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JP5507897B2 - 毛髪処理剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、カチオン化キトサンを含有する毛髪処理剤組成物に関する。
毛髪保護成分として、キトサンの誘導体であるカチオン化キトサンが知られている(特許文献1参照)。このカチオン化キトサンは、毛髪の表面に保護膜を形成することで毛髪を保護する。
特開昭60−500059号公報
ところで、カチオン化キトサンは皮膜形成能に優れるため、カチオン化キトサンを含有する毛髪処理剤を毛髪に適用することで、その指通りを改善させることが容易である。ところが、カチオン化キトサンを含有する毛髪処理剤を繰り返して毛髪に適用すると、毛髪が硬く感じられる傾向になるとともに、適用後の指通りの良さが感じられ難くなる傾向になる。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、毛髪に繰り返して適用した場合であっても、毛髪の柔らかさ及び指通りの良さを維持することの容易な毛髪処理剤組成物を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪処理剤組成物は、((A)カチオン化キトサンを含有する毛髪処理剤組成物であって、(B)塩基性アミノ酸及び(C)酸性アミノ酸類を含有する(但し、デンプンリン酸(スターチホスフェート)類の含有を除く。)ことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の毛髪処理剤組成物において、毛髪の化学的処理の後に用いられる後処理剤であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の毛髪処理剤組成物において、前記化学的処理が、酸化染毛剤を用いた染色処理であることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪処理剤組成物において、前記(C)酸性アミノ酸類が、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸及びタウリンから選ばれる少なくとも一種であることを要旨とする。
本発明によれば、毛髪に繰り返して適用した場合であっても、毛髪の柔らかさ及び指通りの良さを維持することの容易な毛髪処理剤組成物が提供される。
以下、本発明の毛髪処理剤組成物を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の毛髪処理剤組成物には、(A)カチオン化キトサン、(B)塩基性アミノ酸、及び(C)酸性アミノ酸類が含有されている。
(A)カチオン化キトサンは、毛髪の指通りを改善するために含有される。カチオン化キトサンは、キトサン誘導体の一種であって、天然物から得られるキチンを脱アセチル化することで得られるキトサンを更にカチオン化したものである。キチンは、例えばカニ、エビ等の甲殻類、イカ、オキアミ、昆虫、各種菌類等から得ることができる。キトサンは、キチンの脱アセチル化物であり、2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコース(グルコサミン)を構成単位とする塩基性多糖類である。カチオン化キトサンは、三級アミノ基及び四級アンモニウム基の少なくとも一方のカチオン性化合物をキトサンに導入することで得られる。カチオン性化合物としては、例えば、2−クロロエチルジエチルアミン及びその塩酸塩、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジエチルアミン、2,3−エポキシプロピルジメチルアミン、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド及び2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。なお、カチオン化キトサンは、アミノ基をアルキル化したキトサンをカチオン化することでも得ることができる。カチオン化キトサンとしては、例えば上記特許文献1に記載されているカチオン化キトサン、大日精化工業株式会社等から市販されているカチオン化キトサンが挙げられる。こうしたカチオンキトサンは、単独で含有させてもよいし、複数種を組み合わせて含有させてもよい。
毛髪処理剤組成物中における(A)カチオン化キトサンの含有量は、好ましくは0.0001〜1質量%、より好ましくは0.0005〜1質量%である。カチオン化キトサンの含有量が0.0001質量%以上の場合、毛髪の指通りを改善する効果が顕著に得られ易くなる。一方、カチオン化キトサンの含有量が1質量%を超える場合、毛髪の柔らかさに優れる効果が得られ難くなるおそれがある。
(B)塩基性アミノ酸は、酸性アミノ酸類とともに含有されることで、毛髪に柔らかさを付与する。塩基性アミノ酸としては、例えばアルギニン、リシン、ヒドロキシリシン、ヒスチジン及びオルニチンが挙げられる。塩基性アミノ酸は、単独で含有させてもよいし、複数種を組み合わせて含有させてもよい。塩基性アミノ酸は、L体、D体又はDL体であってもよいし、塩として配合されてもよい。塩基性アミノ酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、亜鉛塩などが挙げられる。塩基性アミノ酸の中でも、L−アルギニン、L−リシン及びL−ヒスチジンから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
