JP4238561B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェットプリンタに係り、特に、廃インクを処理するための構成を具備するインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワードプロセッサ,パーソナルコンピュータ等に接続される記録端末として、ドットインパクトプリンタ,インクジェットプリンタ,レーザプリンタ,熱転写式プリンタ,熱昇華式プリンタ等の種々のプリンタが開発されている。中でも、インクジェットプリンタは、他の方式のプリンタに比べ、記録時の音が静かであること、色彩豊かな記録を容易かつ安価に行えること等の利点を有するため、プリンタ産業の主流となっている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタには、多数のオリフィス(ノズル)を有する記録ヘッドが配設されており、インクジェットプリンタは、画像信号に基づき記録ヘッドの各ノズルからインクを微小な液滴として記録媒体に向かって吐出し画像を記録している。
【0004】
しかしながら、インクジェットプリンタでは、高温・低湿環境下での記録若しくは低頻度の記録又は記録待機時等の非記録時において、記録ヘッドのノズルの内部及び先端部でインクが乾燥して固まり、インクの吐出不良又は不吐出(目詰まり)が発生する可能性がある。そこで、目詰まりを防止し円滑にインクを吐出するために、インクジェットプリンタは、記録時又は非記録時において、吸引ポンプにより各ノズルからインクを吸引する処理を行ったり、定期的に各ノズルから空吐出させる処理を行ったりしている。そして、これらの処理により発生するインクは廃インクとして扱われ、インクジェットプリンタに配設された廃インクボトルに回収されるようになっている。
【0005】
ところで、廃インクボトルに回収された廃インクは、上述の処理が行われる毎に順次廃インクボトルに溜まるが、廃インクボトル内にはインクを吸収する吸収体が配設されており、この吸収体によってインクを吸収して廃インクボトルから廃インクが漏出するのを防止している。近年では、吸収性に優れる硬質樹脂発泡体等の廃インク吸収体が開発されており、廃インクボトルに回収できるインク容量もますます増えている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−268301号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、どんなに吸収能力の高い吸収体が開発されたとしても吸収体の吸収能力には限界があり、吸収体に多量の廃インクが吸収された場合には、吸収体を別の新規の吸収体に交換するときに、吸収体から廃インクが滴り落ちて室内の壁や床、ユーザの衣服等に付着する可能性がある。このような理由から、吸収体に吸収された廃インクが多ければ多いほど、廃インクの廃棄処理(吸収体の交換処理)に手間を要する。
【0008】
本発明の課題は、廃インクの処理を容易に行えるインクジェットプリンタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
光の被照射により硬化するインクを廃インクとして回収する廃インクボトルを有し、前記廃インクボトルの内部に前記インクを吸収する吸収体が配設されたインクジェットプリンタにおいて、
前記廃インクボトルに前記光を照射する光照射部材を備え、
前記廃インクボトルが前記光を透過する部材により構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、一方では、インクは廃インクとして廃インクボトルに回収されるが、廃インクボトルの内部には吸収体が配設されているため、廃インクは吸収体に吸収された状態で廃インクボトルの内部に溜まる。他方では、廃インクボトルには光照射部材から光が照射されるが、廃インクボトルが光を透過する部材により構成されているため、光照射部材から出射した光は廃インクボトルの内部に入射する。従って、廃インクボトルの内部では廃インクに光が入射し、廃インクを吸収体に吸収させた状態で硬化させることができる。
【0011】
この場合、吸収体の交換処理時に、廃インクボトルに回収された廃インクを硬化した状態の吸収体として扱ってそのまま破棄できる。従って、従来のように吸収体から廃インクが滴り落ちて室内の壁や床、ユーザの衣服等に付着する心配もなく、廃インクの処理を容易に行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記廃インクボトルを収納する収納容器を備え、
