JP3817045B2 - 溶融塩型高分子電解質 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、室温で溶融塩となる高分子電解質に関するものであり、特に温度安定性及び力学的特性に優れたイオン伝導性高分子電解質に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池等の電解質材料として、無機化合物を混合したものを高温に加熱溶融させたものが知られているが、一般的に無機化合物を混合した系で得られる溶融塩は、低融点と言われているものでも300℃程度であり、実用電池として利用するためには、その融点を飛躍的に低下させることが課題とされていた。
【0003】
そこで、室温でも充分なイオン伝導度を発現する試みが行われており、有機化合物の塩に無機塩を添加して得られる室温溶融塩の開発が行われてきた。
例えば、特開昭60−133669号、同60−133670号及び同60−136180号公報には、アルミニウムハロゲン化物と1,3−ジアルキルイミダゾールハライドあるいは1,2,3−トリアルキルイミダゾールハライドの混合物を用いた電解質が開示されている。
しかしながら、前記の化合物を用いた電解質は、室温で溶融し高いイオン伝導性を示すものの、アルミニウムハロゲン化物が、僅かな水分の混入によって分解する難点があり、また溶融塩の相状態が温度変化に対して不安定であるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等はこのような事情に鑑み種々の試験を繰り返した結果、既に1,3ジアルキルイミダゾールハライド、1,2,3−トリアルキルイミダゾールハライド、1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムハライド、1−ビニル−2,3−ジアルキルイミダゾリウムハライド、1,3−ジアルキル−4(5)−ビニルイミダゾリウムハライドなどから選ばれるイミダゾリウム誘導体に酸モノマー、ポリ(ビニルスルホンアミド)化合物、トリフルオロメタンスルホンイミド類などを反応させて得られる溶融塩モノマーに、重合開始剤を添加して重合させるなどして得られた溶融塩ポリマーを電解質として用いることによって、室温で高いイオン伝導性を示し、且つ温度安定性に優れた高分子電解質が得られることを知見した。(特願平8−207927号、同9−143552号)
【0005】
前記の電解質として使用される溶融塩ポリマーは、三つの大さな特徴を有している。
その一つは、非晶質であり低いガラス転移温度を有するため、室温においても高いセグメント運動性を発現する点である。
高分子化合物は、一般に結晶性を示したり高いガラス転移温度を持つために、運動性が小さくイオン伝導に適切なマトリックスを得ることが困難であったが、本発明の溶融塩ポリマーは、溶融塩を形成する際にイミダゾリウム誘導体のモノマー塩を用いることにより、容易にカチオンドーピングができ、高い柔軟性を有し優れたイオン伝導性マトリックスになることが期待される。
【0006】
第二の特徴は、溶融塩ポリマーの合成がバルク中で重合させることによって、極めて簡便に実施しうる点である。
また酸モノマーの重合体であるイオノマーをあらかじめ調製しておき、これにイミダゾリウム塩誘導体を添加し、処理することによっても合成することが可能である。この際には分子量(重合度)が既知の重合体を用いることができるので、より均質なマトリックスを合成することができる。
イオン伝導性高分子マトリックスとして高分子化合物を用いる場合、充分に広い電位窓を確保する必要がある。一般に微量の混合物によっても電位窓は大幅に狭められるため、副生物の除去が不可欠である。本発明における溶融塩ポリマーの合成においては、重合開始剤として使用する化合物が電気的に不活性であるため、合成後の精製処理を特に必要としない。
【0007】
第三の特徴は、溶融塩ポリマーの性質が水分の混入や温度変化などの外部因子に対して、極めて安定である点である。
従来知られている塩化アルミニウムなどのアルミニウムハロゲン化物とイミダゾリウム塩からなる溶融塩は、化学的な安定性が甚だ劣るものであったが、この発明によれば、塩化アルミニウムなどの代わりにイオノマーを用いていることができるので、外部因子に対して著しく安定となり、また力学物性等は溶融塩ポリマーの組成比を変化させたり、必要に応じて諸物性を損なうことなく第三物質を添加することも可能なので、化学的特性を容易に改善しうるものである。
【0008】
本発明は、これらのイオン伝導性ポリマーを電池や素子などの電解質部分に応用するに当って、その薄膜化を図り成形性を改善し、実用性を高めることを意図して為されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の溶融塩型高分子電解質は、既に重合させた高分子酸類,あるいは多孔性高分子固体または高分子薄膜に負電荷を導入したポリアニオン樹脂に、イミダゾリウム塩誘導体、スルホンイミド塩誘導体ないしリチウム塩などを含浸させることを特徴とする。
前記高分子酸類あるいはポリアニオン樹脂の代表例としては、スルホン酸残基を持つナフィオン膜、カルボン酸残基を持つナフィオン膜、テフロン膜に後処理で負電荷を導入した高分子膜、各種の陽イオン交換樹脂、アクリル酸に代表される酸モノマーにジビニルベンゼンなどの二官能性モノマーを重合して得られるポリアクリル酸樹脂、アクリル酸に代表される酸モノマーを重合したのち、成形(キャスト等)処理によって薄膜とし、放射線処理などによって架橋させて得られる高分子薄膜、アクリル酸に代表される酸モノマーを重合したのち、ジアミン類と反応させ、アミド結合を介して架橋させたポリアクリル酸樹脂あるいはその高分子膜、アクリル酸に代表される酸モノマーと水酸基、アミノ基、チオール基、クロロメチル基等の各種反応性基を有するモノマーを共重合したのち、コモノマーと反応する適切な多官能性高分子を添加し、後架橋させて得られるポリアクリル酸樹脂あるいは高分子薄膜などが挙げられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
高分子薄膜の物理的、化学的条件としては、一般のフィルムとして利用できる物性があれば望ましいが、それほどの力学的強度がなくても、耐薬品性や電位窓が電極反応の要求を満たしておれば差し支えない。逆に無孔や連続した細孔の開いていないものは使用に適さない。それ故、細い繊維を編んで造った布なども使用が可能である。
膜には解離基、望ましくは溶融塩形成能を持つ基、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、スルホンイミド酸基などがあるものが望ましく、これによって含浸される溶融塩を安定に保持することができる。
【0011】
本発明によって得られる高分子電解質は、薄膜化可能なものから粒状のものまで幅広い使用形態を持ち、用途に応じて適切な形状を選択することができる。
またこれらの特性は、溶融塩を膜あるいは樹脂として応用する状況に応じて異なる。
薄膜化できる柔軟な高分子電解質膜の最も重要な特徴は、均質な物性の膜を大面積で得られることであり、従来のゲル系電解質での不均質性を改善する上で極めて有効である。
このような薄膜は、例えば、スルホン酸残基を持つナフィオン膜〔NAFION:デュポン社の登録商標、以下同じ〕、カルボン酸残基を持つナフィオン膜あるいは多孔性テフロン膜に後処理で負電荷を導入した高分子膜に、イミダゾリウム塩誘導体、スルホンイミド塩誘導体ないしリチウム塩を含浸すれば良い。
【0012】
一方、粒状体では適切な粒径の粒子表面に調整することができ、且つ内部に連続した溶融塩ドメインを形成しうるので、取扱いが容易でしかも各種形状に合わせて使用しうる導電性充填剤として利用できる。これらの粒状物は陽イオン交換樹脂にイミダゾリウム塩誘導体、スルホンイミド塩誘導体ないしリチウム塩を含浸すれば良い。
さらに、前記のアクリル酸に代表される酸モノマーを重合させたポリアクリル酸樹脂あるいはその高分子薄膜は、架橋の程度により柔軟膜から粒状まで異なる物性値を設計しうるので、要求に応じた応用が可能である。
【0013】
本発明の実施において用いられる溶融塩ポリマーの合成原料であるイミダゾリウム誘導体は、下記の一般式で示される化合物である。
【0014】
【化1】
但し、式中R1 は水素原子、低級アルキル基またはビニール基、R2 は水素原子またはアルキル基、R3 は水素原子または低級アルキル基またはビニル基、R4 及びR5 は水素原子、低級アルキル基またはビニール基、X- は陰イオンを表わす。
【0015】
代表的なイミダゾリウム誘導体としては、1,3−ジメチルイミダゾール、1,2,3−トリメチルイミダゾール、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1−エチル−3−メチルイミダゾール、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾール、1,3−ジメチル−2−ウンデシルイミダール、1,3−ジエチルイミダゾール、2−ジメチル−3−プロピルイミダゾール、1,2,3−トリエチルイミダゾール、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾール、1,3−ジエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−3−メチルイミダゾール、1−ビニル−3−エチルイミダゾール、1−ビニル−2,3−ジメチルイミダゾール、4(5)−ビニルイミダゾール及び1,3−ジメチル−4(5)−ビニルイミダゾールなどのイミダゾール化合物及びその塩が挙げられる。
【0016】
ビニルポリマーを構成するモノマー類としては、スチレン誘導体を使用することも可能であるが、特にアクリル酸、メタクリル酸及びビニルスルホン酸が好適である。 前記イミダゾリウム誘導体とモノマー類を反応させて溶融塩モノマーを合成する工程は、これらを水あるいは有機溶媒中で混合し、副生するハロゲン化水素、無機塩などを溶媒と共に除去すればよい。
溶融塩モノマーを重合して溶融塩ポリマーを合成する工程は、市販されている過硫酸カリウム、過塩酸ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、キュメーンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドなどのラジカル重合開始剤を溶融塩モノマー中に少量添加し、均一に分散させて加熱すれば良い。このほかこれらの重合に際しては紫外線照射、熱開始重合などの手法も可能である。
【0017】
イミダゾリウム誘導体とモノマー類を反応させる工程において、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸などとこれらのアルカリ金属塩を併用することが可能であり、これによって溶融塩ポリマーのイオン伝導性を飛躍的に高めることができる。
また本発明において用いられる溶融塩ポリマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸などの酸モノマーを常法により、重合度10〜1000の重合体とし、これに1,3−ジアルキルイミダゾリウムハライド、1,2,3−トリアルキルイミダゾリウムハライドから選ばれるイミダゾリウム誘導体を反応させて合成することも可能であり、このようにして得られた溶融塩ポリマーも室温で高いイオン伝導性を示すものである。
【0018】
1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムハライド、1−ビニル−2,3−ジアルキルイミダゾリウムハライドなどの1位にビニル基を有するアルキルイミダゾリウム誘導体を用いる場合は、これらのイミダゾリウム誘導体とカルボン酸、スルホン酸、スルホン酸化合物などの酸、あるいはアクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸などの酸モノマーを反応して溶融塩モノマーとし、これを重合して溶融塩ポリマーを生成することができる。また、これらのイミダゾリウム誘導体のモノマーを重合させたポリマーと、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸などの酸モノマーの重合体を反応させて、溶融塩ポリマーを生成することができる。
またこれらの1−ビニルイミダゾリウムハライドあるいは4(5)−ビニルイミダゾリウムハライドにトリフルオロメタンスルホンイミドなどの有機酸あるいは無機酸の塩を反応して溶融塩モノマーを調製し、これを重合させて溶融塩ポリマーとすることができる。
【0019】
溶融塩ポリマーは、ポリ(アリルアミン)とトリフルオロメタンスルホニルクロリドを反応させて得られるポリ(ビニルスルホンアミド)をアルカリ金属塩としたイオノマーとして、イミダゾリウム誘導体と反応させる方法によっても得ることができる。
また1位にビニル基を有するイミダゾリウム化合物にハロゲン化アルキルスルホンアミドを反応させることにより得られる、1モノマー単位内にイミダゾリウム構造(カチオン)とスルホンアミド構造(アニオン)を有する溶融塩モノマーとしてこれを重合させるか、あるいは4(5)−ビニルイミダゾールにハロゲン化アルキルスルホンアミドを反応させて得られるジアルキルスルホンアミドビニルイミダゾリウム塩からなる、1モノマー単位中に溶融塩構造とキャリアイオン生成能を有するスルホンアミド基を同時に併せ持つシングルイオン伝導体となる溶融塩モノマーとし、これを重合させて造ることができる。また、1−エチル−3−スルホニルエチルイミダゾリウムハライドと前記ポリ(アリルアミン)を反応させることにより、溶融塩ポリマーを得ることができる。
【0020】
さらに本発明の溶融塩ポリマーは、イミダゾリウム誘導体にジスルホニルクロリドとジアミンを反応させて得られるポリ(スルホンアミド)のアルカリ金属塩を反応させて調製することができる。
このようにして造った溶融塩ポリマーも前記と同様に室温で高いイオン伝導性を示すものであり、さらにその力学的特性を改善することができる。
【0021】
本発明の実施において、イミダゾリウム誘導体の対アニオンとしては、ハロゲンを用いることも可能であるが、電荷がより非局在化した形態となっているスルホンイミド塩、スルホンアミド塩なども好適である。
イミダゾリウム誘導体とこれらのスルホンイミドあるいはスルホンアミドの塩を反応させ、イミダゾリウム誘導体の対アニオン交換を行うことによって、さらに融点の低い溶融塩モノマーが得られる。
【0022】
本発明の溶融塩型高分子電解質は、既に重合させた高分子酸類,あるいは多孔性高分子固体または高分子膜に負電荷を導入したポリアニオン樹脂に、イミダゾリウム塩誘導体、スルホンイミド塩誘導体ないしリチウム塩などを含浸させて利用することができる。
前記高分子酸類あるいはポリアニオン樹脂としては、スルホン酸残基を持つナフィオン膜、カルボン酸残基を持つナフィオン膜、テフロン膜に後処理で負電荷を導入した高分子膜、各種の陽イオン交換樹脂、アクリル酸に代表される酸モノマーにジビニルベンゼンなどの二官能性モノマーを重合して得られるポリアクリル酸樹脂、アクリル酸に代表される酸モノマーを重合したのち、成形(キャスト等)処理によって薄膜とし、放射線処理などによって架橋させて得られる高分子薄膜、アクリル酸に代表される酸モノマーを重合したのち、ジアミン類と反応させ、アミド結合を介して架橋させたポリアクリル酸樹脂あるいはその高分子膜、アクリル酸に代表される酸モノマーと水酸基、アミノ基、チオール基、クロロメチル基等の各種反応性基を有するモノマーを共重合したのち、コモノマーと反応する適切な多官能性高分子を添加し、後架橋させて得られるポリアクリル酸樹脂あるいは高分子薄膜などが挙げられる。
【0023】
高分子薄膜の物理的、化学的条件としては、一般のフィルムとして利用できる物性があれば望ましいが、それほどの力学的強度がなくても、耐薬品性や電位窓が電極反応の要求を満たしておれば差し支えない。逆に無孔や連続した細孔の開いていないものは使用に適さない。それ故、細い繊維を編んで造った布なども使用が可能である。
膜には解離基、望ましくは溶融塩形成能を持つ基、例えばカルボン酸基、スルオン酸基、スルホンイミド酸基なとがあるものが望ましく、これによって含浸される溶融塩を安定に保持することができる。
【0024】
本発明によって得られる高分子電解質は、薄膜化可能なものから粒状のものまで幅広い使用形態を持ち、用途に応じて適切な形状を選択することができる。
またこれらの特性は、溶融塩を膜あるいは樹脂として応用する状況に応じて異なる。
薄膜化できる柔軟な高分子電解質膜の最も重要な特徴は、均質な物性の膜を大面積で得られることであり、従来のゲル系電解質での不均質性を改善する上で極めて有効である。
【0025】
このような薄膜は、例えば、スルホン酸残基を持つナフィオン膜〔NAFION:デュポン社の登録商標、以下同じ〕、カルボン酸残基を持つナフィオン膜あるいは多孔性テフロン膜に後処理で負電荷を導入した高分子膜であり、これらにイミダゾリウム塩誘導体、スルホンイミド塩誘導体ないしリチウム塩を含浸すれば良い。
一方、粒状体では適切な粒径の粒子表面に調整することができ、且つ内部に連続した溶融塩ドメインを形成しうるので、取扱いが容易でしかも各種形状に合わせて使用しうる導電性充填剤として利用できる。これらの粒状物は陽イオン交換樹脂にイミダゾリウム塩誘導体、スルホンイミド塩誘導体ないしリチウム塩を含浸すれば良い。
さらに、前記のアクリル酸に代表される酸モノマーを重合させたポリアクリル酸樹脂あるいはその高分子薄膜は、架橋の程度により柔軟膜から粒状まで異なる物性値を設計しうるので、要求に応じた応用が可能である。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を参考例及び実施例によって具体的に説明する。
〔参考例1〕
1−エチルイミダゾールとブロモエタンを反応させて得た1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド7.25gとメタクリル酸3.05gを20mlのアセトニトリル中に添加し、室温において撹拌、溶解して系が均一になったことを確認したのち、室温で2時間にわたって溶媒と生成する臭化水素を減圧下に留去した。さらに反応生成物にアセトン20mlを加えて、再度減圧蒸留を行って溶媒を除き、得られた溶融塩モノマーより臭化水素を取り除いた。
【0027】
前記溶融塩モノマーに、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.029g(ビニールモノマーユニットに対して5モル%)を添加し、5mlのエタノールを加えてモノマー類を反応させ、得られる溶融塩モノマーにラジカル重合開始剤を添加し、さらに5mlのエタノールを加えて均一に分散させたのち、次いでこれを70℃の温度で30分間加熱して重合させたのち、溶媒を減圧留去して下式で示される溶融塩ポリマーを調製した。
【0028】
【化2】
式中、nは2〜100を表す。
【0029】
前記溶融塩ポリマーは、重合前より粘度が増加して流動性を示さない無色透明のゴム状化合物となり、またその力学的物性から優れたフィルムとして成形できることも確認できた。得られた溶融塩ポリマーの構造を1H−NMRによって確認したところ、図1に示したとおりであり、1,3−ジエチルイミダゾリウムとメタクリル酸が等量系内に存在しており、イミダゾリウムに由来するピークがシフトしていること、並びにカルボン酸の−OH基に由来するピークが認められないことより、1,3−ジエチルイミダゾリウムとメタクリル酸が塩を形成していることが確認された。
【0030】
前記溶融塩ポリマーの運動性を、複素インピーダンス法によるイオン伝導度測定と示差走査熱量計による熱分析を行って解析した。
本品の微小領域におけるイオン伝導度の温度依存性は、図2に示したとおりであり、30℃で1.50×10-4S/cm、50℃で6.56×10-4S/cmという高いイオン伝導性を示した。
【0031】
また示差走査熱量計測定の結果は図3に示したとおりであり、本品は高分子量体であるのにも関わらず、−76.6℃という非常に低いガラス転移温度を示し且つ室温付近で高い運動性を示すことが認められた。またガラス転移点以外の明瞭な吸熱及び発熱を示すピークも認められず、広い温度範囲において無定形であるため、結晶化による物性変化がなく、温度安定性に優れていることも確認された。
【0032】
〔参考例2〕
参考例1において、1−エチルイミダールの代わりに1,2−ジメチルイミダールを用い、これにブロモエタンを反応させて得られた1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムブロマイドを、前記実施例と同様にしてメタクリル酸と反応させ、得られた溶融塩モノマーにラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトルを添加し、加熱重合して溶融塩ポリマーを造った。このようにして得た溶融塩ポリマーは、下式で示されるもので室温では白色の結晶であり、50℃において流動性を示さない白色のゴム状化合物となった。
【0033】
【化3】
式中、nは2〜100を表わす。
【0034】
前記溶融塩ポリマーの運動性について、複素インピーダンス法によるイオン伝導度測定と示差走査熱量計による熱分析から解析した。
本品のイオン伝導性は、30℃で6.8×10-5S/cm、50℃で3.6×10-4S/cmという高い値を示し、また示差走査熱量計測定の結果から、本品のガラス転移温度は−70.4℃であり、室温付近で塩構造に基づく融解ピークが認められ、ガラス転移温度が低いため融点以上においては、非常に高い運動性を示すことが認められた。
【0035】
〔参考例3〕
参考例1において、メタクリル酸の単独使用に代えて、メタクリル酸とメタクリル酸のアルカリ金属塩をモル比で2〜10%混合したものを用いて、1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイドと反応させ、以下前記実施例と同様の処理を行って溶融塩ポリマーを合成した。
メタクリル酸のアルカリ金属塩としては、メタクリル酸のLi塩、Na塩、K塩、Rb塩及びCs塩の夫々を用いて試験を行った。
【0036】
このようにして得られたアルカリ金属イオンを含む溶融塩ポリマーは、いずれの重合反応の前後においても粘性の増加が認められ、アルカリ金属イオンの添加が重合反応を阻害しないことが確認された。
また得られたアルカリ金属イオンを含む溶融塩ポリマーのうち、カリウムイオンを含む系では白濁し、流動性を示さないゴム状化合物となったが、それ以外のアルカリ金属塩を含む系では、薄赤色で透明のゴム状化合物であった。
これらの試験結果から、メタクリル酸のアルカリ金属塩を混入させた場合、参考例1において得られた溶融塩ホモポリマーよりも硬化したものとなり、フィルム成膜性が向上するものと認められた。
【0037】
前記アルカリ金属イオンを含む溶融塩ポリマーのイオン伝導度測定と示差走査熱量計測定による熱分析を行った。アルカリ金属イオンとしてリチウムを用いた場合の、系内におけるリチウムイオン濃度とイオン伝導度の相関は、図4に示したとおりであった。
これらの溶融塩ポリマーのイオン伝導性は、アルカリ金属イオンを含まない溶融塩ポリマーに比べて2〜10倍の高い数値を示し、−130℃から+200℃の示差走査熱量計による分析においても、−60〜−30℃の低いガラス転移温度を示した。さらにガラス転移点以外に明瞭なピークが認められないことから、広い温度範囲において無定形性であり、温度安定性にも優れていることも確認された。
【0038】
〔参考例4〕
あらかじめメタクリル酸のラジカル重合によって合成したポリ(メタクリル酸)〔平均重合度130〕2.92gを50mlの水に溶解した後、これに実施例1と同様にして合成した1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド6.97gを加え、80℃の温度で2時間減圧蒸留を行った。その後さらに水を50ml加えて減圧蒸留を行い臭化水素を除去した。
このようにして得られた溶融塩ポリマーは、混合前のポリ(メタクリル酸)と比較して柔らかいゴム状化合物となり、参考例1において得られた化合物と類似していた。
【0039】
前記溶融塩ポリマーの運動性を、複素インピーダンス法によるイオン伝導度測定と示差走査熱量計による熱分析を行って解析した。
本品の微小領域にイオン伝導度の温度依存性は、30℃で1.20×10-4S/cm、50℃で8.10×10-4S/cmという値であり、参考例1において得られた溶融塩ポリマーとほぼ同等であり、酸モノマーの重合体より合成を行っても同様の化合物が得られることが明らかとなった。
【0040】
示差走査熱量計測定結果、本品は−69.0℃という非常に低いガラス転移温度を示し、且つ室温付近で高い運動性を示すことが認められた。イオン伝導度測定の結果も参考例1において得られた結果と同等であり、ほぼ類似した化合物となっていることが確認された。
【0041】
〔参考例5〕
ポリ(アリルアミン)10%水溶液22gにトリフルオロメタンスルホニルクロリドを加え、攪拌しながら1.50gの水酸化ナトリウムを含む水溶液をゆっくりと滴下し、これを室温で1昼夜攪拌し反応させた。反応溶液のpHが1.0になっていることを確認したのち、反応溶液中に析出した白色沈殿物を遠心分離によって回収した。このようにして得られたポリ(アリルトリフルオロメタンスルホンアミド)0.5gを30%のメタノールを含む水溶液50mlに溶解し、これにスルホンアミド基に対して等モル量の水酸化リチウム63mgを反応させ、減圧蒸留によって溶媒を留去して下式で示されるポリ(アリルトリフルオロメタンスルホンアミド)のリチウム塩を得た。
【0042】
【化4】
式中、nは2〜100を表わす。
【0043】
他方、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、1,2−ジメチルイミダゾリウムブロマイド、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムブロマイド及び2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムブロマイドの夫々に、等モルのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)をアセトニトリル溶媒の存在下で反応させて、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミド、1,2−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミド、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミド及び2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミドを生成し、これらを夫々前記ポリ(アリルトリフルオロメタンスルホンアミド)のリチウム塩のスルホンアミド基に対して等量の割合で30%エタノール水溶液に80℃で溶解させ、45℃の温度で24時間減圧蒸留し、溶媒を留去して夫々下式で示されるリチウム塩を含む溶融塩ポリマーが得られた。
【0044】
【化5】
式中、LiTFSIはリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)、R1 は水素原子、メチル基またはエチル基、R2 は水素原子またはメチル基、R3 はメチル基、エチル基またはプロピル基、nは2〜100を表わす。
【0045】
前記リチウム塩を含む溶融塩ポリマーは、いずれも茶褐色のガラス状固体であり、ポリ(アリルアミン)からポリ(アリルトリフルオロメタンスルホンアミド)への反応の進行は、図5に示したIRスペクトルにおけるCF3 伸縮振動が存在することより確認し、またリチウムイオンの導入は吸光分析から確認した。
上記リチウム塩を含む溶融塩ポリマーのイオン伝導度(30℃)及びガラス転移温度を測定した結果は、下表に示したとおりであり、これらの化合物が室温で非常に高い運動性を有するために高いイオン伝導度を示し、優れたイオン伝導体となることが明らかとなった。
【0046】
【表1】
【0047】
〔参考例6〕
1−ビニルイミダゾールとブロモエタンを反応させて得られた1−ビニル−3−エチルイミダゾリウムブロマイド1.88gとプロピオン酸1.48gを20mlのアセトニトリル中に添加し、室温において撹拌、溶解させて系が均一になったことを確認したのち、室温で20時間にわたって溶媒と生成する臭化水素を減圧下に留去した。さらに反応生成物にアセトン20mlを加え、再度減圧蒸留を行って溶媒を除き、得られた溶融塩モノマーより臭化水素を取り除いた。
【0048】
前記溶融塩モノマーに、ラジカル重合剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.164g(ビニールモノマーユニットに対して5モル%)を添加し、5mlのエタノールを加えてモノマー類を反応させ、得られた溶融塩モノマーにラジカル重合開始剤を添加し、さらに5mlのエタノールを加えて均一に分散させた。
次いでこれを70℃の温度で30分間加熱し重合させて、溶融塩ポリマーを調製した。その後、溶媒を減圧乾燥して得た溶融塩ポリマーは、下式で示されるものであり、流動性を示さない無色透明のゴム状化合物となった。
【0049】
【化6】
式中、nは2〜100を表わす。
【0050】
前記溶融塩ポリマーの運動性を、複素インピーダンス法によるイオン伝導度測定と示差走査熱量計による熱分析を行って解析した。
本品のイオン伝導性は、30℃で3.2×10-5S/cm、50℃で8.8×10-5S/cmであり、ポリ(ビニルイミダゾリウム)を用いても比較的高い運動性を保持できることが明らかとなった。
また示差走査熱量計測定の結果から、本品のガラス転移温度は−62℃であり、またガラス転移点以外の明瞭な吸熱及び発熱を示すピークも認められず、広い温度範囲において無定形性であるため、結晶化による物性変化がなく、温度安定性に優れていることも確認された。
【0051】
〔参考例7〕
比較的低分子量のポリ(メタクリル酸)〔平均重合度50〕1.72gを水50mlに溶解したのち、これに参考例1と同様の方法によって合成した1−ビニル−3−エチルイミダゾリウムブロマイドの重合体であるポリ(ビニル−3−エチルイミダゾリウムブロマイド)〔平均重合度110〕4.06gを添加し、室温において攪拌、溶解させて系が均一になったことを確認したのち、室温で20時間にわたって溶媒と生成する臭化水素を減圧下に留去した。
さらに反応生成物にエタノール20mlを加え、再度減圧蒸留を行い臭化水素を完全に取り除いた。このようにして得られた溶融塩ポリマーは、下式で示されるものであり白濁した流動性を示さないゴム状化合物となった。
【0052】
【化7】
式中、mは2〜100、nは2〜200を表わす。
【0053】
本品のイオン伝導性及び示差走査熱量計測定の結果は、前記参考例と概ね同じであり、また本品はガラス転移点以外の明瞭な吸熱及び発熱を示すピークも認められず、広い温度範囲において無定形性であるため、結晶化による物性変化がなく、温度安定性に優れていることも確認された。
【0054】
〔参考例8〕
1−ビニルイミダゾールとブロモエタンを反応させて得られた1−エチル−3−ビニルイミダゾリウム5.0gを50mlのアセトニトリルに溶解し、これに等モルのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニルクロリド)(LiTFSI)を添加し、室温において攪拌、溶解させ、系が均一になったことを確認したのち、室温で2時間かけて溶媒を減圧下で留去した。さらに反応生成物にジクロロメタン50mlを加え、生成した沈殿物である臭化リチウムを遠心分離により分離し、上澄みを回収した。この上澄み溶液に蒸留水20mlを加えて激しく攪拌、しばらく静置し、有機層であるジクロロメタン層を回収し、再度減圧蒸留を行って溶媒を除き、ビニルイミダゾリウム誘導体にイミドアニオンを配位させた溶融塩モノマーを得た。
上記溶融塩モノマーがTFSIアニオンに交換していること並びに反応後においてビニル基が保持されていることは、図6の1−エチル−3−ビニルイミダゾリウムクロライドの1H−NMR、図7の1−エチル−3−ビニルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミドの13C−NMRの測定結果によって確認した。
【0055】
前記溶融塩モノマー1.5gに対して、夫々1/100から5倍モル量のLiTFSIを添加したのち、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル5.74mg(ビニルモノマーユニットに対して5モル%)を添加し、20mlのエタノールを加えて均一に分散させた。ついで、これを65℃の温度で約3時間加熱し重合させて、下式で示されるリチウム塩を溶解させた溶融塩ポリマーを調製した。
【0056】
【化8】
式中、TFSIはトリフルオロメタンスルホンイミド基、Xは0〜500、nは2〜100を表わす。
【0057】
この後溶媒を減圧乾燥して得た溶融塩ポリマーは、重合前よりも粘度が増加し流動性を示さない白色のガラス状化合物となった。得られた溶融塩ポリマーの構造を図8に示した1−エチル−3−ビニルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミドの重合前(EVI+ TFSI- )と重合後〔Poly(EVI+ TFSI- )〕のIRスペクトルによって確認したところ、ビニル基に由来するピークが重合後に消失しており、そのほかのスペクトルはほぼ同形であることから重合反応が確実に進行しており、この間に化合物の構造は変化していないことを確認した。
前記溶融塩ポリマーについて、複素インピーダンス法によるイオン伝導度測定と示差走査熱量計による熱分析を行った結果、微小領域のイオン伝導度の温度依存性は図9に示したとおりであり、30℃におけるイオン伝導度は1.0×10-4S/cm、またガラス転移温度は−73.4℃であり、室温で非常に高い流動性を有し、−150℃から200℃の広い温度範囲でアモルファスであり、且つ極めて低いガラス転移温度を有することからも、高分子側鎖における溶融塩形成が高い運動性を発現させるために有効なものと認められる。
【0058】
〔参考例9〕
ウロカニン酸5gを230℃の温度で脱炭酸減圧蒸留することにより4(5)−ビニルイミダソールを得た。次いで、4(5)−ビニルイミダソール2gをメタノール100ml中に溶解し、ブロモエタン80gと水酸化ナトリウム0.85gを加え、オートクレーブ中40℃で7日間反応させた。得られた反応溶液を50℃で減圧蒸留し、溶媒と余剰のブロモエタンを除去した。残渣にクロロホルム50mlを加え、析出した白色沈殿物(NaBr)を濾過し、上澄み溶液を回収し室温で減圧乾燥して、1,3−ジメチル−4(5)−ビニルイミダゾリウムクロライドを合成した。
本品の1H−NMRは図10に示したとおりであり、反応及び生成の過程でビニル基の構造が保持されていることおよび2モルのハロゲン化アルキルが窒素原子に結合していることを確認した。
得られた1,3−ジメチル−4(5)−ビニルイミダゾリウムクロライドを実施例8と同様の方法でハロゲン化物イオンをTFSIアニオンに交換させて、溶融塩モノマーとし前記実施例と同様アゾビスイソブチロニトリルを用いて、ラジカル重合反応を行い、下式で示される溶融塩ポリマーを得た。この方法によって得られたポリマーは黄白色の樹脂状の化合物であった。
【0059】
【化9】
式中、TFSIはトリフルオロメタンスルホンイミド基、Xは0〜500、nは2〜100を表わす。
【0060】
前記溶融塩ポリマーについて複素インピーダンス法によるイオン伝導度測定と示査走査熱量計による熱分析を行い、その運動性を解析した。本品の微小領域のイオン伝導度の温度依存性は図11に示したとおりであり、30℃におけるイオン伝導度は1.27×10-7S/cmであって、これらの化合物の形状を考慮すると非常に高い運動性を有していることが認められた。熱分析からも−150℃から200℃の広い温度範囲でアモルファスであり、且つガラス転移温度は−4.9℃と低いものであり、これらのことからも高分子側鎖における溶融塩形成が高い運動性を発現させるために有用なものと認められた。
【0061】
〔参考例10〕
2−アミノエタノール3.7gとトリフルオロメタンスルホニルクロリド12.5gを水酸化ナトリウムを3.2g含む水100mlとアセトン50mlの混合溶媒中で室温で12時間反応させた。反応溶液より溶媒を減圧蒸留によって留去し、クロロホルム50mlを加え、生成する塩化ナトリウムを濾過によって除去した。クロロホルム溶液を再び減圧蒸留し、2−トリフルオロメタンスルホンアミドエタノールを得た。反応生成物10gを採取し、アセトン100ml中に溶解し、これに塩化チオニル12.0gを3分間かけて滴下した。次いでこれに2.06gの水酸化ナトリウムを含む水溶液10mlを滴下し、55℃で12時間反応させた。反応溶液より溶媒を除去し、水100mlを加え攪拌したのちに、ジエチルエーテル100mlを加え抽出を行った。
【0062】
有機溶媒層をとり、これを減圧蒸留し溶媒を留去することで、1−クロロ−2−トリフルオロメタンスルホンアミドエタンを得た。この反応生成物10.0gをエタノール中に溶解し、これに水酸化ナトリウム1.90gを溶解させた水20mlを反応させ、中和した。溶媒を除去してこれを1−クロロ−2−ナトリウムトリフルオロメタンスルホンアミドエタンとした。次いでこの化合物を10.26gとり、1−ビニルイミダゾリウム2.27g(イミダゾリウムに対して2倍量)と混合し、アセトニトリル100ml中で室温、2日間反応させ、減圧蒸留により溶媒を除去し、残渣をアセトン中に溶解し生成する塩化ナトリウムを除去し、1−トリフルオロメタンスルホンアミドエチル−3−ビニルイミダゾリウムを得た。これに等モルのLiTFSIを添加し、ビニルモノマーに対して5モル%のアゾビスイソブチロニトリル0.15gを添加し、65℃で50mlのエタノール中で3時間ラジカル重合し、下式で示される溶融塩ポリマーを得た。得られたポリマーは茶褐色の樹脂となり、重合反応が進行していることはIRスペクトルによるビニル基の消失により確認した。
【0063】
【化10】
式中、LiTFSIはリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)、Xは0〜500、nは2〜100を表わす。
【0064】
前記溶融塩ポリマーの30℃におけるイオン伝導度は6.82×10-5S/cmであり、またガラス転移温度は−52℃であって、室温で非常に高い運動性を有し、優れたイオン伝導体となり得るものと認められた。
【0065】
〔参考例11〕
1−クロロ−2−トリフルオロメタンスルホンアミドエタン20gと4(5)−ビニルイミダゾール2.0gをアセトンと水の1:1混合溶媒100ml中に溶解し、ここに酸受容体として0.85gの水酸化ナトリウムを加えて、オートクレーブ中で7日間、50℃で反応させた。得られた反応溶液を80℃で4時間減圧蒸留し、溶媒を除去したのち、30mlのアセトンを加えて完全に溶解し、これを300mlのエーテル中に滴下し、生成する沈殿物を回収した。室温減圧下で12時間乾燥して、1,3−ジ(トリフルオロメタンスルホンアミドエチル)−4(5)−ビニルイミダゾリウムクロライドを回収し、これにスルホンアミド基に対して等量の水酸化リチウムを加えて水中で中和させ、反応溶液から溶媒を減圧蒸留により除去し、反応生成物を20mlのエタノールに溶解させて沈殿するNaClを除去し、1,3−ジ(トリフルオロメタンスルホンアミドエチル)−4(5)−ビニルイミダゾリウムリチウムを得た。
次いでエタノール中で本品にビニルモノマーに対し5モル%のアゾ(ビスイソブチロニトリル)を加え60℃で3時間ラジカル重合した。反応溶液より溶媒を減圧蒸留によって除去し、リチウムイオンのみが移動することのできる下式で示される溶融塩ポリマーを得た。
【0066】
【化11】
式中、nは2〜100を表わす。
【0067】
前記溶融塩ポリマーの30℃におけるイオン伝導度は3.20×10-6S/cmであり、ガラス転移温度は−42℃であって、リチウムイオンのみを移動させることができ、室温で非常に高い運動性を示すものと認められた。
【0068】
〔参考例12〕
1−エチルイミダゾール2.1gに対して塩化2−クロロエタンスルホニル5.0gをDMF中で12時間室温で攪拌し、反応溶液を減圧下で濃縮し、これをエーテル中に滴下することにより、赤褐色の1−エチル−3−スルホニルエチルイミダゾリウムクロライドを得た。この反応生成物に対して20gのポリ(アリルアミン)10%水溶液を添加し、200mlの水を加えてアミノ基に対して等量のNaOH存在下で100℃で2日間反応させた。得られた反応溶液に100mlのエタノールを加えて0℃で静置し、沈殿した黄色粉末を遠心分離によって、ポリ(アリルスルホンアミドエチル(1−エチル)イミダゾリウム)を回収した。得られた溶融塩ポリマーに対してLiTFSIを添加して、下式で示される高分子電解質として得た。
【0069】
【化12】
式中、Etはエチル基、LiTFSIはリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)、nは2〜10000を表わす。
【0070】
前記溶融塩ポリマーの30℃におけるイオン伝導度は7.26×10-6S/cm、ガラス転移温度は−60.2℃であり、室温で優れた運動性を示すものであった。
【0071】
〔参考例13〕
1、3−ベンゼンジスルホニルクロリド6.88gをジクロロメタン200mlに溶解させ、これにエチレンジアミン3.02gとアミノ基に対して等量の酸受容体(NaOHまたはNa2 CO3 )を含む200ml水溶液を反応させ、界面法によりポリ(スルホンアミド)を合成した。得られた白色の繊維状化合物をエタノールで洗浄し、減圧下で乾燥することにより、ポリ(スルホンアミド)を得た。これを水溶液中でLiOHと反応させることにより、リチウム塩を得た。このようにして得られたポリ(スルホンアミドリチウム塩)に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、1,2−ジメチルイミダゾリウムブロマイド、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムブロマイド及び2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムブロマイドを等量加え、30%メタノール水溶液中で混合し、下式で示される溶融塩ポリマーを得た。
【0072】
【化13】
式中、R1 及びR3 は水素原子、メチル基またはエチル基、R2 は水素原子またはメチル基、mは2〜10、nは2〜500を表わす。
【0073】
前記リチウムイオンを含む溶融塩ポリマーの30℃におけるイオン伝導度及びガラス転移温度は表2に示したとおりであり、いずれも室温で高い運動性を有し、優れたイオン伝導体になり得るものと認められる。
【0074】
【表2】
【0075】
〔実施例1〕
スルホン酸残基を有するナフィオン膜〔商品名:NAFION、デュポン社製〕を使用し、1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド22.0g及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸イミド)19.2g〔両者のモル比=3:2〕をアセトニトリル100ml中に溶解し、その均一溶液に前記ナフィオン膜を室温で24時間浸漬し、必要があれば浸漬後溶液を膜内に速やかに導入するために減圧吸引を行い、次いで前記処理されたナフィオン膜を発泡が生じない穏やかな条件下で乾燥して、薄膜内に連続した溶融塩ドメインを形成したリチウムイオン伝導体を得た。
このようにして得られた膜は、室温で8.4×10-3S/cmのイオン伝導度を示した。
【0076】
〔実施例2〕
実施例1において、スルホン酸残基を有するナフィオン膜の代わりに、カルボン酸基を持つナフィオン膜〔商品名:NAFION、デュポン社製〕を使用し、1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド22.0g及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸イミド)19.2gをアセトニトリル100ml中に溶解し、その均一溶液に前記ナフィオン膜を室温で24時間浸漬し、次いで前記処理されたナフィオン膜を発泡が生じない穏やかな条件下で乾燥して、薄膜内に連続した溶融塩ドメインを形成したリチウムイオン伝導体を得た。
このようにして得られた膜は、室温で4.2×10-3S/cmのイオン伝導度を示した。
【0077】
〔実施例3〕
ポーラステフロン膜〔日本バルカー工業製、膜厚100ミクロン、気孔率60%〕を使用し、液体アンモニアに金属ナトリウムを分散させた溶液に3分間浸漬し、洗浄、乾燥して細孔表面にカルボン酸残基を有するテフロン膜を得た。
次いで、1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド22.0g及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸イミド)19.2gをアセトニトリル100ml中に溶解し、その均一溶液に前記テフロン膜を室温で24時間浸漬して、薄膜内にイミダゾリウム塩誘導体とリチウムビストリフルオロメタンスルホン酸イミドを導入し、次いで前記処理されたナフィオン膜を発泡が生じない穏やかな条件下で乾燥して、溶融塩を含む薄膜を得た。
このようにして得られた膜は、室温で2.1×10-3S/cmのイオン伝導度を示した。
【0078】
〔実施例4〕
陽イオン交換樹脂「DOWEX−50WX8−400」〔ダウケミカル社製、架橋率8%、粒径200〜400メッシュ〕を使用し、水酸化ナトリウム水溶液で処理して、表面のアニオン席を充分にナトリウム塩として、水洗、乾燥した。
次いで、1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド22.0g及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸イミド)19.2gをアセトニトリル100ml中に溶解し、その均一溶液に前記処理を行った陽イオン交換樹脂を浸し、穏やかに攪拌しながら室温で6時間放置し、その後発泡が生じない穏やかな条件で乾燥し、粒子内部と表面上に連続した溶融塩ドメインを形成させた。
このようにして得られた樹脂をペレット状に固化させたところ、室温で2.7×10-3S/cmのイオン伝導度を示した。
【0079】
〔実施例5〕
メチルアクリレート90gをジビニルベンゼン10gと過酸化ベンゾイル1gと共に冷却しながら混合し、この溶液をポリビニルアルコール0.1%を含む500mlの精製水に攪拌しながら注入した。その後この溶液を攪拌しながら60℃に昇温し、15時間還流させてエステル側鎖を加水分解し、アクリル酸ナトリウム塩型ポリアクリル酸樹脂として十分に乾燥した。
次いで、1、3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド22.0g及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸イミド)19.2gをアセトニトリル100ml中に完全溶解した溶液に、前記ポリアクリル酸樹脂を浸漬して穏やかに攪拌しながら室温で6時間放置し、その後発泡を防ぎながら穏やかに乾燥して、粒子内部と表面上に連続した溶融塩ドメインを形成させた。
こうして得られた樹脂まに圧力をかけて固化したものは、室温で4.8×10-3S/cmのイオン伝導度を示した。
【0080】
〔実施例6〕
メチルメタクリレートに対して重合開始剤アゾビスイソブチロニトリルを1%添加し、これをメタノール溶媒中、50℃の温度で4時間反応させ、その後酢酸エチルに滴下し沈殿としたのち洗浄し、これをメタノールに再溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液を加え、60℃の温度で1時間加水分解して、エステル基の70%程度をカルボン酸ナトリウム塩とした。これをエバポレーションにより濃縮し、テフロン板上においてフイルム状に成形(キャスト)し、乾燥させないように注意しながら、これにガンマー線〔線源60Co、Model Gamma−Cell220、Type B〕を約10分間照射〔総線量0.12Mrad〕して多孔性のフイルムとした。
次いで1、3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド22.0g及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸イミド)19.2gをアセトニトリル100ml中に溶解し、その均一溶液に前記多孔性のフイルムを室温で24時間浸漬し、前記処理されたフイルムを発泡が生じない穏やかな条件下で乾燥して、薄膜内に連続した溶融塩ドメインを形成したリチウムイオン伝導体を得た。充分に乾燥させた本品の室温におけるイオン伝導度は、4.2×10-4S/cmであった。
【0081】
〔実施例7〕
水中でアクリル酸に対して過硫酸カリウムを1%添加し、混合したのち60℃で3時間攪拌して重合させた。これを濃縮したのち、アクリル酸に対して3%のエチレンジアミンと同じく8%の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩を添加し、テフロン膜上で成形(キャスト)したのち、室温で1時間反応し得られたゲル状物を0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液で充分洗浄し、これを金属板で挟み圧力を掛けてフイルム状として乾燥させた。
次いで1、3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド22.0g及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸イミド)19.2gをアセトニトリル100ml中に溶解し、その均一溶液に前記フイルムを室温で24時間浸漬し、前記処理された膜を発泡が生じない低温下で乾燥して、薄膜内に連続した溶融塩ドメインを形成したリチウムイオン伝導体を得た。充分に乾燥させた本品の室温におけるイオン伝導度は、5.8×10-4S/cmであった。
【0082】
〔実施例8〕
ベンゼン中でアクリル酸メチルとp−クロロメチルスチレンをモル比が95:5となる割合で混合し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを総モノマー量に対し1%添加し、70℃で3時間反応させて得られた溶液にp−アミノアニリンを総モノマー量に対し3%添加し、さらに70℃で1時間反応させたのち、溶液から相分離した沈澱を集めて乾燥し、乳鉢で適当な粒径になるまで粉砕し、これを0.1N水酸化ナトリウム水溶液中に分散させ、エステル基をアクリル酸ナトリウム塩とした。
次いで1、3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド22.0g及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸イミド)19.2gをアセトニトリル100ml中に溶解し、その均一溶液に前記アクリル樹脂を室温で24時間浸漬したのち、発泡が生じない低温下で乾燥して、溶融塩ドメインを形成したリチウムイオン伝導体を得た。これを充分に乾燥させた後にペレット状に成形した樹脂の室温におけるイオン伝導度は、1.8×10-4S/cmであった。
【0083】
【発明の効果】
この発明によれば、高分子電解質を薄膜状のものから粒状のものまで幅広い形態として多様な使用に適応させることが可能となり、高分子電解質を薄膜化した場合には、均質な物性を有する大きい面積の膜が得られるため、ゲル系電解質の膜における不均質性を改善しうる点で有用なものと認められ、また粒状体としたものは適宜な粒径の粒子表面あるいは内部に連続した溶融塩ドメインを形成しうるので、取扱いが容易でしかし種々の形状に合わせて定着しうるので導電性充填剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1における電解質の1H−NMRによる構造解析の結果を示す線図
【図2】参考例1における電解質のイオン伝導度の温度依存性を示す線図
【図3】参考例1における電解質の示差走査熱量測定の結果を示す線図
【図4】参考例3における電解質のイオン伝導度のリチウムイオン濃度依存性を示す線図
【図5】参考例5におけるポリ(アリルトリフルオロメタンスルホンアミド)の赤外線吸収スペクトルを示す線図
【図6】参考例8における1−エチル−3−ビニルイミダゾリウムクロライドの1H−NMRによる構造解析の結果を示す線図
【図7】参考例8における1−エチル−3−ビニルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミドの13C−NMRによる構造解析の結果を示す線図
【図8】参考例8における1−エチル−3−ビニルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミドの重合前〔EVI+ TFSI- 〕と重合後〔Poly(EVI+ TFSI- )〕における赤外線吸収スペクトルを示す線図
【図9】参考例8における電解質のイオン伝導度の温度依存性を示す線図
【図10】参考例9における1,3−ジエチル−4(5)−イミダゾリウムの1H−NMRによる構造解析の結果を示す線図
【図11】参考例9における電解質のイオン伝導度の温度依存性を示す線図
Claims (4)
- 高分子酸類,あるいは多孔性高分子固体または高分子薄膜に負電荷を導入したポリアニオン樹脂に、イミダゾリウム塩誘導体を含浸させたことを特徴とする溶融塩型高分子電解質。
- イミダゾリウム塩誘導体として、1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイドを用いることを特徴とする請求項1に記載の溶融塩型高分子電解質。
- 高分子酸類,あるいは多孔性高分子固体または高分子薄膜に負電荷を導入したポリアニオン樹脂に、イミダゾリウム塩誘導体とリチウム塩を含浸させたことを特徴とする溶融塩型高分子電解質。
- イミダゾリウム塩誘導体として1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド、リチウム塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸イミド)を用いることを特徴とする請求項3に記載の溶融塩型高分子電解質。
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