毛髪処理剤組成物中における塩基性アミノ酸の含有量は、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.005〜3質量%である。塩基性アミノ酸の含有量が0.001質量%以上の場合、毛髪に柔らかさを付与するが顕著に得られ易くなる。一方、塩基性アミノ酸の含有量が5質量%を超える場合、毛髪にべとつき感が生じ易くなる傾向にある。
(C)酸性アミノ酸類は、塩基性アミノ酸とともに毛髪に柔らかさを付与するために含有される。酸性アミノ酸類としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、4−カルボキシグルタミン酸、S−カルボキシメチルシステイン、システイン酸、タウリン(アミノエチルスルホン酸)、アセチルグルタミン酸、及びピロリドンカルボン酸塩が挙げられる。酸性アミノ酸類は、単独で含有させてもよいし、複数種を組み合わせて含有させてもよい。酸性アミノ酸類のうち、光学異性体を有する酸性アミノ酸類は、L体、D体又はDL体であってもよいし、酸性アミノ酸類は塩として配合されてもよい。酸性アミノ酸類の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、亜鉛塩などが挙げられる。酸性アミノ酸類の中でも、タウリン、L−グルタミン酸及びL−アスパラギン酸から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
毛髪処理剤組成物中における酸性アミノ酸類の含有量は、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.005〜3質量%である。酸性アミノ酸類の含有量が0.001質量%以上の場合、毛髪に柔らかさを付与する効果が顕著に得られ易くなる。一方、酸性アミノ酸類の含有量が5質量%を超える場合、毛髪にべとつき感が生じ易くなる傾向にある。
毛髪処理剤組成物には、必要に応じて、例えば水又は低級アルコール、水溶性高分子化合物、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、糖、防腐剤、安定剤、pH調整剤、植物・微生物抽出物、タンパク加水分解物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及びキレート剤を含有させてもよい。
水又は低級アルコールは、各成分の溶媒又は分散媒として含有される。水溶性高分子化合物としては、アニオン性高分子化合物、カチオン性高分子化合物、非イオン性高分子化合物、及び両性の天然又は合成高分子化合物が挙げられる。カチオン性高分子化合物としては、例えばポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム液、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリクオタニウム−10、及びカチオン化グアーガムが挙げられる。非イオン性の合成高分子化合物として、例えばヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコールが挙げられる。両性の合成高分子化合物としては、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−39、及びポリクオタニウム−47が挙げられる。
油性成分としては、例えば油脂、ロウ、高級アルコール、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、及びシリコーンが挙げられる。
油脂としては、例えばラノリン、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウとしては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。高級アルコールとしては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
エステルとしては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、及び2−エチルヘキサン酸セチルが挙げられる。
シリコーンとしては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650〜10,000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、及びフッ素変性シリコーンが挙げられる。
