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JP4389753B2 - 音楽情報表示編集装置及びプログラム - Google Patents

音楽情報表示編集装置及びプログラム Download PDF

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Description

この発明は、演奏データを編集する演奏データ編集機能と演奏データに基づいて音楽情報を楽譜表示する楽譜表示機能を備えた音楽情報表示編集システムに関する。
従来より、演奏データに基づいて音休符や各種音楽記号などの音楽情報を楽譜で表示すると共に、表示された楽譜上で音符や記号を指定して演奏データを修正するものが、例えば、特許文献1により知られている。
特開2003−114679号公報
このような従来技術による楽譜表示は、演奏データ作成者や編集者などが演奏データを楽譜の形式で確認するためのものであり、左右方向(時間方向)に伸縮自在になっているので、音符が密集している部分の演奏データを編集したい場合は左右方向を伸ばして音符の密度を下げた状態で編集することができる。
これに対して、紙に印刷されている通常の楽譜のように、演奏者などの楽譜利用者に対して見易く表示するために、楽譜をきれいに見せる楽譜表示装置が考えられている。このような楽譜をきれいに見せるための楽譜表示装置においては、音符が重ならないように音符間隔を拡げたり或いは音符間が間延びしないように音符間隔を縮小するなどの各種処理を行って見栄えをよくしているので、例えば、小節幅が固定でなく、小節内における音符などの音楽情報の位置が時間位置に正確に合致しておらず、また、左右方向に自在に伸縮することもできない。
従って、このような楽譜表示装置の見易い楽譜表示を利用して演奏データを編集しようとする場合には、例えば、音符が密集している部分などでは、音符の時間的な位置を正確に把握することができないので、演奏データの編集が困難である。また、このような楽譜表示装置においては、上述したように楽譜をきれいに見せるための各種処理を行っているので、この処理に時間がかかり、演奏データを編集する度に楽譜表示を更新していると、更新の都度ユーザは待機せざるを得なくなるので、演奏データ編集の作業性が悪い。
この発明は、このような事情に鑑み、音休符や各種記号などの音楽情報を見易くきれいに表示する楽譜表示機能を利用しつつ、この音楽情報に対応する演奏データの編集作業を簡単にすると共に、このような楽譜表示処理の待ち時間を減らして演奏データ編集の作業性を向上することができる音楽情報表示編集システムを提供することを目的とする。
この発明の1つの特徴に従うと、演奏データ(Dp)を記憶する演奏データ記憶手段(M1)と、演奏データ(Dp)を解析して、演奏データ(Dp)を構成する個々の音楽情報をシンボル(Sbs)で表わした楽譜(Ds)を表示する楽譜表示手段(M3;S1,S5)であって、該楽譜(Ds)は、時間軸の尺度が時間位置によって変化し、個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応していないものと、演奏データ(Dp)を譜表(We)で表示し、この譜表(We)に対する編集操作に基づいて演奏データ(Dp)を編集する演奏データ編集手段(M4)であって、該譜表(We)は、時間軸の尺度が時間位置に拘わらず一定であり、演奏データ(Dp)を構成する個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応しているものと、楽譜(Ds)上のシンボル(Sbs)に対して、ユーザ操作に基づき所定のアクション(Ac)が生起されたことを検出する操作検出手段(M2)と、所定のアクション(Ac)の生起が検出されたことに応じて(S2→YES)、演奏データ編集手段(M4)を能動化させる能動化指示(a,b)を演奏データ編集手段(M4)に出力する編集能動化手段(S3)とを具備する音楽情報表示編集装置(電子音楽装置)〔請求項1〕が提供され、また、コンピュータを、上述した演奏データ記憶手段(M1)、楽譜表示手段(M3;S1,S5)、演奏データ編集手段(M4)、操作検出手段(M2)並びに編集能動化手段(S3)として機能させるための音楽情報表示編集プログラム〔請求項5〕が提供される。なお、括弧書きは実施例の参照記号等を表わす。
また、この特徴に従う音楽情報表示編集装置(電子音楽装置)の演奏データ編集手段(M4)は、能動化指示(a,b)を受けて、所定のアクション(Ac)の生起が検出されたシンボル(Sbs)に対応する音楽情報(Sbe)を含む時間域の演奏データ(Dp)を譜表(We)で表示する〔請求項2〕ように構成することができる。
さらに、この特徴に従う音楽情報表示編集装置(電子音楽装置)の演奏データ編集手段(M4)は、能動化指示(a,b)を受けて、所定のアクション(Ac)の生起が検出されたシンボル(Sbs)に対応する音楽情報(Sbe)を強調表示する〔請求項3〕ように構成することができる。
