JP4663868B2 - 含硫黄有機珪素化合物、およびその製造方法 - Google Patents
含硫黄有機珪素化合物、およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4663868B2 JP4663868B2 JP2000360069A JP2000360069A JP4663868B2 JP 4663868 B2 JP4663868 B2 JP 4663868B2 JP 2000360069 A JP2000360069 A JP 2000360069A JP 2000360069 A JP2000360069 A JP 2000360069A JP 4663868 B2 JP4663868 B2 JP 4663868B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sulfur
- organosilicon compound
- carbon atoms
- containing organosilicon
- integer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、含硫黄有機珪素化合物、およびその製造方法に関し、詳しくは、有機ゴム組成物の加工性やゴム物性の改質剤として有用で新規な含硫黄有機珪素化合物、およびこの含硫黄有機珪素化合物を比較的温和な条件で、効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
含硫黄有機珪素化合物は、ジエン系ゴム組成物等の有機ゴム組成物に添加することにより、粘度を低下させたり、混練作業性を改善し、また、成型後の有機ゴムの機械的強度や粘弾性特性等のゴム弾性を向上できることから、タイヤ、ゴムロール用ゴム組成物の改質用添加剤として使用されている。
【0003】
このような含硫黄有機珪素化合物として、ビス−(アルコキシシリルエチル)−オリゴスルフィド(特開昭55−89290号公報参照)やシリル基含有環状スルフィド化合物(特開平11−80209号公報参照)が提案されており、また、含硫黄有機珪素化合物の製造方法としては、ビニルアルコキシシランと硫黄を100〜200℃で1〜25バールの圧力下、スルフィド触媒により反応させる方法(特開昭55−89290号公報参照)や、炭素数2〜4のアルケニル基を有する有機珪素化合物、および硫黄もしくは多硫化物を反応させる方法(特開平11−80209号公報参照)が提案されている。
【0004】
しかしながら、特開昭55−89290号公報や特開平11−80209号公報で提案された含硫黄有機珪素化合物は、有機ゴムの改質添加剤としての効果が十分でないという問題があり、また、特開昭55−89290号公報で提案された含硫黄有機珪素化合物の製造方法では、100〜200℃で1〜25バールといった高温高圧下で反応を行なわなければならないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の課題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、有機ゴム組成物の加工性やゴム物性の改質剤として有用で新規な含硫黄有機珪素化合物を提供することにあり、さらに、この含硫黄有機珪素化合物を比較的温和な条件で、効率よく製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の含硫黄有機珪素化合物は、一般式:
【化3】
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は炭素数2〜15の二価炭化水素基であり、R4は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、aは1〜3の整数であり、xは1〜6の整数であり、mは0以上の整数であり、pは0以上の整数である。)
で示される。
【0007】
また、本発明の含硫黄有機珪素化合物は、一般式:
【化4】
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は炭素数2〜15の二価炭化水素基であり、R4は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、aは1〜3の整数であり、xは1〜6の整数であり、nは1以上の整数であり、pは0以上の整数である。)
で示される。
【0008】
また、本発明の含硫黄有機珪素化合物の製造方法は、一般式:
R4−CH=CH−CH2−R3−Si(OR1)aR2 (3-a)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は炭素数2〜15の二価炭化水素基であり、R4は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、aは1〜3の整数である。)
で示される有機珪素化合物と、該有機珪素化合物1モルに対して0.5〜4モルの硫黄原子となる量の硫黄を、室温〜200℃で反応させることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
はじめに、本発明の含硫黄有機珪素化合物を詳細に説明する。
本発明の含硫黄有機珪素化合物は、一般式:
【化5】
で示されるか、または、一般式:
【化6】
