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JP4256625B2 - ヘテロ環化合物及びそれを用いた発光素子 - Google Patents

ヘテロ環化合物及びそれを用いた発光素子 Download PDF

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JP4256625B2 JP2002140589A JP2002140589A JP4256625B2 JP 4256625 B2 JP4256625 B2 JP 4256625B2 JP 2002140589 A JP2002140589 A JP 2002140589A JP 2002140589 A JP2002140589 A JP 2002140589A JP 4256625 B2 JP4256625 B2 JP 4256625B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規ヘテロ環化合物及びそれを用いた発光素子に関し、より詳細には、電気エネルギーを光に変換して発光できる発光素子用材料として有用な新規ヘテロ環化合物、及び表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信デバイスなどの分野に好適に使用できる発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、研究開発が行なわれている種々の発光素子の中で、有機電界発光(EL)素子は、低電圧駆動で高輝度の発光が得られることから、近年活発な研究開発が行なわれている。
【0003】
発光素子においては、蛍光性化合物の種類を変えることにより所望の波長の光を取り出すことが可能であるが、電子輸送材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)を用いた場合、高輝度を得るために駆動電圧を高くすると、ドープした蛍光性化合物の発光の他にAlqの緑色発光が観測されてくるため、青色を発光させる場合には色純度の低下が問題になり、色純度を低下させないホスト材料の開発が望まれている。
【0004】
色純度の低下を改良するものとして、特開平10−92578号公報、米国特許第5766779号明細書に、特定のインドール誘導体が開示されているが、記載の化合物では高輝度発光のためには駆動電圧を高くする必要があるなどの問題があり、低電圧で高輝度発光可能な化合物の開発が望まれていた。
また、EP1175128A2号には、ホスト材料としてカルバゾール誘導体を用いた発光素子が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、各種電子デバイス等に有用な化合物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、発光特性が良好であり、また繰り返し使用時や、高温保存下おける保存耐久性に優れた発光素子を提供することにある。
本発明の第3の目的は、色純度に優れた発光素子、及びそれを可能にする発光素子用材料として有用な化合物を提供することにある。
本発明の第4の目的は、高い量子収率を有する遷移金属錯体をドープすることにより、高効率、高輝度発光可能なホスト材料として有用な化合物を提供することにある。
本発明の第5の目的は、塗布方式で作製した場合であっても、高輝度、高効率発光可能な発光素子、及びそれを可能にする発光素子用材料として有用な化合物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の手段によって達成された。
【0007】
(1)下記一般式(II)で表される化合物。
【0011】
【化3】
Figure 0004256625
【0012】
一般式(II)中、R211、R212、R221、R222、R231及びR232は、メチル基を表す。R213、R223及びR233は、それぞれ水素原子又はアルキル基を表す。R214、R224及びR234は、それぞれれ炭素数1〜10のアルキル基を表す。Y21、Y22及びY23それぞれCH又はNを表す。
【0013】
(2) 前記一般式(II)におけるR 214 、R 224 及びR 234 が、それぞれメチル基、エチル基、iso−プロピル基、又はtert−ブチル基を表す前記(1)に記載の化合物。
(3) 一対の電極間に、発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層を有する発光素子において、前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、前記(1)又は(2)に記載の化合物の少なくとも一種を含有する層であることを特徴とする発光素子。
【0014】
(4) 前記発光層に、前記(1)又は(2)に記載の化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする前記(3)に記載の発光素子。
) 前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、前記(1)又は(2)に記載の化合物の少なくとも一種をポリマーに分散してなる層であることを特徴とする前記(3)に記載の発光素子。
【0015】
) 前記発光層と陽極との間の少なくとも一層が、前記(1)又は(2)に記載の化合物の少なくとも一種を含有する層であることを特徴とする前記(3)に記載の発光素子。
【0016】
) 前記発光層が青色発光層を含み、かつ該青色発光層と陽極との間の少なくとも一層が、前記(1)又は(2)に記載の化合物の少なくとも一種を含有する層であることを特徴とする前記(3)に記載の発光素子。
【0017】
) 前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、前記(1)又は(2)に記載の化合物の少なくとも一種を含有する層であり、かつ該層がさらに青色発光材料を含有することを特徴とする前記(3)に記載の発光素子。