多価アルコールとしては、例えばグリコール、及びグリセリンが挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、及び1,3−ブチレングリコールが挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリンが挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、ココイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。アルキル硫酸塩としては、例えばラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(セトリモニウムクロリド)、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアルトリモニウムクロリド)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム及びクオタニウム−91が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、及びラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばエーテル型非イオン性界面活性剤、及びエステル型非イオン性界面活性剤が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン(以下、POEという。)セチルエーテル(セテス)、POEステアリルエーテル(ステアレス)、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル(オレス)、POEラウリルエーテル(ラウレス)、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POEセチルステアリルジエーテル及びPOEラウリン酸モノエタノールアミドが挙げられる。
エステル型非イオン性界面活性剤としては、例えばモノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル(ラウリン酸ポリグリセリル−10)、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、及びモノミリスチン酸デカグリセリルが挙げられる。
糖としては、例えばソルビトール、マルトース及びグリコシルトレハロースが挙げられる。防腐剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、メチルパラベンが挙げられる。安定剤としては、例えばフェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、及びタンニン酸が挙げられる。pH調整剤としては、例えば乳酸、レブリン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、及びトリエタノールアミン(TEA)が挙げられる。植物・微生物抽出物としては、例えば保湿効果を有する加水分解酵母エキスが挙げられる。タンパク加水分解物としては、例えば(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、及びヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コムギタンパクが挙げられる。酸化防止剤としては、例えばアスコルビン酸及び亜硫酸塩が挙げられる。キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩類が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を含有させてもよい。
毛髪処理剤組成物の剤型は、特に限定されず、例えば水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。
毛髪処理剤組成物が適用される毛髪は、乾燥した状態であってもよいし、濡れた状態であってもよい。毛髪処理剤組成物は、水又は温水で洗い流した後に乾燥されるように構成してもよいし、洗い流さずに乾燥されるように構成してもよい。毛髪処理剤組成物は、例えばシャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、美容液等の製品形態とされる。こうした毛髪処理剤組成物は、毛髪を乾燥する乾燥処理の段階を介して複数回適用されることで、その作用効果が継続して発揮されるようになる。なお、乾燥処理はドライヤーによる乾燥であってもよいし、自然乾燥であってもよい。
さて、本実施形態の毛髪処理剤組成物が毛髪に適用されると、毛髪表面にカチオン化キトサンの皮膜が形成されることで毛髪の指通りが改善される。また、毛髪処理剤組成物は、例えば洗髪の際に適用されるように、毛髪を乾燥する乾燥処理の段階を介して繰り返し適用される。これにより、毛髪にカチオン化キトサンが補充される。このとき、カチオン化キトサンは、毛髪へ吸着力が高く、毛髪に定着し易いと推測される。このため、カチオン化キトサンの蓄積によって、毛髪の柔らかさが失われる傾向になるとともに、毛髪の指通りの良さが感じられ難くなる傾向になるものと考えられる。この点、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸類は、カチオン化キトサンの蓄積を抑制する作用、又は蓄積したカチオン化キトサンに柔軟性を付与する作用を奏すると推測される。その結果、カチオン化キトサンの蓄積が抑制されることで、カチオン化キトサンにより向上された毛髪の指通りを維持しつつ、毛髪に柔らかさを付与することができると推測される。
