JP4271422B2 - スイッチング電源装置および電源システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電源電圧をスイッチング素子がパルス幅変調された制御パルスに応じてスイッチングすることで、所望とする定電圧に変換して出力するようにしたスイッチング電源装置およびそれを用いる電源システムに関し、特に、前記制御パルスの最大デューティを設定する最大デューティ設定機能と、短絡や過負荷を検知し、保護電流レベルに達しないように設定された短絡保護時間後にシステムの停止または警告信号を出力する短絡保護機能を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような最大デューティ設定機能および短絡保護機能を備えたスイッチング電源装置の典型的な従来技術としては、富士通(株)の低電圧対応1チャネルDC/DCコンバータIC(MB39A105)が知られている。その従来技術によるスイッチング電源装置1の電気的構成を示すブロック図を、図9に示す。このスイッチング電源装置1は、降圧チョッパ型であり、大略的に、制御IC2に、平滑コンデンサc1,c2、ダイオードd、コイルl、スイッチングトランジスタtr、出力分圧抵抗r1,r2、設定用抵抗rt,rdおよび充電用コンデンサccが外付けされて構成されている。
【0003】
このスイッチング電源装置1は、入力端子p1から入力される入力電圧Vinを平滑コンデンサc1で平滑化した電圧を電源とし、スイッチングトランジスタtrが導通している期間はコイルlにエネルギーが蓄積されると同時に出力端子p2に接続されている図示しない負荷に電流Ioutを供給し、スイッチングトランジスタtrが遮断されると、コイルlに蓄積されていたエネルギーがダイオードdによって還流されて前記電流Ioutを供給する。前記コイルlを流れる電流ILは、平滑コンデンサc2で平滑化されて前記電流Ioutとなる。
【0004】
一方、前記出力端子p2からの出力電圧Voは、分圧抵抗r1,r2によって分圧されて、その分圧値Vfが定電圧制御のために前記制御IC2に取込まれ、差動アンプ11の反転入力端子に入力される。差動アンプ11の非反転入力端子の一方には基準電圧回路12からの基準電圧Vrefが与えられており、もう一方の非反転入力端子にはソフトスタート回路13からの出力電圧Vcが与えられている。この出力電圧Vcは、ソフトスタート回路13内の定電流源f1による充電電流Isoftの値と、端子p4と接地点との間に接続されたコンデンサccの容量値とに応じて上昇する。
【0005】
前記差動アンプ11は、前記基準電圧Vrefと、前記ソフトスタート回路13からの出力電圧Vcとのうち、小さい方の値と、前記出力電圧Voの分圧値Vfとの差に対応した電圧Veを出力する。その差動アンプ11からの出力電圧Veは、コンパレータ14に閾値電圧として入力され、該コンパレータ14では、発振器15から入力される三角波が前記差動アンプ11からの出力電圧Veでレベル弁別され、前記出力電圧Voが低くなる程、広いパルス幅のPWM信号を駆動回路16に入力する。駆動回路16は、前記PWM信号に応答して、スイッチングトランジスタtrをON/OFF制御する出力電圧Vpwmを出力し、これによって前記出力電圧Voが、前記基準電圧Vrefまたは前記ソフトスタート回路13からの出力電圧Vcおよび分圧抵抗r1,r2での分圧比によって決定される所望とする定電圧に制御される。
【0006】
一方、スイッチングトランジスタtrの破壊を防止するために、最大デューティ設定回路17が設けられており、この最大デューティ設定回路17によって、前記発振器15からコンパレータ14に与えられる三角波のレベルが変化されることで、前記出力電圧Vpwmの最大デューティは決定される。この最大デューティ設定回路17は、後述するように、定電流源18で作成された定電流IrefBに基づいて該最大デューティ設定回路17内の定電流源f2で作成された定電流Idから、前記最大デューティに対応した出力電圧を作成し、前記発振器15に与える。発振器15は、前記最大デューティ設定回路17からの出力電圧に対応して、前記三角波の振幅レベルを制御し、これによって前記コンパレータ14からのPWM信号のONデューティが制限されることになる。
【0007】
さらにまた、スイッチングトランジスタtrの破壊を防止するために、短絡保護回路19が設けられており、この短絡保護回路19は、前記差動アンプ11からの出力電圧Veと、後述するように、定電流源20で作成された定電流IrefAに基づいて該短絡保護回路19内の定電流源f3で作成された充電電流Istopの値および前記コンデンサccの容量値に応じて上昇する電圧Vcとから、短絡を検知すると前記駆動回路16を停止させる。前記定電流源20の定電流IrefAは、前記ソフトスタート回路13内の定電流源f1の基準電流としても与えられる。
【0008】
ここで、前記定電流源20,18での定電流IrefA,IrefBの値は、前記基準電圧Vrefを外付け抵抗rt,rdに印加して得られる電流値であり、以下のようになる。
【0009】
IrefA=Vref/rt …(1)
IrefB=Vref/rd …(2)
そして、前記最大デューティ設定回路17によって決定される最大デューティDm(%)は、定電流源18の定電流IrefBの値に比例するので、前記式2から、式3のようになる。
【0010】
Dm=a・IrefB=(a・Vref)/rd(aは比例定数)…(3)
図10に、上記のように構成されるスイッチング電源装置1の最大デューティ時の各部の波形を示す。図10(a)は、前記出力電圧Vpwm、したがってスイッチングトランジスタtrのスイッチング状態を示す。スイッチングトランジスタtrはP型であり、したがってゲートに与えられる前記出力電圧VpwmがローレベルであるときにONし、ハイレベルであるときにOFFする。図10(a)において、発振器15の発振周波数をfoscとすると、最大パルス幅時間(前記ONデューティ)tonmは、式3から式4のようになる。