この発明の別の特徴に従うと、演奏データ(Dp)を記憶する演奏データ記憶手段(M1)と、演奏データ(Dp)を解析して、演奏データ(Dp)を構成する個々の音楽情報をシンボル(Sbs)で表わした楽譜(Ds)を表示する楽譜表示手段(M3;S1,S5)であって、該楽譜(Ds)は、時間軸の尺度が時間位置によって変化し、個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応していないものと、演奏データ(Dp)を譜表(We)で表示し、この譜表(We)に対する編集操作に基づいて演奏データ(Dp)を編集すると共に、編集された演奏データ(Dp)で元の演奏データ(Dp)を更新する演奏データ編集手段(M4)であって、該譜表(We)は、時間軸の尺度が時間位置に拘わらず一定であり、演奏データ(Dp)を構成する個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応しているものと、ユーザによる演奏データ編集中の更新指示操作(E4→YES)又は演奏データ編集の終了操作(E6→YES)に応じて表示更新指示(c,d)を楽譜表示手段(M3)に出力する表示更新指示手段(E7)とを具備し、楽譜表示手段(M3)は、表示更新指示(c,d)の入力に応じて、更新された演奏データ(Dp)に基づき楽譜(Ds)の表示を更新する音楽情報表示編集装置(電子音楽装置)〔請求項4〕が提供され、また、コンピュータを、上述した演奏データ記憶手段(M1)、楽譜表示手段(M3;S1,S5)、演奏データ編集手段(M4)並びに表示更新指示手段(E7)として機能させるためのプログラム〔請求項6〕が提供される。
この発明の1つの特徴による音楽情報表示編集システムでは(請求項1,5)、演奏データ(Dp)の解析に基づいて、時間軸の尺度が時間位置によって変化し演奏データ(Dp)を構成する個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応していない視認性に優れた楽譜(Ds)を表示する楽譜表示手段(M3)と、演奏データの内容を、そのまま、時間軸の尺度が時間位置に拘わらず一定であり演奏データ(Dp)を構成する個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応している譜表(We)で表示し、作業性の良い編集を行うことができる演奏データ編集手段(M4)とを個別に用意しておき、楽譜表示手段(M3)上で編集対象としている音符や各種音楽記号などの音楽情報シンボル(Sbs)に対して所定のアクション(Ac)を起こすと、演奏データ編集手段(M4)が能動化され、演奏データ編集手段(M4)上で演奏データ(Dp)を編集することができるように構成している。従って、この発明によれば、楽譜表示手段により提供される視認性の良い楽譜により的確に音楽情報を把握しつつ、編集作業性のよい演奏データ編集手段を用いて演奏データを編集することができる。
この発明による音楽情報表示編集装置では、さらに、所定のアクション(Ac)を起こしたときには(S2→YES)、演奏データ編集手段(M4)上で、編集対象とした音符や各種音楽記号などの音楽情報シンボル(Sbs)に対応した音楽情報(Sbe:演奏データDpを構成する個々の要素情報)を含む時間位置の演奏データを譜表(We)で表示する(E2)ように構成している(請求項2)。従って、この発明によれば、編集対象のシンボルに対応した演奏データ要素の位置をユーザが探す必要が無くなる。
この発明による音楽情報表示編集装置では、さらに、所定のアクション(Ac)を起こしたときには(S2→YES)、演奏データ編集手段(M4)上で、編集対象とした音符や各種音楽記号などの音楽情報シンボル(Sbs)に対応した音楽情報(Sbe)を強調表示するようにしている(請求項3)。従って、この発明によれば、編集対象シンボルに対応した演奏データ要素を演奏データ編集手段上で容易に識別することができる。
この発明の別の特徴による音楽情報表示編集システムでは(請求項4,6)、演奏データ(Dp)の解析により、時間軸の尺度が時間位置によって変化し演奏データ(Dp)を構成する個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応していない視認性に優れた楽譜(Ds)を表示するが、楽譜表示のための処理に時間がかかる楽譜表示手段(M3)と、演奏データの内容を、そのまま、時間軸の尺度が時間位置に拘わらず一定であり演奏データ(Dp)を構成する個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応している譜表(We)で表示し、作業性の良い編集を行うことができる演奏データ編集手段(M4)とを個別に用意しておき、演奏データ編集手段(M4)上での演奏データ編集に応じて楽譜(Ds)の表示を更新することはないが、ユーザ操作に基づく楽譜表示更新或いは編集終了の指示があると、これに応じて、楽譜表示手段(M3)で楽譜(Ds)の表示を更新するように構成している。従って、この発明によれば、視認性に優れた楽譜により的確に音楽情報を把握することができ、しかも、演奏データ編集の都度ユーザを待たせることがなくなって作業性を向上することができる。
〔システムの概要〕
図1は、この発明の一実施例による音楽情報表示編集システムのハードウエア構成ブロック図を示す。この音楽情報表示編集システムの本体となる電子音楽装置には、音楽情報処理機能を有するパーソナルコンピュータ(PC)や電子楽器のような音楽情報処理装置(コンピュータ)が用いられ、このような電子音楽装置は、中央処理装置(CPU)1、ランダムアクセスメモリ(RAM)2、読出専用メモリ(ROM)3、外部記憶装置4、演奏操作検出回路5、設定操作検出回路6、表示回路7、音源回路8、効果回路9、MIDIインターフェース(I/F)10、通信インターフェース(I/F)11などを備え、これらの要素1〜11はバス12を介して互いに接続される。
CPU1は、所定の制御プログラムに従い、タイマ13によるクロックを利用して、音楽情報表示編集処理を含む種々の音楽情報処理を実行する。RAM2は、これらの処理に際して必要な各種データを一時記憶するためのワーク領域として用いられる。例えば、音楽情報表示編集処理の対象となる演奏データを格納するための演奏データ記憶領域がRAM2内に確保される。また、ROM3には、これらの処理を実行するために、音楽情報表示編集プログラムを含む各種制御プログラムや演奏データ等が予め記憶される。
