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JP4241550B2 - 引手装置 - Google Patents

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JP4241550B2
JP4241550B2 JP2004251308A JP2004251308A JP4241550B2 JP 4241550 B2 JP4241550 B2 JP 4241550B2 JP 2004251308 A JP2004251308 A JP 2004251308A JP 2004251308 A JP2004251308 A JP 2004251308A JP 4241550 B2 JP4241550 B2 JP 4241550B2
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Description

本発明は、キャビネットの開き戸の自由端側に設けられた引手の操作に連動して、該開き戸の上下のラッチ爪と前記キャビネット本体側の係合孔との係合を解除可能な引手装置の改良に関するものである。
収納庫等の各種キャビネットにおける、開き戸の自由端側に設けられた引手の操作に連動して、該開き戸の上下のラッチ爪と前記キャビネット本体側の係合孔との係合を解除可能な引手装置として、開き戸(扉)の引手孔に臨ませた引手(引手部材)の基端の垂直回動軸と該引手の先端との間の位置に、上下両端部にキャビネット(ロッカー)本体側の係合孔(孔状係合部)に係合し得るラッチ爪を有すると共に、垂直軸まわりに回動可能に軸支されてなるラッチ杆を設け、該ラッチ杆に固着したレバーの先端部を該引手の先端部寄りに係合させてなるもの(例えば、特許文献1参照。)がある。
このような引手装置の構成によれば、前記引手を前記開き戸の前面方向に回動すると、前記ラッチ杆に固着したレバーが前記引手よりも大きく回動するため、前記ラッチ爪を前記係合孔から外す動作(ラッチの解除動作)に要する前記ラッチ爪の回動角に対して、前記ラッチの解除動作に必要な前記引手の回動角を小さくできるものである。したがって、前記開き戸の内側に配設する前記引手のための所要奥行寸法を小さくすることができるものである。
実公昭62−27649号公報(第1−7図)
前記引手の回動角がより小さくても前記ラッチの解除動作を可能として、前記引手を引いて前記開き戸を開ける操作をより円滑に行えるようにするためには、前記ラッチ杆の回動角と前記引手の回動角との比((前記ラッチ爪の回動角)/(前記引手の回動角)。以下、「拡大率」という。)がより大きい方が好ましいものである。例えば、前記拡大率が10程度であると、前記操作をより円滑に行うことができるため、該操作性の向上のために好ましいものである。しかし、特許文献1のような引手装置の構成では、前記拡大率が2ないし4程度にとどまるものであるため、前記操作性の向上を図ることができないという問題点がある。
また、特許文献1のような引手装置では、前記ラッチ杆の上端部には下向き突起を備えるラッチ爪が遊嵌され、前記ラッチ杆の下端部には上向き突起を備えるラッチ爪が遊嵌され、該上下のラッチ爪と開き戸(扉)の前面板との間にそれぞれねじりばねが装架され、該ばねによって前記上下のラッチ爪が、開き戸の上下両端近傍におけるキャビネット(ロッカー)本体の前枠前面に設けた係合孔(孔状係合部)に係合する方向に付勢される。また、前記ラッチ杆には、上側のラッチ爪の下方に上向き突起を備えた押圧体が固着されて、該上向き突起を前記上側のラッチ爪の下向き突起に接当させる一方、前記ラッチ杆には、下側のラッチ爪の上方に下向き突起を備えた押圧体が固着されて、該下向き突起を前記下側のラッチ爪の上向き突起に接当させるように構成される。さらに、引手を開き戸の後側へ付勢力を付与する引張りばねも設けられる。
このように特許文献1のような引手装置の構成では、上下のねじりばね及び引張りばねを設ける必要がある等、前記のとおり部品点数が多いため、組立性及び保守性の向上を図ることができないという問題点がある。また、コスト低減化を図ることができないという問題点がある。
