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JP4245427B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置 Download PDF

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JP4245427B2
JP4245427B2 JP2003202462A JP2003202462A JP4245427B2 JP 4245427 B2 JP4245427 B2 JP 4245427B2 JP 2003202462 A JP2003202462 A JP 2003202462A JP 2003202462 A JP2003202462 A JP 2003202462A JP 4245427 B2 JP4245427 B2 JP 4245427B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される自動変速機の変速制御装置に関し、特に、変速作動中において異なる変速が判断される場合の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動変速機を搭載した車両において、所定変速段への変速作動中、その所定の変速段とは異なる変速段への変速が判断されることがある。たとえば、1速から2速に変速中、アクセルペダルを急激に踏込むキックダウン操作により1速への変速指令が発生することがある。
【0003】
従来、このような場合、アップシフト作動中にダウンシフト指令が発生しても、アップシフト動作が終了するまで、ダウンシフト動作を禁止している。これにより、高速段用摩擦係合装置用のアキュムレータにオイルが十分供給されて、高速段用摩擦係合装置のサーボ油圧が十分に高い値になった時から、ダウンシフト作動が開始されるので、アップシフト作動の途中でダウンシフト作動を始める場合のように、高速段用摩擦係合装置用のアキュムレータへオイルが完全に供給される前に、アキュムレータから再びオイルが排出されて、大きな変速ショックを生ずることを防止している。
【0004】
このような技術では、アップシフト(第1の変速)動作が終了するまで、ダウンシフト(第2の変速)が禁止されるので、アップシフト開始からダウンシフト終了までの変速時間が長くなってしまう。このように第1の変速動作中に第2の変速が判断される場合、変速ショックの発生を防止するとともに、変速時間の短縮化を図った自動変速機の制御装置が、以下に示す公報に開示されている。
【0005】
特開平9−273626号公報(特許文献1)は、第1の変速動作中に第2の変速が判断された場合、変速ショックの発生を防止するとともに、変速時間の短縮化を図ることができる自動変速機の制御装置を開示する。この自動変速機の制御装置は、車輌走行状況に基づく各センサからの信号を入力し、所定摩擦係合要素の油圧サーボへの油圧を制御する油圧制御手段に油圧制御信号を出力する制御部を有する自動変速機の制御装置であって、制御部が、各センサからの信号に基づき、第1の変速動作中に第2の変速が判断される場合、第1の変速動作の変速状態に応じて、第2の変速のための油圧制御信号を出力する多重変速制御手段を有する。
【0006】
特許文献1に開示された自動変速機の制御装置によると、第1の変速動作中に第2の変速判断がなされると、たとえば1→2速アップシフト動作中に、1速段へのダウンシフトが判断されると、上記第2の変速判断時における第1の変速動作の変速状態に応じて、第2の変速動作の油圧が制御される。1→2速へのアップシフト動作中におけるトルク相、すなわち入力軸の回転変化が生じる変速開始する以前において1速段へのダウンシフトが判断されると、ダウンシフトの完了制御のみが行なわれ、またイナーシャ相、即ち変速開始以降において1速段へのダウンシフトが判断されると、ダウンシフトの初期変速制御からの油圧制御が行なわれる。その結果、第2の変速判断における第1の変速動作の変速状態に応じて第2の変速のための油圧制御が行なわれるので、第1の変速動作の終了を待つ必要がなく、変速時間の短縮化を図ることができるとともに、変速状態に応じて常に適正な油圧制御を行うことができる。
【0007】
特開平9−287654号公報(特許文献2)は、第1の変速動作中に第2の変速が判断された場合、変速ショックの発生を防止するとともに、変速時間の短縮化を図ることができる自動変速機の制御装置を開示する。この自動変速機の制御装置は、車輌走行状況に基づく各センサからの信号を入力し、複数の所定摩擦係合要素の油圧サーボへの油圧を制御する複数の油圧制御手段にそれぞれ油圧制御信号を出力する制御部を有する自動変速機の制御装置であって、制御部が、各センサからの信号に基づき、第1の変速動作中に第2の変速が判断される場合、第2の変速が判断されると、第2の変速において作動する摩擦係合要素用油圧を、ピストンがストロークしかつ摩擦係合要素がトルク伝達する前の状態になるようにサーボ起動を開始し、そしてサーボ起動終了した状態でかつ第1の変速による所定変速段を確定した状態で、第2の変速動作を開始するように油圧制御信号を出力する多重変速制御手段を有する。
【0008】