外部記憶装置4は、ハードディスク(HD)等の内蔵記憶媒体の外に、コンパクトディスク・リード・オンリィ・メモリ(CD−ROM)、フレキシブルディスク(FD)、光磁気(MO)ディスク、ディジタル多目的ディスク(DVD)、スマートメディア(登録商標)等の小型メモリカード、等々、種々の可搬性の外部記録媒体を含み、任意の外部記憶装置4に記憶された任意の演奏データをこの電子音楽装置で処理することができる。
演奏操作検出回路5は、鍵盤などの演奏操作子14の演奏操作内容を検出し、設定操作検出回路6は、キースイッチやマウス等の設定操作子15の設定操作内容を検出し、それぞれ、検出内容に対応する情報をシステム本体に導入する。また、表示回路7は、各種画面を表示するディスプレイ16や各種インジケータを備え、これらの表示/点灯内容をCPU1からの指令に従って制御し、各操作子14,15の操作に対する表示援助を行うと共に、音楽情報表示編集処理の際には、RAM2内の所定記憶領域の演奏データに基づいて、音休符や各種音楽記号などの音楽情報を含む楽譜表示画面(Ds)や演奏データ編集ウインドウ(We)をディスプレイ16上に表示させる。
音源回路8は、演奏操作子14からの実演奏に基づく実演奏情報やRAM2上の演奏データに応じて楽音信号を生成することができる。効果付与DSPを有する効果回路9は楽音信号に所定の効果を付与し、これに後続するサウンドシステム17は、D/A変換部やアンプ、スピーカを備え、効果が付与された楽音信号に基づく楽音を発生する。
また、MIDII/F10には他のMIDI音楽機器30が接続され、この電子音楽装置と他の音楽機器30との間で、演奏データを含むMIDI演奏データを授受し、このシステムで利用することができる。また、通信I/F11には、インターネットやローカルエリアネットワーク(LAN)などの通信ネットワーク40が接続され、外部のサーバコンピュータ50等から制御プログラムをダウンロードしたり、演奏データをRAM2に一時記憶し或いは更に外部記憶装置4に保存して、このシステムで利用することができる。
〔音楽情報表示編集の概略〕
この発明の一実施例による音楽情報表示編集システムにおいて実行される音楽情報表示編集プログラムは、楽譜表示プログラム及び演奏データ編集プログラムと、システム全体の動作を管理し両プログラムを互いに連係して動作させる管理プログラムとを含む。このシステムでは、楽譜表示プログラムを実行する楽譜表示手段及び演奏データ編集プログラムを実行する演奏データ編集手段が別々に用意され、ユーザが楽譜表示手段上で編集対象にしたい音楽情報(演奏データ要素)を指示して所定のアクションを起こすと、演奏データ編集手段が能動化され、演奏データ編集手段上で演奏データを編集することができる。
図2は、この発明の一実施例による音楽情報表示編集システムの機能を概略的に示す機能ブロック図であり、図3は、このシステムの機能に従って表示される表示画面の推移例を表わす。このシステムは、図2に示すように、演奏データ記憶部M1及び操作検出部M2を備え、機能実行モジュールとして、楽譜表示部(「楽譜表示データ生成部」ともいう)M3及び演奏データ編集部M4を備える。
演奏データ記憶部M1は、表示乃至編集の対象となる演奏データDpを記憶する機能ブロックである。この演奏データDpは、SMF(Standard MIDI File)形式或いはその他任意のデータフォーマットで記述されており、ROM3又は外部記憶装置4或いは外部機器30,50から取り込まれ、RAM2内に設定された所定記憶領域に記憶されている。
操作検出部M2は、設定操作子15のユーザ操作(設定操作)の内容を検出して検出内容を楽譜表示部M3及び演奏データ編集部M4に入力する機能ブロックであり、設定操作検出回路6の機能を含む。この設定操作には、例えば、図3において、ディスプレイ16に表示される楽譜表示画面Ds中の音楽情報シンボルSbsに対する特定アクションAcや、演奏データ編集ウインドウWeに対する編集操作がある。
なお、「特定アクションAc」は、演奏データ編集手段M4を能動化するために楽譜表示画面Ds内の音楽情報シンボルSbsに与えられる所定のアクション(操作手法)を意味する。特定アクションAcには、例えば、図3(1)の楽譜表示画面Dsにおいて、設定操作子15のマウスで操作される指示カーソルCsで当該音楽情報シンボルSbsを指示してマウスボタンをダブルクリックする等の方法が採用される。また、「音楽情報」は、ここでは、音休符や各種音楽記号など、演奏データDpの内容を反映して楽譜表示画面Dsや演奏データ編集ウインドウWe上に表示することができ編集対象とすることができる個々の演奏データ要素を意味する。
楽譜表示部M3は、楽譜表示プログラム(SP)に従って、演奏データ記憶部M1に記憶されている演奏データDpを解析し楽譜表示データを生成する機能ブロックであり、操作部M2から所定のアクション(このアクションは「特定アクション」と呼ばれ、例えば、マウスボタンのダブルクリックを適用することができる。)Acを表わす設定操作情報が入力された際には、演奏データ編集部M4に能動化指示を与える機能を有する。