また、損傷度合いの高い毛髪にカチオン化キトサンを繰り返し適用すると、毛髪に柔らかさが付与され難くなるとともに、毛髪の指通りの良さが感じられ難くなる傾向が強まる。すなわち、損傷度合いの高い毛髪では、カチオン化キトサンがより定着し易いと推測され、そうしたカチオン化キトサンを繰り返し適用することで、カチオン化キトサンは更に蓄積し易い状態となると考えられる。この点、本実施形態の毛髪処理剤組成物は、例えば紫外線により損傷を受けた毛髪において、毛髪の指通りを維持しつつ、毛髪に柔らかさを付与する点で有効である。例えば、酸化染毛剤、毛髪脱色剤及びパーマネントウェーブ用剤を用いた化学的処理の後には、毛髪の損傷度合いが高まる傾向にあるため、こうした化学的処理の後に用いられる後処理剤として、本実施形態の毛髪処理剤組成物を用いることは特に有効である。
更に、本実施形態の毛髪処理剤組成物は、酸化染毛剤により染色処理が施された毛髪の後処理剤として適用することで、その毛髪の退色を抑制する効果を発揮するようになる。
酸化染毛剤は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する染毛第1剤と、酸化剤を含有する染毛第2剤とから構成される。酸化染毛剤は、前記各剤を混合調製する常法に従って使用される。
染毛第1剤は、少なくとも酸化染料及びアルカリ剤を含んでいる。酸化染料は、酸化染毛剤の染毛第2剤に含有される酸化剤による酸化重合に起因して発色可能な化合物であり、染料中間体及びカプラーに分類される。酸化染料は、少なくとも染料中間体を含んでいる。
染料中間体としては、例えばフェニレンジアミン類(但し、メタフェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、メタアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール及びパラメチルアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類(但し、トルエン−3,4−ジアミン及びトルエン−2,4−ジアミンを除く。)、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類(但し、2,6−ジアミノピリジンを除く。)、及びそれらの塩類が挙げられる。塩類としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、及び酢酸塩等が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カプラーは、染料中間体と結合することにより発色する。カプラーとしては、例えばレゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
酸化染料は、毛髪の色調を様々に変化させることができることから、好ましくは、染料中間体の前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種と、カプラーの前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種とから構成される。
酸化染毛剤中における染料中間体の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。染料中間体の含有量が0.01質量%未満の場合、十分な染色性が得られないおそれがある。染料中間体の含有量が10質量%を超えても染色性はそれ以上向上しないことから、染毛の経済性が低下するおそれがある。
酸化染毛剤中におけるカプラーの含有量は、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3質量%である。カプラーの含有量が0.01質量%未満の場合、十分な染色性が得られないおそれがある。カプラーの含有量が5質量%を超えても染色性はそれ以上向上しないことから、染毛の経済性が低下するおそれがある。
染毛第1剤は、前記酸化染料以外の染料として、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料、及び直接染料から選ばれる少なくとも一種を適宜含有してもよい。
アルカリ剤は、酸化染毛剤の染毛第2剤に含有される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させて毛髪への染料の浸透性を向上させることにより、染色性を向上させる。アルカリ剤としては、例えばアンモニア、アルカノールアミン、有機アミン類、無機アルカリ、塩基性アミノ酸、及びそれらの塩が挙げられる。有機アミン類としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及びグアニジンが挙げられる。無機アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムが挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えばアルギニン、及びリジンが挙げられる。塩としては、例えばアンモニウム塩が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