特許文献2に開示された自動変速機の制御装置によると、第1の変速動作中に第2の変速判断がなされると、変速判断後直ちに第2の変速において作動する摩擦係合要素用の油圧がサーボ起動を開始し、そしてサーボ起動が終了しかつ第1の変速による所定変速段を確定すると、第2の変速動作が開始される。その結果、第2の変速判断後直ちに、第2の変速のためのサーボ起動を開始されるので、その分タイムラグをなくして、多重変速時の変速時間を短縮するとともに、サーボ起動の終了でかつ第1の変速による所定変速段を確定した状態で、第2の変速動作が開始されるので、変速フィーリングを損なうことはない。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−273626号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平9−287654号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公報に開示されたいずれの自動変速機の制御装置においても、そのタイミングによっては、摩擦係合要素の解放と係合とによる変速ショックの発生があり得た。特に、アップシフトからダウンシフトへの切換えで、対象となるクラッチを係合から解放するようにシフトバルブを切換えると、一瞬クラッチ圧が低下してしまい、変速ショックが発生してしまう。
【0012】
すなわち、特許文献1に開示された変速制御装置では、1速から2速へのアップシフト動作中に、1速へのダウンシフトが判断されると、第2の変速判断時における第1の変速動作の変速状態に応じて、第2の変速動作の油圧が制御される。たとえば、1→2速へのアップシフト動作中におけるトルク相、すなわち入力軸の回転変化が生じる変速を開始する以前と、イナーシャ相、すなわち変速開始以降とに区別して、油圧制御が行なわれる。このように変速過程をトルク相とイナーシャ相とに区別して油圧制御を行なっても、特に、アップシフトからダウンシフトへの切換えで、対象となるクラッチを係合から解放するようにシフトバルブを切換えると、一瞬クラッチ圧が低下してしまい、変速ショックが発生してしまう。
【0013】
また、特許文献2には、アキュームレータを用いた油圧回路の開示があるが、これは、5速から4速への変速時に3速への変速指令(多重変速)が発生した場合のみ、5速から4速への変速動作に伴う摩擦係合要素を解放するために使用されるものであって、変速指令に伴うシフトバルブの切換えとは関連なく、単に滑らかにドレン排出するために使用されるにすぎない。
【0014】
このような問題は、アキュームレータを備えた摩擦係合要素をシフトバルブで切換えてライン圧を供給または排出(ドレン)するときに、ライン圧の供給途中でシフトバルブを切換えると、油路が切換わることにより作動油の流れが変わり、流れのバランスが一瞬崩れることや、ライン圧の供給から排出に切換わることによりアキュームレータの動作が一瞬停止(どちら側にも圧力をかけない)することになり、摩擦係合要素の係合圧を変動させてしまう。これが変速ショックとして発現する。
【0015】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、多重変速時に変速ショックを生じさせない、自動変速機の変速制御装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る自動変速機の変速制御装置は、複数の摩擦係合要素から構成される自動変速機の変速制御装置である。この自動変速機には、複数の摩擦係合要素の中の摩擦係合要素が解放されて成立する第1の変速段と、摩擦係合要素が係合されて成立する第2の変速段とがある。摩擦係合要素は1つのシフトバルブに接続され、摩擦係合要素には背圧制御可能なアキュームレータが設けられる。シフトバルブが切換えられないことで第1の変速段と第2の変速段との間の変速が達成される場合において、この変速制御装置は、第1の変速段から第2の変速段への変速時において、第1の変速段への多重変速指令を検知するための検知手段と、油圧回路を制御することにより、摩擦係合要素の係合および解放を制御するための制御手段とを含む。制御手段は、多重変速指令に応答して、アキュームレータの背圧を制御するためのアキュームレータ制御手段と、アキュームレータの背圧が制御された後において、予め定められた条件が満足されたことに応答して、シフトバルブを制御するためのバルブ制御手段とを含む。
【0017】
第1の発明によると、トルクコンバータと遊星歯車式変速機構とから構成される有段式の自動変速機において、たとえば、第1の変速段(第1速ギヤ段である1st)から第2の変速段(第2速ギヤ段である2nd)に変速中、アクセルペダルを急激に踏込むキックダウン操作により第1の変速段への変速指令(多重変速指令)が発生することがある。第2の変速段への変速時には、摩擦係合要素を係合させるために、ライン圧を早急に供給することを目的としてアキュームレータの背圧は高くなるように制御されている。このような場合において、多重変速指令を検知すると、アキュームレータ制御手段は、アキュームレータの背圧を低下させるように制御する。このとき、バルブ制御手段は、第2の変速段から第1の変速段への変速指令に対応するようにシフトバルブを切換えない。シフトバルブにより第2の変速段を形成するように油路が構成されているが、アキュームレータの背圧が下がるので、係合過程である摩擦係合要素に供給されるライン圧がアキュームレータ側に供給され、摩擦係合要素に十分なライン圧が供給されなくなる。これにより、シフトバルブを切換えることなく、アキュームレータの背圧を低下させて摩擦係合要素へライン圧が供給されにくくして、摩擦係合要素が再度解放されるようになる。摩擦係合要素の解放により、第1の変速段から第2の変速段への変速過程において、実ギヤ段が第1速に戻ることになる。この後、バルブ制御手段によりシフトバルブを制御(たとえば第2の変速段から第1の変速段に切換えるような制御)する。このため、摩擦係合要素の係合圧が急変することはなくなり、変速ショックを生じなくなる。その結果、多重変速時に変速ショックを生じさせない、自動変速機の変速制御装置を提供することができる。
【0018】
第2の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、アキュームレータ制御手段は、多重変速指令に応答して、アキュームレータの背圧を低下させるように制御するための手段を含む。
【0019】
第2の発明によると、摩擦係合要素へのライン圧供給過程において、アキュームレータの背圧を低下させて、摩擦係合要素へライン圧が供給されないようにして、第1の変速段から第2の変速段への変速時に、実ギヤ段が第1の変速段になるようにできる。その後、シフトバルブを切換えるので、変速ショックは生じない。
【0020】
第3の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、バルブ制御手段は、第2の変速段から第1の変速段への変速が終了したことに応答して、シフトバルブを制御するための手段を含む。
【0021】
第3の発明によると、アキュームレータの背圧を低下させて、摩擦係合要素へライン圧が供給されないようにして、第1の変速段から第2の変速段への変速時に、実ギヤ段が第1の変速段になるようしてから、シフトバルブを切換えるので、変速ショックは生じない。
【0022】
第4の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、バルブ制御手段は、エンジン回転数またはタービン回転数の変化に基づいて、第2の変速段から第1の変速段への変速が終了したことを判断して、シフトバルブを制御するための手段を含む。
【0023】
第4の発明によると、アキュームレータの背圧を低下させて、摩擦係合要素へライン圧が供給されないようにして、エンジン回転数またはタービン回転数の変化に基づいて、実ギヤ段が第1の変速段になったと判断してから、シフトバルブを切換えるので、変速ショックは生じない。
【0024】
第5の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、バルブ制御手段は、予め定められた時間が経過したことに応答して、シフトバルブを制御するための手段を含む。
【0025】
第5の発明によると、摩擦係合要素へのライン圧供給過程において、アキュームレータの背圧を低下させて、摩擦係合要素へライン圧が供給されないようにして、第1の変速段から第2の変速段への変速時に、実ギヤ段が第1の変速段になるようにするのに必要な時間の経過後に、シフトバルブを切換えるので、変速ショックは生じない。
【0026】
第6の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、多重変速指令は、多重変速中にアクセルペダルを急激に踏込むキックダウン操作により発生するものである。
【0027】
第6の発明によると、アクセルペダルを急激に踏込むキックダウン操作により多重変速が発生しても、アキュームレータの背圧を低下させる制御を行なうので、変速ショックは生じない。
【0028】
第7の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、第1の変速段は第1速ギヤ段であり、第2の変速段は第2速ギヤ段であるものである。
【0029】
第7の発明によると、第1速ギヤ段(1st)から第2速ギヤ段(2nd)への変速途中において、運転者がアクセルペダルを急激に踏込むキックダウン操作により多重変速が発生しても、アキュームレータの背圧を低下させる制御を行なうので、変速ショックは生じない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0031】
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、図1に示すECU(Electronic Control Unit)1000により実現される。本実施の形態では、自動変速機を、流体継手としてトルクコンバータを備えた、遊星歯車式変速機構を有する自動変速機として説明する。
【0032】
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、より詳しくは、図1に示すECU1000の中のECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1020により実現される。
【0033】
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、トルクコンバータ200と、自動変速機300と、ECU1000とから構成される。
【0034】
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサ400により検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
【0035】
