロープ10は、かご6及び釣合錘8の中心部にそれぞれ固定されている。従って、かご6及び釣合錘8を、安定して昇降させることができ、また、これによって、さらに、騒音などを防止することができる。
【0068】
また、各支持台326に設けた緩衝部材332により、ガイドレール312、314、316や、巻上機334、返し車340、346において発生する揺れなどによる振動をある程度吸収することができる。従って、さらに、静音化を図ることができる。
【0069】
なお、実施の形態3においては、ロープ10の端部を、それぞれ、かご6及び釣合錘8の中心部に固定した。しかし、この発明は、実施の形態1と同様、これに限るものではない。
【0070】
また、実施の形態3においては、かご6と滑車342との間、滑車344とシーブ336との間、釣合錘8と滑車248との間にある場合、ロープ10が、昇降方向に対して平行になるように、返し車340、346及びシーブ336の位置を決めた。しかし、実施の形態1と同様に、この発明はこれに限るものはない。
【0071】
また、実施の形態3においては、緩衝部材332を設ける場合について説明したが、実施の形態1と同様に、この発明においては、緩衝部材332も備えるものに限るものではない。
【0072】
また、実施の形態3においては、ガイドレール312、314、316により、支持板318を支持する場合について説明した。しかし、実施の形態1と同様に、この発明は、他の方法により、支持板を支持するものであればよい。また、支持板318の形状も、実施の形態3において説明したものに限るものではない。また、支持板318に、ロープ通し穴320、322、324が設けられた場合について説明したが、この発明はロープ通し穴を3つ備えるものに限るものではなく、かご、釣合錘、巻上機、返し車の位置などを考慮して、ロープ10を通すのに必要な位置に設ければよい。
【0073】
なお、この発明において、支持部には、例えば、実施の形態1の支持梁120、122、実施の形態2の支持梁220,222、実施の形態3の支持板318が該当する。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、1:1ローピング方式の機械室レスエレベータを、省スペース化を測りつつ、実現することができる。これによって、エレベータ装置の騒音を抑えることができ、かつ、昇降路上部に必要なスペースの縮小化を測ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置を説明するための斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置を説明するための上面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置の昇降路上方部分を説明するための拡大した斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態2におけるエレベータ装置を説明するための斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態2におけるエレベータ装置を説明するための上面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3におけるエレベータ装置を説明するための斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態3におけるエレベータ装置を説明するための上面図である。
【符号の説明】
100、200、300 エレベータ装置、 2 側壁、 4 昇降路、 6かご、 8 釣合錘、 10 ロープ、 110、112、114、116、210、212、214、216、310、312、314、316 ガイドレール、 120、122、220、222 支持梁、 318 支持板、 320、322、324 ロープ通し穴、 126、128、130、226、228、230、326 支持台、 132、232、332 緩衝部材、 134、234、334 巻上機、 136、236、336 シーブ、 138、238、338 駆動部、 140、240、340 かご用返し車、 142、144、242、244、342、344 滑車、 146、246、346 釣合錘用返し車、 148、248、250、348 滑車。

Claims (6)

  1. 昇降路内を昇降するかごと、
    前記昇降路内を昇降する釣合錘と、
    前記かご及び前記釣合錘を昇降させる巻上機と、
    前記巻上機に巻きかけられ、かつ、一端を前記かごの天井の中心部付近に固定され、他端を前記釣合錘の天井の中心部付近に固定されたロープと、
    前記かご天井からの前記ロープを受けて、前記巻上機の方向に、前記ロープの向きを変えるかご用返し車と、
    前記釣合錘天井からの前記ロープを受けて、前記巻上機の方向に、前記ロープの向きを変える釣合錘用返し車と、
    前記かご用返し車と、前記釣合錘用返し車と、前記巻上機と、を支持する板状の支持部と、
    を備え、
    前記釣合錘は、前記かごの出入口の設けられた面と対向する対向面と、前記昇降路の側壁のうち該対向面に対向する第1側壁との間であって、かつ、前記昇降路の側壁のうち該対向面に垂直な側壁の一方である第2側壁側に片寄った位置に配置され、
    前記巻上機は、前記対向面と前記第1側壁との間であって、前記釣合錘が上昇したときに前記釣合錘と前記第2側壁に対向する第3側壁との間となる位置に、前記支持部の下側に設置され、
    前記かご用返し車は、前記かご中心部上方から、前記巻上機の上方を結ぶ斜めの方向に配置され、
    前記釣合錘用返し車は、前記対向面に対して平行な方向に配置されていることを特徴とするエレベータ装置。
  2. 前記エレベータ装置は、さらに、前記かごまたは前記釣合錘の昇降方向を導くガイドレールを備え、
    前記支持部は、前記ガイドレールの頂部に配置されることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 前記ガイドレールと、前記支持部との間に、緩衝部材を備えることを特徴とする請求項2に記載のエレベータ装置。
  4. 前記巻上機は、前記ロープを巻きかけるシーブと、
    前記シーブを回転させる駆動部とを備え、
    前記巻上機は、前記シーブを前記第2側壁に対向するように配置することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエレベータ装置。
  5. 前記かご用返し車は、前記ロープの、前記かごと前記かご用返し車とを繋ぐ部分と、前記かご用返し車と前記巻上機とを繋ぐ部分とが、前記かごの昇降方向に対して平行になるように配置されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のエレベータ装置。
  6. 前記釣合錘用返し車は、前記ロープの、前記釣合錘と前記釣合錘用返し車とを繋ぐ部分が、前記釣合錘の昇降方向に対して平行になるように配置されることを特徴とする請求項1からに記載のエレベータ装置。
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