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JP4143821B2 - ポリスルフィドシランの製造方法 - Google Patents

ポリスルフィドシランの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム混練時に分散性を向上させることができるゴム用配合剤として好適なポリスルフィドシランの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
bis−トリエトキシシリルテトラスルフィドは、シリカ配合タイヤにおいて、ゴムとシリカのカップリング剤として広く使用されている。しかし、本化合物は、ゴム、シリカと共に高温で混練した場合、配合物の粘度を上昇させ、その後の加工性に問題があった。
このために、これを改良したbis−トリエトキシシリルジスルフィドのような短鎖ポリスルフィド化合物が提案されている(特開2000−119400号、特開平10−120828号公報)。
しかし、これらのスルフィド鎖含有有機珪素化合物を用いたゴム用配合剤を使用しても、加硫ゴム物性を従来と同等とした上でのゴム混練中の分散性の改良効果、ゴム混練時のより低いムーニー粘度の要求に対しては十分ではなかった。
【0003】
また、ゴム混練時に上記のポリスルフィド化合物と共に分散改良効果を持った化合物を添加する方法も提案されている(特開平9−111044号、特開平9−194641号、特許第3228756号公報)。
しかしながら、これらの方法を用いても、ゴム混練時の加工性は改良されても、本来のポリスルフィド鎖含有有機珪素化合物単独で使用した場合に発揮する加硫ゴム物性を発揮することは困難であった。
【0004】
また、特許第3328029号公報においては、タイヤトレッドゴム組成物にシリル化剤を配合することで、凍結路面上でのグリップ性を改良できると記載されているが、ゴム混練時にハロシランを添加した場合、混練時に塩酸ガスが発生するため好ましくなかった。
更に、特開2002−128789号公報において、ポリスルフィド鎖含有有機珪素化合物製造時にクロロプロピルトリクロロシランを添加することで黄色のポリスルフィド鎖含有有機珪素化合物を製造する方法が記載されているが、このようなクロロプロピルトリクロロシランを添加して製造しても加硫ゴム物性を従来と同様とした上でゴム混練時の加工性を向上することはできなかった。
【0005】
【特許文献1】
特許第3228756号公報
【特許文献2】
特許第3328029号公報
【特許文献3】
特開平7−228588号公報
【特許文献4】
特開平8−53473号公報
【特許文献5】
特開平8−198883号公報
【特許文献6】
特開平9−111044号公報
【特許文献7】
特開平9−194491号公報
【特許文献8】
特開平9−194641号公報
【特許文献9】
特開平10−1487号公報
【特許文献10】
特開平10−1488号公報
【特許文献11】
特開平10−120828号公報
【特許文献12】
特開平10−130283号公報
【特許文献13】
特開平11−158192号公報
【特許文献14】
特開平10−158281号公報
【特許文献15】
特開平11−100388号公報
【特許文献16】
特開平11−349594号公報
【特許文献17】
特開2000−103794号公報
【特許文献18】
特開2000−119400号公報
【特許文献19】
特開2001−270886号公報
【特許文献20】
特開2002−121196号公報
【特許文献21】
特開2002−128789号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、従来の加硫ゴム物性をそのままに、ゴム混練時のムーニー粘度を低下させることができ、ゴム用配合剤として好適なポリスルフィドシランの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記平均組成式(1)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sm−R3−Si(OR1(3-p)(R2p
…(1)
(式中、R1及びR2は炭素数1〜4の1価炭化水素基、R3は炭素数1〜10の2価炭化水素基、pは0,1又は2、mは平均値として2〜8の正数を示す。)で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物、下記一般式(2)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−X …(2)
(式中、R1、R2、R3、pは上記と同様であり、Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン基含有有機珪素化合物及びNa2Sで表される無水硫化ソーダ、更に必要により硫黄を反応させて、下記平均組成式(3)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sn−R3−Si(OR1(3-p)(R2p
…(3)
(式中、R1、R2、R3、pは上記と同様であり、nは平均して2〜4の正数であるが、m>nを満足する数を示す。)
で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物を製造する際、上記式(2)のハロゲン基含有有機珪素化合物に、下記一般式(4)
(4-q-r)(R4qSi(R5r …(4)
(式中、Yはハロゲン原子、R4は炭素数1〜4の1価炭化水素基、R5は炭素数1〜18の1価炭化水素基、qは0,1又は2、rは0,1又は2、但しq+r≦3を示す。)
