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JP4266623B2 - Hard coat film - Google Patents

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JP4266623B2
JP4266623B2 JP2002348083A JP2002348083A JP4266623B2 JP 4266623 B2 JP4266623 B2 JP 4266623B2 JP 2002348083 A JP2002348083 A JP 2002348083A JP 2002348083 A JP2002348083 A JP 2002348083A JP 4266623 B2 JP4266623 B2 JP 4266623B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハードコートフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は高硬度を有し、耐擦傷性に優れ、かつ低収縮性(硬化収縮率、熱湿収縮率が低い)・低カール性を有する上、基材フィルムとハードコート層との屈折率差が小さく、干渉縞の発生が抑制され、例えば偏光板用やタッチパネル用として、あるいは各種ディスプレイの保護フィルムなどとして好適なハードコートフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置を備えた様々な機器、例えばラップトップ型コンピュータ、ビデオカメラ、携帯電話などの民生用機器を始め、自動車や航空機のインパネ用ディスプレイ、液晶プロジェクターなどが普及してきており、これに伴い、カラー表示化、高輝度化、耐久性の向上などが要求されている。
この液晶表示装置は、入射した直線偏光を液晶層のもつ電気光学特性で変調し、出射側の偏光板で透過率の強弱や着色の信号として可視化する装置である。すなわち、偏光をその表示の原理に用いているため、偏光板は必須の部材である。該偏光板は自然光を直線偏光に変える素子であり、現在、特に液晶表示装置用に量産実用化されている偏光板の多くは、ポリビニルアルコールフィルムからなる基材フィルムに、ヨウ素や二色性染料などの二色性材料を、染色・吸着させ、延伸配向させてなる偏光フィルムの両面あるいは片面に、光学的に透明で、かつ機械的強度を有する保護膜を貼り合わせたものが用いられている。そして、上記保護膜としては、通常トリアセチルセロルースフィルムが使用される。
液晶表示装置においては、前記偏光板は、液晶層の出射側以外に、通常入射側にも設けられている。該偏光板が、液晶表示装置を始め、各種表示装置の表面側に設けられる場合、特に十分な硬度が要求され、また耐汚染性を有することが望ましい。
一方、近年、市場が増大している携帯用の情報端末への入力装置として、タッチパネルが利用されている。このタッチパネルは、ディスプレイ画面を直接指、ペンなどで触れることによってデータを入力する装置である。
上記タッチパネルは、現在約9割が抵抗膜方式を採用している。該抵抗膜方式のタッチパネルは、一般に透明プラスチック基材の片面に錫ドープ酸化インジウム(ITO)膜などの透明導電性薄膜を積層したタッチ側プラスチック基板と、ガラスなどの透明基材の片面にITO膜などの透明導電性薄膜を積層したディスプレイ側透明基板とを、絶縁スペーサを介して、各透明導電性薄膜が向き合うように対向配置させた構造を有している。
そして、入力は、ペンや指でタッチ側プラスチック基板のタッチ入力面(透明導電性薄膜側とは反対側の面をいう。以下、同様)を押圧し、タッチ側プラスチック基板の透明導電性薄膜と、ディスプレイ側透明基板の透明導電性薄膜とを接触させて行う。
しかしながら、このような抵抗膜方式タッチパネルにおいては、入力操作を繰り返すことにより、すなわちタッチ側プラスチック基板の透明導電性薄膜とディスプレイ側透明基板の透明導電性薄膜との接触を繰り返すことにより、タッチ側プラスチック基板の透明導電性薄膜が摩耗したり、クラックが発生したり、さらには基材から剥離してしまうなどの問題が生じる。そこで、このような問題を解決するために、一般に透明プラスチック基板と透明導電性薄膜との間に、合成樹脂からなるハードコート層を設けることが行われている。また、該透明プラスチック基板の透明導電性薄膜とは反対側の表面にもハードコート層を設けることが、よく行われている。
他方、PDP(プラズマディスプレイパネル)、CRT(ブラウン管)、LCD(液晶表示装置)、ELD(エレクトロルミネッセンス素子)などの各種ディスプレイにおいては、画面に外部から光が入射し、この光が反射して表示画像を見ずらくすることがあり、特に近年、フラットパネルディスプレイの大型化に伴い、上記問題を解決することが、ますます重要な課題となってきている。
このような問題を解決するために、これまで種々のディスプレイに対して、様々な反射防止処置や防眩処置がとられている。その一つとして反射防止フィルムを各種のディスプレイに使用することが行われている。この反射防止フィルムには、反射防止性能と共に、ハードコート性能、すなわち表面の耐擦傷性が要求されている。
該反射防止フィルムは、従来、蒸着やスパッタリングなどのドライプロセス法により、基材フィルム上に、低屈折率の物質(MgF2)を薄膜化する方法や、屈折率の高い物質[ITO、TiO2など]と屈折率の低い物質(MgF2、SiO2など)を交互に積層する方法などで作製されている。しかしながら、このようなドライプロセス法で作製された反射防止フィルムは、製造コストが高くつくのを免れないという問題があった。
そこで、近年、ウェットプロセス法、すなわちコーティングにより反射防止性能を有するハードコートフィルムを作製することが試みられている。例えば、耐候性に優れるアクリル系樹脂フィルムを基材として用い、これに電離放射線感応型樹脂組成物の硬化層を設けたのち、反射防止処理を施し、携帯電話やPDA(携帯情報端末)、ビデオカメラ等の液晶表示装置などの保護フィルムとして用いられている。
このように、偏光板用やタッチパネル用として、あるいはハードコート層に反射防止処理などを施して、各種ディスプレイの表面保護フィルム等として用いられるハードコートフィルムにおいては、表面硬度が高くて耐擦傷性に優れると共に、干渉縞の発生が少なく、かつ低カール性が要求される。
しかしながら、ハードコートフィルムは、従来、一般に基材フィルム上に、主として多官能性アクリレート系モノマーや、アクリレート系プレポリマーを構成成分する電離放射線感応型樹脂組成物の硬化層を設けることにより、作製されており、この場合、硬化収縮や熱湿収縮が大きく、得られるハードコートフィルムにカールが発生しやすいという問題があった。また、通常基材フィルムの屈折率は考慮されず、したがって、基材フィルムとハードコート層との屈折率差により、干渉縞が生じることがあるといった問題もあった。
ハードコート層の屈折率をある範囲に選定した技術として、例えばハードコート層上に反射防止膜が設けられた反射防止材料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術においては、良好な反射防止機能を付与するために、ハードコート層上に設けられる反射防止膜の屈折率を考慮して、ハードコート層の高屈折率化(屈折率1.55〜1.70)を図ったものであり、基材フィルムの屈折率を考慮してハードコート層の屈折率を選定したものではない。
【特許文献1】
特開2000−171603号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、高硬度を有し、耐擦傷性に優れ、かつ低収縮性(硬化収縮率、熱湿収縮率が低い)・低カール性を有する上、基材フィルムとハードコート層との屈折率差が小さく(干渉縞が発生しにくい)、偏光板用やタッチパネル用として、あるいは各種ディスプレイの保護フィルムなどとして好適なハードコートフィルムを提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材フィルム上に、ハードコート層として電離放射線感応型樹脂組成物の硬化層を設けてなるハードコートフィルムにおいて、基材フィルムとして、屈折率がある値以下の透明プラスチックフィルムを用い、かつ電離放射線感応型樹脂組成物として、シリカゾルやラジカル重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子と、多官能性アクリレート系モノマーやアクリレート系プレポリマーを含む組成物を用いることにより、その目的を達成し得ることを見出した。
また、電離放射線感応型樹脂組成物にラジカル重合性不飽和基を有するシリコーン化合物を含有させることにより、前記性能に加え、さらに耐汚染性(汚れ除去性能)や低摩擦性が付与され、表面保護フィルムに用いる場合に、より一層好適なハードコートフィルムが得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)屈折率1.52以下のトリアセチルセルロースフィルム、アクリル樹脂フィルム又は脂環式構造含有熱可塑性樹脂フィルムからなる透明プラスチックフィルムの少なくとも片面に、(A)シリカゾル及び/又はラジカル重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子と、(B)多官能性アクリレート系モノマー及びアクリレート系プレポリマーの中から選ばれる少なくとも1種、並びに(C)分子内にラジカル重合性不飽和基を有するシリコーン化合物とを含む電離放射線感応型樹脂組成物の硬化物からなる屈折率1.52以下のハードコート層を設け、ハードコート層と透明プラスチックフィルムの屈折率の差が0 . 026以下であることを特徴とするハードコートフィルム、
(2)ハードコート層中のシリカ含有量が20〜60重量%である第1項記載のハードコートフィルム、
)ハードコート層中の(C)成分含有量が0.05〜5重量%である第項又は第項記載のハードコートフィルム、及び
)ハードコート層の厚さが0.5〜30μmである第1項ないし第項のいずれかに記載のハードコートフィルム。
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のハードコートフィルムは、屈折率が1.52以下、好ましくは1.51以下の透明プラスチックフィルムの少なくとも片面に、電離放射線感応型樹脂組成物の硬化層を設けた積層フィルムである。
本発明のハードコートフィルムにおいて、基材フィルムとして用いられる透明プラスチックフィルムとしては、透明性を有し、かつ屈折率が1.52以下のものであればよく、特に制限されず、従来、光学用ハードコートフィルムの基材として使用されているものの中から、適宜選択して用いることができる。屈折率が1.52以下の透明プラスチックフィルムとしては、例えばトリアセチルセルロースフィルム(屈折率約1.48)、アクリル樹脂フィルム(屈折率約1.49)、さらには耐熱性の脂環式構造含有熱可塑性樹脂フィルム[例えば、JSR社製「アートン」(屈折率約1.51)など]等を用いることができる。
これらの透明プラスチックフィルムは、透明性、機械物性、光学特性などのバランスに優れ、偏光板やタッチパネル用として、あるいは各種ディスプレイの表面保護フィルムなどの光学用フィルムの基材として好ましく、特に耐熱性が要求される用途には、脂環式構造含有熱可塑性樹脂フィルムなどが好適である。
