JP2000198923A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物Info
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Abstract
脂材料より更に優れた耐衝撃性、低温衝撃性、成形加工
性等の高度なバランスの実現を課題とし、更に耐衝撃性
以外の機械的性質、耐熱水性等のPPS樹脂本来の特性
にも均衡して優れ、工業生産性、経済性にも優れたPP
S樹脂組成物を得ることを課題とする。 【解決手段】(A)PPS100重量部に対し、(B)エチレ
ンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチ
レン・α−オレフィン系共重合体であって、GPCによ
り算出される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)が3.0以下であるエチレン・α−
オレフィン系共重合体1〜100重量部、および(C)エポ
キシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カル
ボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の官能基を
含有する官能基含有オレフィン系重合体または共重合体
1〜100重量部とからなることを特徴とするPPS樹脂
組成物。
Description
工性などに優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
及びその成形体に関するものである。
PS樹脂と略す)は優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐薬
品性、電気絶縁性、耐湿熱性などエンジニアリングプラ
スチックとしては好適な性質を有しており、射出成形用
を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動
車部品などに使用されている。しかし、PPS樹脂はポ
リアミド樹脂等の他のエンジニアリングプラスチックに
比べ、耐衝撃特性に劣るとの問題点を有する。
に各種エラストマーを配合する方法がこれまでにも提案
されており、例えば特開昭58−154757号にはP
PS樹脂にエポキシ基含有オレフィン系共重合体を配合
する方法が、また特開平1−306467号にはPPS
樹脂にエポキシ基含有オレフィン系共重合体およびエポ
キシ基、酸無水物基を含有しないエラストマーを配合す
る方法が開示されている。
要求が厳しくなり、これら従来に提案されている熱可塑
性樹脂組成物でも材料特性的に十分とは言えず、より高
度な耐衝撃性、低温衝撃性、成形加工性等を同時に満足
し、かつ経済的にも有利な材料が求められている。
来のPPS樹脂材料より更に優れた耐衝撃性、低温衝撃
性、成形加工性等の高度なバランスの実現を課題とし、
更に耐衝撃性以外の機械的性質、耐熱水性等のPPS樹
脂本来の特性にも均衡して優れ、工業生産性、経済性に
も優れたPPS樹脂組成物を得ることを課題とする。
の課題を解決すべく検討した結果、(A)PPS樹脂と
(B)特定の構造と分子量分布、密度を有する、エチレ
ンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエ
チレン・α−オレフィン系共重合体と(C)エポキシ
基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン
酸エステルから選ばれる少なくとも1種の官能基を含有
する官能基含有オレフィン系重合体または共重合体を選
択的に組み合わせて使用することにより上記課題が解決
されることを見出し本発明に到達した。
し、(B)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフ
ィンとからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体で
あって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)により算出される重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下で
あるエチレン・α−オレフィン系共重合体1〜100重
量部、および(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキ
シル基及びその塩、カルボン酸エステルから選ばれる少
なくとも1種の官能基を含有する官能基含有オレフィン
系重合体または共重合体1〜100重量部を配合してな
ることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物、 2.(A)ポリフェニレンスルフィド100重量部に対
し、(B−2)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オ
レフィンとからなるエチレン・α−オレフィン系共重合
体であって、密度が0.880g/cm3以下であるエ
チレン・α−オレフィン系共重合体1〜100重量部、
および(C)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基
及びその塩、カルボン酸エステルから選ばれる少なくと
も1種の官能基を含有する官能基含有オレフィン系重合
体または共重合体1〜100重量部を配合してなること
を特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、 3.前記(B)成分のエチレン・α−オレフィン系共重
合体に含まれる炭素原子数3〜20のα−オレフィン含
有量が7〜25モル%であることを特徴とする上記ポリ
フェニレンスルフィド樹脂組成物、 4. 前記(B)成分のエチレン・α−オレフィン系共
重合体がメタロセン系触媒を用いて重合された共重合体
であることを特徴とする上記ポリフェニレンスルフィド
樹脂組成物、 5. 前記(C)成分の官能基含有オレフィン系重合体
または共重合体が、α−オレフィンおよびα,β−不飽
和酸のグリシジルエステルを共重合してなる(C)エポ
キシ基含有オレフィン系共重合体である上記ポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物、 6. 前記(C)エポキシ基含有オレフィン系共重合体
が、α−オレフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシ
ジルエステル(2)と更に下記一般式で示される単量体
(3)を必須成分とする単量体を共重合して得られるオ
レフィン系共重合体である上記ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物、
は−COOR2 基、−CN基あるいは芳香族基から選ば
れた1種また2種以上の基。またR2 は炭素数1〜10
のアルキル基を示す) 7. 前記(C)成分の官能基含有オレフィン系重合体
または共重合体が、エポキシ化ジエン系ブロック共重合
体である上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、 8. 前記(C)成分のエポキシ化ジエン系ブロック共
重合体が、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共
重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキ
シ化したエポキシ化ジエン共重合体である上記ポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物、 9. 前記(A)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂
の溶融粘度が、400ポイズ(310℃、せん断速度1
000/s)以上である、上記ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物、 10. 前記(A)成分のポリフェニレンスルフィド樹
脂の灰分量が0.2重量%以下である、上記ポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物、 11.更に(D)成分として、ポリアミド樹脂および/
または熱可塑性ポリエステル樹脂をポリフェニレンスル
フィド樹脂100重量部に対し、1〜99重量部含有し
た、上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、 12.更に(E)成分として、充填材をポリフェニレン
スルフィド樹脂100重量部に対し、1〜400重量部
含有した上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、 13.充填材(E)が、導電性フィラーであって、かつ
その含有量がポリフェニレンスルフィド樹脂100重量
部に対し、0.5〜50重量部であるポリフェニレンス
ルフィド樹脂組成物、 14.上記記載のポリフェニレンスルフィド脂組成物を
射出成形してなる成形品、および 15.上記記載のポリフェニレンスルフィド脂組成物を
押出成形してなる成形品である。
ェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)とは、下記構造
式で示される繰り返し単位を有する重合体であり、
0モル%以上、さらに90モル%以上を含む重合体が好
ましい。またPPS樹脂はその繰り返し単位の30モル
%未満を、下記の構造式を有する繰り返し単位等で構成
することが可能である。
所望の場合に、ジハロベンゼンを主モノマーとし、トリ
ハロベンゼンを3モル%未満共重合した分枝状PPSを
適用することも可能である。
は、溶融混練が可能であれば特に制限はないが、より優
れた耐衝撃性、特に低温衝撃性を得る意味で、400ポ
イズ(310℃、せん断速度1000/s)以上である
ことが好ましく、特に700ポイズ以上が好ましい。ま
た特に押出成形用途で用いる場合には、1000ポイズ
以上がより好ましい。
公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の
小さな重合体を得る方法或は特公昭52−12240号
公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的
分子量の大きな重合体を得る方法などによって製造でき
る。本発明において上記の様に得られたPPS樹脂を空
気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガ
ス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、熱