【0011】
そして、スイッチングトランジスタtrがONの間は、電流ILは上昇し、前記最大パルス幅時間tonmが経過すると最大電流Ipeakに達する。この最大電流Ipeakは、式4から式5のようになる。
【0012】
出力電流Ioutが小さい時、コイルlに流れる電流ILの波形は,図10(b)のように、最大電流がIpeak1になり、前記最大パルス幅時間tonmの経過時点から減少し、OFFデューティ期間toff内の時間td経過後に0となる。これに対して、出力電流Ioutが大きくなると、前記時間tdが増加し、最大デューティとなると、td=toffとなり、コイルlに流れる電流ILの波形は,図10(c)のように、最大電流がIpeak2になる。
【0013】
一方、出力端子p2と接地点との間に短絡が生じると、コイルlに流れる電流ILは、理想的には、図11で示すように、Ipeak3,2Ipeak3,…のように時間とともに増加してゆく。そこで、コイルl、スイッチングトランジスタtrまたはダイオードdの中で、最も小さい定格電流値に達しないように、マージンも考慮に入れて、前記短絡保護回路19による保護電流レベルをIaとし、該保護電流レベルIaに達する時間をtaとすると、これら保護電流レベルIaと時間taとの関係は、式5から、式6のようになる。
【0014】
そして、前述のように短絡保護回路19およびソフトスタート回路13の定電流源f3,f1の充電電流Istop,Isoftの値は、共通に定電流IrefAの値によって決定されているので、これらの充電電流Istop,Isoftの値は、式1から式7,8のようになる。
【0015】
また、出力端子p2と接地点との間に短絡および過負荷が生じた時は、前記出力電圧Voが低下して、差動アンプ11の反転入力端子への分圧値Vfが低下し、出力電圧Veが大きくなる。これによって、前記出力電圧Veが一定値を超えると短絡保護回路19は、充電電流Istopを流し始め、端子p4に接続されたコンデンサccの容量値に応じて電圧Vcが上昇する。この電圧Vcが予め定める上昇電圧Vctを超えると、スイッチングトランジスタtrを遮断するように、短絡保護回路19は、駆動回路16へ停止信号を出力する。このように出力に短絡が生じてからスイッチングトランジスタtrが遮断するように駆動回路16へ停止信号が出力されるまでの時間tstopは、前記式7から式9のようになる。
【0016】
一般的には、短絡保護回路19がスイッチングトランジスタtrを遮断するまでの短絡保護時間tstopは、前記時間taに設定されるので、式9の時間tstopを式6の時間taに代入して、保護電流レベルIaは式10のようになる。
【0017】
Ia=(a・Vin・cc・Vct・rt)/(100・rd・l・b)…(10)
さらにまた、前記ソフトスタート回路13は、電源起動時にラッシュ電流を低減させてソフトスタートさせるものであり、充電電流Istopを流し始め、端子p4に接続されたコンデンサccを充電し、その出力電圧Vcが前記基準電圧Vrefより小さいときは差動アンプ11は前記電圧Vfと該電圧Vcとの差を増幅することでソフトスタートを実現する。電圧Vcが基準電圧Vrefを超えると、差動アンプ11は前記電圧Vfと基準電圧Vrefとの差を増幅する。ここで、電源を起動してから、電圧Vcが基準電圧Vrefを超えるまでのソフトスタ−ト時間tsoftは、式8から式11となる。
【0018】
tsoft=(cc・Vref)/Isoft=(cc・rt)/c…(11)
以上が、最大デューティ設定回路17と短絡保護回路19とソフトスタート回路13とを有する従来技術のスイッチング電源装置1の説明である。
【0019】
【非特許文献1】
FIND Vol.20 No.4 2002 、p43-45
[平成14年9月10日検索]、インターネット
<URL:http;//edevice.fujitsu.com/fj/PRODUCT/power/topicsi.html>
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
最大デューティ設定回路17、短絡保護回路19およびソフトスタート回路13を有し、上述のように構成される従来技術のスイッチング電源装置1では、最大デューティDm、保護電流レベルIaおよびソフトスタ−ト時間tsoftと、外付け素子rt,rd,ccとの関係は、前記式3,10,11から、式12,13,14のようになる。
【0021】
Dm∝1/rd …(12)
Ia∝(cc・rt)/rd …(13)
tsoft∝cc・rt …(14)
したがって、外付け素子の選択によるスイッチング電源設計において、前記式12,13から、抵抗rdを変更することで最大デューティDmを変更した場合、保護電流レベルIaも同時に変化してしまうことになり、コンデンサccおよび/または抵抗rtを調整する必要が生じ、手間、時間、コストが増加するという問題がある。
【0022】
本発明の目的は、最大デューティの変更に対する調整を簡略化することができるスイッチング電源装置およびそれを用いる電源システムを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明のスイッチング電源装置は、直流電源電圧をスイッチング素子がパルス幅変調された制御パルスに応じてスイッチングすることで所望とする定電圧に変換して出力し、前記制御パルスの最大デューティを設定する最大デューティ設定回路と、短絡保護回路とを有するスイッチング電源装置において、前記最大デューティ設定回路で設定される最大デューティと、前記短絡保護回路で設定され、前記スイッチング電源装置の出力に短絡または過負荷が生じてから、前記短絡保護回路が前記スイッチング素子を遮断するための停止信号を出力するまでの時間である短絡保護時間とを、前記最大デューティが大きくなると前記短絡保護時間が小さくなるように、相互に連動させて設定する連動手段を備えることを特徴とする。