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ210と、入力軸側のポンプ羽根車220と、出力軸側のタービン羽根車230と、ワンウェイクラッチ250を有するトルク増幅機能を発現するステータ240とから構成される。トルクコンバータ200と自動変速機300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサ410により検知される。自動変速機300の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサ420により検知される。
【0036】
ロックアップクラッチ210は、油圧を供給するロックアップリレーバルブによって油圧の供給/排出が係合側と解放側とで切換えられて作動させられ、ロックアップピストンが軸方向に移動することによって、ロックアップピストンとフロントカバーとが摩擦材を介して接離させる。また、ロックアップクラッチ210によってトルクコンバータ内が区画され、ロックアップピストンとフロントカバーとの間に、ロックアップクラッチ210を解放するための解放側油室が、ロックアップピストンとタービンランナとの間にロックアップクラッチ210を係合させるための係合側油室がそれぞれ形成され、解放側油室および係合側油室に、バルブボディ内の油圧回路から油圧が供給されるようになっている。
【0037】
図2に自動変速機300の作動表を示す。図2に示す作動表によると、摩擦要素であるクラッチ要素(図中のC1〜C4)や、ブレーキ要素(B1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(F0〜F3)が、どのギヤ段の場合に係合および解放されるかを示している。車両の発進時に使用される1速時には、クラッチ要素(C1)、ワンウェイクラッチ要素(F0、F3)が係合する。
【0038】
これらのクラッチ要素の中で、特に、クラッチ要素C1を入力クラッチ310という。この入力クラッチ(C1)310は、前進クラッチやフォワードクラッチとも呼ばれ、図2の作動表に示すように、パーキング(P)ポジション、後進走行(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション以外の、車両が前進するための変速段を構成する際に必ず係合状態で使用される。
【0039】
また、これらのブレーキ要素の中で、ブレーキ要素(B3)312に着目すると、このブレーキ要素(B3)312は、1st時に解放状態であって、2nd時に係合状態で使用される。1stから2ndへの変速中に、運転者がアクセルペダルを急激に踏込むキックダウン操作により2ndの変速ギヤ段を形成する前に、1stへの変速指令が発生することがある。このような場合、ブレーキ要素312(B3)は、係合途中から解放されることになる。このブレーキ要素(B3)312の油圧回路については後述する。
【0040】
これらのパワートレーンを制御するECU1000は、エンジン100を制御するエンジンECU1010と、自動変速機300を制御するECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1020とを含む。
【0041】
ECT_ECU1020には、タービン回転数センサ410からタービン回転数NTを表わす信号が、出力軸回転数センサ420から出力軸回転数NOUTを表わす信号が入力される。また、ECT_ECU1020には、エンジンECU1010から、エンジン回転数センサ400にて検知されたエンジン回転数NEを表わす信号と、スロットルポジションセンサにて検知されたスロットル開度を表わす信号とが入力される。
【0042】
これら回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられている。これらの回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
【0043】
本発明の実施の形態に係る制御装置であるECU1000では、自動変速機300の状態が1stから2ndへの変速途中に、車両の車速とスロットル開度とにより定まる変速線図から、1stへの変速指令を検知すると、ECT_ECU1020が、ブレーキ要素(B3)312のB3アキュームレータの背圧を低下させるように制御する。この時点では、ECT_ECU1020は、ブレーキ要素(B3)312へのライン圧の供給とライン圧の排出(ドレン)とを切換える1→2シフトバルブ510を切換えない。
【0044】
図3を参照して、ブレーキ要素(B3)312にライン圧を供給する油圧回路について説明する。ブレーキ要素(B3)312は、図2の作動表に示すように、1stで解放の状態となり、2ndで係合の状態となる。このブレーキ要素(B3)312は1→2シフトバルブ510により油路が切換えられ、2ndの状態でライン圧が切換えられ1stの状態で作動油が排出(ドレン)される。図3には、1stの状態を点線で、2ndの状態を実線で示す。
【0045】
1→2シフトバルブ510はオンオフソレノイド(S1)500により切換えられる。オンオフソレノイド(S1)500は、ECT_ECU1020のトランスミッションソレノイド信号に基づいて動作が制御される。ブレーキ要素(B3)312にはB3アキュームレータ560が接続される。B3アキュームレータ560とブレーキ要素(B3)312との間には、1→2シフトバルブ510からライン圧をブレーキ要素(B3)312に供給するときに用いられるオリフィスと、ブレーキ要素(B3)312から1→2シフトバルブ510を介して作動油がドレンされるときに用いられるオリフィスが接続されている。
