JP3895405B2 - 注液装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は注液装置に関し、さらに詳しく言えば、コンデンサや電池などの製造工程において、それらの各素子に所定の電解液を供給するのに好適な注液装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、アルミニウム電解コンデンサや電気二重層コンデンサについて説明すると、その製造工程の一つとして電解液注入工程がある。これにはディスペンサーと呼ばれる注液装置が用いられ、その一例が図3に示されている。
【0003】
これによると、ポンプとしては1回の吐出量を微小(例えば、0.005mlオーダー)に制御できるプランジャポンプ1が用いられる。この種のプランジャポンプ1はよく知られているように、内部にシリンダ室2が形成されたポンプ本体3を有し、この場合、吸入ポート4はポンプ本体3の下部に設けられ、吐出ポート5はポンプ本体3の上部に設けられている。
【0004】
吸入ポート4および吐出ポート5内には、吐出ポート5側から吸入ポート4側に向けての逆流を阻止する逆止弁4a,5aがそれぞれ設けられている。吸入ポート4はその吸入パイプ8を介して図示しない電解液貯液タンクに接続され、また、吐出ポート5には図示しない注液箇所(例えば、コンデンサ素子が収納された金属ケース)に至る給液パイプ9が接続される。
【0005】
そして、シリンダ室2内のプランジャ6を例えばソレノイドなどの駆動手段7にて往復動させることにより、給液パイプ9を介してその先端のノズルから注液箇所に対して所定量の電解液が間欠的に供給される。すなわち、図3においてプランジャ6の左方向移動時に吸入ポート4からシリンダ室2内に電解液が吸い上げられ、プランジャ6の右方向移動時に吐出ポート5からその移動ストロークに見合った量の電解液が吐出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、電解液をコンデンサの金属ケース内に滴下する関係上、プランジャポンプ1はその注液箇所よりも上方位置に配置されることになる。このため、これに伴なって給液パイプ9の一部分が逆U字状に折り曲げられることになる。
【0007】
ところで、電解液に限らずに液体内には多少の差こそあれ、空気が溶け込んでおり、その液体をパイプを介して送り込む際、上記のような逆U字部分があると、その部分で空気が気泡として顕在化する。図3において、その気泡を参照符号Bとして示すが、気泡Bが成長するとプランジャポンプ1が正常に動作しても、注液箇所に対する吐出量が一定でなくなり、コンデンサや電池にとっては特性変化をもたらすことになる。
【0008】
このため、従来では気泡Bがある程度成長すると、作業者が工程を停止した上で、プランジャポンプ1を高速に作動させ、電解液を多量に吐出させその勢いで気泡Bを強制的に給液パイプ9外に追い出すようにしている。しかしながら、これにはかなりの時間がかかるばかりでなく、電解液が無駄に消費されることになり、この点に関する改善が望まれていた。
【0009】
これを防止するには、図3とは逆に吸入ポート4をポンプ本体3の上部に設け、吐出ポート5をポンプ本体3の下部に設けて給液パイプ9に逆U字状部分が生じないようにすることが考えられるが、このように吐出ポート5をポンプ本体3の下部に設けたとしても、今度はその吐出ポート5の付近に気泡が溜まることになり、問題は解決されない。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的は、吐出ポートから注液箇所に至る給液パイプ内に発生した気泡を素早く、しかも確実に大気に放出し得るようにした注液装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、下部に貯液タンクに接続される吸入ポートを有し、上部に吐出ポートを備えた間欠作動型ポンプを含み、上記吐出ポートから給液パイプを介して上記吐出ポートよりも下方に位置する注液箇所に上記貯液タンク内の液体を間欠的に供給する注液装置において、下端が上記吐出ポートに接続され、上端側に第1の開閉弁を有して上記吐出ポートからほぼ垂直に立ち上がる主配管部と、上記主配管部の中間部から分岐されていて、上記給液パイプが接続される分岐管部と、上記分岐管部もしくは上記給液パイプに設けられる第2の開閉弁とを備え、上記主配管部の上記分岐管部よりも上方位置に、上記主配管部内の液面を検出する液面センサが設けられ、上記第1の開閉弁が上記液面センサにて制御される電磁弁からなるとともに、上記第2の開閉弁が上記給液パイプ内の液体の逆流を阻止する逆止弁からなり、上記液面センサにて上記主配管部の液面低下が検知されると、上記第1の開閉弁が開かれて上記主配管部が大気に開放され、上記ポンプから送られてくる液体により、上記主配管部内に貯留されている空気を大気に放出可能としたことを特徴としている。
【0012】
これによれば、吐出ポートから注液箇所に至る配管系において発生する気泡はその配管系のもっとも高い位置の主配管部の上端に滞留することになる。したがって、主配管部の液面低下を液面センサにて検知し、第1の開閉弁を開としてポンプを動作させることにより、主配管部内に貯留されている空気をすみやかに大気に放出させることができる。放出後は、第2の開閉弁を開とし、第1の開閉弁を閉としてポンプを動作させることにより、通常の注液を行なうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図1の参考例を説明したうえで、図2の本発明の実施例について説明する。なお、これらの各例において、プランジャポンプ1はさきに説明した図3の従来例と同じものが用いられている。
【0014】
まず、図1の参考例においては、プランジャポンプ1の吐出ポート5に対してほぼ直立状に接続される主配管部11を備えている。この主配管部11は所定の長さを有する好ましくは内部が透視可能なパイプ材からなり、その上端側には第1の開閉弁20が設けられている。
【0015】
この参考例によると、第1の開閉弁20は手動式とされていて、主配管部11に連通する吐出孔21と、同吐出孔21を開閉する弁体22とを備えている。この場合、弁体22は吐出孔21に対して直交する透孔内に摺動可能に挿嵌されたロッドからなり、その一部分には同ロッドの所定の摺動位置において吐出孔21と同軸的に位置決めされる弁孔22aが穿設されている。なお、弁体22は常閉型弁であって、常態においてその弁孔22aが吐出孔21から位置的にずれるように圧縮コイルバネ23により図1でその右方向に付勢されている。
【0016】
また、主配管部11はその中間部から分岐された分岐管部12を備えている。この分岐管部12に図示しない注液箇所に至る給液パイプ9が接続されるのであるが、この場合、給液パイプ9の所定部分に第2の開閉弁30が介装されている。この実施例では、第2の開閉弁30は通常よく使用されている回転式のコックが用いられている。なお、第2の開閉弁30を第1の開閉弁20と同様な構成の弁としてもよいが、その場合には常開型とされる。
【0017】
上記の構成において、注液箇所、例えばコンデンサ素子が収納された金属ケース内に電解液を注入するには、この実施例では第1の開閉弁20が常閉であるため、第2の開閉弁30を開にしてプランシャポンプ1を作動させる。これにより、プランジャ6の移動ストロークに見合った量の電解液が給液パイプ9の先端にあるノズルから間欠的に金属ケース内のコンデンサ素子に供給される。
【0018】
この場合、吐出ポート5から注液箇所に至る配管系において、主配管部11の上端がもっとも高い位置であるため、電解液内に含まれている空気による気泡は主配管部11の上端に溜ることになる。
【0019】
この参考例において、その気泡Bを抜くには第2の開閉弁30を閉(コックを閉)にするとともに、第1の開閉弁20の弁体22を圧縮コイルバネ23に抗して図1の左方向に摺動させ、その弁孔22aを吐出孔21に合致させて第1の開閉弁20を開とした後、プランシャポンプ1を作動させる。
【0020】
これにより、気泡Bはプランシャポンプ1から圧送されてくる電解液により大気中に放出される。その場合、プランシャポンプ1の作動時間はその1回の吐出量により決められるが、気泡Bを押し出すだけの量でよいため、従来に比べてきわめて短い時間で済み、また、電解液の無駄な消費も最小限に抑えることができる。しかる後、コンデンサ素子に対する電解液の注液を再開するには、第1の開閉弁20を閉とし、第2の開閉弁30を開としてプランシャポンプ1を作動させればよい。
【0021】
次に、図2の本発明の実施例について説明する。この実施例は気泡Bがある程度成長した時点で自動的にその気泡を抜くようにしたもので、主配管部11と分岐管部12は例えば透明な合成樹脂ブロック40内に形成され、同合成樹脂ブロック40がプランシャポンプ1の上部にその主配管部11と吐出ポート5とが連通するように載置されている。
【0022】
合成樹脂ブロック40の上面には、第1の開閉弁としての電磁弁25が設けられている。電磁弁25はソレノイドなどの駆動手段26により開位置と閉位置とに往復的に摺動される弁体27を有し、弁体27にはその開位置において主配管部11と連通する弁孔27aが穿設されている。なお、図2には弁体27が閉位置にある状態が示されている。
【0023】
この実施例では、第2の開閉弁として逆止弁31が用いられ、この逆止弁31は分岐管部12内に給液パイプ9内の電解液が主配管部11側に逆流しない向きとして設けられている。また、合成樹脂ブロック40内には、主配管部11の分岐管部12の分岐点よりも上方位置において、その液面を検知する液面センサ50が設けられている。この液面センサ50は例えば発光素子50aと受光素子50bとからなり、電解液内を通る光量と気泡B中を通る光量との差によりその液面を検知するものであってよい。
【0024】
この実施例においても、図示しないコンデンサ素子への注液時には電磁弁25は閉じられ、気泡Bは主配管部11の上端側に溜るが、その気泡Bの成長に伴ない電解液の液面が下降して液面センサ50にて検出されると、その検出信号により電磁弁25が制御され、弁体27が開位置に摺動する(図2において左側の位置)。
【0025】
これにより、その弁孔27aを介して主配管部11が大気に開放され、プランジャポンプ1から圧送されてくる電解液により気泡Bが大気中に放出される。そして、主配管部11内の電解液が上昇し、その液面が液面センサ50にて検出されると、その液面検出信号により電磁弁25が再び閉位置に戻され、コンデンサ素子への注液が再開されることになる。
【0026】
上記実施例はコンデンサ素子に対してその電解液を注液する場合のものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、間欠作動型ポンプとしてプランジャポンプを使用しているが、他の形式のポンプであってもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えばコンデンサ素子に電解液を注入するにあたって、ポンプの吐出ポートから注液箇所(コンデンサ素子)に至る配管系内で発生する気泡を短時間の内に、しかもその注液物質(電解液)の無駄を最小限に抑えて確実に大気に放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例を模式的に示した断面図。
【図2】本発明の実施例を模式的に示した断面図。
【図3】従来例を模式的に示した断面図。
【符号の説明】
1 プランジャポンプ
2 シリンダ室
4 吸入ポート
5 吐出ポート
6 プランジャ
11 主配管部
12 分岐管部
20,25 第1の開閉弁
30,31 第2の開閉弁
Claims (1)
- 下部に貯液タンクに接続される吸入ポートを有し、上部に吐出ポートを備えた間欠作動型ポンプを含み、上記吐出ポートから給液パイプを介して上記吐出ポートよりも下方に位置する注液箇所に上記貯液タンク内の液体を間欠的に供給する注液装置において、
下端が上記吐出ポートに接続され、上端側に第1の開閉弁を有して上記吐出ポートからほぼ垂直に立ち上がる主配管部と、上記主配管部の中間部から分岐されていて、上記給液パイプが接続される分岐管部と、上記分岐管部もしくは上記給液パイプに設けられる第2の開閉弁とを備え、
上記主配管部の上記分岐管部よりも上方位置に、上記主配管部内の液面を検出する液面センサが設けられ、上記第1の開閉弁が上記液面センサにて制御される電磁弁からなるとともに、上記第2の開閉弁が上記給液パイプ内の液体の逆流を阻止する逆止弁からなり、
上記液面センサにて上記主配管部の液面低下が検知されると、上記第1の開閉弁が開かれて上記主配管部が大気に開放され、上記ポンプから送られてくる液体により、上記主配管部内に貯留されている空気を大気に放出可能としたことを特徴とする注液装置。
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JP26257996A JP3895405B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 注液装置 |
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JP26257996A Expired - Lifetime JP3895405B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 注液装置 |
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1996
- 1996-09-11 JP JP26257996A patent/JP3895405B2/ja not_active Expired - Lifetime
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