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JP4049096B2 - 車椅子 - Google Patents

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Description

この発明は、電動モータにより回転する車輪(駆動輪)を備えた自走式の電動車椅子であって、車椅子として使用しない場合には車輪を格納することができる車椅子に関する。
従来、例えば、特開平11−309175号公報には、電動モータにより回転する車輪を備えた自走式の電動車椅子と、車室内に設置されてこの電動車椅子を車室内外間で移動させる移動装置を備えた車両用シート装置が開示されている。
この車両用シート装置によれば、車室外では移動装置から切り離した電動車椅子を車椅子として単独で使用することができる一方、移動装置によりこの電動車椅子を車室内に格納した状態ではこの車椅子を車室内の座席として使用することができるので、着座者は車椅子に着座した状態のまま車室内外間を移動することでき、従って車両への乗降を極めて楽に行うことができる。
また、このような車両用シート装置の場合、車室外の車椅子に対して、車室内の移動装置を連結し、連結状態で当該移動装置を作動させて車椅子を路面から持ち上げ、然る後、前後の車輪を格納して当該車椅子全体の高さを低くしておくことにより、車室内における車椅子の座面高さ(着座者のヒップポイント)を他の同乗者と同等程度になるようにし、これにより着座者が他の同乗者に対して疎外感を抱くことなく乗車することができるようにしていた。
特開平11−309175号
しかしながら、上記従来の車両シート装置における車椅子によれば、車輪を格納して車室内に設置した状態では、例えば乗員の誤操作等により車輪が不用意に回転するおそれがあった。なお、従来車輪の回転をロックする機械式のブレーキ装置を備えてはいたが、これは車輪を使用位置に取り出し状態で機能するものであり、車輪を格納した状態でその回転を防止する構成とはなっていなかった。
そこで、本発明では、車輪を格納した状態において、その不用意な回転を防止することができる車椅子を提供することを目的とする。
このため、本発明は、特許請求の範囲の各請求項に記載した構成の車椅子とした。
請求項1記載の車椅子によれば、移動装置に連結することにより当該車椅子を車室内に格納することができ、車室外において移動装置から分離することにより、車椅子として単独で使用することができる。駆動輪が格納された状態ではインターロック機構により車輪回転用の電動モータの起動が規制されることにより駆動輪の不用意な回転が確実に防止される。移動装置により路面から一定寸法浮き上がると、車輪格納機構が作動して車輪が自動的に格納される。車輪が格納されると駆動輪回転用の電動モータの起動が規制されるので、その不用意な回転が確実に防止される。また、移動装置により路面から一定寸法浮き上がった位置で、車輪格納機構が作動して駆動輪が自動的に取り出される。駆動輪が取り出されると電動モータのインターロック機構が解除されて駆動輪が回転可能な状態となる。
請求項2記載の車椅子によれば、駆動輪を格納した状態では、操作盤を誤操作した場合であっても駆動輪の不用意な回転が防止される。
請求項3記載の車椅子によれば、駆動輪が格納された状態では、主操作盤または補助操作盤のいずれを誤操作した場合であっても駆動輪の不用意な回転が防止される。
請求項4記載の車椅子によれば、駆動輪が格納されると、駆動輪回転用の電動モータの電源回路が遮断されて、駆動輪の不用意な回転が確実に防止される。
請求項記載の車椅子によれば、車室内に格納した状態で当該車椅子に着座することができ、着座中における駆動輪の不用意な回転を確実に防止することができる。
次に、本発明の実施形態を図1〜図27に基づいて説明する。図1は、本実施形態の車椅子1を示している。この車椅子1は、車室外において通常の車椅子と同様単独で使用される他、図6および図19〜図21に示すように車両Mの車室内に設置した移動装置100に連結され、この移動装置100の作動により車室内に格納され、車室内に格納された状態では乗員が着座するための車載用の座席として使用することができる。以下、例示する実施形態では車椅子1が車両Mの助手席位置に格納される場合を例示する。
先ず、図1に示すようにこの車椅子10は、シートクッション11とシートバック12とこれらを支持するシートフレーム20と、このシートフレーム20に設けた左右一対の前輪30,30と左右一対の後輪40,40を備えている。シートバック12の両側部には、アームレスト13,13が設けられている。着座者から見て右側のアームレスト13の先端には、着座者が当該車椅子10の走行状態を操作するための主操作盤2が取り付けられている。図2に示すようにこの主操作盤2には、進行方向を切り換えるためのレバー(ジョイスティック)2aと、電源スイッチ2bと、走行速度を切り換えるための速度切り換えスイッチ2cが設けられている。図4には、主操作盤2の電源回路C1が示されている。図中符号Uは、車椅子10側の制御ユニットを示している。主操作盤2は、コネクタAを介してこの制御ユニットUに接続されている。このコネクタAの1番端子には、+24Vの電源線が接続され、2番端子には電源スイッチ2bが接続され、3番端子にはアース線が接続され、4番端子にはLED(緑)2dが接続され、5番端子にはLED(赤)2eが接続され、6番端子には速度切り換えスイッチ2cが接続され、7番端子には前後方向速度指令線が接続され、8番端子には左右方向速度指令線が接続され、9番端子には中立点電位線が接続され、10番端子には+5V電源線がそれぞれ接続されている。
制御ユニットUには、後述する後輪駆動用のホイールインモータ45,45およびバッテリ26が接続されている。主操作盤2の操作により、制御ユニットUを経て左右のホイールインモータ45,45がバッテリ26を電源として相互に独立に回転制御される。
また、図1および図16に示すようにシートバック12の上部には、介護者が当該車椅子10を移動させる際に把持するためのハンドル部22,22が左右に一対設けられている。この両ハンドル部22,22には、それぞれブレーキレバー22aが併設されている。このブレーキレバー22a,22aを操作することにより、後輪40,40にブレーキを掛けることができる。このブレーキ装置についても後述する。
また、介護者から見て右側のハンドル部22には、介護者が当該車椅子10の走行を操作するための補助操作盤3が取り付けられている。この補助操作盤3と前記した主操作盤2が特許請求の範囲に記載した操作盤にそれぞれ相当する。図3に示すようにこの補助操作盤3には、電源スイッチ3aと、前進スイッチ3bと後進スイッチ3c、高速スイッチ3dと低速スイッチ3e等が配置されている。図5には、補助操作盤3の電源回路C2が示されている。この補助操作盤3は、コネクタBを介して上記制御ユニットUに接続されている。このコネクタBの1番端子には、+24Vの電源線が接続され、2番端子には電源スイッチ3aが接続され、3番端子にはアース線が接続され、4番端子にはLED(緑)3fが接続され、5番端子にはLED(赤)3gが接続され、6番端子には高速切り換えスイッチ3dが接続され、7番端子には前進スイッチ3bが接続され、8番端子には後進スイッチ3cが接続され、9番端子には低速切り換えスイッチ3eが接続されている。
補助操作盤3の操作により、制御ユニットUを経て左右のホイールインモータ45,45がバッテリ26を電源として相互に独立に回転制御される。
さらに、図16に示すようにシートバック12の背面には、当該車椅子10に取り付けた各種の電動機器に対して電源を供給するためのバッテリ26が搭載されている。このバッテリ26は、後述するように移動装置100側からの電源供給により充電される。
次に、前輪30,30および後輪40,40は、上方へ格納可能な状態で左右対称に設けられている。図7および図8には、着座者から見て左側の前後輪30,40の支持構造が示されている。
