JP3739954B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐衝撃性、成形加工性などに優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物及びその成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下PPS樹脂と略す)は優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐薬品性、電気絶縁性、耐湿熱性などエンジニアリングプラスチックとしては好適な性質を有しており、射出成形用を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などに使用されている。しかし、PPS樹脂はポリアミド樹脂等の他のエンジニアリングプラスチックに比べ、耐衝撃特性に劣るとの問題点を有する。
【0003】
かかる問題点を解決するため、PPS樹脂に各種エラストマーを配合する方法がこれまでにも提案されており、例えば特開昭58−154757号にはPPS樹脂にエポキシ基含有オレフィン系共重合体を配合する方法が、また特開平1−306467号にはPPS樹脂にエポキシ基含有オレフィン系共重合体およびエポキシ基、酸無水物基を含有しないエラストマーを配合する方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、近年益々PPS樹脂材料に要求が厳しくなり、これら従来に提案されている熱可塑性樹脂組成物でも材料特性的に十分とは言えず、より高度な耐衝撃性、低温衝撃性、成形加工性等を同時に満足し、かつ経済的にも有利な材料が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来のPPS樹脂材料より更に優れた耐衝撃性、低温衝撃性、成形加工性等の高度なバランスの実現を課題とし、更に耐衝撃性以外の機械的性質、耐熱水性等のPPS樹脂本来の特性にも均衡して優れ、工業生産性、経済性にも優れたPPS樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく検討した結果、(A)PPS樹脂と(B)特定の構造と分子量分布、密度を有する、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体と(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する官能基含有オレフィン系重合体または共重合体を選択的に組み合わせて使用することにより上記課題が解決されることを見出し本発明に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、
1.(A)ポリフェニレンスルフィド100重量部に対し、(B)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下であるエチレン・α−オレフィン系共重合体1〜100重量部、および(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する官能基含有オレフィン系重合体または共重合体1〜100重量部を配合してなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
2.(A)ポリフェニレンスルフィド100重量部に対し、(B−2)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体であって、密度が0.880g/cm3以下であるエチレン・α−オレフィン系共重合体1〜100重量部、および(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する官能基含有オレフィン系重合体または共重合体1〜100重量部を配合してなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
3.前記(B)成分のエチレン・α−オレフィン系共重合体に含まれる炭素原子数3〜20のα−オレフィン含有量が7〜25モル%であることを特徴とする上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
4.前記(B)成分のエチレン・α−オレフィン系共重合体がメタロセン系触媒を用いて重合された共重合体であることを特徴とする上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
5.前記(C)成分の官能基含有オレフィン系重合体または共重合体が、α−オレフィンおよびα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを共重合してなる(C)エポキシ基含有オレフィン系共重合体である上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
6.前記(C)エポキシ基含有オレフィン系共重合体が、α−オレフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル(2)と更に下記一般式で示される単量体(3)を必須成分とする単量体を共重合して得られるオレフィン系共重合体である上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
【化2】
(ここで、R1 は水素または低級アルキル基を示し、Xは−COOR2 基、−CN基あるいは芳香族基から選ばれた1種また2種以上の基。またR2 は炭素数1〜10のアルキル基を示す)
7.前記(C)成分の官能基含有オレフィン系重合体または共重合体が、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体である上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
8.前記(C)成分のエポキシ化ジエン系ブロック共重合体が、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したエポキシ化ジエン共重合体である上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
9.前記(A)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂の溶融粘度が、400ポイズ(310℃、せん断速度1000/s)以上である、上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
10.前記(A)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂の灰分量が0.2重量%以下である、上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
11.更に(E)成分として、充填材をポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、1〜400重量部含有した上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
12.充填材(E)が、導電性フィラーであって、かつその含有量がポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、0.5〜50重量部であるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
13.上記記載のポリフェニレンスルフィド脂組成物を射出成形してなる成形品、および
14.上記記載のポリフェニレンスルフィド脂組成物を押出成形してなる成形品である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)とは、下記構造式で示される繰り返し単位を有する重合体であり、
【化3】
耐熱性の点から、かかる繰り返し単位が、好ましくは70モル%以上、さらに90モル%以上を含む重合体が好ましい。またPPS樹脂はその繰り返し単位の30モル%未満を、下記の構造式を有する繰り返し単位等で構成することが可能である。
【0009】
【化4】
【0010】
また特に、高い溶融粘度を有するPPSが所望の場合に、ジハロベンゼンを主モノマーとし、トリハロベンゼンを3モル%未満共重合した分枝状PPSを適用することも可能である。
【0011】
本発明で用いられるPPS樹脂の溶融粘度は、溶融混練が可能であれば特に制限はないが、より優れた耐衝撃性、特に低温衝撃性を得る意味で、400ポイズ(310℃、せん断速度1000/s)以上であることが好ましく、特に700ポイズ以上が好ましい。また特に押出成形用途で用いる場合には、1000ポイズ以上がより好ましい。
【0012】
かかるPPS樹脂は通常公知の方法即ち特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法或は特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法などによって製造できる。本発明において上記の様に得られたPPS樹脂を空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、熱水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官能基含有化合物による活性化など種々の処理を施した上で使用することももちろん可能である。
【0013】
PPS樹脂の加熱による架橋/高分子量化する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器中で所定の温度において希望する溶融粘度が得られるまで加熱を行う方法が例示できる。加熱処理温度は通常、170〜280℃が選択され、好ましくは200〜270℃であり、時間は通常0.5〜100時間が選択され、好ましくは2〜50時間であるが、この加熱処理温度と時間の両者をコントロールすることにより目標とする粘度レベルを得ることができる。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理するためには回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
【0014】
PPS樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法としては、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で、加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜270℃、加熱時間は0.5〜100時間、好ましくは2〜50時間加熱処理する方法が例示できる。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理するためには回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
【0015】
本発明において、脱イオン処理などにより、PPS中の灰分率が0.2重量%以下に低減されたPPS樹脂を用いることは、より優れた靱性及び成形加工性を得る意味で好ましい。かかる脱イオン処理の具体的方法としては酸水溶液洗浄処理、熱水洗浄処理および有機溶剤洗浄処理などが例示でき、これらの処理は2種以上の方法を組み合わせて用いても良い。なお、ここで灰分量の測定は以下の方法に従った。乾燥状態のPPS原末約5gを坩堝に秤取り、電気コンロ上で黒色塊状物となるまで焼成する。次にこれを550℃に設定した電気炉中で炭化物が焼成しきるまで焼成を続ける。その後デシケーター中で冷却後、重量を測定し、初期重量との比較から灰分率を計算する。
【0016】
PPS樹脂を有機溶媒で洗浄する場合の具体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち、洗浄に用いる有機溶媒としては、PPS樹脂を分解する作用などを有しないものであれば特に制限はないが、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などがあげられる。これらの有機溶媒のなかでN−メチルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミド、クロロホルムなどの使用が好ましい。また、これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。有機溶媒でPPS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分効果が得られる。また有機溶媒洗浄を施されたPPS樹脂は残留している有機溶媒を除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。
【0017】
PPS樹脂を熱水で処理する場合の具体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち熱水洗浄によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現するため、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の水に所定量のPPS樹脂を投入し、常圧で或いは圧力容器内で加熱、撹拌することにより行われる。PPS樹脂と水との割合は、水の多いほうが好ましいが、通常、水1リットルに対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選択される。
【0018】
PPS樹脂を酸処理する場合の具体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち、酸または酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。用いられる酸はPPSを分解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボン酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸などのジカルボン酸、硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪酸などの無機酸性化合物などがあげられる。中でも酢酸、塩酸がより好ましく用いられる。酸処理を施されたPPS樹脂は残留している酸または塩などを除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。また洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で蒸留水、脱イオン水であることが好ましい。
【0019】
次に本発明の必須成分である(B)特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体は、エチレンおよび炭素数3〜20を有する少なくとも1種以上のα−オレフィンを共重合してなり、特定の分子量分布および/または特定の密度を有する共重合体である。上記の炭素数3〜20のα−オレフィンとして、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、 4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンおよびこれらの組み合わせが挙げられる。これらα−オレフィンの中でも炭素数6から12であるα−オレフィンを用いた共重合体が機械強度の向上、改質効果の一層の向上が見られるためより好ましい。
【0020】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下であるか、もしくは密度が0.880g/cm3以下であるエチレン・α−オレフィン系共重合体であることが優れた機械特性と成形加工性を得るために必要であり、特にゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下であり、かつ密度が0.880g/cm3以下であるエチレン・α−オレフィン系共重合体が最も好ましく用いられる。
【0021】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は3.0以下であることが好ましく、更に好ましくは2.9以下、特に好ましくは2.8以下である。分子量分布が3.0以下と極めて狭い範囲に限定された共重合体は低分子量成分が少なく、機械特性と成形加工性に優れるため、このものの使用により本発明の組成物の優れた特性をもたらすことが可能となるのである。
【0022】
また本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体は、密度が0.880g/cm3以下であることが好ましく、0.830〜0.880g/cm3の範囲がより好ましく、特に0.850〜0.875g/cm3の範囲が好ましい。かかるエチレン・α−オレフィン系共重合体を用いることにより、射出成形時の金型からの離型性が優れるなど成形加工性に優れ、かつ機械的特性、特に靱性に優れた組成物を得ることが可能となる。
【0023】
該エチレン・α−オレフィン系共重合体は、α−オレフィン含量が好ましくは4〜25モル%、より好ましくは7〜25モル%、更に好ましくは12〜22モル%である。上記の範囲にα−オレフィン含量があるエチレン・α−オレフィン系共重合体を用いることにより、柔軟性および耐衝撃性に優れた成形体を提供し得るPPS樹脂組成物を得ることができる。
【0024】
かかるエチレン・α−オレフィン系共重合体は、メタロセン系触媒を用いて重合することにより製造できる。メタロセン系触媒は、チタン、ジルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒とで構成されている。メタロセン系触媒は高活性であり、チーグラー系触媒に代表される従来の触媒に比べ、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体のコモノマー成分であるα−オレフィンの分布が均一であるために柔軟性、耐衝撃性に優れるという特長を有する。
【0025】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体は、その全灰分量が0.01〜0.2重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%のものが好適に用いられる。
【0026】
かかる(B)特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体の配合量は、PPS樹脂100重量部に対し、1〜100重量部の範囲が選択され、3〜70重量部、更には3〜50重量部の範囲がより好適である。(B)特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体の配合量が、少なすぎると衝撃特性などの目的とする改良効果が軽微であり、一方多すぎると、PPS樹脂が本来有する高耐熱性などの特性が顕著に阻害される傾向にある。
【0027】
次に、本発明において(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する官能基含有オレフィン系重合体または共重合体を(B)特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体とともに配合することは、本発明の優れた改良効果を得る上で必須である。
【0028】
(C)官能基含有オレフィン系(共)重合体の一つである、エポキシ基含有オレフィン系(共)重合体としては、側鎖にグリシジルエステル、グリシジルエーテルなどを有するオレフィン系共重合体や、二重結合を有するオレフィン系共重合体の二重結合部分を、エポキシ酸化したものなどが挙げられる。
【0029】
かかるエポキシ基含有オレフィン系(共)重合体のより具体的な態様としては、エポキシ基を有するモノマーが共重合されたオレフィン系共重合体が挙げられ、特にα−オレフィンおよびα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを共重合してなる(C)エポキシ基含有オレフィン系共重合体が好適に用いられる。
【0030】
かかるα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、デセン−1、オクテン−1などが挙げられ、中でもエチレンが好ましく用いられる。またこれらは2種以上を同時に使用することもできる。
【0031】
一方、α,β−不飽和酸のグリシジルエステルとは、一般式
【化5】
(ここでRは水素原子または低級アルキル基を示す)で示される化合物であり、具体的にはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジルなどが挙げられ、中でもメタクリル酸グリシジルが好ましく用いられる。
【0032】
かかるα−オレフィンおよびα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを共重合してなるオレフィン系共重合体は、上記α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルとのランダム、交互、ブロック、グラフト共重合体いずれの共重合様式であっても良い。
【0033】
α−オレフィンおよびα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを共重合してなるオレフィン系共重合体におけるα,β−不飽和酸のグリシジルエステルの共重合量は、目的とする効果への影響、重合性、ゲル化、耐熱性、流動性、強度への影響などの観点から、0.5〜40重量%、特に3〜30重量%が好ましい。
【0034】
本発明においてエポキシ基含有オレフィン系共重合体として、α−オレフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル(2)に加え、更に下記一般式で示される単量体(3)を必須成分とするエポキシ基含有オレフィン系共重合体もまた好適に用いられる。
【0035】
【化6】
(ここで、R1 は水素または低級アルキル基を示し、Xは−COOR2 基、−CN基あるいは芳香族基から選ばれた基。またR2 は炭素数1〜10のアルキル基を示す)
【0036】
かかるオレフィン系共重合体に用いられるα−オレフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル(2)の詳細は(B)オレフィン系共重合体と同様である。
【0037】
一方単量体(3)の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、芳香環がアルキル基で置換されたスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、などが挙げられ、これらは2種以上を同時に使用することもできる。
【0038】
かかるオレフィン系共重合体は、α−オレフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル(2)と単量体(3)のランダム、交互、ブロック、グラフトいずれの共重合様式であっても良く、例えばα−オレフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル(2)のランダム共重合体に対し単量体(3)がグラフト共重合したような、2種以上の共重合様式が組み合わされた共重合体であっても良い。
【0039】
オレフィン系共重合体の共重合割合は、目的とする効果への影響、重合性、ゲル化、耐熱性、流動性、強度への影響などの観点から、α−オレフィン(1)/α,β−不飽和酸のグリシジルエステル(2)=60〜99重量%/40〜1重量%の範囲が好ましく選択される。また単量体(3)の共重合割合は、α−オレフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル(2)の合計量95〜40重量%に対し、単量体(3)5〜60重量%の範囲(ただし(1)、(2)および(3)の合計を100重量%とする)が好ましく選択される。
【0040】
また本発明におけるエポキシ基含有オレフィン系(共)重合体のもう一つの好ましい態様として、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体が挙げられる。
【0041】
かかるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体とは、ブロック共重合体、部分水添ブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したものであり、その基体となるブロック共重合体とは、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロック共重合体であり、例えば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、(A−B−)4−Si、A−B−A−B−A等の構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体である。また部分水添ブロック共重合体とは、該ブロック共重合体を水素添加して得られるものである。以下に該ブロック共重合体、部分水添ブロック共重合体に関してさらに詳細に述べる。
【0042】
このブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を5重量%以上95重量%未満、好ましくは10〜60重量%、さらに好ましくは10〜50重量%含み、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAが、芳香族ビニル化合物のホモ重合体ブロック、または芳香族ビニル化合物を50重量%を超え好ましくは70重量%以上含有する芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックの構造を有しており、さらに共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBが、共役ジエン化合物のホモ重合体ブロック、または共役ジエン化合物を50重量%を超え好ましくは70重量%以上含有する共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体ブロックの構造を有するものである。また、これらの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の共役ジエン化合物または芳香族ビニル化合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖中に沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の組み合わせで成っていてもよく、該芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックおよび該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
【0043】
ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。そして、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えばポリブタジエンブロックにおいては1,2−ビニル結合構造が5〜65%の範囲が好ましく、特に好ましくは10〜50%の範囲である。
【0044】
上記した構造を有するブロック共重合体の数平均分子量は、通常、5,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜800,000、さらに好ましくは30,000〜500,000の範囲であり、分子量分布〔重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)〕は10以下である。さらにブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせの何れであってもよい。
【0045】
これらのブロック共重合体の製造方法としては、上記した構造を有するものであればどのような製造方法で得られるものであってもかまわない。例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中で芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成することができる。
【0046】
また、部分水添ブロック共重合体とは、上記のかかる芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を水素添加することによって得られるものであり、この水添ブロック共重合体の製造方法としては、例えば特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方法を採用することもできるが、特に得られる水添ブロック共重合体の耐候性、耐熱劣化性に優れた性能を発揮するチタン系水添触媒を用いて合成された水添ブロック共重合体が最も好ましく、例えば、特開昭59−133203号公報、特開昭60−79005号公報に記載された方法により、不活性溶媒中でチタン系水添触媒の存在下に、上記した構造を有するブロック共重合体を水素添加して水添ブロック共重合体を合成することができる。その際、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合は0〜99%を水素添加せしめ、好ましくは0〜70%を水素添加させたものである。なお、これらのブロック共重合体および部分水添ブロック共重合体は上市されており、容易に入手することができる。
【0047】
次に、本発明の(C)成分の一つとして用い得るエポキシ化ジエン系ブロック共重合体は、上記した構造を有するブロック共重合体、部分水添ブロック共重合体にエポキシ化剤を反応させ、共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合をエポキシ化したものである。本発明に用いるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体は上記のブロック共重合体または部分水添ブロック共重合体を不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類、過酸類などのエポキシ化剤と反応させることにより得ることができる。過酸類としては過ギ酸、過酢酸、過安息香酸の混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して触媒効果を得ることができる。また、エポキシ化剤の最適量は、使用する個々のエポキシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々のブロック共重合体などのような可変要因によって決めることができる。なお、得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重合体の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈澱させる方法、重合体を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法などで行うことができる。
【0048】
かかるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体のエポキシ化の程度に特に規定はないが、オキシラン酸素濃度0.1重量%以上7重量%以下であることが好ましく、特に1.0重量%以上5重量%以下であることが好ましい。オキシラン酸素濃度が上記範囲であるとPPS樹脂組成物の衝撃強化、および外観特性が良好で、層剥離が抑制され、安定した耐熱性が得られる点で好ましい。
【0049】
また本発明において(C)官能基含有オレフィン系(共)重合体成分として用い得るカルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基、酸無水物基を含有するオレフィン系(共)重合体の例としては、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体などのエチレンとα−オレフィンの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリイソプレン、ブテン−イソプレン共重合体、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)および上記(B)記載のエチレン・α−オレフィン系共重合体などのポリオレフィン系(共)重合体にマレイン酸無水物、琥珀酸無水物、フマル酸無水物などの酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルなどのカルボン酸及びそのNa、Zn、K、Ca、Mgなどの塩、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどのカルボン酸エステルが共重合されたオレフィン系共重合体などが挙げられ、より具体的にはエチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸n−プロピル共重合体、エチレン−アクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸t−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸n−プロピル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン−メタクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸t−ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソブチル共重合体などのオレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、メタアクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸プロピル−アクリロニトリル共重合体、メタアクリル酸プロピル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体、メタアクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体などの、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびそのNa、Zn、K、Ca、Mgなどの金属塩、エチレン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−ブテン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−プロピレンーマレイン酸無水物共重合体、エチレン−ヘキセン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−オクテン−マレイン酸無水物共重合体、プロピレン−マレイン酸無水物共重合体あるいは無水マレイン酸変性のSBS、SIS、SEBS、SEPS、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などが例示できる。
【0050】
かかるオレフィン系(共)重合体の共重合様式には特に制限はなく、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などいずれの共重合体様式であっても良い。
【0051】
上記(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン系共重合体の配合量は、優れた耐衝撃性、成形加工性、低ガス性などの観点から、(A)PPS樹脂100重量部に対し、1〜100重量部の範囲、好ましくは3〜50重量部の範囲が選択され、特に3〜20重量部の範囲がより好ましく選択される。
【0052】
かかる(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン系共重合体の配合量が少なすぎると、目的とする改良効果が不十分であり、一方多すぎると成形加工性が損なわれる傾向にある。
【0053】
また上記(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン系共重合体として、2種以上の(C)官能基含有オレフィン系共重合体を併用しても良い。
【0054】
本発明において、より優れた耐衝撃性等を得る観点から、更に追加成分として、アルコキシシラン化合物を、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部添加することは有効である。
【0055】
かかるアルコキシシラン化合物としては、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシランが好ましく、その具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられ、中でもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、が特に好ましい。
【0056】
本発明において、更に(D)成分として、ポリアミド樹脂および/または熱可塑性ポリエステル樹脂を配合することは、優れた耐衝撃特性と共に、成形加工性を更に改良する上で有効である。また、本発明の樹脂組成物と他の樹脂組成物例えばポリアミド樹脂組成物或いはポリエステル樹脂組成物と積層する場合、例えば共押出成形などで積層する場合に、両樹脂の界面の接着性を向上させる上でも有効である。またポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂は単独で用いても併用してもよい。
【0057】
かかる(D)成分として用いられるポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするポリアミドである。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
【0058】
本発明において、特に有用なポリアミド樹脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)およびこれらの混合物などが挙げられる。
【0059】
とりわけ好ましいポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン6/66コポリマー、またナイロン6T/66コポリマー、ナイロン6T/6Iコポリマー、およびナイロン6T/6コポリマーなどのヘキサメチレテレフタルアミド単位を有する共重合体を挙げることができ、更にこれらのポリアミド樹脂を耐衝撃性、成形加工性、相溶性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。
【0060】
これらポリアミド樹脂の重合度には特に制限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が、1.5〜7.0の範囲、更には2.0〜7.0の範囲のポリアミド樹脂が好ましいが、より優れた耐衝撃性を得る観点からは特に、3.0〜7.0の範囲が好ましい。
【0061】
一方(D)成分として用いられる好ましい熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート共重合体、などが挙げられる。
【0062】
これら熱可塑性ポリエステル樹脂、中でも好ましく使用されるポリブチレンテレフタレート(以下PBT樹脂と略称する)の重合度には特に制限無く、0.5%オルトクロロフェノール溶液を25℃で測定した相対粘度が0.5〜2.5の範囲、特に0.8〜2.0の範囲のものが好ましい。また、ポリエチレンテレフタレートについても重合度には特に制限無く、0.5%オルトクロロフェノール溶液を25℃で測定した極限粘度が0.54〜1.5の範囲、特に0.6〜1.2の範囲のものが好ましい。
【0063】
かかる(D)成分として、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂を配合する場合の好適な配合量としては、ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、1〜99重量部、より好適には5〜70重量部の範囲が例示できる。
【0064】
本発明において、高い衝撃特性等と同時に、よりすぐれた剛性、寸法安定性などが必要な場合、更に(E)成分として、充填材を配合することが好ましい。
【0065】
かかる充填材の形状は繊維状、非繊維状のいずれでもよく、併用してもよい。充填材の具体例としては、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素およびシリカなどの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。また、これら(E)充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。中でも繊維状充填材が好ましく、特にガラス繊維、ガラスミルドファイバーが好ましい。
【0066】
かかる(E)充填材を配合する場合の配合量は(A)PPS樹脂100重量部に対し、1〜400重量部の範囲が例示でき、20〜250重量部の範囲がより好適である。
【0067】
また、本発明の組成物は、(E)成分のなかでも導電性を有する充填材(導電性フィラー)を配合することにより、耐衝撃性に優れる導電性PPS樹脂組成物を得る上でも有用である。
かかる導電性フィラーとしては、導電性フィラーは、通常樹脂の導電化に用いられる導電性フィラーであれば特に制限は無く、その具体例としては、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維、金属酸化物、導電性物質で被覆された無機フィラー、カーボン粉末、黒鉛、炭素繊維、カーボンフレーク、鱗片状カーボンなどが挙げられる。
【0068】
金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示できる。
【0069】
金属繊維の金属種の具体例としては鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、黄銅などが例示できる。
【0070】
かかる金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維はチタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていても良い。
【0071】
金属酸化物の具体例としてはSnO2 (アンチモンドープ)、In2 O3 (アンチモンドープ)、ZnO(アルミニウムドープ)などが例示でき、これらはチタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていても良い。
【0072】
導電性物質で被覆された無機フィラーにおける導電性物質の具体例としてはアルミニウム、ニッケル、銀、カーボン、SnO2 (アンチモンドープ)、In2 O3 (アンチモンドープ)などが例示できる。また被覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカー、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アルミウィスカー、酸化亜鉛系ウィスカー、酸化チタン酸系ウィスカー、炭化珪素ウィスカーなどが例示できる。被覆方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法、焼き付け法などが挙げられる。またこれらはチタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていても良い。
【0073】
カーボン粉末はその原料、製造法からアセチレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラックなどに分類される。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、その原料、製造法は特に限定されないが、アセチレンブラック、ファーネスブラックが特に好適に用いられる。またカーボン粉末は、その粒子径、表面積、DBP吸油量、灰分などの特性の異なる種々のカーボン粉末が製造されている。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、これら特性に特に制限は無いが、靱性と導電性のバランスの点から、平均粒径が500nm以下、特に5〜100nm、更には10〜70nmが好ましい。また表面積(BET法)は10m2 /g以上、更には300m2 /g以上、特に500〜1500m2 /gが好ましい。またDBP吸油量は50ml/100g以上、特に100ml/100g、更に370ml/100g以上が好ましい。また灰分は0.5%以下、特に0.3%以下が好ましい。
【0074】
かかるカーボン粉末はチタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていても良い。また溶融混練作業性を向上させるために造粒されたものを用いることも可能である。
【0075】
また優れた表面平滑性を得る観点から、本発明で用いられる導電性フィラーは、高いアスペクト比を有する繊維状フィラーよりも、粉状、粒状、板状、鱗片状、或いは樹脂組成物中の長さ/直径比が200以下の繊維状のいずれかの形態であることが好ましい。
【0076】
上記導電性フィラーは、2種以上を併用しても良い。かかる導電性フィラーの中で、特にカーボン粉末が強度、コスト的に特に好適に用いられる。
【0077】
かかる導電性フィラーを配合する場合の配合量としては、PPS樹脂100重量部に対し、0.5〜50重量部の範囲が選択され、特に優れた耐衝撃性を発現させる観点から1〜20重量部の範囲が例示できる。
【0078】
本発明のPPS樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲において、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、タルク、カオリン、有機リン化合物などの結晶核剤、ポリオレフィン系化合物、シリコーン系化合物、長鎖脂肪族エステル系化合物、長鎖脂肪族アミド系化合物などの離型剤、酸化防止剤、熱安定剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウムなどの滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などの通常の添加剤を添加することができる。
【0079】
また、本発明のPPS樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、四フッ化ポリエチレン、ポリエ−テルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリエ−テルケトン、ポリチオエーテルケトン、ポリエ−テルエ−テルケトン、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリアミドエラストマ、ポリエステルエラストマ、ポリアルキレンオキサイド等の他の樹脂を含んでも良い。
【0080】
本発明のPPS樹脂組成物の調製方法は特に制限はないが、原料の混合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなど通常公知の溶融混合機に供給して280〜380℃の温度で混練する方法などを代表例として挙げることができる。原料の混合順序にも特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することももちろん可能である。
【0081】
本発明により得られたPPS樹脂組成物は、射出成形、押出成形(チューブ、パイプなどの管状体成形あるいは丸棒などの成形など)、ブロー成形、トランスファー成形、フィルム成形など各種成形に適用できるが、中でも射出成形、押出成形用途には特に好適に用いられる。
【0082】
この様にして得られた成形体は、耐熱性、耐熱水性、耐溶剤性などのPPSが本来有する特性に加え、耐衝撃性、成形加工性等にも優れており、その用途としては、例えばセンサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスク等の音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;水道蛇口コマ、混合水栓、ポンプ部品、パイプジョイント、水量調節弁、逃がし弁、湯温センサー、水量センサー、水道メーターハウジングなどの水廻り部品;バルブオルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、車速センサー、ケーブルライナー等の自動車・車両関連部品、その他各種用途が例示できる。
【0083】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。また、以下の実施例において材料強度、流動性の評価は、次の方法により行なった。
【0084】
[測定方法]
(1)引張特性:ASTM D638法に準じた。
【0085】
(2)モールドノッチ付きIZOD衝撃強度:ASTM D256法に準じた。(3)成形下限圧力:本発明のPPS樹脂組成物を用い、機械的強度特性評価用試験片(曲げ試験片、衝撃試験片及び引張試験片)を射出成形した。射出成形機としては住友重機械工業(株)社製SG−HIPRO・MIIIを用い、金型設定温度140℃、シリンダー設定温度300〜320℃で成形を行なった。上記試験片を樹脂で完全に充填するのに必要な最低射出圧力を成形下限圧力とした。この成形下限圧力が低いほど流動性が優れることを意味する。
【0086】
[参考例(PPS樹脂の重合)]
(1)攪拌機付きオートクレーブに硫化ナトリウム9水塩6.005kg(25モル)、酢酸ナトリウム0.656kg(8モル)およびN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)5kgを仕込み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水3.6リットルを留出した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジクロロベンゼン3.756kg(25.55モル)ならびにNMP3.7kgを加えて、窒素下に密閉し、270℃まで昇温後、270℃で2.5時間反応した。冷却後、反応生成物を温水で5回洗浄し、80℃で24時間減圧乾燥して、PPS(PPS−1)、約2.45kgを得た。このPPSの灰分量は0.5重量%であった。
【0087】
(2)270℃で2.5時間反応し、冷却後、反応生成物を温水で5回洗浄するまでは、上記(1)と同様の方法で重合をおこなった。その後、100℃に加熱されNMP10kg中に投入して、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、さらに熱湯で数回洗浄した。これを90℃に加熱されたpH4の酢酸水溶液25リットル中に投入し、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥してPPS−2、2.45kgを得た。このPPSの灰分量は0.07重量%、溶融粘度900ポイズ(310℃、1000/s)であった。
【0088】
(3)攪拌機付きオートクレーブに硫化ナトリウム9水塩6.005kg(25モル)、酢酸ナトリウム0.656kg(8モル)およびN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)5kgを仕込み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水3.6リットルを留出した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジクロロベンゼン3.727kg(25.35モル)ならびにNMP3.7kgを加えて、窒素下に密閉し、225℃まで昇温して5時間反応後、270℃まで昇温し3時間反応した。冷却後、反応生成物を温水で5回洗浄し、次に100℃に加熱されNMP10kg中に投入して、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、さらに熱湯で数回洗浄した。これを90℃に加熱されたpH4の酢酸水溶液25リットル中に投入し、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥してPPS−3を、2.44kgを得た。このPPSの灰分量は0.05重量%、溶融粘度は2300ポイズ(310℃、1000/s)であった。
【0089】
(4)攪拌機付きオートクレーブに硫化ナトリウム9水塩6.005kg(25モル)、酢酸ナトリウム0.11kg(1.35モル)およびN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)5kgを仕込み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水3.6リットルを留出した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジクロロベンゼン3.756kg(25.55モル)ならびにNMP3.7kgを加えて、窒素下に密閉し、270℃まで昇温後、270℃で2.5時間反応した。冷却後、反応生成物を温水で5回洗浄し、次に100℃に加熱されNMP10kg中に投入して、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、さらに熱湯で数回洗浄した。これを90℃に加熱されたpH4の酢酸水溶液25リットル中に投入し、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥してPPS−4、2.43kgを得た。このPPSの灰分量は0.04重量%、溶融粘度は300ポイズ(310℃、1000/s)であった。
【0090】
[実施例及び比較例で用いた配合材]
(B)特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体
B−1:Mw/Mn=2.8、α−オレフィン含有量=6モル%のエチレン・1−ヘキセン共重合体、密度0.894g/cm3、メタロセン系触媒を用いて重合。
【0091】
B−2:Mw/Mn=2.6、α−オレフィン含有量=8モル%のエチレン・1−ヘキセン共重合体、密度0.888g/cm3、メタロセン系触媒を用いて重合。
【0092】
B−3:Mw/Mn=2.9、α−オレフィン含有量=6モル%のエチレン・1−ブテン共重合体、密度0.894g/cm3、メタロセン系触媒を用いて重合。
【0093】
B−4:Mw/Mn=2.8、α−オレフィン含有量=6モル%のエチレン・1−オクテン共重合体、密度0.894g/cm3、メタロセン系触媒を用いて重合。
【0094】
B−6:Mw/Mn=2.5、α−オレフィン含有量=20モル%のエチレン・1−ブテン共重合体、密度0.860g/cm3、メルトフローレイト=0.5g/10分、メタロセン系触媒を用いて重合。
【0095】
B−7:Mw/Mn=2.5、α−オレフィン含有量=15モル%のエチレン・オクテン共重合体、密度0.870g/cm3、メルトフローレイト=4g/10分、メタロセン系触媒を用いて重合。
【0096】
B−8:Mw/Mn=2.5、α−オレフィン含有量=20モル%のエチレン・オクテン共重合体、密度0.863g/cm3、メルトフローレイト=4g/10分、メタロセン系触媒を用いて重合。
【0097】
B−9:Mw/Mn=2.5、α−オレフィン含有量=20モル%のエチレン・1−ブテン共重合体、密度0.860g/cm3、メルトフローレイト=35g/10分、メタロセン系触媒を用いて重合。
【0098】
なおMFRはASTM D1238に準じ、荷重2.16kg、190℃で測定した値である。
【0099】
(B’)比較用ポリオレフィン
B’−5(比較例):メタロセン系触媒を使用していない、Mw/Mn=3.8の線状低密度ポリエチレン(密度0.915g/cm3)
【0100】
(C)官能基含有オレフィン系(共)重合体
C−1:α−オレフィンおよびα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを主構成成分とするオレフィン系共重合体
エチレン/グリシジルメタクリレ−ト=88/12(重量%)共重合体
C−2:エチレン/グリシジルメタクリレ−ト(E/GMA)=85/15(重量%)を主骨格とし、アクリロニトリル/スチレン(AS)=30/70(重量%)をグラフト共重合した重合体であって、(E/GMA)/(AS)=70/30(重量%)共重合体
C−3:部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体(スチレン/ブタジエン重量比=3/7、水添率80%)を過酢酸を用いてエポキシ化した。オキシラン酸素濃度3.04重量%であった。
【0101】
C−4:C−2:無水マレイン酸(0.5wt%)グラフト変性エチレン−ブテン共重合体
【0102】
(D)ポリアミド樹脂または熱可塑性ポリエステル樹脂
D−1:ナイロン6 相対粘度 2.35
D−2:ナイロン6 相対粘度 4.30
D−3:ポリブチレンテレフタレート(東レ(株)PBT 1100S))
D−4:ナイロン12(東レ(株)社製 ”アミラン”CM5051F)
【0103】
(E)繊維状及び/または非繊維状充填材
E−1:ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:CS03MA497
E−2(導電性フィラー):カーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル(株)社製EC600JD、DBP吸油量495ml/100g、BET法表面積1270m2 /g、平均粒径30nm、灰分0.2%
【0104】
実施例1〜9、
表1に示す各成分を表1に示す割合でドライブレンドした後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュー式単軸押出機(スクリュー:ダルメージ)により溶融混練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機械特性及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
実施例10〜12
表2に示す(A)PPS樹脂、(B)特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体及び(C)官能基含有オレフィン系(共)重合体の内のC−1成分を表2に示す割合でドライブレンドした。その後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュー式単軸押出機(スクリュー:ダルメージ)により溶融混練後ペレタイズした。次にそのペレットとC−4成分及び(D)ポリアミド樹脂を表2に示す割合でドライブレンドし、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュー式単軸押出機(スクリュー:ダルメージ)により溶融混練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機械特性及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表2に示す。
【0107】
実施例13
表2に示す成分を表2に示す割合でドライブレンドした後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュー式単軸押出機(スクリュー:ダルメージ)により溶融混練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機械特性及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表2に示す。
【0108】
実施例14
表2に示す成分を表2に示す割合でドライブレンドした後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュー式単軸押出機(スクリュー:フルフライト)により溶融混練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機械特性及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表2に示す。
【0109】
実施例15〜16
表2に示す(A)PPS樹脂、(B)特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体及び(C)官能基含有オレフィン系(共)重合体成分を表2に示す割合でドライブレンドした。その後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュー式2軸押出機により溶融混練後ペレタイズした。次にそのペレットとE−2導電性フィラー成分を表2に示す割合でドライブレンドし、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュー式2軸押出機により溶融混練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機械特性及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表2に示す。
【0110】
比較例1、3
(B)特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体の替わりに、B’−5メタロセン系触媒を使用していない、Mw/Mn=3.8の線状低密度ポリエチレンを用いたこと以外は実施例1、10と同様にして溶融混練、ペレタイズ、各物性測定を行った。結果を表2に示す。
【0111】
B’−5メタロセン系触媒を使用していない、Mw/Mn=3.8の線状低密度ポリエチレンを用いると明らかに衝撃特性等が劣る結果となった。
【0112】
比較例2
(B)特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体を用いない替わりに、(C)官能基含有オレフィン系(共)重合体量を増量した以外は実施例1と同様にして溶融混練、ペレタイズ、各物性測定を行った。結果を表2に示す。
【0113】
この方法では流動性の悪化が大きく、また低温衝撃特性が低い結果となった。
【0114】
【表2】
【0115】
実施例17〜20
表3に示す各成分を表3に示す割合でドライブレンドした後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュー式単軸押出機(スクリュー:ダルメージ)により溶融混練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機械特性及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表3に示す。
【0116】
【表3】
【0117】
[押出チューブ成形(1)]
外層にナイロン6(東レ(株)”アミラン”CM1056)を用い、中間層接着層(実施例11組成物)を挟んで、内層に実施例15で得られたペレットを用い、外径:8mm、内径:6mm、外層厚み:0.7mm、中間層厚み0.1mm、内層厚み:0.2mmの3層チューブを成形した。成形装置としては、樹脂温度210〜300℃に設定した30mmの3台の単軸押出機、この3台の押出機から吐出された樹脂をアダプター(温度270〜300℃)によって集めてチューブ状に成形するダイス、チューブを冷却し寸法制御するサイジングダイ、および引取機からなるものを使用、引き取り速度50cm/分でチューブ成形を行った。その結果、内面平滑性、層間接着性に優れ、チューブ内面の電気抵抗値が5×103Ω/5cmの導電性チューブが得られた。
【0118】
[押出チューブ成形(2)]
外層にナイロン11(東レ(株)”リルサン”BESNO F15XN)を用い、中間層接着層(実施例12組成物)を挟んで、内層に実施例16で得られたペレットを用い、外径:8mm、内径:6mm、外層厚み:0.7mm、中間層厚み0.1mm、内層厚み:0.2mmの3層チューブを成形した。成形装置としては、樹脂温度210〜300℃に設定した30mmの3台の単軸押出機、この3台の押出機から吐出された樹脂をアダプター(温度270〜300℃)によって集めてチューブ状に成形するダイス、チューブを冷却し寸法制御するサイジングダイ、および引取機からなるものを使用、引き取り速度100cm/分でチューブ成形を行った。その結果、内面平滑性、層間接着性に優れ、チューブ内面の電気抵抗値が4×103Ω/5cmの導電性チューブが得られた。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のPPS樹脂組成物によれば、耐衝撃性、成形加工性などに優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物及びその成形体が得られる。
Claims (14)
- (A)ポリフェニレンスルフィド100重量部に対し、(B−1)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下であるエチレン・α−オレフィン系共重合体1〜100重量部、および(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する官能基含有オレフィン系重合体または共重合体1〜100重量部を配合してなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- (A)ポリフェニレンスルフィド100重量部に対し、(B−2)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体であって、密度が0.880g/cm3以下であるエチレン・α−オレフィン系共重合体1〜100重量部、および(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する官能基含有オレフィン系重合体または共重合体1〜100重量部を配合してなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(B)成分のエチレン・α−オレフィン系共重合体に含まれる炭素原子数3〜20のα−オレフィン含有量が7〜25モル%であることを特徴とする請求項1または2記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(B)成分のエチレン・α−オレフィン系共重合体がメタロセン系触媒を用いて重合された共重合体であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(C)成分の官能基含有オレフィン系重合体または共重合体が、α−オレフィンおよびα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを共重合してなる(C)エポキシ基含有オレフィン系共重合体である請求項1〜4いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(C)成分の官能基含有オレフィン系重合体または共重合体が、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体である請求項1〜4いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(C)成分のエポキシ化ジエン系ブロック共重合体が、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したエポキシ化ジエン共重合体である請求項7記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(A)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂の溶融粘度が、400ポイズ(310℃、せん断速度1000/s)以上である、請求項1〜8いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(A)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂の灰分率が0.2重量%以下である、請求項1〜9いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 更に(E)成分として、充填材をポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、1〜400重量部含有した、請求項1〜10いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 充填材(E)が、導電性フィラーであって、かつその含有量がポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、0.5〜50重量部である請求項11記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 請求項1〜12いずれかに記載のポリフェニレンスルフィド脂組成物を射出成形してなる成形品。
- 請求項1〜12いずれかに記載のポリフェニレンスルフィド脂組成物を押出成形してなる成形品。
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