【0018】
) 前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、前記(1)又は(2)に記載の化合物の少なくとも一種を含有する層であり、かつ該層がさらに遷移金属錯体を含有することを特徴とする前記(3)に記載の発光素子。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0020】
[ヘテロ環化合物]
まず、本発明の化合物について説明する。
本発明の化合物は、下記一般式(II)で表されることを特徴とする。
【0036】
【化6】
Figure 0004256625
【0037】
一般式(II)中、R211、R212、R221、R222、R231及びR232は、メチル基を表す。R213、R223及びR233は、それぞれ水素原子又はアルキル基を表す。R214、R224及びR234は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表す。Y21、Y22及びY23それぞれCH又はNを表す。
【0038】
一般式(II)で表される化合物について詳述する。
一般式(II)において、R211、R212、R221、R222、R231及びR232、メチル基である。
【0039】
213、R223及びR233は、ぞれぞれ水素原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えばメチル、エチル、iso―プロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロヘキシルなどが挙げられる)を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子又はメチル基である。
【0040】
214、R224及びR234は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、例えばメチル、エチル、iso―プロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、tert−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
214 、R 224 及びR 234 として好ましくは、炭素数1〜10の無置換のアルキル基であり、更に好ましくはメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチルである。
【0041】
21、Y22及びY23は、ぞれぞれCH又はNを表し、より好ましくはY21、Y22及びY23が同時にCHを表す場合、及びY21、Y22及びY23が同時にNを表す場合であり、更に好ましくはY21、Y22及びY23が同時にCHを表す場合である。
【0042】
前記一般式(II)で表される化合物(以下、「本発明の化合物」と総称することがある)は、正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料、電子注入材料、ホスト材料等の発光素子用材料として機能するものであることが好ましく、複数の機能を併せ持っていてもよい。
本発明の化合物は、正孔注入輸送材料、及び/又はホスト材料として使用することが好ましく、ホスト材料として使用することがより好ましい。
また、本発明の化合物は上記用途以外に、各種電子デバイス(電子写真用途等)、イメージング用材料(ハロゲン化銀写真感光材料等)などに用いることができる。
【0043】
以下に本発明の化合物の具体例を示すが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0044】
【化7】
Figure 0004256625
【0045】
【化8】
Figure 0004256625
【0046】
【化9】
Figure 0004256625
【0048】
【化11】
Figure 0004256625
【0049】
【化12】
Figure 0004256625
【0050】
【化13】
Figure 0004256625
【0051】
【化14】
Figure 0004256625
【0052】
本発明の化合物は、公知の方法で合成することができる。最も一般的には、カルバゾール化合物に関してはアリールヒドラジンとシクロヘキサン誘導体との縮合体のアザーコープ転位反応の後、脱水素芳香族化による合成(L.F.Tieze,Th.Eicher著、高野、小笠原訳、精密有機合成、339頁(南江堂刊))が挙げられる。また、得られたカルバゾール化合物とハロゲン化アリール化合物のパラジウム触媒を用いるカップリング反応に関してはテトラヘドロン・レターズ39巻617頁(1998年)、同39巻2367頁(1998年)及び同40巻6393頁(1999年)等に記載の方法が挙げられる。反応温度、反応時間については特に限定されることはなく、前記文献に記載の条件が適用できる。
【0053】
[発光素子]
本発明の発光素子について説明する。
本発明の発光素子は、陽極と陰極からなる一対の電極間に、発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層を有する発光素子において、前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、前記した本発明の化合物の少なくとも一種を含有する層であることを特徴とする。
【0054】
また、本発明の発光素子としては、以下のような態様であることが好ましい。前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、本発明の化合物の少なくとも一種をポリマーに分散してなる層であることが好ましい。上記ポリマーとしては、後述する有機化合物層の各層の説明におけるポリマーが好適に挙げられる。
【0055】
前記発光層と陽極との間の少なくとも一層が、本発明の化合物の少なくとも一種を含有する層であることが好ましい。
【0056】