前記収納容器が前記光の透過を遮蔽する部材により構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明では、収納容器が光の透過を遮蔽する部材により構成されているので、収納容器の外部の自然光が廃インクボトルの内部に入射することはなく、廃インクが光照射部材による光以外の光で無作為に硬化するのを防止できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記光は紫外線であることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、廃インクボトルに回収された廃インクは紫外線の被照射により硬化する。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記インクは、一主成分としてカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクであることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明ではインクがカチオン重合系インクであることから、食品包装をはじめとする軟包装で使用されるシュリンクフィルム等の汎用性の高い記録媒体に画像を記録できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェットプリンタの実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲は図示例に限定されない。
【0019】
図1は、インクジェットプリンタ1の全体構成を示す斜視図である。
図1に示す通り、インクジェットプリンタ1には、画像の記録を行う各種部材が搭載された画像記録部2が配設されている。画像記録部2は、断面が多角形状を有し左右方向に延在する長尺な筐体3により形成されており、筐体3の前側の一部が開口している。また、筐体3の後側には、記録媒体を筐体3の内部に送り込むためのスリット状の搬入口(図示略)が設けられている。
【0020】
筐体3の内部には、左右方向に延在する長尺状でかつ平板状のプラテン4が配設されている。プラテン4は、記録媒体を非記録面(記録面の反対側の面)から平板状に支持するものである。
【0021】
なお、図1では、画像を記録すべき記録媒体を省略しているが、記録媒体は、筐体3の後側に設けられた搬入口から送り込まれ、筐体3の内部に配設された搬送機構(図示略)によってプラテン4により非記録面を支持された状態で筐体3の内部を後から前へ通過し、筐体3の外部に搬出されるようになっている。つまり、記録媒体は、筐体3の内部に配設された搬送機構により筐体3の内部を通過するように搬送方向Aに沿って搬送される。
【0022】
プラテン4の上方には、筐体3の内部において左右方向に延在するガイド部材5が配設されている。ガイド部材5には、キャリッジ6が支持されている。キャリッジ6は、ガイド部材5によりガイドされた状態で左右方向に延びる走査方向Bに沿って移動自在とされている。
【0023】
キャリッジ6には、2つの記録ヘッド群7,8が搭載されている。各記録ヘッド群7,8は、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)の各プロセスカラーのインクを下方に向けて吐出する4つの記録ヘッドからそれぞれ構成されている。記録ヘッド群7と記録ヘッド群8とでは、互いに前後にずれた位置に配置されている。2つの記録ヘッド群7,8の各記録ヘッドの下面には複数のノズル(図示略)がそれぞれ配列されており、各記録ヘッドはそれらの各ノズルからインクを微小な液滴として吐出することができる。
【0024】
さらに、キャリッジ6の記録ヘッド群7,8の左右両側には、紫外線を下方に向けて照射する紫外線光源9,10がそれぞれ搭載されている。具体的に、紫外線光源9,10としては、低圧水銀ランプ、紫外線レーザ、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LED高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極紫外線ランプ等が適用可能であり、これら以外の光源が適用されてもよい。
【0025】
プラテン4の左側には、2つの記録ヘッド群7,8に供給するためのインクを貯留するインクタンク群11が配設されている。インクタンク群11は、Y,M,C,Kの各プロセスカラーのインクを貯留する4つのインクタンクから構成されている。インクタンク群11の各インクタンクは、供給部材(図示略)を介してY,M,C,Kの色毎にその色を吐出する記録ヘッドにそれぞれ連結されており、2つの記録ヘッド群7,8の各記録ヘッドには、吐出する色に応じたインクがその色を貯留するインクタンクからそれぞれ供給されるようになっている。
【0026】
プラテン4の右側には、2つの記録ヘッド群7,8の各記録ヘッドのメンテナンスを行うためのメンテナンス機構12が配設されている。メンテナンス機構12には、2つのキャップ部材群13,14が配設されている。各キャップ部材群13,14は、各記録ヘッド群7,8の記録ヘッド数に対応する4つのキャップ部材からそれぞれ構成されている。
【0027】
なお、キャリッジ6は筐体3で覆われる図1中右側の位置(以下、「ホームポジション」という。)に移動可能であり、キャリッジ6がホームポジションに移動した状態では、2つの記録ヘッド群7,8の各記録ヘッドの下面が2つのキャップ部材13,14のキャップ部材によりそれぞれ覆われるようになっている。キャップ部材が記録ヘッドの下面を覆うことで、記録ヘッドの内部並びにノズルの内部及びノズルの先端部においてインクが乾燥することを防止できるようになっている。
【0028】