本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであり、前記拡大率をより大きくして前記操作性を向上することができる引手装置を得ることを目的とする。また、簡素な構成により、組立性及び保守性の向上並びにコスト低減化を図ることができる引手装置を得ることを目的とする。
本発明に係る引手装置は、前記課題解決のために、キャビネットの開き戸の自由端側に設けられた引手の操作に連動して、該開き戸の上下のラッチ爪と前記キャビネット本体側の係合孔との係合を解除可能な引手装置であって、上下を長手方向とし、その下端又は上端の支持端が、前記開き戸の前面板と略平行な水平軸まわりに回動可能に、前記開き戸に取り付けられると共に、その上端又は下端の回動端の回動が一定範囲内となるように規制されてなる引手と、前記上下のラッチ爪と連結され、該ラッチ爪と一体的に垂直軸まわりに回動可能に前記開き戸に取り付けられてなるラッチ杆と、該ラッチ杆の上下方向の中間部分に外嵌する外嵌部及び該外嵌部から略水平方向へ突出する突出部を有するラッチ杆連結体と、前記引手の回動端に形成された作用片と前記ラッチ杆連結体の突出部との間において、その本体部に形成された上下方向軸が垂直軸まわりに回動可能に支持されて、前記開き戸に取り付けられると共に、該本体部から略水平方向に突出する、前記作用片の前面に当接する引手当接部及び前記ラッチ杆連結体の突出部の前面に当接する連結体当接部が設けられてなる作動アームと、前記ラッチ杆連結体の突出部に前記作動アームの連結体当接部へ向かう方向の付勢力を付与する弾性体とを備えたものである。
ここで、前記ラッチ杆が角棒であり、前記ラッチ爪及びラッチ杆連結体に角形係合孔を形成して、該ラッチ爪及びラッチ杆連結体を該ラッチ杆に外嵌してなると好ましい。
また、前記引手の下端が、前記水平軸まわりに回動可能に、前記引手を収容する引手ケースの下部に取り付けられると共に、前記引手の作用片が該引手ケースの上部の回動規制孔に挿入されて、該作用片の該水平軸まわりの回動が一定範囲内となるように規制されてなると好ましい。
さらに、前記作動アームの上下方向軸を枢支するハウジング内に、前記ラッチ杆連結体及び弾性体を収容してなると好ましい。
さらにまた、前記弾性体がねじりコイルばねであり、そのコイル部に前記ラッチ杆連結体の外嵌部を挿通してなると好ましい。
本発明に係る引手装置によれば、キャビネットの開き戸の自由端側に設けられた引手の操作に連動して、該開き戸の上下のラッチ爪と前記キャビネット本体側の係合孔との係合を解除可能な引手装置であって、上下を長手方向とし、その下端又は上端の支持端が、前記開き戸の前面板と略平行な水平軸まわりに回動可能に、前記開き戸に取り付けられると共に、その上端又は下端の回動端の回動が一定範囲内となるように規制されてなる引手と、前記上下のラッチ爪と連結され、該ラッチ爪と一体的に垂直軸まわりに回動可能に前記開き戸に取り付けられてなるラッチ杆と、該ラッチ杆の上下方向の中間部分に外嵌する外嵌部及び該外嵌部から略水平方向へ突出する突出部を有するラッチ杆連結体と、前記引手の回動端に形成された作用片と前記ラッチ杆連結体の突出部との間において、その本体部に形成された上下方向軸が垂直軸まわりに回動可能に支持されて、前記開き戸に取り付けられると共に、該本体部から略水平方向に突出する、前記作用片の前面に当接する引手当接部及び前記ラッチ杆連結体の突出部の前面に当接する連結体当接部が設けられてなる作動アームと、前記ラッチ杆連結体の突出部に前記作動アームの連結体当接部へ向かう方向の付勢力を付与する弾性体とを備えたので、前記拡大率をより大きくすることができるため、前記引手の回動角がより小さくても前記ラッチの解除動作が可能となり、前記引手を引いて前記開き戸を開ける操作をより円滑に行うことができる。
また、前記ラッチ杆が角棒であり、前記ラッチ爪及びラッチ杆連結体に角形係合孔を形成して、該ラッチ爪及びラッチ杆連結体を該ラッチ杆に外嵌してなると、該ラッチ杆、ラッチ爪及びラッチ杆連結体の簡素な構成により、組立性及び保守性の向上並びにコスト低減化を図ることができると共に、該ラッチ杆及びラッチ爪の垂直軸まわりの回動動作の信頼性を向上することができる。
