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JP4247805B2 - ヘアトリートメント - Google Patents

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巧 金子
一樹 藤井
勝美 金山
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘアトリートメントに関し、さらに詳しくは、毛髪に柔軟性および指通り性を付与することができ、しかもその柔軟性および指通り性の持続性が優れたヘアトリートメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘアトリートメントは、主として毛髪の触感や外観を好適に変化させる目的で使用されている。
【0003】
このヘアトリートメントは、通常、一剤式であって、毛髪の触感や外観を好適に変化させるためにカチオン活性剤や油分、シリコンを主体とした組成物が使用されてきた。しかしながら、これらの組成物による毛髪の好適な変化は、一時的なものであり、洗髪によって消滅してしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来のヘアトリートメントの問題点を解決し、毛髪に柔軟性および指通り性を付与することができ、しかもその柔軟性および指通り性の持続性が優れたヘアトリートメントを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、アニオン性多糖類と塩基性アミノ酸とを含有する第一剤と、カチオン性活性剤と酸性アミノ酸とを含有する第二剤とでヘアトリートメントを構成し、それを第一剤、第二剤の順に毛髪に使用することによって、毛髪に柔軟性および良好な指通り性を付与することができ、しかも、その柔軟性および指通り性を長期間持続させることができることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0006】
すなわち、本発明のヘアトリートメントによれば、第一剤中のアニオン性多糖類が毛髪に良く馴染み、その上へ第二剤中のカチオン性活性剤が反応して不溶性のコンプレックスを生成して毛髪に柔軟性および指通り性を付与する。この時、第一剤中の塩基性アミノ酸により毛髪は膨潤し、例えば保湿剤などを毛髪中に導入させることができる。そして、その後、上記塩基性アミノ酸は第二剤中の酸性アミノ酸と反応し、毛髪を引き締め、それによって、上記柔軟性および指通り性の付与作用をさらに向上させるとともに、その柔軟性および指通り性を長時間持続させるようになるものと考えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、第一剤に含有させるアニオン性多糖類としては、例えば、カラギーナン、キサンタンガム、グアガム、プルランなどが挙げられる。
【0008】
また、本発明において、第一剤に含有させる塩基性アミノ酸としては、例えば、L−アルギニン、L−ヒスチジンなどが挙げられる。
【0009】
本発明において、上記アニオン性多糖類の第一剤中の含有量(第一剤中への配合量)としては、0.01〜5重量%、特に0.1〜2重量%が好ましい。アニオン性多糖類の第一剤中の含有量が0.01重量%より少ない場合はアニオン性多糖類に基づく効果が充分に得られず、5重量%より多い場合はトリートメント処理後の毛髪が硬くなるおそれがある。
【0010】
本発明において、塩基性アミノ酸の第一剤中の含有量(第一剤中への配合量)としては、0.01〜5重量%、特に0.05〜1重量%が好ましい。塩基性アミノ酸の第一剤中の含有量が0.01重量%より少ない場合は塩基性アミノ酸に基づく効果が充分に得られず、5重量%より多い場合はトリートメント処理後の毛髪の指通り性が悪くなるおそれがある。
【0011】
本発明において、第二剤中に含有させるカチオン性活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。また、第二剤中に含有させる酸性アミノ酸としては、例えば、グルタミン酸、L−アスパラギン酸などやそれらの塩類などが挙げられる。
【0012】
本発明において、カチオン性活性剤の第二剤中の含有量(第二剤への配合量)としては、0.01〜10重量%、特に0.05〜5重量%が好ましい。カチオン性活性剤の第二剤中の含有量が0.01重量%より少ない場合はカチオン性活性剤に基づく効果が充分に得られなくなり、10重量%より多い場合は洗い流れおちが大きくなりすぎ、それに伴い必要な成分も洗い流されてしまって、効果の持続性が低下するおそれがある。
【0013】
また、本発明において、酸性アミノ酸の第二剤中の含有量(第二剤への配合量)としては、0.01〜10重量%、特に0.05〜1重量%が好ましい。酸性アミノ酸の第二剤中の含有量が0.01重量%より少ない場合は酸性アミノ酸に基づく効果が充分に得られなくなり、10重量%より多くなっても増量に伴う酸性アミノ酸に基づく効果の向上が見られなくなる。
【0014】
本発明のヘアトリートメントにおいて、第一剤は、上記アニオン性高分子と塩基性アミノ酸とを水または水を主剤とする媒体中に溶解または分散することによって調製される。その際、必要に応じて、例えば、高級アルコール(例えば、セタノールやステアリルアルコールなど)、動・植物性油脂、シリコーン、香料、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどを含有させてもよい。
【0015】