前記発光層が青色発光層を含み、かつ該青色発光層と陽極との間の少なくとも一層が、本発明の化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。
【0057】
前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、本発明の化合物を含有する層であり、かつ該層がさらに青色発光材料を含有することが好ましい。なお、本発明に適用可能な発光材料の詳細については後述する。
【0058】
前記、発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、本発明の化合物を含有する層であり、かつ該層がさらに遷移金属錯体を含有することが好ましい。
【0059】
−遷移金属錯体−
本発明において、遷移金属錯体とは、例えば「錯体化学の基礎 ウエルナー錯体と有機金属錯体」講談社 渡部正利、矢野重信、碇屋隆雄著 1989年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社 山本明夫著 1982年発行 等に記載されている化合物群の総称と同義である。
【0060】
前記遷移金属錯体の金属の種類及び価数は、特に限定されない。金属錯体の配位子は金属錯体を形成し得るものであれば、特に問わない。配位子としては、種々の公知の配位子があるが、例えば「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社 H.Yersin著 1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」 裳華房社 山本明夫著 1982年発行 等に記載の配位子が挙げられる。例えば、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば2−フェニルピリジン、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(アセチルアセトンなど)、リン配位子(トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスファイトなど)、イソシアニド配位子(t−ブチルイソシアニドなど)及び一酸化炭素配位子などである。
【0061】
前記遷移金属錯体の配位子の種類は1種類でもよいし、複数の種類があってもよい。また、本発明における遷移金属錯体の炭素数は、好ましくは5〜100、より好ましくは10〜60、さらに好ましくは12〜40である。
【0062】
前記遷移金属錯体は、中性であってもよいし、イオンであってもよい。本発明における遷移金属錯体がイオンの場合、このイオンとその電荷を中和する対イオンからなる。対イオンは特に限定されないが、例えば「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房 山本明夫著1982年発行などに記載の対イオンが挙げられる。
【0063】
前記遷移金属錯体は繰り返し単位をひとつ有する、いわゆる低分子化合物であってもよく、また繰り返し単位を複数個有する、いわゆるオリゴマー化合物、ポリマー化合物(質量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、更に好ましくは3000〜100000である)であってもよい。また、前記遷移金属錯体は、錯体中に遷移金属原子を1つ有していてもよいし、また2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。また複数の金属原子を同時に含有していてもよい。
【0064】
本発明に用いる前記遷移金属錯体としては、発光性を有するものが好ましく、発光効率の点で特にりん光発光性化合物が好ましい。りん光発光性化合物とは、三重項励起子から発光する化合物を意味する。りん光発光性化合物は、りん光発光を利用しているため、一重項励起子から得られる蛍光発光を利用したものより発光効率が高い。りん光発光性化合物は特に限定されることはないが、オルトメタル化金属錯体が好ましく用いられる。
【0065】
本発明における遷移金属錯体のうち、好ましくはオルトメタル化金属錯体であり、更に好ましくはオルトメタル化イリジウム錯体である。
【0066】
次に、本発明で好適に用いられるオルトメタル化金属錯体及びオルトメタル化イリジウム錯体について説明する。オルトメタル化金属錯体とは、例えば「有機金属化学−基礎と応用−」p150,232裳華房社山本明夫著1982年発行、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 p71-p77,p135-p146 Springer-Verlag社 H.Yersin著1987年発行等に記載されている化合物群の総称と同義である。金属錯体の中心金属としては、遷移金属であればいずれのものも使用可能であるが、本発明では、中でも特にロジウム、白金、金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム等を好ましく用いることができる。この中で特に好ましいものはイリジウムである。
【0067】
前記オルトメタル化金属錯体の具体的な記載及び化合物例は、特願2000−254171明細書の段落番号0152から0180、特願2001−189539明細書の段落番号0054から0056、特願2001−239281明細書の段落番号0045から0048、特願2001−248165明細書の段落番号0080から0100に記載されている。
【0068】
前記オルトメタル化金属錯体の金属の価数は特に限定されないが、イリジウムを用いる場合には3価が好ましい。また、前記オルトメタル化金属錯体の配位子は、オルトメタル化錯体を形成し得る物であれば特に問わないが、例えば、アリール基置換含窒素ヘテロ環誘導体(アリール基の置換位置は含窒素ヘテロ環窒素原子の隣接炭素上であり、アリール基としては例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基などが挙げられ、含窒素ヘテロ環としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、キナゾリン、ナフチリジン、シンノリン、ペリミジン、フェナントロリン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、フェナントリジンなどが挙げられる)、ヘテロアリール基置換含窒素ヘテロ環誘導体(ヘテロアリール基の置換位置は含窒素ヘテロ環窒素原子の隣接炭素上であり、ヘテロアリール基としては例えば前記の含窒素ヘテロ環誘導体を含有する基、チオフェンー2−イル基、フリル基などが挙げられる)、7,8−ベンゾキノリン誘導体、ホスフィノアリール誘導体、ホスフィノヘテロアリール誘導体、ホスフィノキシアリール誘導体、ホスフィノキシヘテロアリール誘導体、アミノメチルアリール誘導体、アミノメチルヘテロアリール誘導体等が挙げられる。アリール基置換含窒素芳香族ヘテロ環誘導体、ヘテロアリール基置換含窒素芳香族ヘテロ環誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体が好ましく、フェニルピリジン誘導体、チオフェン−2−イルピラゾール誘導体、チオフェン−2−イルトリアゾール誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体がさらに好ましく、チオフェン−2−イルピラゾール誘導体、チオフェン−2−イルトリアゾール誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体が特に好ましい。
【0069】
本発明における金属錯体化合物は、オルトメタル化金属錯体を形成するに必要な配位子以外に、他の配位子を有していてもよい。他の配位子としては、種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社 H.Yersin著1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社山本明夫著1982年発行等に記載の配位子が挙げられ、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えばビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子であり、より好ましくは塩素配位子、ビピリジル配位子である。
【0070】
本発明における前記オルトメタル化金属錯体が有する配位子の種類は、1種類でもよいし、複数の種類があってもよい。錯体中の配位子の数としては、好ましくは1〜3種類であり、特に好ましくは1、2種類であり、さらに好ましくは1種類である。
【0071】
本発明におけるオルトメタル化金属錯体の炭素数は、好ましくは5〜100、より好ましくは10〜60、さらに好ましくは12〜40である。
【0072】
本発明の発光素子の構成要素に関してさらに詳細に説明する。
上述したように、本発明の発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極間に、発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層を有する素子である。該有機化合物層としては、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
【0073】
前記した本発明の化合物を発光素子用材料として用いる層としては、、ホール注入・輸送層、電子注入・輸送層、発光層のいずれに用いてもよいが、ホール注入・輸送層及び/又は発光層として用いることが好ましく、発光層に用いることがより好ましい。
【0074】
本発明の化合物を含有する有機化合物層の形成方法としては、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法、電子写真法及び転写法などの方法が用いられ、特性面、製造面で抵抗加熱蒸着、コーティング法が好ましい。有機化合物層の詳細については後述する。
なお、本発明の発光素子は、通常、高い発光効率を得難い塗布方式により有機化合物層を形成した場合であっても、優れた効果を発揮することができるため、この方式を適用した場合にも効果が著しいといえるものである。
【0075】
陽極について詳細に説明する。
陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
【0076】
陽極は、通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には、材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。
陽極は、洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
【0077】
陰極について詳細に説明する。
陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)又はそのフッ化物、酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)又はそのフッ化物、酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等である。陰極の膜厚は、材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。
陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
【0078】
有機化合物層について詳細に説明する。
有機化合物層としては、前述のごとく、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などが挙げられる。まず、発光層について説明する。
【0079】
発光層の材料は、電界印加時に陽極又は正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に陰極又は電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものであれば何でもよい。