楽譜表示データの生成には、美観上或いは視認上の観点から見易い楽譜表示になるように、演奏データDp中の音楽情報(演奏データ要素)に所定の楽譜表示ルールを適用して、音符に関する垂直方向(音高方向)位置・向き・連音符などの決定、小節線位置の決定、音休符や各種音楽記号を配置する水平方向(時間方向)の位置(=時間位置)の決定、各段楽譜の高音部五線譜(ト音部)・低音部五線譜(ヘ音部)間における同一タイミング音楽情報の位置合わせ、等々、数多くの処理を行う。このように、見やすい楽譜表示データを得るために多くの処理を必要とするため、演奏データDpの解析を始めてから解析が終了し楽譜表示データが得られるまでに、ある程度の時間を要する。
楽譜表示部M3で生成された楽譜表示データは表示回路7に出力され、表示回路7は、楽譜表示データに基づいて楽譜表示画面Dsをディスプレイ16に表示する。図3(1)は、楽譜表示画面Dsの一表示例(但し画面Ds内の一部分)を示す。なお、楽譜表示画面Ds内の表示要素は、後述する演奏データ編集ウインドウWe内の表示要素(「編集」を冠して表現されることがある)と区別するために、必要に応じて「表示」を冠して表現し、楽譜表示画面Dsの楽譜は「表示楽譜」と呼ばれることがある。また、楽譜表示画面Dsは、ディスプレイ画面いっぱいに表示できるようにしておくことが好ましい。
楽譜表示画面Dsに表示される楽譜は、上述した処理によって、図3(1)に示すように、紙に印刷されている通常の楽譜出版物と同様に、演奏者などの楽譜利用者に対して見易く見栄え良くきれいに表示するように工夫されている。例えば、各段楽譜の上にはコード進行が表示されたり、必要な箇所(例えば、各段楽譜の先頭)に小節番号が表示されたりするが、その表示上の特徴は、特に、時間方向の音楽情報の配置に顕著に表われる。
例えば、短い音符が連続している箇所では、実際の物理的な時間間隔よりも各音符の間隔を拡げて、音符が重なり見づらくならないようにし、長い音符や休符がある箇所では、実際の物理的な時間間隔よりも音符や休符の間隔を縮小して、音符や休符の間に間延びした感じを楽譜利用者に与えないようにしている。従って、時間軸の目盛り(尺度)が時間方向の位置(時間位置)によって変化し(つまり、時間目盛りが不定=フリーピッチ=であり、小節幅が一定していない)、小節位置や小節内における音符などの音楽情報の位置が実際の物理的な時間位置に正確に合致していない。また、表示楽譜は、全体をスクロールしたりページ送りをしたり、全体の表示サイズを変更することができるが、楽譜中の特定の領域を左右(時間)方向や上下(音高)方向に伸縮することはできない。
しかしながら、このような表示楽譜は、楽譜利用者にとって、演奏データDpの音楽上の特徴を理解しやく音楽情報の視認性に優れているので、演奏データDpの修正したい部分を的確に把握することができる。そこで、このシステムでは、編集対象となる演奏データDpを楽譜表示画面Ds内の楽譜で表示しておき、ユーザが、表示楽譜中の音符や音楽記号などの音楽情報シンボルSbsを指示カーソルCsで指示し、指示カーソルCsにダブルクリックなどの特定アクションAcを行うと、楽譜表示部M3により演奏データ編集部M4が能動化され、演奏データ編集部M4の管理下で、当該シンボルSbsに対応する音楽情報(演奏データ要素)Sbeを対象にして作業性良く編集操作を行うことができるようにしている。
具体的には、楽譜表示部M3は、演奏データ編集部M4に対し、最初の特定アクションAcに応じて起動を指示し(a)、また、2回目以降の特定アクションAcに応じて音楽情報(「音符・記号」)を指示する(b)。これに対応して演奏データ編集部M4は、ユーザが演奏データDpの編集操作を行うことができる編集ウインドウ(We)を開いたり或いは活性化する。
演奏データ編集部M4は、演奏データ記憶部M1に記憶されている演奏データDpを編集する機能ブロックであり、演奏データ編集ウインドウWe内に演奏データDp中の音楽情報(要素)をシンボル表示して編集可能な状態にすると共に、所定の編集処理の後には、楽譜表示部M3に対し、当該編集処理後の演奏データDpに基づいて楽譜表示画面Dsの楽譜表示を更新するように指示する機能を有している。
演奏データ編集部M4の機能により表示回路7を通じてディスプレイ16に表示される演奏データ編集ウインドウWe内の譜表は、演奏データ編集上の観点から、従来型の編集用画面に表示される楽譜と同様に、演奏データDpを物理的に忠実に模擬するように表示される。図3(2)は、図3(1)の楽譜表示画面Dsに対応して表示される演奏データ編集ウインドウWeの一表示例を示す。なお、図3(2)では、煩雑さを避けるため、低音部譜表(へ音譜表)における音符などの音楽情報の表示を省略している。また、演奏データ編集ウインドウWe内の表示要素は、必要に応じて「編集」を冠して表現したり、同ウインドウWe内の譜表を「編集譜表」と呼ぶことがある。
編集譜表においては、図3(2)に示すように、小節線(縦方向の実線)Msが時間方向に所定の小節長Lmで等間隔に配置される(つまり、各小節は固定ピッチである)外、各小節線Msの間には多数のタイミンググリッド(補助線)Grが等間隔で表示され、音符などの音楽情報を表わすシンボルSbe等が配置されるタイミング位置を分かり易くしている。グリッドGrは、図3(2)の例では、16分音符長の時間間隔で表示されている。このように、演奏データ編集ウインドウWeでは、編集譜表の時間軸目盛り(尺度)が時間位置に拘わらず一定であり(つまり、譜表が一定の時間ピッチで表示され、小節幅が一定している)、時間方向の位置(時間位置)が物理的な時間に対応しているので、ユーザは演奏データDpの編集を楽に行うことができる。