【0024】
上記の構成によれば、DC−DCコンバータなどとして実現され、直流電源電圧をスイッチング素子がパルス幅変調された制御パルスに応じてスイッチングすることで所望とする定電圧に変換して出力し、さらに前記制御パルスの最大デューティを設定する最大デューティ設定回路と、短絡や過負荷を検知し、保護電流レベルに達しないように設定された短絡保護時間後に該電源装置の停止または外部への警告信号の出力などを行う短絡保護回路とを備えたスイッチング電源装置において、連動手段が、最大デューティ設定回路によって設定される最大デューティDmと、短絡保護回路で設定される短絡保護時間tstopとを、たとえば下式で示すように、最大デューティDmが大きくなると短絡保護時間tstopが小さくなるように、相互に連動させる。
【0025】
tstop=α/Dm(αは定数)
したがって、最大デューティDmが大きくなると、前記短絡保護回路が保護動作を行うべき保護電流レベルIaに達するまでの時間taは小さくなるが、このとき短絡保護時間tstopも小さくなっている。逆に、最大デューティDmが小さくなると、保護電流レベルIaに達するまでの時間taは小さくなるが、ことき短絡保護時間tstopも小さくなっている。こうして、最大デューティDmの大小に拘わらず、保護電流レベルIaは一定となる。
【0026】
したがって、最大デューティDmを変更しても、保護電流レベルIaを調整する必要がなくなり、前記調整の手間、時間、コストを削減することができる。
【0027】
また、本発明のスイッチング電源装置は、予め設定されたソフトスタート時間に応じて起動時のラッシュ電流を低減するソフトスタート回路をさらに備え、前記最大デューティ設定回路および短絡保護回路へは共通の定電流源から定電流を供給し、前記ソフトスタート回路へは別途の定電流源から定電流を供給することを特徴とする。
【0028】
上記の構成によれば、共通の外付けコンデンサを使用して、前記短絡保護回路の保護電流レベルIaと、ソフトスタート時間tsoftとを設定するようにしても、前記のように短絡保護回路とソフトスタート回路とは別途の定電流源から定電流を供給しているので、それらをそれぞれ最適な値に独立して設定することができる。
【0029】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、前記制御パルスを作成する主要ブロックが集積回路から成り、前記最大デューティの調整は、外付け抵抗の値を変化することで、前記最大デューティ設定回路に定電流を供給する定電流源の定電流値が変化することで行われ、前記最大デューティと前記短絡保護時間との連動を、前記定電流源による定電流を前記短絡保護回路に併せて供給することで実現することを特徴とする。
【0030】
上記の構成によれば、最大デューティ設定回路と短絡保護回路とが、外付け抵抗で連動することになる。したがって、外付け抵抗によって最大デューティDmを変更した場合、短絡保護時間tstopも連動して変化し、上述のように保護電流レベルIaを同時に調整する必要がなくなり、前記最大デューティDmと短絡保護時間tstopとの連動を、具体的に実現することができる。
【0031】
また、本発明のスイッチング電源装置は、前記最大デューティの調整は、外部から入力される信号によって、前記最大デューティ設定回路に定電流を供給する定電流源の定電流値を変化することで行われ、前記最大デューティと前記短絡保護時間との連動を、前記定電流源による定電流を前記短絡保護回路に併せて供給することで実現することを特徴とする。
【0032】
上記の構成によれば、最大デューティ設定回路と短絡保護回路とが、外部から入力される信号に依存して連動することになる。したがって、該信号によって最大デューティDmを変更した場合、短絡保護時間tstopも連動して変化し、上述のように保護電流レベルIaを同時に調整する必要がなくなり、前記最大デューティDmと短絡保護時間tstopとの連動を、具体的に実現することができる。
【0033】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、前記制御パルスを作成する主要ブロックが集積回路から成り、前記最大デューティの調整は、該集積回路内に半導体プロセス技術を用いて形成される抵抗の値を変化することで、前記最大デューティ設定回路に定電流を供給する定電流源の定電流値が変化することで行われ、前記最大デューティと前記短絡保護時間との連動を、前記定電流源による定電流を前記短絡保護回路に併せて供給することで実現することを特徴とする。
【0034】
上記の構成によれば、最大デューティ設定回路と短絡保護回路とが、半導体プロセス技術を用いて集積回路化された部分に形成されている抵抗で連動することになる。したがって、この抵抗によって最大デューティDmを変更した場合、短絡保護時間tstopも連動して変化し、上述のように保護電流レベルIaを同時に調整する必要がなくなり、前記最大デューティDmと短絡保護時間tstopとの連動を、具体的に実現することができるとともに、外付け部品を削減することができる。
【0035】
また、前記抵抗が製造ばらつきでばらついたことが原因で最大デューティDmが大きくなり、保護電流レベルIaに達する時間が小さくなると、短絡保護時間tstopも小さくなっている。逆に、最大デューティDmが小さくなり、保護電流レベルIaに達する時間が大きくなると、短絡保護時間tstopも大きくなっている。したがって、前記抵抗のばらつきによる最大デューティDmの大小には拘わらず、保護電流レベルIaは一定となり、短絡保護回路で保護できる保護電流レベルを抵抗ばらつきに依存しないようにすることもできる。
【0036】
また、本発明の電源システムは、前記の何れか1つのスイッチング電源装置を用い、前記最大デューティ設定回路の最大デューティを可変する制御手段を備えることを特徴とする。