で示される。上式中のR1は炭素数1〜4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示され、好ましくは、メチル基、またはエチル基である。また、上式中のR2は炭素数1〜4のアルキル基であり、前記R1と同様のアルキル基が例示され、好ましくは、メチル基、またはエチル基である。また、上式中のR3は炭素数2〜15の二価炭化水素基であり、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基;メチレンフェニレン基、エチレンフェニレン基等のアルキレンアリーレン基が例示され、好ましくは、アルキレン基であり、特に好ましくは、エチレン基、またはプロピレン基である。また、上式中のR4は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、R4のアルキル基としては、前記R1と同様のアルキル基が例示される。特に、R4は水素原子であることが好ましい。また、上式中のaは1〜3の整数であり、好ましくは、3である。また、上式中のxは1〜6の整数である。また、上式中のmは0以上の整数である。また、上式中のpは0以上の整数である。さらに、上式中のnは1以上の整数である。
【0010】
このような本発明の含硫黄有機珪素化合物としては、次のような化合物が例示される。但し、式中のxは1〜6の整数であり、mは0以上の整数であり、nは1以上の整数であり、pは0以上の整数である。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
(削除)
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0011】
本発明の含硫黄有機珪素化合物は、珪素原子結合アルコキシ基とアルケニル基とスルフィド構造もしくはポリスルフィド構造を有しているので、有機ゴム、無機質充填剤、カーボンブラック、および加硫促進剤からなる有機ゴム組成物に添加することにより、有機ゴム組成物の加工性を向上させたり、硬化して得られる有機ゴムのゴム物性、特に、機械的強度を向上させることができる。本発明の含硫黄有機珪素化合物の添加量としては、無機質充填剤100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、さらには、1〜20重量部であることが好ましく、特には、1〜15重量部であることが好ましい。このように、本発明の含硫黄有機珪素化合物は、有機ゴム組成物用の加工性やゴム物性の改質剤、あるいは有機ゴム用無機充填剤の表面改質剤として有用である。
【0012】
本発明の含硫黄有機珪素化合物を配合することのできる有機ゴム組成物において、その主成分である有機ゴムとしては、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、シス−ポリブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン・ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化されたブチルゴム、2−クロルブタジエンゴム、エチレン、プロピレン及び共役ジエンからのテルポリマー、カルボキシルゴム、エポキシドゴム、トランス−ポリペンテナマー、エチレン−酢酸ビニル−コポリマー、エチレン−プロピレン−コポリマー、およびこれらの混合物が例示される。
【0013】
また、無機質充填剤としては、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、石英粉末等のシリカ系充填剤、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪藻土が例示され、特に、シリカ系充填剤が好ましい。この無機充填剤の配合量は、有機ゴム100重量部に対して5〜200重量部であることが好ましく、さらには、5〜150重量部であることが好ましく、特には、10〜100重量部であることが好ましい。
【0014】
また、カーボンブラックとしては、サーマルブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラックが例示される。このカーボンブラックの配合量は、有機ゴム100重量部に対して0〜200重量部であることが好ましく、さらには、0〜100重量部であることが好ましく、特には、1〜100重量部であることが好ましい。
【0015】
また、加硫促進剤としては、ジチオカルバメート促進剤、キサントゲネート促進剤、チウラム促進剤、メルカプトおよびスルフィンアミド促進剤が含まれるチアゾール促進剤、アミン促進剤、アルデヒドアミン促進剤、メルカプト促進剤、ジスルフィド促進剤、ポリスルフィド促進剤が例示される。この加硫促進剤の配合量は、有機ゴム100重量部に対して5〜10重量部であることが好ましい。
【0016】
さらに、上記の有機ゴム組成物には、有機ゴム組成物の成形性、加工性を改良するためのパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素等のゴム用可塑剤;亜鉛華、ステアリン酸等の加硫剤助剤;ジフェニルアミン類、トリメチルジヒドロキノン類、フェニレンジアミン類等の老化防止剤;各種耐熱剤;補強性添加剤等を配合することができる。
【0017】
上記の有機ゴム組成物は、有機ゴム、無機質充填剤、カーボンブラック、本発明の含硫黄有機珪素化合物、加硫促進剤、およびその他任意の成分を、2本ロール、3本ロール、ニーダミキサ等の混練装置により均一に混合することによって調製することができる。このようにして得られた有機ゴム組成物は、硬化して後、ゴム物性、特に、機械的強度が優れたゴムとなるので、例えば、自動車や自転車のタイヤゴム形成用として好適である。
【0018】