水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イソ
シアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官能
基含有化合物による活性化など種々の処理を施した上で
使用することももちろん可能である。
する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化
性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴ
ンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器
中で所定の温度において希望する溶融粘度が得られるま
で加熱を行う方法が例示できる。加熱処理温度は通常、
170〜280℃が選択され、好ましくは200〜27
0℃であり、時間は通常0.5〜100時間が選択さ
れ、好ましくは2〜50時間であるが、この加熱処理温
度と時間の両者をコントロールすることにより目標とす
る粘度レベルを得ることができる。加熱処理の装置は通
常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱
装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理
するためには回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用い
るのがより好ましい。
下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法として
は、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で、
加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜2
70℃、加熱時間は0.5〜100時間、好ましくは2
〜50時間加熱処理する方法が例示できる。加熱処理の
装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼
付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均
一に処理するためには回転式あるいは撹拌翼付の加熱装
置を用いるのがより好ましい。
り、PPS中の灰分率が0.2重量%以下に低減された
PPS樹脂を用いることは、より優れた靱性及び成形加
工性を得る意味で好ましい。かかる脱イオン処理の具体
的方法としては酸水溶液洗浄処理、熱水洗浄処理および
有機溶剤洗浄処理などが例示でき、これらの処理は2種
以上の方法を組み合わせて用いても良い。なお、ここで
灰分量の測定は以下の方法に従った。乾燥状態のPPS
原末約5gを坩堝に秤取り、電気コンロ上で黒色塊状物
となるまで焼成する。次にこれを550℃に設定した電
気炉中で炭化物が焼成しきるまで焼成を続ける。その後
デシケーター中で冷却後、重量を測定し、初期重量との
比較から灰分率を計算する。
体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち、
洗浄に用いる有機溶媒としては、PPS樹脂を分解する
作用などを有しないものであれば特に制限はないが、例
えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド・ス
ルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン
などのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、
トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタ
ン、テトラクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲ
ン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレ
ングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶
媒などがあげられる。これらの有機溶媒のなかでN−メ
チルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ク
ロロホルムなどの使用が好ましい。また、これらの有機
溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。
有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にPP
S樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適
宜撹拌または加熱することも可能である。有機溶媒でP
PS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限は
なく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。
洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向がある
が、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分効果が得ら
れる。また有機溶媒洗浄を施されたPPS樹脂は残留し
ている有機溶媒を除去するため、水または温水で数回洗
浄することが好ましい。
方法としては以下の方法が例示できる。すなわち熱水洗
浄によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現
するため、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であ
ることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の
水に所定量のPPS樹脂を投入し、常圧で或いは圧力容
器内で加熱、撹拌することにより行われる。PPS樹脂
と水との割合は、水の多いほうが好ましいが、通常、水
1リットルに対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選
択される。
としては以下の方法が例示できる。すなわち、酸または
酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があ
り、必要により適宜撹拌または加熱することも可能であ
る。用いられる酸はPPSを分解する作用を有しないも
のであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロロ酢
酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボン
酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカ
ルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン
酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル
酸などのジカルボン酸、硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪
酸などの無機酸性化合物などがあげられる。中でも酢
酸、塩酸がより好ましく用いられる。酸処理を施された
PPS樹脂は残留している酸または塩などを除去するた
め、水または温水で数回洗浄することが好ましい。また
洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の好ましい
化学的変性の効果を損なわない意味で蒸留水、脱イオン
水であることが好ましい。
エチレン・α−オレフィン系共重合体は、エチレンおよ
び炭素数3〜20を有する少なくとも1種以上のα−オ
レフィンを共重合してなり、特定の分子量分布および/
または特定の密度を有する共重合体である。上記の炭素
数3〜20のα−オレフィンとして、具体的にはプロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1
−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テ
トラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1
−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、
1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル
−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4
−ジメチル−1−ヘキセン、 4,4−ジメチル−1−
ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1
−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−
1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンおよび
これらの組み合わせが挙げられる。これらα−オレフィ
ンの中でも炭素数6から12であるα−オレフィンを用
いた共重合体が機械強度の向上、改質効果の一層の向上
が見られるためより好ましい。
ィン系共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)により算出される重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が
3.0以下であるか、もしくは密度が0.880g/c
m3以下であるエチレン・α−オレフィン系共重合体で
あることが優れた機械特性と成形加工性を得るために必
要であり、特にゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)により算出される重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0
以下であり、かつ密度が0.880g/cm3以下であ
るエチレン・α−オレフィン系共重合体が最も好ましく
用いられる。
ィン系共重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)により算出される重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は
3.0以下であることが好ましく、更に好ましくは2.