アルカリ剤の含有量は、好ましくは染毛第1剤のpHが8〜12の範囲となる量である。染毛第1剤のpHが8未満では、染毛第1剤が染毛第2剤と混合されたときに、染毛第2剤に酸化剤としての過酸化水素が含有される場合、過酸化水素の作用が十分に促進されないおそれがある。染毛第1剤のpHが12を超えると、酸化染毛剤が毛髪に塗布されたときに、毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
染毛第1剤中におけるアルカリ剤の含有量は、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.2〜11質量%、さらに好ましくは0.6〜10質量%、最も好ましくは0.6〜9質量%である。染毛第1剤中におけるアルカリ剤の含有量が0.1質量%未満の場合、十分な均染性が得られないおそれがある。一方、染毛第1剤中におけるアルカリ剤の含有量が12質量%を超える場合、仕上り後の毛髪において良好な感触を得ることが困難となるおそれがある。
染毛第1剤は、所定量の水を含有することにより、染毛第1剤は乳化物、溶液又は分散液として調製される。染毛第1剤中における水の含有量は、好ましくは50〜95質量%であり、さらに好ましくは70〜90質量%である。水の含有量が50質量%未満の場合、乳化物、溶液又は分散液の形態にすることが困難となるおそれがある。水の含有量が95質量%を超える場合、染毛第1剤の均一性及び安定性を確保し難くなるおそれがある。
染毛第1剤は、必要に応じて、例えば油性成分、界面活性剤、水溶性高分子化合物、多価アルコール、糖類、防腐剤、キレート剤、安定剤、pH調整剤、植物・微生物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも一種を含有してもよい。こうした成分の具体例については、上記毛髪処理剤組成物に例示したものが挙げられる。
染毛第1剤の剤型は、特に限定されず、例えば水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。
染毛第2剤は少なくとも酸化剤を含んでいる。酸化剤は、酸化染料を酸化重合させて発色する。酸化剤としては、例えば過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及び、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。酸化剤は、好ましくは、毛髪に含まれるメラニンの脱色力に優れることから、過酸化水素から構成される。
染毛第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.1〜10.0質量%、より好ましくは0.5〜8.0質量%である。酸化剤の含有量が0.1質量%未満の場合、酸化染料を十分に酸化重合させることが困難となるおそれがある。酸化剤の含有量が10.0質量%を超える場合、毛髪が損傷しやすくなるおそれがある。
染毛第2剤には、その他の成分として水、上記の油性成分、界面活性剤等を含有させることもできる。また「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を含有させてもよい。
染毛第2剤の剤型は、特に限定されず、例えば水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。
こうした酸化染毛剤を毛髪に塗布した後、その酸化染毛剤を洗い流すことで毛髪には染色処理が施される。このように酸化染毛剤が適用された毛髪に対して、上記毛髪処理剤組成物を適用すると、カチオン化キトサンが吸着することで毛髪から染料が脱離され難くなる。また、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸の存在下においては、カチオン化キトサンが毛髪の損傷部分において馴染み易くなり、そうした部分での皮膜形成が促進されると推測される。その結果、染料の離脱し難い髪質になるものと考えられる。
このように毛髪処理剤組成物は、染色処理された毛髪の後処理剤として用いられることで、毛髪の指通りを維持しつつ、毛髪に柔らかさを付与することができ、しかも、毛髪の退色を抑制することができる。
毛髪処理剤組成物は、酸化染毛剤を洗い流すことで濡れた状態とされた毛髪に適用されることが好ましい。このように染色処理直後の毛髪に適用されることで、染色処理直後の色調が維持され易くなる。なお、毛髪処理剤組成物を濡れた状態の毛髪に適用する際には、酸化染毛剤を水又は温水で洗い流した状態の毛髪に適用されてもよいし、染色処理後において通常のシャンプーで洗浄した毛髪に適用されてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)カチオン化キトサンは、毛髪に繰り返し適用されると、毛髪が硬く感じられる傾向になる。この点、本実施形態の毛髪処理剤組成物には、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸類が含有されている。このため、カチオン化キトサンにより向上された毛髪の指通りを維持しつつ、毛髪に柔らかさを付与することができるようになる。従って、毛髪に繰り返して適用した場合であっても、毛髪の柔らかさ及び指通りの良さを維持することの容易な毛髪処理剤組成物が提供される。