また、第二剤は、上記カチオン活性剤と酸性アミノ酸とを水または水を主剤とする媒体中に溶解または分散することによって調製される。その際、必要に応じて、例えば、高級アルコール(例えば、セタノールやステアリルアルコールなど)、動・植物性油脂、シリコーン、香料、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどを含有させてもよい。
【0016】
そして、これら本発明のヘアトリートメントにおける第一剤、第二剤は、ジェル状、クリーム状など、いずれの剤型であってもよく、剤型に関して特に限定されることはない。
【0017】
本発明において、第一剤と第二剤は、第一剤、第二剤の順に毛髪に使用するが、これは次の理由に基づいている。すなわち、第二剤を第一剤より先に毛髪に使用すると、第一剤中のアニオン性多糖類の毛髪へのむすびつきが充分でなくなるため、効果の持続性が低下したり、毛髪を膨潤させないことから、保湿剤などの残留性が悪くなってしまうからである。
【0018】
本発明において、第一剤と第二剤の使用割合は、毛髪上において第一剤中のアニオン性多糖類と第二剤中のカチオン性活性剤とでコンプレックスを形成させる関係から、それらの間にあまり大きな差がありすぎても適切でなく、また、必ずしも等モルでなくてもよいので、第一剤のアニオン性多糖類と第二剤のカチオン性活性剤との重量比で1:10〜10:1、特に1:5〜5:1の範囲が好ましい。そして、それらの使用量は、第一剤中におけるアニオン性多糖類などの含有量、第二剤中におけるカチオン性活性剤などの含有量、毛髪の状態や量などにもよっても異なるが、通常、第一剤と第二剤の総量として60〜140gが適当である。
【0019】
【実施例】
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例などにおいて、溶液や分散液などの濃度を示す%は、基準を付記しない限り、重量%である。
【0020】
実施例1〜4および比較例1〜12
表1に示す組成で4種類の第一剤を調製し、また、表2に示す組成で4種類の第二剤を調製した。表中の各成分の配合量を示す数値の単位は重量%である。また、成分によっては、溶液状または分散液状で使用するものもあるが、それらの配合量も固形分(または純分)量で示している。なお、精製水の量を示す残余とは総量で100%にする量をいう。
【0021】
【表1】
Figure 0004247805
【0022】
【表2】
Figure 0004247805
【0023】
つぎに、上記のように調製した第一剤と第二剤を表3に示す組み合わせで試験用毛束に使用して評価を行った。
【0024】
【表3】
Figure 0004247805
【0025】
試験用毛束としては、長さ15cmの毛束(約3g)を用い、この毛束に第一剤を2g塗付後、第二剤を2g塗付し、10分間約40℃で放置し、その後に水洗、乾燥し、5名のパネラーに柔軟性および指通り性について官能評価させた。さらに、上記第一剤および第二剤で処理後の毛束を市販のシャンプー剤を用いて8回シャンプーを繰り返し後、乾燥して再度、5名のパネラーに柔軟性および指通り性について官能評価させ、その結果を柔軟性および指通り性の持続性の評価とした。柔軟性や指通り性の評価は未処理毛を基準(つまり、1点)とし、上記第一剤と第二剤によるトリートメント処理によって柔軟性や評価がどれほど向上したかを1〜4点の4段階で評価した。なお、シャンプー後の評価においても基準は未処理毛でシャンプー前のものにした。そのため、シャンプー後の評価において、未処理毛でシャンプー前のものよりさらに劣るものについては、0点という評価にした。
【0026】
柔軟性:
4:未処理毛に比べて柔軟性の向上がかなり大きい。
3:未処理毛に比べて柔軟性が向上している。
2:未処理毛に比べて柔軟性が向上しているが、その程度は小さい。
1:未処理毛と変わらない。
【0027】
指通り性:
4:未処理毛に比べて指通り性の向上がかなり大きい。
3:未処理毛に比べて指通り性が向上している。
2:未処理毛に比べて指通り性が向上しているが、その程度は小さい。
1:未処理毛と変わらない。
【0028】
【表4】
Figure 0004247805
【0029】
表4に示す結果から明らかなように、実施例1〜4のヘアトリートメントは、毛髪に柔軟性および指通り性を付与することができ、しかもその柔軟性および指通り性の持続性も優れていた。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、毛髪に柔軟性および指通り性を付与することができ、しかもその柔軟性および指通り性の持続性が優れたヘアトリートメントを提供することができた。

Claims (3)

  1. アニオン性多糖類と塩基性アミノ酸とを含有する第一剤と、カチオン性活性剤と酸性アミノ酸とを含有する第二剤とからなるヘアトリートメントであって、第一剤、第二剤の順に毛髪に使用することを特徴とするヘアトリートメント。
  2. アニオン性多糖類がカラギーナンで、塩基性アミノ酸がL−アルギニンであり、カチオン性活性剤が塩化ステアリルトリメチルアンモニウムで、酸性アミノ酸がグルタミン酸である請求項1記載のヘアトリートメント。
  3. アニオン性多糖類と塩基性アミノ酸の第一剤中の含有量がそれぞれ0.01〜5重量%であり、カチオン性活性剤と酸性アミノ酸の第二剤中の含有量がそれぞれ0.5〜10重量%である請求項1または2記載のヘアトリートメント。
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