Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP4265354B2 - 双方向dc−dcコンバータ - Google Patents

双方向dc−dcコンバータ Download PDF

Info

Publication number
JP4265354B2
JP4265354B2 JP2003334781A JP2003334781A JP4265354B2 JP 4265354 B2 JP4265354 B2 JP 4265354B2 JP 2003334781 A JP2003334781 A JP 2003334781A JP 2003334781 A JP2003334781 A JP 2003334781A JP 4265354 B2 JP4265354 B2 JP 4265354B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inductor
voltage
current
switching element
transistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003334781A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005102438A (ja
Inventor
廣城 太田
忠義 可知
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2003334781A priority Critical patent/JP4265354B2/ja
Publication of JP2005102438A publication Critical patent/JP2005102438A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4265354B2 publication Critical patent/JP4265354B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Description

本発明は、双方向DC−DCコンバータに関するものであり、特に、双方向DC−DCコンバータにおける損失低減に関するものである。
図13に示すように、特許文献1に開示されているチョッパ回路260では、モータ110の高出力時には、バッテリ130の電圧を昇圧してモータ110に給電し、モータ110の回生時には、モータ発電電圧を降圧してバッテリ130を充電する回路構成が開示されている。ここで、モータ110は、電気自動車等の走行用モータに使用されるインダクションモータであり、インバータ回路150で駆動される場合を示している。
モータ110を高い回転数で回転させる場合には、制御回路420は、トランジスタ280をオンさせ、バッテリ130からの電流をリアクトル320に流して電磁エネルギを蓄積させる。その後、トランジスタ280をオフさせ、リアクトル320に蓄積された電磁エネルギを、フライホイールダイオード290を介してコンデンサ220に蓄積させる。コンデンサ220の端子間電圧は、バッテリ130の電圧より高い電圧となり、チョッパ回路260は昇圧チョッパとして作用する。
また、モータ110の回転数が低下する場合には、モータ110は回生制動となる。制御回路420は、トランジスタ270をオンさせ、モータ110からの回生電流を、リアクトル320を介してバッテリ130に充電する。その後、トランジスタ270をオフさせ、リアクトル320に蓄積された電磁エネルギがバッテリ130に蓄積される。モータ発電電圧は、降圧されてバッテリ130に充電される。チョッパ回路260は降圧チョッパとして作用する。
尚、その他の関連技術として、特許文献2に開示されているDC−DCコンバータがある。
特開平8−214592号公報(0048乃至0051段落、図1) 特開2003−33013号公報
しかしながら、上記特許文献1のチョッパ回路260において、トランジスタ270、280のオン/オフ切替は、トランジスタ端子間に電圧が印加されているオフ状態からオン状態への切替、およびトランジスタに電流が流れているオン状態からオフ状態への切替が行われるところ、トランジスタ270、280の導通状態の遷移には所定の遷移時間がかかることから、遷移期間中の過渡状態では、トランジスタの端子間に電圧が印加されながら電流が流れることとなり、電力が消費される。いわゆるスイッチング損失が発生する。このスイッチング損失は、チョッパ回路260あるいはDC−DCコンバータ等、トランジスタをスイッチング制御させる際の損失として支配的なものである。
スイッチング損失により、バッテリ130からの投入電力に対するモータ110の駆動電力の比、すなわち電力効率が低下してしまい問題である。また、スイッチング損失により無為に消費された電力は、熱エネルギに変換されて機器の発熱原因となる。機器の使用環境上、発熱量に制限がある場合には、ヒートシンク等の冷却装置等が大型化してしまう。機器の大型化や重量増を招来してしまう場合もあり問題である。
本発明は前記従来技術の課題の少なくとも1つを解消するためになされたものであり、スイッチング素子の端子間に印加される電圧が僅少な状態でスイッチング動作を行うことにより、スイッチング損失を低減して、電力効率の向上や発熱量の低減を図ると共に、高周波数動作が可能な双方向DC−DCコンバータを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る双方向DC−DCコンバータは、一次電源端子に一端子が接続される第1インダクタと、二次電源端子と基準端子との間に直列に接続される上方スイッチング素子および下方スイッチング素子とを備え、上方および下方スイッチング素子の接続点に第1インダクタの他端子が接続されてなる双方向DC−DCコンバータであって、上方および下方スイッチング素子のうち少なくともいずれか一方の電流径路端子間に並列接続されるコンデンサと、上方スイッチング素子の導通により第1インダクタに電磁エネルギを蓄積する際、上方スイッチング素子の導通に先立ち、上方スイッチング素子の電流径路端子間の印加電圧を僅少とするため、第1インダクタに流れる電流に比して大きな電流を、接続点に流入する第1補助電流径路を形成する第1補助スイッチング素子と、下方スイッチング素子の導通により第1インダクタに電磁エネルギを蓄積する際、下方スイッチング素子の導通に先立ち、下方スイッチング素子の電流径路端子間の印加電圧を僅少とするため、第1インダクタに流れる電流に比して大きな電流を、接続点から流出する第2補助電流径路を形成する第2補助スイッチング素子とを備え、第1および第2補助電流径路には、トランスの一方巻線を備え、トランスの他方巻線は、中間タップを備え、中間タップと両側端子のうち一方は基準端子に接続され、他方は二次電源端子あるいは一次電源端子に接続され、両側端子は、基準端子から二次電源端子あるいは一次電源端子に向かう径路を順方向として接続された第1および第2ダイオードを備えることを特徴とする。