(2)損傷の度合いが高い毛髪にカチオン化キトサンを繰り返して適用すると、毛髪の硬く感じられる傾向が強まる。この点、本実施形態の毛髪処理剤組成物は、毛髪に柔らかさを付与することができるため、酸化染毛剤、毛髪脱色剤及びパーマネントウェーブ用剤を用いた化学的処理の後の毛髪に適用される後処理剤として有効である。
(3)酸化染毛剤を用いて染色処理された毛髪では、カチオン化キトサンにより退色抑制効果が発揮される。このとき、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸類を併用しているため、退色抑制効果が更に発揮されるようになる。
(4)酸性アミノ酸類が、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸及びタウリンから選ばれる少なくとも一種であることで前記(1)欄に記載の作用効果がより顕著に得られるようになる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・毛髪に通常のシャンプーを施してから、例えばコンディショニング剤として構成した前記毛髪処理剤組成物を用いてもよい。
・例えばシャンプー剤として構成した前記毛髪処理剤組成物を用いた後に、通常のコンディショニング剤等で毛髪を処理してもよい。
・毛髪を乾燥する乾燥処理の段階を介して前記毛髪処理剤組成物を複数回繰り返して実施するに際しては、毛髪処理剤組成物の適用を毎日実施してもよいし、例えば3日、5日、7日毎といった期間をおいて実施してもよい。
・前記毛髪処理剤組成物を、複数の剤に分割して構成するとともに、それら複数の剤を使用時に混合するように構成してもよい。
・前記毛髪処理剤組成物を、複数の剤に分割して構成するとともに、それら複数の剤を順に毛髪に塗布することで、毛髪上で混合されるように構成してもよい。
・前記酸化染毛剤は、染毛第1剤及び染毛第2剤から構成されているが、少なくとも一方の剤を、複数の剤に分割して構成するとともに、それら複数の剤を使用時に混合するように構成してもよい。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)酸化染毛剤を毛髪に塗布した後にその酸化染毛剤を洗い流す染色処理を施した毛髪を後処理する毛髪処理方法であって、前記酸化染毛剤を洗い流すことで濡れた状態とされた毛髪に、前記毛髪処理剤組成物を適用する毛髪処理方法。
(ロ)前記毛髪処理剤組成物を、毛髪の乾燥処理を介して複数回適用する上記(イ)に記載の毛髪処理方法。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜6、比較例1〜7)
表1及び表2に示される各成分を混合することにより、各例のシャンプーを調製した。なお、各表の配合量を示す数値の単位は、質量%であり、その値は各表に記載の成分の純分を示している。カチオン化キトサンとしては、キトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを用いている。
<試験用の毛束サンプルの作製>
長さ15cmの黒髪毛束を準備し、その黒髪毛束を脱色剤(ホーユー株式会社製、(商品名)プロマスターEX LT)で常法により脱色処理した後、乾燥させた。次に、脱色された毛束をパーマ剤(ホーユー株式会社製、(商品名)ルテア TG)で常法によりパーマ処理した後に、乾燥させた。続いて、その毛束を酸化染毛剤(ホーユー株式会社製、(商品名)プロマスターEX B 7/6)を用いて茶色に染色することで、試験用の毛束サンプルを作製した。
<試験手順:各例のシャンプー>
毛髪処理1:各例のシャンプーを用いて上記試験用の毛束サンプルを常法に従って洗浄した。
毛髪処理2:続いて、毛束サンプルのタオルドライ後に、洗い流さないタイプのトリートメントを塗布し、その毛束を乾燥させた。なお、ここでの洗い流さないタイプのトリートメントは、下記表3の実施例7の洗い流さないトリートメントに含まれる各成分のうち、(A)、(B)及び(C)の各成分を精製水に置き換えて調製したものである。こうした毛髪処理2により、各例のシャンプーを1回適用した毛束サンプル(初回適用後の毛束サンプル)を作製した。また、以下の毛髪処理3による退色抑制効果を評価するための比較用の毛束サンプルとして、毛髪処理1及び2のみを実施したものを準備した。
毛髪処理3:続いて、上記毛髪処理1及び2の各処理を9回実施することで、各例のシャンプーを合計10回適用した毛束サンプルを作製した。各例の毛束サンプルについて以下の評価を行った。
<毛髪の柔軟性>
パネラー20名が毛束サンプルの柔らかさについて触感で官能評価した。パネラー20名のうち、柔らかさを感じると判定した人数に基づいて、以下のように5段階で評価した。
20〜17名:評価5
16〜13名:評価4
12〜9名:評価3
8〜5名:評価2
4〜0名:評価1
各表には、各例における毛髪の柔軟性の評価結果を併記している。
<指通りの良さ>
パネラー20名が各例のシャンプーを適用した毛束サンプルに指を通すことで、指通りの良さについての官能評価を行った。パネラー20名のうち、指通りの良さを感じると判定した人数に基づいて、上記毛髪の柔軟性と同様に5段階で評価した。各表には、各例における指通りの良さの評価結果を併記している。