9以下、特に好ましくは2.8以下である。分子量分布
が3.0以下と極めて狭い範囲に限定された共重合体は
低分子量成分が少なく、機械特性と成形加工性に優れる
ため、このものの使用により本発明の組成物の優れた特
性をもたらすことが可能となるのである。
レフィン系共重合体は、密度が0.880g/cm3以
下であることが好ましく、0.830〜0.880g/
cm3の範囲がより好ましく、特に0.850〜0.8
75g/cm3の範囲が好ましい。かかるエチレン・α
−オレフィン系共重合体を用いることにより、射出成形
時の金型からの離型性が優れるなど成形加工性に優れ、
かつ機械的特性、特に靱性に優れた組成物を得ることが
可能となる。
は、α−オレフィン含量が好ましくは4〜25モル%、
より好ましくは7〜25モル%、更に好ましくは12〜
22モル%である。上記の範囲にα−オレフィン含量が
あるエチレン・α−オレフィン系共重合体を用いること
により、柔軟性および耐衝撃性に優れた成形体を提供し
得るPPS樹脂組成物を得ることができる。
体は、メタロセン系触媒を用いて重合することにより製
造できる。メタロセン系触媒は、チタン、ジルコニウム
等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒
とで構成されている。メタロセン系触媒は高活性であ
り、チーグラー系触媒に代表される従来の触媒に比べ、
得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体のコモノ
マー成分であるα−オレフィンの分布が均一であるため
に柔軟性、耐衝撃性に優れるという特長を有する。
ィン系共重合体は、その全灰分量が0.01〜0.2重
量%、好ましくは0.01〜0.1重量%のものが好適
に用いられる。
ィン系共重合体の配合量は、PPS樹脂100重量部に
対し、1〜100重量部の範囲が選択され、3〜70重
量部、更には3〜50重量部の範囲がより好適である。
(B)特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体の配
合量が、少なすぎると衝撃特性などの目的とする改良効
果が軽微であり、一方多すぎると、PPS樹脂が本来有
する高耐熱性などの特性が顕著に阻害される傾向にあ
る。
酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エ
ステルから選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する
官能基含有オレフィン系重合体または共重合体を(B)
特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体とともに配
合することは、本発明の優れた改良効果を得る上で必須
である。
体の一つである、エポキシ基含有オレフィン系(共)重
合体としては、側鎖にグリシジルエステル、グリシジル
エーテルなどを有するオレフィン系共重合体や、二重結
合を有するオレフィン系共重合体の二重結合部分を、エ
ポキシ酸化したものなどが挙げられる。
重合体のより具体的な態様としては、エポキシ基を有す
るモノマーが共重合されたオレフィン系共重合体が挙げ
られ、特にα−オレフィンおよびα,β−不飽和酸のグ
リシジルエステルを共重合してなる(C)エポキシ基含
有オレフィン系共重合体が好適に用いられる。
エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテ
ン−1、ヘキセン−1、デセン−1、オクテン−1など
が挙げられ、中でもエチレンが好ましく用いられる。ま
たこれらは2種以上を同時に使用することもできる。
テルとは、一般式
示される化合物であり、具体的にはアクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル
などが挙げられ、中でもメタクリル酸グリシジルが好ま
しく用いられる。
和酸のグリシジルエステルを共重合してなるオレフィン
系共重合体は、上記α−オレフィンとα,β−不飽和酸
のグリシジルエステルとのランダム、交互、ブロック、
グラフト共重合体いずれの共重合様式であっても良い。
グリシジルエステルを共重合してなるオレフィン系共重
合体におけるα,β−不飽和酸のグリシジルエステルの
共重合量は、目的とする効果への影響、重合性、ゲル
化、耐熱性、流動性、強度への影響などの観点から、
0.5〜40重量%、特に3〜30重量%が好ましい。
系共重合体として、α−オレフィン(1)とα,β−不
飽和酸のグリシジルエステル(2)に加え、更に下記一
般式で示される単量体(3)を必須成分とするエポキシ
基含有オレフィン系共重合体もまた好適に用いられる。
は−COOR2 基、−CN基あるいは芳香族基から選ば
れた基。またR2 は炭素数1〜10のアルキル基を示
す)
α−オレフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジル
エステル(2)の詳細は(B)オレフィン系共重合体と
同様である。
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロ
ピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸
イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチ
レン、芳香環がアルキル基で置換されたスチレン、アク
リロニトリル−スチレン共重合体、などが挙げられ、こ
れらは2種以上を同時に使用することもできる。
フィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル
(2)と単量体(3)のランダム、交互、ブロック、グ
ラフトいずれの共重合様式であっても良く、例えばα−
オレフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエス
テル(2)のランダム共重合体に対し単量体(3)がグ
ラフト共重合したような、2種以上の共重合様式が組み
合わされた共重合体であっても良い。
的とする効果への影響、重合性、ゲル化、耐熱性、流動
性、強度への影響などの観点から、α−オレフィン
(1)/α,β−不飽和酸のグリシジルエステル(2)
=60〜99重量%/40〜1重量%の範囲が好ましく
選択される。また単量体(3)の共重合割合は、α−オ
レフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステ
ル(2)の合計量95〜40重量%に対し、単量体
(3)5〜60重量%の範囲(ただし(1)、(2)お
よび(3)の合計を100重量%とする)が好ましく選
択される。
ィン系(共)重合体のもう一つの好ましい態様として、
エポキシ化ジエン系ブロック共重合体が挙げられる。
体とは、ブロック共重合体、部分水添ブロック共重合体
の共役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化し
たものであり、その基体となるブロック共重合体とは、
少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合
体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロックBとから成るブロック共重合
体であり、例えば、A−B、A−B−A、B−A−B−
A、(A−B−)4−Si、A−B−A−B−A等の構
造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロ
ック共重合体である。また部分水添ブロック共重合体と
は、該ブロック共重合体を水素添加して得られるもので
ある。以下に該ブロック共重合体、部分水添ブロック共
重合体に関してさらに詳細に述べる。
合物を5重量%以上95重量%未満、好ましくは10〜
60重量%、さらに好ましくは10〜50重量%含み、
芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAが、
芳香族ビニル化合物のホモ重合体ブロック、または芳香
族ビニル化合物を50重量%を超え好ましくは70重量
%以上含有する芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物
との共重合体ブロックの構造を有しており、さらに共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBが、共役ジ
エン化合物のホモ重合体ブロック、または共役ジエン化
合物を50重量%を超え好ましくは70重量%以上含有
する共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合
体ブロックの構造を有するものである。また、これらの
芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA、共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それ
ぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の共役ジエン化
合物または芳香族ビニル化合物の分布がランダム、テー
パード(分子鎖中に沿ってモノマー成分が増加または減
少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の組
み合わせで成っていてもよく、該芳香族ビニル化合物を
主体とする重合体ブロックおよび該共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロックがそれぞれ2個以上ある場合
は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても
よく、異なる構造であってもよい。
化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン、1,1
−ジフェニルエチレン等のうちから1種または2種以上
が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また共役ジエ
ン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、中
でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせ
が好ましい。そして、共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロックは、そのブロックにおけるミクロ構造を任
意に選ぶことができ、例えばポリブタジエンブロックに
おいては1,2−ビニル結合構造が5〜65%の範囲が
好ましく、特に好ましくは10〜50%の範囲である。
数平均分子量は、通常、5,000〜1,000,00
0、好ましくは10,000〜800,000、さらに
好ましくは30,000〜500,000の範囲であ
り、分子量分布〔重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)〕は10以下である。
さらにブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐
状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせの何れで
あってもよい。
ては、上記した構造を有するものであればどのような製
造方法で得られるものであってもかまわない。例えば、
特公昭40−23798号公報に記載された方法によ
り、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中で芳香族ビニル
化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成する
ことができる。
記のかかる芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロ
ック共重合体を水素添加することによって得られるもの
であり、この水添ブロック共重合体の製造方法として
は、例えば特公昭42−8704号公報、特公昭43−
6636号公報に記載された方法を採用することもでき
るが、特に得られる水添ブロック共重合体の耐候性、耐
熱劣化性に優れた性能を発揮するチタン系水添触媒を用
いて合成された水添ブロック共重合体が最も好ましく、
例えば、特開昭59−133203号公報、特開昭60
−79005号公報に記載された方法により、不活性溶
媒中でチタン系水添触媒の存在下に、上記した構造を有
するブロック共重合体を水素添加して水添ブロック共重
合体を合成することができる。その際、芳香族ビニル化
合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の共役ジエン
化合物に基づく脂肪族二重結合は0〜99%を水素添加
せしめ、好ましくは0〜70%を水素添加させたもので
ある。なお、これらのブロック共重合体および部分水添
ブロック共重合体は上市されており、容易に入手するこ
とができる。
い得るエポキシ化ジエン系ブロック共重合体は、上記し
た構造を有するブロック共重合体、部分水添ブロック共
重合体にエポキシ化剤を反応させ、共役ジエン化合物に
基づく脂肪族二重結合をエポキシ化したものである。本
発明に用いるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体は上
記のブロック共重合体または部分水添ブロック共重合体
を不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類、過酸類な
どのエポキシ化剤と反応させることにより得ることがで
きる。過酸類としては過ギ酸、過酢酸、過安息香酸の混
合物を過酸化水素と、あるいは有機酸を過酸化水素と、
あるいはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチ
ルハイドロパーオキサイドと併用して触媒効果を得るこ
とができる。また、エポキシ化剤の最適量は、使用する
個々のエポキシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用す
る個々のブロック共重合体などのような可変要因によっ
て決めることができる。なお、得られたエポキシ化ジエ
ン系ブロック共重合体の単離は適当な方法、例えば貧溶
媒で沈澱させる方法、重合体を熱水中に攪拌の下で投入
し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法などで行うこ
とができる。
体のエポキシ化の程度に特に規定はないが、オキシラン
酸素濃度0.1重量%以上7重量%以下であることが好
ましく、特に1.0重量%以上5重量%以下であること
が好ましい。オキシラン酸素濃度が上記範囲であるとP
PS樹脂組成物の衝撃強化、および外観特性が良好で、
層剥離が抑制され、安定した耐熱性が得られる点で好ま
しい。
フィン系(共)重合体成分として用い得るカルボキシル
基及びその塩、カルボン酸エステル基、酸無水物基を含
有するオレフィン系(共)重合体の例としては、エチレ
ン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エ
チレン−ヘキセン共重合体などのエチレンとα−オレフ
ィンの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテ
ン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリブタジエ
ン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリイソ
プレン、ブテン−イソプレン共重合体、スチレン−エチ
レン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEB
S)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロ
ック共重合体(SEPS)および上記(B)記載のエチ
レン・α−オレフィン系共重合体などのポリオレフィン
系(共)重合体にマレイン酸無水物、琥珀酸無水物、フ
マル酸無水物などの酸無水物、アクリル酸、メタクリル
酸、酢酸ビニルなどのカルボン酸及びそのNa、Zn、
K、Ca、Mgなどの塩、アクリル酸メチル、メタクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどのカルボン酸エステ
ルが共重合されたオレフィン系共重合体などが挙げら
れ、より具体的にはエチレン−アクリル酸メチル共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
アクリル酸n−プロピル共重合体、エチレン−アクリル
酸イソプロピル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブ
チル共重合体、エチレン−アクリル酸t−ブチル共重合
体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレ
ン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸n−プロ
ピル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソプロピル共
重合体、エチレン−メタクリル酸n−ブチル共重合体、
エチレン−メタクリル酸t−ブチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸イソブチル共重合体などのオレフィン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸メチ
ル−アクリロニトリル共重合体、メタアクリル酸メチル
−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸プロピル−ア
クリロニトリル共重合体、メタアクリル酸プロピル−ア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロ
ニトリル共重合体、メタアクリル酸ブチル−アクリロニ
トリル共重合体などの、(メタ)アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体およびそのNa、Zn、K、Ca、Mgな
どの金属塩、エチレン−マレイン酸無水物共重合体、エ
チレン−ブテン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン
−プロピレンーマレイン酸無水物共重合体、エチレン−
ヘキセン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−オク
テン−マレイン酸無水物共重合体、プロピレン−マレイ
ン酸無水物共重合体あるいは無水マレイン酸変性のSB
S、SIS、SEBS、SEPS、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体などが例示できる。
様式には特に制限はなく、ランダム共重合体、グラフト
共重合体、ブロック共重合体などいずれの共重合体様式
であっても良い。
ボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基から選ば
れる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン系共
重合体の配合量は、優れた耐衝撃性、成形加工性、低ガ
ス性などの観点から、(A)PPS樹脂100重量部に
対し、1〜100重量部の範囲、好ましくは3〜50重
量部の範囲が選択され、特に3〜20重量部の範囲がよ
り好ましく選択される。
ルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基から選
ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン系
共重合体の配合量が少なすぎると、目的とする改良効果
が不十分であり、一方多すぎると成形加工性が損なわれ
る傾向にある。
カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基から
選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン
系共重合体として、2種以上の(C)官能基含有オレフ
ィン系共重合体を併用しても良い。
得る観点から、更に追加成分として、アルコキシシラン
化合物を、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100
重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.
