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JP2000128990A - 硫黄官能性ポリオルガノシロキサン、その製造法、該化合物を含有するゴム混合物、その製造法および該混合物からなる成形体 - Google Patents

硫黄官能性ポリオルガノシロキサン、その製造法、該化合物を含有するゴム混合物、その製造法および該混合物からなる成形体

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JP2000128990A
JP2000128990A JP11305416A JP30541699A JP2000128990A JP 2000128990 A JP2000128990 A JP 2000128990A JP 11305416 A JP11305416 A JP 11305416A JP 30541699 A JP30541699 A JP 30541699A JP 2000128990 A JP2000128990 A JP 2000128990A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シラン付着剤とともに、シロキシル官能化さ
れたポリオルガノシロキサンをゴム混合物に添加する必
要がない硫黄官能性ポリオルガノシロキサン。 【解決手段】 一般式I 【化1】 で示される、ゴム混合物に使用することができる硫黄官
能性ポリオルガノシロキサン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫黄官能性ポリオ
ルガノシロキサン、その製造法、該化合物を含有するゴ
ム混合物、その製造法および該混合物からなる成形体に
関する。
【0002】
【従来の技術】硫黄含有オルガノ珪素化合物、例えば3
−メルカプトプロピル−トリエトキシシランまたはビス
−(3−[トリエトキシシリル]−プロピル)テトラス
ルファンをシラン付着助剤または強化添加剤として酸化
物が充填されたゴム混合物中で走行面および自動車タイ
ヤの別の部分のために使用することは、公知である(ド
イツ連邦共和国特許第2141159号明細書、ドイツ
連邦共和国特許第2212239号明細書、米国特許第
3978103号明細書、米国特許第4048206号
明細書)。
【0003】更に、硫黄含有シラン付着助剤が、パッキ
ン材料、金属鋳造物のための鋳型、有色塗料および保護
塗料、接着剤、アスファルト混合物および酸化物で充填
されたプラスチックの製造の際に使用されてもよいこと
は、公知である。
【0004】前記のカップリング剤および結合剤は、充
填剤ならびにエラストマーに対して結合を形成させ、し
たがって充填剤表面とエラストマーとの間で良好な交換
作用を生じさせる。前記薬剤は、混合物の粘度を減少さ
せ、充填剤の分散を簡易化する。
【0005】欧州特許出願公開第0784072号明細
書A1には、シラン付着剤と珪酸に結合することができ
る少なくとも1個の官能性シロキシル基を有する官能化
されたポリオルガノシロキサンとの組合せ物の使用が記
載されている。
【0006】3−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ンは、付着助剤としてゴム混合物中で比較的に低い用量
で改善された珪酸/エラストマーカップリングを惹起さ
せる状態にある(米国特許第3350345号明細書、
フランス国特許第2094859号明細書)。しかし、
SH基の高い反応性、したがって前架橋の公知の傾向な
らびに高められた混合物の粘度のために、混合物の加工
可能性およびその工業的使用は、限定されている。更
に、少なくとも1個の官能性シロキシル基を有する官能
性ポリオルガノシロキサンからなる被覆添加剤の添加に
より、反応性が減少され、混合物の粘度が低下され、し
たがってこのようなゴム混合物の加工可能性が保証され
ることは、公知である(欧州特許出願公開第07840
72号明細書A1)。
【0007】欧州特許出願公開第0784072号明細
書に記載されたシラン付着剤とともに、シロキシル官能
化されたポリオルガノシロキサンをゴム混合物に添加し
なければならないことは、経済的視点から、不利である
と見なすことができる。
【0008】更に、混合過程の間に著量のアルコールを
放出させるための珪素原子に3個のアルコキシ置換基を
有する市販のシラン付着助剤の使用は、公知である(ド
イツ連邦共和国特許第2255577号明細書)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明には、前記の欠
点を解消するという課題が課された。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の対象は、一般式
【0011】
【化3】
【0012】〔式中、R、R、R、Rは、互い
に独立にH、(C〜C)アルキル、(C〜C
アルコキシ、(C〜C)ハロゲン化アルコキシ、
(C〜C)ハロゲン化アルキル、フェニル、アリー
ルまたはアラルキルを表わし、Wは珪酸に結合していて
もよい基を表わし、好ましくは(C〜C)アルコキ
シまたは(C〜C)ハロゲン化アルコキシであって
もよく、Yはアルキル、ハロゲン化アルキル、フェニ
ル、アリールまたはアラルキルを表わし、Zは0〜6個
の炭素原子を有するアルキリデン基を表わし、Aはゴム
混合物の少なくとも1つのエラストマーとの結合を生じ
うる基を表わし:qが1である場合には、メルカプト基
(SH)およびチオシアネート基(SCN)を表わし、
qが2である場合には、ジスルフィド(S)およびポ
リスルフィド(S)を表わし、この場合xは2〜10
であり、Hは水素を表わし、k+m+n+pは3以上で
あり、ならびにkおよびnは0であってもよい〕で示さ
れる硫黄官能性ポリオルガノシロキサンである。
【0013】本発明に関連して好ましいポリオルガノシ
ロキサンとしては、最初に述べることができる次のもの
は、R、R、R、Rがアルキル、殊にメチルで
あり、Wがアルコキシ、殊にエトキシであり、Yがアル
キル、殊にn−プロピルであり、Zがアルキリデン、殊
にCHCHCHであり、mおよびpが1〜100
であり、ならびにkおよびnが0〜50であり、この場
合k+m+n+pは10〜150、殊に20〜100で
ある線状のランダムポリマー、連続的ポリマーまたはブ
ロックポリマーから形成されている。
【0014】1つの好ましい実施態様において、R
、R、Rはメチルであり、Wはエトキシであ
り、Yはn−プロピルであり、ZはCHCHCH
であり、Aはqが1である場合にメルカプト(SH)、
チオシアネート(SCN)であり、Aはqが2である場
合にポリスルフィド(S)およびジスルフィド
(S)であり、およびk+m+n+pは10〜15
0、殊に20〜100を表わすことができる。
【0015】この場合、AがSである本発明によるポ
リオルガノシロキサンは、環状、分枝鎖状または線状に
構成されていてもよい。
【0016】本発明による化合物は、定義された分子量
を有する個々の化合物ならびに分子よる分布を有するオ
リゴマー混合物として存在していてもよい。
【0017】一般式Iの本発明による化合物の製造は、
2工程で簡単な方法で、一般式II
【0018】
【化4】
【0019】〔式中、R、R、RおよびRは、
上記の意味を有し、vは2〜150であってもよい〕で
示される化合物を一般式III
【0020】
【化5】
【0021】〔式中、RはH、アルキルであり、Xは
弗素、塩素、臭素および沃素、好ましくは塩素であり、
wは0〜15の数、好ましくはwは1であり、RはH
(塩化アリル)であり、ならびにRはメチル(塩化メ
タリル)である〕で示される化合物と触媒条件下でヒド
ロシリル化の機構により白金族からの触媒を使用しなが
ら、場合によっては溶剤中で、および場合によっては2
0℃〜200℃の反応温度で常圧または6バールまでの
過圧の圧力で反応させ、一般式IV
【0022】
【化6】
【0023】〔式中、R、R、R、R、X、
Y、Z、m、nおよびpは、上記の意味を有する〕で示
される化合物に変えることにより、行なうことができ
る。
【0024】第2過程で、一般式IVの化合物は、MS
H、MSCNまたはMSx(この場合、Mは金属イオ
ンであり、xは統計学的平均で2〜10の数であってよ
い)或いはMSおよびS(この場合、Mは金属イオン
である)と、アルコールW−H(この場合、Wは上記の
意味を有する)中で場合によっては20℃〜150℃の
反応温度で、および場合によっては触媒条件下で常圧下
で反応させ、一般式Iの本発明による化合物に変えても
よい。
【0025】式IVの化合物の製造のためには、好まし
くは次のように行なうことができる:式IIの化合物に
は、溶剤なしに常圧下または6バールまでの過圧下、特
に常圧下で20℃〜200℃の温度、特に100℃〜1
50℃で、X、Rおよびwが上記の意味を有する式I
IIの化合物からなる不足量の混合物および白金触媒、
好ましくはカルステッド(Karstedt)型が添加される。
常圧下または6バールまでの過圧下、特に常圧下で20
℃〜200℃の温度、特に100℃〜120℃で1時間
ないし8日、特に1〜24時間の攪拌の後、反応は終結
され、IV型の新規化合物は、多くの場合に粘稠な液体
として残留する。
【0026】好ましくは、反応は、絶対条件下、即ち湿
分の遮断下で実施されてよい。
【0027】ヒドロシリル化のための上記種類の種々の
方法は、米国特許第3159601号明細書、欧州特許
出願公開第57459号明細書、米国特許第34195
93号明細書、米国特許第3715334号明細書、米
国特許第3775452号明細書(Karstedt)に公知で
ある。
【0028】触媒の種々の選択度に基づいて、式V
【0029】
【化7】
【0030】〔式中、R、X、Yおよびnは上記の意
味を有する〕で示される断片が形成される。
【0031】100%の選択度の場合には、化合物IV
もしくは断片Vにおいてnは、0である。
【0032】第2工程において、式Iの本発明による化
合物を製造するために、好ましくは次のように行なうこ
とができる:アルコールW−H中のMSH、MSCNま
たはMSおよびSもしくは先に得られたMの懸
濁液にR、R、R、R、W、X、Y、Z、m、
nおよびpが上記の意味を有する式IVの化合物が添加
される。この場合には、水素ガスが形成される。常圧下
で1日ないし8日間、特に1〜24時間20℃〜150
℃、特に好ましくはアルコールW−Hの沸騰温度で加熱
され、反応の終結後に生成された沈殿物と濾別される。
過剰のアルコールW−Hの除去後、残留物中の型Iの新
規化合物は、粘稠な液体または低溶融性固体として残存
する。
【0033】アルコーリシスおよび硫黄官能化は、本発
明による方法の際に同時に行なわれる。他の触媒は、ア
ルコーリシスには不必要である。完全なアルコーリシス
の場合には、化合物Iにおいてkは0である。更に、断
片V中のSi−X基は、同時にSi−Wに変換される。
【0034】好ましい金属イオンMとして、アンモニウ
ムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンを使
用することができる。この場合に、特に好適であるの
は、相応するナトリウム化合物の使用である。
【0035】硫化のための上記種類の種々の方法は、公
知であり、特許第7228588号、米国特許第540
5985号明細書および米国特許第5466848号明
細書に記載されている。
【0036】”アルキル”の記載は、”直鎖状”アルキ
ルならびに”分枝鎖状”アルキルであると理解すべきで
ある。”直鎖状アルキル基”の記載は、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペ
ンチル基、n−ヘキシル基のような基であり、”分枝鎖
状アルキル基”は、例えばイソプロピル基または第三ブ
チル基のような基である。ハロゲンの記載は、弗素、塩
素、臭素または沃素を表わす。”アルコキシ”の記載
は、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ、イソプロポキシ、イソブトキシまたはペントキシの
ような基を表わす。
【0037】”アリール”は、本発明の範囲内で(C
〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲ
ンまたはヘテロ原子、例えばN、O、PもしくはSで置
換されたフェニル、ビフェニル、フェノールまたは他の
ベンゾイド化合物であると理解すべきである。”アリー
ルアルキル”は、上記の”アリール”がその側で(C
〜C)アルキル置換基またはハロゲン置換基であって
もよい(C〜C)アルキル鎖を介して相応する珪素
原子と結合されているものと理解すべきである。”アリ
ール”がヘテロ原子、例えばOまたはSを使用する場合
には、(C〜C)アルキル鎖は、珪素原子を有する
ヘテロ原子を介して1つの化合物を製造することができ
る。
【0038】置換基、例えば(C〜C)アルコキシ
を記載する場合には、係数の数は、基中の全ての炭素原
子の数を表わす。
【0039】本発明による多官能性ポリオルガノシロキ
サンの利点は、珪酸強化されたゴム混合物中のシラン付
着助剤として専ら使用されることにあり、この場合この
ゴム混合物は、珪酸粒子の表面にヒドロキシル基を有す
る化学的結合および/または物理的結合を形成させる能
力を有する少なくとも1個の官能性シロキシル基を含有
し、かつ重合体鎖に化学的結合を生じさせる能力を有す
る少なくとも1個の硫黄官能基を含有する。更に、本発
明による多官能性ポリオルガノシロキサンの使用は、ア
ルコキシ官能基の僅かな含量に応じて公知技術水準と比
較して減少されたアルコール放出を混合過程の間に生じ
る。
【0040】本発明による硫黄官能性ポリオルガノシロ
キサンは、ゴム混合物への使用にとって特に良好に好適
である。
【0041】本発明による硫黄官能性ポリオルガノシロ
キサンを付着助剤または強化添加剤として含有するゴム
混合物および加硫過程後に生じる成形体、殊に空気タイ
ヤまたはタイヤ走行面は、方法の本発明による実施後に
同時に良好な湿分付着および高い摩耗抵抗の際に低い回
転抵抗を有している。
【0042】更に、本発明の対象は、本発明による硫黄
官能性ポリオルガノシロキサンを含有するゴム混合物で
ある。更に、ゴム混合物は、ゴム、充填剤、殊に沈降珪
酸および場合によっては他のゴム助剤、ならびに少なく
とも1つの本発明による硫黄官能性ポリオルガノシロキ
サンを使用される酸化物充填剤の量に対して0.1〜1
5質量%、特に有利に5〜10質量%の量で含有するこ
とができる。
【0043】ゴム混合物中の本発明による硫黄官能性ポ
リオルガノシロキサンを使用する場合には、公知の混合
物と比較して静的および動的な加硫物データの点で利点
が判明する。
【0044】本発明による硫黄官能性ポリオルガノシロ
キサンの添加ならびに充填剤の添加は、有利に80〜2
00℃の質量温度で行なわれる。しかし、これらの添加
は、低い温度の場合(40〜100℃)には、例えば他
のゴム助剤と一緒に緩徐に行なうこともできる。
【0045】本発明による硫黄官能性ポリオルガノシロ
キサンは、純粋な形で、ならびに不活性の有機または無
機担体上に塗布されて混合過程に添加されてもよい。好
ましい担持材料は、珪酸、天然または合成珪酸塩、酸化
アルミニウムまたはカーボンブラックである。
【0046】本発明によるゴム混合物のための充填剤と
しては、次のものがこれに該当する:− カーボンブラ
ック:この場合に使用すべきカーボンブラックは、衝撃
法(Flammruss-Verfahren)、ファーネス法またはガス
カーボンブラック法により製造されたものであり、20
〜200m/gのBET表面積を有する。カーボンブ
ラックは、場合によっては例えばSiのようなヘテロ原
子を含有していてもよい。
【0047】− 珪酸塩溶液の沈殿または珪素ハロゲン
化物のフレーム加水分解によって製造された、5〜10
00m/g、特に20〜400m/gの比表面積
(BET表面積)および10〜400nmの一次粒径を
有する高分散性珪酸。珪酸は、場合によっては別の金属
酸化物、例えば酸化Al、酸化Mg、酸化Ca、酸化B
a、酸化Znおよび酸化チタンとの混合酸化物として存
在していてもよい。
【0048】− 20〜400m/gのBET表面積
および10〜400nmの一次粒径を有する合成珪酸
塩、例えば珪酸アルミニウム、アルカリ土類金属珪酸
塩、例えば珪酸マグネシウムまたは珪酸カルシウム。
【0049】− 天然の珪酸塩、例えばカオリンおよび
別の天然に由来する珪酸。
【0050】− ガラス繊維およびガラス繊維製品(マ
ット、ストランド)または微細なガラス玉。
【0051】好ましくは、20〜400m/gのBE
T表面積を有するカーボンブラックまたは珪酸塩溶液の
沈殿によって製造された20〜400m/gのBET
表面積を有する高分散性珪酸は、それぞれゴム100部
に対して5〜150重量部の量で使用されてもよい。
【0052】記載された充填剤は、単独でかまたは混合
物で使用されることができる。本方法の特に好ましい実
施の場合には、混合物の製造のために、それぞれ使用さ
れる充填剤100重量部に対して場合によってはカーボ
ンブラック0〜100重量部と一緒に明色の充填剤10
〜150重量部、ならびに式Iの化合物0.1〜15重
量部、有利に5〜10重量部が使用されてもよい。
【0053】本発明によるゴム混合物の製造のために
は、天然ゴムとともに合成ゴムも適している。好ましい
合成ゴムは、例えばW. Hofmann, Kautschuktechnologi
e, Genter Verlag, Stuttgart 1980に記載されている。
この合成ゴムは、特に − ポリブタジエン(BR) − ポリイソプレン(IR) − 1〜60質量%、有利に2〜50質量%のスチレン
含量を有するスチレン/ブタジエン共重合体(SBR) − イソブチレン/イソプレン共重合体(IIR) − 5〜60質量%、特に10〜50質量%のアクリル
ニトリル含量を有するブタジエン/アクリルニトリル共
重合体(NBR) − 部分的に水素化されたかまたは完全に水素化された
NBRゴム(HNBR) − エチレン/プロピレン/ジエン共重合体(EPD
M) ならびにこれらのゴムの混合物を包含する。自動車用タ
イヤの製造のためには、−50℃を上廻るガラス温度を
有する陰イオン重合されたLSBRゴムならびにそのジ
エンゴムとの混合物が重要である。
【0054】本発明によるゴム加硫物は、他のゴム助
剤、例えば反応促進剤、老化防止剤、熱安定剤、光保護
剤、オゾン保護剤、加工助剤、可塑剤、粘着剤、発泡
剤、染料、ワックス、伸縮剤、有機酸、遅延剤、金属酸
化物ならびにゴム工業で公知の活性剤、例えばエタノー
ルアミン、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオー
ルを含有することができる。
【0055】ゴム助剤は、特に使用目的により常用の量
で使用される。通常の量は、例えばゴムに対して0.1
〜50質量%の量でである。硫黄官能化されたポリオル
ガノシロキサンは、専ら架橋剤として使用することがで
きる。一般に、他の架橋剤の添加は推奨される。他の公
知の架橋剤としては、硫黄または過酸化物を使用するこ
とができる。その上、本発明によるゴム混合物は、架橋
促進剤を含有することができる。適当な加硫促進剤の例
は、ペルカプトベンズチアゾール、スルフェンアミド、
グアニジン、チウラム、ジチオカルバメート、チオ尿素
およびチオカルボネートである。加硫促進剤および硫黄
または過酸化物は、ゴムに対して0.1〜10質量%、
有利に0.1〜5質量%の量で使用される。
【0056】本発明によるゴム混合物の加硫は、100
〜200℃、有利に130〜180℃の温度で、場合に
よっては10〜200バールの圧力で行なうことができ
る。ゴムと充填剤、場合によってはゴム助剤および本発
明による硫黄官能化されたポリオルガノシロキサンとの
混合は、常用の混合装置、例えばロール、内部混合装置
および混合押出機中で実施されることができる。本発明
によるゴム加硫物は、成形体の製造、例えば空気タイ
ヤ、タイヤ走行面、ケーブル被覆、チューブ、駆動ベル
ト、搬送ベルト、ロール被覆、タイヤ、靴底、パッキン
リングおよび緩衝要素の製造のために適当である。
【0057】
【実施例】例1〜3:2工程での硫黄官能化されたポリ
オルガノシロキサンの製造 例1: 第1工程:R=R=R=R=メチル、v=40
である式IIのシリコーン油ベイシロン(Baysilon)油
MH15 100.0g(38.9ミリモル)(Bayer
社の市販製品)に100℃で塩化アリル59.6g(7
79.0ミリモル)(Aldrich社の市販製品)およびト
ルオール中の1%の白金溶液1ml(Karstedt触媒)か
らなる混合物を2時間で滴加する。この場合、温度は、
140℃に上昇する。添加の終結後、100℃で30分
間攪拌する。冷却後、R=R=R=R=メチ
ル、X=Cl、Y=CH−CH−CH、Z=CH
−CH−CH、m=10、n=10、p=10で
ある式IVの化合物156.3g(理論値の98%)が
明黄色の液体として得られる。
【0058】
【外1】
【0059】第2工程:エタノール300ml中のNa
57.1g(327.9ミリモル)の懸濁液
(W=エトキシ)に室温で45分間でR=R=R
=R=メチル、X=Cl、Y=CH−CH−CH
、Z=CH−CH−CH、m=10、n=1
0、p=10である式IVの化合物102.2g(2
4.9ミリモル)を滴加する。滴加の間、水素は逃出
し、温度は45℃に上昇する。同時に、固体が沈殿す
る。滴加の終結後、80℃で3時間(還流)攪拌する。
その後に、冷却させ、生成されたNaClを濾別する。
溶剤の蒸留による除去後、R =R=R=R=メ
チル、A=S、W=エトキシ、Y=CH−CH
CH、Z=CH−CH−CH、k=0、n=1
0、p=10である式Iの化合物75.0g(理論値の
65%)が残留する。
【0060】
【外2】
【0061】例2: 第1工程:R=R=R=R=メチル、v=40
である式IIのシリコーン油ベイシロン(Baysilon)油
MH15 216.8g(84.5ミリモル)に100
℃で塩化アリル12.9g(169.0ミリモル)およ
びトルオール中の1%の白金溶液220μl(Karstedt
触媒)からなる混合物を30分間で滴加する。この場
合、温度は、130℃に上昇する。添加の終結後、10
0℃で1時間攪拌する。冷却後、R=R=R=R
=メチル、X=Cl、Y=CH−CH−CH
Z=CH−CH−CH、m=37、n=1、p=
1である式IVの化合物226.9g(理論値の99
%)が明黄色の液体として得られる。
【0062】
【外3】
【0063】第2工程:エタノール160ml中のNa
3.2g(18.4ミリモル)の懸濁液(W=
エトキシ)に室温で1時間でR=R=R=R
メチル、X=Cl、Y=CH−CH−CH、Z=
CH−CH−CH、m=37、n=1、p=1で
ある式IVの化合物50.0g(18.4ミリモル)を
滴加する。滴加の間、水素は逃出し、温度は50℃に上
昇する。同時に、固体が沈殿する。滴加の終結後、80
℃で4時間(還流)攪拌する。その後に、冷却させ、生
成されたNaClを濾別する。溶剤の蒸留による除去
後、R=R=R =R=メチル、A=S、W=
エトキシ、Y=CH−CH−CH、Z=CH
CH−CH、k=0、m=38、n=1、p=1で
ある式Iの化合物70.4g(理論値の86%)が残留
する。
【0064】
【外4】
【0065】例3: 第1工程:R=R=R=R=メチル、v=40
である式IIのシリコーン油ベイシロン(Baysilon)油
MH15 200.0g(77.9ミリモル)に110
℃で塩化アリル59.6g(779.0ミリモル)およ
びトルオール中の1%の白金溶液1ml(Karstedt触
媒)からなる混合物を60分間で滴加する。この場合、
温度は、130℃に上昇する。添加の終結後、110℃
で1時間攪拌する。冷却後、R=R=R=R
メチル、X=Cl、Y=CH−CH −CH、Z=
CH−CH−CH、m=25、n=5、p=5で
ある式IVの化合物257.2g(理論値の99%)が
明黄色の液体として得られる。
【0066】
【外5】
【0067】第2工程:エタノール300ml中のNa
26.2g(150.0ミリモル)の懸濁液
(W=エトキシ)に室温で45分間でR=R=R
=R=メチル、X=Cl、Y=CH−CH−CH
、Z=CH−CH−CH、m=25、n=5、
p=5である式IVの化合物100.0g(30.0ミ
リモル)を滴加する。滴加の間、水素は逃出し、温度は
50℃に上昇する。同時に、固体が沈殿する。滴加の終
結後、80℃で6.5時間(還流)攪拌する。その後
に、冷却させ、生成されたNaClを濾別する。溶剤の
蒸留による除去後、R =R=R=R=メチル、
A=S、W=エトキシ、Y=CH−CH−C
、Z=CH−CH−CH、k=7、m=2
2、n=5、p=6である式Iの化合物117.7g
(理論値の87.9%)が残留する。
【0068】
【外6】
【0069】使用例:ゴム混合物および加硫物の製造 一般的実施方法 ゴム混合物に使用される処方は、第1表に記載されてい
る。この場合、単位phrは、使用された粗製ゴム10
0重量部に対する重量含分を意味する。
【0070】
【表1】
【0071】ポリマーVSL5025−1は、25質量
%のスチロール含量および75質量%のブタジエン含量
を有するバイエル社(Bayer AG)の溶液重合されたSB
R共重合体である。ブタジエンの中、1,2 73%、
シス1,4 10%およびトランス1,4 17%は結
合されている。共重合体は、油37.5phrを含有
し、50±4のムーニー粘度(ML 1+4/100
℃)を有している。
【0072】ブナ(Buna)CB24は、97%のシス
1,4−含量、2%のトランス1,4−含量、1%の
1,2−含量および44±5のムーニー粘度を有するバ
イエル社(Bayer AG)のシス1,4−ポリブタジエン
(ネオジム型(Neodymtyp))である。
【0073】デグッサ社(Degussa AG)のHD珪酸ウル
トラシル(Ultrasil)7000は、180mのBET
表面積を有する。
【0074】シランビス−(3−[トリエトキシシリル]
−プロピル)ジスルファン(TESPD)は、80%を上廻
るジスルファン含量および4%未満のポリスルファン含
量S(x>4)を有するシランである。この物質は、ド
イツ連邦共和国特許第19541404号明細書に記載
の方法により得ることができる。シランプロピルトリエ
トキシシラン(PTES)は、デグッサ社(Degussa AG)に
よってSi203の商品名で販売されているアルキルシ
ランである。
【0075】芳香油として、ケメタル社(Chemetall)
のナフトレン(Naftolen)ZDが使用される。ブルカノ
ックス(Vulkanox)4020は、バイエル社(Bayer A
G)の6PPDであり、プロテクター(Protektor)G3
5Pは、HB−フラー(Fuller GmbH)社のオゾン保護
ワックスである。バルカサイト(Vulkacit)D(DPG)
およびバルカサイト(Vulkacit)CZ(CBS)は、バイ
エル社(Bayer AG)の市販品である。
【0076】ゴム混合物は、3工程で内部混合装置中で
次の表の記載に相応して製造される:
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】ゴム混合物およびその加硫物を製造するた
めの一般的な方法は、”Rubber Technology Handboo
k”、ホフマン(W. Hofmann)、Hanser Verlag 199
4に記載されている。
【0081】加硫温度は、165℃である。
【0082】ゴム工業的試験は、第3表に記載された試
験法により行なわれる。
【0083】
【表5】
【0084】例4〜7 例4〜7の実施は、一般的な実施法により行なわれ、こ
の場合混合物4(シランカップリング試薬:PTES)およ
び混合物7(シランカップリング試薬:TESPD)は、公
知技術水準の比較例である。
【0085】比較例4および7とは異なり、例5からの
混合物には、例2に記載の硫黄官能化されたシリコーン
油が混入され、例6の場合には、例3に記載のシリコー
ン油が混入される。
【0086】原料混合物および加硫物についてのゴム工
業的データは、第4表に記載されている。
【0087】
【表6】
【0088】第4表中の混合物5および6の低いムーニ
ー粘度に関連して、使用されたシリコーン油は、珪酸を
公知技術水準の比較混合物4および7中のシランと同様
に疎水化することができることが判明する。また、シリ
コーン油中の硫黄官能性の量が増大するに伴ない、ショ
アーA硬度および応力値は、参考例4の場合と比較して
明らかに上昇しており、例6の場合には、殆んど例7の
水準が達成されることが認められる。その上、例6の官
能化されたシリコーン油の場合には、改善された湿式滑
り挙動で補正された好ましく高いtanδ(0℃)値が
顕著であり;tanδ(60℃)の場合には、損失なし
にロール抵抗に関連する。
【0089】参考例7と比較して特に好ましいのは、官
能化されたシリコーン油の場合に迅速な加硫運動であ
る。この場合には、殊に短いt90%−t10%時間お
よび高い反応定数k(V)(反応1次数)を記載するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ローラント クラフツィック ドイツ連邦共和国 ヒルデスハイム ビス マルクシュトラーセ 7アー (72)発明者 ヴォルフガング ロルツ ドイツ連邦共和国 ヴェヒタースバッハ フェルトシュトラーセ 9

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I 【化1】 〔式中、R、R、R、Rは、互いに独立にH、
    (C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、
    (C〜C)ハロゲン化アルコキシ、(C〜C
    ハロゲン化アルキル、フェニル、アリールまたはアラル
    キルを表わし、Wは珪酸に結合していてもよい基、好ま
    しくは(C〜C)アルコキシまたは(C〜C
    ハロゲン化アルコキシを表わし、Yはアルキル、ハロゲ
    ン化アルキル、フェニル、アリールまたはアラルキルを
    表わし、Zは0〜6個の炭素原子を有するアルキリデン
    基を表わし、Aはゴム混合物の少なくとも1つのエラス
    トマーとの結合を生じうる基を表わし:qが1である場
    合には、メルカプト基(SH)およびチオシアネート基
    (SCN)を表わし、qが2である場合には、ジスルフ
    ィド(S)およびポリスルフィド(S)を表わし、
    この場合xは2〜10であり、Hは水素を表わし、k+
    m+n+pは3以上であり、ならびにkおよびnは0で
    あってもよい〕で示される硫黄官能性ポリオルガノシロ
    キサン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硫黄官能性ポリオルガノ
    シロキサンを製造する方法において、一般式IV 【化2】 〔式中、R、R、R、R、Y、Z、m、nおよ
    びpは、請求項1記載の意味を有し、Xはハロゲンと同
    じであってもよい〕で示される化合物をMSH、MSC
    NもしくはM(この場合、Mは金属イオンであ
    り、xは統計的平均で2〜10の数であってよい)また
    はMSおよびS(この場合、Mは金属イオンである)
    と、アルコールW−H(この場合、Wは請求項1記載の
    意味を有する)中で場合によっては20℃〜150℃の
    反応温度でおよび場合によっては触媒条件下で常圧で反
    応させ、一般式Iの新規化合物に変えることを特徴とす
    る、請求項1記載の硫黄官能性ポリオルガノシロキサン
    を製造する方法。
  3. 【請求項3】 金属イオンがアンモニウムイオン、ナト
    リウムイオンまたはカリウムイオンである、請求項2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の硫黄官能性ポリオルガノ
    シロキサンを含有するゴム混合物。
  5. 【請求項5】 硫黄官能性ポリオルガノシロキサンが使
    用された充填剤の量に対して0.1〜15質量%、有利
    に5〜10質量%の量で含有されている、請求項4記載
    のゴム混合物。
  6. 【請求項6】 合成ゴムおよび珪酸を充填剤として含有
    している、請求項4または5記載のゴム混合物。
  7. 【請求項7】 請求項4から6までのいずれか1項に記
    載のゴム混合物の製造法において、ゴムとともに少なく
    とも1つの他の充填剤および請求項1記載の硫黄官能性
    ポリオルガノシロキサンを使用する、請求項4から6ま
    でのいずれか1項に記載のゴム混合物の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項4から6までのいずれか1項に記
    載のゴム混合物から得ることができる成形体。
  9. 【請求項9】 空気タイヤが重要である、請求項8記載
    の成形体。
  10. 【請求項10】 タイヤ走行面が重要である、請求項8
    記載の成形体。
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