【0037】
上記の構成によれば、スイッチング電源装置の外部から最大デュ−ティDmを可変しても、保護電流レベルIaは変わらず、したがって適切な定格電流のコイル、スイッチング素子およびダイオードなどを選択することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の第1の形態について、図1〜図3および前記図10および図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0039】
図1は、本発明の実施の第1の形態のスイッチング電源装置21の概略的構成を示すブロック図である。このスイッチング電源装置21は、降圧チョッパ型であり、大略的に、制御IC22に、平滑コンデンサC1,C2、ダイオードD、コイルL、スイッチングトランジスタTR、出力分圧抵抗R1,R2が外付けされて構成されている。
【0040】
このスイッチング電源装置21は、入力端子P1から入力される入力電圧Vinを平滑コンデンサC1で平滑化した電圧を電源とし、スイッチングトランジスタTRが導通している期間はコイルLにエネルギーが蓄積されると同時に出力端子P2に接続されている図示しない負荷に電流Ioutを供給し、スイッチングトランジスタTRが遮断されると、コイルLに蓄積されていたエネルギーがダイオードDによって還流されて前記電流Ioutを供給する。前記コイルLを流れる電流ILは、平滑コンデンサC2で平滑化されて前記電流Ioutとなる。
【0041】
一方、前記出力端子P2からの出力電圧Voは、分圧抵抗R1,R2によって分圧されて、その分圧値Vfが定電圧制御のために前記制御IC22に取込まれ、差動アンプ31の反転入力端子に入力される。差動アンプ31の非反転入力端には基準電圧回路32からの基準電圧Vrefが与えられている。前記差動アンプ31は、前記基準電圧Vrefと、前記出力電圧Voの分圧値Vfとの差に対応した電圧Veを出力する。その差動アンプ31からの出力電圧Veは、コンパレータ33に閾値電圧として入力され、該コンパレータ33では、発振器34から入力される三角波が前記差動アンプ31からの出力電圧Veでレベル弁別され、前記出力電圧Voが低くなる程、広いパルス幅のPWM信号を駆動回路35に入力する。駆動回路35は、前記PWM信号に応答して、スイッチングトランジスタTRをON/OFF制御する出力電圧Vpwmを出力し、これによって前記出力電圧Voが、前記基準電圧Vrefおよび分圧抵抗R1,R2での分圧比によって決定される所望とする定電圧に制御される。
【0042】
一方、スイッチングトランジスタTRの破壊を防止するために、最大デューティ設定回路36が設けられており、この最大デューティ設定回路36によって、前記発振器34からコンパレータ33に与えられる三角波のレベルが変化されることで、前記出力電圧Vpwmの最大デューティDm(%)は決定される。この最大デューティ設定回路36は、最大デューティDmに対応した出力電圧を作成し、前記発振器34に与える。発振器34は、前記最大デューティ設定回路36からの出力電圧に対応して、前記三角波の振幅レベルを制御し、これによって前記コンパレータ33からのPWM信号のONデューティが制限されることになる。
【0043】
さらにまた、スイッチングトランジスタTRの破壊を防止するために、短絡保護回路38が設けられており、この短絡保護回路38は、前記差動アンプ31の出力電圧Veから、短絡を検知すると前記駆動回路35を停止させる。
【0044】
注目すべきは、このスイッチング電源装置21では、前記最大デューティ設定回路36による最大デューティDmの変化に連動して、前記短絡保護回路38の短絡保護時間tstopが変化することである。具体的には、以下のとおりである。
【0045】
先ず、最大デューティDm時の前記出力電圧Vpwm、したがってスイッチングトランジスタTRのスイッチング状態は、前記図10(a)で示すとおりであり、発振器34の発振周波数をfoscとすると、最大パルス幅時間(前記ONデューティ)tonmは、式15のようになる。
【0046】
tonm=Dm/(100・fosc) …(15)
そして、スイッチングトランジスタTRがONの間は、電流ILは上昇し、前記最大パルス幅時間tonmが経過すると最大電流Ipeakに達する。この最大電流Ipeakは、式15から式16のようになる。
【0047】
出力電流Ioutが小さい時、コイルLに流れる電流の波形は、前記図10(b)のように、前記最大パルス幅時間tonmの経過時点から減少し、OFFデューティ期間toff内の時間td経過後に0となる。これに対して、出力電流Ioutが大きくなると、前記時間tdが増加し、最大デューティとなると、td=toffとなり、コイルLに流れる電流ILの波形は,前記図10(c)のようになる。
【0048】
一方、出力端子P2と接地点との間に短絡が生じると、コイルLに流れる電流ILは、理想的には、前記図11で示すように、時間とともに増加してゆく。そこで、コイルL、スイッチングトランジスタTRまたはダイオードDの中で、最も小さい定格電流値に達しないように、マージンも考慮に入れて、前記短絡保護回路38による保護電流レベルをIaとし、該保護電流レベルIaに達する時間をtaとすると、これら保護電流レベルIaと時間taとの関係は、式16から、式17のようになる。
【0049】
一方、出力端子P2と接地点との間に短絡が生じたり、過負荷が生じた時は、前記出力電圧Voが低下し、前記差動アンプ31の反転入力端子への分圧値Vfが低下し、出力電圧Veが大きくなる。これによって、前記出力電圧Veが一定値を超えると、短絡保護回路38は、予め定める短絡保護時間tstopの後に、スイッチングトランジスタTRを遮断するように、駆動回路35へ停止信号を出力する。このように出力に短絡や過負荷が生じてからスイッチングトランジスタTRが遮断するように駆動回路35へ停止信号が出力されるまでの前記短絡保護時間tstopを、本発明では、式18で示すように、最大デューティDmに連動させる。
