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JP4121314B2 - 車両用ドアのポケット構造 - Google Patents

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JP4121314B2 JP2002169091A JP2002169091A JP4121314B2 JP 4121314 B2 JP4121314 B2 JP 4121314B2 JP 2002169091 A JP2002169091 A JP 2002169091A JP 2002169091 A JP2002169091 A JP 2002169091A JP 4121314 B2 JP4121314 B2 JP 4121314B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用ドアのポケット構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のドアの車室内側に設けられているドアトリムには、ポケット部が形成されている。このポケット部は、ドアトリムにポケット開口を形成すると共に、このポケット開口を形成した部位の裏側に、ポケットカバーを取付け、該ポケットカバーとドアトリムとの間で形成される(類似技術として、特開平10−264729号公報参照)。
【0003】
このポケット部の具体的構造としては、ドアトリムの裏面のポケット開口よりも上側位置に、先端に上向きのストッパを有する係合片を形成し、この係合片にポケットカバーの上端部に形成した係合孔を、上側から回転させるように係合させる。そうすると、ポケットカバー全体が係合片に保持された状態となるため、ポケットカバーの下端部と、ドアトリムの対応部とを、熱カシメ等の手段により締結する。こうすることにより、ポケットカバーとドアトリムとの間に、ポケット部が区画形成される。
【0004】
係合片の先端には、上向きのストッパが形成されているため、締結後は係合孔が係合片から外れることはない。また、ストッパによりポケットカバーの上端部は裏側への移動が規制され、ドアトリムの裏面に当接又は近接した状態が維持される。
【0005】
ポケットカバーの上端部に形成される係合孔の上下寸法は、ドアトリムの係合片に上向きのストッパが形成されているために、比較的余裕をもった状態で大きめに設定する必要がある。そうしないと、係合片に対する係合孔の係合作業が困難になるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のポケット部にあっては、ポケットカバーの係合孔の上下寸法を大きめに設定するため、ポケットカバーの下端部を締結した後において、係合片と係合孔の下縁との間に隙間が生じる。従って、ポケットカバーにおける熱変形等の要因により、ポケットカバーの上端部の位置が、前記隙間の範囲内で上方へ変動する場合がある。そのため、ポケット開口から見えるポケットカバーの部分にバラツキが生じ、ポケット部の見映えの低下を招いてた。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、ポケットカバーの上端部の上下位置が一定になる車両用ドアのポケット構造を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ドアトリムにポケット開口を形成すると共に、該ドアトリムの裏面のポケット開口よりも上側位置に、先端に上向きのストッパを有する係合片を形成し、該係合片にポケットカバーの上端部に形成した係合孔を係合させ、該係合孔の裏側への移動をストッパにより規制した状態で、ポケットカバーを保持し、該ポケットカバーの下端部とドアトリムの対応部とを締結することで、ポケットカバーとドアトリムとの間にポケット部を形成する車両用ドアのポケット構造であって、前記ドアトリムにおける係合片の近接位置に、少なくとも下端に傾斜縁を有する先細り形状の突起部を形成し、該突起部の傾斜縁をポケットカバーの上端部に形成した対応端に係合させて、ポケットカバーの上端部の上下方向での位置を固定する。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、ポケットカバーの上端部に形成された対応端に係合するドアトリムに形成された突起部が傾斜縁をなしていることにより、寸法に多少の誤差があっても位置が決まり易く、ポケットカバーの上端部の上下方向での位置が固定されるため、ポケット開口から見えるポケットカバーの部分が常に一定となり、見映えが良い。
【0010】
請求項2記載の発明は、ポケットカバーの上端部に上縁及び下縁がそれぞれ対応端となる開口を形成し、ドアトリムの開口に対応する部位に、上端及び下端にそれぞれ傾斜縁を有するテーパ状の突起部を形成し、該突起部を開口内に挿入して、上下の傾斜縁を開口の上下の対応端に係合させた。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、ドアトリムに形成されたテーパー状の突起部が、ポケットカバーに形成された開口内に挿入して、突起部の上下の傾斜縁が、開口の上縁及び下縁に係合するため、この突起部と開口の係合により、ポケットカバーの上端部の上下位置が決まる。
【0012】