請求項1の双方向DC−DCコンバータでは、上方スイッチング素子の導通により、二次電源端子から第1インダクタに電流が流れ電磁エネルギが蓄積される場合、蓄積された電磁エネルギは、下方スイッチング素子の導通に伴い一次電源端子に放出される。このとき、上方スイッチング素子と下方スイッチング素子とが共に導通する期間がないように、上方および下方スイッチング素子の導通に先立ち、下方および上方スイッチング素子が非導通とされる。
上方スイッチング素子の非導通は、これに先立つ導通時に、上方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは放電状態に、下方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは充電状態にあることにより、接続点の電圧変化は緩やかに行われる。このため、上方スイッチング素子は、電流径路端子間の電圧差が僅少の状態で非導通とされる。その後の上方スイッチング素子の再導通に先立ち、第1補助スイッチング素子の導通により、第1インダクタに電磁エネルギが蓄積される際の電流に比して大きな電流が第1補助電流径路から接続点に流入するので、上方スイッチング素子は、電流径路端子間の電圧差が僅少な状態で導通される。ここで、第1補助電流径路に流れる電流により、第1インダクタの電磁エネルギの一部は、トランスおよび第1または第2ダイオードを介して、二次電源端子あるいは一次電源端子に戻される。
下方スイッチング素子の導通は、上方スイッチング素子の非導通に応じて第1インダクタに蓄積されている電磁エネルギにより、上方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは充電された上で、下方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは放電された上で、行なわれる。下方スイッチング素子は、電流径路端子間の電圧差が僅少となった状態で導通が行われる。また、下方スイッチング素子の非導通は、これに先立つ導通時に、上方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは充電状態に、下方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは放電状態にあることにより、接続点の電圧変化は緩やかに行われる。このため、下方スイッチング素子は、電流径路端子間の電圧差が僅少の状態で非導通とされる。
また、下方スイッチング素子の導通により、一次電源端子から第1インダクタに電流が流れ電磁エネルギが蓄積される場合、蓄積された電磁エネルギは、上方スイッチング素子の導通に伴い二次電源端子に放出される。このとき、上方スイッチング素子と下方スイッチング素子とが共に導通する期間がないように、上方および下方スイッチング素子の導通に先立ち、下方および上方スイッチング素子が非導通とされる。
下方スイッチング素子の非導通は、これに先立つ導通時に、上方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは充電状態に、下方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは放電状態にあることにより、接続点の電圧変化は緩やかに行われる。このため、下方スイッチング素子は、電流径路端子間の電圧差が僅少の状態で非導通とされる。その後の下方スイッチング素子の再導通に先立ち、第2補助スイッチング素子の導通により、第1インダクタに電磁エネルギが蓄積される際の電流に比して大きな電流が接続点から第2補助電流径路に流入するので、下方スイッチング素子は、電流径路端子間の電圧差が僅少な状態で導通される。ここで、第2補助電流径路に流れる電流により、主インダクタの電磁エネルギの一部は、トランスおよび第1または第2ダイオードを介して、二次電源端子あるいは一次電源端子に戻される。
上方スイッチング素子の導通は、下方スイッチング素子の非導通に応じて第1インダクタに蓄積されている電磁エネルギにより、上方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは放電された上で、下方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは充電された上で、行なわれる。上方スイッチング素子は、電流径路端子間の電圧差が僅少となった状態で導通が行われる。また、上方スイッチング素子の非導通は、これに先立つ導通時に、上方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは放電状態に、下方スイッチング素子の電流径路端子間にコンデンサが並列接続されていればそのコンデンサは充電状態にあることにより、上方スイッチング素子の電流径路端子間の電圧差が僅少の状態で非導通とされる。
これにより、双方向DC−DCコンバータにおいて、上方および下方スイッチング素子における電流径路端子間の電圧差を僅少とした上でスイッチング動作をさせることができる。スイッチング時に上方および下方スイッチング素子で消費されるスイッチング損失を低減することができる。
スイッチング損失の低減に伴い、双方向DC−DCコンバータの電圧変換における電力効率の向上を図ることができる。上方および下方スイッチング素子でのスイッチング損失による発熱も低減でき、ヒートシンク等の冷却装置等を小型・軽量化することができる。
双方向DC−DCコンバータにおけるスイッチング動作の高周波化が可能となり、可聴周波数帯以上の周波数でスイッチング動作させることも可能となる。動作時の電磁エネルギに伴う第1インダクタ等の振動を可聴周波数帯からずらすことができ、動作時の異音防止を行うことができる。
また、第1スイッチング素子を導通するために形成される第1および第2補助電流径路には、トランスの一方巻線が備えられている。トランスには、通常、等価回路として一方巻線に直列に接続される漏れインダクタンスが含まれており、第1インダクタのインダクタンス値に比して小さなインダクタンス値を有するものと考えられる。このインダクタンス値が、トランスの巻線比に応じて誘起される一方巻線の電圧値と接続点の電圧値とによる端子間電圧と相俟って、第1インダクタに投入される電流の時間傾きに比して急峻な時間傾きを有する電流を第1および第2補助電流径路に流すこととなる。漏れインダクタンス値やトランスの巻線比に応じて調整される時間傾きにより、電流値の大小関係が逆転するタイミングや逆転状態の時間幅を調整することができ、第1および第2スイッチング素子の導通タイミングを十分な時間的余裕の中で安定して設定することができる。