【0080】
発光層に用いる化合物としては、本発明の化合物のほか、例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン及びそれらの誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体、遷移金属錯体(例えば、トリス(2ーフェニルピリジン)イリジウム(III)などのオルソメタル化錯体等)や希土類錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン等のポリマー化合物等が挙げられる。
これらの材料は単独で用いてもよいし、また2種以上を併用して用いてもよい。発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
【0081】
本発明における発光層は、発光材料以外に、高分子化合物、より好ましくは樹脂成分を含有してもよい。該樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。該発光層の形成方法としてコーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)を用いた場合、発光材料と高分子化合物(樹脂成分)と共に溶解又は分散することができるため、製膜が容易になる。
【0082】
本発明の化合物を、上記発光材料と共存させる場合の発光材料との混合比率としては、本発明の化合物の質量比で0.1〜95%が好ましく、0.1〜30%がより好ましく、0.1〜10%が最も好ましい。
【0083】
発光層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、LB法、電子写真法及び転写法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法である。
【0084】
正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。その具体例としては、本発明の化合物のほか、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン及びそれらの誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポリフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、また2種以上を併用して用いてもよい。
【0085】
正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
【0086】
正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送剤を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、電子写真法及び転写法などが用いられる。
コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
【0087】
電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。好ましくは電子注入層及び/又は電子輸送層に本発明の化合物を含有するものであるが、本発明の化合物の他の材料を用いることもできる。その具体例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン及びそれらの誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン及びそれの誘導体、8−キノリノール及びその誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体等が挙げられる。これらの材料は単独で用いても良いし、また2種以上を併用して用いても良い。電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
【0088】
電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送剤を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、転写法及び電子写真法などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
【0089】
保護層の材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2 、Al23 、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23 、Y23 、TiO2 等の金属酸化物、MgF2 、LiF、AlF3 、CaF2 等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
【0090】
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、インクジェット法、印刷法及び転写法などを適用できる。
【0091】
本発明の発光素子は、本発明の化合物を利用する素子であればシステム、駆動方法利用形態など特に問わないが、本発明化合物を発光材料と共存させ発光層のホストとして利用するか、発光材料とは共存せずに、ホール輸送層に電荷輸送材料として利用するものが好ましく、本発明の化合物は発光層中に含有することが好ましい。代表的な発光素子として有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を挙げることができる。
【0092】
本発明の発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信デバイスなどの分野に好適に使用できる。
【0093】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0094】
〔合成例1〕
(例示化合物(H−1)の合成)
本発明の化合物である例示化合物(H−1)は、以下のように合成した。
【0095】
【化15】
Figure 0004256625
【0096】
<化合物(3)の合成>
3ツ口フラスコに化合物(2)31.8g、酢酸120mlを入れ、加熱還流下にて撹拌しながら化合物(1)30.9gを酢酸50mlに溶解したものを10分かけて滴下した。この後そのまま加熱還流下にて1時間撹拌した後、室温まで冷却し、600gの氷にあけて、析出した結晶を吸引濾過し、乾燥した。このものをイソプロピルアルコール300mlにて再結晶して、目的の化合物(3)48.2gを得た(収率100%)。
【0097】
<化合物(4)の合成>
化合物(3)48.2gにパラジウム/炭素(10%)(水含率50%)5g、メシチレン300mlを添加して加熱還流下にて7時間撹拌した後、室温まで冷却し、ここへクロロホルム400mlを添加して撹拌した後、吸引濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮して、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、目的の化合物(4)45.1gを得た(収率95%)。
【0098】
<例示化合物(H−1)の合成>
3つ口フラスコに炭酸ルビジウム25.4g、化合物(5)3.15g、酢酸パラジウム(II)0.225g、オルトキシレン100mlを入れ、窒素雰囲気下、室温にて撹拌しながらここへトリーt−ブチルホスフィン0.81gを添加し、そのまま30分撹拌した。次にここへ化合物(4)8.54gを添加し、加熱還流下にて7時間撹拌した後、室温まで冷却し、クロロホルム500mlと水400mlを添加して抽出し、得られたクロロホルム層を飽和食塩水100mlと水300mlからなる混合水溶液で4回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。これをロータリーエバポレーターで残量50mlまで濃縮し、ここへメタノール50mlを添加して、析出した結晶を濾取し、乾燥して、目的の例示化合物(H−1)7.2gを得た(収率92%)。
【0099】
〔合成例2〕 例示化合物(H−7)の合成
本発明の化合物である例示化合物(H−7)は、以下のように合成した。
【0100】
【化16】
Figure 0004256625
【0101】
3ツ口フラスコに水素化ナトリウム(含率60%)5.76g、テトラヒドロフラン300mlを入れ、アルゴン雰囲気下、室温にて撹拌しながらここへ化合物(4)34.1gを10分かけて添加し、そのまま15分撹拌し、更に過熱還流条件にて1時間撹拌した。このものを氷冷下にて冷却しながらここへ化合物(6)7.38gを10分かけて添加し、室温まで昇温しながら2時間撹拌し、更にN,N−ジメチルアセトアミド200mlを添加して外温120℃にて3時間過熱撹拌した。このとき溶媒を300ml留去した。その後、室温まで放冷し、酢酸エチル500ml、水500mlを添加して撹拌し、吸引濾過をして、目的の例示化合物(H−7)29.5gを得た(収率94%)。
【0102】
〔合成例3〕 例示化合物H−8の合成
本発明の化合物である例示化合物(H−8)は、以下のように合成した。
【0103】
【化17】
Figure 0004256625
【0104】
<化合物(7)の合成>
3ツ口フラスコに水素化ナトリウム(含率60%)8.80g、テトラヒドロフラン500mlを入れ、アルゴン雰囲気下、室温にて撹拌しながらここへ化合物(4)52.2gを10分かけて添加し、そのまま15分撹拌し、更に過熱還流条件にて1時間撹拌した。このものを氷冷下にて冷却しながらここへ化合物(6)18.4gを20分かけて添加し、室温まで昇温させながら2時間撹拌し、更に加熱還流下にて5時間撹拌した。室温まで放冷したのち、吸引濾過して得られた結晶を水洗、乾燥して目的の化合物(7)49.0gを得た(収率84%)。
【0105】
<例示化合物(H−8)の合成>
3ツ口フラスコに水素化ナトリウム(含率60%)4.00g、テトラヒドロフラン300mlを入れ、アルゴン雰囲気下、室温にて撹拌しながらここへ化合物(8)27.9g(化合物(8)は実施例1の化合物(4)と同様の方法にて合成した)を10分かけて添加し、そのまま15分撹拌し、更に過熱還流条件にて1時間撹拌した。このものを氷冷下にて冷却しながらここへ化合物(7)49.0gを10分かけて添加し、室温まで昇温しながら2時間撹拌し、更にN,N−ジメチルアセトアミド200mlを添加して外温120℃にて3時間過熱撹拌した。このとき溶媒を300ml留去した。その後、室温まで放冷し、酢酸エチル500ml、水500mlを添加して撹拌し、吸引濾過をして、目的の例示化合物(H−8)55.5gを得た(収率80%)。
【0106】
〔合成例4〕 例示化合物(H−5)の合成
本発明の化合物である例示化合物(H−5)は、以下のように合成した。
【0107】
【化18】
Figure 0004256625
【0108】
3つ口フラスコに炭酸ルビジウム25.4g、化合物(5)3.15g、酢酸パラジウム(II)0.225g、オルトキシレン100mlを入れ、窒素雰囲気下、室温にて撹拌しながらここへトリーt−ブチルホスフィン0.81gを添加し、そのまま30分撹拌した。次にここへ化合物(8)10.1gを添加し、加熱還流下にて7時間撹拌した後、室温まで冷却し、クロロホルム500mlと水400mlを添加して30分撹拌し、析出した結晶を濾取し、乾燥して、目的の例示化合物(H−5)7.2gを得た(収率79%)。
【0109】
〔実施例1〕
洗浄した25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上にITOを150nmの厚さで製膜したもの(東京三容真空(株)製)を透明支持基板として用い、これをエッチング、洗浄した後、化合物A約50nm、下記表1に示すホスト材料及び発光材料からなる発光層約36nm、並びに下記化合物B約36nmをこの順に10-3〜10-4Paの真空中、室温で蒸着した。得られた有機薄膜上に発光面積が5mm×4mmとなるようにパターニングしたマスクを設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを3nm蒸着し、更にアルミニウムを60nm蒸着し下記表1に示す発光素子101〜116を作製した。
【0110】
【化19】
Figure 0004256625
【0111】
【化20】
Figure 0004256625
【0112】
得られた各発光素子に、東陽テクニカ製「ソースメジャーユニット2400型」を用いて直流定電圧を印加して発光させ、その発光輝度をトプコン社製「輝度計BM−8」を用いて測定し、発光波長を浜松フォトニクス社製「スペクトルアナライザーPMA−11」を用いて測定した。また、各素子をアルゴンガスで置換したオートクレーブ中に封入し、85℃の加熱条件下3日間保存した後に、同様の輝度測定及び発光面状観察を行なった。結果を表1に示す。
【0113】
【表1】
Figure 0004256625
【0114】
表1の結果から、ホスト材料として比較化合物を用いた素子101〜104では素子作製直後の輝度及び外部量子効率が低く、高温保存した後に大幅な輝度低下及びダークスポットの発生が見られるのに対し、本発明の化合物をホスト材料として用いた素子105〜116では、素子作製直後の輝度及び外部量子効率が良好であり、また高温保存した後の輝度の低下は少なく、発光面状も良好で、素子作製直後の発光特性と保存耐久性がともに優れていることがわかる。また、この傾向は発光材料がK−1よりもK−2の場合に特に顕著であることがわかる。
【0115】
〔実施例2〕
実施例1と同様にエッチング、洗浄したITOガラス基板上に、40mgのポリ(N−ビニルカルバゾール(PVK))、12mgの2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニルイル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、1mgの発光材料K−1を3mlの1,2−ジクロロエタンに溶解した溶液をスピンコートした。このときの有機層の膜厚は約120nmであった。次いで実施例1と同様に陰極を蒸着し、EL素子201を作製した。
また、下記表2に示すホスト材料(20mg)及び発光材料(1mg)を用いたこと以外は発光素子201と同様の方法により発光素子202〜206を作製した。
得られた各発光素子に東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8、また発光波長については浜松ホトニクス社製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。また、各素子をアルゴンガスで置換したオートクレーブ中に封入し、85℃の加熱条件下3日間保存した後に、同様の輝度測定及び発光面状観察を行なった。その結果を表2に示す。
【0116】
【表2】
Figure 0004256625
【0117】
【化21】
Figure 0004256625
【0118】
表2の結果から明らかなように、本発明の素子では通常発光効率が低い塗布型素子においても高い発光輝度、発光効率を示し、また、保存耐久性に関しても優れていることがわかる。
【0119】
【発明の効果】
本発明によれば、各種電子デバイス、特に発光素子用材料として有用な化合物を提供できる。
また、本発明によれば、高い発光輝度、発光効率を示し、かつ高温下に保存した後であっても、輝度低下や発光面状の劣化のない、保存耐久性に優れた発光素子を提供できる。さらに、通常発光効率が低い塗布方式で作製した場合であっても、高輝度、高効率発光可能な発光素子を提供することができる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(II)で表される化合物。
    Figure 0004256625
    一般式( II )中、R 211 、R 212 、R 221 、R 222 、R 231 及びR 232 は、メチル基を表す。R 213 、R 223 及びR 233 は、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。R 214 、R 224 及びR 234 は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表す。Y 21 、Y 22 及びY 23 はそれぞれCH又はNを表す。
  2. 前記一般式(II)におけるR 214 、R 224 及びR 234 が、それぞれメチル基、エチル基、iso−プロピル基、又はtert−ブチル基を表す請求項1に記載の化合物。
  3. 一対の電極間に、発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層を有する発光素子において、前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、請求項1又は請求項2に記載の化合物の少なくとも一種を含有する層であることを特徴とする発光素子。
  4. 前記発光層に、請求項1又は請求項2に記載の化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、請求項1又は請求項2に記載の化合物の少なくとも一種をポリマーに分散してなる層であることを特徴とする請求項3に記載の発光素子
  6. 前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、請求項1又は請求項2に記載の化合物の少なくとも一種を含有する層であり、かつ該層がさらに青色発光材料を含有することを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
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