先ず、シートフレーム20の左右側部には、側枠部20L,20Rが相互に平行に設けられている。この左右の側枠部20L,20Rの前部に、それぞれ支軸31を介して前輪ステー32が上下に回動可能に支持されている。この前輪ステー32の下端部に首振り自在な前輪ホルダー33が取り付けられている。この前輪ホルダー33に前輪30が回転自在に支持されている。左右の前輪ステー32,32は、図示省略した連結バーにより相互に連結されている。このため、左右の前輪30,30は、一体で上方に格納され、また下方に取り出される。
着座者から見て左側の前輪ステー32のブラケット部32aには、ブラケット36を介して2本の被検知部材37,38が取り付けられている。この両被検知部材37,38に対応してシートフレーム20の左側枠部20Lの前端部付近には、ブラケット39を介して二つの車輪格納検知スイッチ4,5が取り付けられている。前輪30,30が上方へ格納されると、これと一体で両被検知部材37,38が支軸31を中心とする円弧経路上を移動して、それぞれが所定の位置に到達すると車輪格納検知スイッチ4,5がこれらを検知する。具体的には、両車輪格納検知スイッチ4,5には、それぞれ常時閉形(常時オン形)のリミットスイッチが用いられており、二つの被検知部材37,38が上述の所定の位置に到達すると、被検知部材37,38により両車輪格納検知スイッチ4,5がオフされることにより前輪30,30が格納されたことが検知される。この両車輪格納検知スイッチ4,5は、前記した電源回路C1,C2に組み込まれている。すなわち、車輪格納検知スイッチ4は、主操作盤2の電源スイッチ2bとコネクタAの2番端子間に接続され、車輪格納検知スイッチ5は、補助操作盤3の電源スイッチ3aとコネクタBの2番端子間に接続されている。
一方、シートフレーム20の両側枠部20L,20Rの後部に、それぞれ支軸41を介して後輪ステー42が上下に回動可能に支持されている。この後輪ステー42の回動先端部に後輪40が回転自在に支持されている。左右の後輪ステー42,42は、上記前輪ステー32,32と同様連結バー(図示省略)を介して連結されている。このため、左右の後輪40,40も、一体で上方へ格納され、また下方へ取り出される。
本実施形態では、この両後輪40,40が駆動輪とされている。すなわち、左右の後輪40,40には、それぞれ電動モータ(以下、ホイールインモータ45という)が内蔵されている。両ホイールインモータ45,45の回転数および回転方向は左右個別に制御される。ホイールインモータ45を内蔵した駆動輪としての後輪40,40により当該車椅子10を自走させることができ、また両ホイールインモータ45,45の回転数等が個別に制御されることにより、当該車椅子10を前進、後退させ、また左右に旋回させることができる。これらの操作が、前記主操作盤2または補助操作盤3によりなされる。
主操作盤2は、図4に示す電源回路C1を備えている。この電源回路C1には、主操作盤2の電源スイッチ2bと、上記車輪格納検知スイッチ4が含まれている。このため、車輪30,40が格納されて被検知部材37により車輪格納検知スイッチ4がオフされた状態では、当該主操作盤2の電源回路C2が遮断される。従って、後述するように例えば当該車椅子10を車室内に設置した状態であって、前輪30,30および後輪40,40を格納した状態においては、乗員が電源スイッチ2bをオフ操作し忘れ、その上で誤って主操作盤2のレバー2aを操作しても後輪40,40が不用意に回転することはない。
また、補助操作盤3は、図5に示す電源回路C2を備えている。この電源回路C2には、補助操作盤3の電源スイッチ3aと、車輪格納検知スイッチ5が含まれている。この電源回路C2には、ダイオードDが移動装置100側の電源回路と車輪格納検知スイッチ5との間に組み込まれている。このため、車輪30,40が格納されて被検知部材38により車輪格納検知スイッチ5がオフされた状態では、当該補助操作盤3の電源回路C2が遮断される。従って、後述するように例えば当該車椅子10を車室内に設置した状態であって、前輪30,30および後輪40,40を格納した状態においては、乗員が電源スイッチ3aをオフ操作し忘れ、その上で誤って補助操作盤3の前進スイッチ3bを押し操作しても、後輪40,40が不用意に回転することはない。なお、図5では、車椅子10が移動装置100に連結されて、車椅子10側に設けたメス側電源コネクタ25が移動装置100側に設けたオス側電源コネクタ158に接続され、これにより移動装置100側すなわち車両M側から電源が供給されている状態で示されている。
一方、シートフレーム20の両側枠部20L,20Rには、それぞれスライドブラケット51が当該側枠部20L,20Rに沿って一定の範囲で移動可能に設けられている。このスライドブラケット51と前輪ステー32との間は前輪連結アーム34により連結されている。また、スライドブラケット51と後輪ステー42との間は後輪連結アーム43により連結されている。すなわち、前輪連結アーム34の前端側は、支軸35を介して前輪ステー32のブラケット部32aに対して上下に回動可能に連結されている。一方、前輪連結アーム34の後端側は、支軸52を介してスライドブラケット51に上下に回動可能に連結されている。
また、後輪連結アーム43の前端側は、上記支軸52を介してスライドブラケット51に上下に回動可能に連結され、後端側は、支軸44を介して後輪ステー42の上部に上下に回動可能に連結されている。
図示するように前輪連結アーム34の前側の支軸35は前輪ステー32の支軸31よりも回動先端側に設定され、後輪連結アーム43の支軸44は後輪ステー42の支軸41よりも回動先端側に設定されている。このため、スライドブラケット51が図8中実線で示すように前側(図において左側)に移動すると、前輪ステー32および後輪ステー42がそれぞれ下方に回動し、これにより前輪30および後輪40が使用位置に取り出される。逆に、図8中二点鎖線で示すようにスライドブラケット51が後ろ側(図8において右側)へ移動すると、前輪ステー32が支軸31を中心にして上方(図示時計回り方向)へ回動し、また後輪ステー42が支軸41を中心にして上方(図示時計回り方向)へ回動し、これにより前輪30および後輪40が上方かつ使用位置よりも後ろ側の格納位置であって、図8中二点鎖線で示すように前輪30,30がシートクッション11の側方で、後輪40,40がシートクッション11の後部から後方へやや突き出した位置に格納される。前輪30および後輪40がそれぞれ使用位置よりも後ろ側に格納されることにより、これらを着座者にとって邪魔にならない範囲で極力上側に格納することができる。これによれば、当該車椅子10を車室内に移動させた段階で、より低く設置することができ、従って着座者のいわゆるヒップポイントを低く設定することができるので、着座者の車室内における疎外感をなくすことができる。
次に、図11に示すようにシートフレーム20には、前後輪30,30,40,40を格納位置まで格納し、また使用位置まで取り出すための車輪格納機構50が設けられている。この車輪格納機構50によって上記スライドブラケット51,51が前後に移動する。この車輪格納機構50は、シートフレーム20の前部に取り付けた駆動モータ56を駆動源として備えている。この駆動モータ56の前部および後部(図11において下部および上部)の双方から出力軸56a,56bが突き出されている。両出力軸56a,56bは一体で正転または逆転する。両出力軸56a,56bが出力する回転動力は、シートフレーム20の前角部に取り付けた中間伝達ブロック57,57を経てそれぞれねじ軸53に伝達される。両ねじ軸53,53は、それぞれシートフレーム20の両側部に沿って配置されている。両ねじ軸53,53には、それぞれナットブロック55が噛み合い状態で装着されている。このナットブロック55は、スライダ60に固定されている。左右のスライダ60,60は、シートフレーム20の左右側枠部20L,20Rの内部にそれぞれ前後方向に移動可能に収容されている。
図12に示すようにこのスライダ60,60の下面と側枠部20L(20R)の下面との間、およびスライダ60,60の上面と側枠部20L(20R)の上面との間には、それぞれ摺動性の高いライナ60a〜60aが介装されている。このライナ60a〜60aにより、両スライダ60,60が側枠部20L,20R内においてガタツキなくスムーズに移動するようになっている。