また、第1および第2補助電流径路に流れる電流についても、トランスを介して他方巻線から低圧電源端子または高圧電源端子に放出することができ、双方向DC−DCコンバータの電圧変換における電力効率の向上を図ることができる。
これにより、スイッチング損失の低減された双方向コンバータを構成することができる。
また、請求項2に係る双方向DC−DCコンバータは、請求項1に記載の双方向DC−DCコンバータにおいて、接続点とトランスの一方巻線との間に、第2インダクタを備えることを特徴とする。
請求項2の双方向DC−DCコンバータでは、補助電流径路に流れる電流の時間傾きは、トランスの漏れインダクタンスに代えて、または漏れインダクタンスと共に、第2インダクタにより決定される。これにより、第2インダクタのインダクタンス値を調整することにより、第1および第2補助電流径路に流れる電流の時間傾きを調整することができる。
また、請求項3に係る双方向DC−DCコンバータは、請求項1または2に記載の双方向DC−DCコンバータにおいて、第1および第2補助電流経路が形成される際、他方巻線に印加される電圧に対して、トランスの巻き線比に応じて一方巻線に誘起される電圧により、接続点と一方巻線との間に存在する、トランスの漏れインダクタンス成分、第2インダクタ、あるいは漏れインダクタンス成分と第2インダクタとの合成インダクタに印加される電圧は、二次電源端子における電圧の略半分であることを特徴とする。
これにより、トランスの漏れインダクタンス成分、第2インダクタ、あるいは漏れインダクタンス成分と第2インダクタとの合成インダクタに流れる電流について、電流の増加/減少の各々の時間傾きを略等しくすることができる。
また、請求項4に係る双方向DC−DCコンバータは、請求項1に記載の双方向DC−DCコンバータにおいて、上方および下方スイッチング素子の電流径路端子間には、第1インダクタに電磁エネルギを蓄積する際に流れる電流の電流方向とは逆方向を順方向として接続される逆並列ダイオードを備えることを特徴とする。
請求項4の双方向DC−DCコンバータでは、上方および下方スイッチング素子の再導通に先立ち、第1および第2補助電流径路に、第1インダクタに電磁エネルギを蓄積する際に流れる電流に比して大きな電流が流れる際、その一部は逆並列ダイオードを流れる。これにより、上方および下方スイッチング素子における電流径路端子間の電圧差を、逆並列ダイオードの順方向電圧にクランプすることができる。
本発明によれば、スイッチング素子の端子間に印加される電圧が僅少な状態でスイッチング動作を行うことができ、スイッチング損失が低減された双方向DC−DCコンバータを提供することが可能となる。
以下、本発明の双方向DC−DCコンバータについて具体化した実施形態を図1乃至図12に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、図3乃至図6、図8乃至図11では、導通状態をわかり易くするため、非導通状態の回路要素を省略して説明している。
図1は、第1実施形態の双方向DC−DCコンバータの回路図である。双方向コンバータに、発明部分である補助回路部1を付加した回路構成を有している。
双方向コンバータは、入力電圧VINを昇圧して負荷LDに供給すると共に、負荷LDがモータ等の場合、回生エネルギを降圧して入力電圧VINに再充電する機能を有している。図1に示す双方向コンバータは、入力電圧VINと負荷LDとの間で基準端子が共通に接続された、いわゆる非絶縁型のDC−DCコンバータである。入力電圧VINの高電圧側の端子が入力端子であり、負荷LDの高電圧側の端子が出力端子である。トランジスタQ1、Q2は、トランジスタQ1のエミッタ端子とトランジスタQ2のコレクタ端子とが接続点Xで接続されると共に、トランジスタQ1のコレクタ端子が出力端子に、トランジスタQ2のエミッタ端子が基準電圧に接続され、出力端子と基準電圧との間に直列に接続されている。尚、トランジスタQ1、Q2のベース端子は、不図示のコントローラにより排他的に導通制御される。また、トランジスタQ1、Q2には、エミッタ端子からコレクタ端子に向かって順方向に逆並列ダイオードD1、D2が接続されている。接続点Xと入力端子との間には、インダクタL1が接続されている。また、入力端子および出力端子と基準端子との間には、入力電圧VINおよび負荷LDに並列にコンデンサCINおよびCOUTが接続されている。ここで、トランジスタQ1が上方スイッチング素子であり、トランジスタQ2が下方スイッチング素子である。また、入力端子が一次電源端子であり、出力端子が二次電源端子である。また、入力電圧VINが接続される入力端子が、低圧電源端子であり、負荷LDに接続される出力端子が、高圧電源端子である。負荷LDは具体的には図示されてはいないが、例えば、インバータ回路等を介して駆動されるインダクションモータ等が考えられる。ガソリンエンジンとモータ駆動との切替により走行するハイブリッド自動車や、モータ駆動のみによって走行する電気自動車等に適用する場合が一例である。例えば、入力電圧VINに300V、負荷LDに供給すべき出力電圧VOUTに500Vが供給される。
入力電圧VINを出力電圧VOUTに昇圧する昇圧コンバータとして動作する場合は、トランジスタQ2の導通によりインダクタL1に蓄積された電磁エネルギを、トランジスタQ1および逆並列ダイオードD1を介して負荷LDに供給することにより行われる。また、出力電圧VOUTを入力電圧VINに降圧する降圧コンバータとして動作する場合は、トランジスタQ1の導通によりインダクタL1に蓄積された電磁エネルギを、トランジスタQ2および逆並列ダイオードD2を介して入力電圧VINに供給することにより行われる。
ここで、コンデンサCIN、およびCOUTは、平滑用のコンデンサである。また、トランジスタQ1、Q2は、IGBT、MOS、バイポーラ等のトランジスタを使用することができる。この場合、逆並列ダイオードD1、D2は、各トランジスタQ1、Q2に内蔵されている場合の他、別途ダイオード素子を接続することもできる。
補助回路部1は、トランジスタQ1およびQ2の各々のコレクタ・エミッタ間に接続される、コンデンサC1およびC2を備えている。更に、トランジスタQ1およびQ2の接続点Xと、出力端子および基準端子との間に、第1および第2補助電流径路が構成されている。
接続点Xから、インダクタL2およびトランスT1の一方巻線までは、第1および第2補助電流径路に共通である。第1補助電流径路では、一方巻線からトランジスタQ3を介して出力端子に至る径路が形成される。第2補助電流径路では、一方巻線からトランジスタQ4を介して基準端子に至る径路が形成される。ここで、トランジスタQ3、Q4が第1、第2補助トランジスタである。