で表されるハロシランを添加したものを使用して製造することにより、得られたポリスルフィドシランをゴム用配合剤として使用した場合、従来の加硫ゴム物性をそのままに、ゴム混練時のムーニー粘度を低下させることができるゴム用配合剤となることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のポリスルフィドシランの製造方法は、上述したように、下記平均組成式(1)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sm−R3−Si(OR1(3-p)(R2p
…(1)
(式中、R1及びR2は炭素数1〜4の1価炭化水素基、R3は炭素数1〜10の2価炭化水素基、pは0,1又は2、mは平均値として2〜8の正数を示す。)で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物、下記一般式(2)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−X …(2)
(式中、R1、R2、R3、pは上記と同様であり、Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン基含有有機珪素化合物及びNa2Sで表される無水硫化ソーダ、更に必要により硫黄を反応させて、下記平均組成式(3)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sn−R3−Si(OR1(3-p)(R2p
…(3)
(式中、R1、R2、R3、pは上記と同様であり、nは平均して2〜4の正数であるが、m>nを満足する数を示す。)
で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物(ポリスルフィドシラン)を製造する際、上記式(2)のハロゲン基含有有機珪素化合物に、下記一般式(4)
(4-q-r)(R4qSi(R5r …(4)
(式中、Yはハロゲン原子、R4は炭素数1〜4の1価炭化水素基、R5は炭素数1〜18の1価炭化水素基、qは0,1又は2、rは0,1又は2、但しq+r≦3を示す。)
で表されるハロシランを添加したものを使用するものである。
【0009】
ここで、上記式において、R1及びR2は炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等が例示され、R3は炭素数1〜10の2価炭化水素基を示し、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH26−、−(CH210−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキレン基が例示され、pは0,1又は2、mは平均値として2〜8の正数、好ましくは3〜4の正数であり、nは平均して2〜4の正数であるが、更にm>nを満足する数であり、特にnは2〜3が好ましい。
【0010】
また、Xはハロゲン原子を示し、Cl、Br、I等が例示される。上記式(1)の化合物の例としては、下記のものが挙げられる。
【0011】
【化1】
Figure 0004143821
【0012】
上記式(2)の化合物の例としては、下記のものが挙げられる。
【化2】
Figure 0004143821
【0013】
上記式(3)の化合物の例としては、下記のものが挙げられる。
【化3】
Figure 0004143821
【0014】
また、上記式(2)の化合物に添加して使用する一般式(4)の化合物は、上述した通り、
(4-q-r)(R4qSi(R5r …(4)
で表されるもので、式中、Yはハロゲン原子を表し、Cl、Br等が挙げられ、R4は炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等が例示される。
【0015】
5は炭素数1〜18の1価炭化水素基で、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、−CH3、−CH2CH3、−CH=CH2、−(CH22CH3、−(CH23CH3、−(CH24CH3、−(CH25CH3、−(CH27CH3、−(CH29CH3、−(CH217CH3、フェニル基等が例示される。
【0016】
qは0,1又は2、rは0,1又は2であるが、q+r≦3である。このような化合物の例としては、Cl3Si−CH3、Cl3Si−CH2CH3、Cl3Si−CH=CH2、Cl3Si−(CH23CH3、Cl3Si−(CH25CH3、Cl3Si−(CH29CH3、Cl3Si−(CH217CH3、Cl3Si−C65、Cl4Si、Cl(CH32Si−(CH25CH3、Cl2(CH3)Si−(CH25CH3等が挙げられる。
【0017】
一般式(2)の化合物に添加する一般式(4)の化合物の添加量は、式(2)の化合物に対し0.01〜40mol%程度であり、より好ましくは0.5〜10mol%であり、更に好ましくは1〜5mol%であり、それよりも少ない場合は、ムーニー粘度低下効果が乏しくなる場合があり、それよりも多い場合は、加硫ゴム物性が低下する場合がある。
【0018】
また、上記反応を行う際、スルフィド鎖の調整のため、硫黄の添加は任意であり、所望の平均組成式(3)の化合物となるように、平均組成式(1)の化合物と無水硫化ソーダとの配合量から決定すればよい。
【0019】
例えば、平均組成式(3)の化合物のnを3としたい場合、平均組成式(1)の化合物1molと無水硫化ソーダ1molと硫黄1molと一般式(2)の化合物2molとを反応させればよい。
【0020】
更に詳述すれば、上記平均組成式(1)の化合物とNa2Sとのモル比は、所望の平均組成式(3)の化合物のnにあわせてNa2Sを加えればよく、加えたNa2SのNaと基本的には等モルの一般式(2)の化合物を加えればよい。但し、一般式(2)の化合物のモル数を少なくすれば、系をアルカリ性にすることができ、モル数を多くすれば、中性付近にすることができる。具体的には、平均組成式(1)の化合物においてmが平均4の化合物の1molとNa2Sの1molと一般式(2)の化合物の2molとを反応させた場合、得られる平均組成式(3)の化合物のnは平均2.5となる。更に前述したように、その系に硫黄を1mol添加すれば平均組成式(3)の化合物のnは平均3となる。
【0021】
また、これらの化合物の反応の順序は任意であり、予め、平均組成式(1)の化合物と無水硫化ソーダと場合により硫黄とを仕込み、そこに一般式(4)の化合物と一般式(2)の化合物をゆっくり滴下してもよく、予め平均組成式(1)の化合物と一般式(4)の化合物と一般式(2)の化合物と及び場合により硫黄とを仕込み、そこにゆっくり無水硫化ソーダを添加してもよい。
【0022】
その際の溶媒の使用は任意であり、無溶剤でもよいが、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類等の溶媒を用いてもよく、特にテトラヒドロフラン等のエーテル、メタノール、エタノール等のアルコールを用いて反応させることが好ましい。
【0023】
その際の反応温度は、特に限定されないが、室温〜200℃程度でよく、特に60〜170℃が好ましく、更に好ましくは60〜100℃である。反応時間は30分以上であるが、2〜15時間程度で反応は完結する。
【0024】
本発明において、溶媒を使用した場合、反応終了後生成した塩を濾別する前、又は濾別した後に減圧下で留去すればよい。
【0025】
なお、平均組成式(1)の化合物は、予め単離されたものを使用してもよいが、同一反応器において、予め一般式Na2Sで表される化合物、硫黄及び一般式(2)で表されるハロゲン基含有有機珪素化合物とから平均組成式(1)で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物を得、これに一般式(4)の化合物を添加した一般式(2)で表されるハロゲン基含有有機珪素化合物及び場合により硫黄を更に加え、混合した後、Na2Sを加えて反応させ、平均組成式(3)で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物を製造することも可能である。
【0026】
この平均組成式(1)の化合物製造の際のNa2S、一般式(2)の化合物、硫黄の添加の順序は任意である。また、平均組成式(1)の製造の際に、予め後で加える量の一般式(4)の化合物と一般式(2)の化合物及び硫黄を添加しておいてもよい。
【0027】
更に、その際の溶媒の使用は任意であり、無溶剤でもよいが、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類等の溶媒を用いてもよく、特にテトラヒドロフラン等のエーテル、メタノール、エタノール等のアルコールを用いて反応させることが好ましい。
【0028】
本発明のポリスルフィドシラン(式(3)のスルフィド鎖含有有機珪素化合物)は、ゴム用配合剤として好適に用いられるが、ゴム用配合剤が配合される加硫性ゴム組成物に主成分として使用されるゴムは、従来から各種ゴム組成物に一般的に配合されている任意のゴム、例えば天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などのジエン系ゴムやエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR,EPDM)などを単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
【0029】
なお、このゴム用配合剤には、更に他のシランカップリング剤の添加は任意であり、従来からシリカ充填材と併用される任意のシランカップリング剤を添加し得る。それらの典型例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシシラン、β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0030】
本発明のポリスルフィドシランをゴム用配合剤として用いる場合の配合量としては、原料ゴム100重量部に対し、ゴム配合用シリカ5〜100重量部、好ましくは5〜80重量部と、ゴム用配合剤を0.2〜30重量部、好ましくは1〜10重量部となるように使用する。なお、ゴム用配合剤は2種以上混合して用いてもよい。
【0031】
本発明のポリスルフィドシランがゴム用配合剤として配合されたゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、カーボンブラック、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑性剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の加硫ゴム物性をそのままに、ゴム混練時のムーニー粘度を低下させることができるゴム用配合剤として好適なポリスルフィドシランを得ることができ、工業的に極めて有用である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で部は重量部を示す。
【0034】
[合成例1]
窒素ガス導入管、温度計、ジムロート型コンデンサー及び滴下漏斗を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、下記平均組成式
【化4】
Figure 0004143821
で表され、スルフィド鎖の平均mが4であるポリスルフィドシラン269.5g(0.5mol)、エタノール350g、無水硫化ソーダ39g(0.5mol)、硫黄16g(0.5mol)を仕込み、80℃に昇温した。ここにn−デシルトリクロロシラン2.8g(0.01mol)を添加した3−クロロプロピルトリエトキシシラン242.8g(3−クロロプロピルトリエトキシシラン成分で1.0mol)を滴下した。滴下にかかった時間は30分を要した。添加終了後、更に12時間熟成を続けた。その後、溶液を濾過した。濾液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して、褐色透明の液体482gを得た。このものを液体クロマトグラフで分析した結果、下記式(i)
