JP4319964B2 - 熱転写シート - Google Patents
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Description
(基材)
本発明で用いる熱転写シートの基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
本発明の熱転写シートにおける基材と染料層との間に設けるコロイド状無機顔料超微粒子からなる下引き層2は、コロイド状無機顔料超微粒子として、従来公知の化合物が使用できる。例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。これらのコロイド状無機顔料超微粒子の大きさは、一次平均粒径で100nm以下、好ましくは50nm以下であり、特に3〜30nmで用いることが好ましく、これにより、下引き層の機能を充分に発揮できる。
本発明の熱転写シートは、一方の面に耐熱滑性層を設けた基材の他方の面に無機酸化物の薄膜層を介して、染料層3を設けたものである。該染料層は1色の単一層で構成したり、あるいは色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成することも可能である。染料層は、熱移行性染料を任意のバインダーにより担持してなる層である。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であるが、色相、印字感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して選択する。
本発明の熱転写シートは基材の一方の面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層4を設ける。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
コロイダルシリカ(スノーテック OXS、粒子径4〜6nm、日産化学工業(株)製) 50部
水 25部
イソプロピルアルコール 25部
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルブチラール樹脂 3.0部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 45.5部
トルエン 45.5部
ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製)
リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
<下引き層塗工液2>
アルミナゾル(アルミナゾル200、羽毛状形態、日産化学工業(株)製) 50部
水 25部
イソプロピルアルコール 25部
<下引き層塗工液3>
アルミナゾル(アルミナゾル520、ベーマイト板状結晶形態、日産化学工業(株)製) 25部
水 37.5部
イソプロピルアルコール 37.5部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、基材上で直接に、実施例1で使用した染料層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.7g/m2になるように塗布、乾燥して染料層を形成し、比較例1の熱転写シートを作製する。
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液1をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例2の熱転写シートを作製する。
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP社製) 10部
水 100部
イソプロピルアルコール 100部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液2をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例3の熱転写シートを作製する。
ポリエステル樹脂(WR−961、日本合成化学工業(株)製) 3部
水 50部
イソプロピルアルコール 50部
上記に作製した各実施例及び比較例の熱転写シートを用いて、OLYMPUS社製P−400プリンター用の専用熱転写受像シートと組み合わせて、下記条件にて、印画を行い、マクベス反射濃度計RD−918にて、反射濃度を測定した。
(印画条件)
サーマルヘッド;KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値;2994(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印加電力;0.10(w/dot)
1ライン周期;5(msec.)
印字開始温度;40(℃)
印加パルス(階調制御方法);1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を70%に固定し、ライン周期当たりのパルス数を0から255個を15分割した。これにより、15段階に異なるエネルギーを与えることができる。
上記に作製した熱転写シートを用いて、染料層の上にセロテープ(登録商標)を親指で2往復、擦りつけて、貼って、その後すぐに、剥がしたときのテープ側における、染料層の付着の有無を調べることにより評価した。
○:染料層の付着が認められない。
△:染料層の付着がわずかに認められる。
×:染料層の付着が全面に認められる。
上記の反射濃度の測定の場合と同様の印画条件において、印画物の全面がベタ(階調値255/255:濃度マックス)である印画パターンで印画し、印画を行なった際に、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとが熱融着するか、あるいは染料層ごと熱転写受像シートに転写する、いわゆる異常転写が生じるかを目視にて調べた。
○:染料層と熱転写受像シートとが熱融着せず、また異常転写が生じない。
×:染料層と熱転写受像シートとが熱融着するか、あるいは異常転写が生じる。
2 コロイド状無機顔料超微粒子からなる下引き層
3 染料層
4 耐熱滑性層
Claims (2)
- 基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に、コロイド状無機顔料超微粒子からなる構成であり、バインダーとなる樹脂を使用せず、該無機顔料超微粒子が水溶媒にゾル状に分散した塗工液を、塗布し、乾燥して、形成した下引き層、染料層を順次設けたことを特徴とする熱転写シート。
- 前記のコロイド状無機顔料超微粒子が、コロイダルシリカ、アルミナゾルであることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
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