【0046】
より具体的には、ブレーキ要素(B3)312にライン圧が供給されるときのみに用いられるチェックボール付オリフィス530と、ブレーキ要素(B3)312から作動油がドレンされるときのみに使用されるチェックボール付オリフィス550と、ブレーキ要素(B3)312にライン圧が供給される場合およびブレーキ要素(B3)312から作動油がドレンされる場合の双方の場合に使用されるオリフィス520およびオリフィス540が設けられている。
【0047】
B3アキュームレータ560の背圧は、アキュームレータコントロールバルブ570により制御される。アキュームレータコントロールバルブ570にはライン圧が供給され、そのライン圧が調圧されてB3アキュームレータ560の背圧として供給される。アキュームレータコントロールバルブ570は、リニアソレノイド(SLT)580と、リニアソレノイド(SL1)590とから受信する制御信号に基づいてライン圧が調圧される。
【0048】
図4を参照して、本実施の形態に係るECU1000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図4に示すフローチャートにより表わされるプログラムは、ECU1000の中のECT_ECU1020により実行される。
【0049】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECT_ECU1020は、1stから2ndへの変速制御中であるか否かを判断する。1stから2ndへの変速制御中であると(S100にてYES)、処理はS102へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
【0050】
S102にて、ECT_ECU1020は、2ndから1stへの変速指令を検知したか否かを判断する。このとき、たとえばスロットル開度信号と車速とに基づいて、2ndから1stへのダウンシフト線を越えることにより2ndから1stへの変速指令が検知される。2ndから1stへの変速指令を検知すると(S102にてYES)、処理はS104へ移される。もしそうでないと(S102にてNO)、処理はS100へ戻される。
【0051】
S104にて、ECT_ECU1020は、リニアソレノイド(SL1)590およびリニアソレノイド(SLT)580に指令圧信号を出力する。この指令圧信号は、B3アキュームレータ560の背圧を低下させる信号である。
【0052】
S108にて、ECT_ECU1020は、予め定められた条件が成立したか否かを判断する。予め定められた条件が成立すると(S108にてYES)、処理はS110へ移される。もしそうでないと(S108にてNO)、処理はS108へ戻され、予め定められた条件が成立するまで待つ。
【0053】
S110にて、ECT_ECU1020は、オンオフソレノイド(S1)500に切換信号を出力する。このときの切換信号は、1→2シフトバルブ510を2ndから1stに切換える信号である。
【0054】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECU1020を搭載した車両の多重変速(1st→2nd→1st)の動作について説明する。
【0055】
車両が走行中に、1stから2ndへの変速制御が行なわれる場合(S100にてYES)、図5に示すように1→2変速出力がECT_ECU1020からトランスミッションソレノイド信号として出力される。このとき図6に示す変速線図におけるA点からB点に変化したことにより、1→2アップシフト変速線を横切るため1stから2ndへの変速制御が開始される。1stから2ndへの変速制御が行なわれる場合(S100にてYES)、2ndから1stへの変速指令を検知すると(S102にてYES)、リニアソレノイド(SL1)590およびリニアソレノイド(SLT)580にB3アキュームレータ560の背圧を低下させるような指令圧信号が出力される(S104)。このとき図6に示す変速図におけるB点からC点に移動したことにより(運転者がアクセルを強く踏み込んだ)、2→1ダウンシフト変速線を横切るため2ndから1stへの変速指令が出力される。
【0056】
図5に示すように、背圧指令値は、スロットル開度の上昇に伴い変速図における2→1ダウンシフト変速線を横切ることによって2ndから1stへの変速指令が出力されるとB3アキュームレータ560の背圧が低下するように制御されるが、1→2変速出力はそのままの状態を維持する。
【0057】
図5(A)に示すように、本実施の形態に係るECT_ECU1020で実行されるプログラムによると、実線のように2ndから1stへの変速出力は点線で示す2ndから1stへの変速指令に対応しているものではない。
【0058】
図5(D)に示すようにB3アキュームレータ560の背圧指令値がまず低下され、これにより図5(B)に示すようにエンジン回転数やタービン回転数が変化し、予め定められた条件が成立した後(S108にてYES)、オンオフソレノイド(S1)500に切換信号が出力される。このとき図5(A)に示すように1stから2ndへの変速出力がオフとなる。
【0059】