これらの透明プラスチックフィルムは、着色されていてもよいし、無着色のものでもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば液晶表示装置の保護用として用いる場合には、無色透明のフィルムが好適である。
これらの基材フィルムの厚さは特に制限はなく、状況に応じて適宜選定されるが、通常15〜300μm、好ましくは30〜250μmの範囲である。また、この透明プラスチックフィルムは、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。また、プライマー処理を施すこともできる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが用いられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが用いられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
【0006】
本発明のハードコートフィルムは、上記基材の透明プラスチックフィルムの少なくとも一方の面にハードコート層を有するものであって、該ハードコート層は、(A)シリカゾル及び/又はラジカル重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子と、(B)多官能性アクリレート系モノマー及びアクリレート系プレポリマーの中から選ばれる少なくとも1種と、所望により(C)分子内にラジカル重合性不飽和基を有するシリコーン化合物とを含む電離放射線感応型樹脂組成物からなる層に、電離放射線を照射することにより、該樹脂組成物を硬化させ、形成することができる。
なお、電離放射線感応型樹脂組成物とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。
本発明における電離放射線感応型樹脂組成物においては、(A)成分として、シリカゾル及び/又はラジカル重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子が用いられる。ここで、シリカゾルとしては、平均粒径が0.005〜1μm程度のシリカ微粒子が、アルコール系やセロソルブ系の有機溶剤中にコロイド状態で懸濁してなるコロイダルシリカを好適に用いることができる。
一方、ラジカル重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子は、平均粒径0.005〜1μm程度のシリカ微粒子表面のシラノール基に、該シラノール基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和基含有有機化合物を反応させることにより、得ることができる。
前記シラノール基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和基含有有機化合物としては、例えば一般式[1]
【化1】

Figure 0004266623
[式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はハロゲン原子又は
【化2】
Figure 0004266623
で示される基である。]
で表される化合物などが好ましく用いられる。
【0007】
このような化合物としては、例えばアクリル酸、アクリル酸クロリド、アクリル酸2−イソシアナ−トエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2,3−イミノプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなど及びこれらのアクリル酸誘導体に対応するメタクリル酸誘導体を用いることができる。これらのアクリル酸誘導体やメタクリル酸誘導体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようにして得られたラジカル重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子は、光硬化成分として、電離放射線の照射により架橋、硬化する。
この(A)成分は、ハードコート層の屈折率を低下させると共に、得られるハードコートフィルムの硬化収縮性及び熱湿収縮性を低下させ、これら収縮によるハードコートフィルムのカールの発生を抑制する効果を有している。該(A)成分の配合量は、使用する基材フィルムの屈折率に応じて選定されるが、通常シリカとして、形成されるハードコート層中に20〜60重量%の割合で含有するように選定することが好ましい。この含有量が20重量%未満ではハードコート層の屈折率を低下させる効果及びハードコートフィルムのカール発生抑制効果が十分に発揮されないおそれがあるし、60重量%を超えるとハードコート層の形成が困難になると共に、ハードコート層の硬度が低下する原因となる。ハードコート層の硬度、屈折率、形成性及びハードコートフィルムのカール抑制などを考慮すると、ハードコート層中のシリカのより好ましい含有量は20〜45重量%の範囲である。
本発明における電離放射線感応型樹脂組成物においては、(B)成分として多官能性アクリレート系モノマー及びアクリレート系プレポリマーの中から選ばれる少なくとも1種が用いられる。この(B)成分は、ハードコート層を形成する主要な光硬化成分である。
【0008】
多官能性アクリレート系モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを用いることができる。これらの多官能性アクリレート系モノマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、アクリレート系プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系などを用いることができる。ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらのアクリレート系プレポリマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】
本発明においては、この(B)成分として、前記多官能性アクリレート系モノマーのみを用いてもよいし、前記アクリレート系プレポリマーのみを用いてもよく、また多官能性アクリレート系モノマーとアクリレート系プレポリマーを組み合わせて用いてもよい。
本発明における電離放射線感応型樹脂組成物においては、所望により(C)成分として、分子内にラジカル重合性不飽和基を有するシリコーン化合物を含有させることができる。この(C)成分は、光硬化成分であり、電離放射線の照射により架橋、硬化し、ハードコート層に耐汚染性や低摩擦性などを付与する作用を有している。
分子内にラジカル重合性不飽和基を有するシリコーン化合物としては、例えばポリオルガノシロキサン骨格に、エチレン基やプロピレン基等のアルキレン基などからなるスペーサを介して、(メタ)アクリロイルオキシ基が導入された化合物などを用いることができる。ここで、ポリオルガノシロキサンの好ましいものとしては、例えばポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなどがある。
この分子内にラジカル重合性不飽和基を有するシリコーン化合物の具体例としては、一般式[2]
【化3】
Figure 0004266623
[式中、m及びnは1以上の整数を示し、Rは、式
【化4】
Figure 0004266623
(R1は水素原子又はメチル基である。)
で表される基を示す。]
で表される(メタ)アクリレート変性ポリジメチルシロキサン、あるいは、一般式[3]
【化5】
Figure 0004266623
[式中、Aはメチル基又は式
【化6】
Figure 0004266623
(R'は水素原子又はメチル基である)
で示される基、R1は水素原子又はメチル基、kは1以上の整数を示す。]
で表される片末端又は両末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するポリジメチルシロキサンなどを例示することができる。
【0010】
本発明においては、この(C)成分として、前記化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その配合量は、ハードコート層中に0.05〜5重量%の範囲で含まれるように選定するのが好ましい。ハードコート層中の含有量が0.05重量%未満では耐汚染性や低摩擦性の付与効果が十分に発揮されないおそれがあるし、5重量%を超えると量の割には効果の向上がみられず、むしろハードコート層の硬度が低下する場合がある。ハードコート層中の該(C)成分のより好ましい含有量は、0.2〜2重量%の範囲である。
本発明における電離放射線感応型樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により単官能性アクリレート系モノマー、光重合開始剤、光増感剤、重合禁止剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などの各種添加成分を含有させることができる。
ここで、単官能性アクリレート系モノマーとしては、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの中から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。これらの単官能性アクリレート系モノマーは、光硬化成分である。
光重合開始剤としては、ラジカル重合型に対して、従来用いられている公知のもの、例えばアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルアセタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類などのアリールケトン系光重合開始剤、スルフィド類、チオキサントン類などの含硫黄系光重合開始剤、アシルジアリールホスフィンオキシドなどのアシルホスフィンオキシド類、アントラキノン類、その他光重合開始剤の中から、任意のものを、1種又は2種以上適宜選択して使用することができる。
なお、電子線硬化型の場合には、この光重合開始剤は用いなくてもよい。
【0011】
前記光重合開始剤の配合量は、全光硬化成分100重量部に対して、通常0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜7重量部の範囲で選ばれる。
光増感剤としては、例えば第三級アミン類、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、チオール系増感剤などを用いることができる。なお、電子線硬化型の場合は、この光増感剤は、用いなくてもよい。
光増感剤の配合量は、全光硬化成分100重量部に対して、通常1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の範囲で選ばれる。