さらに、前記引手の下端が、前記水平軸まわりに回動可能に、前記引手を収容する引手ケースの下部に取り付けられると共に、前記引手の作用片が該引手ケースの上部の回動規制孔に挿入されて、該作用片の該水平軸まわりの回動が一定範囲内となるように規制されてなると、該引手及び引手ケースの簡素な構成により、組立性及び保守性の向上並びにコスト低減化を図ることができる。
さらにまた、前記作動アームの上下方向軸を枢支するハウジング内に、前記ラッチ杆連結体及び弾性体を収容してなると、該ハウジングによりユニット化されてなる作動アーム、ラッチ杆連結体及び弾性体の簡素な構成により、組立性及び保守性の向上並びにコスト低減化を図ることができる。
また、前記弾性体がねじりコイルばねであり、そのコイル部に前記ラッチ杆連結体の外嵌部を挿通してなると、機構の簡素化、コンパクト化及び部品点数の削減等によるコスト低減化を図ることができる。
次に、本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。なお、本明細書においては、キャビネットを正面側から(開口部に向かって)見た手前側を前、その反対側を後、キャビネットを正面側から見た左右を左右とする。
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係る引手装置が用いられたキャビネットの斜視図及び右側断面図である。図において、キャビネット1は、正面側(前側)に開口部2aを備えると共に、平面視矩形のベース3、このベース3の左右両側に配設された側面視矩形の左側板4及び右側板5、これらベース3及び側板4,5の後端に配設された正面視(背面視)矩形の図示しない背板、並びに、前記側板4,5及び背板の上端に配設された平面視矩形の天板6により構成されるキャビネット本体2、並びに、開口部2aを覆う開き戸7,8等により構成される。
開き戸7は、その左端の支持端7aが垂直軸まわりに回動可能にキャビネット本体2に取り付けられており、その右端の自由端7bを前側に開くことができるものである。また、開き戸8は、その右端の支持端8aが垂直軸まわりに回動可能にキャビネット本体2に取り付けられており、その左端の自由端8bを前側に開くことができるものである。開き戸8の自由端8b側には引手9が設けられているため、後述のように引手9を引くことによりラッチが解除されて開き戸8を開けることができる。また、開き戸7には引手を設けていないが、開き戸8を開けた後に開き戸7の自由端7bを持って、該開き戸7を開けることができる。
引手9は、上下を長手方向とし、その下端の支持端9aが、開き戸8の前面板8cと略平行な水平軸まわりに回動可能に、開き戸8に取り付けられる。すなわち、該支持端9aは、前記前面板8cに装着される引手ケース10の下部に枢支される。
図3〜図5は、引手装置の構成説明図であり、図3は正面拡大図、図4は平面拡大断面図、図5は図3のX−X断面図である。また、図6は、引手及び該引手を収容する引手ケースの構成説明図である。さらに、図7は、引手装置の分解斜視図である。
ラッチ杆16は例えば鋼製の角棒であり、その上下にはラッチ爪11,12が外嵌されている。開き戸8を閉じた状態では、該ラッチ爪11,12がキャビネット本体2の上下の係合孔13,14に係合しているため該開き戸8を閉じた状態が保持され、開き戸が不意に開かないように構成されている(下側のラッチ爪12及び係合孔14は図2参照。)。
ラッチ爪11,12は、例えばポリアセタール、ポリプロピレン又はABS等の熱可塑性樹脂の射出成形により製作される。また、係合孔13,14にはラッチ爪11,12の損傷を防ぐための樹脂製のブシュ34,34が装着される。例えば、図4に示すように、天板6の前面6aに形成された係合孔13には前記ブシュ34が装着される。なお、以下におけるラッチの説明は上側のラッチ爪11まわりの構成のみを説明するが、下側のラッチ爪12まわりの構成も同様のものである。
図7に示すように、平面視略鉤状のラッチ爪11には、ラッチ杆16の上端が嵌入される角形係合孔11aが形成された円筒部11b及び該ラッチ杆16の回動を規制するための突出部11cが設けられている。また、該ラッチ爪11を垂直軸まわりに回動可能に支持するラッチ爪ケース30には、ラッチ爪11の円筒部11bの下部に外嵌する丸孔30aと該円筒部11bに略外接するリブ31〜33が形成されている。そして、ラッチ爪ケース30は開き戸8の前面板8cに、例えば該前面板8cの裏側に形成された角孔に嵌めこまれて固定される。なお、ラッチ爪ケース30は、例えばポリアセタール、ポリプロピレン又はABS等の熱可塑性樹脂の射出成形により製作される。