図5(E)に示すように、ブレーキ(B3)312のクラッチ圧は従来(点線)で示すように一瞬低下することがないため、図5(F)に示すように従来(点線)に示すようにアウトプットトルクも変動することがなく変速ショックが生じなくなる。
【0060】
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECUによると、1stから2ndへの変速制御中に運転者がアクセルを強く踏み込んで(キックダウン)、2ndから1stへの変速指令を検知すると1→2シフトバルブを直ちに切換えることをしないで、ブレーキB3に接続されたB3アキュームレータの背圧を低下させることによりブレーキB3に供給されるライン圧を低下させ係合途中であるブレーキ要素B3の油圧を低下させるように制御する。このようにすることにより1stから2ndへの変速途中であったブレーキ要素B3が1stの状態である解放側に移行し、その後所定条件成立にて、オンオフソレノイドを制御して1→2シフトバルブを1st側に切換えることにより油圧が大きく落ち込むことを防ぐことができる。その結果、多重変速中にシフトバルブを切換えないため油路が切換わることがなく作動油の流れが変わらず作動油の流れのバランスが変わらない。またアキュームレータはブレーキ要素B3へのライン圧の供給とB3からのライン圧の排出とを多重変速中に切換えるのではなくアキュームレータの背圧を制御してブレーキ要素B3に供給されるライン圧が供給されないようにするため、アキュームレータの動きが止まる状態を回避することができる。その結果、多重変速時において変速ショックが生じないようにすることができる。
【0061】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御ブロック図である。
【図2】 図1に示す自動変速機の作動表である。
【図3】 油圧回路を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係るECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の実施の形態に係る自動変速機が搭載された車両の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態に係る自動変速機における変速線図である。
【符号の説明】
100 エンジン、200 トルクコンバータ、210 ロックアップクラッチ、220 ポンプ羽根車、230 タービン羽根車、240 ステータ、250 ワンウェイクラッチ、300 自動変速機、310 入力クラッチ、400エンジン回転数センサ、410 タービン回転数センサ、420 出力軸回転数センサ、1000 ECU、1010 エンジンECU、1020 ECT_ECU。

Claims (5)

  1. 複数の摩擦係合要素から構成される自動変速機の変速制御装置であって、前記自動変速機には、前記複数の摩擦係合要素の中の1つの摩擦係合要素が解放されて成立する第1の変速段と、前記摩擦係合要素が係合されて成立する第2の変速段とがあり、前記摩擦係合要素は1つのシフトバルブに接続され、前記摩擦係合要素には背圧制御可能なアキュームレータが設けられ、前記シフトバルブが切換えられないことで前記第1の変速段と前記第2の変速段との間の変速が達成される場合において、
    前記第1の変速段から前記第2の変速段への変速時において、前記第1の変速段への多重変速指令を検知するための検知手段と、
    油圧回路を制御することにより、前記摩擦係合要素の係合および解放を制御するための制御手段とを含み、
    前記制御手段は、
    記多重変速指令に応答して、前記アキュームレータの背圧を制御するためのアキュームレータ制御手段と、
    前記アキュームレータの背圧が制御された後において、予め定められた条件が満足されたことに応答して、前記シフトバルブを制御するためのバルブ制御手段とを含み、
    前記アキュームレータ制御手段は、前記多重変速指令に応答して、前記アキュームレータの背圧を低下させるように制御するための手段を含み、
    前記バルブ制御手段は、前記第2の変速段から前記第1の変速段への変速が終了したことに応答して、前記シフトバルブを制御するための手段を含む、自動変速機の変速制御装置。
  2. 前記バルブ制御手段は、エンジン回転数またはタービン回転数の変化に基づいて、前記第2の変速段から前記第1の変速段への変速が終了したことを判断して、前記シフトバルブを制御するための手段を含む、請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 前記バルブ制御手段は、予め定められた時間が経過したことに応答して、前記シフトバルブを制御するための手段を含む、請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 前記多重変速指令は、多重変速中にアクセルペダルを急激に踏込むキックダウン操作により発生する、請求項1〜のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 前記第1の変速段は第1速ギヤ段であり、前記第2の変速段は第2速ギヤ段である、請求項1〜のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
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