また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤としては、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、特に分子内に(メタ)アクリロイル基などを有する反応型の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤を用いるのが有利である。この場合、電離放射線の照射により形成されたポリマー鎖に、それぞれ酸化防止剤成分、紫外線吸収剤成分、光安定剤成分が結合する。したがって、経時による硬化層からの各成分の逸散が抑制されるので、長期間にわたって、それぞれの機能が発揮される。
本発明における電離放射線感応型樹脂組成物は、必要に応じ、適当な溶剤中に、前述の(A)成分、(B)成分及び必要に応じて用いられる(C)成分や各種添加成分を、それぞれ所定の割合で加え、溶解又は分散させることにより、調製することができる。
この際用いる溶剤としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤などが用いられる。
このようにして調製された樹脂組成物の濃度、粘度としては、コーティング可能なものであればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。
【0012】
次に、前記基材の透明プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、上記樹脂組成物を、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、コーティングして塗膜を形成させ、乾燥後、これに電離放射線を照射して該塗膜を硬化させることにより、ハードコート層が形成される。
電離放射線としては、例えば紫外線や電子線などが用いられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られ、照射量は、通常100〜500mJ/cm2であり、一方電子線は、電子線加速器などによって得られ、照射量は、通常150〜350kVである。この電離放射線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、重合開始剤を添加することなく、硬化膜を得ることができる。
このようにして形成されたハードコート層の厚さは0.5〜30μmの範囲が好ましい。この厚さが0.5μm未満ではハードコートフィルムの表面硬度が不十分となり、耐擦傷性が十分に発揮されないおそれがあるし、30μmを超えると硬化収縮率や熱湿収縮率が大きくなり、ハードコートフィルムにカールが発生しやすくなる。表面硬度及びカール発生の抑制などを考慮すると、該ハードコート層のより好ましい厚さは1〜20μmであり、特に2〜15μmの範囲が好ましい。
本発明のハードコートフィルムにおいては、該ハードコート層の屈折率は、1.52以下、好ましくは1.51以下である。この屈折率が1.52を超えると基材フィルムとハードコート層との屈折率差が大きくなって、光による干渉縞が発生しやすくなり、本発明の目的が達せられない。
【0013】
前記ハードコート層の硬度は、鉛筆硬度でH以上であるのが好ましく、鉛筆硬度でH以上であれば、ハードコートフィルムに必要な耐擦傷性を備えることができるが、耐擦傷性をより十分なものにするには、鉛筆硬度で2H以上のものが特に好適である。なお、鉛筆硬度の測定方法については、後で説明する。
本発明においては、必要により、前記ハードコート層の表面に、反射防止性を付与させるなどの目的で反射防止層、例えばシロキサン系被膜、フッ素系被膜などを設けることができる。この場合、該反射防止層の厚さは、0.05〜1μm程度が適当である。この反射防止層を設けることにより、太陽光、蛍光灯などによる反射から生じる画面の映り込みが解消される。なお、反射防止層の種類によっては、帯電防止性の向上を図ることができる。
本発明のハードコートフィルムにおいては、基材の透明プラスチックフィルムのハードコート層とは反対側の面に、被着体に貼着させるための粘着剤層を形成させることができる。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、光学用途用のもの、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。この粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。
さらに、この粘着剤層の上に、必要に応じて剥離フィルムを設けることができる。この剥離フィルムとしては、例えばグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙及び各種プラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗付したものなどが挙げられる。この剥離フィルムの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
【0014】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、ハードコートフィルムの性能は、下記の方法に従って評価した。
(1)鉛筆硬度
JIS K 5400に準拠して、手かき法により測定した。
(2)耐擦傷性
スチールウール#0000でハードコートフィルムのコート層表面を擦りつけた際の変化を目視観察し、下記の3段階で評価した。
○:傷付かない。
△:少し傷付く。
×:傷付く。
(3)干渉縞評価
黒色板上に、ハードコート層面が上になるようにハードコートフィルムを置いて、3波長蛍光灯下で目視により、下記の5段階で干渉縞発生の程度を評価した。
5:干渉縞の発生なし。
4:僅かに干渉縞の発生が認められる。
3:少し干渉縞の発生が認められるが、実用的には問題ない。
2:干渉縞の発生がかなり認められる。
1:干渉縞の発生が著しく認められる。
なお、3以上で低干渉効果がある。
(4)カール値
試験用のハードコートフィルムを、100mm×100mmの正方形状に切断したサンプルを平坦なガラス板上に、ハードコート層が上になるように置いて、ハードコートフィルムの4つの角のガラス板からの距離(mm)を測定してその合計値(mm)をカール値(mm)とした。測定は、[1]ハードコートフィルムを切断した直後、[2]ハードコートフィルムを切断し80℃の乾燥環境下に24時間放置後、[3]ハードコートフィルムを切断し、60℃、相対湿度90%の環境下に24時間放置後に、各々行った。なお、カール値の測定は23℃、相対湿度50%の環境下で行った。
カール値の評価は、○は50mm未満、×は50mm以上であり、実用不可レベルであることを示す。
【0015】
(5)水の接触角
23℃、相対湿度50%の環境下において、ハードコート層表面に10μlの純水を滴下し、1分後の水の接触角を、接触角計[協和界面科学(株)製「CA−X型」]を用いて測定した。
なお、接触角90度以上で汚れ除去性能が確認される。
(6)ハードコート層の屈折率
JIS K 7142に準じてアッベ屈折率計を用いて測定した。
実施例1
(A)成分としてエチルセロソルブ溶剤に分散されたシリカゾル[触媒化成工業(株)製「OSCAL1632、粒径10〜20μm」、固形分30重量%]200重量部に、(B)成分としてウレタンアクリレートと多官能性アクリレートモノマーからなるハードコート剤[荒川化学工業(株)製「ビームセット575CB」、固形分100%、光重合開始剤含有]100重量部と、(C)成分としてラジカル重合性不飽和基を有するシリコーン化合物[共栄社化学(株)製「ライトプロコートAFC2000」、固形分100%]2重量部を加え、さらにトルエンと1−メトキシ−2−プロパノールとの重量比1:1の混合溶剤を加えて、固形分濃度30重量%の電離放射線感応型樹脂組成物を調製した。
次いで、透明プラスチックフィルム(基材フィルム)として厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム[富士写真フィルム(株)製「T80UZ」、屈折率1.480]の片面に、硬化後の厚さが5μmになるように、上記樹脂組成物をマイヤーバーにて塗布し、80℃で1分間乾燥したのち、光量約230mJ/cm2の紫外線を照射してハードコート層を形成し、ハードコートフィルムを作製した。
ハードコート層中のシリカ含有量は37重量%であり、またハードコート層の屈折率は1.492であった。
このハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0016】
実施例2
(A)成分としてラジカル重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子と、光重合開始剤を含むハードコート剤[JSR(株)製「デソライトZ7360」、固形分76重量%、シリカと有機化合物との重量比約60:40]100重量部に、(B)成分としてジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物[日本化薬(株)製「KAYANOVA DPHA」、固形分100%]30重量部、光重合開始剤[チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア907」]1.5重量部及び(C)成分としてラジカル重合性不飽和基を有するシリコーン化合物「ライトプロコートAFC2000」(前出)2重量部を加え、さらにトルエンと1−メトキシ−2−プロパノールとの重量比1:1の混合溶剤を加えて、固形分濃度30重量%の電離放射線感応型樹脂組成物を調製した。
次いで、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム「T80UZ」(前出)の片面に、硬化後の厚さが5μmになるように、上記樹脂組成物をマイヤーバーにて塗布し、80℃で1分間乾燥したのち、光量約230mJ/cm2の紫外線を照射してハードコート層を形成し、ハードコートフィルムを作製した。
ハードコート層中のシリカ含有量42重量%であり、またハードコート層の屈折率は1.506であった。
このハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
実施例3
実施例1において、基材フィルムを厚さ230μmのアクリルフィルム[住友化学工業(株)製「テクノロイTHG」、屈折率1.490]に変えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、ハードコートフィルムを作製した。
ハードコート層中のシリカ含有量は37重量%であり、またハードコート層の屈折率は1.492であった。
このハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
実施例4
基材フィルムとして、厚さ188μmの環状ポリオレフィンフィルム[JSR(株)製「アートン188」、屈折率1.510]を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、ハードコートフィルムを作製した。
ハードコート層中のシリカ含有量は37重量%であり、またハードコート層の屈折率は1.492であった。
このハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0017】
比較例1