請求項3記載の発明は、ポケットカバーの上端部に上縁及び下縁がそれぞれ対応端となる溝部を形成し、ドアトリムの開口に対応する部位に、上端及び下端にそれぞれ傾斜縁を有するテーパ状の突起部を形成し、該突起部を溝部内に挿入して、上下の傾斜縁を溝部の上下の対応端に係合させた。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、ポケットカバーの上端部に溝部を形成しても、その上下の対応端に、突起部の上下の傾斜縁を係合させることにより、ポケットカバーの上端部の上下位置を一定にすることができる。開口に比べて溝部の方がポケットカバーの上端部の強度が低下しない有利性がある。
【0014】
請求項4記載の発明は、ポケットカバーの上端部における最上端を対応端とし、
ドアトリムの前記最上端に対応する部位に、下端に傾斜縁を有する突起部を形成し、該突起部の傾斜縁をポケットカバーの最上端に係合させた。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、ポケットカバーの上端部に開口や溝部を形成しなくても、その最上端に突起部の傾斜縁を係合させて、その上端部を下側へ押せば、ポケットカバーが係合片に保持された状態で締結されているため、それ以上下がらず、その結果して、ポケットカバーの上下位置が一定の状態で固定される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図4は、この発明の第1実施形態を示す図である。図1は、右側のドア1を示すもので、車室内側には樹脂製のドアトリム2が取付けられている。このドアトリム2には車室内側に突出したアームレスト3が形成されている。尚、以上及び以下において、ドアトリム2の車室内側を「表側」、車外側を「裏側」として説明する。
【0018】
アームレスト3の下方には、前後方向に長いポケット開口4が形成されている。このポケット開口4の上辺部5は裏側へ曲折されていると共に、下辺部6に対して、裏側へ変位している。このドアトリム2は全体が一体構造になっているが、ポケット開口4を境にして上下で分割された構造もある。
【0019】
ドアトリム2の裏面におけるポケット開口4よりも上側位置には、3本の係合片7が水平方向に並んで形成されている。この係合片7はポケット開口4の上辺部5よりもドアポケット11の肉厚分だけ突出量が大きく、その先端からは上向きのストッパ8が形成されている。
【0020】
また、この係合片7の隣接位置には、それぞれ縦リブ状の突起部9が一体形成されている。この突起部9は、上下に傾斜縁9a、9bを有するテーパー形状である。この突起部9の後側への突出量は、ポケット開口4の上辺部5の後側への突出量よりも大きく設定されている。
【0021】
そして、ドアトリム2の裏面におけるポケット開口4よりも十分に下方位置には、3本の溶着ボス部10が同じく水平方向に並んで形成されている。
【0022】
このポケット開口4が形成されている部分のドアトリム2には、裏側からポケットカバー11が取付けられる。このポケットカバー11も樹脂製で、厚さはドアトリム2と同様である。このポケットカバー11は、垂直断面がL形(図3参照)で、水平断面がコ字形(図示せず)となる立体形状をしている。
【0023】
ポケットカバー11の上部には、段部12を介して後側にクランク状に変位した上端部13が3本形成されている。この上端部13には、大きめの上下寸法を有する四角形の係合孔14と、縦長状の開口15が形成されている。この開口15の上下寸法Hは、テーパー状の突起部9の途中部位(上辺部5の先端に相当する位置)での上下寸法に合致している。更に、ポケットカバー11の下端部には、ドアトリム2の溶着ボス10に対応する円孔16が形成されている。
【0024】
このポケットカバー11は、ドア1に固定される前のドアトリム2に対して、裏側から取付けられる。まず、上端部13に形成されている大きめの開口15を、ドアトリム2の係合片7に対して、上側から回転させるように係合させると共に、突起部9を開口15内に挿入させる。係合片7との係合で、ポケットカバー11の全体を吊り下げた状態で保持され、下端部の円孔16内に溶着ボス10を貫通させ、先端を熱でカシメて固定する。
【0025】
このようにして取付けられたポケットカバー11と、対応するドアトリム2との間に、ポケット部Pが形成され、内部に雑誌や小物を収納することができる。
【0026】
このように取付けられたポケットカバー11は、下端部が溶着ボス10により固定されているため、全体的な持ち上がりが規制され、上端部13の開口15が、係合片7のストッパ8を越えて外れることはない。また、係合片7におけるストッパ8よりも根本部分の突出量と、上辺部5の突出量との差が、ちょうど上端部13の板厚に相当するため、上端部13はストッパ8により上辺部5の先端側へ押し付けられた状態となる。
【0027】
従って、開口15もテーパー状の突起部9に対して押し付けられた状態となり、突起部9の上下の傾斜縁9a、9bが、開口15の「対応端」としての上縁15a及び下縁15bに係合するため、傾斜縁9a、9bは、上縁15aと下縁15bの多少の寸法誤差があっても吸収しやすく、ポケットカバー11の上端部13の上下位置が固定される。従って、ポケットカバー11が熱膨張したりしても、上端部13の上下位置に変動はなく、ポケット開口4から見えるポケットカバー11の状態(特に、図4に示すように、上辺部5と段部12との間の隙間S)は常に一定で、見映えが良い。