トランスT1の他方巻線には、基準端子に接続される中間タップが備えられると共に、両端端子は、各々、ダイオードD3、D4のアノードに接続され、ダイオードD3、D4のカソードは出力端子に接続されている。
先ず、図2および図3乃至図6において、第1実施形態の双方向コンバータにおける昇圧動作を説明する。図2にタイミングチャートを、図3乃至図6には、各動作における回路の動作状態を示す。以下の説明では、回路上の動作状態(図3乃至図6)を適宜に参照しながら、昇圧動作のタイミングチャート(図2)を説明する。尚、図2において、VGQ1、VGQ2、VGQ4は、トランジスタQ1、Q2、Q4のベース端子GQ1、GQ2、GQ4に印加される電圧である。また、IL1、IL2は、入力電圧VINから接続点X、接続点XからトランスT1に向かう電流を正方向とするインダクタL1、L2に流れる電流、ID4は、ダイオードD4に流れる電流、ID1、ID2は、逆並列ダイオードD1、D2に流れる電流、IQ1、IQ2は、トランジスタQ1、Q2に流れる電流を示す。また、VQ2は、接続点Xの電圧を示す。VL2は、インダクタL2の端子間に印加される電圧である。
図2中(1)および(2)、および図3は、インダクタL1への電磁エネルギの蓄積期間である。図2中(1)の期間では、インダクタL1に電磁エネルギが蓄積される。図3の(1)にこの期間の動作状態を示す。トランジスタQ2のゲート端子GQ2に印加されるゲート電圧VGQ2がハイレベルでありトランジスタQ2は導通している。入力電圧VINから、インダクタL1およびトランジスタQ2を介して基準端子に戻る電流径路が確立する。インダクタL1の端子間には入力電圧VINが印加され、入力電圧VINから接続点Xに向う方向(この方向を正方向とする。)に、所定の正の時間傾きを有するインダクタ電流IL1が流れる。インダクタL1にはインダクタ電流IL1に応じた電磁エネルギが蓄積される。
所定時間の経過後、図2中(2)に移行する。ゲート端子GQ2に印加されるゲート電圧VGQ2がローレベルに遷移することによりトランジスタQ2が非導通となる。このときの接続点Xの電圧VQ2は、直前までトランジスタQ2が導通しているため基準端子の電圧である基準電圧に略等しい電圧値となっている。このためコンデンサC1は充電状態にありコンデンサC2は放電状態にある。トランジスタQ2の非導通後、インダクタL1に流れているインダクタ電流IL1は、コンデンサC1の放電、およびC2の充電に費やされるため(図3中(2))、接続点Xにおける電圧VQ2の電圧値の上昇はトランジスタQ2の非導通に遅れて立ち上がることとなる。このため、トランジスタQ2の非導通状態へのスイッチングは、コレクタ・エミッタ間に僅かな電圧が印加された状態で行われることとなる。0Vスイッチングが行われトランジスタQ2の非導通状態へのスイッチング損失を低減させることができる。
図2中(3)乃至(5)、および図4は、インダクタL1からの電磁エネルギの放出期間である。図2中(3)の期間では、トランジスタQ1のゲート端子GQ1に印加されるゲート電圧VGQ1がハイレベルとなりトランジスタQ1が導通する。導通したトランジスタQ1は逆並列ダイオードD1と共に、インダクタL1から出力端子に向かってインダクタ電流IL1を流す。これにより電磁エネルギが出力端子に放出されて負荷LDに昇圧された出力電圧VOUTが供給される(図4中(3))。接続点Xは出力電圧VOUTに略等しい電圧となり、インダクタL1の端子間には出力電圧VOUTと入力電圧VINとの差電圧が、接続点Xから入力電圧VINに向う方向(この方向を負方向とする。)に印加され、インダクタL1には所定の負の時間傾きを有するインダクタ電流IL1が流れる。尚、ゲート電圧VGQ1がハイレベルに遷移しトランジスタQ1が導通状態に遷移する際にはコンデンサC1は放電状態となっているため、トランジスタQ1の導通状態へのスイッチングは、コレクタ・エミッタ間に僅かな電圧が印加された状態で行われることとなる。0Vスイッチングが行われトランジスタQ1の導通状態へのスイッチング損失を低減させることができる。
この状態からトランジスタQ4のゲート端子GQ4にハイレベルのゲート電圧VGQ4が印加される(図2中(4))。接続点Xから、インダクタL2、トランスT1の一方巻線、およびトランジスタQ4を介して基準端子への補助電流径路が形成され、インダクタ電流IL2が流れ始める(図4中(4))。同時に、トランスT1の中間タップからダイオードD4を介して出力端子に至る他方巻線から、出力端子に電磁エネルギが供給される。補助電流径路形成の初期の段階において、トランジスタQ1および逆並列ダイオードD1を介して出力端子に供給されていたインダクタL1の電磁エネルギが、インダクタ電流IL1の一部がインダクタ電流IL2に分流されることにより、トランスT1を介して出力端子に供給されることになる。補助電流径路の形成に伴う損失の増大は抑制することができる。
ここで、トランスT1において、一方巻線と他方巻線との巻線比を1:2とすれば、一方巻線とインダクタL2との間には出力電圧VOUTの略半分の電圧が誘起されることとなる。
図2および図4中、(4)および(5)の期間においては、出力電圧VOUTと入力電圧VINとの差電圧がインダクタL1の負方向に印加されて、インダクタ電流IL1は蓄積された電磁エネルギに応じた電流値から所定の負の傾きを有して減少する。これに対して、インダクタL1のインダクタンス値に比して小さなインダクタンス値を有するインダクタL2には、出力電圧VOUTの略半分の差電圧がインダクタ電流IL2を増大させる方向に印加されるため、所定時間の経過後、インダクタ電流IL2はインダクタ電流IL1を越えて増大することとなる(図2および図4中(5))。インダクタ電流IL2のうち、インダクタ電流IL1を越えて増大した電流は、導通状態にあるトランジスタQ1を介して出力端子から供給される。
この状態からゲート電圧VGQ1をローレベルに遷移してトランジスタQ1を非導通状態に遷移する(図2および図5中(6))。これと図2および図5中(7)とが、インダクタL1からの電磁エネルギの放出から再蓄積に移行する期間である。
図2中(6)において、ゲート端子GQ1に印加されるゲート電圧VGQ1がローレベルに遷移することによりトランジスタQ1が非導通となる。このときの接続点Xの電圧VQ2は、直前までトランジスタQ1が導通しているため出力電圧VOUTに略等しい電圧値となっている。コンデンサC1は放電状態にあり、コンデンサC2は充電状態にある。トランジスタQ1の非導通後、インダクタ電流IL2のうちインダクタ電流IL1を越える電流は、コンデンサC1の充電、およびコンデンサC2の放電に費やされるため(図5中(6))、接続点Xの電圧VQ2の電圧値は、トランジスタQ1の非導通に遅れて立ち下がることとなる。このため、トランジスタQ1の非導通状態へのスイッチングは、コレクタ・エミッタ間に僅かな電圧が印加された状態で行われることとなる。0Vスイッチングが行われトランジスタQ1の非導通状態へのスイッチング損失を低減させることができる。