実施例1における電離放射線感応型樹脂組成物の調製において、シリカゾル及び「ライトプロコートAFC2000」を用いなかったこと以外は、実施例1と同様な操作を行い、ハードコートフィルムを作製した。
ハードコート層にはシリカが含まれておらず、ハードコート層の屈折率は1.528であった。
このハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
比較例2
実施例3における電離放射線感応型樹脂組成物の調製において、シリカゾル及び「ライトプロコートAFC2000」を用いなかったこと以外は、実施例3と同様な操作を行い、ハードコートフィルムを作製した。
ハードコート層にはシリカが含まれておらず、ハードコート層の屈折率は1.528であった。
このハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0018】
【表1】
Figure 0004266623
【0019】
【表2】
Figure 0004266623
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、高硬度を有し、耐擦傷性に優れ、かつ低収縮性(硬化収縮率、熱湿収縮率が低い)・低カール性を有する上、基材フィルムとハードコート層との屈折率差が小さく、干渉縞の発生が抑制され、例えば偏光板用やタッチパネル用として、あるいは各種ディスプレイの保護フィルムなどとして好適なハードコートフィルムを提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a hard coat film. More specifically, the present invention has high hardness, excellent scratch resistance, low shrinkage (low curing shrinkage rate, low heat and humidity shrinkage rate) and low curl properties, as well as a base film and a hard coat layer. The refractive index difference is small and the occurrence of interference fringes is suppressed. For example, the present invention relates to a hard coat film suitable for a polarizing plate, a touch panel, or a protective film for various displays.
[0002]
[Prior art]
In recent years, various devices equipped with a liquid crystal display device, such as consumer devices such as laptop computers, video cameras, mobile phones, automobile and aircraft instrument panel displays, liquid crystal projectors, etc. have become widespread. Along with this, there are demands for color display, higher brightness, and improved durability.
This liquid crystal display device is a device that modulates incident linearly polarized light with the electro-optical characteristics of the liquid crystal layer and visualizes it as a signal of intensity of transmission or coloring with a polarizing plate on the output side. That is, since polarized light is used for the display principle, the polarizing plate is an essential member. The polarizing plate is an element that converts natural light into linearly polarized light. Currently, many of the polarizing plates that are currently mass-produced and practically used for liquid crystal display devices include a base film made of a polyvinyl alcohol film, iodine and a dichroic dye. A polarizing film obtained by dyeing, adsorbing, and stretching-orienting a dichroic material such as is bonded with a protective film that is optically transparent and has mechanical strength. . And as said protective film, a triacetyl cellulose film is normally used.
In the liquid crystal display device, the polarizing plate is usually provided on the incident side in addition to the emission side of the liquid crystal layer. When the polarizing plate is provided on the surface side of various display devices including a liquid crystal display device, it is particularly required to have sufficient hardness and to have contamination resistance.
On the other hand, in recent years, a touch panel is used as an input device to a portable information terminal whose market is increasing. This touch panel is a device for inputting data by directly touching the display screen with a finger, a pen, or the like.
About 90% of the touch panels currently employ a resistive film system. The resistive film type touch panel generally has a touch side plastic substrate in which a transparent conductive thin film such as a tin-doped indium oxide (ITO) film is laminated on one side of a transparent plastic substrate, and an ITO film on one side of a transparent substrate such as glass. The transparent conductive thin film such as the transparent conductive thin film is laminated so as to face each other through the insulating spacer so that the transparent conductive thin films face each other.
Then, the input is performed by pressing the touch input surface of the touch side plastic substrate with a pen or a finger (referred to as a surface opposite to the transparent conductive thin film side, hereinafter the same), and the transparent conductive thin film of the touch side plastic substrate. The contact is made with the transparent conductive thin film of the display-side transparent substrate.
However, in such a resistive film type touch panel, the touch side plastic is obtained by repeating the input operation, that is, by repeating the contact between the transparent conductive thin film of the touch side plastic substrate and the transparent conductive thin film of the display side transparent substrate. Problems arise such that the transparent conductive thin film of the substrate is worn, cracks are generated, and further, the substrate is peeled off from the substrate. In order to solve such problems, generally, a hard coat layer made of a synthetic resin is provided between a transparent plastic substrate and a transparent conductive thin film. Further, it is often performed to provide a hard coat layer on the surface of the transparent plastic substrate opposite to the transparent conductive thin film.