また、図4の実線及び2点鎖線に示すように、ラッチ爪11は垂直軸まわりに回動するが、該回動は、ラッチ爪11の左側面の突出部11c及びラッチ爪11の右側面がラッチ爪ケース30に当接することにより、一定範囲内となるように規制される。このような簡素な構成により、ラッチ杆16は、上下のラッチ爪11,12と一体的に垂直軸まわりに回動可能に開き戸8に取り付けられる。
図3及び図7に示すように、ラッチ杆16の上下方向の中間部分には、ラッチ杆連結体17が外嵌されている。該ラッチ杆連結体17には、角形係合孔17aが形成された例えば円筒状の外嵌部17b及び該外嵌部17bから略水平方向へ突出する突出部18が設けられている。
図5〜図7に示すように、引手9は、その支持端9aに形成した左右方向の軸部27,27を引手ケース10下部の係合溝部28に係合させることにより、開き戸8の前面板8cと略平行な水平軸まわりに前後方向に回動可能に取り付けられる。該係合溝部28は、後方に開放した略U字状に形成されており、該係合溝部28の後部の上下間隔は前記軸部27,27の外径よりも若干小さく形成されている。また、該係合溝部28の前部内面は前記軸部27,27に略外接する大きさに形成されている。なお、引手ケース10の係合溝部28の上側にはスリット29が形成されており、該係合溝部28の周囲が弾性変形しやすいため、引手9を引手ケース10に組み付ける際の作業性を向上することができる。
また、引手9には、その回動端9bに、該回動をラッチ爪11,12に伝えてラッチを解除するための作用片15が形成されている。さらに、引手9は、上下を長手方向として、その前側に指掛け部9cが形成されているため、右手又は左手のどちらの手によっても容易に操作することができる。また、該指掛け部9cと支持端9aとの距離が大きいため、後述のラッチを解除するための引手9の回動動作をより容易に行うことができる。
図6に示すように、引手ケース10は、引手9を収容するための前面側を開放した略舟形の凹部を有するものである。そして、引手ケース10の上部には、前記作用片15の前面15a又は後面15bに当接して引手9の前後方向の回動を規制する回動規制孔10aが形成されている。また、前記略舟形の凹部の後面には上下方向に延びると共に引手9の左右方向の幅よりも若干大きい横幅を有する引手挿通孔10bが形成されている。
したがって、引手9の引手ケース10への組み付けは、以下のように行うことができる。先ず、引手9の下端の支持端9aの軸部27,27を引手ケース10の後側に位置させた状態で、該引手9の上端の回動端9bの作用片15を引手ケース10の上部の回動規制孔10aに下側から挿通する。次に、前記のとおり、引手9下部の軸部27,27を、引手ケース下部の係合溝部28に係合させる。
このようにして、容易かつ確実に、引手9を引手ケース10に組み付けることができる。特に、引手9及び引手ケース10の組み付け作業時に、引手9及び引手ケース10以外のばね等の部品の装着が全く不要であるため、このような簡素な構成により、組立性及び保守性の向上並びにコスト低減化を図ることができる。また、引手9を組み付けた引手ケース10を、開き戸8の前面板8cに形成した開口の後側から、開き戸8に容易に取り付けることができる。なお、引手9及び引手ケース10は、例えばアルミニウム又はマグネシウム等のダイカスト又はポリアセタール、ポリプロピレン又はABS等の熱可塑性樹脂の射出成形により製作される。
図3、図4及び図7に示すように、引手9の回動端9b(該回動端9bに形成された作用片15)とラッチ杆連結体17との間には、作動アーム19が配設されている。該作動アーム19の上下方向軸が形成された本体部22は、引手9の作用片15とラッチ杆連結体17の突出部18との間において、垂直軸まわりに回動可能に開き戸8に取り付けられている。すなわち、前記本体部22に形成された上下方向軸がハウジング23の上下の係合孔24,24に係合することにより、作動アーム19は該ハウジング23に垂直軸まわりに回動可能に支持されている。また、作動アーム19には、前記本体部22から略水平方向に突出する、作用片15の前面15aに当接する引手当接部20及びラッチ杆連結体17の突出部18の前面18aに当接する連結体当接部21が設けられている。