次に、本発明の含硫黄有機珪素化合物の製造方法を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、一般式:
R4−CH=CH−CH2−R3−Si(OR1)aR2 (3-a)
で示される有機珪素化合物と硫黄を室温〜200℃で反応させることを特徴とする。
【0019】
上記の有機珪素化合物において、式中のR1は炭素数1〜4のアルキル基であり、前記と同様の基が例示される。また、上式中のR2は炭素数1〜4のアルキル基であり、前記と同様の基が例示される。また、上式中のR3は炭素数2〜15の二価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。また、上式中のR4は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、R4のアルキル基としては、前記と同様の基が例示される。また、上式中のaは1〜3の整数であり、好ましくは、3である。
【0020】
このような有機珪素化合物としては、5−ヘキセニルトリメトキシシラン、5−ヘキセニルメチルジメトキシシラン、5−ヘキセニルトリエトキシシラン、5−ヘキセニルメチルジエトキシシランが例示される。
【0021】
本発明の製造方法で用いることのできる硫黄は限定されない。この硫黄は無水の硫黄であることが好ましく、また、この形状は粉末状あるいはフレーク状であることが好ましい。
【0022】
本発明の製造方法において、硫黄の添加量は、上記の有機珪素化合物1モルに対して、硫黄原子が0.5〜4モルとなる量であり、得られる含硫黄有機珪素化合物が一分子中に4個の硫黄原子を有するテトラスルフィド構造を有するためには、上記の有機珪素化合物1モルに対して、硫黄原子が4モルとなる量であることが好ましく、また、トリスルフィド構造を有するためには、硫黄原子が3モルとなる量であることが好ましく、さらに、ジスルフィド構造を有するためには、硫黄原子が2モルとなる量であることが好ましい。
【0023】
本発明の製造方法では、硫黄の反応性を高めるため、公知の加硫促進剤を使用することができる。この加硫促進剤としては、ジチオカルバメート促進剤、キサントゲネート促進剤、チウラム促進剤、メルカプトおよびスルフィンアミド促進剤が含まれるチアゾール促進剤、アミン促進剤、アルデヒドアミン促進剤、メルカプト促進剤、ジスルフィド促進剤、ポリスルフィド促進剤が例示され、特に、反応終了後に、減圧下で加熱することにより留去できる低沸点の加硫促進剤であることが好ましい。このような加硫促進剤としては、構造上類似したビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィド、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン等が好ましい。
【0024】
また、本発明の製造方法では、反応を溶媒中で行うこともできる。溶媒としてアルコール類を使用する場合は、上記有機珪素化合物中の珪素原子に結合するアルコキシ基と同様の基を有するアルコールであることが好ましい。これは、異なる基を有するアルコールを使用した場合には、アルコキシ基が交換反応を起こし、2種のアルコキシ基が混在した化合物が得られるためである。
【0025】
本発明の製造方法では、乾燥不活性ガス雰囲気下、室温から200℃の温度範囲で反応を行うことができ、特に、硫黄の融点(112.8℃)〜200℃の温度範囲で反応を行うことが好ましい。これは、反応温度が上記範囲の上限をこえると、上記の有機珪素化合物が分解したりする恐れがあるからであり、また、上記範囲の下限未満では、反応が著しく遅くなるからである。次に、本発明の製造方法では、反応終了後、減圧下で加熱して、未反応の有機珪素化合物を留去することにより、目的の含硫黄有機珪素化合物を得ることができる。
【0026】
本発明の製造方法は、副生成物がほとんど生成せず、有毒な硫化水素ガス、廃棄処理が難しい硫黄化合物を含んだ塩なども生成せず、さらに、脱水、脱塩、脱硫化水素等の工程を必要とせず、加熱のみで目的とする含硫黄有機珪素化合物を効率よく製造することができるという特徴がある。
【0027】
【実施例】
本発明の含硫黄有機珪素化合物、およびその製造方法を実施例により詳細に説明する。
【0028】
[実施例1]
乾燥窒素気流下、還流冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、5−ヘキセニルトリメトキシシラン102g(0.50モル)、硫黄粉末64.0g(硫黄原子として2.00モル)を投入し、これを150℃に攪拌しながら、3時間反応させた。次に、得られた反応混合物を室温まで冷却した後、100℃/10torrの条件で未反応物を留去したところ、赤褐色液状物154gが得られた。この液状物を、赤外線分光分析(以下、IR)、13C−核磁気共鳴分析(以下、13C−NMR)、29Si−核磁気共鳴分析(以下、29Si−NMR)により分析したところ、二重結合の消失が確認され、下記の平均式で示される含硫黄有機珪素化合物であることが同定された。
【0029】
【化18】
【0030】
[実施例2]
乾燥窒素気流下、還流冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、5−ヘキセニルトリエトキシシラン246g(1.00モル)、硫黄粉末64.0g(硫黄原子として2.00モル)を投入し、これを150℃で攪拌しながら、3時間反応させた。次に、得られた反応混合物を室温まで冷却した後、100℃/10torrの条件で未反応物を留去したところ、赤褐色液状物303gが得られた。この液状物をIR、13C−NMR、および29Si−NMRにより分析したところ、二重結合の減少が確認され、下記の平均式で示される含硫黄有機珪素化合物であることが同定された。