On the other hand, in various displays such as a plasma display panel (PDP), a cathode ray tube (CRT), a liquid crystal display (LCD), and an ELD (electroluminescence element), light is incident on the screen from the outside, and the light is reflected and displayed. In some cases, it is difficult to view images. In particular, with the recent increase in the size of flat panel displays, solving the above problems has become an increasingly important issue.
In order to solve such a problem, various antireflection treatments and antiglare treatments have been taken for various displays so far. As one of them, an antireflection film is used for various displays. The antireflection film is required to have hard coat performance, that is, scratch resistance on the surface, in addition to antireflection performance.
Conventionally, the antireflection film is formed by applying a low refractive index substance (MgF) on a base film by a dry process method such as vapor deposition or sputtering.2) Or a material having a high refractive index [ITO, TiO2Etc.] and low refractive index substances (MgF2, SiO2Etc.) are alternately laminated. However, the antireflection film produced by such a dry process method has a problem that the production cost is unavoidable.
Therefore, in recent years, it has been attempted to produce a hard coat film having antireflection performance by a wet process method, that is, coating. For example, an acrylic resin film having excellent weather resistance is used as a base material, and a cured layer of an ionizing radiation sensitive resin composition is provided on the base material, and then antireflection treatment is applied to the mobile phone, PDA (personal digital assistant), video It is used as a protective film for liquid crystal display devices such as cameras.
Thus, in hard coat films used as surface protective films for various displays by applying antireflection treatment to polarizing plates, touch panels, or hard coat layers, the surface hardness is high and scratch resistance is achieved. In addition to being excellent, the generation of interference fringes and low curling properties are required.
However, a hard coat film is conventionally produced by providing a cured layer of an ionizing radiation-sensitive resin composition mainly comprising a polyfunctional acrylate monomer or an acrylate prepolymer on a base film. In this case, curing shrinkage and thermal humidity shrinkage are large, and there is a problem that curl is easily generated in the obtained hard coat film. In addition, the refractive index of the base film is usually not taken into account, and thus there is a problem that interference fringes may occur due to the difference in refractive index between the base film and the hard coat layer.
As a technique for selecting the refractive index of the hard coat layer within a certain range, for example, an antireflection material in which an antireflection film is provided on the hard coat layer is disclosed (for example, see Patent Document 1). However, in this technique, in order to provide a good antireflection function, the refractive index of the antireflection film provided on the hardcoat layer is taken into consideration and the refractive index of the hardcoat layer is increased (refractive index 1.55). ˜1.70), and the refractive index of the hard coat layer is not selected in consideration of the refractive index of the base film.
[Patent Document 1]
JP 2000-171603 A
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Under such circumstances, the present invention has high hardness, excellent scratch resistance, low shrinkage (low cure shrinkage, low heat and humidity shrinkage) and low curl, For the purpose of providing a hard coat film that has a small refractive index difference between the material film and the hard coat layer (interference fringes are less likely to occur) and that is suitable for polarizing plates, touch panels, and protective films for various displays. It was made.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
  As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventors have found that a hard coat film in which a cured layer of an ionizing radiation-sensitive resin composition is provided as a hard coat layer on a base film. As a material film, a transparent plastic film having a refractive index of a certain value or less is used, and as an ionizing radiation-sensitive resin composition, silica sol and silica fine particles bonded with radical polymerizable unsaturated group-containing organic compound and a polyfunctional acrylate type are used. It has been found that the object can be achieved by using a composition containing a monomer or an acrylate prepolymer.
  In addition to the above performance, the ionizing radiation-sensitive resin composition contains a silicone compound having a radically polymerizable unsaturated group, and in addition to the above performance, stain resistance (dirt removal performance) and low friction are imparted, thereby protecting the surface. It has been found that an even more suitable hard coat film can be obtained when used for a film.
  The present invention has been completed based on such findings.
  That is, the present invention
(1) Refractive index of 1.52 or lessIt consists of a triacetyl cellulose film, an acrylic resin film, or an alicyclic structure-containing thermoplastic resin film.At least one surface of the transparent plastic film is selected from (A) silica fine particles in which a silica sol and / or a radical polymerizable unsaturated group-containing organic compound is bonded, and (B) a polyfunctional acrylate monomer and an acrylate prepolymer. At least oneAnd (C) a silicone compound having a radically polymerizable unsaturated group in the moleculeAnd a hard coat layer having a refractive index of 1.52 or less, comprising a cured product of an ionizing radiation sensitive resin composition containingThe difference in refractive index between the hard coat layer and the transparent plastic film is 0 . 026 or lessA hard coat film characterized by
(2) The hard coat film according to item 1, wherein the silica content in the hard coat layer is 20 to 60% by weight,
(3) The (C) component content in the hard coat layer is 0.05 to 5% by weight.1Term or number2Hard coat film according to item, and
(4) The first to the second items in which the thickness of the hard coat layer is 0.5 to 30 μm3The hard coat film according to any one of Items.
Is to provide.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The hard coat film of the present invention is a laminated film in which a cured layer of an ionizing radiation sensitive resin composition is provided on at least one surface of a transparent plastic film having a refractive index of 1.52 or less, preferably 1.51 or less.
In the hard coat film of the present invention, the transparent plastic film used as the base film is not particularly limited as long as it has transparency and a refractive index of 1.52 or less. From what is used as a base material of a hard coat film, it can select suitably and can use. Examples of transparent plastic films having a refractive index of 1.52 or less include a triacetyl cellulose film (refractive index of about 1.48), an acrylic resin film (refractive index of about 1.49), and a heat-resistant alicyclic structure. A thermoplastic resin film [for example, “Arton” (refractive index: about 1.51) manufactured by JSR Co., Ltd.] or the like can be used.
These transparent plastic films have an excellent balance of transparency, mechanical properties, optical properties, etc., and are preferable as polarizing plates and touch panels, or as substrates for optical films such as surface protective films for various displays, and particularly have high heat resistance. An alicyclic structure-containing thermoplastic resin film or the like is suitable for the required use.
These transparent plastic films may be colored or uncolored, and may be appropriately selected depending on the application. For example, when used for protecting a liquid crystal display device, a colorless and transparent film is suitable.
The thickness of these base films is not particularly limited and is appropriately selected depending on the situation, but is usually 15 to 300 μm, preferably 30 to 250 μm. Moreover, this transparent plastic film can be surface-treated by an oxidation method, an uneven | corrugated method, etc. on one side or both surfaces as needed for the purpose of improving adhesiveness with the layer provided in the surface. Moreover, primer treatment can also be performed. As the oxidation method, for example, corona discharge treatment, chromic acid treatment (wet), flame treatment, hot air treatment, ozone / ultraviolet irradiation treatment, etc. are used, and as the unevenness method, for example, sand blast method, solvent treatment method, etc. are used. It is done. These surface treatment methods are appropriately selected according to the type of the base film, but generally, the corona discharge treatment method is preferably used from the viewpoints of effects and operability.
[0006]
The hard coat film of the present invention has a hard coat layer on at least one surface of the transparent plastic film of the substrate, and the hard coat layer comprises (A) silica sol and / or radical polymerizable unsaturated group. Silica fine particles to which the organic compound is bound, (B) at least one selected from a polyfunctional acrylate monomer and an acrylate prepolymer, and (C) optionally having a radical polymerizable unsaturated group in the molecule By irradiating a layer formed of an ionizing radiation sensitive resin composition containing a silicone compound with ionizing radiation, the resin composition can be cured and formed.
The ionizing radiation sensitive resin composition refers to a resin composition having energy quanta in an electromagnetic wave or a charged particle beam, that is, a resin composition that is crosslinked and cured by irradiation with ultraviolet rays or electron beams.