該ハウジング23は、例えば開き戸8の前面板8cの裏側の補強部材に形成された角孔に嵌めこまれて固定される。なお、前記ラッチ杆連結体17、作動アーム19及びハウジング23は、例えばポリアセタール、ポリプロピレン又はABS等の熱可塑性樹脂の射出成形により製作される。
作動アーム19の前記垂直軸まわりの回動は、引手当接部20の前面20aがハウジング23の前面板25の左側面25aに当接すること、及び、連結体当接部21の前面の突出部21aが該前面板25の後面に当接することにより規制される。
前記ラッチ杆連結体17の外嵌部17bの上部及び下部がハウジング23の上下の係合孔23a,23aに内嵌される。ここで、ハウジング23の上下面にはスリット23b,23bが形成されており、該ハウジング23が上下方向に弾性変形しやすいため、前記作動アーム19及びラッチ杆連結体17を該ハウジング23へ組み付ける際の作業性を向上することができる。したがって、このような簡素な構成により、組立性及び保守性の向上並びにコスト低減化を図ることができる。
また、ラッチ杆16は、その上下部に加え、その中間部も、ラッチ杆連結体17を介して垂直軸まわりに回動可能に開き戸8に取り付けられるため、このような簡素な構成により、ラッチ杆16及びラッチ爪11,12の垂直軸まわりの回動動作の信頼性を向上することができる。
前記ラッチ杆連結体17の外嵌部17bには、ねじりコイルばね26のコイル部26aが遊嵌される。すなわち、該コイル部26aに該外嵌部17bが挿通される。そして、ねじりコイルばね26の一方の端末部26bがラッチ杆連結体17の突出部18の後側に掛止され、他方の端末部26cがハウジング23の後側に掛止される。したがって、ラッチ杆連結体17の突出部18には、作動アーム19の連結体当接部21へ向かう方向に付勢力が付与される。
なお、ラッチ杆連結体17の突出部18に作動アーム19の連結体当接部21へ向かう方向の付勢力を付与する弾性体としては、ねじりコイルばね26に限定されず、引張りコイルばね又はゴム等の弾性体を用いることもできる。ただし、本実施の形態のようにねじりコイルばね26を用いれば、機構の簡素化、コンパクト化及び部品点数の削減等によるコスト低減化を図ることができる。
次に、以上のように構成された引手装置の動作について説明する。開き戸8が閉じられた図1及び図2にような状態において、例えば、図5のように、引手9の指掛け部9cに指を掛けて引手9を支持端9aのまわりに前側へ回動させると(図5の2点鎖線参照。)、図4及び図7に示すように、引手9の作用片15の前面15aに当接する引手当接部20が前方へ押され、作動アーム19が本体部22に形成された上下方向軸まわりに回動する。この回動により、連結体当接部21が後方へ移動し、該連結体当接部21にその前面18aが当接するラッチ杆連結体17の突出部18が後方へ押されることになる。このように、ラッチ杆連結体17の突出部18がねじりコイルばね26による付勢力に抗して後方へ押され、ラッチ杆連結体17と一体的に回動するラッチ杆16が回動して、該ラッチ杆16と一体的に回動する上下のラッチ爪11,12が回動する(例えば、図4のラッチ爪11の2点鎖線参照。)。
このようにして、引手9の操作によりラッチが解除されて、開き戸8を円滑に開けることができる。(1)図3及び図4に示すように、引手9の作用片15とラッチ杆16との距離を比較的小さく抑えていること(ラッチ杆16を引手ケース10の近傍に配設していること)、(2)ラッチ杆16の回動を該作用片15により直接行わずに、引手9の作用片15、作動アーム19及びラッチ杆連結体17を介してラッチ杆16が回動すること、(3)図3及び図5に示すように、引手9上部の作用片15と下部の支持端9a(引手9下部の軸部27,27及び引手ケース10下部の係合溝部28)との距離が比較的大きいことから、このような簡素な構成により前記拡大率を大きくすることができるのである。
例えば、引手9の回動角を約3°、作動アーム19の回動角を約30°、ラッチ杆連結体17、ラッチ杆16及びラッチ爪11,12の回動角を約30°とする構成を容易に実現することができる。したがって、このような簡素な構成により前記拡大率を10程度とすることを容易に実現することができ、引手9を引いて開き戸8を開ける操作の操作性を向上することができる。
また、前記のとおり、引手9及び引手ケース10の構成、作動アーム19を枢支するハウジング23内にラッチ杆連結体17及び弾性体であるねじりコイルばね26を収容してユニット化してなる構成、ラッチ用の弾性体として1個の弾性体(ねじりコイルばね26)のみを用いる構成等により、機構の簡素化等が図られているため、組立性及び保守性の向上並びにコスト低減化を実現することができる。
以上の説明においては、上下を長手方向としてなる引手9の下端を支持端9aとし、引手9の上端を回動端9bとして、該回動端9bに作用片15を形成し、該作用片により、作動アーム19、ラッチ杆連結体17、ラッチ杆16及びラッチ爪11,12を回動させる構成を示した。しかし、引手9の上端を支持端とし、引手9の下端を回動端として、該回動端に作用片15を形成し、該作用片により、作動アーム19、ラッチ杆連結体17、ラッチ杆16及びラッチ爪11,12を回動させる構成としてもよい。
本発明の実施の形態に係る引手装置が用いられたキャビネットの斜視図である。 同じく右側断面図である。 引手装置の正面拡大図である。 引手装置の平面拡大断面図である。 図3のX−X断面図である。 引手及び該引手を収容する引手ケースの構成説明図である。 引手装置の分解斜視図である。
符号の説明
1 キャビネット
2 キャビネット本体
7,8 開き戸
7b,8b 自由端
7c,8c 前面板
9 引手
9a 支持端
9b 回動端
10 引手ケース
10a 回動規制孔
11,12 ラッチ爪
11a 角形係合孔
13,14 係合孔
15 作用片
15a 前面
16 ラッチ杆
17 ラッチ杆連結体
17a 角形係合孔
17b 外嵌部
18 突出部
18a 前面
19 作動アーム
20 引手当接部
21 連結体当接部
22 本体部
23 ハウジング
24 係合孔
26 ねじりコイルばね
26a コイル部
26b,26c 端末部
27 軸部
28 係合溝部

Claims (5)

  1. キャビネットの開き戸の自由端側に設けられた引手の操作に連動して、該開き戸の上下のラッチ爪と前記キャビネット本体側の係合孔との係合を解除可能な引手装置であって、
    上下を長手方向とし、その下端又は上端の支持端が、前記開き戸の前面板と略平行な水平軸まわりに回動可能に、前記開き戸に取り付けられると共に、その上端又は下端の回動端の回動が一定範囲内となるように規制されてなる引手と、
    前記上下のラッチ爪と連結され、該ラッチ爪と一体的に垂直軸まわりに回動可能に前記開き戸に取り付けられてなるラッチ杆と、
    該ラッチ杆の上下方向の中間部分に外嵌する外嵌部及び該外嵌部から略水平方向へ突出する突出部を有するラッチ杆連結体と、
    前記引手の回動端に形成された作用片と前記ラッチ杆連結体の突出部との間において、その本体部に形成された上下方向軸が垂直軸まわりに回動可能に支持されて、前記開き戸に取り付けられると共に、該本体部から略水平方向に突出する、前記作用片の前面に当接する引手当接部及び前記ラッチ杆連結体の突出部の前面に当接する連結体当接部が設けられてなる作動アームと、
    前記ラッチ杆連結体の突出部に前記作動アームの連結体当接部へ向かう方向の付勢力を付与する弾性体と、
    を備えたことを特徴とする引手装置。
  2. 前記ラッチ杆が角棒であり、前記ラッチ爪及びラッチ杆連結体に角形係合孔を形成して、該ラッチ爪及びラッチ杆連結体を該ラッチ杆に外嵌してなる請求項1記載の引手装置。
  3. 前記引手の下端が、前記水平軸まわりに回動可能に、前記引手を収容する引手ケースの下部に取り付けられると共に、前記引手の作用片が該引手ケースの上部の回動規制孔に挿入されて、該作用片の該水平軸まわりの回動が一定範囲内となるように規制されてなる請求項1記載の引手装置。
  4. 前記作動アームの上下方向軸を枢支するハウジング内に、前記ラッチ杆連結体及び弾性体を収容してなる請求項1記載の引手装置。
  5. 前記弾性体がねじりコイルばねであり、そのコイル部に前記ラッチ杆連結体の外嵌部を挿通してなる請求項1又は4記載の引手装置。
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