<退色抑制効果>
毛束サンプルの色調について、パネラー20名が比較用の毛束サンプルと目視で比較した。パネラー20名のうち、退色抑制効果が発揮されていると判定した人数に基づいて、上記毛髪の柔軟性と同様に5段階で評価した。各表には、各例における退色抑制効果の評価結果を併記している。
Figure 0005507897
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表1及び表2に示されるように、各実施例では、初回適用後、及び10回適用後のいずれについても、毛髪の柔らかさ及び指通りの良さの評価は、各比較例よりも優れる結果となった。
比較例1〜3では、カチオン化キトサンが含有されていないため、毛髪の指通りについて各実施例よりも劣る結果となった。比較例2及び3の結果から、カチオン化キトサン以外のキトサン誘導体を含有させたとしても、毛髪の指通りについて各実施例よりも劣ることが分かる。
比較例4〜7では、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸類の少なくとも一方が含有されていないため、10回適用後において、毛髪の柔らかさ及び指通りのいずれについても各実施例よりも劣る結果となった。比較例5では、中性アミノ酸の一種であるL−プロリンと酸性アミノ酸類とを併用している。比較例7では、塩基性アミノ酸と、中性アミノ酸の一種であるチロシンとを併用している。こうした比較例5及び7の結果から、毛髪の柔らかさ及び指通りの作用効果を高める作用効果は、カチオン化キトサンに対して塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸類を併用して初めて発揮されることが分かる。
更に、各実施例では、10回適用後の退色抑制効果について、各比較例よりも優れる結果が得られた。こうした退色抑制効果についても、比較例5及び7の結果から、カチオン化キトサンに対して塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸類を併用して初めて発揮されることが分かる。
(実施例7〜11、比較例8〜14)
表3及び表4に示される各成分を混合することにより、各例のヘアトリートメントを調製した。このヘアトリートメントは、毛髪に適用後、洗い流さずに用いるタイプである。なお、各表の配合量を示す数値の単位は、質量%である。カチオン化キトサンとしては、キトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを用いている。
試験用毛髪サンプルは、上記の<試験用の毛束サンプルの作製>と同様にして作製した。
<試験手順:各例の洗い流さないタイプのヘアトリートメント>
毛髪処理1:シャンプーを用いて上記試験用の毛束サンプルを常法に従って洗浄した。ここでのシャンプーは、表1の実施例1のシャンプーに含まれる各成分のうち、(A)、(B)及び(C)の各成分を精製水に置き換えて調製したものである。
毛髪処理2:続いて、毛束サンプルのタオルドライ後に、各例における洗い流さないタイプのトリートメントを塗布し、その毛束を乾燥させることで、各例における洗い流さないタイプのトリートメントを1回適用した毛束サンプル(初回適用後の毛束サンプル)を作製した。また、以下の毛髪処理3を通じた退色抑制効果を評価するため、比較用の毛束サンプルとして、毛髪処理1及び2のみを実施したものを準備した。
毛髪処理3:続いて、上記毛髪処理1及び2の各処理を9回実施することで、各例における洗い流さないタイプのトリートメントを合計10回適用した毛束サンプルを作製した。各例の毛束サンプルについて、上記の<毛髪の柔軟性>、<指通りの良さ>及び<退色抑制効果>の各欄に記載した方法で評価した。表3には、各例の評価結果を併記している。
Figure 0005507897
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表3及び表4に示されるように、各例の洗い流さないタイプのトリートメントにおいても、上記各例のシャンプーと同様に各実施例は各比較例よりも優れる評価結果が得られた。

Claims (4)

  1. (A)カチオン化キトサンを含有する毛髪処理剤組成物であって、(B)塩基性アミノ酸及び(C)酸性アミノ酸類を含有する(但し、デンプンリン酸(スターチホスフェート)類の含有を除く。)ことを特徴とする毛髪処理剤組成物。
  2. 毛髪の化学的処理の後に用いられる後処理剤であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理剤組成物。
  3. 前記化学的処理が、酸化染毛剤を用いた染色処理であることを特徴とする請求項2に記載の毛髪処理剤組成物。
  4. 前記(C)酸性アミノ酸類が、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸及びタウリンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪処理剤組成物。
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