両側枠部20L,20Rの下面には、それぞれ窓部20aが設けられている。この窓部20aからスライドブラケット51が下方へ突き出されている。駆動モータ56が起動して両出力軸56a,56bが回転すると、この回転出力が中間伝達ブロック57,57を経てそれぞれねじ軸53に伝達され、これにより両ねじ軸53,53が正転および逆転方向に回転する。両ねじ軸53,53が同期して回転することにより、左右一対のスライダ60,60が一体で前後方向に移動し、これによりスライドブラケット51,51がそれぞれ窓部20aの範囲内において前後に移動する。
前記したように両スライドブラケット51,51が前後に移動することにより、前後の車輪30,30,40,40が使用位置に取り出され、また格納位置に格納される。
逆に、前後連動して格納された前輪30,30および後輪40,40は、車輪格納機構50の駆動モータ56を逆転方向に起動することにより、下方へ取り出すことができる。
駆動モータ56が逆転すると、両ナットブロック55,55およびスライダ60,60がシートフレーム20の前側へ移動し、これによりスライドブラケット51,51がシートフレーム20の前側へ移動する。スライドブラケット51,51が前側へ移動すると、連結リンク34,42がそれぞれ前側へ移動し、これにより後輪ステー42,42が支軸41,41を中心にして下方へ回動するとともに、前輪ステー32,32が支軸31を中心にしてそれぞれ下方へ回動し、これにより前後輪30,30,40,40が下方の使用位置に取り出される。
次に、図13〜図16に示すように車椅子10は、車室外において車椅子として単独で使用する際に用いるブレーキ装置70を備えている。このブレーキ装置70は、シートクッション11若しくはシートフレーム20側に設けられたシート本体側機構70Aと、後輪ステー42側に設けられた車輪ステー側機構70Bを備えている。
シート本体側機構70Aは、1箇所のレバー部71と左右一対の作動部72,72から構成されている。レバー部71の詳細が図15に示され、作動部72の詳細が図13に示されている。先ず、作動部72,72は、両後輪40,40に対応して、シートフレーム20の左右側枠部20L,20Rの後部に同じ構成で設けられている。図13に示すように、シートフレーム20の左側枠部20Lの作動部72について説明する。
図示するように、シートフレーム20の左側枠部20Lの後部には、作動レバー74が支軸75を中心にして上下に回動可能に設けられている。この作動レバー74は図示省略したねじりばねにより図示反時計回り方向に付勢されている。この作動レバー74の下方であって後輪ステー42の上部には、車輪ステー側機構70Bの制動レバー76が支軸77を中心にして同じく上下に回動可能に設けられている。この制動レバー76は、図示省略したねじりばねにより時計回り方向に付勢されている。
作動レバー74がねじりばねに抗して図13において時計回り方向に回動すると、図中二点鎖線で示すようにその一端部74aが制動レバー76の一端部76aに干渉する。この干渉状態のまま、作動レバー74がさらに図示時計回り方向に回動することによって制動レバー76がねじりばねに抗して支軸77を中心にして図示時計回り方向に回動する。制動レバー76が図示時計回り方向に回動すると、その他端部76bが後輪40に押し当てられ、これにより後輪40に回転抵抗すなわち制動力が付加される。
作動レバー74の他端部74bには、2本のブレーキワイヤ78,79のそれぞれの一端側が連結されている。一方のブレーキワイヤ78は、レバー部71側に取り回されている。また、他方のブレーキワイヤ79は、前記した介護者が操作するためのブレーキレバー22aに連結されている。両ブレーキワイヤ78,79は、シートフレーム20の左側枠部20Lに設けた固定板20bに一端が固定されたワイヤカバー78a,79a内に挿通されている。
レバー部71は、シートフレーム20の右側枠部20Rの前部に設けられており、ブレーキレバー73を着座者が右手で操作できる位置に配置されている。図15中符号80は、レバー部ベースを示している。このレバー部ベース80は、右側枠部20Rの前部に固定されている。このレバー部ベース80に上記ブレーキレバー73とリンクレバー81が支持されている。ブレーキレバー73は、支軸82を介してこのレバー部ベース80に回動可能に支持されている。一方、リンクレバー81は、ブレーキレバー73の前側(図15において左側)において支軸83を介してレバー部ベース80に回動可能に支持されている。ブレーキレバー73とリンクレバー81との間は、連結レバー84により連結されている。連結レバー84の一端側は、支軸84aを介してリンクレバー81に回動可能に連結され、他端側は支軸84bを介してブレーキレバー73に回動可能に連結されている。
リンクレバー81の回動先端側にはブラケット部81aが設けられている。このブラケット部81aには、前記ブレーキワイヤ78の他端側が連結されている。このブレーキワイヤ78が挿通されるワイヤカバー78aの他端部は、レバー部ベース80に設けたブラケット部80aに固定されている。
ブレーキレバー73は、図示省略したねじりばねによって着座者の手前側に回動する非制動位置側(図15において時計回り方向)に付勢されている。また、リンクレバー81の回動先端側に、左右の作動部72,72から取り回されたブレーキワイヤ78,78の他端側がそれぞれ連結されている。
上記ねじりばねに抗してブレーキレバー73を図15において実線で示す非制動位置から同図中二点鎖線で示す制動位置まで手動操作により傾動させると、連結レバー84の支軸84bが、支軸82と支軸84aを結ぶ線Lを横切って反対側へ移動する。図15では、ブレーキレバー73を制動位置まで傾動させた後における支軸82と支軸84aを結ぶ線にL′の符号が付されて示されている。
すなわち、各支軸82,83,84a,84bによっていわゆるターンオーバー機構が構成されている。 このため、ブレーキレバー73を非制動位置から制動位置に傾動させると、連結レバー84を介してリンクレバー81が図15において左側に回動するため、ブレーキワイヤ78が同方向へ引っ張られる。ブレーキワイヤ78が引っ張られると、作動アーム74がねじりばねに抗して図13中時計回り方向に回動し、これにより前記したように制動レバー76の他端部76bが後輪40に押し付けられて後輪40に制動力が付加される。
この制動状態は、ブレーキレバー73が上記ターンオーバー機構により制動位置にロックされることにより保持される。制動位置に位置するブレーキレバー73を着座者若しくは介護者が非制動位置側(着座者から見て手前側)へ傾動させることによりブレーキワイヤ78の引っ張りを解除して、作動レバー74をねじりばねにより図13中実線で示す位置に戻すことができ、これにより制動レバー76の他端部76bが後輪40から離れて後輪40の制動状態が解除される。
また、左右一対の作動部72,72の各作動レバー74に連結されたブレーキワイヤ79は、シートバック11bの背面上部に設けたブレーキレバー22aに連結されている。このため、介護者がハンドル部22,22を握った手で左右のブレーキレバー22a,22aを制動操作すると(図16において反時計回り方向に回動操作すると)、両ブレーキワイヤ79,79が引っ張られ、これにより左右の作動レバー74,47が時計回り方向に回動し、従って後輪40,40に制動力が付加される。ブレーキレバー22a,22aの制動操作を解除すれば、作動レバー74,74がばね付勢力により戻されて制動レバー76の他端部76bが後輪40から離れ、従って後輪40,40の制動状態が解除される。
この非制動状態では、図13において実線で示すように作動レバー74の一端部74aと制動レバー76の一端部76aとの間に適切なすき間が発生するように、作動レバー74および制動レバー76の位置あるいは一端部74a,76aの長さ等の寸法が設定されている。このため、後輪40,40の非制動状態では、制動レバー76が作動レバー74に干渉することなく後輪ステー42,42を後方へ回動させることができ、これにより後輪40,40をスムーズに格納できるようになっている。