さらにメンテナンス機構12には、吸引ポンプ(図示略)とこの吸引ポンプを介した複数の吸引チューブ(図示略)とが配設されている。各吸引チューブの一端は2つのキャップ部材群13,14のキャップ部材にそれぞれ連結されており、各吸引チューブの他端は1本の回収チューブ15として後述の廃インク回収部30に導かれている(図2参照。)。
【0029】
上記構成を具備する画像記録部2は、逆T字状の2本の脚部20,20により支持されている。各脚部20間には画像記録部2の自重を強固に支持するための2本の補強部材21,21が架け渡されており、各脚部20の下部には2個のキャスタ22,22がそれぞれ配設されている。このような構成により、画像記録部2を含むインクジェットプリンタ1は、前後方向又は左右方向に移動自在となっている。
【0030】
上記した2本の脚部20,20のうち図1中右側に配置された脚部20の右側の側面には、画像の記録を目的とせず廃棄することを目的とするインクを廃インクとして回収する廃インク回収部30が配設されている。
【0031】
図2は、廃インク回収部30の具体的な構成を示す斜視図である。
図2に示す通り、廃インク回収部30には、直方体状の収納容器31が配設されている。収納容器31の各側面は、紫外線の透過を遮蔽する部材により構成されている。また、収納容器31の前後左右の各側面の内側には、上下方向に延在する光照射部材としての線状の紫外線光源32がそれぞれ固定されている。具体的に、紫外線光源32としては、上記画像記録部2の紫外線光源9,10と同様に、低圧水銀ランプ、紫外線レーザ、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LED高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極紫外線ランプ等が適用可能であり、これら以外の光源が適用されてもよい。
【0032】
収納容器31の内部には円筒状の廃インクボトル33が収納されている。廃インクボトル33は収納容器31に対して着脱自在とされている。廃インクボトル33の上部にはボトルキャップ34が着脱自在に装着されており、廃インクボトル33の内部には吸収体35が充填されている。具体的に、吸収体35としては、不織布,フェルト等が適用可能であり、これら以外の吸収体が適用されてもよい。
【0033】
廃インクボトル33は紫外線を透過する透明又は半透明な部材により構成され、一方、ボトルキャップ34は紫外線の透過を遮蔽する部材により構成されている。
【0034】
収納容器31及びボトルキャップ34の各上面には、円形の小孔からなる貫通孔31a,34aがそれぞれ形成されており、上記したメンテナンス機構12の回収チューブ15の先端部が、各貫通孔31a,34aを通ってボトルキャップ34の内部に導かれている。
【0035】
なお、回収チューブ15は各貫通孔31a,34aに対して抜差し自在となっており、収納容器31の右側の側面は開閉自在となっている。従って、収納容器31の右側の側面を開けて回収チューブ15をボトルキャップ34から引き抜くことで、廃インクボトル33を収納容器31の外部に取り出すことができる。また、上記の通り、ボトルキャップ34が廃インクボトル33に対して着脱自在であるため、廃インクボトル33からボトルキャップ34を脱することで、吸収体35を廃インクボトル33から取り出すことができる。
【0036】
次に、本実施形態に用いられる「インク」について説明する。
本実施形態に用いられるインクとしては、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジカル重合により硬化するものであってもよい。
【0037】
具体的に、本実施形態に用いられるインクは、光としての紫外線の被照射により硬化する性質を具備する光硬化型インクであり、主成分として、重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを少なくとも含むものである。ただし、本実施形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0038】
上記光硬化型インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0039】
しかしながら、酸素による重合反応の阻害作用が少ない又は無いカチオン重合系インクのほうが機能性・汎用性に優れるため、本実施形態では、特に、カチオン重合系インクを用いている。
【0040】
なお、本実施形態に用いられるカチオン重合系インクは、具体的に、オキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを少なくとも含む混合物であり、当然、紫外線の被照射により硬化する性質を具備するものである。
【0041】
ところで、本実施形態に用いられるインク(ラジカル重合系インク,カチオン重合系インク及びハイブリッド型インクを含む。)は、上記の通り、紫外線の被照射により硬化するものであるが、必ずしもこれには限定されず、紫外線以外の光の被照射により硬化するものであってもよい。ここでいう「光」とは、広義の光であって、紫外線,電子線,X線,可視光線,赤外線等の電磁波を含むものである。つまり、本実施形態に用いられるインクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用されてもよい。紫外線以外の光で硬化する光硬化型のインクを本実施形態に用いられるインクとして用いる場合は、図1に示す紫外線光源9,10に代えてその光を照射する光源を適用しなければならず、これと同様に、図2に示す紫外線光源32に代えてその光を照射する光源を本発明に係る「光照射部材」として適用しなければならない。