タイミングに関しては、必要に応じて、譜表外に拍タイミング表記〔“4.1”(第4小節第1拍)〜“5.2”(第5小節第2拍)〕などの記号が表示される。次に、拍タイミング“4.1”上の縦線はタイミングカーソルCteを示し、編集中は、ユーザ操作により時間方向にドラッグすることができ、同一段の上下譜表(ト音及びへ音譜表)について同一タイミングの編集位置を確認することができる。また、タイミングカーソルCteは、例えば、ユーザがディスプレイ画面端のファンクションボタン群中の試聴ボタン(図示せず)を操作し、演奏データを試聴している間は、演奏データの演奏の進行に従って自動的に時間進行方向に移動し、現在演奏中の時間位置をユーザに知らせる。
なお、タイミングカーソルCteに対応して、楽譜表示画面Dsの表示楽譜にもタイミングカーソルCtsが表示され、このタイミングカーソルCtsは編集譜表のタイミングカーソルCteの時間位置に追従するように移動されるので、ユーザは、楽譜表示画面Ds上でも編集乃至演奏位置を確認することができる。
また、編集譜表は、演奏データ編集部M4に別途用意されたスケール変更機能により、ユーザの設定操作に応じて、演奏データ編集ウインドウWe内に表示されている所定領域の譜表を、左右方向乃至上下方向に伸縮することができる。また、小節や音符シンボルなどを含む譜表の表示位置は、水平スクロールボタンBhの操作により水平方向に調整し、垂直スクロールボタンBvの操作により上下方向に調整することができる。さらに、楽譜の左側部分には、表示中の小節を支配する音部記号、調号、調子記号等の音楽記号が表示される。この楽譜左側部分は、左右方向の時間位置が変化しないが、垂直方向の位置や表示スケールが、小節や音符シンボルなどを含む譜表と共に変化する。
さて、ユーザは、図3(1)の楽譜表示画面Dsがディスプレイ16に表示されている場合、ユーザが画面Ds内に表示されている楽譜の一部を修正したいときには、編集対象にしたい音楽情報のシンボルSbsを指示するカーソルCsにマウスボタンのダブルクリックなどの特定アクションAcを加える。これにより、楽譜表示部M3から演奏データ編集部M4に(a)起動指示又は(b)音楽情報指示(「音符・記号」指示)がなされるので、演奏データ編集部M4の機能が能動化される。
演奏データ編集部M4の機能が能動化すると、図3(2)に示されるように、当該音楽情報に対応するシンボルSbeを含む段の譜表を表示した演奏データ編集ウインドウWeが開かれ或いは活性化されて、演奏データDpの編集が可能になる。なお、演奏データ編集ウインドウWeは、表示されている編集譜表部分が対応する表示楽譜部分の上に重畳しないように、楽譜表示画面Dsの上に重ねて表示してもよいし、図3の配置のように上下に並べて配置してもよい。
演奏データ編集部M4は、演奏データ編集ウインドウWeを開いたとき或いは活性化したとき、楽譜表示画面Dsで特定アクションがなされた表示シンボルSbsに対応するシンボルSbeを、例えば、赤色で表示する等の方法で、強調表示し、現在、当該シンボルSbeに対応する音楽情報が編集対象に指定されておりエディット可能であることをユーザに知らせることができる。
以後、ユーザは演奏データ編集ウインドウWeを利用して当該シンボルSbeを含む任意の音楽情報を修正して演奏データDpを編集することができ、これにより、演奏データ編集部M4は、演奏データ記憶部M1に記憶されている演奏データDpの内容を逐次更新する。なお、楽譜表示部M3での楽譜表示処理には時間がかかり、データ修正の度に楽譜表示を更新するのでは操作性が低下するため、このウインドウWeにより演奏データDpの編集をしている途中では、楽譜表示部M3は編集内容を表示楽譜に反映させない。
その代わりに、ユーザ操作に基づく表示更新の指示があった場合や、ユーザが全ての編集作業を終えて演奏データ編集部M4での編集処理が終了した時点で、楽譜表示部M3において表示楽譜を更新する。つまり、所定の編集処理が実行され表示更新の指示があったとき(c)、或いは、演奏データ編集部M4の動作が終了したときに(d)、演奏データ編集部M4は、楽譜表示部M3に楽譜表示更新を指示して、演奏データ編集の結果を楽譜表示画面Dsの楽譜表示に反映させる。
次に、この楽譜表示及び演奏データ編集の一連の動作を順を追って説明する。ユーザが、ディスプレイ16の案内画面を利用して、まず、記憶手段3,4等の演奏データリストから表示乃至編集の対象にしたい演奏データの選択操作を行うと、演奏データ記憶部M1は、記憶手段3,4等から該当する演奏データを呼び出してRAM2内の演奏データ格納領域に記憶する。次に、楽譜表示機能の起動を指示する操作により、楽譜表示部M2は、この演奏データDpを解析して楽譜表示データを生成し、表示回路7に、案内画面に代えて図3(1)に例示される楽譜表示画面Dsをディスプレイ16に表示させる。
この楽譜表示画面Dsに対して、ユーザが設定操作子14を用いて、編集を望む音符や音楽記号などの音楽情報のシンボルに対して特定アクションAcを行うと、楽譜表示部M3は、演奏データ編集部M4に起動指示(a)を与える。
演奏データ編集部M4は、この起動指示(a)に従って起動し、直ちに、演奏データ編集ウインドウWeをディスプレイ16上に開き、特定アクションAcがなされたシンボルSbsに対応するシンボルSbeを含む所定領域の編集譜表をウインドウWe内に表示し、当該シンボルSbeを強調表示してこれに対応する音楽情報が編集対象に指示されていることをユーザに知らせる。これによって、ユーザは、編集操作によって当該シンボルSbeの音楽情報を修正して演奏データDpを編集することができる。また、演奏データ編集ウインドウWe内の他の音楽情報についても、指示カーソルCsで対応シンボルを指示して所定の編集操作を行うことにより編集することができる。