【0050】
tstop=α/Dm(αは定数) …(18)
一般的には、短絡保護回路38がスイッチングトランジスタTRを遮断するまでの短絡保護時間tstopは、前記時間taに設定されるので、式18の時間tstopを式17の時間taに代入して、保護電流レベルIaは式19のようになる。
【0051】
Ia=(a・Vin)/(100・L) …(19)
このようにして、保護電流レベルIaは、最大デューティDmに依存せず、一定となる。図2に、最大デューティDmを変化させた場合のコイルLに流れる電流ILの変化を示す。最大デューティDmを変化させると、前記PWM信号の最大パルス幅時間tonmも変化する。図2では、最大デューティDmを小さくすると、前記最大パルス幅時間tonmも、tonm1からtonm2へと短くなっている。一方、短絡保護時間tstopは、ta1からta2へと長くなり、その短絡保護時間tstopを経過した時点での前記電流ILは、前記保護電流レベルIaで一定となる。
【0052】
したがって、最大デューティDmを変更しても、保護電流レベルIaを調整する必要がなくなり、前記調整の手間、時間、コストを削減することができる。
【0053】
図3は、上述のように構成されるスイッチング電源装置21の具体的構成を示すブロック図である。図3において、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。この図3の構成では、制御IC22に、設定用抵抗Rdおよび充電用コンデンサCcが外付けされており、また制御IC22内には定電流源39が設けられており、この定電流源39からの定電流IrefBが前記最大デューティ設定回路36および短絡保護回路38に共通に与えられる。
【0054】
前記最大デューティ設定回路36は、定電流源39で作成された前記定電流IrefBに基づいて該最大デューティ設定回路36内の定電流源F1で作成された定電流Idから、前記最大デューティに対応した出力電圧を作成し、前記発振器34に与える。また、短絡保護回路38は、前記差動アンプ31からの出力電圧Veと、前記定電流IrefBに基づいて該短絡保護回路38内の定電流源F2で作成された充電電流Istopおよび前記コンデンサCcの容量値に応じて上昇する電圧Vcとから、短絡を検知すると前記駆動回路35を停止させる。
【0055】
前記定電流IrefBの値は、前記基準電圧回路32からの基準電圧Vrefを、端子P5に接続された外付け抵抗Rdに印加して得られる。すなわち、
IrefB=Vref/Rd …(20)
である。
【0056】
したがって、最大デューティ設定回路36によって決定される最大デューティDm(%)は、前記定電流IrefBの値に比例するので、前記式20から、式21ようになる。
【0057】
Dm=a・IrefB=(a・Vref)/Rd(aは比例定数) …(21)
したがって、前記式15の最大パルス幅時間tonmは、式22のようになる。
【0058】
また、前記最大電流Ipeakは、式23のようになる。
【0059】
さらにまた、保護電流レベルIaと時間taとの関係は、式23から、式24のようになる。
【0060】
また、短絡保護回路38の定電流源F2の充電電流Istopの値は、式20から式25のようになる。
【0061】
そして、短絡保護回路38は、出力端子P2と接地点との間に短絡および過負荷が生じた時は、前記出力電圧Voが低下して、差動アンプ31の反転入力端子への分圧値Vfが低下し、出力電圧Veが大きくなることに応答して、前記出力電圧Veが一定値を超えると、充電電流Istopを流し始め、端子P4に接続されたコンデンサCcの容量値に応じて上昇する電圧Vcが予め定める上昇電圧Vctを超えると、スイッチングトランジスタTRを遮断するように、前記駆動回路35へ停止信号を出力する。このように出力に短絡が生じてからスイッチングトランジスタTRが遮断するように駆動回路35へ停止信号が出力されるまでの時間tstopは、前記式25から式26のようになる。
【0062】
一般的には、短絡保護回路38がスイッチングトランジスタTRを遮断するまでの短絡保護時間tstopは、前記時間taに設定されるので、式26の時間tstopを式24の時間taに代入して、保護電流レベルIaは式27のようになる。
【0063】
Ia=(a・Vin・Cc・Vct)/(100・L・b) …(27)
したがって、上記式27と前記式10とを比較して明らかなように、最大デューティ設定回路36と短絡保護回路38とが、共通の定電流IrefBを使用することで、前記保護電流レベルIaから設定抵抗Rdの項が削除され、該保護電流レベルIaが設定抵抗Rdの値に依存しないことが理解される。
【0064】
すなわち、最大デューティDmおよび保護電流レベルIaと、外付け素子Rd,Ccとの関係は、式28,29のようになる。
【0065】
Dm∝1/Rd …(28)
Ia∝Cc …(29)
したがって、前記最大デューティDmを変更するために設定抵抗Rdの抵抗値を変更しても、保護電流レベルIaを調整する必要を無くすことができる。
【0066】
本発明の実施の第2の形態について、図4に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0067】
図4は、本発明の実施の第2の形態のスイッチング電源装置41の電気的構成を示すブロック図である。このスイッチング電源装置41は、前述のスイッチング電源装置21に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、前記定電流源39が基準電圧回路32からの基準電圧と前記設定抵抗Rdとから定電流IrefBを作成していたのに対して、このスイッチング電源装置41では、前記設定抵抗Rdに代えて、制御IC42の端子P5には外部から電圧Vdが入力されており、この外部からの電圧Vdに基づいて、定電流源49が前記定電流IrefBを作成することである。そして、最大デューティ設定回路36および短絡保護回路38は、この電圧Vdに対応して変化する定電流IrefBを、前記スイッチング電源装置21と同様に、共通に使用する。
