JP5507897B2 - 毛髪処理剤組成物 - Google Patents
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請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の毛髪処理剤組成物において、前記化学的処理が、酸化染毛剤を用いた染色処理であることを要旨とする。
本実施形態の毛髪処理剤組成物には、(A)カチオン化キトサン、(B)塩基性アミノ酸、及び(C)酸性アミノ酸類が含有されている。
油脂としては、例えばラノリン、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウとしては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。高級アルコールとしては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、ココイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。アルキル硫酸塩としては、例えばラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
毛髪処理剤組成物が適用される毛髪は、乾燥した状態であってもよいし、濡れた状態であってもよい。毛髪処理剤組成物は、水又は温水で洗い流した後に乾燥されるように構成してもよいし、洗い流さずに乾燥されるように構成してもよい。毛髪処理剤組成物は、例えばシャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、美容液等の製品形態とされる。こうした毛髪処理剤組成物は、毛髪を乾燥する乾燥処理の段階を介して複数回適用されることで、その作用効果が継続して発揮されるようになる。なお、乾燥処理はドライヤーによる乾燥であってもよいし、自然乾燥であってもよい。
酸化染毛剤は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する染毛第1剤と、酸化剤を含有する染毛第2剤とから構成される。酸化染毛剤は、前記各剤を混合調製する常法に従って使用される。
染毛第2剤は少なくとも酸化剤を含んでいる。酸化剤は、酸化染料を酸化重合させて発色する。酸化剤としては、例えば過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及び、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。酸化剤は、好ましくは、毛髪に含まれるメラニンの脱色力に優れることから、過酸化水素から構成される。
こうした酸化染毛剤を毛髪に塗布した後、その酸化染毛剤を洗い流すことで毛髪には染色処理が施される。このように酸化染毛剤が適用された毛髪に対して、上記毛髪処理剤組成物を適用すると、カチオン化キトサンが吸着することで毛髪から染料が脱離され難くなる。また、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸の存在下においては、カチオン化キトサンが毛髪の損傷部分において馴染み易くなり、そうした部分での皮膜形成が促進されると推測される。その結果、染料の離脱し難い髪質になるものと考えられる。
(1)カチオン化キトサンは、毛髪に繰り返し適用されると、毛髪が硬く感じられる傾向になる。この点、本実施形態の毛髪処理剤組成物には、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸類が含有されている。このため、カチオン化キトサンにより向上された毛髪の指通りを維持しつつ、毛髪に柔らかさを付与することができるようになる。従って、毛髪に繰り返して適用した場合であっても、毛髪の柔らかさ及び指通りの良さを維持することの容易な毛髪処理剤組成物が提供される。
・毛髪に通常のシャンプーを施してから、例えばコンディショニング剤として構成した前記毛髪処理剤組成物を用いてもよい。
・毛髪を乾燥する乾燥処理の段階を介して前記毛髪処理剤組成物を複数回繰り返して実施するに際しては、毛髪処理剤組成物の適用を毎日実施してもよいし、例えば3日、5日、7日毎といった期間をおいて実施してもよい。
・前記毛髪処理剤組成物を、複数の剤に分割して構成するとともに、それら複数の剤を順に毛髪に塗布することで、毛髪上で混合されるように構成してもよい。
(イ)酸化染毛剤を毛髪に塗布した後にその酸化染毛剤を洗い流す染色処理を施した毛髪を後処理する毛髪処理方法であって、前記酸化染毛剤を洗い流すことで濡れた状態とされた毛髪に、前記毛髪処理剤組成物を適用する毛髪処理方法。
(実施例1〜6、比較例1〜7)
表1及び表2に示される各成分を混合することにより、各例のシャンプーを調製した。なお、各表の配合量を示す数値の単位は、質量%であり、その値は各表に記載の成分の純分を示している。カチオン化キトサンとしては、キトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを用いている。
長さ15cmの黒髪毛束を準備し、その黒髪毛束を脱色剤(ホーユー株式会社製、(商品名)プロマスターEX LT)で常法により脱色処理した後、乾燥させた。次に、脱色された毛束をパーマ剤(ホーユー株式会社製、(商品名)ルテア TG)で常法によりパーマ処理した後に、乾燥させた。続いて、その毛束を酸化染毛剤(ホーユー株式会社製、(商品名)プロマスターEX B 7/6)を用いて茶色に染色することで、試験用の毛束サンプルを作製した。
毛髪処理1:各例のシャンプーを用いて上記試験用の毛束サンプルを常法に従って洗浄した。
パネラー20名が毛束サンプルの柔らかさについて触感で官能評価した。パネラー20名のうち、柔らかさを感じると判定した人数に基づいて、以下のように5段階で評価した。
16〜13名:評価4
12〜9名:評価3
8〜5名:評価2
4〜0名:評価1
各表には、各例における毛髪の柔軟性の評価結果を併記している。
パネラー20名が各例のシャンプーを適用した毛束サンプルに指を通すことで、指通りの良さについての官能評価を行った。パネラー20名のうち、指通りの良さを感じると判定した人数に基づいて、上記毛髪の柔軟性と同様に5段階で評価した。各表には、各例における指通りの良さの評価結果を併記している。
毛束サンプルの色調について、パネラー20名が比較用の毛束サンプルと目視で比較した。パネラー20名のうち、退色抑制効果が発揮されていると判定した人数に基づいて、上記毛髪の柔軟性と同様に5段階で評価した。各表には、各例における退色抑制効果の評価結果を併記している。
表3及び表4に示される各成分を混合することにより、各例のヘアトリートメントを調製した。このヘアトリートメントは、毛髪に適用後、洗い流さずに用いるタイプである。なお、各表の配合量を示す数値の単位は、質量%である。カチオン化キトサンとしては、キトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを用いている。
<試験手順:各例の洗い流さないタイプのヘアトリートメント>
毛髪処理1:シャンプーを用いて上記試験用の毛束サンプルを常法に従って洗浄した。ここでのシャンプーは、表1の実施例1のシャンプーに含まれる各成分のうち、(A)、(B)及び(C)の各成分を精製水に置き換えて調製したものである。
Claims (4)
- (A)カチオン化キトサンを含有する毛髪処理剤組成物であって、(B)塩基性アミノ酸及び(C)酸性アミノ酸類を含有する(但し、デンプンリン酸(スターチホスフェート)類の含有を除く。)ことを特徴とする毛髪処理剤組成物。
- 毛髪の化学的処理の後に用いられる後処理剤であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理剤組成物。
- 前記化学的処理が、酸化染毛剤を用いた染色処理であることを特徴とする請求項2に記載の毛髪処理剤組成物。
- 前記(C)酸性アミノ酸類が、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸及びタウリンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪処理剤組成物。
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