JP4077089B2 - 切削加工方法及びそれに用いる切削加工ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中ぐり盤等の加工機に不動に固定したワークを切削刃の旋回により加工する切削加工方法と、該方法を実施する切削加工ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、旋盤を加工機とする周面旋削加工では、ワークを主軸側のチャックにクランプして回転させながら、刃物台側で切削刃に送りをかけることでワークの加工が行われる。また、フライス盤を加工機とする端面切削加工では、ワークをテーブル上に固定し、主軸頭側に取付けられて回転するフライスに対してワークを固定したテーブルを縦横に送ることでワーク端面の加工が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ワークが複雑な形状である場合や、ワークの中心軸と加工する内径面や端面の中心軸が偏心している場合、こうしたワークの例として、例えば、オイルポンプボディがあるが、ワークの重心を主軸の中心に合わせることができないため、ワークを回転させる旋盤加工によると、ワークをクランプした主軸の回転アンバランス量が大きくなり、内径面や端面の加工精度保証ができないという問題点があった。
【0004】
そこで、上記に例示のオイルポンプボディを加工する場合、内径面の加工に突当て加工が用いられる。この加工方法は、図5に示すように、ワークWを内径面の中心を回転軸として回転させながら、端面に切削刃C1を突当てて切り込んで行くことで、ギヤ室の内径面F1を加工し、同様に切削刃C2により切り込むことでクレセントの外径面F2を加工し、ワークWをクレセントの内径面の中心を回転軸として回転させながら、同様に切削刃C3により切り込むことでクレセントの内径面F3を加工する3段階の加工で各周面を切削している。しかしながら、こうした加工方法では、各切削刃の切込み方向の位置の誤差が生じるのを避けることはできない。したがって、加工端面に段差ができてしまい、オイル漏れを防ぐために高い端面精度を要求されるオイルポンプボディのような精密部品の精度保証ができない。
【0005】
また、ワーク端面の加工方法として、フェーシング加工がある。この加工方法は、図6に示すように、固定したワークWに対して、主軸頭側の切削刃Cを主軸回りに回転させながらワーク端面の半径方向に送りをかけて加工するものである。しかしながら、この方法では、主軸頭側に主軸と共に回転して切削刃Cを半径方向に移動させるためのスライド機構を設ける必要があり、その分だけ主軸の重量が増し、回転アンバランス量が大きくなるため、高い加工精度を保証することができない。また、主軸の重量が重いと、軸の支持ベアリングなどにかかる負荷も大きくなり、装置の耐久性や寿命を保つ上で不利となる。
【0006】
そこで本発明は、ワークを不動に固定した状態で、高精度の端面切削加工が可能な切削加工方法及びそれに用いる軽量かつコンパクトな切削加工ユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の切削加工方法は、連続回転するスピンドル軸と、軸心をスピンドル軸の軸心に対し偏心させてスピンドル軸に回転自在に支持されワークを加工する切削刃が先端角部に固定された偏心軸とを備える切削加工ユニットを用いた切削加工方法であって、スピンドル軸の回転と共にスピンドル軸に対して公転する偏心軸の自転を送りとし、その送りにより切削刃をスピンドル軸の径方向へ移動させながらスピンドルの回転によりワークの端面を加工することを特徴とする。
【0008】
そして、偏心軸の自転は、スピンドル軸の回転を、同軸型の減速機構を介しかつ該減速機構の制御により変速させて偏心軸に伝達することによりなされるのが有効である。
【0009】
更に、上記の加工方法で内径の加工も併せて行うには、偏心軸を自転させることなく、スピンドル軸の回転と共に偏心軸をスピンドル軸に対して公転させながら、偏心軸にスピンドル軸線方向の送りをかけることでワークの内径面を加工し、偏心軸の公転を維持したまま上記の加工方法で(偏心軸を自転させて)ワークの端面を加工するのが有効である。この切削加工方法は、自動変速機用のオイルポンプのギヤ室の加工に用いられてもよい。
【0010】
次に、上記切削加工を行うための装置として、本発明の切削加工ユニットは、基体と、基体に回転自在に支持されたスピンドル軸と、基体に支持されスピンドル軸を連続回転させるスピンドル駆動手段と、軸心をスピンドル軸の軸心に対し偏心させてスピンドル軸に回転自在に支持され、ワークを加工する切削刃が先端角部に固定された偏心軸と、偏心軸を自転させて前記切削刃を送り駆動する偏心軸駆動手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
そして、特にスピンドル軸の負荷を軽減するには、スピンドル軸と偏心軸は、所定のギヤ比の歯車機構、および、その所定のギヤ比とは逆の速度比のハーモニックドライブ機構を介して連結され、偏心軸駆動手段は、ハーモニックドライブ機構に連結され、スピンドル駆動手段と共通の基体に支持される構成を採るのが有効である。
【0012】
【発明の作用及び効果】
このような構成を採る請求項1に記載の本発明によると、ワークを回転させずに、スピンドル軸と共に公転する偏心軸の自転による切削刃の偏心移動を送りとして加工が行われ、ワーク端面をその外径側から内径側まで単一の切削刃による1回の切込みで加工することができる。したがって、この方法によると、異なる複数の切削刃で端面を加工するフライス加工のような加工方法に比べて、切削刃相互の取付け位置の誤差の影響をうけるこたがなくなるため、加工精度を向上させることができる。また、切削刃の送りが偏心軸の自転による偏心移動のみでなされるため、慣性力による行き過ぎを生じることもない。
【0013】
次に、請求項2に記載の構成によると、同軸型の減速機構の使用により、軽量、コンパクトな機構でスピンドル軸の回転を利用して偏心軸を公転させながら減速機構を制御することで、偏心軸を任意の自転速度で位相変化させることができ、それにより偏心軸の公転速度とは独立に切削刃に所望とする送り速度を与えることができる。
【0014】
更に、請求項3に記載の構成によると、ワークの内径面及び端面を切削刃の付け換えなしの一工程で加工できるため、段取り換え等の手間を不要にすることができる。また、上記の理由で切削刃の付け換えによる加工誤差を生じることがないので、両加工面個々の加工精度の向上のみならず、それら面相互の位置精度をも向上させることができる。更に、切削刃の固定位置を径方向内方又は外方の任意の位置に設定可能なため、内径が異なるワークに対しても、切削刃の位置を変更するのみで対応させた内径加工が可能である。
【0015】
次に、請求項4に記載の装置によると、切削刃を連続回転させならがワークの径方向に送る操作を、スピンドル軸の連続回転手段と、偏心軸を自転させる機構により実現できるため、切削刃を支持する軸頭の回転部分を軽量、コンパクト化して慣性力の小さなものとすることができ、スピンドル軸支持負荷の低減により、切削刃の旋転軌跡を安定させて、加工精度を向上させることができる。
【0016】
そして、請求項5に記載の装置によると、スピンドル駆動手段によるスピンドルの回転時に、偏心軸駆動手段を停止させておくことで、ハーモニックドライブ機構部で、偏心軸駆動手段を固定の反力要素とし、偏心軸に減速回転を出力する駆動状態が生じるため、増速ギヤによる増速回転との相殺で、偏心軸がスピンドル軸と同期回転する偏心軸の公転駆動状態が生じる。そして、同じ状態で偏心軸駆動手段を作動させることで、ハーモニックドライブ機構部で、スピンドル軸の回転に対して微小な相対回転が偏心軸に出力される駆動状態が生じる。したがって、偏心軸をスピンドル軸と共に公転させる内径切削のための駆動状態と、偏心変位させる端面切削のための駆動状態との切り換えが、装置基体に固定の偏心軸駆動手段の非駆動・駆動のみで可能となるため、スピンドル軸にその重量を増加させる要因となる偏心軸駆動手段を配置する必要がなくなり、それによるスピンドル軸支持部の負荷の軽減で一層加工精度を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿い、本発明の実施形態について説明する。先ず、本発明の切削加工ユニット(以下、軸頭という)の概略的な概念から説明する。図1は軸頭を概略的に断面図で示す。この軸頭は、中ぐり盤等の加工機をベースとして、それに取り付けて使用されるもので、基体1と、基体1に回転自在に支持されたスピンドル軸2と、基体1に支持され、スピンドル軸2を連続回転させるスピンドル駆動手段3と、軸心Yをスピンドル軸2の軸心Xに対し偏心させてスピンドル軸2に回転自在に支持され、ワークを加工する切削刃4が固定された偏心軸5と、偏心軸5を回転させる偏心軸駆動手段6とを備える。
【0018】
スピンドル軸2と偏心軸5は、所定の増速ギヤ比のギヤ21,22と、所定のギヤ比とは逆の減速速度比のハーモニックドライブ機構7とを介して連結され、偏心軸駆動手段6は、ハーモニックドライブ機構7に連結され、スピンドル駆動手段3と共通の基体1に支持した連続回転駆動手段とされている。
【0019】
更に詳述すると、基体1は、中ぐり盤等の加工機のベッドに適宜の軸方向送り機構を介して固定するものとされ、スピンドル軸2を支持する筒状部11と、その後端で両側に広がるギヤボックス部12とから構成されている。
【0020】
スピンドル軸2は、中空軸とされ、基体1に設けた軸穴に嵌挿固定されたスリーブ13にベアリング14とベアリング15を介して回転自在に支持され、その後端外周にキー止めされた歯車20への動力伝達により連続回転駆動可能とされている。更に、スピンドル軸2の最後端外周には、ベアリング16を介して歯車20と同様のピッチ径と歯数の歯車23が回転自在に支持されている。
【0021】
スピンドル駆動手段3は、ギヤボックス部12の後端に固定された全閉外扇型モータとされ、その出力軸に固定された駆動歯車31を備える。出力軸とスピンドル軸2との間には、ギヤボックス部12に支持してカウンタ軸32が設けられ、出力軸に固定の歯車31とスピンドル軸2に固定の歯車20は、カウンタ軸32にキー止め固定されたカウンタリダクション歯車を介して駆動連結されている。
【0022】
偏心軸5は、スピンドル軸2に前後一対のベアリング21,22を介して支持され、更に、スピンドル軸2の前端に配設されたベアリング23により軸方向不動に位置決め支持されている。偏心軸5の後端外周には、ギヤボックス部12内に位置させて外歯51が形成されており、この外歯51は、スピンドル軸2の最後端外周の歯車23の外端にボルト止め固定されたリングギヤ24の内歯に噛合している。
【0023】
偏心軸駆動手段6は、ギヤボックス部12の後端に固定されたサーボモータとされ、その出力軸上には、同軸型の減速機構としてのハーモニックドライブ機構7とスピンドル軸2上の歯車20と歯車23にそれぞれ噛合する歯車21と歯車22が配置され、歯車21はハーモニックドライブ機構7のフレックススプライン71に連結され、歯車22はサーキュラスプライン72に連結され、ウェーブジェネレータ70がサーボモータ6の出力軸にフレキシブル継手61を介して連結されている。
【0024】
ここで、各ギヤの歯数の関係について説明する。スピンドル軸2上の歯車については、歯車20と歯車23はピッチ径及び歯数が同一とされ、ハーモニックドライブ機構軸上の歯車は、歯車21と歯車22とは、ピッチ径が同一で、歯数が異なるものとされ、この歯数比は、ハーモニックドライブ機構7のフレックススプライン71入力でサーキュラスプライン72出力の際の速度比の逆数とされている。例えば、歯車20と歯車23の歯数は共に73、歯車21と歯車22の歯数は50対51、ハーモニックドライブ機構7のフレックススプライン71入力でサーキュラスプライン72出力の際の速度比は51/50とされ、リングギヤ24と外歯51の歯数比は33/23とされている。
【0025】
図2に拡大して詳細を示すように、切削刃4は、偏心軸5の先端に取付けられている。この形態では、切削刃4は外刃41と、本発明の趣旨から若干ずれるが、加工能率を上げる面から内刃42とで構成され、外刃41は偏心軸5の先端角部に、偏心軸5の外周面及び端面より刃先が若干外径方向及び軸方向に突出した状態に固定され、内刃42は偏心軸5の先端外周面より内側で、端面より刃先が若干軸方向に突出した状態に固定されている。
【0026】
こうした構成からなる軸頭は、モータ駆動によりカウンタリダクション歯車を介した動力が歯車20に伝達されて、スピンドル軸2が連続回転駆動される。この駆動により、歯車21も駆動され、それに連結されたハーモニックドライブ機構7のフレックススプライン71も回転し、停止状態のサーボモータ6の出力軸に連結されたウェーブジェネレータ70に反力支持された噛合部で噛合したままサーキュラスプライン72も減速回転する。このサーキュラスプライン72の回転は、歯車22に伝達され、歯車23との噛み合い部で上記減速回転を相殺する分だけ増速されて、この回転がそのままリングギヤ24に伝達される。したがって、歯車20が固定されたスピンドル軸2と、リングギヤ24に外歯51で噛み合う偏心軸5は、スピンドル軸2の軸心回りに同期回転する。
【0027】
このように、サーボモータ6を停止させたまま、モータ3のみを回転させることで、スピンドル軸2と偏心軸5の一体回転状態が得られ、偏心軸5の先端に取付けられている外刃41と内刃42は、スピンドル軸2の回転数で回転する。したがって、この状態で基体1に所望の切込み速度に合わせた軸方向の送りをかけることで両刃41,42は回転しながら前進し、外刃41によるワーク内径面切削状態が得られる。このとき、内刃42はワークWとは接触せずに空転している。この場合のスピンドル軸2と偏心軸5の速度比は、ハーモニックドライブの速度比50/51と、ギヤ比51/50により1:1となり、切削刃4の回転数は、スピンドル軸回転数を1400rpmとしたとき、それと同速となる。
【0028】
次に、モータ3を回転させたまま、サーボモータ6を回転させると、ハーモニックドライブ機構7のフレックススプライン71とサーキュラスプライン72との噛み合い部はウェーブジェネレータ70の回転に連れて移動する。これにより、それらに連結された両歯車20,23間に回転数差が生じ、スピンドル軸2に対してリングギヤ24が微小相対回転を生じる。この結果、偏心軸5はスピンドル軸2に対し自転する。したがって、このとき、基体1にかけていた軸方向送りをなくすことで、切削刃4は回転しながら前進を停止し、外刃41が内径方向移動を、また内刃42が外径方向移動を始め、ワーク端面切削状態が得られる。この場合のスピンドル軸2に対する偏心軸5の自転による位相の変化、すなわち端面加工における送り速度は、サーボモータ6の出力軸回転を独立して制御することにより決まるため、切削刃4の回転速度とは関係なく、自由に設定可能である。
【0029】
次に、この軸頭による具体的な切削加工方法について説明する。先ず、加工に先立つ段取りとしては、図2に示すように、主軸側の位置決め治具8に、鋳造、鍛造等で予めほぼ所定の製品形状に成形されたワークWを固定する。この例では、ワークWは図3に示すようなオイルポンプボディとされ、それに嵌め込まれる図示しない環状のアウタギヤとそれに偏心状態で噛み合うインナギヤとを内蔵するギヤ室の内径面Fiと端面Fe(図に斜線を施して面形状を示す)とを加工する場合を示す。このワークWでは、ギヤ室の中心(インナギヤの中心)OgはワークWの中心(アウタギヤの中心)Owに対して所定量Sだけ偏心している。そこで、ギヤ室の中心Ogを主軸の軸心に合わせて治具8に固定し、主軸の軸心と軸頭のスピンドル軸2の軸心Xを合わせて設定し、加工を開始する。
【0030】
内径面加工時には、図4に示すように、外刃41はスピンドル軸2の軸心X(ギヤ室中心)を回転中心として、図に示す実線で示す径方向位置で回転しながら前進してワーク内径面Fiを直径D4 1 に加工する切削を行う。そして、所定量の送りを完了したところで、送りを止め、外刃41の外径方向への移動と内刃42の外径方向への移動を開始させる。この操作により外刃41は、ワーク端面を切削しながら図に2点鎖線で示す軌跡412 〜411 0 を辿って次第に内径方向へ移動する。一方、内刃42は、同じく端面を切削しながら図に2点鎖線で示す軌跡422 〜421 0 を辿って次第に外径方向へ移動する。この外刃41の移動により切削される端面の領域は、外径面Fiにつながる角部から図に二重の同心円を2点鎖線で示す内側の半径R4 1 の位置までとなり、内刃42の移動により切削される端面の領域は、図に二重の同心円を2点鎖線で示す外側の半径R4 2 の位置までとなる。なお、この例では、スピンドル軸2に対する偏心軸5の自転を、加工精度を下げる要素となる前記ラップ量を必要最小限に止めるべく、半回転以下の123°に制限しているため、上記の切削領域となるが、原理的には、偏心軸5を最大180°まで自転させることで、偏心量Sの最大2倍の径方向幅まで切削可能となる。
【0031】
以上詳述したように、この成形方法によると、ワークWの加工面は、内径面Fi、端面Feともに外刃41の一回の切込みにより切削されるため、両加工面自体の精度とそれら相互の位置精度を高く保つことができる。しかも、スピンドル軸2と共に回転する部材は、該軸自体及び偏心軸5並びにスピンドル軸2上の各歯車20,23,24のみであり、サーボモータ6及びハーモニックドライブ機構7並びにハーモニックドライブ機構軸上の各歯車21,22は、重量的にギヤボックス部に支持される部材となる。したがって、スピンドル軸2の重量を必要最小限のものとすることができ、それによりスピンドル軸2の回転支持部にかかる負荷を軽減し、加工精度を向上させることができる。
【0032】
以上、本発明をオイルポンプボディの加工に適用した一実施形態に基づき詳説したが、本発明は上記実施形態の開示内容のみに限定されることなく、他の一般的なワークの加工に適用可能なものである。また、各部の具体的構成についても、特許請求の範囲に記載の事項の範囲内で種々に変更して実施可能なものであることはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、サイクルタイムを考慮して、外刃41を内径方向に移動させると共に、内刃42を外径方向に移動させ、両刃41,42の切削領域を一部ラップさせることで、端面全体を加工する方法を採ったが、本発明の技術思想を最も忠実に実現するには、スピンドル軸2に対する偏心軸5の偏心量を大きく設定して、スピンドル軸2に対する偏心軸5の自転角度180°以内の範囲で外刃41を端面の最内径側まで達するようにし、全ての加工面を単一刃による一回の切削で仕上げるようにすることで、更に加工精度を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切削加工に用いる切削加工ユニットの一実施形態を示す断面図である。
【図2】上記切削加工ユニットと治具に保持されたワークの位置関係を示す断面図である。
【図3】本発明の切削加工が適用されるワークの一例としのオイルポンプボディを示す平面図である。
【図4】上記実施形態の加工方法による切削刃の移動軌跡を示す説明図である。
【図5】従来の突当て加工による内径面加工を示す説明図である。
【図6】従来のフェーシング加工による端面加工を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基体
2 スピンドル軸
3 全閉外扇型モータ(スピンドル駆動手段)
4 切削刃
5 偏心軸
6 サーボモータ(偏心軸駆動手段)
7 ハーモニックドライブ機構(減速機構)
21,22 歯車
W ワーク
X スピンドル軸の軸心
Y 偏心軸の軸心
Claims (6)
- 連続回転するスピンドル軸と、軸心を前記スピンドル軸の軸心に対し偏心させて前記スピンドル軸に回転自在に支持されワークを加工する切削刃が先端角部に固定された偏心軸とを備える切削加工ユニットを用いた切削加工方法であって、
前記スピンドル軸の回転と共に前記スピンドル軸に対して公転する前記偏心軸の自転を送りとし、前記送りにより前記切削刃を前記スピンドル軸の径方向へ移動させながら前記スピンドルの回転によりワークの端面を加工することを特徴とする切削加工方法。 - 前記偏心軸の自転は、前記スピンドル軸の回転を、同軸型の減速機構を介しかつ前記減速機構の制御により変速させて前記偏心軸に伝達することによりなされる請求項1記載の切削加工方法。
- 前記偏心軸を自転させることなく、前記スピンドル軸の回転と共に前記偏心軸を前記スピンドル軸に対して公転させながら、前記偏心軸にスピンドル軸線方向の送りをかけることでワークの内径面を加工し、前記偏心軸の公転を維持したまま前記偏心軸を自転させてワークの端面を加工する請求項1又は2記載の切削加工方法。
- 基体と、
前記基体に回転自在に支持されたスピンドル軸と、
前記基体に支持され前記スピンドル軸を連続回転させるスピンドル駆動手段と、
軸心を前記スピンドル軸の軸心に対し偏心させて前記スピンドル軸に回転自在に支持され、ワークを加工する切削刃が先端角部に固定された偏心軸と、
前記偏心軸を自転させて前記切削刃を送り駆動する偏心軸駆動手段と、
を備えることを特徴とする切削加工ユニット。 - 前記スピンドル軸と前記偏心軸は、所定のギヤ比の歯車機構、および、前記所定のギヤ比とは逆の速度比のハーモニックドライブ機構を介して連結され、
前記偏心軸駆動手段は、前記ハーモニックドライブ機構に連結され、前記スピンドル駆動手段と共通の基体に支持される請求項4記載の切削加工ユニット。 - 自動変速機用のオイルポンプのギヤ室の加工に用いられる請求項3に記載の切削加工方法。
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- 1998-10-15 JP JP30949798A patent/JP4077089B2/ja not_active Expired - Lifetime
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