【0068】
したがって、前記最大デューティDmを変更するためにこの電圧Vdを変更しても、保護電流レベルIaを調整する必要を無くすことができ、最大デューティDmとは独立して保護電流レベルIaを設定することができる。
【0069】
本発明の実施の第3の形態について、図5に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0070】
図4は、本発明の実施の第3の形態のスイッチング電源装置51の電気的構成を示すブロック図である。このスイッチング電源装置51は、前述のスイッチング電源装置21に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、このスイッチング電源装置51では、前記設定抵抗Rdが、制御IC52内に半導体プロセス技術を用いて形成されることである。この設定抵抗Rdの値を変化することで前記最大デューティDmが変化し、しかしながらこれに併せて短絡保護時間tstopも変化し、前記スイッチング電源装置21,41と同様に、保護電流レベルIaを同時に調整する必要を無くすことができる。また、外付け部品の前記設定抵抗Rdを削減することができる。
【0071】
さらにまた、前記設定抵抗Rdの値が製造時にばらついても、前記保護電流レベルIaを一定に保持することができる。したがって、前記設定抵抗Rdを制御IC52内に内蔵した場合、従来では、想定される製造ばらつきに対する最も大きい保護電流レベルIaに対応して、外付け部品のコイルL、スイッチングトランジスタTR、ダイオードDなどを選択しなければならず、実装面積の増大やコストの増加を招いていたのに対して、本発明では、そのような問題を無くすことができる。
【0072】
本発明の実施の第4の形態について、図6に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0073】
図6は、本発明の実施の第4の形態のスイッチング電源回路61の電気的構成を示すブロック図である。このスイッチング電源回路61は、前述のスイッチング電源装置21に類似している。注目すべきは、このスイッチング電源装置61では、制御IC62内に、ソフトスタート回路63およびそれに関連する定電流源69が設けられるとともに、前記ソフトスタート回路63に対応した設定抵抗Rtが端子P3に接続されていることである。
【0074】
前記定電流源69は、前記定電流源39と同様に、前記基準電圧回路32からの基準電圧Vrefを前記設定抵抗Rtに印加することで定電流IrefAを作成し、ソフトスタート回路63に与える。したがって、
IrefA=Vref/Rt …(30)
である。
【0075】
ソフトスタート回路63は、内部の定電流源F3が前記定電流IrefAに基づいて作成した充電電流Isoftを、前記端子p4と接地点との間に接続されたコンデンサCcに与える。したがって、
である。
【0076】
一方、前記出力端子P2からの出力電圧Voの分圧値Vfが差動アンプ71の反転入力端子に入力され、該差動アンプ71の非反転入力端子の一方には前記基準電圧Vrefが与えられており、もう一方の非反転入力端子には前記ソフトスタート回路63によって充電されたコンデンサCcの出力電圧Vcが与えられている。前記出力電圧Vcは、前記充電電流Isoftと、該コンデンサCcの容量値とに応じて上昇する。
【0077】
前記差動アンプ71は、前記基準電圧Vrefと、前記ソフトスタート回路63からの出力電圧Vcとのうち、小さい方の値と、前記出力電圧Voの分圧値Vfとの差に対応した電圧Veを出力し、前記コンパレータ33に閾値電圧として入力する。ソフトスタート回路63は、電源起動時に前記充電電流Isoftを流し始め、コンデンサCcを充電する。前記コンデンサCcの出力電圧Vcが基準電圧Vrefより小さい間は、差動アンプ31が前記出力電圧Voの分圧値Vfと該出力電圧Vcとの差を増幅することでソフトスタートを実現する。出力電圧Vcが基準電圧Vrefを超えると、差動アンプ31は、前記分圧値Vfと基準電圧Vrefとの差を増幅する。電源を起動してから出力電圧Vcが基準電圧Vrefを超えるまでがソフトスタ−ト時間tsoftであり、
tsoft=(Cc・Vref)/Isoft=(Cc・Rt)/c …(32)
となる。
【0078】
こうして、前記出力電圧Voが、前記基準電圧Vrefまたは前記ソフトスタート回路63からの出力電圧Vcおよび分圧抵抗R1,R2での分圧比によって決定される所望とする定電圧に制御される。
【0079】
ここで、ソフトスタ−ト時間tsoftと、外付け素子Rtとの関係は、式33のようになる。
【0080】
tsoft∝∝Cc・Rt …(33)
したがって、前記式28,29および上記式33から、最大デューティDmを変更するために設定抵抗Rdの抵抗値を変更しても、保護電流レベルIaを調整する必要を無くすことができる。また、短絡保護とソフトスタートとに共通のコンデンサCcを使用しても、設定抵抗Rtの抵抗値を調整することで、保護電流レベルIaとソフトスタ−ト時間tsoftとを、それぞれ最適な値に独立して設定することができる。
【0081】
これによって、従来では、ソフトスタ−ト時間tsoftの要求を満たそうとすれば保護電流レベルIaが外付け部品Cc,Rtによって一意的に決定され、必要以上に大きい定格電流のコイルL、スイッチングトランジスタTR、ダイオードDなどを選択しなければならない場合が生じて、実装面積の増大、コストの増加につながっていたのを、本発明では、そのような不具合が無く、保護電流レベルIaとソフトスタ−ト時間tsoftとを任意に設定することができる。