後輪40,40および前輪30,30の格納状態では、ブレーキ装置70による後輪40,40の制動がなされない。しかし、この場合は、前記したインターロック機構により後輪40,40を回転させるためのホイールインモータ45,45の電源回路が遮断されているため、後輪40,40の不用意な回転が防止される。
次に、図19〜図21には移動装置100の詳細が示されている。この移動装置100は、連結した車椅子10を車両Mのドア開口部Kを経て車室内外間で移動させる機能を有するもので、車室内に格納されて助手席として使用される車椅子10を車両前後方向へ移動させる第1スライド機構110と、車椅子10を着座者から見て車両正面向きの位置とドア開口部K側へ向いた位置との間でほぼ90゜回転させる回転機構120と、この回転機構120によりドア開口部K側に向いた車椅子10を車室外側へ移動させつつ下降させる昇降機構159と、同じく車椅子10をさらに車室外側へ水平に移動させる第3スライド機構140を備えている。
以下、この移動装置100の各機構110,120,140,159について説明する。車両MのフロアFには、固定ベース111が取り付けられている。この固定ベース111の上面には、車両前後方向に相互に平行に取り付けたガイドレール112,112を介して第1スライドベース113が車両前後方向にスライド可能に設けられている。固定ベース111と第1スライドベース113との間には、第1スライドモータ114aとねじ軸114bおよびこれに噛み合うナット114cが介装されている。第1スライドモータ114aおよびねじ軸114bが固定ベース111に取り付けられ、ナット114cが第1スライドベース113に取り付けられている。このため、第1スライドモータ114aが起動するとねじ軸114bが回転し、これにより第1スライドベース113が車両前方または後方(図19〜図21において紙面に直交する方向)へ移動する。
回転機構120は、相互に同軸で回転自在に組み合わされた外輪121と内輪122を有している。外輪121が第1スライドベース113の上面に固定され、内輪122が昇降機構159の中間ベース131の下面に固定されている。第1スライドベース113の上面には回転駆動用の電動モータ(回転モータ123)が取り付けられている。この回転モータ123の回転出力は、図示省略した歯車伝達機構を介して内輪122に伝達され、これにより中間ベース131ひいては昇降機構159および車椅子10が一体で回転する。
次に、昇降機構159および第3スライド機構140の詳細が図22〜図27に示されている。先ず、図22および図23に示すように昇降機構159は、第2スライド機構130と、左右一対の四節リンク機構133,133を備えている。第2スライド機構130は、上記中間ベース131とこの中間ベース131に対してスライドする第2スライドベース132を備えている。この第2スライドベース132は、中間ベース131に相互に平行に取り付けたスライドレール160,160を介してスライド可能に支持されている。スライドレール160,160は、車椅子10が車両正面向きの状態では車両前後方向に沿って相互に平行に位置し、車椅子10がドア開口部K側に向けられた状態では車幅方向に沿って相互にほぼ平行に位置する状態となる。一方、第2スライドベース132には、片側2固ずつガイドローラ161,161が回転可能に設けられている。この各ガイドローラ161は、上記ガイドレール160に転動可能に支持されている。これにより、第2スライドベース132が中間ベース131に対してスライド可能に支持されている。
第2スライドベース132と中間ベース131との間には、第2スライドモータ171とねじ軸172を有する第2駆動装置170が介装されている。第2スライドベース132の下面側に第2スライドモータ171が取り付けられるとともにねじ軸172が回転可能に支持され、このねじ軸172にかみ合うナット173が中間ベース131の上面に取り付けられている。このため、車椅子10がドア開口部K側へ向けられた状態で第2スライドモータ171を正転または逆転させてねじ軸172を回転させると、第2スライドベース132が室外側へ向けてまたは室内側へ向けて(図19〜図21において左右方向)へスライドする。
第2スライドベース132の左右両側部には左右一対の四節リンク機構133,133が取り付けられている。両四節リンク機構133,133は、それぞれ内側リンクアーム133aと外側リンクアーム133bを備えている。両リンクアーム133a,133bは、それぞれ第2スライドベース132の側部に支軸133c,133dを介して上下に回動可能に支持されている。
図22および図24に示すように、左右両側の内側リンクアーム133a,133aは、それぞれ2枚のアーム板を一定間隔をおいて固定した構造を備えている。この両アーム板間であって支軸133c寄りの位置には、それぞれ一つのガイドローラ134が回転可能に取り付けられている。両ガイドローラ134,134は、中間ベース131の両側部に相互に平行に取り付けたガイドカム139,139の上面にそれぞれ転動可能に乗せ掛けられている。両ガイドカム139,139の上面は、ほぼ水平な水平ガイド面139aとされている。また、両ガイドカム139,139の先端側であって、車椅子10をドア開口部K側に向けた状態において室外側の先端上面の一定範囲には、傾斜ガイド面139bが形成されている。この傾斜ガイド面139bは、先端側に下る方向に傾斜している。
第2スライドベース132の室内側から室外側への移動あるいはその逆に室外側から室内側への移動に伴って、両四節リンク機構133,133が一体で移動する。内側リンクアーム133a,133aのガイドローラ134,134がそれぞれ水平ガイド面139aに沿って転動する段階では、四節リンク機構133,133はほぼ水平状態で(上下に傾動することなく)移動し、従って車椅子10および第3スライド機構140は上下に変位することなくほぼ水平に移動する。これに対して、ガイドローラ134が傾斜カム面139bに沿って転動する段階では、内側リンクアーム133aひいては四節リンク機構133,133が上方または下方に傾動し、これにより車椅子10および第3スライド機構140が上昇または下降する。図21は、両四節リンク機構133,133が最も室外側へ移動し、これにより車椅子10が最も低い位置にまで下降した状態を示している。
上記のように両四節リンク機構133,133を車幅方向に移動させつつ上下に傾動させることにより、車椅子10を昇降動させる段階では、車椅子10が傾くことなくその着座姿勢が常時保持されるよう、内外のリンクアーム133a,133bの支点間距離等が適切に設定されている。従って、両四節リンク機構133,133は、四節平行リンク機構を構成している。
上記両外側リンクアーム133b,133bの回動基端側(支軸133d寄りの位置)の外側面には、後ろ側係合部200,200が相互に対称に設けられている。両後ろ側係合部200,200は、それぞれ外側リンクアーム133b,133bの先端側へ向けて延びている。両後ろ側係合部200,200の先端下部には、それぞれ係合爪200aが形成されている。また、両外側リンクアーム133b,133bの回動先端側(支軸133f寄りの位置)の上部には、前側係合部201,201が設けられている。この前後の係合部材201,200の機能については、後述する。
左右一対の四節リンク機構133,133の先端部間に上記第3スライド機構140が設けられている。この第3スライド機構140の詳細が図26および図27に示されている。この第3スライド機構140は、昇降ベース135を備えている。この昇降ベース135の側部に、両四節リンク機構133,133の内外のリンクアーム133a,133bの先端部が、それぞれ支軸133e,133fを介して回転可能に連結されている。
この昇降ベース135の上面側には、車椅子連結ベース151がスライド可能に設けられている。車椅子連結ベース151の下面側に左右一対のスライドレール141,141が取り付けられている。昇降ベース135の左右側部には、それぞれ2個のガイドローラ136,136が回転可能に取り付けられている。このガイドローラ136〜136は、上記スライドレール141に転動可能に支持されている。これにより車椅子連結ベース151が昇降ベース135に対してスライド可能に支持されている。