コンデンサC1が充電されコンデンサC2が放電されて、接続点Xの電圧VQ2が基準電圧近くの電圧値にまで降下した後は、インダクタ電流IL2の供給はトランジスタQ2の逆並列ダイオードD2を介して継続される。そのため、接続点Xの電圧VQ2は、基準電圧あるいは基準電圧からダイオードの順方向電圧だけ降下した電圧に維持されて、インダクタL2にはインダクタ電流IL2を減少させる方向に電圧が印加され、インダクタ電流IL2は負の時間傾きとなる(図2および図5中(7))。
尚、インダクタL2に印加される電圧は、トランスT1との接続点においては出力電圧VOUTの略半分に固定されるところ、接続点Xの電圧VQ2は、電磁エネルギの放出期間においては出力電圧VOUTに略等しい電圧値となり、電磁エネルギの蓄積期間においては基準電圧に略等しい電圧値となる。すなわち、エネルギ放出期間とエネルギ蓄積期間とにおいて、印加電圧値は、その大きさが出力電圧VOUTの略半分の電圧値に維持されながら印加方向が逆転されて印加されることとなる。エネルギ放出期間において所定の時間傾きで増加したインダクタ電流IL2は、エネルギ蓄積期間において、略等しい時間傾きで減少する。
トランジスタQ1の非導通後に再度トランジスタQ2を導通するタイミングを、図2および図6中(8)に示す。前述したように、トランジスタQ1が非導通となりコンデンサC1、C2の充放電が完了すると、インダクタ電流IL2は減少に転ずる。インダクタ電流IL2がインダクタ電流IL1に比して大きい期間においては、逆並列ダイオードD2を介してインダクタ電流IL2が補給されるところ、インダクタ電流IL2がインダクタ電流IL1を下回った後のインダクタ電流IL1の電流径路を確保する必要がある。そこで、インダクタ電流IL2がインダクタ電流IL1に比して大きい期間にトランジスタQ2の導通タイミングを設定する。この時点では逆並列ダイオードD2が導通しているので、トランジスタQ2の導通状態へのスイッチングは、コレクタ・エミッタ間に僅かな電圧が印加された状態で行われることとなる。0Vスイッチングが行われトランジスタQ2の導通状態へのスイッチング損失を低減させることができる。そして、トランジスタQ4のゲート端子GQ4に印加されるゲート端子VGQ4がローレベルとなり、トランジスタQ4が非導通となる。
以後、図2および図3中(1)に戻り、上記の動作が繰り返されることにより、昇圧動作が行われる。
次に、図7および図8乃至図11において、第1実施形態の双方向コンバータにおける降圧動作を説明する。図7にタイミングチャートを、図8乃至図11には、各動作における回路の動作状態を示す。以下の説明では、回路上の動作状態(図8乃至図11)を適宜に参照しながら、降圧動作のタイミングチャート(図7)を説明する。尚、図7において、VGQ1、VGQ2、VGQ3は、トランジスタQ1、Q2、Q3のベース端子GQ1、GQ2、GQ3に印加される電圧である。また、IL1、IL2は、入力電圧VINから接続点X、接続点XからトランスT1に向かう電流を正方向とするインダクタL1、L2に流れる電流、ID3は、ダイオードD3に流れる電流、ID1、ID2は、逆並列ダイオードD1、D2に流れる電流、IQ1、IQ2は、トランジスタQ1、Q2に流れる電流を示す。また、VQ2は、接続点Xの電圧を示す。VL2は、インダクタL2の端子間に印加される電圧である。
図7中(1)および(2)、および図8は、インダクタL1への電磁エネルギの蓄積期間である。図7中(1)の期間では、インダクタL1に電磁エネルギが蓄積される。図8の(1)にこの期間の動作状態を示す。トランジスタQ1のゲート端子GQ1に印加されるゲート電圧VGQ1がハイレベルでありトランジスタQ1は導通している。出力端子に接続されている負荷LDから回生される出力電圧VOUTから、トランジスタQ1およびインダクタL1を介して入力端子に至る電流径路が確立する。インダクタL1の端子間には出力電圧VOUTと入力電圧VINとの差電圧が印加され、接続点Xから入力電圧VINに向う方向(この方向を負方向とする。)に、所定の正の時間傾きを有するインダクタ電流IL1が流れる。インダクタL1にはインダクタ電流IL1に応じた電磁エネルギが蓄積される。
所定時間の経過後、図7中(2)に移行する。ゲート端子GQ1に印加されるゲート電圧VGQ1がローレベルに遷移することによりトランジスタQ1が非導通となる。このときの接続点Xの電圧VQ2は、直前までトランジスタQ1が導通しているため出力電圧VOUTに略等しい電圧値となっている。このためコンデンサC1は放電状態にありコンデンサC2は充電状態にある。トランジスタQ1の非導通後、インダクタL1に流れているインダクタ電流IL1は、コンデンサC1の充電、およびC2の放電に費やされるため(図8中(2))、接続点Xにおける電圧VQ2の電圧値の降下はトランジスタQ1の非導通に遅れることとなる。このため、トランジスタQ1の非導通状態へのスイッチングは、コレクタ・エミッタ間に僅かな電圧が印加された状態で行われることとなる。0Vスイッチングが行われトランジスタQ1の非導通状態へのスイッチング損失を低減させることができる。
図7中(3)乃至(5)、および図9は、インダクタL1からの電磁エネルギの放出期間である。図7中(3)の期間では、トランジスタQ2のゲート端子GQ2に印加されるゲート電圧VGQ2がハイレベルとなりトランジスタQ2が導通する。導通したトランジスタQ2は逆並列ダイオードD2と共に、インダクタL1から入力端子に向かってインダクタ電流IL1を流す。これにより電磁エネルギが入力端子に放出されて出力電圧VOUTから降圧された入力電圧VINが供給される(図9中(3))。接続点Xは基準電圧に略等しい電圧となり、インダクタL1の端子間には入力電圧VINと基準電圧との差電圧が、入力端子から接続点Xに向う方向(この方向を正方向とする。)に印加され、インダクタL1には所定の負の時間傾きを有するインダクタ電流IL1が流れる。尚、ゲート電圧VGQ2がハイレベルに遷移しトランジスタQ2が導通状態に遷移する際にはコンデンサC2は放電状態となっているため、トランジスタQ2の導通状態へのスイッチングは、コレクタ・エミッタ間に僅かな電圧が印加された状態で行われることとなる。0Vスイッチングが行われトランジスタQ2の導通状態へのスイッチング損失を低減させることができる。