【0042】
本実施形態では、インクに照射する光として紫外線を例示し、紫外線を照射する光源として上記紫外線光源9,10,32を例示している。
【0043】
次に、本実施形態に用いられる「記録媒体」について説明する。
本実施形態に用いられる記録媒体としては、通常のインクジェットプリンタに適用される普通紙,再生紙,光沢紙等の各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラス等の材質からなる記録媒体が適用可能である。記録媒体の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。
【0044】
特に、本実施形態で用いられる記録媒体として、所謂軟包装に用いられる透明又は不透明な非吸収性の樹脂製フィルムが適用できる。樹脂製フィルムの具体的な樹脂の種類として、ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリエステルアミド,ポリエーテル,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリ-ρ-フェニレンスルフィド,ポリエーテルエステル,ポリ塩化ビニル,ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が適用可能であり、さらには、これら樹脂の共重合体、これら樹脂の混合物、これら樹脂を架橋したもの等も適用可能である。中でも、樹脂製フィルムの樹脂の種類として、延伸したポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナイロンのいずれかを選択するのが、樹脂製フィルムの透明性・寸法安定性・剛性・環境負荷・コスト等の面で好ましく、2〜100μm(好ましくは6〜50μm)の厚みを有する樹脂製フィルムを用いるのが好ましい。また、樹脂製フィルムの支持体の表面にコロナ放電処理、易接着処理等の表面処理を施してもよい。
【0045】
さらに、本実施形態に用いられる記録媒体として、樹脂により表面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
【0046】
次に、インクジェットプリンタ1の動作を説明する。
インクジェットプリンタ1の動作中において、一方では、筐体3の搬入口に記録媒体が送り込まれた状態で搬送機構が作動し、記録媒体が、筐体3の内部ではプラテン4により非記録面を支持された状態で後から前へ通過して、搬送方向Aに沿って搬送される。他方では、キャリッジ6が作動して記録媒体の直上を走査方向Bに沿って往復移動し、キャリッジ6に搭載されている2つの記録ヘッド群7,8及び2つの紫外線光源9,10もキャリッジ6の往復移動に追従する。
【0047】
この状態において、2つの記録ヘッド群7,8の各記録ヘッドが記録媒体の記録面に向かってインクを吐出するとともに、2つの紫外線光源9,10が記録媒体の記録面に向かって紫外線を出射する。特に、キャリッジ6が図1中の左から右へと移動している最中には紫外線光源9が点灯し、キャリッジ6が図1中右から左へと移動している最中には紫外線光源10が点灯する。つまり、キャリッジ6の移動方向の記録ヘッド群7,8よりも後側の紫外線光源9(又は10)が発光して紫外線を出射する。これにより、各記録ヘッドから吐出されて記録媒体に着弾した直後のインクに紫外線が照射され、当該インクは硬化して記録媒体の記録面上に定着する。
【0048】
以降、インクジェットプリンタ1が上記の各動作を繰り返し、各プロセスカラーの複数のドットからなる所望の画像が記録媒体の記録面に順次記録される。
【0049】
このような動作が行われる以外にインクジェットプリンタ1では、所定数の画像の記録が終了する毎にキャリッジ6がホームポジションに移動して、その後、メンテナンス機構12により2つの記録ヘッド群7,8の各記録ヘッドのメンテナンス処理が行われる。また、メンテナンス処理と同期して、廃インク回収部30の各紫外線光源32が点灯する。
【0050】
具体的に、キャリッジ6がホームポジションに位置すると、各記録ヘッドの下面が2つのキャップ部材群13,14のキャップ部材にそれぞれ覆われ、この状態において、各記録ヘッドが自己の各ノズルから空吐出するか、メンテナンス機構12の吸引ポンプが作動して各記録ヘッドのノズルからインクを吸引するか又はこれらの動作が同時に行われる。このメンテナンス処理により、各記録ヘッドのノズルの内部及び先端部に残留するインクは吐き捨てられ、各記録ヘッドでの目詰まりが未然に防止される。
【0051】
記録ヘッドの各ノズルから吐き捨てられたインクは、メンテナンス機構12の各吸引チューブを流通して回収チューブ15に至り、回収チューブ15の先端部から廃インクボトル33内に流入する(滴り落ちる)。流入したインクは、吸収体35に徐々に浸透し廃インクとして廃インクボトル33内に貯留される。
【0052】