1〜2重量部添加することは有効である。
エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メ
ルカプト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1
種の官能基を有するアルコキシシランが好ましく、その
具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシ
ラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどの
メルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイ
ドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピル
トリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有
アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルト
リエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメト
キシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシ
ラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどの
イソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロ
ピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシ
ラン化合物などが挙げられ、中でもγ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基
含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルト
リエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシ
シシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピル
トリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシ
ラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラ
ン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ
−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イ
ソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソ
シアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシ
アナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基
含有アルコキシシラン化合物、が特に好ましい。
ポリアミド樹脂および/または熱可塑性ポリエステル樹
脂を配合することは、優れた耐衝撃特性と共に、成形加
工性を更に改良する上で有効である。また、本発明の樹
脂組成物と他の樹脂組成物例えばポリアミド樹脂組成物
或いはポリエステル樹脂組成物と積層する場合、例えば
共押出成形などで積層する場合に、両樹脂の界面の接着
性を向上させる上でも有効である。またポリアミド樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂は単独で用いても併用し
てもよい。
ミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンと
ジカルボン酸を主たる原料とするポリアミドである。そ
の原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11
−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラ
アミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラク
タム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチ
レンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペン
タメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカ
メチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,
4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレン
ジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−
アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピ
ル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪
族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、ス
ペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル
酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキ
サヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族の
ジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの
原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリ
マーを各々単独または混合物の形で用いることができ
る。
脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れ
たポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプ
ロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド
(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナ
イロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイ
ロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプ
ロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリ
マー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサ
メチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/
6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンX
D6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−
2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー
(ナイロン6T/M5T)およびこれらの混合物などが
挙げられる。
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロ
ン12、ナイロン610、ナイロン6/66コポリマ
ー、またナイロン6T/66コポリマー、ナイロン6T
/6Iコポリマー、およびナイロン6T/6コポリマー
などのヘキサメチレテレフタルアミド単位を有する共重
合体を挙げることができ、更にこれらのポリアミド樹脂
を耐衝撃性、成形加工性、相溶性などの必要特性に応じ
て混合物として用いることも実用上好適である。
限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対
粘度が、1.5〜7.0の範囲、更には2.0〜7.0
の範囲のポリアミド樹脂が好ましいが、より優れた耐衝
撃性を得る観点からは特に、3.0〜7.0の範囲が好
ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメ
チレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート共
重合体、などが挙げられる。
好ましく使用されるポリブチレンテレフタレート(以下
PBT樹脂と略称する)の重合度には特に制限無く、
0.5%オルトクロロフェノール溶液を25℃で測定し
た相対粘度が0.5〜2.5の範囲、特に0.8〜2.
0の範囲のものが好ましい。また、ポリエチレンテレフ
タレートについても重合度には特に制限無く、0.5%
オルトクロロフェノール溶液を25℃で測定した極限粘
度が0.54〜1.5の範囲、特に0.6〜1.2の範
囲のものが好ましい。
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂を配合する場合の好適な
配合量としては、ポリフェニレンスルフィド樹脂100
重量部に対し、1〜99重量部、より好適には5〜70
重量部の範囲が例示できる。
に、よりすぐれた剛性、寸法安定性などが必要な場合、
更に(E)成分として、充填材を配合することが好まし
い。
いずれでもよく、併用してもよい。充填材の具体例とし
ては、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊
維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸ア
ルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素
繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、
金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオラ
イト、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、クレ
ー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、ア
ルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、
酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸
化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸
バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラス
ビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素およ
びシリカなどの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中
空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上
併用することも可能である。また、これら(E)充填材
をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機
チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化
合物などのカップリング剤で予備処理して使用すること
は、より優れた機械的強度を得る意味において好まし
い。中でも繊維状充填材が好ましく、特にガラス繊維、
ガラスミルドファイバーが好ましい。
量は(A)PPS樹脂100重量部に対し、1〜400
重量部の範囲が例示でき、20〜250重量部の範囲が
より好適である。
かでも導電性を有する充填材(導電性フィラー)を配合
することにより、耐衝撃性に優れる導電性PPS樹脂組
成物を得る上でも有用である。かかる導電性フィラーと
しては、導電性フィラーは、通常樹脂の導電化に用いら
れる導電性フィラーであれば特に制限は無く、その具体
例としては、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属
繊維、金属酸化物、導電性物質で被覆された無機フィラ
ー、カーボン粉末、黒鉛、炭素繊維、カーボンフレー
ク、鱗片状カーボンなどが挙げられる。
種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニ
ウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示で
きる。
銅、ステンレス、アルミニウム、黄銅などが例示でき
る。
ン、金属繊維はチタネート系、アルミ系、シラン系など
の表面処理剤で表面処理を施されていても良い。
ンチモンドープ)、In2 O3 (アンチモンドープ)、
ZnO(アルミニウムドープ)などが例示でき、これら
はチタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処理剤
で表面処理を施されていても良い。
ける導電性物質の具体例としてはアルミニウム、ニッケ
ル、銀、カーボン、SnO2 (アンチモンドープ)、I
n2O3 (アンチモンドープ)などが例示できる。また
被覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビー
ズ、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカー、
硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アルミウ
ィスカー、酸化亜鉛系ウィスカー、酸化チタン酸系ウィ
スカー、炭化珪素ウィスカーなどが例示できる。被覆方
法としては真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッ
キ法、焼き付け法などが挙げられる。またこれらはチタ
ネート系、アルミ系、シラン系などの表面処理剤で表面
処理を施されていても良い。
チレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフ
タリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラッ
ク、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラ
ック、ディスクブラックなどに分類される。本発明で用
いることのできるカーボン粉末は、その原料、製造法は
特に限定されないが、アセチレンブラック、ファーネス
ブラックが特に好適に用いられる。またカーボン粉末
は、その粒子径、表面積、DBP吸油量、灰分などの特
性の異なる種々のカーボン粉末が製造されている。本発
明で用いることのできるカーボン粉末は、これら特性に
特に制限は無いが、靱性と導電性のバランスの点から、
平均粒径が500nm以下、特に5〜100nm、更に
は10〜70nmが好ましい。また表面積(BET法)
は10m2 /g以上、更には300m2 /g以上、特に
500〜1500m2 /gが好ましい。またDBP吸油
量は50ml/100g以上、特に100ml/100
g、更に370ml/100g以上が好ましい。また灰
分は0.5%以下、特に0.3%以下が好ましい。
ミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されて
いても良い。また溶融混練作業性を向上させるために造
粒されたものを用いることも可能である。
発明で用いられる導電性フィラーは、高いアスペクト比
を有する繊維状フィラーよりも、粉状、粒状、板状、鱗
片状、或いは樹脂組成物中の長さ/直径比が200以下
の繊維状のいずれかの形態であることが好ましい。
ても良い。かかる導電性フィラーの中で、特にカーボン
粉末が強度、コスト的に特に好適に用いられる。
合量としては、PPS樹脂100重量部に対し、0.5
〜50重量部の範囲が選択され、特に優れた耐衝撃性を
発現させる観点から1〜20重量部の範囲が例示でき
る。
果を損なわない範囲において、ポリアルキレンオキサイ
ドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル
系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、タルク、カオ
リン、有機リン化合物などの結晶核剤、ポリオレフィン
系化合物、シリコーン系化合物、長鎖脂肪族エステル系
化合物、長鎖脂肪族アミド系化合物などの離型剤、酸化
防止剤、熱安定剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウムなどの滑剤、
紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などの通常の添
加剤を添加することができる。
の効果を損なわない範囲で、ポリフェニレンオキシド、
ポリスルホン、四フッ化ポリエチレン、ポリエ−テルイ
ミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリカ−ボネ−
ト、ポリエ−テルスルホン、ポリエ−テルケトン、ポリ
チオエーテルケトン、ポリエ−テルエ−テルケトン、エ
ポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ポリエチレン、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリアミドエラス
トマ、ポリエステルエラストマ、ポリアルキレンオキサ
イド等の他の樹脂を含んでも良い。
に制限はないが、原料の混合物を単軸あるいは2軸の押
出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシング
ロールなど通常公知の溶融混合機に供給して280〜3
80℃の温度で混練する方法などを代表例として挙げる
ことができる。原料の混合順序にも特に制限はなく、全
ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方
法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し
更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは
一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により
溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を
混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。ま
た、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法
などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形
に供することももちろん可能である。
は、射出成形、押出成形(チューブ、パイプなどの管状
体成形あるいは丸棒などの成形など)、ブロー成形、ト
ランスファー成形、フィルム成形など各種成形に適用で
きるが、中でも射出成形、押出成形用途には特に好適に
用いられる。
耐熱水性、耐溶剤性などのPPSが本来有する特性に加
え、耐衝撃性、成形加工性等にも優れており、その用途
としては、例えばセンサー、LEDランプ、コネクタ
ー、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイ
ルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックア
ップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント
基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッ
ドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモ
ジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシ
ャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテ
ナ、コンピューター関連部品等に代表される電気・電子
部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードラ
イヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オー
ディオ・レーザーディスク・コンパクトディスク等の音
声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タ
イプライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表さ
れる家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター
関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複
写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、
タイプライターなどに代表される機械関連部品:顕微
鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精
密機械関連部品;水道蛇口コマ、混合水栓、ポンプ部
品、パイプジョイント、水量調節弁、逃がし弁、湯温セ
ンサー、水量センサー、水道メーターハウジングなどの
水廻り部品;バルブオルタネーターターミナル、オルタ
ネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディ
ヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の
各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エ
アーインテークノズルスノーケル、インテークマニホー
ルド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブ
レターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気
ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレー
キパットウェアーセンサー、スロットルポジションセン
サー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフ
ローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン
用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロール
バルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、
ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパ
ーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータ
ースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用
ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エア
コンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、
ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶
縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ラ
ンプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピスト
ン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点
火装置ケース、車速センサー、ケーブルライナー等の自
動車・車両関連部品、その他各種用途が例示できる。
説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定される
ものではない。また、以下の実施例において材料強度、
流動性の評価は、次の方法により行なった。
度:ASTM D256法に準じた。 (3)成形下限圧力:本発明のPPS樹脂組成物を用
い、機械的強度特性評価用試験片(曲げ試験片、衝撃試
験片及び引張試験片)を射出成形した。射出成形機とし
ては住友重機械工業(株)社製SG−HIPRO・MII
Iを用い、金型設定温度140℃、シリンダー設定温度
300〜320℃で成形を行なった。上記試験片を樹脂
で完全に充填するのに必要な最低射出圧力を成形下限圧
力とした。この成形下限圧力が低いほど流動性が優れる
ことを意味する。
塩6.005kg(25モル)、酢酸ナトリウム0.6
56kg(8モル)およびN−メチル−2−ピロリドン
(以下NMPと略す)5kgを仕込み、窒素を通じなが
ら徐々に205℃まで昇温し、水3.6リットルを留出
した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジク
ロロベンゼン3.756kg(25.55モル)ならび
にNMP3.7kgを加えて、窒素下に密閉し、270
℃まで昇温後、270℃で2.5時間反応した。冷却
後、反応生成物を温水で5回洗浄し、80℃で24時間
減圧乾燥して、PPS(PPS−1)、約2.45kg
を得た。このPPSの灰分量は0.5重量%であった。
後、反応生成物を温水で5回洗浄するまでは、上記
(1)と同様の方法で重合をおこなった。その後、10
0℃に加熱されNMP10kg中に投入して、約1時間
攪拌し続けたのち、濾過し、さらに熱湯で数回洗浄し
た。これを90℃に加熱されたpH4の酢酸水溶液25
リットル中に投入し、約1時間攪拌し続けたのち、濾過
し、濾液のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水
で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥してPPS−2、
2.45kgを得た。このPPSの灰分量は0.07重
量%、溶融粘度900ポイズ(310℃、1000/
s)であった。
トリウム9水塩6.005kg(25モル)、酢酸ナト
リウム0.656kg(8モル)およびN−メチル−2
−ピロリドン(以下NMPと略す)5kgを仕込み、窒
素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水3.6リ
ットルを留出した。次に反応容器を180℃に冷却後、
1,4−ジクロロベンゼン3.727kg(25.35
モル)ならびにNMP3.7kgを加えて、窒素下に密
閉し、225℃まで昇温して5時間反応後、270℃ま
で昇温し3時間反応した。冷却後、反応生成物を温水で
5回洗浄し、次に100℃に加熱されNMP10kg中
に投入して、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、さら
に熱湯で数回洗浄した。これを90℃に加熱されたpH
4の酢酸水溶液25リットル中に投入し、約1時間攪拌
し続けたのち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約9
0℃のイオン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾
燥してPPS−3を、2.44kgを得た。このPPS
の灰分量は0.05重量%、溶融粘度は2300ポイズ
(310℃、1000/s)であった。
トリウム9水塩6.005kg(25モル)、酢酸ナト
リウム0.11kg(1.35モル)およびN−メチル
−2−ピロリドン(以下NMPと略す)5kgを仕込
み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水
3.6リットルを留出した。次に反応容器を180℃に
冷却後、1,4−ジクロロベンゼン3.756kg(2
5.55モル)ならびにNMP3.7kgを加えて、窒
素下に密閉し、270℃まで昇温後、270℃で2.5
時間反応した。冷却後、反応生成物を温水で5回洗浄
し、次に100℃に加熱されNMP10kg中に投入し
て、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、さらに熱湯で
数回洗浄した。これを90℃に加熱されたpH4の酢酸
水溶液25リットル中に投入し、約1時間攪拌し続けた
のち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約90℃のイ
オン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥してP
PS−4、2.43kgを得た。このPPSの灰分量は
0.04重量%、溶融粘度は300ポイズ(310℃、
1000/s)であった。
6モル%のエチレン・1−ヘキセン共重合体、密度0.
894g/cm3、メタロセン系触媒を用いて重合。
ィン含有量=8モル%のエチレン・1−ヘキセン共重合
体、密度0.888g/cm3、メタロセン系触媒を用
いて重合。
ィン含有量=6モル%のエチレン・1−ブテン共重合
体、密度0.894g/cm3、メタロセン系触媒を用
いて重合。
ィン含有量=6モル%のエチレン・1−オクテン共重合
体、密度0.894g/cm3、メタロセン系触媒を用
いて重合。
ィン含有量=20モル%のエチレン・1−ブテン共重合
体、密度0.860g/cm3、メルトフローレイト=
0.5g/10分、メタロセン系触媒を用いて重合。
ィン含有量=15モル%のエチレン・オクテン共重合
体、密度0.870g/cm3、メルトフローレイト=
4g/10分、メタロセン系触媒を用いて重合。
ィン含有量=20モル%のエチレン・オクテン共重合
体、密度0.863g/cm3、メルトフローレイト=
4g/10分、メタロセン系触媒を用いて重合。
ィン含有量=20モル%のエチレン・1−ブテン共重合
体、密度0.860g/cm3、メルトフローレイト=
35g/10分、メタロセン系触媒を用いて重合。
じ、荷重2.16kg、190℃で測定した値である。
い、Mw/Mn=3.8の線状低密度ポリエチレン(密
度0.915g/cm3)
体 C−1:α−オレフィンおよびα,β−不飽和酸のグリ
シジルエステルを主構成成分とするオレフィン系共重合
体 エチレン/グリシジルメタクリレ−ト=88/12(重
量%)共重合体 C−2:エチレン/グリシジルメタクリレ−ト(E/G
MA)=85/15(重量%)を主骨格とし、アクリロ
ニトリル/スチレン(AS)=30/70(重量%)を
グラフト共重合した重合体であって、(E/GMA)/
(AS)=70/30(重量%)共重合体 C−3:部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合
体(スチレン/ブタジエン重量比=3/7、水添率80
%)を過酢酸を用いてエポキシ化した。オキシラン酸素
濃度3.04重量%であった。
wt%)グラフト変性エチレン−ブテン共重合体
エステル樹脂 D−1:ナイロン6 相対粘度 2.35 D−2:ナイロン6 相対粘度 4.30 D−3:ポリブチレンテレフタレート(東レ(株)PB
T 1100S)) D−4:ナイロン12(東レ(株)社製 ”アミラン”
CM5051F)
3MA497 E−2(導電性フィラー):カーボンブラック(ケッチ
ェン・ブラック・インターナショナル(株)社製EC6
00JD、DBP吸油量495ml/100g、BET
法表面積1270m2 /g、平均粒径30nm、灰分
0.2%
た後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュ
ー式単軸押出機(スクリュー:ダルメージ)により溶融
混練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機械特
性及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表1に示
す。
α−オレフィン系共重合体及び(C)官能基含有オレフ
ィン系(共)重合体の内のC−1成分を表2に示す割合
でドライブレンドした。その後、280〜320℃の温
度条件に設定したスクリュー式単軸押出機(スクリュ
ー:ダルメージ)により溶融混練後ペレタイズした。次
にそのペレットとC−4成分及び(D)ポリアミド樹脂
を表2に示す割合でドライブレンドし、280〜320
℃の温度条件に設定したスクリュー式単軸押出機(スク
リュー:ダルメージ)により溶融混練後ペレタイズし
た。得られたペレットを用い機械特性及び成形下限圧力
を測定した。測定結果を表2に示す。
後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュー
式単軸押出機(スクリュー:ダルメージ)により溶融混
練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機械特性
及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表2に示す。
後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュー
式単軸押出機(スクリュー:フルフライト)により溶融
混練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機械特
性及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表2に示
す。
α−オレフィン系共重合体及び(C)官能基含有オレフ
ィン系(共)重合体成分を表2に示す割合でドライブレ
ンドした。その後、280〜320℃の温度条件に設定
したスクリュー式2軸押出機により溶融混練後ペレタイ
ズした。次にそのペレットとE−2導電性フィラー成分
を表2に示す割合でドライブレンドし、280〜320
℃の温度条件に設定したスクリュー式2軸押出機により
溶融混練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機
械特性及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表2に
示す。
わりに、B’−5メタロセン系触媒を使用していない、
Mw/Mn=3.8の線状低密度ポリエチレンを用いた
こと以外は実施例1、10と同様にして溶融混練、ペレ
タイズ、各物性測定を行った。結果を表2に示す。
い、Mw/Mn=3.8の線状低密度ポリエチレンを用
いると明らかに衝撃特性等が劣る結果となった。
いない替わりに、(C)官能基含有オレフィン系(共)
重合体量を増量した以外は実施例1と同様にして溶融混
練、ペレタイズ、各物性測定を行った。結果を表2に示
す。
低温衝撃特性が低い結果となった。
た後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュ
ー式単軸押出機(スクリュー:ダルメージ)により溶融
混練後ペレタイズした。得られたペレットを用い機械特
性及び成形下限圧力を測定した。測定結果を表3に示
す。
ン6(東レ(株)”アミラン”CM1056)を用い、
中間層接着層(実施例11組成物)を挟んで、内層に実
施例15で得られたペレットを用い、外径:8mm、内
径:6mm、外層厚み:0.7mm、中間層厚み0.1
mm、内層厚み:0.2mmの3層チューブを成形し
た。成形装置としては、樹脂温度210〜300℃に設
定した30mmの3台の単軸押出機、この3台の押出機
から吐出された樹脂をアダプター(温度270〜300
℃)によって集めてチューブ状に成形するダイス、チュ
ーブを冷却し寸法制御するサイジングダイ、および引取
機からなるものを使用、引き取り速度50cm/分でチ
ューブ成形を行った。その結果、内面平滑性、層間接着
性に優れ、チューブ内面の電気抵抗値が5×103Ω/
5cmの導電性チューブが得られた。
ン11(東レ(株)”リルサン”BESNO F15X
N)を用い、中間層接着層(実施例12組成物)を挟ん
で、内層に実施例16で得られたペレットを用い、外