【化5】
Figure 0004143821
において、スルフィド鎖の平均n=3.0である分布を持ったポリスルフィドシランであることを確認した。
【0035】
[合成例2]
合成例1において、硫黄を添加せず、n−デシルトリクロロシランの代わりにn−ヘキシルトリクロロシラン4.4g(0.02mol)を使用した他は、同様に反応を行って、褐色透明の液体461gを得た。このものを液体クロマトグラフで分析した結果、上記式(i)において、スルフィド鎖の平均n=2.5である分布を持ったポリスルフィドシランであることを確認した。
【0036】
[合成例3]
合成例1において、n−デシルトリクロロシランの代わりにメチルトリクロロシラン15.0g(0.1mol)を使用した他は、同様に反応を行って、褐色透明の液体487gを得た。このものを液体クロマトグラフで分析した結果、上記式(i)において、スルフィド鎖の平均n=3.0である分布を持ったポリスルフィドシランであることを確認した。
【0037】
[合成例4]
合成例1において、n−デシルトリクロロシランの代わりにジメチルジクロロシラン6.5g(0.05mol)を使用した他は同様に反応を行って、褐色透明の液体483gを得た。このものを液体クロマトグラフで分析した結果、上記式(i)において、スルフィド鎖の平均n=3.0である分布を持ったポリスルフィドシランであることを確認した。
【0038】
[比較合成例1]
合成例2において、n−ヘキシルトリクロロシランを添加しなかった他は同様に反応を行って、褐色透明の液体453gを得た。このものを液体クロマトグラフで分析した結果、上記式(i)において、スルフィド鎖の平均n=2.5である分布を持ったポリスルフィドシランであることを確認した。
【0039】
[比較合成例2]
合成例1において、n−デシルトリクロロシランを添加しなかった他は同様に反応を行って、褐色透明の液体479gを得た。このものを液体クロマトグラフで分析した結果、上記式(i)において、スルフィド鎖の平均n=3.0である分布を持ったポリスルフィドシランであることを確認した。
【0040】
[実施例1〜4、比較例1〜2]
表1に示す配合成分を密閉型ミキサーで混練し、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物に酸化亜鉛2.5部、加硫促進剤D(1,3−ジフェニルグアニジン)2.0部、加硫促進剤CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)1.7部、硫黄1.5部を加え、オープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中、150℃で30分プレス加硫して、試験片(ゴムシート)を調製した。得られた試験片を用いて、下記方法で未加硫物性、加硫物性を評価した。結果を表1に示す。
<未加硫物性>
(1)ムーニー粘度:JIS K6300に基づき、125℃にて測定した。
(2)加硫速度:JIS K6300に基づき、150℃にて90%加硫度に達する時間を測定した。
(3)スコーチ時間:JIS K6300に基づき、125℃にて粘度が5ポイント上昇する時間を測定した。
<加硫物性>
(1)300%変形応力、引っ張り強度:JIS K6251に準拠して測定した。
(2)tanδ:粘弾性測定装置レオログラフソリッド(東洋精機製作所製)にて50Hz、初期伸長2%、動歪み1%、試料幅5mm、温度60℃で測定し、比較合成例1の化合物を使用した例の値を100として指数表示した。指数表示の数値が小さいほどヒステリシスロスに優れ、低発熱性である。
【0041】
【表1】
Figure 0004143821

Claims (2)

  1. 下記平均組成式(1)
    (R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sm−R3−Si(OR1(3-p)(R2p
    …(1)
    (式中、R1及びR2は炭素数1〜4の1価炭化水素基、R3は炭素数1〜10の2価炭化水素基、pは0,1又は2、mは平均値として2〜8の正数を示す。)で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物、下記一般式(2)
    (R1O)(3-p)(R2pSi−R3−X …(2)
    (式中、R1、R2、R3、pは上記と同様であり、Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン基含有有機珪素化合物及びNa2Sで表される無水硫化ソーダ、更に必要により硫黄を反応させて、下記平均組成式(3)
    (R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sn−R3−Si(OR1(3-p)(R2p
    …(3)
    (式中、R1、R2、R3、pは上記と同様であり、nは平均して2〜4の正数であるが、m>nを満足する数を示す。)
    で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物を製造する際、上記式(2)のハロゲン基含有有機珪素化合物に、下記一般式(4)
    (4-q-r)(R4qSi(R5r …(4)
    (式中、Yはハロゲン原子、R4は炭素数1〜4の1価炭化水素基、R5は炭素数1〜18の1価炭化水素基、qは0,1又は2、rは0,1又は2、但しq+r≦3を示す。)
    で表されるハロシランを添加することを特徴とするポリスルフィドシランの製造方法。
  2. ポリスルフィドシランがゴム用配合剤用である請求項1記載の製造方法。
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