演奏データ編集ウインドウWeでの編集操作には、公知の方法を任意に採用することができる。例えば、編集譜表上で、指示された音楽情報を別の時間乃至音高位置或いはウインドウWe外にドラッグしたり(音楽情報の移動或いは削除)、多種類の音楽情報を表わすアイコンを用意したアイコンパレットから所望音楽情報のアイコンを指示して編集譜表上にドラッグし所望の時間乃至音高位置にドロップし或いは変更したい音楽情報に重ねてドロップする(音楽情報の追加或いは変更)方法がある。
演奏データ編集部M4は、ユーザ所望の編集処理を実行した後、例えば、ディスプレイ画面端のファンクションボタン群中の表示楽譜更新ボタン(図示せず)を操作することにより、表示更新の指示がなされた場合には、これを検出して、楽譜表示部M3に表示楽譜の更新を指示する(c)。楽譜表示部M3は、この表示更新指示に従い、編集処理により更新された演奏データ記憶部M1の演奏データDpに基づいて、新たな表示楽譜を楽譜表示画面Dsに表示するので、ユーザは、この楽譜表示画面Dsで編集結果を確認することができる。
ユーザは、指示カーソルCsにより演奏データ編集ウインドウWe内の音楽情報シンボルSbeを指示して編集操作を行うだけでなく、指示カーソルCsを楽譜表示画面Dsに移動させて編集したい新たな音楽情報シンボルSbsに特定アクションAcを行って編集作業を続けることができる。この場合は、楽譜表示部M3は、演奏データ編集部M4に音楽情報(「音符・記号」)指示(b)を与え、演奏データ編集部M4は、演奏データ編集ウインドウWeを活性化して直ちに当該シンボルSbsに対応する音楽情報のシンボルSbeを含む所定領域の編集譜表を表示し、当該シンボルSbeの強調表示により編集対象を指示する。
このように、表示更新指示(c)と音楽情報(「音符・記号」)指示(b)に対応する処理は独立しているので、ユーザは、表示更新されない表示楽譜を見つつ編集作業を行うこともできるし、表示更新された後の新たな表示楽譜を見つつ編集作業を行うこともできる。そして、ユーザが全ての編集作業を終えて、編集終了を指示する操作を行うと、演奏データ編集部M4は、演奏データ編集処理を終了し、最終的な表示更新指示(d)を楽譜表示部M3に与える。
楽譜表示部M3は、これに応じて、演奏データ編集の最終結果を反映した楽譜を楽譜表示画面Dsに表示するので、ユーザは、全ての編集作業の結果を確認することができる。もちろん、この結果を更に修正したい場合は、その音楽情報シンボルSbsに特定アクションを加えることにより、編集作業を再開することができる。
そして、ユーザが楽譜表示終了の操作を行うと、楽譜表示部M3は、楽譜表示処理を終了し、編集された演奏データDpを保存したい場合には、保存ボタンの操作により、演奏データ記憶部M1により記憶されていた演奏データDpを外部記憶装置4の所望の記憶領域又は記憶媒体に記録して、この音楽情報表示編集処理を終了することができる。
以上説明したこの音楽情報表示編集の内容を要約をすると次のとおりである:この音楽情報表示編集システムは、演奏データDpの解析に基づいて演奏データDpを構成する個々の音楽情報(音符や各種音楽記号)をシンボルSbsで表わした楽譜Ds〔例えば、時間位置に関し不定の時間尺度(時間位置によって時間軸の尺度が変わる)をもち、音楽情報の視認性が良い〕を表示する楽譜表示機能M3と、演奏データDpの内容をそのまま譜表We〔例えば、時間位置に拘わらず一定の時間尺度をもち、編集の作業性が良い〕で表示し、譜表Weに対する編集操作に基づいて演奏データDpを編集する演奏データ編集機能M4を個別に備える。楽譜Ds上で編集対象に指定された音楽情報シンボルSbsに対して特定アクションAcを起こすと、演奏データ編集機能M4が能動化して譜表We上で演奏データDpを編集することができる。この場合、特定アクションAcにより、音楽情報シンボルSbsに対応するデータ要素Sbeを含む演奏データDpが譜表Weに表示され当該データ要素Sbeが強調表示される。また、楽譜Dsの表示は、譜表We上で演奏データDpが編集されている間は更新されず、ユーザ操作により表示更新又は編集終了の指示があったときに限って更新される。
〔音楽情報表示編集の処理フロー例〕
この発明の一実施例による音楽情報表示編集システムにおいては、楽譜表示プログラム及び演奏データ編集プログラムを含む音楽情報表示編集プログラムに従って、上述したとおりの処理を実行することができる。図4は、この発明の一実施例による音楽情報表示編集処理の手順を表わすフローチャートである。このシステムでは、図4に破線(a)〜(d)で示されるように、楽譜表示プログラムSPに従って楽譜表示部M3で実行される機能と演奏データ編集プログラムEPに従って演奏データ編集部M4で実行される機能とが互いに連係している。
図4において、楽譜表示プログラムSPが起動すると、楽譜表示部M3が動作を開始し、まず、ステップS1で、演奏データ記憶手段M1によりRAM2の所定記憶領域に予め用意された演奏データDpを解析し、所定の楽譜表示ルールに従って楽譜表示データが生成され、この楽譜表示データに基づいて、ディスプレイ16上の楽譜表示画面Ds内に時間位置に関して不定の時間尺度をもつ楽譜を表示する。
次のステップS2では、音符や各種音楽記号などの音楽情報シンボルSbsに対して特定アクションAcがあったか否かを判定し、特定アクションAcがあったときは(S2→YES)、ステップS3に進んで、演奏データ編集プログラムEPを起動する指示(a)を出力すると共に、特定アクションAcの対象である音符や各種音楽記号などの音楽情報シンボルSbsに対応する演奏データ要素(音楽情報)Sbeを指示する。