また、昇降ベース135と車椅子連結ベース151との間には、第3駆動装置150が介装されている。
この第3駆動装置150は、車椅子連結ベース151の下面に取り付けた第3スライドモータ152とこれにより回転するねじ軸153を備えている。このねじ軸153にかみ合うナット154は、昇降ベース135の上面に取り付けられている。このため、車椅子10がドア開口部K側へ向けられた状態で第3スライドモータ152を起動してねじ軸153を回転させると、車椅子連結ベース151が昇降ベース135に対して車幅方向(図26において左右方向)へスライドする。この車椅子連結ベース151を介して車椅子10が移動装置100に連結される。従って、車椅子10は、第2スライド機構130と第3スライド機構140により2段階で車幅方向にスライドする。
また、図19,20,25,26に示すように昇降ベース135の前部下面には、前側主係合部137,137が左右一対設けられている。第2スライドベース132および四節リンク機構133,133が車室内側に戻されると、この前側主係合部137,137がそれぞれ前記中間ベース131の前端部に係合される。これにより、昇降ベース135ひいては車椅子10および四節リンク機構133,133の浮き上がり方向の変位が規制される。但し、この前側主係合部137,137は、車両前突等により車椅子10が通常使用時の移動方向とは異なる方向へ移動した時に初めて機能する。このため、車両用シート1の通常使用時においては、この前側主係合部137,137によって昇降ベース135の移動動作が阻害されることはない。
次に、図12および図18に示すようにシートフレーム20の下面前部には、左右一対の前側連結部材210,210が下方へ張り出す状態に設けられている。図10に示すようにこの前側連結部材210,210に対して、移動装置100の車椅子連結ベース151の上面前部には、左右一対の前側連結係合部材155,155が設けられている。前側連結部材210には、この前側連結係合部材155が嵌り込んで係合するための係合溝210aが設けられている。この係合溝210aは、前側連結部材210の下部から斜め上方前側へ概ね円弧形状の経路に沿って切り込み形成されている。車椅子10が車椅子連結ベース151に連結されて、前側連結部材210の係合溝210a内に連結ロックバー155が嵌り込むことにより、車椅子10の車椅子連結ベース151に対する主として前後方向の位置が規制される。
また、図17に示すようにシートフレーム20の下面後ろ側には、左右一対の後ろ側連結部材211,211が取り付けられている。これに対して、図10および図17に示すように車椅子連結ベース151の上面後ろ側には後ろ側連結ロックバー156,156が設けられている。車椅子10が車椅子連結ベース151に連結されて、後ろ側連結ロックバー156,156がそれぞれ後ろ側連結部材211に係合されることによっても、車椅子10の車椅子連結ベース151に対する主として前後方向の位置が規制される。
このように、前側連結部材210の係合溝210a内に連結ロックバー155が嵌り込み、かつ後ろ側連結部材211に後ろ側連結ロックバー156,156が係合されることにより、車椅子10が車椅子連結ベース151に対して前後方向(着座者から見て)に位置決めされる。これに加えて、図7に示すようにシートフレーム20の左右両側枠部20L,20Rの内側には相互に平行な位置決め壁部28,28が下方へ張り出す状態に設けられている(図7では着座者から見て右側の位置決め壁部28のみが見ている)。この両位置決め壁部28,28間に車椅子連結ベース151が進入することにより、当該車椅子10が車椅子連結ベース151に対して左右方向(着座者から見て)に位置決めされる。
また、前側連結部材210の後部には、移動装置100側の外側リンクアーム133bに設けた前側係合部201が係合するためのアーム係合部210bが後方へ突き出すように設けられている。
さらに、シートフレーム20の下面後ろ側であって両後ろ側連結部材211,211の間には、連結凹部212が設けられている。この連結凹部212に対して、第2スライドベース132の中央部には、連結凸部213が設けられている。
車椅子10が移動装置100の車椅子連結ベース151に連結されると、上記したように車椅子10側の前側連結部材210,210の係合溝210a,210aに、車椅子連結ベース151側の前側連結係合部材155がそれぞれ嵌り込み、また車椅子10側の後ろ側連結部材211,211に、車椅子連結ベース151側の後ろ側連結ロックバー156,156が係合し合うことにより、車椅子10が車椅子連結ベース151に対して主としてその前後方向に位置決めされて同方向の相対変位が規制された状態となる。また、シートフレーム20の左右両位置決め壁部28,28間に車椅子連結ベース151が進入することにより、車椅子10の車椅子連結ベース151に対する左右方向の位置決めがなされた状態で当該車椅子10が車椅子連結ベース151に連結される。
図18に示すように、車椅子10が車椅子連結ベース151に連結された後、スライダ60,60を後端位置まで移動させることにより前後の車輪30,30,40,40が完全に格納される。スライダ60,60の後端寄りの底部には、前記四節リンク機構133,133の外側リンクアーム133b,133bに設けた後ろ側係合部200,200が係合される係合孔61がそれぞれ設けられている。
この連結状態で、第2スライド機構130により第2スライドベース132を室内側へ後退させると、左右の四節リンク機構133,133が上方へ傾動しつつ後退して、車椅子10が上昇しつつ室内側へ戻される。第2スライドベース132が室内側の後退端に至り、然る後第3スライド機構140により車椅子連結ベース151を昇降ベース135に対して室内側へ後退させると、車椅子10が四節リンク機構133,133および第2スライドベース132に対して室内側へ変位する。
これにより、車椅子10側の、前側連結部材210,210のアーム係合部210b,210bがそれぞれ外側リンクアーム133bの前側係合部201に係合し、また車椅子10側のスライダ60,60内に、それぞれ移動装置100側の後ろ側係合部200が後方から進入した状態となる。さらに、この段階で車椅子10側の連結凹部212内に、第2スライドベース132の連結凸部213が進入する。図18は、この段階の状態を示している。
前側連結部材210のアーム係合部210bが、外側リンクアーム133bの前側係合部201に対して係合し合うことにより、当該車椅子10の特にシートクッション11aの前部が移動装置100から浮き上がることが規制される。これによれば、例えば車両後突により発生する大きな衝撃荷重により、当該車椅子10にそのシートクッション11aの前部を浮き上がらせる方向の大きな慣性力が作用した場合であっても、当該車椅子10の変位(後傾方向の傾き)を確実に規制することができる(後突対策)。
また、車椅子10側のスライダ60,60内にそれぞれ後ろ側係合部200が進入した状態とされ、かつ車椅子10の連結凹部212内に、第2スライドベース132の連結凸部213が進入することにより、車椅子10の特にシートクッション11aの後部が移動装置100から浮き上がることが規制される。これによれば、例えば車両前突により発生する大きな衝撃荷重により、当該車椅子10にそのシートクッション11bの後部を浮き上がらせる方向に大きな慣性力が作用した場合であっても、当該車椅子10の変位(前傾方向の傾き)を確実に規制することができる(前突対策)。
ここで、前側連結部材210のアーム係合部210bと外側リンクアーム133bの前側係合部201との係合状態、スライダ60内に後ろ側係合部200が進入した状態、および連結凹部212内に連結凸部213が進入した状態については、それぞれ相互に接触する状態とする他、僅かなすき間をおいて位置し、車椅子10が大きな慣性力あるいは車両振動等により、通常の使用状態における移動方向とは別の方向に僅かに変位した時点で初めて接触する状態とすることにより、通常の使用状態では、これらは相互に干渉することはなく、これにより車椅子10の移動装置100に対するスムーズな移動がなされるようにすることができる。
図10に示すように車椅子連結ベース151の上面には、オス側電源コネクタ158,158が配置されている。このオス側電源コネクタ158,158に対して、車椅子10のシートフレーム20の下面側にはメス側電源コネクタ25,25が配置されている。車椅子10が移動装置100の車椅子連結ベース151に連結されると、オス側電源コネクタ158,158にそれぞれメス側電源コネクタ25,25が接続される。オス側電源コネクタ158,158にメス側電源コネクタ25,25が接続されることにより、移動装置100側から車椅子10側に電源が供給される。これにより供給される電源により、車椅子10側において、前後輪30,30,40,40の車輪格納機構50およびその他の種々電動機器が作動し、またシートバック11bの背面に搭載したバッテリ26が充電される。
次に、図7、図8および図18に示すように、車椅子10の前部には、左右の側枠20L,20Rの前端部間に跨るように当接壁部21が設けられている。この当接壁部21の内面(後面)には、左右一対の緩衝ブロック23,23が取り付けられている。図18に示すように両緩衝ブロック23,23の後面(当接面)は、上側ほど当接壁部21からの突き出し寸法が小さくなる方向に傾斜している。
一方、車椅子連結ベース151の前面には、上記緩衝ブロック23,23に対応して、左右一対の当接凸部157,157が取り付けられている。この両当接凸部157,157には弾性ゴムが用いられている。
図8は、車両室外において車椅子として用いた車椅子10を車両室内へ戻す場合において、当該車椅子10を後退させて車椅子連結ベース151に接近させた状態を示している。この接近状態からさらに車椅子10を後退させることにより、車椅子連結ベース151をシートフレーム20の下方へ相対的に進入させることができる。
車椅子10の後退により、車椅子連結ベース151をシートフレーム20の下方へ相対的に進入させると、両当接凸部157,157がそれぞれ緩衝ブロック23に当接し、これにより車椅子10の車椅子連結ベース151に対するシート前後方向についての仮の位置決めがなされる。この仮の位置決め状態から、車椅子連結ベース151を上昇させることにより、当該車椅子連結ベース151に対して車椅子10が連結される。
上記当接壁部21の外側面には、着座者が足を載せるための左右一対のフットレスト27,27が設けられている。
以上のように構成した実施形態によれば、以下のようにして車椅子10が車室内から車室外へ移動されて移動装置100から分離され、逆に車室外において通常の車椅子として用いた車椅子10が移動装置100に連結されて車室内へ格納される。
先ず、シートクッション11(従って着座者)が車室内において車両正面向きに位置する状態(車両走行時等における状態)では、第3スライド機構130において車椅子連結ベース151ひいてはシートクッション11が昇降ベース135に対して後退端に位置する状態となっているため、昇降ベース135の前側主係合部137が中間ベース131の前端に係合し、かつ車椅子10の前側連結部材210,210のアーム係合部210b,210bがそれぞれ外側リンクアーム133bの前側係合部201に係合した状態となっている。これにより例えば車両後突時においてシートクッション11に大きな衝撃荷重が付加された場合であっても、車椅子10の特に前部の移動装置100からの浮き上がりが規制され、これにより当該シートクッション11ひいては着座者の後傾方向の変位が確実に防止される。
さらに、この状態では、車椅子10のスライダ60,60内にそれぞれ外側リンクアーム133bの回動基端側に設けた後ろ側係合部200が進入し、また車椅子10の連結凹部212内に、第2スライドベース132に設けた連結凸部213が進入した状態となっている。これにより、例えば車両前突時においてシートクッション11に大きな衝撃荷重(いわゆるシートベルト荷重)が付加された場合であっても、車椅子10の特に後部の移動装置100からの浮き上がりが規制され、これにより当該シートクッション11ひいては着座者の前のめり方向への変位(浮き上がり)が確実に規制される。
これに対して、上記衝撃荷重が付加されない通常状態では、前側主係合部137が中間ベース131の前端に係合した状態、前側連結部材210のアーム係合部210bと前側係合部201との係合状態、スライダ60内に後ろ側係合部200が進入した状態および連結凹部212に連結凸部213が進入した状態では、それぞれ車椅子連結ベース151ひいてはシートクッション11(車椅子10)の車幅方向外側への移動(着座者から見て前方への移動)が許容された状態となっている。このため、通常の使用時においては、着座者あるいは介護者は何ら特別のロック解除操作をすることなく、当該車両用シート1の移動操作を行うことができる。特に、スライダ60内に進入した後ろ側係合部200は、通常状態では当該スライダ60に係合しない。これに対して、シートクッション11に衝撃荷重が付加されて当該シートクッション11の後部が浮き上がり方向に僅かに変位し始めると、この段階で始めて後ろ側係合部200の係合爪200aがスライダ60の係合孔61に係合されてシートクッション11の変位が規制され、結果的に当該シートクッション11の不適切な方向への変位が確実に規制される。
シートクッション11が車両正面向きに位置する状態において、第1スライド機構110の第1スライドモータ114aおよび回転機構120の回転モータ123が起動して、シートクッション11が車両前方へ移動しつつドア開口部K側へ回転される。シートクッション11がドア開口部K側に向けられた状態が図19に示されている。
次に、第3スライド機構140の第3スライドモータ152が起動して、車椅子連結ベース151が車室外側へスライドし、これによりシートクッション11が車室外側へ水平に移動する。この状態が図20に示されている。
次に、第2スライド機構130の第2スライドモータ171が起動して、第2スライドベース132が車室外側へ移動する。これにより左右の四節リンク機構133,133が車室側側へ移動する。この際、内側リンクアーム133aに取り付けたガイドローラ134がガイドカム139の水平ガイド面139a上を転動することにより、両四節リンク機構133,133は車室外側へ移動しつつ下方へ(図21において反時計回り方向に)傾動し、これにより昇降ベース135ひいては車椅子10が車室外へ移動するとともに車室内よりも低い位置まで下降した状態となる。図21は、この状態を示している。なお、図19〜図21では、車椅子10における前後の車輪30,40およびその車輪格納機構50が省略されている。
この段階で、車椅子10側において、車輪格納機構50を起動させることにより、前後の車輪30,30,40,40を下方の使用位置に取り出す。車輪30,30,40,40が使用位置に取り出されると、車輪格納検知スイッチ4,5がオンし、これにより主操作盤2および補助操作盤3の電源回路C1,C2が導通され、従って両操作盤2,3の操作が有効な状態となる。
然る後、第2スライドベース132をさらに車室外側へ移動させて昇降ベース135をさらに下降させることにより車椅子10を下降させ、これにより前後の車輪30,30,40,40を接地させる。さらに昇降ベース132を下降させると、車椅子10のシートフレーム20から車椅子連結ベース151が下方へ離脱し、これにより当該車椅子10を移動装置100から分離することができる。
車椅子10を移動装置100から分離することにより、当該車椅子10を車椅子として用いることができ、主操作盤2または補助操作盤3を操作することにより、後輪40,40を駆動させて当該車椅子10を自走させることができる。また、車椅子として用いる場合には、着座者が座ったままブレーキレバー73を前方へ倒すことにより、ブレーキ装置70を作動させることができる。ブレーキレバー73を前方へ倒すと、ブレーキワイヤ78,78が引っ張られて作動レバー74,74が回動し、これにより制動レバー76,76を回動させてそれぞれ後輪40に押圧することにより後輪40,40に制動力を付加する(ブレーキを掛ける)ことができる。この後輪制動状態は、ブレーキレバー73がいわゆるターンオーバー機構により制動側にロックされることにより保持される。着座者がブレーキレバー73を手前に戻すと、ブレーキワイヤ78,78が緩んで、作動レバー74,74および制動レバー76,76がそれぞれのねじりばねの付勢力により非制動側に戻されて後輪40,40が回転可能な状態となる。これにより車椅子10(車椅子)を移動させることができる。
また、シートバック11bの背面上部には、介護者が当該車椅子10を移動操作する場合等に把持するためのハンドル部22,22が設けられている。このハンドル部22,22には、それぞれブレーキワイヤ79を介して上記作動レバー74に連結されたブレーキレバー22aが装備されている。介護者がこのブレーキレバー22a,22aを操作することによっても、上記作動レバー74,74を制動側へ回動させて制動レバー76,76を後輪40,40に押圧させることができ、これにより後輪40,40にブレーキを掛けることができる。
車椅子として用いた車椅子10を車室内へ戻す場合には、当該車椅子10を後退させて移動装置100の車椅子連結ベース151に接近させる。この場合、車椅子連結ベース151は、予め車室外側の最も低い位置まで移動した状態としておく。車椅子10が後退して接近することにより、シートフレーム20の下方に車椅子連結ベース151を進入させることができる。車椅子連結ベース151がシートフレーム20のほぼ真下まで進入すると、車椅子10側の緩衝ブロック23,23に、車椅子連結ベース151側の当接凸部157,157が当接する。この仮の位置決め状態で、移動装置100側において第2スライドベース132を後退させることにより車椅子連結ベース151を僅かに上昇させる。これにより車椅子10のシートフレーム20に対して車椅子連結ベース151が徐々に接近(上昇)する。
この上昇段階では、両四節リンク機構133,133の先端(車椅子連結ベース151)が円弧形状の軌跡に沿って変位することから、車椅子連結ベース151は、車椅子10に対して僅かに水平方向の変位を伴いながら(車椅子連結ベース151が相対的に前方へ変位しながら)、シートフレーム20に接近する。
この点、車椅子10側の緩衝ブロック23,23の後面が上側ほど突き出し寸法が小さくなる方向に傾斜しているので、当該緩衝ブロック23,23に対する当接凸部157,157の当接状態(仮の位置決め状態)を維持しつつ、車椅子連結ベース151の車椅子10に対する水平方向の僅かな変位がスムーズに許容される。
また、車椅子10側の前側連結部材210,210の係合溝210a,210aが円弧形状の経路に沿って形成されているので、当該係合溝210a,210a内へ連結ロックバー155,155をスムーズに進入させつつ、車椅子連結ベース151の車椅子10に対する僅かな水平方向に変位を許容しつつスムーズに接近させることができる。
こうして、車椅子連結ベース151が上昇してシートフレーム20に接近することにより、連結ロックバー155,155がそれぞれ係合溝210aの奥部に至り、またシートフレーム後部側の後ろ側連結部材211,211に車椅子連結ベース151側の後ろ側連結ロックバー156,156が係合されると、当該車椅子10が車椅子連結ベース151に対して主として前後方向に位置決めされた状態で連結される。
また、車椅子連結ベース151がシートフレーム20の両位置決め壁部28,28間に進入することにより、当該車椅子10の車椅子連結ベース151に対する着座者から見て左右方向の位置決めがなされる。
さらに、車椅子10が車椅子連結ベース151に連結されると、車椅子10側のオス側電源コネクタ25,25が、車椅子連結ベース151側のメス側電源コネクタ158,158に連結され、これにより車椅子10側に電源が供給される。
車椅子10の車椅子連結ベース151に対する連結が完了した後、さらに第2スライドベース132が車室内側へ後退することにより、両四節リンク機構133,133が上方へ傾動しながら車室内側へ戻され、これにより車椅子10が上昇し始める。
車椅子10が適度な高さまで上昇した段階で、当該車椅子10の車輪格納機構50が起動して両スライダ60,60が車椅子10の後ろ側(図8において右側)へ移動し、これにより前後輪30,30,40,40が上方へ格納される。
左右のスライドブラケット51,51が車椅子10の後ろ側へ移動すると、前輪連結アーム34,34および後輪連結アーム43,43も後ろ側へ変位する。前輪連結アーム34,34が後ろ側へ移動することにより前輪ステー32,32がそれぞれ支軸31を中心にして上方へ回動して、前輪30,30が格納位置に格納され、後輪連結アーム43,43が後ろ側へ移動することにより後輪ステー42,42がそれぞれ支軸41を中心にして上方かつ後ろ側へ回動して後輪40,40が格納位置に格納される。図8では、格納された前後輪30,30,40,40が二点鎖線で示されている。
上記のようにして前輪30,30が上方へ格納されると、被検知部材37,38により二つの車輪格納検知スイッチ4,5がそれぞれオフされる。車輪格納検知スイッチ4,5がオフされると、図4、5に示すように主操作盤2の電源回路C1および補助操作盤3の電源回路C2がともに遮断される。このため、主操作盤2の電源スイッチ2bあるいは補助操作盤3の電源スイッチ3aをオフし忘れ、その上でさらに主操作盤2のレバー2aを誤って操作し、あるいは補助操作盤3の前進スイッチ3b等を誤って押し操作しても、後輪40,40が不要に回転することはない。
また、車輪格納検知スイッチ4,5は、車輪格納機構50の駆動モータ56を停止させるためのスイッチとしての機能を有しているため、車輪30,30,40,40が格納位置に格納されると、自動的に駆動モータ56が停止されるようになっている。
こうして前輪30,30および後輪40,40が格納され、また主操作盤2および補助操作盤3にインターロックをかけた状態で、車椅子10が上昇端に至る。図20はこの段階の状態を示している。この段階では、第2スライドベース132が後退端に至り、従って両四節リンク機構133,133が室内側の後退端に至っている。
車椅子10が上昇端まで戻された後、第3スライド機構140の第3スライドモータ152が逆転方向に起動して、車椅子連結ベース151が昇降ベース135に対して車室内側へスライドし、これによりシートクッション11が車室内側へ水平に戻される。車椅子10が第3スライド機構140によって車室内側に戻されると、車椅子10側の前側連結部材210,210に設けたアーム係合部210b,210bが、それぞれ外側リンクアーム133bの前側係合部201に係合され、かつ両スライダ60,60の後部から後ろ側係合部200,200がそれぞれ進入する。この段階では、図18に示すように両後ろ側係合部200,200の係合爪200aが、スライダ60および側枠20L,20Rに設けた係合孔61,61に係合する状態とはならず、これにより第3スライド機構140によるスライド動作が許容される状態となっている。 また、第3スライド機構140によりシート本体10が車室内側へ水平に戻されると、シートフレーム20の後部に設けた連結凹部212内に、第2スライドベース132に設けた連結凸部213が進入した状態となる。
こうして、車椅子10が第3スライド機構140により車室内側に戻されると、前側連結部材210のアーム係合部210bが外側リンクアーム133bの前側係合部201に係合することにより当該車椅子10の主として前側の浮き上がり方向の変位が規制される。また、車椅子10が第3スライド機構140により車室内側に戻されると、スライダ60,60の後部から後ろ側係合部200,200が進入した状態となることにより、車椅子10の主として後ろ側の浮き上がり方向の変位が規制される。これにより、例えば車両前突時においてシートクッション11に大きな衝撃荷重(シートベルト荷重)が付加された場合に、シートクッション11および着座者の移動装置100からの浮き上がり方向の変位が強固に規制される。
以上のようにして、車椅子10が車室内側へ戻された後、回転モータ123が逆転し、また第1スライドモータ114aが逆転方向に起動することにより、シートクッション11が車両後ろ側へスライドしつつドア開口部K側に向いた位置から車両正面向き位置に回転される。シートクッション11が車両正面向きに位置し、また車両前後方向のスライド範囲の後端位置に戻されることにより、車椅子10の車室内側への戻し操作が完了する。
車椅子10が車室内に戻された状態では、前後輪30,30,40,40が格納されてい、車輪格納検知スイッチ4,5がオフになっているため、主操作盤2と補助操作盤3の電源回路C1,C2が遮断されており、これにより後輪40,40が不用意に回転することを確実に防止することができる。
以上のように構成された本実施形態の車椅子10によれば、前後輪30,30,40,40を格納すると、常時閉形の車輪格納検知スイッチ4,5がオフされ、これにより後輪40,40を駆動回転させるための電源回路C1,C2が遮断されるので、当該車椅子10を車室内に設置した状態において主操作盤2または補助操作盤3の誤操作等による後輪40,40の不用意な回転が確実に防止される。
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、車両Mに設置した移動装置100により車室内へ格納されて、車室内用の座席としても利用できる形態の車載用の車椅子10を例示したが、車室外においてのみ利用される通常の形態の車椅子に適用することもできる。すなわち、車両M以外の所定の場所に保管するために前後輪30,30,40,40を格納すると後輪40,40を回転するための電源回路C1,C2が遮断される構成とすることにより、駆動輪(後輪40,40)の不用意な回転を確実に回避しつつ保管しておくことができる。
また、前輪30,30の格納を検知して、電源回路C1,C2を遮断する構成を例示したが、後輪40,40の格納、あるいは例えばスライドブラケット51や連結アーム34,43の移動をスイッチにより検知して車輪の格納位置を検知する構成としてもよい。
さらに、車輪格納検知スイッチ4,5として、リミットスイッチを用いる構成を例示したが、車輪が格納されたことを検知するためのスイッチ(センサ)としては、例えば光学式センサ、磁気センサ等の非接触型のセンサ、あるいはその他の検知手段を用いることができる。例えば、反射型の光電管スイッチまたは近接スイッチを用いて車輪が格納位置に格納されたことを検出し、これらセンサの出力信号に基づいて、電源回路C1,C2に組み込んだ開閉器(電磁リレー、トランジスター等)を開いて電源回路C1,C2を遮断する構成とすることができる。
また、車輪格納検知スイッチ4,5を車輪ステー側に取り付け、被検知部材37,38をシートフレーム20側に取り付ける構成としてもよい。
また、常時閉形のスイッチ4,5を用いる構成を例示したが、常時開形のスイッチを用いることもできる。この場合は、例えば前輪30が使用位置に取り出された時にオンして電源回路を閉じる構成とすることにより前記と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、後輪40,40に内蔵したホイールインモータ45により後輪40,40が回転する構成を例示したが、ホイールインモータ45に代えて駆動輪の車軸に電動モータを例えば歯車列からなる動力伝達機構を経て連結することにより駆動輪を積極回転させる構成としてもよい。また、例示したように後輪40,40ではなく前輪30,30若しくは全ての車輪30,30,40,40が駆動輪である場合にも同様に適用することができる。
本願発明の実施形態に係る車椅子の全体斜視図である。 主操作盤の斜視図である。 補助操作盤の正面図である。 主操作盤の電源回路を示す図である。 補助操作盤の電源回路を示す図である。 車両の平面図であって、車椅子を車室内から車室外へ移動させる状態を示す図である。 車椅子を前側左斜めから見た斜視図である。本図では、シートクッションとシートバックが二点鎖線で示されている。 車椅子の左側面図である。本図では、シートクッションとシートバックが二点鎖線で示されている。また、格納された前輪と後輪が二点鎖線で示されている。 車椅子の左側の前輪付近を示す側面図である。 移動装置の車椅子連結ベースの斜視図である。 シートフレームおよび車輪格納機構の平面図である。 シートフレームの左側枠部の縦断面図である。 ブレーキ装置の作動部の側面図である。 図13中矢印(14)方向から見た図であって、ブレーキワイヤの連結状態を示す側面図である。 ブレーキ装置のレバー部の側面図である。 車椅子およびブレーキ装置の左側面図である。 車椅子が車椅子連結ベースに連結された状態を示す平面図である。 車椅子が車椅子連結ベースに連結された状態を示す側面図である。 車室内においてドア開口部側に向けられた状態の車椅子を図6中矢印(19)方向から見た後面図である。 移動装置の第3スライド機構により車椅子が車室外側へ移動した状態を、図6中矢印(19)方向から見た後面図である。 移動装置の第2スライド機構により車椅子が車室外へ移動しつつ下降した状態を、図6中矢印(19)方向から見た後面図である。 図20中(22)−(22)線矢視図であって、第2スライド機構の正面図である。 移動装置の第2スライドベース付近の側面図である。 着座者から見て左側の四節リンク機構およびガイドカムの斜視図である。 四節リンク機構およびガイドカムの側面図である。 移動装置に連結された状態の車椅子および移動装置の第3スライド機構の側面図である。 第3スライド機構を図26中矢印(27)方向から見た正面図である。
符号の説明
M…車両
U…制御ユニット
C1…主操作盤の電源回路
C2…補助操作盤の電源回路
1…車両用シート
2…主操作盤
3…補助操作盤
4,5…車輪格納検知スイッチ
10…車椅子
11…シートクッション
12…シートバック
13…アームレスト
20…シートフレーム
20L…左側枠部、20R…右側枠部
22…ハンドル部、22a…ブレーキレバー
30…前輪
32…前輪ステー
37,38…被検知部材
40…後輪
42…後輪ステー
45…ホイールインモータ
50…車輪格納機構
51…スライドブラケット
70…ブレーキ装置
73…ブレーキレバー
100…移動装置
110…第1スライド機構
120…回転機構
130…第2スライド機構
132…第2スライドベース
133…四節リンク機構
134…ガイドローラ
135…昇降ベース
140…第3スライド機構
150…第3駆動装置
151…車椅子連結ベース

Claims (5)

  1. 電動モータにより回転する駆動輪を備えた自走可能な車椅子であって、車両に設けた移動装置に分離可能に連結されて、該移動装置の作動により車室内外間で移動され、前記駆動輪は格納可能であり、格納すると前記電動モータの起動を規制するインターロック機構と駆動輪を格納または取り出すための車輪格納機構とを備え、前記移動装置に連結されて該移動装置の作動により車室外から車室内へ移動される際には路面から上昇して路面から一定寸法浮き上がった高さに至ると、前記車輪格納機構により自動的に駆動輪が格納され、車室内から車室外へ移動される際には車室内より低い位置に下降して路面から一定寸法の高さに至ると、前記車輪格納機能により自動的に駆動輪が取り出される構成とした車椅子。
  2. 請求項1記載の車椅子であって、駆動輪を回転操作するための操作盤を備え、前記駆動輪が格納されると、電動モータの電源回路が遮断されて前記操作盤の操作が無効になるインターロック機構を備えた車椅子。
  3. 請求項2記載の車椅子であって、操作盤として、主として着座者が操作するための主操作盤と、主として介護者が操作するための補助操作盤を備えた車椅子。
  4. 請求項1記載の車椅子であって、電動モータの電源回路に常時閉形のスイッチを組み込み、車輪を格納すると、車輪または車輪の格納に伴い移動する部材により前記スイッチが操作されて、前記電動モータの電源回路を遮断する構成とした車椅子。
  5. 請求項1記載の車椅子であって、車室内において座席として用いられる車椅子。
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