【0031】
【化19】
【0032】
[実施例3]
乾燥窒素気流下、還流冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、5−ヘキセニルトリエトキシシラン246g(1.00モル)、硫黄粉末32.0g(硫黄原子として1.00モル)を投入し、これを150℃で攪拌しながら、3時間反応させた。次に、得られた反応混合物を室温まで冷却した後、100℃/10torrの条件で未反応物を留去したところ、赤褐色液状物257gが得られた。この液状物をIR、13C−NMR、および29Si−NMRにより分析したところ、二重結合の減少が確認され、下記の平均式で示される含硫黄有機珪素化合物であることが同定された。
【0033】
【化20】
【0034】
[比較例1]
乾燥窒素気流下、還流冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、アリルトリメトキシシラン162g(1.00モル)、硫黄粉末64.0g(2.00モル)を投入し、これを150℃で攪拌しながら、3時間反応させた。次に、得られた反応混合物を室温まで冷却した後、100℃/10torrの条件で未反応物を留去したところ、赤褐色液状物207gが得られた。この液状物をIR、13C−NMR、および29Si−NMRにより分析したところ、二重結合の消失が確認され、下記の平均式で示される含硫黄有機珪素化合物であることが同定された。
【0035】
【化21】
【0036】
[応用例]
バンバリーミキサーに、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム100重量部、湿式シリカ微粉末40重量部、カーボンブラック5重量部、および実施例2で調製した含硫黄有機珪素化合物4重量部を投入し、次に、硫黄粉末1.5重量部、亜鉛華3重量部、ステアリン酸2重量部、加硫促進剤2.7重量部、および老化防止剤1重量部を投入し、これらを均一に混合して有機ゴム組成物(I)を調製した。
また、上記の有機ゴム組成物において、実施例2で調製した含硫黄有機珪素化合物の代わりに、実施例3で調製した含硫黄有機珪素化合物を同量配合した以外は上記と同様にして有機ゴム組成物(II)を調製した。
さらに、上記の有機ゴム組成物において、実施例2で調製した含硫黄有機珪素化合物の代わりに、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを同量配合した以外は上記と同様にして有機ゴム組成物(III)を調製した。
これらの有機ゴム組成物およびゴムの特性を次のようにして測定して、表1に示した。
[有機ゴム組成物のムーニー粘度]
JIS K 6300-1994に準拠して、予熱1分、測定4分、温度130℃にて測定した。なお、表1中の値は、有機ゴム組成物(III)の粘度を100とした指数で示した。この指数が小さいほど、ムーニー粘度が低く、加工性が優れていることを示す。
[ゴムの硬さ]
JIS K 6253-1997に準拠して、タイプAデュロメータにより硬さを測定した。なお、表1中の値は、有機ゴム組成物(III)を硬化して得られたゴムの硬さを100とした指数で示した。この指数が大きいほど硬いことを示し、低いほど柔らかいことを示す。
[ゴムの伸び、引張強さ]
JIS K 6251-1993に準拠して、ダンベル状3号サンプルを用いて25℃で引張試験を行なった時の、引張強さ、切断時伸びを測定した。なお、表1中の値は、有機ゴム組成物(III)を硬化して得られたゴムの引張強さ、伸びを100とした指数で示した。この指数が大きいほど、引張強さが強く、伸びが大きいことを示す。
[ゴムの耐磨耗性]
耐磨耗性を表わす耐磨耗性指数はランボーン磨耗試験機を用い、BS(British Standard)規格903(part A)D法に準じた方法により、接地圧5kg/cm2、スリップ率40%にて測定し、次式により求めた。
耐磨耗性指数=(対象物の損失重量/供試試験片の損失重量)×100
なお、表1中の値は、有機ゴム組成物(III)を硬化して得られたゴムの耐磨耗性指数を100とした指数で示した。この指数が大きいほど耐磨耗性が大きいことを示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明の含硫黄有機珪素化合物は有機ゴム組成物の加工性やゴム物性の改質剤として有用な新規な化合物であり、また、本発明の製造方法は、このような新規な含硫黄有機珪素化合物を比較的温和な条件で、効率よく製造できるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で調製した含硫黄有機珪素化合物の13C−核磁気共鳴スペクトルチャートである。
【図2】 実施例1で調製した含硫黄有機珪素化合物の29Si−核磁気共鳴スペクトルチャートである。
【図3】 実施例2で調製した含硫黄有機珪素化合物の13C−核磁気共鳴スペクトルチャートである。
【図4】 実施例2で調製した含硫黄有機珪素化合物の29Si−核磁気共鳴スペクトルチャートである。
【図5】 実施例3で調製した含硫黄有機珪素化合物の13C−核磁気共鳴スペクトルチャートである。
【図6】 実施例3で調製した含硫黄有機珪素化合物の29Si−核磁気共鳴スペクトルチャートである。
【図7】 比較例1で調製した含硫黄有機珪素化合物の13C−核磁気共鳴スペクトルチャートである。
【図8】 比較例1で調製した含硫黄有機珪素化合物の29Si−核磁気共鳴スペクトルチャートである。
Claims (3)
- 一般式:
R4−CH=CH−CH2−R3−Si(OR1)aR2 (3-a)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は炭素数2〜15の二価炭化水素基であり、R4は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、aは1〜3の整数である。)
で示される有機珪素化合物と、該有機珪素化合物1モルに対して0.5〜4モルの硫黄原子となる量の硫黄を、室温〜200℃で反応させることを特徴とする、請求項1または2記載の含硫黄有機珪素化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000360069A JP4663868B2 (ja) | 1999-12-08 | 2000-11-27 | 含硫黄有機珪素化合物、およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-348301 | 1999-12-08 | ||
JP34830199 | 1999-12-08 | ||
JP2000360069A JP4663868B2 (ja) | 1999-12-08 | 2000-11-27 | 含硫黄有機珪素化合物、およびその製造方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001226383A JP2001226383A (ja) | 2001-08-21 |
JP2001226383A5 JP2001226383A5 (ja) | 2008-01-17 |
JP4663868B2 true JP4663868B2 (ja) | 2011-04-06 |
Family
ID=26578717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000360069A Expired - Fee Related JP4663868B2 (ja) | 1999-12-08 | 2000-11-27 | 含硫黄有機珪素化合物、およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4663868B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4663869B2 (ja) * | 1999-12-08 | 2011-04-06 | 東レ・ダウコーニング株式会社 | 有機ゴム組成物 |
JP4450149B2 (ja) | 2002-06-20 | 2010-04-14 | 信越化学工業株式会社 | 有機珪素化合物、その製造方法、及びゴム用配合剤 |
US7687558B2 (en) | 2006-12-28 | 2010-03-30 | Momentive Performance Materials Inc. | Silated cyclic core polysulfides, their preparation and use in filled elastomer compositions |
US7960460B2 (en) | 2006-12-28 | 2011-06-14 | Momentive Performance Materials, Inc. | Free-flowing filler composition and rubber composition containing same |
US7737202B2 (en) | 2006-12-28 | 2010-06-15 | Momentive Performance Materials Inc. | Free-flowing filler composition and rubber composition containing same |
US7696269B2 (en) | 2006-12-28 | 2010-04-13 | Momentive Performance Materials Inc. | Silated core polysulfides, their preparation and use in filled elastomer compositions |
US7968635B2 (en) | 2006-12-28 | 2011-06-28 | Continental Ag | Tire compositions and components containing free-flowing filler compositions |
JP6843378B2 (ja) * | 2016-10-17 | 2021-03-17 | 国立大学法人山口大学 | 含硫黄ポリマー |
CN112437785B (zh) * | 2018-07-19 | 2023-07-28 | 国际壳牌研究有限公司 | 用于制备含硫有机硅烷聚合物的方法 |
JP7518837B2 (ja) | 2019-01-25 | 2024-07-18 | シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ | 電気エネルギー貯蔵装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5589290A (en) * | 1978-12-27 | 1980-07-05 | Degussa | Biss*silylethyl**oligosulfide*its manufacture and bridgeable rubber mixture containg it |