この状態からトランジスタQ3のゲート端子GQ3にハイレベルのゲート電圧VGQ3が印加される(図7中(4))。出力端子から、トランジスタQ3、トランスT1の一方巻線、インダクタL2、および接続点Xに至る補助電流径路が形成され、インダクタ電流IL2が流れ始める(図9中(4))。同時に、トランスT1の中間タップからダイオードD3を介して出力端子に至る他方巻線から、出力端子に電磁エネルギが供給される。補助電流径路の形成前にはトランジスタQ2および逆並列ダイオードD2を介して入力端子に供給されていたインダクタL1は、その一部が、補助電流径路の形成によりインダクタ電流IL2により供給されることとなる。インダクタL1に蓄積されている電磁エネルギは、インダクタ電流IL2によりトランスT1を介して出力端子に戻されることになる。補助電流径路の形成に伴う損失の増大を抑制することができる。
ここで、トランスT1において、一方巻線と他方巻線との巻線比を1:2とすれば、一方巻線とインダクタL2との間には出力電圧VOUTの略半分の電圧が誘起されることとなる。
図7および図9中、(4)および(5)の期間においては、入力電圧VINと基準電圧との差電圧がインダクタL1の正方向に印加されて、インダクタ電流IL1は蓄積された電磁エネルギに応じた電流値から所定の正の傾きを有して減少する。これに対して、インダクタL1のインダクタンス値に比して小さなインダクタンス値を有するインダクタL2には、出力電圧VOUTの略半分の差電圧がインダクタ電流IL2を負方向に増大させるように印加されるため、所定時間の経過後、インダクタ電流IL2はインダクタ電流IL1を越えて増大することとなる(図7および図9中(5))。インダクタ電流IL2のうち、インダクタ電流IL1を越えて増大した電流は、導通状態にあるトランジスタQ2を介して基準端子に流れる。
この状態からゲート電圧VGQ2をローレベルに遷移してトランジスタQ2を非導通状態に遷移する(図7および図10中(6))。これと図7および図10中(7)とが、インダクタL1からの電磁エネルギの放出から再蓄積に移行する期間である。
図7中(6)において、ゲート端子GQ2に印加されるゲート電圧VGQ2がローレベルに遷移することによりトランジスタQ2が非導通となる。このときの接続点Xの電圧VQ2は、直前までトランジスタQ2が導通しているため基準電圧に略等しい電圧値となっている。コンデンサC2は放電状態にあり、コンデンサC1は充電状態にある。トランジスタQ2の非導通後、インダクタ電流IL2のうちインダクタ電流IL1を越える電流は、コンデンサC2の充電、およびコンデンサC1の放電に費やされるため(図10中(6))、接続点Xの電圧VQ2の電圧値は、トランジスタQ2の非導通に遅れて立ち上がることとなる。このため、トランジスタQ2の非導通状態へのスイッチングは、コレクタ・エミッタ間に僅かな電圧が印加された状態で行われることとなる。0Vスイッチングが行われトランジスタQ2の非導通状態へのスイッチング損失を低減させることができる。
コンデンサC2が充電されコンデンサC1が放電されて、接続点Xの電圧VQ2が出力電圧VOUT近くの電圧値にまで上昇した後は、インダクタ電流IL2はトランジスタQ1の逆並列ダイオードD1を介して継続される。そのため、接続点Xの電圧VQ2は、出力電圧VOUTに維持されて、インダクタL2にはインダクタ電流IL2を減少させる方向に電圧が印加され、インダクタ電流IL2は正の時間傾きとなる(図7および図10中(7))。
尚、インダクタL2に印加される電圧は、トランスT1との接続点においては出力電圧VOUTの略半分に固定されるところ、接続点Xの電圧VQ2は、電磁エネルギの放出期間においては基準電圧に略等しい電圧値となり、電磁エネルギの蓄積期間においては出力電圧VOUTに略等しい電圧値となる。すなわち、エネルギ放出期間とエネルギ蓄積期間とにおいて、印加電圧値は、その大きさが出力電圧VOUTの略半分の電圧値に維持されながら印加方向が逆転されて印加されることとなる。エネルギ放出期間において所定の時間傾きで負方向に増加したインダクタ電流IL2は、エネルギ蓄積期間において、略等しい時間傾きで減少する。
トランジスタQ2の非導通後に再度トランジスタQ1を導通するタイミングを、図7および図11中(8)に示す。前述したように、トランジスタQ2が非導通となりコンデンサC2、C1の充放電が完了すると、インダクタ電流IL2は減少に転ずる。インダクタ電流IL2がインダクタ電流IL1に比して大きい期間においては、逆並列ダイオードD1を介してインダクタ電流IL2が維持されるところ、インダクタ電流IL2がインダクタ電流IL1を下回った後のインダクタ電流IL1の電流径路を確保する必要がある。そこで、インダクタ電流IL2がインダクタ電流IL1に比して大きい期間にトランジスタQ1の導通タイミングを設定する。この時点では逆並列ダイオードD1が導通しているので、トランジスタQ1の導通状態へのスイッチングは、コレクタ・エミッタ間に僅かな電圧が印加された状態で行われることとなる。0Vスイッチングが行われトランジスタQ1の導通状態へのスイッチング損失を低減させることができる。そして、トランジスタQ3のゲート端子GQ3に印加されるゲート端子VGQ3がローレベルとなり、トランジスタQ3が非導通となる。
以後、図7および図8中(1)に戻り、上記の動作が繰り返されることにより、降圧動作が行われる。
図12には、第2実施形態の双方向DC−DCコンバータの回路図を示す。第1実施形態と同様な双方向コンバータについての実施形態である。第1実施形態における補助回路部1に代えて、補助回路部1Aを備えている。
補助回路部1Aでは、トランスT1の他方巻線がダイオードD3、D4を介して入力端子に接続されている。補助電流経路が形成された際にインダクタ電流IL2に伴うエネルギを入力電圧VINに戻す構成である。その他の回路構成、作用・効果については第1実施形態の場合と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以上詳細に説明したとおり、本実施形態に係る双方向DC−DCコンバータによれば、インダクタL1への電磁エネルギの蓄積と放出に際しスイッチング動作を行うトランジスタQ1、Q2について、スイッチング時におけるコレクタ・エミッタ間の電圧差を僅かとして0Vスイッチング動作を行わせることにより、スイッチング損失の低減を実現することができる。
スイッチング損失の低減に伴い、双方向DC−DCコンバータの電圧変換における電力効率の向上を図ることができる。トランジスタQ1、Q2でのスイッチング損失による発熱も低減でき、ヒートシンク等の冷却装置等を小型・軽量化することができる。
双方向DC−DCコンバータにおけるスイッチング動作の高周波化が可能となり、可聴周波数帯以上の周波数でスイッチング動作させることも可能となる。動作時の電磁エネルギに伴うインダクタL1等の振動を可聴周波数帯からずらすことができ、動作時の異音防止を行うことができる。
また、補助電流径路には、トランスT1の一方巻線が備えられている。トランスT1には、通常、等価回路として一方巻線に直列に接続される漏れインダクタンスが含まれており、インダクタL1のインダクタンス値に比して小さなインダクタンス値を有するものと考えられる。このインダクタンス値が、トランスT1の巻線比に応じて誘起される一方巻線の電圧値と接続点Xの電圧値とによる端子間電圧と相俟って、投入電流であるインダクタ電流IL1の時間傾きに比して急峻な時間傾きを有する電流を補助電流径路に流すこととなる。漏れインダクタンス値やトランスT1の巻線比に応じて調整される時間傾きにより、電流値の大小関係が逆転するタイミングや逆転状態の時間幅を調整することができ、トランジスタQ1またはQ2の導通タイミングを十分な時間余裕の中で安定して設定することができる。
ここで、トランスT1の巻線比を出力電圧VOUTの略半分にすることにより、トランスT1の漏れインダクタンス成分やインダクタL2、あるいはこれらの合成インダクタに流れるインダクタ電流IL2について、電流の増加/減少の各々の時間傾きを略等しくすることができる。
また、補助電流径路に流れるインダクタ電流IL2について、トランスT1を介して他方巻線から出力端子に送り、または入力端子に戻すことができる。双方向DC−DCコンバータの電圧変換における電力効率の向上を図ることができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、本発明を双方向コンバータに使用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、昇圧コンバータや降圧コンバータについても同様に適用することができることは言うまでもない。
また、所定のインダクタンス値を有するインダクタL2を使用し、トランスT1の一方巻線と他方巻線との巻線比を1:2として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。これらの値を調整することにより、インダクタ電流IL2の時間傾きを調整することができ、トランジスタQ2またはQ1の導通タイミングを調整することが可能である。
また、本実施形態では、トランジスタQ1、Q2の各々の電流径路端子間に並列にコンデンサC1、C2が接続される場合を例に説明したが、コンデンサの充放電により決定される接続点Xの電圧変化がトランジスタQ1、Q2の0Vスイッチングが可能な程度に緩やかに変化するようにコンデンサの容量値を確保できる場合には、コンデンサC1、C2のうちいずれか一方を備えていればよい。
また、本実施形態では、トランスT1の他方巻線について、中間タップが基準端子に接続され、両側端子がダイオードD3、D4のアノードに接続され、ダイオードD3、D4のカソードが出力端子に接続される場合を例にとり説明したが、逆方向の接続も可能であることはいうまでもない。すなわち、中間タップが出力端子に接続され、両側端子がダイオードD3、D4のカソードに接続され、ダイオードD3、D4のアノードが基準端子に接続される場合でも、インダクタL1の電磁エネルギを出力端子に供給することができる。また、出力端子に代えて入力端子に接続することにより、電磁エネルギを入力端子に戻すことも考えられる。
本実施形態では、一次電源端子に入力電圧VINを接続し、二次電源端子に負荷を接続して、モータ等の負荷を制動する際のエネルギを入力電圧VINに回生する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。二次電源端子に、入力電圧VINに比して高電圧のバッテリ等の電圧源を接続する場合にも適用できることは言うまでもない。
第1実施形態の双方向DC−DCコンバータの回路図である。 第1実施形態の双方向DC−DCコンバータにおける昇圧動作を示すタイミングチャートである。 昇圧動作のうち、インダクタへの電磁エネルギの蓄積期間を示す図である。 昇圧動作のうち、インダクタからの電磁エネルギの放出期間を示す図である。 昇圧動作のうち、電磁エネルギの放出から蓄積に遷移する期間を示す図である。 昇圧動作のうち、電磁エネルギの蓄積状態に遷移する際のトランジスタの導通タイミングを示す図である。 第1実施形態の双方向DC−DCコンバータにおける降圧動作を示すタイミングチャートである。 降圧動作のうち、インダクタへの電磁エネルギの蓄積期間を示す図である。 降圧動作のうち、インダクタからの電磁エネルギの放出期間を示す図である。 降圧動作のうち、電磁エネルギの放出から蓄積に遷移する期間を示す図である。 降圧動作のうち、電磁エネルギの蓄積状態に遷移する際のトランジスタの導通タイミングを示す図である。 第2実施形態の双方向DC−DCコンバータの回路図である。 従来技術においてチョッパ回路を備えるモータ駆動装置の回路図である。
符号の説明
1、1A 補助回路部
C1、C2 コンデンサ
D1、D2 逆並列ダイオード
IL1、IL2 インダクタ電流
L1、L2 インダクタ
LD 負荷
Q1乃至Q4 トランジスタ
T1 トランス
VIN 入力電圧

Claims (4)

  1. 一次電源端子に一端子が接続される第1インダクタと、二次電源端子と基準端子との間に直列に接続される上方スイッチング素子および下方スイッチング素子とを備え、前記上方および下方スイッチング素子の接続点に前記第1インダクタの他端子が接続されてなる双方向DC−DCコンバータであって、
    前記上方および下方スイッチング素子のうち少なくともいずれか一方の電流径路端子間に並列接続されるコンデンサと、
    前記上方スイッチング素子の導通により前記第1インダクタに電磁エネルギを蓄積する際、前記上方スイッチング素子の導通に先立ち、前記上方スイッチング素子の電流径路端子間の印加電圧を僅少とするため、前記第1インダクタに流れる電流に比して大きな電流を、前記接続点に流入する第1補助電流径路を形成する第1補助スイッチング素子と、
    前記下方スイッチング素子の導通により前記第1インダクタに電磁エネルギを蓄積する際、前記下方スイッチング素子の導通に先立ち、前記下方スイッチング素子の電流径路端子間の印加電圧を僅少とするため、前記第1インダクタに流れる電流に比して大きな電流を、前記接続点から流出する第2補助電流径路を形成する第2補助スイッチング素子とを備え、
    前記第1および第2補助電流径路には、トランスの一方巻線を備え、
    前記トランスの他方巻線は、中間タップを備え、中間タップと両側端子のうち一方は基準端子に接続され、他方は前記二次電源端子あるいは前記一次電源端子に接続され、
    前記両側端子は、前記基準端子から前記二次電源端子あるいは前記一次電源端子に向かう径路を順方向として接続された第1および第2ダイオードを備えることを特徴とする双方向DC−DCコンバータ。
