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JP3833199B2 - 相補信号発生回路 - Google Patents

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JP3833199B2
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Description

本発明は、相補的な正相信号と逆相信号とを出力する相補信号発生回路に関する。
この種の相補信号発生回路として、例えばボルテージフォロアのオフセットをキャンセルするため、その反転入力端子に一端が接続された容量の他端を、非反転入力端子と出力端子との間で切り替えるように接続された複数スイッチを、出力する相補信号で切替えるべく、インバータの入力信号と出力信号とで形成された相補信号を出力するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
またこの相補信号発生回路として、入力信号を入力する入力端子と、正相信号及び逆相信号をそれぞれ出力する第1と第2の出力端子とを有し、入力端子と第1の出力端子との間には入力信号のタイミング調整を行う第1の論理回路が接続され、入力端子と第2の出力端子との間にも逆相信号の出力タイミング調整を行う第2の論理回路が接続された構成のものがあった(例えば、特許文献2参照)。
特開平2001―188615号公報(第3頁、図4) 特開平6―152346号公報(第3−4頁、図1)
上記した特許文献1のようにインバータを用いた回路では、インバータの入力信号が、その閾値電圧を越えないと信号が伝播されないため、相補信号となるインバータの入力信号と出力信号との間では、反転タイミングがずれてしまう。また、特許文献2の場合にも、反転タイミングがずれた相補信号が出力される点で、特許文献1と同じであった。
以上のように、反転タイミングがずれた相補信号によって、例えば前記したオフセットキャンセル回路を駆動すると、容量による充放電のタイミングが不正確となり、オフセットのキャンセルが正確に行われない等の問題があった。
本発明の目的は、上記した問題点を解決すべく、1周期に2つある反転タイミングの、少なくとも一方の反転タイミングが揃った相補信号を出力する相補信号発生回路を提供することにある。
本発明の相補信号発生回路は、第1の論理値と第2の論理値間で変化する、相補的な正相信号と逆相信号とを出力する相補信号発生回路において、
第1の論理値と第2の論理値間で変化する入力信号に対して、同相の正相中間信号を出力する正相中間信号出力部と逆相の逆相中間信号を出力する逆相中間信号出力部とを有する信号形成部と、前記入力信号の前記第1の論理値から前記第2の論理値への状態変化から、所定時間遅延して一方の論理値から他方の論理値に状態変化し、前記入力信号の前記第2の論理値から前記第1の論理値への状態変化に対して所定時間先行して前記他方の論理値から前記一方の論理値に状態変化するスイッチング信号を生成するスイッチング信号生成部と、前記スイッチング信号の、前記一方の論理値から前記他方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と正相信号出力部とを、且つ前記逆相中間信号出力部と逆相信号出力部とを、各々同時に導通し、前記スイッチング信号の前記他方の論理値から前記一方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と前記正相信号出力部との導通、及び前記逆相中間信号出力部と前記逆相信号出力部との導通を解除する第1の接続手段と、前記入力信号が前記第1の論理値である所定の期間、前記正相信号出力部及び前記逆相信号出力部の各状態を、個々に前記第1の論理値及び第2の論理値とする駆動手段とを有し、
前記第1の接続手段が、前記正相中間信号出力部と前記正相信号出力部との間にソース、ドレインが接続されたFETと、前記逆相中間信号出力部と前記逆相信号出力部との間にソース、ドレインが接続されたFETとを備え、各FETがゲートに入力する前記スイッチ信号に基づいて同時に制御されることを特徴とする。
また、別の発明による相補信号発生回路は、第1の論理値と第2の論理値間で変化する、相補的な正相信号と逆相信号とを出力する相補信号発生回路において、
第1の論理値と第2の論理値間で変化する入力信号に対して、同相の正相中間信号を出力する正相中間信号出力部と逆相の逆相中間信号を出力する逆相中間信号出力部とを有する信号形成部と、前記入力信号の前記第1の論理値から前記第2の論理値への状態変化から、所定時間遅延して一方の論理値から他方の論理値に状態変化し、前記入力信号の前記第2の論理値から前記第1の論理値への状態変化に対して所定時間先行して前記他方の論理値から前記一方の論理値に状態変化する第1のスイッチング信号と、前記入力信号の前記第2の論理値から前記第1の論理値への状態変化から、所定時間遅延して一方の論理値から他方の論理値に状態変化し、前記入力信号の前記第1の論理値から前記第2の論理値への状態変化に対して所定時間先行して前記他方の論理値から前記一方の論理値に状態変化する第2のスイッチング信号とを生成するスイッチング信号生成部と、前記第1のスイッチング信号の、前記一方の論理値から前記他方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と正相信号出力部とを、且つ前記逆相中間信号出力部と逆相信号出力部とを、各々同時に導通し、前記第1のスイッチング信号の前記他方の論理値から前記一方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と前記正相信号出力部との導通及び前記逆相中間信号出力部と前記逆相信号出力部との導通を共に解除する第1の接続手段と、
前記第2のスイッチング信号の、前記一方の論理値から前記他方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と正相信号出力部とを、且つ前記逆相中間信号出力部と逆相信号出力部とを、各々同時に導通し、前記第2のスイッチング信号の前記他方の論理値から前記一方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と前記正相信号出力部との導通及び前記逆相中間信号出力部と前記逆相信号出力部との導通を共に解除する第2の接続手段とを有し、
前記第1及び第2の接続手段が、それぞれ前記正相中間信号出力部と前記正相信号出力部との間にソース、ドレインが接続されたFETと、前記逆相中間信号出力部と前記逆相信号出力部との間にソース、ドレインが接続されたFETとを備え、前記第1の接続手段の各FETがゲートに入力する前記第1のスイッチ信号に基づいて同時に制御され、且つ前記第2の接続手段の各FETがゲートに入力する前記第2のスイッチ信号に基づいて同時に制御されることを特徴とする。
本発明によれば、出力される相補信号の一方の立ち上りと他方の立ち下り、或いは一方の立ち下りと他方の立ち上りの少なくもどちらかの各反転タイミングを揃えることができるので、例えば複数のスイッチを相補信号によって同時に切替える回路のためのスイッチ切り替え信号供給手段として好適な相補信号発生回路を提供することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明に基づく実施の形態1の相補信号発生回路1の構成を示す回路図である。
同図に示すように、相補信号発生回路1の入力部11は、インピーダンス変換を兼ねたインバータ2,4の各入力部に接続されると共にPチャンネル型FET8のゲートに接続されている。インバータ2の出力部は、インバータ3の入力部に接続されると共にNチャンネル型FET9のゲートに接続されている。
アナログスイッチ6は、並列接続されたPチャンネル型とNチャンネル型の一対のFETで構成され、一方の接続端子にはインバータ3の出力部が接続され、他方の接続端子には相補信号発生回路1の正相信号出力部12が接続されている。またアナログスイッチ6と同構成アナログスイッチ7の一方の接続端子にはインバータ4の出力部が接続され、他方の接続端子には相補信号発生回路1の逆相信号出力部13が接続されている。
相補信号発生回路1のスイッチ信号入力部14は、アナログスイッチ6及び7のNチャンネル型FETの各ゲートに接続されると共に、インバータ5を介してアナログスイッチ6及び7のPチャンネル型FETの各ゲートに接続されている。そして、電源と逆相信号出力部13間には、Pチャンネル型FET8のソースとドレインがそれぞれ接続され、正相信号出力部12とグランド間にはNチャンネル型FET9のドレインとソースがそれぞれ接続されている。
尚、アナログスイッチ6及び7が第1の接続手段に相当し、Pチャンネル型FET8及びNチャンネル型FET9が駆動手段に相当する。
以上のように構成された相補信号発生回路1の動作について、その各部における信号波形を示す図2のタイミングチャートを参照しながら、以下に説明する。
図2に示すように、スイッチ信号入力部14に入力するスイッチ信号Sは、入力部11に入力する入力信号Sに対して、所定時間Tdだけ遅れて立ち上ると共に、所定時間Tdだけ先行して立下がる信号であり、これらの入力信号S及びスイッチ信号Sの形成については、後に詳しく説明する。尚、説明の簡単のため、各素子は、信号反転に同程度の遷移時間を有し、更に、入力の閾値電圧が、相補信号発生回路1の電源電圧Vcの50パーセント程度とする。
図2のタイミングチャートに示すように、時刻tの初期状態において、入力信号S及びスイッチング信号Sは共に第1の論理値に相当する“L”レベルであり、アナログスイッチ6,7は、各々の接続端子間を非導電状態とするオフ状態となっている。また、入力信号Sが“L”レベルであるため、インバータ出力信号S、Sが共に第2の論理値に相当する“H”レベル、インバータ出力信号Sが“L”レベルとなっている。更に、Pチャンネル型FET8及びNチャンネル型FET9は、共にオン状態にあるため、正相出力信号S及び逆相出力信号Sは、それぞれ“L”及び“H”状態となっている。
その後、時刻tに入力信号Sが立ち上ると、遅延時間T後の時刻tにインバータ出力信号S、Sが共に立ち下り、この時刻tから更に遅延時間Tだけ遅延した時刻tにインバータ出力信号Sが立ち上る。そして、これらの時刻t、tに、Pチャンネル型FET8及びNチャンネル型FET9は、それぞれターンオフするため、正相出力端子12及び逆相出力端子13はフローティング状態となるが、各アナログスイッチ5,6が依然としてオフ状態のため正相出力信号S及び逆相出力信号Sは、それぞれ“L”及び“H”レベル状態を維持する。
そして、インバータ出力信号Sが“H”レベルに、且つインバータ出力信号Sが“L”レベルに至った後の時刻tに、入力信号Sから所定の遅延時間Tdだけ遅れてスイッチ信号Sが立ち上る。従って、この時刻tから遅延時間T後の時刻tに、各アナログスイッチ5,6のNチャンネル型FETが同時にターンオンし、更に続いて、Pチャンネル型FETがターンオンする。このとき、アナログスイッチ6,7は、各々の接続端子間を導電状態とするオン状態となる。
従って、正相出力信号S及び逆相出力信号Sは、各アナログスイッチ5,6のNチャンネル型FETのターンオンに伴って、それぞれ同時に“H”及び“L”の各レベルに反転する。
その後、時刻t11での入力信号Sの立ち下りに先行する時刻t10に、スイッチ信号Sが立ち下ると、各アナログスイッチ5,6は共に再びオフ状態となって、正相出力端子12及び逆相出力端子13はフローティング状態となるが、Pチャンネル型FET8及びNチャンネル型FET9が依然としてオフ状態のため、正相出力信号S及び逆相出力信号Sは、それぞれ“H”及び“L”の各レベル状態を維持する。
そして、時刻t11に入力信号Sが立ち下ると、遅延時間T後の時刻t12にインバータ出力信号S,Sが共に立ち上り、この時刻t12から更に遅延時間Tだけ遅延した時刻t13にインバータ出力信号Sが立ち下る。そして、これらの時刻t12及び時刻t13に、Pチャンネル型FET8及びNチャンネル型FET9が、それぞれターンオンするため、逆相出力信号S及び正相出力信号Sは、Pチャンネル型FET8及びNチャンネル型FET9のターンオンに伴って、それぞれ順次
“H”及び“L”の各レベルに反転する。
以後、入力信号S及びスイッチング信号Sが同様の信号反転を繰り返すのに伴って、正相出力信号S及び逆相出力信号Sも同様の信号反転を繰り返す。
尚、出力信号S,S,S,Sを出力する部分が信号形成部に相当し、インバータ出力信号Sが正相中間信号に、またインバータ出力信号Sが逆相中間信号にそれぞれ相当する。
図7は、上記した本実施の形態1の相補信号発生回路1が出力する相補信号S,Sの利用例として、エミッタフォロアのオフセットキャンセル回路を有する電圧回路71に用いた場合の回路構成を示す回路図で、以下その内容について説明する。
同図中、電圧回路71は、例えば液晶表示回路において、D/Aコンバータでアナログ信号に変換された所定ビットの信号をその入力部72に入力し、インピーダンス変換して液晶パネルの駆動信号としてその出力部73から出力するボルテージフォロアとして使用され、その入力部72は、演算増幅器(以下、オペアンプと称す)74の非反転入力端子に接続されると共に、アナログスイッチ75の一方の接続端子に接続されている。オペアンプ74の出力端子は、電圧回路71の出力部73に接続されると共に、アナログスイッチ76及び77の各一方の接続端子に接続されている。アナログスイッチ76の他方の接続端子は、オペアンプ74の反転入力端子に直接接続されると共に、コンデンサ78を介してアナログスイッチ75及び77の各他方の入力端子に接続されている。
そして、相補信号発生回路1の正相信号出力部12はアナログスイッチ75及び76の各のスイッチ信号入力端子75b及び76bにそれぞれ接続されると共に、アナログスイッチ77のスイッチ信号入力端子77aに接続されている。そして、相補信号発生回路1の逆相信号出力部13はアナログスイッチ75及び76の各のスイッチ信号入力端子75a及び76aにそれぞれ接続されると共に、アナログスイッチ77のスイッチ信号入力端子77bに接続されている。
ここで、アナログスイッチ75,76,77は、共に同一構成の素子であるため、アナログスイッチ76を例にとって、その内部構成を説明する。図8は、このアナログスイッチ76の内部構成を示す回路図である。
同図に示すように、アナログスイッチ76は、並列接続されたPチャンネル型とNチャンネル型のFETで構成され、各FETのソース及びドレインに、それぞれ一対の接続端子の一方及び他方が接続されている。また、スイッチ信号入力端子76aは、Pチャンネル型FETのゲートに接続されると共に、スイッチ信号入力端子76bは、Nチャンネル型FETのゲートに接続されている。
以上の構成において、図2のタイミングチャートの時刻t10の状態、即ち正相出力信号Sが“H”
レベル、逆相出力信号Sが“L”となる第1の期間のとき、アナログスイッチ77はオフに、またアナログスイッチ75,76は共にオンとなり、その間、オペアンプ74の入出力間のオフセット電圧がコンデンサ78にチャージされる。一方、タイミングチャートの時刻tの状態、即ち正相出力信号Sが“L”
レベル、逆相出力信号Sが“H”となる第2の期間のとき、アナログスイッチ77はオンに、またアナログスイッチ75,76は共にオフとなって、コンデンサ78にチャージされたオフセットキャンセル分の電荷がオペアンプ74の反転入力端子に重畳されて帰還される。
以上のように、電圧回路71がボルテージフォロアとなる第2の期間に、オペアンプ74の出力端子と反転入力端子間にオフセット分の逆電圧がチャージされたコンデンサ78を介在させることにより、オフセットを相殺するように動作する。
以上のような電圧回路71において、例えば、図2のタイミングチャートの時刻tで発生する正相出力信号Sの立ち上りと、逆相出力信号Sの立ち下りのタイミングがずれると、ボルテージフォロアとなる第2の期間にコンデンサ78にチャージされた電荷が放電し、オフセットがキャンセルされなくなる。一方、時刻t12、t13での、逆相出力信号Sの立ち上り及び正相出力信号Sの立ち下りのタイミングのずれは、オフセット電圧がコンデンサ78にチャージされる第1の期間にあるため、僅かな誤差は問題とならない。
以上のように、実施の形態1の相補信号発生回路1によれば、出力される相補信号の一方の立ち上りと他方の立ち下り、或いは一方の立ち下りと他方の立ち上りのどちらかの反転タイミングを揃えることができるので、容量とスイッチを用いてボルテージフォロアのオフセットをキャンセルするオフセットキャンセル回路のスイッチ切替え信号に用いて好適な相補信号を提供することができる。
実施の形態2.
図3は、本発明に基づく実施の形態2の相補信号発生回路21の構成を示す回路図である。
同図に示すように、相補信号発生回路21の入力部31は、インピーダンス変換を兼ねたインバータ22,24の各入力部に接続され、インバータ22の出力部はインバータ23の入力部に接続されている。インバータ23の出力部は、並列接続されたPチャンネル型とNチャンネル型の一対のFETで構成されアナログスイッチ27,29の各一方の接続端子に接続され、インバータ24の出力部は同じく並列接続されたPチャンネル型とNチャンネル型の一対のFETで構成されたアナログスイッチ28,30の各一方の接続端子に接続されている。
アナログスイッチ27,29の各他方の接続端子は共に相補信号発生回路21の正相信号出力部32に接続され、アナログスイッチ28,30の各他方の接続端子は共に相補信号発生回路21の逆相信号出力部33に接続されている。相補信号発生回路21の第1スイッチ信号入力部34は、アナログスイッチ27及び28のNチャンネル型FETの各ゲートに接続されると共に、インバータ25を介してアナログスイッチ27及び28のPチャンネル型FETの各ゲートに接続されている。そして相補信号発生回路21の第2スイッチ信号入力部35は、アナログスイッチ29及び30のNチャンネル型FETの各ゲートに接続されると共に、インバータ26を介してアナログスイッチ29及び30のPチャンネル型FETの各ゲートに接続されている。尚、アナログスイッチ29及び30が第2の接続手段に相当する。
以上の構成による相補信号発生回路21の動作を説明する前に、この相補信号発生回路21の入力部31に入力する入力信号S、第1スイッチ信号入力部34に入力する第1スイッチ信号S及び第2スイッチ信号入力部35に入力する第2スイッチ信号Sについて説明する。図5は、これらの信号を生成する信号生成回路51の回路図であり、図6は、この信号生成回路51の各部における信号波形を示す信号波形図である。
図5に示すように、信号生成回路51の入力部52は、NOR回路61の一方の入力端子に接続され、更に遅延回路53を介して信号生成回路51の出力部54に接続されると共に、インバータ55を介してNOR回路60の一方の入力端子に接続されている。NOR回路60の出力端子は、信号生成回路51の出力部62に接続されると共に、2つの遅延回路58,59を介してNOR回路61の他方の入力端子に接続され、NOR回路61の出力端子は、信号生成回路51の出力部63に接続されると共に、2つの遅延回路56,57を介してNOR回路60の他方の入力端子に接続されている。尚、各遅延回路53,56,57,58,59は、共に信号遅延時間Tdだけ信号遅延するものとする。
以上の構成において、入力部52には、図6の波形図に示すように、例えば矩形信号Sが印加される。このとき、出力部54からは、矩形信号Sに対して遅延回路53によって遅延時間Tdだけ遅延した信号で、前記した図3の相補信号発生回路21の入力部31に入力する入力信号Sが出力される。
時刻t50における矩形信号Sの立ち上りで、その反転信号S10及び出力部63から出力され、前記した図3の相補信号発生回路21の第2スイッチ信号入力部35に入力する第2スイッチ信号Sは共に立ち下る。第2スイッチ信号Sの遅延信号S11は、時刻50から2・Tdだけ遅れた時刻t51に立ち下り、これによって、出力部62から出力され、前記した図3の相補信号発生回路21の第1スイッチ信号入力部34に入力する第1スイッチ信号Sが立ち上る。
時刻t52に矩形信号Sが立ち下ると、その反転信号S10が立ち上るため、第1スイッチ信号Sが立ち下る。この第1スイッチ信号Sの遅延信号S12は、時刻t52から2・Tdだけ遅れた時刻t53に立ち下り、これによって第2スイッチ信号Sが再び立ち上る。その後、時刻t54に矩形信号Sが立ち上り、これによって第2のスイッチ信号Sは立ち下る。
以上のようにして、矩形信号Sのレベル変化に同期した入力信号S、第1スイッチ信号S、及び第2スイッチ信号Sのレベル変化が繰り返される。結局、第1スイッチ信号Sは、入力信号Sの立ち上りから遅延時間Td後に立ち上ると共に、入力信号Sの立ち下り前に遅延時間Tdだけ先行して立ち下る信号波形を有し、一方第2スイッチ信号Sは、入力信号Sの立ち下りから遅延時間Td後に立ち上ると共に、入力信号Sの立ち上り前に遅延時間Tdだけ先行して立ち下る信号波形を有する。尚、この入力信号S及び第1スイッチ信号Sは、前記した図1で説明した入力信号S及びスイッチ信号Sに相当する。
以上のようにして形成される入力信号S、第1スイッチ信号S、及び第2スイッチ信号Sを入力する相補信号発生回路21(図3)の動作について、その各部における信号波形を示す図4のタイミングチャートを参照しながら、以下に説明する。
尚、説明の簡単のため、各素子は、信号反転に同程度の遷移時間を有し、更に、入力の閾値電圧が、相補信号発生回路21の電源電圧Vcの50パーセント程度とする。
図4のタイミングチャートに示すように、時刻t20の初期状態において、入力信号S、第1スイッチ信号S及び第2スイッチ信号Sは共に“L”レベルであり、アナログスイッチ27,28,29,30は、各々の接続端子間が非導電状態となってオフ状態となっている。また、入力信号Sが“L”レベルであるため、インバータ出力信号S15,S16が共に“H”レベル、インバータ出力S17が“L”レベルとなっている。
このとき、正相出力端子32及び逆相出力端子33は、共にフローティング状態であるが、後述するフローティング状態になる前の状態、即ち正相出力信号S18が“L”レベル状態を、また逆相出力信号S19が“H”レベル状態をそれぞれ維持している。
その後、時刻t21に入力信号Sが立ち上ると、遅延時間T後の時刻t22にインバータ出力信号S15、S16が共に立ち下り、この時刻t22から更に遅延時間Tだけ遅延した時刻t23にインバータ出力信号S17が立ち上る。そして、インバータ出力信号S16が“L”レベルに、且つインバータ出力信号S17が“H”レベルに至った後の時刻t24に、入力信号Sから所定の遅延時間Tdだけ遅れて第1スイッチ信号Sが立ち上る。従って、この時刻t24から遅延時間T後の時刻t25に、アナログスイッチ27,28のNチャンネル型FETが同時にターンオンし、更に続いて、Pチャンネル型FETがターンオンする。このとき、アナログスイッチ27,28は、各々の接続端子間を導電状態とするオン状態となる。
従って、正相出力信号S18及び逆相出力信号S19は、アナログスイッチ27,28のNチャンネル型FETのターンオンに伴って、それぞれ同時に“H”及び“L”の各レベルに反転する。
その後、時刻t31での入力信号Sの立ち下りに先行する時刻t30に、スイッチ信号Sが立ち下ると、各アナログスイッチ27,28は共に再びオフ状態となって、正相出力端子12及び逆相出力端子13はフローティング状態となるが、正相出力信号S18及び逆相出力信号S19は、それぞれ“H”及び“L”レベル状態を維持する。
そして、時刻t31に入力信号Sが立ち下ると、遅延時間T後の時刻t32にインバータ出力信号S15、S16が共に立ち上り、この時刻t32から更に遅延時間Tだけ遅延した時刻t33にインバータ出力信号S17が立ち下る。そして、インバータ出力信号S16が“H”レベルに、且つインバータ出力信号S17が“L”レベルに至った後の時刻t34に、入力信号Sの立ち下りから所定の遅延時間Tdだけ遅れて第2スイッチ信号Sが立ち上る。従って、この時刻t34から遅延時間T後の時刻t35に、アナログスイッチ29,30のNチャンネル型FETが同時にターンオンし、更に続いて、Pチャンネル型FETがターンオンする。このとき、アナログスイッチ29,30は、各々の接続端子間を導電状態とするオン状態となる。
従って、正相出力信号S18及び逆相出力信号S19は、アナログスイッチ29,30のNチャンネル型FETのターンオンに伴って、それぞれ同時に“L”及び“H”の各レベルに反転する。その後、時刻t36に第2スイッチ信号S6が、入力信号Sの立ち上りに先行して立ち下ると、アナログスイッチ29,30は再びオフ状態となり、正相出力端子32及び逆相出力端子33は、共にフローティング状態となるが、正相出力信号S18及び逆相出力信号S19は、フローティング状態になる前の状態、即ち
“L”レベル状態及び“H”レベル状態をそれぞれ維持する。この状態が前記した時刻t20の状態に相当し、以後、入力信号Sのレベル変化に応じて同様の動作が繰り返される。
以上の相補信号発生回路21は、例えば、前記した電圧回路71(図7)のスイッチ信号供給回路として、同図の相補信号発生回路1に代えて使用され、この場合、正相出力信号SがS18となり、逆相出力信号SがS19となる。
以上のように、実施の形態2の相補信号発生回路によれば、出力される相補信号の一方の立ち上りと他方の立ち下り、或いは一方の立ち下りと他方の立ち上りの両方の反転タイミングを揃えることができるので、例えば図7に示すような、複数のスイッチを相補信号によって同時に切替える回路のスイッチ切り替え信号供給回路として用いることにより、常にスイッチの切替えタイミングの揃った回路動作を可能とすることができる。
尚、上記した実施の形態では、スイッチング素子としてMOSFETを用いて説明したが、これに限定されるものではなく、双方向へ電流を流せる素子であれば良いなど種々の態様を取りえるものである。
本発明に基づく実施の形態1の相補信号発生回路1の構成を示す回路図である。 相補信号発生回路1の各部における信号波形を示すタイミングチャートである。 本発明に基づく実施の形態2の相補信号発生回路21の構成を示す回路図である。 相補信号発生回路21の各部における信号波形を示すタイミングチャートである。 入力信号S、第1スイッチ信号S及び第2スイッチ信号Sを生成する信号生成回路51の回路図である。 信号生成回路51の各部における信号波形を示す信号波形図である。 相補信号発生回路1が出力する相補信号S,Sを、電圧回路71に用いた場合の回路構成を示す回路図である。 電圧回路71のアナログスイッチ76の内部構成を示す回路図である。
符号の説明
1 相補信号発生回路、 2,3,4,5 インバータ、 6,7 アナログスイッチ、 8 Pチャンネル型FET、 9 Nチャンネル型FET、 11 入力部、 12 正相信号出力部、 13 逆相信号出力部、 14 スイッチ信号入力部、 21 相補信号発生回路、 22,23,24,25,26 インバータ、 27,28,29,30 アナログスイッチ、 31 入力部、 32 正相信号出力部、 33 逆相信号出力部、 34 第1スイッチ信号入力部、 35 第2スイッチ信号入力部、 51 信号生成回路、 52 入力部、 53,56,57,58,59 遅延回路、 54,62,63 出力部、 60,61 NOR回路、 71 電圧回路、 72 入力部、 73 出力部、 74 オペアンプ、 75,76,77 アナログスイッチ、 78 コンデンサ。

Claims (4)

  1. 第1の論理値と第2の論理値間で変化する、相補的な正相信号と逆相信号とを出力する相補信号発生回路において、
    第1の論理値と第2の論理値間で変化する入力信号に対して、同相の正相中間信号を出力する正相中間信号出力部と逆相の逆相中間信号を出力する逆相中間信号出力部とを有する信号形成部と、
    前記入力信号の前記第1の論理値から前記第2の論理値への状態変化から、所定時間遅延して一方の論理値から他方の論理値に状態変化し、前記入力信号の前記第2の論理値から前記第1の論理値への状態変化に対して所定時間先行して前記他方の論理値から前記一方の論理値に状態変化するスイッチング信号を生成するスイッチング信号生成部と、
    前記スイッチング信号の、前記一方の論理値から前記他方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と正相信号出力部とを、且つ前記逆相中間信号出力部と逆相信号出力部とを、各々同時に導通し、前記スイッチング信号の前記他方の論理値から前記一方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と前記正相信号出力部との導通、及び前記逆相中間信号出力部と前記逆相信号出力部との導通を解除する第1の接続手段と、
    前記入力信号が前記第1の論理値である所定の期間、前記正相信号出力部及び前記逆相信号出力部の各状態を、個々に前記第1の論理値及び第2の論理値とする駆動手段と
    を有し、
    前記第1の接続手段が、前記正相中間信号出力部と前記正相信号出力部との間にソース、ドレインが接続されたFETと、前記逆相中間信号出力部と前記逆相信号出力部との間にソース、ドレインが接続されたFETとを備え、各FETがゲートに入力する前記スイッチ信号に基づいて同時に制御される
    ことを特徴とする相補信号発生回路。
  2. 第1の論理値と第2の論理値間で変化する、相補的な正相信号と逆相信号とを出力する相補信号発生回路において、
    第1の論理値と第2の論理値間で変化する入力信号に対して、同相の正相中間信号を出力する正相中間信号出力部と逆相の逆相中間信号を出力する逆相中間信号出力部とを有する信号形成部と、
    前記入力信号の前記第1の論理値から前記第2の論理値への状態変化から、所定時間遅延して一方の論理値から他方の論理値に状態変化し、前記入力信号の前記第2の論理値から前記第1の論理値への状態変化に対して所定時間先行して前記他方の論理値から前記一方の論理値に状態変化する第1のスイッチング信号と、前記入力信号の前記第2の論理値から前記第1の論理値への状態変化から、所定時間遅延して一方の論理値から他方の論理値に状態変化し、前記入力信号の前記第1の論理値から前記第2の論理値への状態変化に対して所定時間先行して前記他方の論理値から前記一方の論理値に状態変化する第2のスイッチング信号とを生成するスイッチング信号生成部と、
    前記第1のスイッチング信号の、前記一方の論理値から前記他方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と正相信号出力部とを、且つ前記逆相中間信号出力部と逆相信号出力部とを、各々同時に導通し、前記第1のスイッチング信号の前記他方の論理値から前記一方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と前記正相信号出力部との導通及び前記逆相中間信号出力部と前記逆相信号出力部との導通を共に解除する第1の接続手段と、
    前記第2のスイッチング信号の、前記一方の論理値から前記他方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と正相信号出力部とを、且つ前記逆相中間信号出力部と逆相信号出力部とを、各々同時に導通し、前記第2のスイッチング信号の前記他方の論理値から前記一方の論理値への状態変化に応じて、前記正相中間信号出力部と前記正相信号出力部との導通及び前記逆相中間信号出力部と前記逆相信号出力部との導通を共に解除する第2の接続手段と
    を有し、
    前記第1及び第2の接続手段が、それぞれ前記正相中間信号出力部と前記正相信号出力部との間にソース、ドレインが接続されたFETと、前記逆相中間信号出力部と前記逆相信号出力部との間にソース、ドレインが接続されたFETとを備え、前記第1の接続手段の各FETがゲートに入力する前記第1のスイッチ信号に基づいて同時に制御され、且つ前記第2の接続手段の各FETがゲートに入力する前記第2のスイッチ信号に基づいて同時に制御される
    ことを特徴とする相補信号発生回路。
  3. 前記第1の論理値が“L”レベルに相当し、前記第2の論理値が“H”レベルに相当することを特徴とする請求項1又は2に記載の相補信号発生回路。
  4. 前記第1と第2の接続手段が、一対の、並列接続されたPチャンネル型FETとNチャンネル型FETとで構成されたアナログスイッチを有することを特徴とする請求項2記載の相補信号発生回路。
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