【0028】
図5は、この発明の第2実施形態を示す図で、先の実施形態と共通する部分には、同一の符号を付した。
【0029】
この第2実施形態では、ポケットカバー11の上端部17に、先の実施形態の開口に代えて溝部18を形成したものである。このような溝部18にしても、その「対応端」としての上縁18aと下縁18bに、突起部9の上下の傾斜縁9a、9bが係合するため、先の実施形態と同様に、傾斜縁9aは、上縁18aと下縁18bの多少の寸法誤差があっても吸収しやすく、上端部17の上下位置を固定する効果が得られる。また、開口に比べて溝部18の方がポケットカバー11の上端部14の強度が低下しないという有利性もある。
【0030】
図6は、この発明の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態では、ポケットカバー11の上端部19に開口や溝部を形成せず、上端部19の最上端19aを「対応端」として利用し、そこに突起部9の下側の傾斜縁9bを係合させた。傾斜縁9bは、上端部19の多少の寸法誤差があっても吸収しやすく、傾斜縁9bとの係合により、上端部19は下に押されるが、ポケットカバー11が係合片7に吊り下げられた状態で保持した後締結されているため(第1実施形態の図3参照)、それ以上下がらず、その結果して、上端部19の上下位置は固定される。
【0031】
尚、以上の実施形態では、縦長の開口15や溝部18等に、縦リブ状の突起部9を挿入する例を示したが、これに限定されず、例えば円形の開口や溝部等に、円錐状の突起部を挿入するような構造にしても良い。
【0032】
【発明の効果】
この発明によれば、ポケットカバーの上端部に形成された対応端に係合するドアトリムに形成された突起部が傾斜縁をなしていることにより、寸法に多少の誤差があっても位置が決まり易く、ポケットカバーの上端部の上下方向での位置が固定されるため、ポケット開口から見えるポケットカバーの部分が常に一定となり、見映えが良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態のドアを示す側面図。
【図2】図4中矢示SC−SC線に沿う断面図。
【図3】図1中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図4】図1中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【図5】この発明の第2実施形態を示すポケットカバーの上端部付近の断面図。
【図6】この発明の第3実施形態を示すポケットカバーの上端部付近の断面図。
【符号の説明】
1 ドア
2 ドアトリム
4 ポケット開口
7 係合片
8 ストッパ
9 突起部
9a、9b 傾斜縁
11 ポケットカバー
13、17 上端部
14 係合孔
15 開口
15a 上縁(対応端)
15b 下縁(対応端)
18 溝部
18a 上縁(対応端)
18b 下縁(対応端)
18a、18b B
19 上端部
19a 最上端(対応端)
H 開口の上下寸法
S 隙間

Claims (4)

  1. ドアトリムにポケット開口を形成すると共に、該ドアトリムの裏面のポケット開口よりも上側位置に、先端に上向きのストッパを有する係合片を形成し、該係合片にポケットカバーの上端部に形成した係合孔を係合させ、該係合孔の裏側への移動をストッパにより規制した状態で、ポケットカバーを保持し、該ポケットカバーの下端部とドアトリムの対応部とを締結することで、ポケットカバーとドアトリムとの間にポケット部を形成する車両用ドアのポケット構造であって、
    前記ドアトリムにおける係合片の近接位置に、少なくとも下端に傾斜縁を有する先細り形状の突起部を形成し、
    該突起部の傾斜縁をポケットカバーの上端部に形成した対応端に係合させて、ポケットカバーの上端部の上下方向での位置を固定することを特徴とする車両用ドアのポケット構造。
  2. 請求項1記載の車両用ドアのポケット構造であって、
    前記ポケットカバーの上端部に、上縁及び下縁がそれぞれ対応端となる開口を形成し、
    ドアトリムの開口に対応する部位に、上端及び下端にそれぞれ傾斜縁を有するテーパ状の突起部を形成し、
    該突起部を開口内に挿入して、上下の傾斜縁を開口の上下の対応端に係合させたことを特徴とする車両用ドアのポケット構造。
  3. 請求項1記載の車両用ドアのポケット構造であって、
    前記ポケットカバーの上端部に、上縁及び下縁がそれぞれ対応端となる溝部を形成し、
    ドアトリムの開口に対応する部位に、上端及び下端にそれぞれ傾斜縁を有するテーパ状の突起部を形成し、
    該突起部を溝部内に挿入して、上下の傾斜縁を溝部の上下の対応端に係合させたことを特徴とする車両用ドアのポケット構造。
  4. 請求項1記載の車両用ドアのポケット構造であって、
    前記ポケットカバーの上端部における最上端を対応端とし、
    前記ドアトリムの前記最上端に対応する部位に、下端に傾斜縁を有する突起部を形成し、
    該突起部の傾斜縁をポケットカバーの最上端に係合させたことを特徴とする車両用ドアのポケット構造。
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