楽譜表示部M3からの起動指示(a)により、演奏データ編集プログラムEPが起動すると、演奏データ編集部M4が動作を開始し、まず、ステップE1にて演奏データ編集ウインドウWeを開く。次のステップE2では、演奏データDpを“楽譜表示データ生成部M3から指示された演奏データ要素Sbeを含み時間位置に拘わらず一定の時間尺度をもつ楽譜”でウインドウWe内に表示すると共に、この演奏データ要素Sbeの位置に演奏データDpの編集位置を移動し、当該演奏データ要素Sbeを強調表示する。
続いて、ステップE3では、ユーザによる演奏データDpの編集操作に応じて演奏データDpを修正・更新し、その後、ステップE4にて、ユーザの更新指示操作により表示更新指示がなされたか否かを判定する。ここで、表示更新指示があったときは(E4→YES)ステップE5で楽譜表示プログラムSPを実行している楽譜表示データ作成部M3に対して表示更新(c)を指示する。
また、表示更新指示がないとき(E4→NO)或いは表示更新指示(E5)の後は、ステップE6において、ユーザの終了操作によりこの演奏データ編集プログラムEPを終了する指示があったか否かを判定する。ここで、このプログラム終了指示がないときは(E6→NO)、ステップE3に戻り、ステップE3〜E6の処理動作を繰り返し、演奏データDpの編集処理を続行する。
ユーザが編集作業を完了してプログラム終了指示の操作をしたときに(E6→YES)、ステップE7に進み、楽譜表示プログラムSPを実行している楽譜表示部M3に対して表示更新指示(d)を出力し、この演奏データ編集プログラムEPを終了する。
一方、楽譜表示部M3では、特定アクションAcがなかったとき(S2→NO)或いは演奏データ要素Sbeの指示(S3)の後、ステップS4に進んで、演奏データ編集部M4から表示更新指示(c,d)があったか否かを判定する。ここで、表示更新指示あったときは(S4→YES)、ステップS5で、演奏データ編集部M4での編集処理(E3)で更新された演奏データDpを解析して楽譜表示画面Ds内の楽譜表示を更新する。
表示更新指示(c,d)がないとき(S4→NO)或いは表示楽譜更新(S5)の後は、ステップS6で、ユーザの終了操作によりこの楽譜表示プログラムを終了する指示があったか否かを判定する。ここで、このプログラム終了指示がないときは(S6→NO)、ステップS7で楽譜表示画面Dsについて各種楽譜表示制御処理を行った上、ステップS2に戻り、ステップS2〜S7の楽譜表示処理動作を繰り返す。なお、ステップS7での各種楽譜表示制御処理には、例えば、ページめくり、表示サイズ変更などがある。
また、ステップS2に戻った際に特定アクションAcがあったと判定して(S2→YES)ステップS3に進んだときは、特定アクションAcの対象となった音楽情報シンボルSbsに対応する演奏データ要素(音楽情報)Sbeを演奏データ編集部M4に指示する(b)。演奏データ編集部M4は、この指示(b)に応じて、直ちにステップE2の表示処理が実行する。
つまり、演奏データ編集ウインドウWeを開いて(E1)演奏データDpを編集している間に、楽譜表示部M3(プログラムSP)側で他の位置にある音楽情報(音符・記号)に対して特定アクションAcを起こして他の位置の演奏データ要素の編集に移行することもできる。この場合、上述のように、新たに演奏データ編集ウインドウWeは開かず、編集位置(表示される編集譜表部分)のみを移動する。
そして、ユーザが、ステップS5で更新された楽譜表示画面Dsの表示楽譜により、編集作業完了後の最終的な演奏データDpの内容を確認し、プログラム終了指示の操作をしたときに(S6→YES)、この楽譜表示プログラムSPを終了する。
〔種々の実施態様〕
以上、図面を参照しつつこの発明の好適な実施の一形態について説明したが、これは単なる一例であって、この発明は、発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、編集譜表については、実施例では、演奏データ編集部M4は、五線譜などの楽譜の表示形式で演奏データを表示し、編集を受け付けるようにしているが、これに限らず、ピアノロール形式でもよいし、イベントリスト形式でもよい。これらの形式のものもこの発明の「譜表」に含まれる。
楽譜表示形式で演奏データを編集ウインドウに表示する際は、左右方向(時間方向)を伸縮自在にし、音符が密集している部分であっても音符の密度を下げることができるように構成することが望ましい。同様に、上下方向(音高方向)についても伸縮自在とすると更によい。これらの事項は、ピアノロール形式についても同様に適用することができる。
楽譜表示画面上における編集対象の音楽情報シンボル(音符や各種音楽記号など)への特定アクション(Ac)については、実施例のようなマウスによるダブルクリックに限らない。“マウスによるクリック(シングル)”+“その他操作子(例えば、エンターキー)の操作”でもよいし、“マウスによるクリック”+“メニューから「編集」コマンドを選択”してもよい。或いは、マウス以外のポインティングデバイス(トラックポイントやタッチパッド、ジョイスティック等)を用いてもよいし、表示部がタッチパネルを備えている電子音楽装置であれば、タッチパネルの操作を利用してもよい。
この発明の一実施例による音楽情報表示編集システムのハードウエア構成ブロック図である。 この発明の一実施例による音楽情報表示編集システムの機能を概略的に表わす機能ブロック図である。 この発明の一実施例による音楽情報表示編集システムにおける表示画面の推移を説明するための図である。 この発明の一実施例による音楽情報表示編集処理の手順を表わすフローチャートである。
符号の説明
M1 演奏データDpを記憶する演奏データ記憶(機能)部、
M2 特定アクションAcや編集操作を検出する操作検出(機能)部、
M3 楽譜表示プログラムPdを実行する楽譜表示(機能)部、
M4 演奏データ編集プログラムPeを実行する演奏データ編集(機能)部。

Claims (6)

  1. 演奏データを記憶する演奏データ記憶手段と、
    上記演奏データを解析して、上記演奏データを構成する個々の音楽情報をシンボルで表わした楽譜を表示する楽譜表示手段であって、該楽譜は、時間軸の尺度が時間位置によって変化し、個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応していないものと、
    上記演奏データを譜表で表示し、この譜表に対する編集操作に基づいて上記演奏データを編集する演奏データ編集手段であって、該譜表は、時間軸の尺度が時間位置に拘わらず一定であり、上記演奏データを構成する個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応しているものと、
    上記楽譜上のシンボルに対して、ユーザ操作に基づき所定のアクションが生起されたことを検出する操作検出手段と、
    所定のアクションの生起が検出されたことに応じて、上記演奏データ編集手段を能動化させる能動化指示を上記演奏データ編集手段に出力する編集能動化手段と
    を具備することを特徴とする音楽情報表示編集装置。
  2. 前記演奏データ編集手段は、前記能動化指示を受けて、所定のアクションの生起が検出されたシンボルに対応する音楽情報を含む時間域の演奏データを前記譜表で表示することを特徴とする請求項1に記載の音楽情報表示編集装置。
  3. 前記演奏データ編集手段は、前記能動化指示を受けて、所定のアクションの生起が検出されたシンボルに対応する音楽情報を強調表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の音楽情報表示編集装置。
  4. 演奏データを記憶する演奏データ記憶手段と、
    上記演奏データを解析して、上記演奏データを構成する個々の音楽情報をシンボルで表わした楽譜を表示する楽譜表示手段であって、該楽譜は、時間軸の尺度が時間位置によって変化し、個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応していないものと、
    上記演奏データを譜表で表示し、この譜表に対する編集操作に基づいて上記演奏データを編集すると共に、編集された演奏データで元の演奏データを更新する演奏データ編集手段であって、該譜表は、時間軸の尺度が時間位置に拘わらず一定であり、上記演奏データを構成する個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応しているものと、
    ユーザによる演奏データ編集中の更新指示操作又は演奏データ編集の終了操作に応じて表示更新指示を上記楽譜表示手段に出力する表示更新指示手段と
    を具備し、
    上記楽譜表示手段は、上記表示更新指示の入力に応じて、更新された演奏データに基づき上記楽譜の表示を更新する
    ことを特徴とする音楽情報表示編集装置。
  5. コンピュータを、
    演奏データを記憶する演奏データ記憶手段、
    上記演奏データを解析して、上記演奏データを構成する個々の音楽情報をシンボルで表わした楽譜を表示する楽譜表示手段であって、該楽譜は、時間軸の尺度が時間位置によって変化し、個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応していないもの、
    上記演奏データを譜表で表示し、この譜表に対する編集操作に基づいて上記演奏データを編集する演奏データ編集手段であって、該譜表は、時間軸の尺度が時間位置に拘わらず一定であり、上記演奏データを構成する個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応しているもの、
    上記楽譜上のシンボルに対して、ユーザ操作に基づき所定のアクションが生起されたことを検出する操作検出手段、並びに、
    所定のアクションの生起が検出されたことに応じて、上記演奏データ編集手段を能動化させる能動化指示を上記演奏データ編集手段に出力する編集能動化手段
    として機能させるための音楽情報表示編集プログラム。
  6. コンピュータを、
    演奏データを記憶する演奏データ記憶手段、
    上記演奏データを解析して、上記演奏データを構成する個々の音楽情報をシンボルで表わした楽譜を表示する楽譜表示手段であって、該楽譜は、時間軸の尺度が時間位置によって変化し、個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応していないもの、
    上記演奏データを譜表で表示し、この譜表に対する編集操作に基づいて上記演奏データを編集すると共に、編集された演奏データで元の演奏データを更新する演奏データ編集手段であって、該譜表は、時間軸の尺度が時間位置に拘わらず一定であり、上記演奏データを構成する個々の音楽情報の時間軸方向表示位置が物理的な時間位置に対応しているもの、並びに、
    ユーザによる演奏データ編集中の更新指示操作又は演奏データ編集の終了操作に応じて表示更新指示を上記楽譜表示手段に出力する表示更新指示手段
    として機能させるためのプログラムであって、
    上記楽譜表示手段としての機能には、上記表示更新指示の入力に応じて、更新された演奏データに基づき上記楽譜の表示を更新する機能が含まれる
    音楽情報表示編集プログラム。
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