このとき既に各紫外線光源32が点灯していることから、各紫外線光源32からは紫外線がそれぞれ放射状に出射され、出射された紫外線が廃インクボトル33を透過して吸収体35に浸透したインクに入射し、当該廃インクが吸収体35に吸収された状態で硬化する。ただし、上記の通り、ボトルキャップ34は紫外線の透過を遮蔽する部材により構成されているため、ボトルキャップ34の内部に配された回収チューブ15の先端部には紫外線が入射せず、回収チューブ15の先端部でインクが硬化して詰まることはない。また、上記の通り、収納容器31も紫外線の透過を遮蔽する部材により構成されているため、廃インクボトル33内の廃インクが、紫外線を含む外部の自然光により無作為に硬化することもない。
【0053】
メンテナンス機構12による各記録ヘッドのメンテナンス処理が終了すると、所定時間経過した後に各紫外線光源32が消灯して、キャリッジ6及び各記録ヘッド群7,8の各記録ヘッドは上記した画像の記録動作を再開する。
【0054】
以上の本実施形態では、廃インクボトル33に回収されたインクに各紫外線光源32から紫外線が照射されるので、廃インクを吸収体35に吸収させた状態で硬化させることができる。従って、吸収体35を別の新規の吸収体に交換する場合に、廃インクボトル33に回収されたインクを硬化した状態の吸収体35として扱ってそのまま破棄できる。この場合、従来のように吸収体から廃インクが滴り落ちて室内の壁や床、ユーザの衣服等に付着する心配もなく、廃インクの処理を容易に行うことができる。
【0055】
さらに本実施形態では、廃インク回収部30の4つの紫外線光源32,32,…が廃インクボトル33を取り囲むように収納容器31の内部に配置されているので、廃インクボトル33に回収されたインクには前後左右の4側面から紫外線が照射され、廃インクを確実に硬化させることができる。
【0056】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計の変更を行ってもよい。
【0057】
例えば、本実施形態では、廃インク回収部30の紫外線光源32が収納容器31の前後左右の各側面の内側に1つずつ配設されているが、収納容器31の内部でかつ廃インクボトル33に紫外線を照射可能な位置ならば、紫外線光源32をどの位置に配設してもよい。この場合、紫外線光源32の数は1つでもよいしそれ以上でもよい。
【0058】
さらに、紫外線光源32からの紫外線を廃インクボトル33の内部の廃インクに効率良く照射するため、収納容器31の内部に紫外線に対して高い反射率を有するアルミ等の金属又はアルミを主成分とする合金から構成される反射部材を配設してもよい。また、この反射部材として、ガラス製の成形板に対してアルミを主成分とする金属化合物の薄膜を蒸着させたコールドミラを用いてもよい。
【0059】
さらに、本実施形態では、メンテナンス機構12によるメンテナンス処理に同期して紫外線光源32が点灯しているが、インクジェットプリンタ1に電源が投入されている間中紫外線光源32を点灯させ続けてもよいし、吸収体35の交換処理を行うときにのみ紫外線光源32を点灯させてもよい。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、吸収体の交換処理時に、廃インクボトルに回収された廃インクを硬化した状態の吸収体として扱ってそのまま破棄できる。このとき、従来のように吸収体から廃インクが滴り落ちて室内の壁や床、ユーザの衣服等に付着する心配もなく、廃インクの処理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの全体構成を示す斜視図である。
【図2】廃インク回収部の全体構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
2 画像記録部
3 筐体
4 プラテン
5 ガイド部材
6 キャリッジ
7,8 記録ヘッド群
9,10 紫外線光源
11 インクタンク群
12 メンテナンス機構
13,14 キャップ部材群
15 回収チューブ
20 脚部
21 補強部材
22 キャスタ
30 廃インク回収部
31 収納容器
32 紫外線光源(光照射部材)
33 廃インクボトル
34 ボトルキャップ
35 吸収体
A 搬送方向
B 走査方向
Claims (4)
- 光の被照射により硬化するインクを廃インクとして回収する廃インクボトルを有し、前記廃インクボトルの内部に前記インクを吸収する吸収体が配設されたインクジェットプリンタにおいて、
前記廃インクボトルに前記光を照射する光照射部材を備え、
前記廃インクボトルが前記光を透過する部材により構成されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記廃インクボトルを収納する収納容器を備え、
前記収納容器が前記光の透過を遮蔽する部材により構成されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記光は紫外線であることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記インクは、一主成分としてカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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