  2. 前記接続点と前記トランスの一方巻線との間に、第2インダクタを備えることを特徴とする請求項1に記載の双方向DC−DCコンバータ。
  3. 前記第1または第2補助電流経路が形成される際、前記他方巻線に印加される電圧に対して、前記トランスの巻き線比に応じて前記一方巻線に誘起される電圧により、前記接続点と前記一方巻線との間に存在する、前記トランスの漏れインダクタンス成分、前記第2インダクタ、あるいは前記漏れインダクタンス成分と前記第2インダクタとの合成インダクタに印加される電圧は、前記二次電源端子における電圧の略半分であることを特徴とする請求項1または2に記載の双方向DC−DCコンバータ。
  4. 前記上方および下方スイッチング素子の電流径路端子間には、前記第1インダクタに電磁エネルギを蓄積する際に流れる電流の電流方向とは逆方向を順方向として接続される逆並列ダイオードを備えることを特徴とする請求項1に記載の双方向DC−DCコンバータ。
JP2003334781A 2003-09-26 2003-09-26 双方向dc−dcコンバータ Expired - Fee Related JP4265354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003334781A JP4265354B2 (ja) 2003-09-26 2003-09-26 双方向dc−dcコンバータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003334781A JP4265354B2 (ja) 2003-09-26 2003-09-26 双方向dc−dcコンバータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005102438A JP2005102438A (ja) 2005-04-14
JP4265354B2 true JP4265354B2 (ja) 2009-05-20

Family

ID=34462356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003334781A Expired - Fee Related JP4265354B2 (ja) 2003-09-26 2003-09-26 双方向dc−dcコンバータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4265354B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5018966B2 (ja) * 2009-06-11 2012-09-05 トヨタ自動車株式会社 コンバータ制御装置
WO2010150338A1 (ja) 2009-06-22 2010-12-29 トヨタ自動車株式会社 コンバータ制御装置
JP5464451B2 (ja) 2009-07-10 2014-04-09 トヨタ自動車株式会社 コンバータ制御装置
JP2011109775A (ja) 2009-11-16 2011-06-02 Toyota Motor Corp コンバータ制御装置
JP7241629B2 (ja) * 2019-07-18 2023-03-17 ニチコン株式会社 双方向dc/dcコンバータ
CN110784202A (zh) * 2019-12-03 2020-02-11 浙江佳明天和缘光伏科技有限公司 一种通过单路信号能对两个串联mos管驱动的快速关断装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005102438A (ja) 2005-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5660025B2 (ja) 電圧変換回路およびその電圧変換回路を備える電圧変換システム
JP5492040B2 (ja) 電源システム
JP4379441B2 (ja) 電源システムおよびそれを備えた車両、蓄電装置の昇温制御方法、ならびに蓄電装置の昇温制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体
JP5325983B2 (ja) Dc/dc電力変換装置
CN108696107B (zh) 单电源供电的混合动力驱动谐振栅极驱动器
JP5447520B2 (ja) コンバータ制御装置及び多相コンバータ
JP2017221103A (ja) Dc/dcコンバータのシステムおよび方法
JP5938881B2 (ja) 電力変換回路
US10574144B1 (en) System and method for a magnetically coupled inductor boost and multiphase buck converter with split duty cycle
JP2015159711A (ja) スイッチング電源装置、電力変換装置
JP2008054477A (ja) 電力変換装置
JPWO2010150338A1 (ja) コンバータ制御装置
JP2005261059A (ja) 電流双方向コンバータ
JPWO2011004492A1 (ja) コンバータ制御装置
KR101210424B1 (ko) 전기자동차의 인버터 구동용 스텝-업 컨버터 장치
JP2000116120A (ja) 電力変換装置
JP4265354B2 (ja) 双方向dc−dcコンバータ
KR101554192B1 (ko) 양방향 dc-dc 컨버터, 이의 소프트 스위칭 방법 및 이 방법을 수행하기 위한 기록 매체
JP6502088B2 (ja) 電源システム、車両及び電圧制御方法
JP2005184965A (ja) 電圧変換装置およびそれを搭載した自動車
JP2015122903A (ja) スイッチング電源装置、電力変換装置
JP4577772B2 (ja) 電流双方向レギュレータ
JP5333007B2 (ja) 燃料電池システム
Lee et al. Design and control method of ZVT interleaved bidirectional LDC for mild-hybrid electric vehicle
JP2008099423A (ja) Dc−dcコンバータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090127

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090209

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees