JP3715084B2 - フライホイールおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフライホイールに係り、特に、外周部にリングギヤが設けられているフライホイールの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料の燃焼によって作動するエンジンが自動車などに多用されているが、このようなエンジンは爆発に伴って周期的な回転変動(トルク変動)を生じることが避けられず、この回転変動を抑制するためにクランク軸などにフライホイールが取り付けられるのが普通である。エンジン以外でも、周期的な回転変動を生じる回転部材には、その回転変動を抑制するためにフライホイールが用いられる。
【0003】
上記車両用のフライホイールは、図7に示されるように一般にホブ切りやピニオンカッタなどによる切削加工で外周部に多数の歯が設けられた機械構造用炭素鋼、例えばS48Cから成るリングギヤに、中心部にクランク軸を取り付けるための取付部が設けられたねずみ鋳鉄、例えばFC230から成る本体が、圧入や焼き嵌め等により一体的に固設されることにより構成されていた。リングギヤには、エンジンを始動する際にクランク軸を回転駆動するスタータ用モータのピニオンが噛み合わされるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記フライホイールは、本体がねずみ鋳鉄から成ることから取付部の引っ張り強度が不充分で、強度不足を補うために取付部を厚くする必要があり、その結果、本体の重量が増大しフライホイールの全重量に対するフライホイール外周部の重量比が小さくなることから、フライホイールの慣性モーメントが低下し、クランク軸の回転変動が大きくなって燃費が低下するなどの不都合があった。また、フライホイールがリングギヤと本体の2つの部品から構成されることから、工程数が多くなって製造コスト低減に限界があった。更に、エンジンの性能向上に伴ってより高速回転での耐性がリングギヤに求められるが、焼入れなどに起因して必ずしも十分な機械的強度(靱性など)が得られないという問題があった。
【0005】
本発明は以上のような事情を背景として成されたものであり、その目的とするところは、本体およびリングギヤの強度を向上させると共に、製造コストを低減させたフライホイールを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1発明は、(a) 円板形状を成しているとともに、外周部にリングギヤが設けられ、且つ一方の端面にはクラッチディスクが押圧される摩擦面が設けられている車両用のフライホイールであって、(b) 機械構造用炭素鋼の素材に鍛造加工が施されることにより前記リングギヤを構成するギヤ部を含めて一体成形されているとともに、 (c) 前記摩擦面には、前記鍛造加工後にショットピーニング加工が施されていることを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明のフライホイールにおいて、前記ギヤ部は、軸方向に押出鍛造されることにより複数の噛合歯が形成されているとともに、それら複数の噛合歯は軸方向の一端部において互いに連結されていることを特徴とする。
【0009】
第3発明は、第1発明または第2発明のフライホイールにおいて、前記ショットピーニング加工に先立って、焼入れ硬化処理が施されていることを特徴とする。
【0010】
第4発明は、(a) 円板形状を成しているとともに、外周部にリングギヤが設けられ、且つ一方の端面にはクラッチディスクが押圧される摩擦面が設けられている車両用のフライホイールの製造方法であって、(b) 機械構造用炭素鋼の素材に鍛造加工を施して、前記リングギヤを構成するギヤ部および前記摩擦面を有する円板形状の中間品を一体成形する鍛造工程と、(c) 前記中間品の摩擦面に所定の焼入れ硬化処理を施す焼入れ工程と、(d) その焼入れ硬化処理が施された摩擦面に所定のショットピーニング加工を施すショットピーニング工程とを有することを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
第1発明によれば、フライホイールが機械構造用炭素鋼から鍛造加工により一体成形されることから、取付部の引っ張り強度が向上して薄肉化が図れるようになるため、フライホイールの全重量に対するフライホイール外周部の重量比を大きくでき、フライホイールの慣性モーメントが大きくなる。また、切削加工によりリングギヤに多数の歯を設ける場合と比べて、鍛造加工では金属組織が連続的に繋がっているため強度が向上するとともに、このように鍛造加工によってリングギヤ(ギヤ部)を形成する場合、第2発明のように複数の噛合歯は軸方向の一端部において互いに連結されているのが普通であるため、焼入れなどに拘らず十分な靱性が得られるようになって機械的強度が一層向上し、高速回転に対しても十分な耐性が得られる。更に、一体成形を行うことにより工程数が減少するため、製造コストが低減される。
【0012】
また、摩擦面の表面にショットピーニング加工が施されることによって多数の微小凹部(ミクロホール)が設けられているため、摩擦面に押圧されるクラッチディスクとの間に空気層が形成され、高温時の摩擦係数の上昇が抑制されて摩擦面の磨耗による寿命低下などが防止される。すなわち、クラッチディスクとのすべり摩擦によってフライホイールの摩擦面は高温になるが、従来の鋳鉄品の場合、成分として含有するグラファイトが溶け出して潤滑作用を行うことにより、高温になっても摩擦係数の上昇が少なく、磨耗が起こり難いが、機械構造用炭素鋼で構成した本発明品の場合、そのままでは温度上昇に伴って摩擦係数が上昇してしまうのである。
【0013】
なお、摩擦面の摩擦係数が上昇すると、接続が急になるため、例えば車両用フライホイールの場合、以下のような問題が生じる。
(a) クラッチ操作が難しくなってエンジンが停止し易くなる。
(b) ミッション等の伝達系に発生する衝撃的負荷トルクが大きくなり、寿命低下の原因になる。
(c) 低回転で激しく振動するジャダー現象が起こり易くなる。
(d) 磨耗が激しくなり、クラッチディスク(摩擦材)の寿命が低下する。
【0014】
一方、このように微小凹凸を設けても、摩擦面が磨耗して表面粗さが小さくなると、空気層が小さくなって摩擦係数が高くなる。また、熱が発生することで、クラッチディスクの材料が熱分解して柔らかくなるとともに摩擦力が大きくなり、摩擦係数が更に上昇する。このため、第3発明のように、ショットピーニング加工に先立って焼入れ硬化処理を施し、表面硬さを例えばHRC45〜47程度まで硬化させておくことが望ましく、これにより従来の鋳鉄品と同程度の耐久性(寿命)を確保することができる。
【0015】
第4発明のフライホイールの製造方法によれば、第1発明、第3発明と同様の効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明は、エンジンのクランク軸などに同軸に取り付けられ、略円板形状を成しているとともに外周部に外歯のリングギヤが設けられている車両用フライホイールに好適に適用され、リングギヤ(ギヤ部)にスタータの駆動ピニオンが噛み合わされてエンジン始動時に回転駆動される。
【0017】
前記鍛造加工としては、目的に応じて熱間鍛造や冷間鍛造が適宜用いられ、1段または2段以上の複数段の鍛造工程を経てギヤ部および摩擦面を有するフライホイールが一体成形される。ギヤ部の噛合歯は、冷間押出鍛造によって好適に成形される。また、鍛造加工後に、仕上げ切削加工を行ったり焼入れ硬化処理を行ったりしても良い。
【0018】
前記ショットピーニング加工(WPC処理=Wide Peaning Cleaning)は、例えば材料となる機械構造用炭素鋼と同等以上の硬度を有するφ40〜200μm程度のショット(鋼粒など)を圧縮空気又は遠心力などにより100m/sec程度の速度で、フライホイールの表面にたたきつけて、その表面に10〜20μm程度の深さの硬化層および多数のミクロホールを形成するものである。尚、ミクロホールの深さは、硬化層を貫通しない数μmの深さとなる。
【0019】
前記焼入れ硬化処理は、例えば高周波誘導加熱等による高周波焼入れが好適に用いられ、ショットピーニング加工に先立って摩擦面の表面の硬度を、例えばHRC45〜47とするものである。
【0020】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の一実施例である車両用のフライホイール10の縦断面図および正面図で、図1の縦断面図は図2におけるI−I断面に相当する図である。フライホイール10は略円板形状を成しており、取付部11に設けられた複数(図では6個)の取付穴12を介してボルト等により図示しないエンジンのクランク軸に同心に一体的に固定される。このフライホイール10において、本体部14の中央部分に設けられる取付部11は比較的薄肉であるが、本体部14の外周部分に軸方向へ突き出すように本体部14に一体に設けられるギヤ部16は厚肉とされている。ギヤ部16には外歯のリングギヤが一体に設けられており、厚肉の突出部分における先端側、すなわち図1における右側の略半分程度の範囲に、外周面に開口する多数の溝17が周方向に一定間隔で形成されることにより、軸心と平行に多数の噛合歯18が設けられている。
【0021】
このようにフライホイール10の外周側部分が厚肉であるため、慣性モーメントの重量効率が良く、限られた径寸法の中で大きな慣性モーメントを得ることができる。また、フライホイール10の本体部14には、図示しないクラッチディスクが押圧される円環状の平坦な摩擦面19が、ギヤ部16と反対側に軸方向へ僅かに突き出すように本体部14と一体に設けられている。摩擦面19は、軸心と直角な一平面内に形成されている。
【0022】
フライホイール10の製造工程は、大まかに分けて図3に示される3つの工程から成る。第1工程では熱間鍛造加工が行われる。すなわち、図4に示されるようにフライホイール10の摩擦面19側の形状に略対応する成形面を有する上型20と、その反対側の形状に略対応する成形面を有する下型22との間に機械構造用炭素鋼24、例えばS35Cなどが投入されて上下方向からプレスされることにより、フライホイール10の第1予備加工品26が成形される。第1予備加工品26はフライホイール10と略同じ形状を有するが、ギヤ部16の噛合歯18は存在せず、第1予備加工品26の外周部分には、フライホイール10の外径(=ギヤ部16の外径)と略等しい外径で、軸方向寸法がフライホイール10の外周部分(ギヤ部16)の軸方向寸法よりも少し短い円筒部28が設けられているだけである。
【0023】
次に、第2工程では冷間押出鍛造加工が行われる。すなわち、図5に示されるように第1予備加工品26が、第1予備加工品26の形状に略対応する成形面を有する一対の上型31と下型32との間に保持された状態で、前記溝17と略同一形状の加工歯30が設けられた歯形成用の下型34に対して相対的に軸方向に接近させられることにより、前記円筒部28の外周部に溝17が鍛造加工されて噛合歯18が形成される。加工歯30によって押し除けられた余肉は、円筒部28の先端側すなわち図5における下方側へ押し出され、これにより目的とする軸方向寸法のギヤ部16を有する第2予備加工品38が成形される。
【0024】
第3工程では、第2予備加工品38の取付部11に複数(図では6個)の取付穴12がドリル等により切削加工されると共に、ギヤ部16の表面に高周波焼入れが施される。また、このままでは摩擦面19の耐久性が悪いため、表面改質処理が行われる。すなわち、先ず摩擦面19に高周波焼入れが行われることにより、摩擦面19がHRC45〜47程度の硬さに硬化させられる。次に、その摩擦面19にφ40〜200μmのショット(鋼粒など)を圧縮空気又は遠心力などにより100m/secでたたきつけるショットピーニング加工が行われることにより、摩擦面19に図6(a) に示されるような数μmの深さの多数のミクロホール42、及びミクロホール42よりも深い約20μmの深さの硬化層が形成される。ミクロホール42は微小凹部に相当する。なお、硬化層の硬さは、例えばHRC70〜90程度である。また、図6の(b) は従来のねずみ鋳鉄品の摩擦面の断面形状を示す図である。
【0025】
上述のように本実施例によれば、フライホイール10が機械構造用炭素鋼24から鍛造加工により一体成形されることから、取付部11の引っ張り強度が向上して薄肉化が図れるようになるため、フライホイール10の全重量に対するフライホイール外周部(ギヤ部16)の重量比が大きくなり、フライホイール10の慣性モーメントが大きくなる。これにより、クランク軸の回転変動を小さくすることが可能となって燃費が向上する。また、切削加工によりギヤ部16に多数の噛合歯18を設ける場合と比べて、鍛造加工では金属組織が連続的に繋がっているため強度が向上するとともに、多数の噛合歯18は軸方向の一端部において互いに連結されているため、焼入れなどに拘らず十分な靱性が得られるようになって機械的強度が一層向上し、高速回転に対しても十分な耐性が得られる。更に、一体成形を行うことにより工程数が減少するため、製造コストが低減される。
【0026】
また、本実施例によれば、摩擦面19の表面にショットピーニング加工が施されることによって多数のミクロホール42が設けられているため、摩擦面19に押圧されるクラッチディスクとの間に空気層が形成され、高温時の摩擦係数の上昇が抑制されて摩擦面19の磨耗による寿命低下などが防止される。すなわち、クラッチディスクとのすべり摩擦によってフライホイール10の摩擦面19は高温になるが、従来の鋳鉄品の場合、成分として含有するグラファイトが溶け出して潤滑作用を行うことにより、高温になっても摩擦係数の上昇が少なく、磨耗が起こり難いが、機械構造用炭素鋼24で構成した本実施例品の場合、そのままでは温度上昇に伴って摩擦係数が上昇してしまうのである。
【0027】
一方、このようにミクロホール42を設けても、摩擦面19が磨耗して表面粗さが小さくなると、空気層が小さくなって摩擦係数が高くなる。また、熱が発生することで、クラッチディスクの材料が熱分解して柔らかくなるとともに摩擦力が大きくなり、摩擦係数が更に上昇する。このため、ショットピーニング加工に先立って焼入れ硬化処理を施し、表面硬さを例えばHRC45〜47程度まで硬化させることにより、従来の鋳鉄品と同程度の耐久性(寿命)を確保している。
【0028】
本実施例では、図3の第1工程および第2工程が請求項4に記載の鍛造工程で、第3工程において摩擦面19に高周波焼入れを施す工程が焼入れ工程で、第3工程において摩擦面19にショットピーニング加工を施す工程がショットピーニング工程である。また、第2予備加工品38は中間品に相当する。
【0029】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用され得る。
【0030】
例えば、前述の実施例においては、フライホイール10の摩擦面19にショットピーニング加工に先立って高周波焼入れが行われていたが、ショットピーニング加工のみを行うようにしても差し支えない。
【0031】
また、焼入れ硬化処理は、高周波誘導加熱による高周波焼入れが行われていたが、その他種々の加熱方法による焼入れ処理が行われ得る。
【0032】
本発明はその主旨を逸脱しない範囲においてその他種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用のフライホイールの縦断面図で、図2におけるI−I断面に相当する図である。
【図2】図1のフライホイールの正面図である。
【図3】図1のフライホイールの製造工程の概略を説明する図である。
【図4】図3の第1工程を説明する図である。
【図5】図3の第2工程を説明する図である。
【図6】フライホイールの摩擦面の断面形状を示す図で、(a) はショットピーニング加工を施した本発明品で、(b) は従来のねずみ鋳鉄品の場合である。
【図7】従来のフライホイールの構成を説明する図である。
【符号の説明】
10:フライホイール
16:ギヤ部
18:噛合歯
24:機械構造用炭素鋼
38:第2予備加工品(中間品)
42:ミクロホール
Claims (4)
- 円板形状を成しているとともに、外周部にリングギヤが設けられ、且つ一方の端面にはクラッチディスクが押圧される摩擦面が設けられている車両用のフライホイールであって、
機械構造用炭素鋼の素材に鍛造加工が施されることにより前記リングギヤを構成するギヤ部を含めて一体成形されているとともに、
前記摩擦面には、前記鍛造加工後にショットピーニング加工が施されている
ことを特徴とするフライホイール。 - 前記ギヤ部は、軸方向に押出鍛造されることにより複数の噛合歯が形成されているとともに該複数の噛合歯は軸方向の一端部において互いに連結されている
ことを特徴とする請求項1に記載のフライホイール。 - 前記ショットピーニング加工に先立って、焼入れ硬化処理が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフライホイール。
- 円板形状を成しているとともに、外周部にリングギヤが設けられ、且つ一方の端面にはクラッチディスクが押圧される摩擦面が設けられている車両用のフライホイールの製造方法であって、
機械構造用炭素鋼の素材に鍛造加工を施して、前記リングギヤを構成するギヤ部および前記摩擦面を有する円板形状の中間品を一体成形する鍛造工程と、
前記中間品の摩擦面に所定の焼入れ硬化処理を施す焼入れ工程と、
該焼入れ硬化処理が施された摩擦面に所定のショットピーニング加工を施すショットピーニング工程と
を有することを特徴とするフライホイールの製造方法。
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