JPH1180209A (ja) * | 1997-08-29 | 1999-03-26 | Toagosei Co Ltd | シリル基含有環状スルフィド化合物、その製造方法および該化合物を添加してなるゴム組成物 |
JP2001226532A (ja) * | 1999-12-08 | 2001-08-21 | Dow Corning Toray Silicone Co Ltd | 有機ゴム組成物 |
-
2000
- 2000-11-27 JP JP2000360069A patent/JP4663868B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5589290A (en) * | 1978-12-27 | 1980-07-05 | Degussa | Biss*silylethyl**oligosulfide*its manufacture and bridgeable rubber mixture containg it |
JPH1180209A (ja) * | 1997-08-29 | 1999-03-26 | Toagosei Co Ltd | シリル基含有環状スルフィド化合物、その製造方法および該化合物を添加してなるゴム組成物 |
JP2001226532A (ja) * | 1999-12-08 | 2001-08-21 | Dow Corning Toray Silicone Co Ltd | 有機ゴム組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001226383A (ja) | 2001-08-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4450149B2 (ja) | 有機珪素化合物、その製造方法、及びゴム用配合剤 | |
JP5450093B2 (ja) | シリル化コアポリスルフィドを含有するタイヤ組成物および部品 | |
JP4985935B2 (ja) | ゴム用配合剤 | |
JP5838089B2 (ja) | ゴム組成物の製造方法 | |
KR101979960B1 (ko) | 유기 규소 화합물 및 그의 제조 방법, 고무용 배합제 및 고무 조성물 | |
JP4663868B2 (ja) | 含硫黄有機珪素化合物、およびその製造方法 | |
JP4663869B2 (ja) | 有機ゴム組成物 | |
JP2012149189A (ja) | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ | |
JPH0339543B2 (ja) | ||
KR102205799B1 (ko) | 황 함유 유기 규소 화합물 및 그의 제조 방법, 고무용 배합제, 및 고무 조성물 | |
JP2023153343A (ja) | オルガノポリシロキサンを含むゴム組成物およびタイヤ | |
JP5164374B2 (ja) | 有機珪素化合物を含むゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP4336920B2 (ja) | ゴム組成物 | |
JP2010174237A (ja) | ゴム組成物 | |
JP2015205844A (ja) | 含硫黄有機ケイ素化合物及びその製造方法、ゴム用配合剤、ゴム組成物並びにタイヤ | |
JP5164375B2 (ja) | 有機珪素化合物を含むゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP4143821B2 (ja) | ポリスルフィドシランの製造方法 | |
JP4143822B2 (ja) | ポリスルフィドシランの製造方法 | |
JP7413987B2 (ja) | ゴム組成物およびタイヤ | |
JP2014189598A (ja) | ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ | |
JP6113583B2 (ja) | ゴム組成物の製造方法及び空気入りタイヤ | |
JP5105048B2 (ja) | 有機珪素化合物及びその製造方法、並びにゴム用配合剤 | |
JP2000159932A (ja) | ゴム組成物および空気入りタイヤ | |
JP2012240927A (ja) | 有機ケイ素化合物及びその製造方法、ゴム用配合剤、ゴム組成物並びにタイヤ | |
MXPA00000387A (en) | Diene rubber composition reinforced with white filler, comprising as coupling agent (white filler/elastomer) a multifunctionalized polyorganosiloxane |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071126 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100914 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101111 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101221 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110106 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |