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JP4054556B2 - 裁断機における裁断位置補正方法 - Google Patents

裁断機における裁断位置補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、シートを所定の形状に裁断する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のインクジェットプリント技術は、紙やフィルムの分野のみならず生地の染色技術分野においても、広く利用され、特に従来捺染で行われていたプリントに代わり織布や編布等の生地にもプリントできるようになってきている。
この生地にインクジェットプリントを行う場合、延反部からプリンタのベッド上に運ばれ、職人等の手でプリンタのベッドに載置され、制御装置の出力部でプリンタヘッドが駆動され、予め設定されたプリントパターンでプリントされるのであるが、延反部からプリンタのベッドに載置される時に、正規の位置からずれた状態に載置されて固定される場合が多く、こうした場合には生地を始めから載置し直すか、大きなずれ部分のみを部分的に直してからプリントするようにしている。
【0003】
また、インクジェットプリントに使用する生地は、一般にインクジェットプリント工程の前に、精練や漂白等、プリセットと呼ばれる熱処理工程を含む前処理がなされる。
即ち、前処理工程は、インクのにじみや浸透を制御するための処理液を付与し熱処理をするもので、この前処理加工中に、生地(特に生地の長さ方向)に張力がかかる為、生地は張力のかかった方向に伸長し、また、張力のかかる方向と垂直の方向に収縮変形する傾向がある。
前処理工程で生地に処理液を付与すると、生地の自重が重くなる。これにより、張力がかかり生地が伸縮変形する。
【0004】
また、生地に付与された余分な処理液を取り除いたり、処理液を均一にしみ込ませるために使用される加圧用ローラーなどの加圧によっても張力がかかり、生地が伸縮変形する。特に伸縮性のある生地はこの傾向が強い。
このような場合には、生地が変形した状態で処理液が生地に付与され、伸縮変形した状態のまま乾燥固定される。
このようにして所定の模様等の絵柄に応じて作成されたプリントデータに基づいてプリントされた生地は、裁断機にセットされて所定のカッティングデータに従って裁断される。
このカッティングデータは、前記プリントデータと共に、予めCAD等の設計装置によって作成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、裁断機にセットするときに、生地の伸縮等によってゆがんだ状態で生地がセットされた場合や、裁断機にセットとするとき正規の位置に対して傾いた状態で生地がセットされた場合には、前記カッティングデータに基づいて裁断すると、プリントデータとカッティングデータの位置関係がズレてしまうので、裁断した各パーツにおいてはパーツの形状と絵柄とがズレてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上述の問題点を解決するために提案されたもので、裁断機にて裁断する生地に、裁断位置の基準となる位置を指示するためのマークを付加して、裁断する際には前記マークを確認して裁断位置を補正することのできる裁断機を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
所定の絵柄等のプリントデータを各パーツ構成部分内にプリントした後、洗浄処理、乾燥処理を行った生地を、所定のカッティングデータに基づいて前記各パーツ構成部分を裁断して各パーツを得るように構成された裁断機における裁断位置補正方法において、
予め、各パーツ構成部分の位置情報に関連付けられた位置補正用のポイントマークの位置情報を包含したプリントデータを作成し、
前記プリントデータのプリント時においては、前記プリントデータに基づいてプリントすることによって、各パーツ構成部分内に絵柄等をプリントすると共に、各パーツ構成部分外には、各パーツ構成部分の位置情報に関連付けられた位置補正用のポイントマークをプリントし、
各パーツ構成部分の裁断時においては、プリントされた前記ポイントマークの位置を検出してプリントされた各ポイントマークの位置情報を検出し、各ポイントマークについて、検出した前記位置情報と、前記プリントデータに含まれる位置情報と、を比較して偏差量を算出し、得られた偏差量に基づいて、該当するポイントマークと関連付けられた各パーツ構成部分のカッティングデータを補正することによって、
補正されたカッティングデータに基づいて各パーツ構成部分を裁断して各パーツを得るように構成したことを特徴とする裁断機における裁断位置補正方法。
【0008】
請求項2の裁断機における裁断位置補正方法では、
ポイントマークは、裁断すべき各パーツ構成部分の近傍にプリントされていることを特徴としている。
請求項3の裁断機における裁断位置補正方法では、
ポイントマークは、少なくとも隣接する各パーツ構成部分どうしでは異なる特定形状のマークとされていることを特徴としている。
請求項4の裁断機における裁断位置補正方法では、
ポイントマークは、少なくとも隣接する各パーツ構成部分どうしでは異なる特定色彩のマークとされていることを特徴としている。
【0009】
【作用】
本発明は上述したように、
所定の絵柄等のプリントデータを各パーツ構成部分内にプリントした後、洗浄処理、乾燥処理を行った生地を、所定のカッティングデータに基づいて前記各パーツ構成部分を裁断して各パーツを得るように構成された裁断機における裁断位置補正方法において、
予め、各パーツ構成部分の位置情報に関連付けられた位置補正用のポイントマークの位置情報を包含したプリントデータを作成し、
前記プリントデータのプリント時においては、前記プリントデータに基づいてプリントすることによって、各パーツ構成部分内に絵柄等をプリントすると共に、各パーツ構成部分外には位置補正用のポイントマークをプリントし、
各パーツ構成部分の裁断時においては、前記ポイントマークの位置に基づいて前記カッティングデータを補正することによって、
補正されたカッティングデータに基づいて各パーツ構成部分を裁断して各パーツを得るように構成したので、
裁断機のベッドにセットされた生地が全体的、または部分的にゆがんだ場合には、ポイントマークの位置も同様にゆがむので、ポイントマークの位置を検出して、カッティングデータに含まれているポイントマークの位置情報と比較することによって、セットされた生地のゆがみも知ることができる。
また、裁断機のベッドにセットされた生地が、全体的、または部分的に正規の位置に対して傾いてずれた場合には、ポイントマークの位置も同様にずれるので、ポイントマークの位置を検出して、カッティングデータに含まれているポイントマークの位置情報と比較することによって、セットされた生地のずれを知ることができる。
【0010】
従って、このようにして知った生地のゆがみやずれに基づいてカッティングデータを構成する各パーツ構成部分の配置状態を補正し、補正済みのカッティングデータに基づいて裁断すれば、セットされた生地のゆがみや傾きによるずれに応じて補正された状態、即ち、プリントされた絵柄のゆがみと傾きによるずれと同じようにゆがんた状態、もじくは傾いた状態で裁断することができる。
即ち、裁断されたパーツの形状と、プリントされた絵柄とのズレが解消されるのである。
なお、生地のゆがみや傾きとは、生地の全体的、または部分的な回転も含んでいるものとする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は裁断機の全体斜視図、図2はその平面図、図3はその側面図である。
各図中、符号1は裁断機を全体的に示している。
この裁断機1は、カッティングヘッド2と、該カッティングヘッド2の前後・左右・上下方向の移動を制御する制御装置3と、前記カッティングヘッド2に付設されてカッティングヘッドの移動に同行するカメラ4と、画像処理装置5とを備えている。また、図中の符号9は裁断機1に生地を供給する延反機である。
【0012】
なお、前記カメラ4としては、CCD撮像素子や撮像管を用いることができる。
前記カッティングヘッド2は、左右のフレーム21・22の前後方向(X軸方向)に沿ってX軸方向に移動可能なX軸方向移動部(図示せず。)と、両X軸方向移動部間に亙ってY軸方向に架設されたビームに沿ってY軸方向に移動可能なY軸方向駆動部(図示せず。)と、カッティング刃(図示せず。)が取付けられたカッティング装置(図示せず。)と、カッティング刃を上下方向に昇降駆動するZ軸方向駆動部(図示せず。)とを備えている。
【0013】
図5は、前記制御装置3と画像処理装置5とその周辺の構成のブロック図である。
図5において、カメラ4にて撮像されたデータは、画像処理装置5に入力され、画像処理装置5は、入力されたデータを画像認識処理によって処理してポイントマークの画像を認識・識別し、認識したポイントマークの位置情報を前記制御装置3に出力する。
【0014】
制御装置3において、演算処理部31は、入力されたポイントマークの位置情報を、記憶手段32に記憶されているカッティングデータに含まれている該当するポイントマークの位置情報と比較して偏差量を算出し、得られた偏差量に基づいて、該当するポイントマークと関連付けられたパーツ構成部分のカッティングデータを補正する。このようにして、順次認識・識別したポイントマークの位置情報に基づいて、記憶手段32に記憶されているカッティングデータの該当データを補正して、記憶手段32に記憶されているカッティングデータ全体を補正する。補正済みのカッティングデータは前記記憶手段32に別途書き込み保存しておく。
【0015】
このようにして、記憶手段32に記憶されているカッティングデータ全体を補正した後、出力部33は、記憶手段32から読み出した補正済みのカッティングデータに基づいた制御データを駆動制御部34に出力して、カッティングヘッド2を駆動・制御して裁断するのである。
【0016】
なお、前記制御装置3と画像処理装置5は、図6に示したように、専用のインターフェースボードを筐体内に内蔵するとともに、専用の裁断機制御ソフトウエアと、画像処理ソフトウエアとがインストールされたコンピュータ6によって実現されている。
前記コンピュータ6は、CPU61、CRT等の表示部62、ROM・RAMを備えた記憶部63、ハードディスク64、取り外し自在な記憶メディアドライブ装置65、通信ユニット66、キーボード67、マウス68等の諸機能を備えている。
前記記憶部63と前記ハードディスク64に書き込まれたソフトウエアと前記CPU61とによって、図5に示した画像処理装置5に相当する機能、演算処理部31に相当する機能、及び出力部33に相当する機能を実現している。
【0017】
上記のように構成された裁断機で裁断するための生地をプリントする場合を次に説明する。
先ず、図7のフローチャートに従ってプリントデータとカッティングデータを作成する。
即ち、ステップS101において、例えば衣服を構成するための各パーツを構成する各パーツ構成部分のパーツデータを作成する。このパーツデータには、形状と絵柄のデータを含んでいる。
【0018】
ステップS102において、必要な各パーツ構成部分を効率よく所定の規格の寸法内に納めるためのレイアウトを決定する型入れ処理を行う。この処理によって、各パーツを構成するためのパーツ構成部分のプリントデータが作成される。
【0019】
ステップS103において、位置補正用のポイントマークを各パーツの近傍に付加するためにポイントマークの位置を決定する。このポイントマークは、各パーツ構成部分毎にぞれぞれ付加されてもよいが、複数のパーツ構成部分をまとめたパーツ構成群を構成し、このパーツ構成群毎に付加されてもよい。何れの場合でも、各パーツの絵柄に影響を与えないように、各ポイントマークは各パーツ構成部分外に付加されるものとする。このようにして、各ポイントマークは各パーツ構成部分もしくはパーツ構成群にぞれぞれ関連付けられて付加される。
【0020】
また、異なるパーツ構成部分もしくはパーツ構成群に関連付けられたポイントマークどうしが隣接する場合には、相互のポイントマークを識別するために、隣接するポイントマークどうしが異なるようにそぞれ特定形状としたり、特定色彩とするとよい。この場合には、パーツ構成部分もしくはパーツ構成群に関連付けられたポイントマークの形状もしくは色彩を識別するための識別情報がカッティングデータに含まれている。
【0021】
ポイントマークは、パーツ構成部分の形状や大きさに応じて付加される。例えば、細長い形状のパーツ構成部分に対しては、その長さ方向に複数のポイントマークを付加したり、広い面積のパーツ構成部分に対しては、その周囲に複数のポイントマークを付加したり、小さなパーツ構成部分に対してはひとつのポイントマークのみとしたり省略したり、複雑な絵柄のパーツ構成部分に対しては複数のポイントマークを付加したり、単純な絵柄のパーツ構成部分に対してはポイントマークを省略したりすることができる。
【0022】
ステップS104においては、前記各パーツ構成部分のレイアウトと形状に応じたカッティングデータを作成する。
ステップS105においては、各パーツ構成部分の絵柄と各ポイントマークの位置に応じたプリント情報を、被プリント媒体としての生地の伸縮率を考慮して補正したプリントデータとして作成する。このプリントデータに基づいたプリントパターン例を図4に示す。
【0023】
図4には、型入れ処理済みのプリントデータを図形表示したものであり、衣服の各パーツを構成するパーツ構成部分P1,P2,P3,・・・・と、各ポイントマークM1,M2,M3,・・・・と、2つの原点マークG1,G2がレイアウトされている。なお、図中においては、各パーツ構成部分の絵柄の図示は省略されている。
以上のプリントデータの作成処理と、カッティングデータの作成処理は、図1に図示したコンピュータ6に所定のソフトウウェアをインストールして実現してもよい。
【0024】
次に、以上のようにして作成されたプリントデータに基づいて前記所定の絵柄とポイントマークを被プリント媒体としての生地にプリントする場合を、図10に示したプリント装置8と、図8に示したフローチャートを参照して説明する。
【0025】
先ず、プリント装置8のブロック構成を示した図10において、
プリント装置8のプリントベッド81は、左右のフレーム811・812に前後の端部が支持され、上面部分が生地載置面となるエンドレス状のシート813と、生地載置面の上方を任意の方向に移動自在なプリンタヘッド82とを備え、両フレーム811・812の一側部にはプリント用インクのタンクT1、T2、T3、・・・が複数配設されており、この各プリント用タンクとプリンタヘッド82とは給液管(図示せず)で連結されている。
【0026】
前記プリンタヘッド82は、左右のフレーム811・812の前後方向(X軸方向)に沿ってX軸方向に移動可能にX軸方向移動部を設け、両X軸方向移動部間に亙ってをY軸方向にビームを架着し、ビームにはこのビームに沿って移動するキャリッジ(Y軸方向駆動部)にプリントノズル(ともに図示せず)を取付けて構成されたプリント装置が設けられており、プリントノズルは、キャリッジ部分で上下方向(Z軸方向)に昇降可能になっている。
そして、プリンタヘッド82の一側方にはこのプリンタヘッド82と同行するCCDカメラからなるカメラ83が設けられている。
【0027】
また、プリントベッド81の側方には、プリント装置8を総合的に制御するための制御装置84と、カメラ83にて撮像されたデータを画像処理するための画像処理装置85が設けてある。
カメラ4にて撮像されたデータは、画像処理装置85に入力され、画像処理装置85は、入力されたデータを画像認識処理によって各種の画像処理を行うことができる。
【0028】
生地の前処理前後の生地の伸縮率が予め知られているため、制御装置3においては、図7に示した手順で作成されたプリントデータを、前記生地の伸縮率に基づいて補正した制御データをプリントヘッド82に出力してプリントする。
【0029】
次に、図8のフローチャートに示したように、
ステップS201において、プリントベッド81の生地載置面を駆動させて延反機(図示せず。)から生地を生地載置面に展開するか、職人の手で生地が生地載置面に展開される。
【0030】
生地が生地載置面に展開されると、ステップS202において、前記制御装置3から出力される制御データに基づいて、プリントヘッド82は所定の絵柄とポイントマークをプリントする。
以上のようにして、所定の絵柄とポイントマークとがプリントされた生地Sが得られる。また、生地の側部分には、長手方向に沿って少なくとも2カ所の原点マーク(図4におけるG1,G2参照。)もプリントされる。
【0031】
以上のプリント装置8は、図1に示した裁断機1にプリントヘッドを付加して実現してもよい。または、カッティングヘッドをプリントヘッドに置き替えて実現してもよい。そして、前記プリント装置8を総合的に制御するための制御装置84と、カメラ83にて撮像されたデータを画像処理するための画像処理装置85は、図1に図示したコンピュータ6に所定のソフトウウェアをインストールして実現してもよい。
【0032】
次に、前記生地を図1の裁断機1にて裁断する場合を、図9のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1において、延反機9によって先述したプリント処理によって所定の絵柄とポイントマークとがプリントされた生地が順次供給される。
【0033】
このとき、裁断テーブル上に供給された生地の縁部分をカメラ4でX軸方向に走査して少なくとも2カ所の原点マーク(図4におけるG1,G2参照。)を検出し、これらの原点マークの座標に基づいて生地の全体的な傾きを検出する。このように検出した生地の全体的な傾きに基づいて、カッティングデータを全体的に補正する。このような補正処理によって、カッティングデータに含まれる各パーツ構成部分の位置情報も、各ポイントマークの位置情報も補正される。
ステップS2において、
補正済みのカッティングデータに含まれたポイントマークの位置情報に基づいて、カッティングヘッド2を制御装置2によって駆動制御して、ポイントマークへカメラ4を移動させる。
【0034】
ステップS3において、前記カメラ4で被プリント媒体としての生地を撮像する。撮像された画像を画像処理ソフトウエアによって処理してポイントマークを検出して座標データを得る。前記カメラ4の撮像範囲は広いため、前記生地が多少ゆがんでいてもポイントマークは撮像される。
なお、ポイントマークの検出手法としては、背景との色情報の差によって検出してもよい。また、特定の色情報を抽出することによって検出してもよい。また、特定形状を認識することによって検出してもよい。
【0035】
また、複数のポイントマークが隣接した位置に付加されている場合には、前述したように、隣接するポイントマークどうしを異なる特定形状もしくは特定色彩にすることによって、カッティングデータに含まれている識別情報を参照することによって相互に識別して、それぞれのポイントマークを関連付けられたパーツ構成部分もしくはパーツ構成群に割り当てることが可能になる。
【0036】
ステップS4において、前記ステップS3で得たポイントマークの座標データと、カッティングデータに含まれているポイントマークの位置情報とを比較して、ズレ量を演算する。
ステップS5において、前記ステップS4で算出したズレ量が所定の誤差範囲内であれば、一致していると判断してステップS7へ進む。前記ズレ量が所定の誤差範囲内でなければ、一致していないと判断してステップS6へ進む。
【0037】
ステップS6においては、前記ズレ量に応じて、前記ポイントマークと関連付けられているパーツ構成部分のカッティングデータを位置補正する。
ステップS7においては、全てのポイントマークを撮像したかを確認して、全てのポイントマークを撮像した場合には最終と判断してステップS8へ進み、未だ残りのポイントマークがある場合にはステップS2へ戻る。
ステップS8においては、以上のようにして全体的に位置補正されたカッティングデータに基づいて被プリント媒体としての生地Sを裁断する。
【0038】
このようにして、裁断機にセットされた生地が全体的に、または部分的にゆがんだり傾いていても、そのゆがみや傾きを各ポイントマークを撮像することで把握し、ゆがみや傾きの程度に基づいてカッティングデータを補正して、補正済みのカッティングデータに基づいて裁断するので、裁断された各パーツにおけるプリントされた絵柄とのズレが解消する。
【0039】
なお、前記ポイントマークを各パーツ構成部分の近傍にそれぞれプリントすると、各パーツ構成部分の位置のゆがみや傾きをそれぞれ補正できるので、正確な裁断が可能となる。これらのポイントマークの数は多い方が細かい補正が可能となる。ポイントマークの分布は生地の全体に均一に分布させた方が全体的に正確に補正することが可能となる。また、ポイントマークの位置は各パーツ構成部分外であってその外縁に近接した位置とするとよい。
また、前記ポイントマークを特定形状とすると、画像認識ソフトウエアによって認識しやすくなる。特定形状とは、十字マークや放射状マークや種々の形状とすることができる。
また、前記ポイントマークを特定色彩とすると、色フィルター処理等を用いることによって画像認識ソフトウエアで認識しやすくなる。
【0040】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る裁断機における裁断位置補正方法によれば、
所定の絵柄等のプリントデータを各パーツ構成部分内にプリントした後、洗浄処理、乾燥処理を行った生地を、所定のカッティングデータに基づいて前記各パーツ構成部分を裁断して各パーツを得るように構成された裁断機における裁断位置補正方法において、
予め、各パーツ構成部分の位置情報に関連付けられた位置補正用のポイントマークの位置情報を包含したプリントデータを作成し、
前記プリントデータのプリント時においては、前記プリントデータに基づいてプリントすることによって、各パーツ構成部分内に絵柄等をプリントすると共に、各パーツ構成部分外には位置補正用のポイントマークをプリントし、
各パーツ構成部分の裁断時においては、前記ポイントマークの位置に基づいて前記カッティングデータを補正することによって、
補正されたカッティングデータに基づいて各パーツ構成部分を裁断して各パーツを得るように構成したので、プリントされた絵柄とのズレなく裁断されたパーツを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の裁断位置補正方法に用いる裁断機の概略を示す斜視図である。
【図2】前記裁断機の要部の平面図である。
【図3】前記裁断機の要部の側面図である。
【図4】前記裁断機において裁断する生地の例の平面図である。
【図5】前記裁断機の制御機構の要部のブロック図である。
【図6】前記裁断機の制御機構の要部のブロック図である。
【図7】本発明にかかる裁断機における裁断位置補正方法の一部のフローチャート図である。
【図8】本発明にかかる裁断機における裁断位置補正方法の一部のフローチャート図である。
【図9】本発明にかかる裁断機における裁断位置補正方法の一部のフローチャート図である。
【図10】本発明の裁断機における裁断位置補正方法に用いるプリント装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 裁断機
2 カッティングヘッド
3 制御装置
4 カメラ
5 画像処理装置
6 コンピュータ
9 延反機
8 プリント装置

Claims (4)

  1. 所定の絵柄等のプリントデータを各パーツ構成部分内にプリントした後、洗浄処理、乾燥処理を行った生地を、所定のカッティングデータに基づいて前記各パーツ構成部分を裁断して各パーツを得るように構成された裁断機における裁断位置補正方法において、
    予め、各パーツ構成部分の位置情報に関連付けられた位置補正用のポイントマークの位置情報を包含したプリントデータを作成し、
    前記プリントデータのプリント時においては、前記プリントデータに基づいてプリントすることによって、各パーツ構成部分内に絵柄等をプリントすると共に、各パーツ構成部分外には、各パーツ構成部分の位置情報に関連付けられた位置補正用のポイントマークをプリントし、
    各パーツ構成部分の裁断時においては、プリントされた前記ポイントマークの位置を検出してプリントされた各ポイントマークの位置情報を検出し、各ポイントマークについて、検出した前記位置情報と、前記プリントデータに含まれる位置情報と、を比較して偏差量を算出し、得られた偏差量に基づいて、該当するポイントマークと関連付けられた各パーツ構成部分のカッティングデータを補正することによって、
    補正されたカッティングデータに基づいて各パーツ構成部分を裁断して各パーツを得るように構成したことを特徴とする裁断機における裁断位置補正方法。
  2. ポイントマークは、裁断すべき各パーツ構成部分の近傍にプリントされていることを特徴とする請求項1に記載の裁断機における裁断位置補正方法。
  3. ポイントマークは、少なくとも隣接する各パーツ構成部分どうしでは異なる特定形状のマークとされていることを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の裁断機における裁断位置補正方法。
  4. ポイントマークは、少なくとも隣接する各パーツ構成部分どうしでは異なる特定色彩のマークとされていることを特徴とする請求項1、2、3の何れか1項に記載の裁断機における裁断位置補正方法。
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