In the ionizing radiation sensitive resin composition in the present invention, silica fine particles to which a silica sol and / or a radical polymerizable unsaturated group-containing organic compound is bonded are used as the component (A). Here, as the silica sol, colloidal silica in which silica fine particles having an average particle diameter of about 0.005 to 1 μm are suspended in a colloidal state in an alcohol-based or cellosolve-based organic solvent can be suitably used.
On the other hand, silica fine particles to which a radical polymerizable unsaturated group-containing organic compound is bonded have radical polymerizable properties having functional groups capable of reacting with the silanol groups on the silanol groups on the surface of silica fine particles having an average particle size of about 0.001 to 1 μm. It can be obtained by reacting an unsaturated group-containing organic compound.
Examples of the radical polymerizable unsaturated group-containing organic compound having a functional group capable of reacting with the silanol group include, for example, the general formula [1]
[Chemical 1]
Figure 0004266623
[Wherein R1Is a hydrogen atom or a methyl group, R2Is a halogen atom or
[Chemical formula 2]
Figure 0004266623
It is group shown by these. ]
A compound represented by the formula is preferably used.
[0007]
Examples of such compounds include acrylic acid, acrylic acid chloride, 2-isocyanatoethyl acrylate, glycidyl acrylate, 2,3-iminopropyl acrylate, 2-hydroxyethyl acrylate, acryloyloxypropyltrimethoxysilane, and the like. And methacrylic acid derivatives corresponding to these acrylic acid derivatives can be used. These acrylic acid derivatives and methacrylic acid derivatives may be used alone or in combination of two or more.
The silica fine particles bonded with the radical polymerizable unsaturated group-containing organic compound thus obtained are crosslinked and cured by irradiation with ionizing radiation as a photocuring component.
This component (A) reduces the refractive index of the hard coat layer, and also reduces the curing shrinkage and heat and humidity shrinkage of the resulting hard coat film, and suppresses the occurrence of curling of the hard coat film due to the shrinkage. have. The blending amount of the component (A) is selected according to the refractive index of the base film to be used, but is usually contained as a silica in a proportion of 20 to 60% by weight in the hard coat layer to be formed. It is preferable to select. If the content is less than 20% by weight, the effect of lowering the refractive index of the hard coat layer and the curl generation suppressing effect of the hard coat film may not be sufficiently exhibited. If the content exceeds 60% by weight, the hard coat layer is formed. It becomes difficult and causes the hardness of the hard coat layer to decrease. Considering the hardness, refractive index, formability, curling suppression of the hard coat film, and the like of the hard coat layer, the more preferable content of silica in the hard coat layer is in the range of 20 to 45% by weight.
In the ionizing radiation sensitive resin composition in the present invention, at least one selected from a polyfunctional acrylate monomer and an acrylate prepolymer is used as the component (B). This (B) component is a main photocuring component which forms a hard-coat layer.
[0008]
Examples of multifunctional acrylate monomers include 1,4-butanediol di (meth) acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, and polyethylene glycol di (meth) acrylate. , Hydroxypivalate neopentyl glycol di (meth) acrylate, dicyclopentanyl di (meth) acrylate, caprolactone modified dicyclopentenyl di (meth) acrylate, ethylene oxide modified di (meth) acrylate phosphate, allylated cyclohexyl di (meta) ) Acrylate, isocyanurate di (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, dipentaerythritol tri (meth) acrylate, propionic acid modified dipentaerythritol Tri (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, propylene oxide modified trimethylolpropane tri (meth) acrylate, tris (acryloxyethyl) isocyanurate, dipentaerythritol penta (meth) acrylate, propionic acid modified dipentaerythritol Penta (meth) acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, caprolactone-modified dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, and the like can be used. One of these polyfunctional acrylate monomers may be used alone, or two or more thereof may be used in combination.
On the other hand, as the acrylate prepolymer, for example, polyester acrylate, epoxy acrylate, urethane acrylate, polyol acrylate, or the like can be used. Here, as the polyester acrylate-based prepolymer, for example, by esterifying the hydroxyl group of a polyester oligomer having a hydroxyl group at both ends obtained by condensation of a polyvalent carboxylic acid and a polyhydric alcohol with (meth) acrylic acid, or It can be obtained by esterifying the terminal hydroxyl group of an oligomer obtained by adding an alkylene oxide to a polyvalent carboxylic acid with (meth) acrylic acid. The epoxy acrylate prepolymer can be obtained, for example, by reacting (meth) acrylic acid with an oxirane ring of a relatively low molecular weight bisphenol type epoxy resin or novolak type epoxy resin and esterifying it. The urethane acrylate-based prepolymer can be obtained, for example, by esterifying, with (meth) acrylic acid, a polyurethane oligomer obtained by a reaction between polyether polyol or polyester polyol and polyisocyanate. Furthermore, the polyol acrylate-based prepolymer can be obtained by esterifying the hydroxyl group of the polyether polyol with (meth) acrylic acid. These acrylate-based prepolymers may be used alone or in combination of two or more.
[0009]
In the present invention, as the component (B), only the polyfunctional acrylate monomer may be used, or only the acrylate prepolymer may be used, or the polyfunctional acrylate monomer and acrylate prepolymer may be used. A combination of polymers may also be used.
In the ionizing radiation sensitive resin composition in the present invention, a silicone compound having a radically polymerizable unsaturated group in the molecule can be contained as component (C) as desired. This component (C) is a photo-curing component, which is crosslinked and cured by irradiation with ionizing radiation, and has an action of imparting stain resistance, low friction properties and the like to the hard coat layer.
As a silicone compound having a radically polymerizable unsaturated group in the molecule, for example, a (meth) acryloyloxy group is introduced into a polyorganosiloxane skeleton through a spacer made of an alkylene group such as an ethylene group or a propylene group. A compound or the like can be used. Here, preferred examples of the polyorganosiloxane include polydimethylsiloxane, polydiphenylsiloxane, and polymethylphenylsiloxane.
Specific examples of the silicone compound having a radically polymerizable unsaturated group in the molecule include the general formula [2].
[Chemical 3]
Figure 0004266623
[Wherein, m and n represent an integer of 1 or more, and R represents a formula
[Formula 4]
Figure 0004266623
(R1Is a hydrogen atom or a methyl group. )
The group represented by these is shown. ]
(Meth) acrylate modified polydimethylsiloxane represented by the general formula [3]
[Chemical formula 5]
Figure 0004266623
Wherein A is a methyl group or a formula
[Chemical 6]
Figure 0004266623
(R ′ is a hydrogen atom or a methyl group)
A group represented by R1Represents a hydrogen atom or a methyl group, and k represents an integer of 1 or more. ]
Examples thereof include polydimethylsiloxane having a (meth) acryloyloxy group at one or both ends represented by:
[0010]
In this invention, as this (C) component, the said compound may be used independently and may be used in combination of 2 or more type, and the compounding quantity is 0.05-5 weight in a hard-coat layer. It is preferable to select so as to be included in the range of%. If the content in the hard coat layer is less than 0.05% by weight, the effect of imparting stain resistance and low friction may not be sufficiently exerted, and if it exceeds 5% by weight, the effect is improved for the amount. In some cases, the hardness of the hard coat layer may decrease. The more preferable content of the component (C) in the hard coat layer is in the range of 0.2 to 2% by weight.
In the ionizing radiation-sensitive resin composition in the present invention, a monofunctional acrylate monomer, a photopolymerization initiator, a photosensitizer, a polymerization inhibitor, a crosslinking agent, if desired, as long as the object of the present invention is not impaired. Various additive components such as an antioxidant, an ultraviolet absorber, a light stabilizer, a leveling agent, and an antifoaming agent can be contained.
Here, the monofunctional acrylate monomer is selected from, for example, cyclohexyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, stearyl (meth) acrylate, isobornyl (meth) acrylate, and the like. At least one kind can be used. These monofunctional acrylate monomers are photocuring components.
As the photopolymerization initiator, for the radical polymerization type, known ones conventionally used, such as acetophenones, benzophenones, alkylaminobenzophenones, benzyls, benzoins, benzoin ethers, benzyldimethylacetals, Aryl ketone photopolymerization initiators such as benzoylbenzoates and α-acyloxime esters, sulfur-containing photopolymerization initiators such as sulfides and thioxanthones, acylphosphine oxides such as acyl diarylphosphine oxides, anthraquinones, etc. Any one or two or more photopolymerization initiators can be appropriately selected and used.
In the case of the electron beam curable type, this photopolymerization initiator may not be used.
[0011]
The blending amount of the photopolymerization initiator is usually selected in the range of 0.2 to 10 parts by weight, preferably 0.5 to 7 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the total photocuring component.
As photosensitizers, for example, tertiary amines, p-dimethylaminobenzoic acid esters, thiol sensitizers, and the like can be used. In the case of the electron beam curable type, this photosensitizer may not be used.
The compounding quantity of a photosensitizer is normally selected in the range of 1-20 weight part with respect to 100 weight part of all the photocurable components, Preferably it is 2-10 weight part.
The antioxidant, ultraviolet absorber, and light stabilizer can be appropriately selected from conventionally known ones, and in particular, a reactive antioxidant having a (meth) acryloyl group in the molecule. It is advantageous to use an ultraviolet absorber or a light stabilizer. In this case, an antioxidant component, an ultraviolet absorber component, and a light stabilizer component are bonded to polymer chains formed by irradiation with ionizing radiation. Accordingly, the escape of each component from the cured layer over time is suppressed, so that each function is exhibited over a long period of time.
The ionizing radiation-sensitive resin composition in the present invention, if necessary, in the appropriate solvent, the above-mentioned (A) component, (B) component and (C) component and various additive components used as necessary, Each can be prepared by adding at a predetermined ratio and dissolving or dispersing.
Examples of the solvent used in this case include aliphatic hydrocarbons such as hexane, heptane, and cyclohexane, aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, halogenated hydrocarbons such as methylene chloride and ethylene chloride, methanol, ethanol, propanol, butanol, Alcohols such as 1-methoxy-2-propanol, ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, 2-pentanone, isophorone, and cyclohexanone, esters such as ethyl acetate and butyl acetate, and cellosolve solvents such as ethyl cellosolve are used.
The concentration and viscosity of the resin composition thus prepared are not particularly limited as long as they can be coated, and can be appropriately selected according to the situation.
[0012]
Next, the resin composition is applied to at least one surface of the transparent plastic film of the base material by a conventionally known method such as a bar coating method, a knife coating method, a roll coating method, a blade coating method, a die coating method, or a gravure coating. Using a method or the like, a hard coating layer is formed by coating to form a coating film, drying, and then irradiating the coating film with ionizing radiation to cure the coating film.
As ionizing radiation, for example, ultraviolet rays or electron beams are used. The ultraviolet rays are obtained with a high-pressure mercury lamp, a fusion H lamp, a xenon lamp, etc., and the irradiation amount is usually 100 to 500 mJ / cm.2On the other hand, the electron beam is obtained by an electron beam accelerator or the like, and the irradiation amount is usually 150 to 350 kV. Among these ionizing radiations, ultraviolet rays are particularly preferable. In addition, when using an electron beam, a cured film can be obtained, without adding a polymerization initiator.
The thickness of the hard coat layer thus formed is preferably in the range of 0.5 to 30 μm. If this thickness is less than 0.5 μm, the surface hardness of the hard coat film may be insufficient, and the scratch resistance may not be sufficiently exhibited. If it exceeds 30 μm, the curing shrinkage rate and the heat and humidity shrinkage rate will increase. Curling tends to occur on the coated film. In consideration of surface hardness and curling suppression, a more preferable thickness of the hard coat layer is 1 to 20 μm, and a range of 2 to 15 μm is particularly preferable.
In the hard coat film of the present invention, the refractive index of the hard coat layer is 1.52 or less, preferably 1.51 or less. If this refractive index exceeds 1.52, the difference in refractive index between the base film and the hard coat layer becomes large and interference fringes due to light tend to occur, and the object of the present invention cannot be achieved.
[0013]
The hardness of the hard coat layer is preferably H or higher in pencil hardness. If the pencil hardness is H or higher, the hard coat layer can have the scratch resistance required for the hard coat film, but the scratch resistance is more sufficient. In order to make it a thing with a pencil hardness of 2H or more, it is especially suitable. A method for measuring pencil hardness will be described later.
In the present invention, if necessary, an antireflection layer such as a siloxane-based film or a fluorine-based film can be provided on the surface of the hard coat layer for the purpose of imparting antireflection properties. In this case, the thickness of the antireflection layer is suitably about 0.05 to 1 μm. By providing this antireflection layer, the reflection of the screen resulting from reflection by sunlight, a fluorescent lamp or the like is eliminated. Depending on the type of the antireflection layer, the antistatic property can be improved.
In the hard coat film of the present invention, a pressure-sensitive adhesive layer for adhering to an adherend can be formed on the surface opposite to the hard coat layer of the transparent plastic film of the substrate. As an adhesive which comprises this adhesive layer, the thing for optical uses, for example, an acrylic adhesive, a urethane type adhesive, and a silicone type adhesive, are used preferably. The thickness of this pressure-sensitive adhesive layer is usually 5 to 100 μm, preferably 10 to 60 μm.
Furthermore, a release film can be provided on the pressure-sensitive adhesive layer as necessary. Examples of the release film include paper such as glassine paper, coated paper, and laminate paper, and various plastic films coated with a release agent such as silicone resin. Although there is no restriction | limiting in particular about the thickness of this peeling film, Usually, it is about 20-150 micrometers.
[0014]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited at all by these examples.
The performance of the hard coat film was evaluated according to the following method.
(1) Pencil hardness
Based on JIS K 5400, it measured by the hand-drawing method.
(2) Scratch resistance
Changes when the hard coat film surface was rubbed with steel wool # 0000 were visually observed and evaluated in the following three stages.
○: Not damaged.
Δ: Slightly damaged.
X: Scratched.
(3) Interference fringe evaluation
A hard coat film was placed on a black plate so that the hard coat layer surface was on top, and the degree of occurrence of interference fringes was evaluated in the following five stages by visual observation under a three-wavelength fluorescent lamp.
5: No interference fringes are generated.
4: Slight interference fringes are observed.
3: Although some interference fringes are observed, there is no practical problem.
2: Generation of interference fringes is considerably observed.
1: Remarkable generation of interference fringes is observed.
In addition, there is a low interference effect at 3 or more.
(4) Curl value
A test sample of a hard coat film cut into a square of 100 mm × 100 mm was placed on a flat glass plate with the hard coat layer on top, and from the four corner glass plates of the hard coat film. The distance (mm) was measured and the total value (mm) was taken as the curl value (mm). The measurement was as follows: [1] Immediately after cutting the hard coat film, [2] Cut the hard coat film and leave it in a dry environment at 80 ° C. for 24 hours, [3] Cut the hard coat film, 60 ° C., relative humidity Each was carried out after 24 hours in a 90% environment. The curl value was measured in an environment of 23 ° C. and a relative humidity of 50%.