【0082】
本発明の実施の第5の形態について、図7に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0083】
図7は、本発明の実施の第5の形態のスイッチング電源回路81の電気的構成を示すブロック図である。このスイッチング電源回路81は、前述のスイッチング電源装置41,61に類似している。すなわち、このスイッチング電源装置81は、制御IC82内に、ソフトスタート回路63および定電流源69が設けられるとともに、定電流源49の定電流IrefBが、端子P5に与えられる外部からの電圧Vdに対応して設定されることである。
【0084】
本発明の実施の第6の形態について、図8に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0085】
図8は、本発明の実施の第6の形態の電源システム91の電気的構成を示すブロック図である。この電源システム91では、一例として図1のスイッチング電源装置21を用いているけれども、図4のスイッチング電源装置41等、他の構成が用いられてもよい。注目すべきは、この電源システム91では、最大デューティ設定回路36の最大デューティDmを可変する最大デューティコントロール回路92が設けられていることである。前記最大デューティコントロール回路92は、最大デューティDmを可変する制御信号を最大デューティ設定回路36に与える。
【0086】
したがって、スイッチング電源装置21の外部から最大デュ−ティDmを可変するシステムであるにも拘わらず、前述のように保護電流レベルIaは変わらず、したがって適切な定格電流のコイルL、スイッチングトランジスタTRおよびダイオードDなどを選択することができ、実装面積の増大やコストの増加を抑えることができる。
【0087】
【発明の効果】
本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、DC−DCコンバータなどとして実現され、スイッチング素子を駆動する制御パルスの最大デューティを設定する最大デューティ設定回路と、短絡や過負荷を検知し、保護電流レベルに達しないように設定された短絡保護時間後に該電源装置の停止または外部への警告信号の出力などを行う短絡保護回路とを備えたスイッチング電源装置において、連動手段が、最大デューティ設定回路によって設定される最大デューティDmと、短絡保護回路で設定される短絡保護時間tstopとを、最大デューティDmが大きくなると短絡保護時間tstopが小さくなるように、相互に連動させる。
【0088】
したがって、最大デューティDmが大きくなると、前記短絡保護回路が保護動作を行うべき保護電流レベルIaに達するまでの時間taは小さくなるが、このとき短絡保護時間tstopも小さくなっており、逆に最大デューティDmが小さくなると、保護電流レベルIaに達するまでの時間taは小さくなるが、このとき短絡保護時間tstopも小さくなっており、最大デューティDmの大小に拘わらず、保護電流レベルIaは一定となる。これによって、最大デューティDmを変更しても、保護電流レベルIaを調整する必要がなくなり、前記調整の手間、時間、コストを削減することができる。
【0089】
また、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、ソフトスタート回路をさらに備え、前記最大デューティ設定回路および短絡保護回路へは共通の定電流源から定電流を供給し、前記ソフトスタート回路へは別途の定電流源から定電流を供給する。
【0090】
それゆえ、共通の外付けコンデンサを使用して、前記短絡保護回路の保護電流レベルIaと、ソフトスタート時間tsoftとを設定するようにしても、それらをそれぞれ最適な値に独立して設定することができる。
【0091】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記制御パルスを作成する主要ブロックが集積回路から成り、前記最大デューティの調整は、外付け抵抗の値を変化することで、前記最大デューティ設定回路に定電流を供給する定電流源の定電流値が変化することで行われ、前記最大デューティと短絡保護時間との連動を、前記定電流源による定電流を前記短絡保護回路に併せて供給することで実現する。
【0092】
それゆえ、最大デューティ設定回路と短絡保護回路とが、外付け抵抗で連動することになり、前記最大デューティDmと短絡保護時間tstopとの連動を、具体的に実現することができる。
【0093】
また、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記最大デューティの調整は、外部から入力される信号によって、前記最大デューティ設定回路に定電流を供給する定電流源の定電流値を変化することで行われ、前記最大デューティと短絡保護時間との連動を、前記定電流源による定電流を前記短絡保護回路に併せて供給することで実現する。
【0094】
それゆえ、最大デューティ設定回路と短絡保護回路とが、外部から入力される信号に依存して連動することになり、前記最大デューティDmと短絡保護時間tstopとの連動を、具体的に実現することができる。
【0095】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記制御パルスを作成する主要ブロックが集積回路から成り、前記最大デューティの調整は、該集積回路内に半導体プロセス技術を用いて形成される抵抗の値を変化することで、前記最大デューティ設定回路に定電流を供給する定電流源の定電流値が変化することで行われ、前記最大デューティと短絡保護時間との連動を、前記定電流源による定電流を前記短絡保護回路に併せて供給することで実現する。
【0096】