径:8mm、内径:6mm、外層厚み:0.7mm、中
間層厚み0.1mm、内層厚み:0.2mmの3層チュ
ーブを成形した。成形装置としては、樹脂温度210〜
300℃に設定した30mmの3台の単軸押出機、この
3台の押出機から吐出された樹脂をアダプター(温度2
70〜300℃)によって集めてチューブ状に成形する
ダイス、チューブを冷却し寸法制御するサイジングダ
イ、および引取機からなるものを使用、引き取り速度1
00cm/分でチューブ成形を行った。その結果、内面
平滑性、層間接着性に優れ、チューブ内面の電気抵抗値
が4×103Ω/5cmの導電性チューブが得られた。
脂組成物によれば、耐衝撃性、成形加工性などに優れた
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物及びその成形体が
得られる。
Claims (15)
- 【請求項1】 (A)ポリフェニレンスルフィド100
重量部に対し、(B−1)エチレンと炭素原子数3〜2
0のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィ
ン系共重合体であって、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)により算出される重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
が3.0以下であるエチレン・α−オレフィン系共重合
体1〜100重量部、および(C)エポキシ基、酸無水
物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル
から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する官能基
含有オレフィン系重合体または共重合体1〜100重量
部を配合してなることを特徴とするポリフェニレンスル
フィド樹脂組成物。 - 【請求項2】 (A)ポリフェニレンスルフィド100
重量部に対し、(B−2)エチレンと炭素原子数3〜2
0のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィ
ン系共重合体であって、密度が0.880g/cm3以
下であるエチレン・α−オレフィン系共重合体1〜10
0重量部、および(C)エポキシ基、酸無水物基、カル
ボキシル基及びその塩、カルボン酸エステルから選ばれ
る少なくとも1種の官能基を含有する官能基含有オレフ
ィン系重合体または共重合体1〜100重量部を配合し
てなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物。 - 【請求項3】 前記(B)成分のエチレン・α−オレフ
ィン系共重合体に含まれる炭素原子数3〜20のα−オ
レフィン含有量が7〜25モル%であることを特徴とす
る請求項1または2記載のポリフェニレンスルフィド樹
脂組成物。 - 【請求項4】 前記(B)成分のエチレン・α−オレフ
ィン系共重合体がメタロセン系触媒を用いて重合された
共重合体であることを特徴とする請求項1〜3いずれか
記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項5】 前記(C)成分の官能基含有オレフィン
系重合体または共重合体が、α−オレフィンおよびα,
β−不飽和酸のグリシジルエステルを共重合してなる
(C)エポキシ基含有オレフィン系共重合体である請求
項1〜4いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物。 - 【請求項6】 前記(C)エポキシ基含有オレフィン系
共重合体が、α−オレフィン(1)とα,β−不飽和酸
のグリシジルエステル(2)と更に下記一般式で示され
る単量体(3)を必須成分とする単量体を共重合して得
られるオレフィン系共重合体である請求項1〜5いずれ
か記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 【化1】 (ここで、R1 は水素または低級アルキル基を示し、X
は−COOR2 基、−CN基あるいは芳香族基から選ば
れた1種または2種以上の基。またR2 は炭素数1〜1
0のアルキル基を示す) - 【請求項7】 前記(C)成分の官能基含有オレフィン
系重合体または共重合体が、エポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体である請求項1〜4いずれか記載のポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項8】 前記(C)成分のエポキシ化ジエン系ブ
ロック共重合体が、少なくとも1個の芳香族ビニル化合
物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブ
ロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合
をエポキシ化したエポキシ化ジエン共重合体である請求
項7記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項9】 前記(A)成分のポリフェニレンスルフ
ィド樹脂の溶融粘度が、400ポイズ(310℃、せん
断速度1000/s)以上である、請求項1〜8いずれ
か記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項10】 前記(A)成分のポリフェニレンスル
フィド樹脂の灰分率が0.2重量%以下である、請求項
1〜9いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物。 - 【請求項11】 更に(D)成分として、ポリアミド樹
脂および/または熱可塑性ポリエステル樹脂をポリフェ
ニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、1〜99重
量部含有した、請求項1〜10いずれか記載のポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項12】 更に(E)成分として、充填材をポリ
フェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、1〜4
00重量部含有した、請求項1〜11いずれか記載のポ
リフェニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項13】 充填材(E)が、導電性フィラーであ
って、かつその含有量がポリフェニレンスルフィド樹脂
100重量部に対し、0.5〜50重量部である請求項
12記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項14】 請求項1〜13いずれかに記載のポリ
フェニレンスルフィド脂組成物を射出成形してなる成形
品。 - 【請求項15】 請求項1〜13いずれかに記載のポリ
フェニレンスルフィド脂組成物を押出成形してなる成形
品。
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