In the evaluation of the curl value, ◯ is less than 50 mm, and x is 50 mm or more, indicating that it is a practically unusable level.
[0015]
(5) Water contact angle
In an environment of 23 ° C. and 50% relative humidity, 10 μl of pure water was dropped on the surface of the hard coat layer, and the contact angle of water after 1 minute was measured with a contact angle meter [“CA-X” manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd. Type "].
The dirt removal performance is confirmed at a contact angle of 90 degrees or more.
(6) Refractive index of hard coat layer
It measured using the Abbe refractometer according to JISK7142.
Example 1
(A) Silica sol dispersed in an ethyl cellosolve solvent as component (“OSCAL 1632, particle size 10 to 20 μm, manufactured by Catalytic Chemical Industry Co., Ltd., solid content 30% by weight) in 200 parts by weight, and (B) component urethane acrylate and Hard coating agent composed of polyfunctional acrylate monomer [Arakawa Chemical Industries, Ltd. “Beamset 575CB”, solid content 100%, photopolymerization initiator included] 100 parts by weight, and (C) component as radically polymerizable unsaturated 2 parts by weight of a silicone compound having a group [“Light Procoat AFC2000” manufactured by Kyoeisha Chemical Co., Ltd., solid content: 100%], and further a mixed solvent of toluene and 1-methoxy-2-propanol in a weight ratio of 1: 1 Was added to prepare an ionizing radiation sensitive resin composition having a solid content concentration of 30% by weight.
Next, the thickness after curing is 5 μm on one side of a 80 μm thick triacetyl cellulose film (“T80UZ” manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd., refractive index 1.480) as a transparent plastic film (base film). As described above, after applying the resin composition with a Meyer bar and drying at 80 ° C. for 1 minute, the light amount is about 230 mJ / cm.2The hard coat layer was formed by irradiating the ultraviolet ray, and a hard coat film was produced.
The silica content in the hard coat layer was 37% by weight, and the refractive index of the hard coat layer was 1.492.
The performance of this hard coat film is shown in Table 1.
[0016]
Example 2
(A) Hard coating agent containing silica fine particles combined with a radical polymerizable unsaturated group-containing organic compound as a component and a photopolymerization initiator [“Desolite Z7360” manufactured by JSR Corporation, solid content: 76% by weight, silica and organic The weight ratio to the compound is about 60:40] In 100 parts by weight, a mixture of dipentaerythritol pentaacrylate and dipentaerythritol hexaacrylate as component (B) [“KAYANOVA DPHA” manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd., solid content: 100 %] 30 parts by weight, a photopolymerization initiator [“Irgacure 907” manufactured by Ciba Specialty Chemicals Co., Ltd.] and a silicone compound “Light Procoat” having a radically polymerizable unsaturated group as component (C) AFC2000 "(supra) 2 parts by weight was added, and toluene, 1-methoxy-2-propanol and Weight ratio of 1: 1 is added to a mixed solvent, to prepare a solid concentration of 30 wt% of an ionizing radiation-sensitive resin composition.
Next, the resin composition was applied to one side of an 80 μm-thick triacetyl cellulose film “T80UZ” (described above) with a Mayer bar so that the thickness after curing was 5 μm, and then at 80 ° C. for 1 minute. After drying, the light intensity is about 230mJ / cm2The hard coat layer was formed by irradiating the ultraviolet ray, and a hard coat film was produced.
The silica content in the hard coat layer was 42% by weight, and the refractive index of the hard coat layer was 1.506.
The performance of this hard coat film is shown in Table 1.
Example 3
In Example 1, the same operation as in Example 1 was performed except that the base film was changed to an acrylic film having a thickness of 230 μm [“Technoloy THG” manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., refractive index 1.490]. A hard coat film was produced.
The silica content in the hard coat layer was 37% by weight, and the refractive index of the hard coat layer was 1.492.
The performance of this hard coat film is shown in Table 1.
Example 4
A hard coat film was produced in the same manner as in Example 1 except that a 188 μm-thick cyclic polyolefin film [“Arton 188” manufactured by JSR Corporation, refractive index 1.510] was used as the base film. did.
The silica content in the hard coat layer was 37% by weight, and the refractive index of the hard coat layer was 1.492.
The performance of this hard coat film is shown in Table 1.
[0017]
Comparative Example 1
A hard coat film was produced in the same manner as in Example 1 except that silica sol and “Light Procoat AFC2000” were not used in the preparation of the ionizing radiation sensitive resin composition in Example 1.
The hard coat layer did not contain silica, and the refractive index of the hard coat layer was 1.528.
The performance of this hard coat film is shown in Table 1.
Comparative Example 2
A hard coat film was produced in the same manner as in Example 3 except that silica sol and “Light Procoat AFC2000” were not used in the preparation of the ionizing radiation sensitive resin composition in Example 3.
The hard coat layer did not contain silica, and the refractive index of the hard coat layer was 1.528.
The performance of this hard coat film is shown in Table 1.
[0018]
[Table 1]
Figure 0004266623
[0019]
[Table 2]
Figure 0004266623
[0020]
【The invention's effect】
According to the present invention, it has high hardness, excellent scratch resistance, low shrinkability (low curing shrinkage rate, low heat and humidity shrinkage rate) and low curl property, and also has a base film and a hard coat layer. The difference in refractive index is small, and the occurrence of interference fringes is suppressed. For example, a hard coat film suitable for a polarizing plate, a touch panel, or a protective film for various displays can be provided.

Claims (4)

屈折率1.52以下のトリアセチルセルロースフィルム、アクリル樹脂フィルム又は脂環式構造含有熱可塑性樹脂フィルムからなる透明プラスチックフィルムの少なくとも片面に、(A)シリカゾル及び/又はラジカル重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子と、(B)多官能性アクリレート系モノマー及びアクリレート系プレポリマーの中から選ばれる少なくとも1種、並びに(C)分子内にラジカル重合性不飽和基を有するシリコーン化合物とを含む電離放射線感応型樹脂組成物の硬化物からなる屈折率1.52以下のハードコート層を設け、ハードコート層と透明プラスチックフィルムの屈折率の差が0 . 026以下であることを特徴とするハードコートフィルム。(A) Silica sol and / or radical-polymerizable unsaturated group-containing organic material on at least one surface of a transparent plastic film comprising a triacetyl cellulose film having a refractive index of 1.52 or less , an acrylic resin film, or an alicyclic structure-containing thermoplastic resin film. Silica fine particles to which the compound is bonded; (B) at least one selected from a polyfunctional acrylate monomer and an acrylate prepolymer; and (C) a silicone compound having a radically polymerizable unsaturated group in the molecule. A hard coat layer having a refractive index of 1.52 or less made of a cured product of an ionizing radiation sensitive resin composition is provided , and the difference in refractive index between the hard coat layer and the transparent plastic film is 0.026 or less . Hard coat film. ハードコート層中のシリカ含有量が20〜60重量%である請求項1記載のハードコートフィルム。  The hard coat film according to claim 1, wherein the silica content in the hard coat layer is 20 to 60% by weight. ハードコート層中の(C)成分含有量が0.05〜5重量%である請求項又は記載のハードコートフィルム。The hard coat film according to claim 1 or 2, wherein the content of the component (C) in the hard coat layer is 0.05 to 5% by weight. ハードコート層の厚さが0.5〜30μmである請求項1ないしのいずれかに記載のハードコートフィルム。The hard coat film according to any one of claims 1 to 3 , wherein the hard coat layer has a thickness of 0.5 to 30 µm.
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