それゆえ、最大デューティ設定回路と短絡保護回路とが、半導体プロセス技術を用いて集積回路化された部分に形成されている抵抗で連動することになり、前記最大デューティDmと短絡保護時間tstopとの連動を、具体的に実現することができるとともに、外付け部品を削減することができる。また、前記抵抗の製造ばらつきによる最大デューティDmの大小には拘わらず、保護電流レベルIaは一定となり、短絡保護回路で保護できる保護電流レベルを抵抗ばらつきに依存しないようにすることもできる。
【0097】
また、本発明の電源システムは、以上のように、前記の何れか1つのスイッチング電源装置を用い、前記最大デューティ設定回路の最大デューティを可変する制御手段を備える。
【0098】
それゆえ、スイッチング電源装置の外部から最大デュ−ティDmを可変しても、保護電流レベルIaは変わらず、したがって適切な定格電流のコイル、スイッチング素子およびダイオードなどを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態のスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のスイッチング電源装置による最大デューティを変化させた場合の保護電流レベルに達する短絡保護時間の違いを説明する図である。
【図3】図1で示すスイッチング電源装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の第2の形態のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の第3の形態のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の第4の形態のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の第5の形態のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の第6の形態の電源システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図9】典型的な従来技術のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図10】スイッチング電源装置の最大デューティ時における各部の波形図である。
【図11】従来技術のスイッチング電源装置の短絡時におけるコイル電流の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
21,41,51,61,81 スイッチング電源装置
22,42,52,62,82 制御IC
31,71 差動アンプ
32 基準電圧回路
33 コンパレータ
34 発振器
35 駆動回路
36 最大デューティ設定回路
38 短絡保護回路
39,49,69 定電流源(連動手段)
63 ソフトスタート回路
91 電源システム
92 最大デューティコントロール回路(制御手段)
C1,C2 平滑コンデンサ
Cc コンデンサ
D ダイオード
L コイル
R1,R2 出力分圧抵抗
Rd,Rt 抵抗
TR スイッチングトランジスタ(スイッチング素子)
Claims (6)
- 直流電源電圧をスイッチング素子がパルス幅変調された制御パルスに応じてスイッチングすることで所望とする定電圧に変換して出力し、前記制御パルスの最大デューティを設定する最大デューティ設定回路と、短絡保護回路とを有するスイッチング電源装置において、
前記最大デューティ設定回路で設定される最大デューティと、前記短絡保護回路で設定され、前記スイッチング電源装置の出力に短絡または過負荷が生じてから、前記短絡保護回路が前記スイッチング素子を遮断するための停止信号を出力するまでの時間である短絡保護時間とを、前記最大デューティが大きくなると前記短絡保護時間が小さくなるように、相互に連動させて設定する連動手段を備えることを特徴とするスイッチング電源装置。 - 予め設定されたソフトスタート時間に応じて起動時のラッシュ電流を低減するソフトスタート回路をさらに備え、
前記最大デューティ設定回路および短絡保護回路へは共通の定電流源から定電流を供給し、前記ソフトスタート回路へは別途の定電流源から定電流を供給することを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。 - 前記制御パルスを作成する主要ブロックが集積回路から成り、前記最大デューティの調整は、外付け抵抗の値を変化することで、前記最大デューティ設定回路に定電流を供給する定電流源の定電流値が変化することで行われ、前記最大デューティと前記短絡保護時間との連動を、前記定電流源による定電流を前記短絡保護回路に併せて供給することで実現することを特徴とする請求項1または2記載のスイッチング電源装置。
- 前記最大デューティの調整は、外部から入力される信号によって、前記最大デューティ設定回路に定電流を供給する定電流源の定電流値を変化することで行われ、前記最大デューティと前記短絡保護時間との連動を、前記定電流源による定電流を前記短絡保護回路に併せて供給することで実現することを特徴とする請求項1または2記載のスイッチング電源装置。
- 前記制御パルスを作成する主要ブロックが集積回路から成り、前記最大デューティの調整は、該集積回路内に半導体プロセス技術を用いて形成される抵抗の値を変化することで、前記最大デューティ設定回路に定電流を供給する定電流源の定電流値が変化することで行われ、前記最大デューティと前記短絡保護時間との連動を、前記定電流源による定電流を前記短絡保護回路に併せて供給することで実現することを特徴とする請求項1または2記載のスイッチング電源装置。
- 前記請求項1〜5の何れか1項に記載のスイッチング電源装置を用い、前記最大デューティ設定回路の最大デューティを可変する制御手段を備えることを特徴とする電源システム。
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