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JP3785607B2 - 電子機器 - Google Patents

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JP3785607B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体部に対して回動自在なスピーカ等の可動部を備える電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
本体部に対して回動自在な可動部を備える電子機器として、例えば、開閉式のスピーカを備えるオーディオプレーヤ、折り畳み式の携帯電話、ノート型のパソコン等が知られている。
この種の電子機器では、例えば、軸部と軸受け部とからなるヒンジ部を介して、本体部と可動部とを相互に連結することによって、本体部に対して可動部が回動自在に保持されるようになっている。
また、上記電子機器の中には、例えば、軸部の外周面に凹部を備える一方、軸受け部の内周面に凹部と係合可能な凸部を備え、それら凹部と凸部とが係合した状態にて軸部の回動が規制されるように構成された電子機器もある。このような電子機器によれば、予め定められた所定の回動角度(つまり、凸部と凹部が出会う回動角度)で可動部の姿勢を維持することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子機器において、例えば、複数の成形部材を接合して上記軸部を形成する場合には、各部材の成形誤差等によって、各部材の接合部に段差が生じてしまうことがあった。例えば、軸部の外周面に段差が生じた場合には、本体部に対して可動部を回動させるときに、引っかかりが生じて、可動部を滑らかに回動させることができないという問題点があった。特に、軸受け部の内周面に、可動部の姿勢を維持するための凸部或いは凹部を設けた場合には、僅かな段差であっても、その段差部分(係合位置以外の部分)に凸部或いは凹部が引っかかって、可動部の姿勢をスムーズに回動変換することができなかった。
なお、上記段差の原因となる突出部分を削り取るなどして段差をなくすことも可能であるが、それには非常に手間がかかり、結果として電子機器の製造コストが増大してしまうという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記実状に鑑みなされたもので、予め定められた所定の回動角度で可動部の姿勢を維持することができ、しかも可動部の姿勢をスムーズに回動変換することができる電子機器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、
請求項1記載の発明は、例えば、図1〜図3に示すように、
本体部1と、この本体部1に回動可能に支持された可動部2とを備える電子機器10であって、
前記可動部2が前記本体部1に対して、前記可動部2と前記本体部1の何れか一方に設けられた軸部3と他方に設けられた軸受け部4との相互作用により回動可能に支持される構成とし、
前記軸部3は被係合部5を備える一方、
前記軸受け部4は、前記本体部1に対する前記可動部2の回動角度が所定の回動角度にあるときに前記被係合部5と係合し、該係合状態にて前記軸部3の回動を規制する係合部6を備え、
前記軸部3は複数の部材を接合してなり、前記被係合部5は前記軸部3の軸線方向に延びる凹部によって構成され、前記軸部3を構成する部材の接合部7の接合面が前記被係合部5を通るように設けられていることを特徴としている。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、軸受け部の係合部と係合可能な被係合部を、軸部を構成する各部材の接合部に設けるようにしたので、被係合部以外の位置に段差が生じ難くなる。従って、被係合部と係合部とが出会って係合する所定の回動角度において、可動部の姿勢を維持することができる一方で、前記所定の回動角度以外の回動範囲において、可動部を滑らかに回動させることができる。つまり、可動部の姿勢をスムーズに回動変換することができる。
なお、この場合には、被係合部以外の位置に段差が生じ難くなる一方で、被係合部の位置に段差が生じ易くなるが、例えば、被係合部の位置に段差が生じたとしても、可動部の回動に何ら支障はなく、段差による影響は少ない。
【0007】
ここで、電子機器としては、例えば、オーディオプレーヤ、携帯電話、携帯情報端末などの電子機器が挙げられるが、本体部に対して回動自在な可動部を備える電子機器であれば如何なるタイプの電子機器であっても良い。
可動部としては、例えば、スピーカ、ディスプレイ、操作パネルなどが挙げられる。
所定の回動角度には、例えば、電子機器の使用時に可動部が維持される回動角度や、電子機器の不使用時或いは搬送時に可動部が維持される回動角度などが含まれる。
被係合部としては、例えば、軸部の外周面に設けられる凹部(溝条、窪み)や、軸部の外周面に設けられる凸部(突条、突出部)などが挙げられる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子機器10において、
例えば、図3及び図5に示すように、
前記軸部3には、その周方向に沿って複数の被係合部5が設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、軸部の周方向に沿って複数の被係合部を設けたので、回動角度の異なる複数種類の回動状態にて可動部の姿勢を維持できるようになる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の電子機器10において、
例えば、図2に示すように、
前記可動部2は開閉式のスピーカ2によって構成され、
前記複数の被係合部5には、
前記スピーカ2が前記本体部1に対して閉状態の回動角度にあるときに前記係合部6と係合する第1の被係合部5aと、前記スピーカ2が前記本体部1に対して開状態の回動角度にあるときに前記係合部6と係合する第2の被係合部5bと、が含まれることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、複数の被係合部には、スピーカが本体部に対して閉状態の回動角度にあるときに係合部と係合する第1の被係合部と、スピーカが本体部に対して開状態の回動角度にあるときに係合部と係合する第2の被係合部と、が含まれるので、当該電子機器の使用状態に応じて、スピーカの姿勢を開状態と閉状態の各々の状態に維持できる。従って、電子機器の使い勝手を向上させることができる。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器10において、
例えば、図4及び図5に示すように、
前記係合部6は、前記軸受け部4の軸線からの距離が周方向に沿って曲線的に変化する凸部によって構成されるとともに、前記被係合部5は、前記係合部6の形状に対応して断面形状が滑らかなカーブ形状に形成される凹部によって構成され、
前記可動部2に対して所要の回動力を付与することによって、前記被係合部5と前記係合部6との係合状態が解除されるようになっていることを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、可動部に対して所要の回動力を付与することによって、被係合部と係合部との係合状態が解除されるようになっているので、軸部に対する回動規制を容易に解除することができる。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の電子機器10において、
例えば、図3に示すように、
前記軸部3には、その軸線方向に線材を通す線材挿通孔8が設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、軸部に線材挿通孔を設けたので、軸部の軸線方向に沿って線材を通すことが可能となり、可動部と本体部とに亘って信号線等の線材を配線するのが容易となる。
【0016】
ここで、線材としては、例えば、信号線、電源コード、アース線、チューブなどが挙げられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る電子機器10の一例を示すもので、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図、(c)は側面図である。
【0018】
この実施の形態の電子機器10は、開閉式(折り畳み式)のスピーカ2を備えるオーディオプレーヤであって、本体部1と、該本体部1の両側部に回動自在に取り付けられた一対のスピーカ(可動部)2とによって概略構成されている。
各スピーカ2には、図3に示すように、上下両方向に延びる一対の軸部3が設けられる一方、本体部1には、それら軸部3に対応して複数の軸受け部4が設けられ、それら軸部3と軸受け部4との相互作用によって、スピーカ2が本体部1に対して回動自在に支持される構成となっている。また、図1及び図2に示すように、本体部1及び各スピーカ2は何れも薄厚の略直方体形状に形成され、各スピーカ2の回動範囲は、スピーカ2の側壁面が本体部の側壁面に当接してスピーカ2の前面側(放音側)が前方を向くときの回動角度(スピーカ2が開状態にあるときの回動角度)から、スピーカ2の裏面側が本体部1の裏面に当接してスピーカ2の前面側が後方を向くときの回動角度(スピーカが閉状態にあるときの回動角度)までの約180度の回動範囲に制限されている。
【0019】
本体部1は、CD及びMDの再生録音装置、ラジオのチューナー等を備えて構成され、その筐体部1aの左右両側には、図1及び図3に示すように、上下で対をなす軸受け部材17が、略円筒状の取付部9にそれぞれ内包される状態で取り付けられている。
各軸受け部材17は柔軟性を有する樹脂によって形成され、スピーカ2の各軸部3と対応する位置にそれぞれ配置されている。
この軸受け部材17は、図3及び図4に示すように、軸部3を嵌入する嵌入孔11を有し該嵌入孔11内で軸部3を回動自在に保持する軸受け部4と、該軸受け部4の外周面より延出する一対の取付板部12と、を備えて構成されている。この軸受け部材17は、取付板部12が互いに当接して軸受け部4が略円筒状をなす状態(図4の状態)で筐体部1aに取り付けられている。
軸受け部4の内周面には、軸部3の被係合部5(後述)と係合離脱自在であって該係合状態にて軸部3の回動を規制可能な係合部6が設けられている。この係合部6は、軸線方向に延びる突条(凸部)によって構成され、その断面形状は、軸線からの距離が周方向に沿って曲線的に変化する略半円形状となっている。
【0020】
スピーカ2は、図3に示すように、スピーカ本体18と、このスピーカ本体18の裏面側より後方に向けて延出し先端部が外側方に向けて屈曲するアーム部19とを備えて構成されている。
スピーカ本体18の大きさは、図1に示すように、高さが本体部1とほぼ同じで幅が本体部の約半分に設定されている。つまり、両スピーカを閉じたとき(両スピーカを折り畳んだとき)の電子機器10の横幅がスピーカ2を開いたときの約半分となるように構成されている。このスピーカ本体18には、その開閉に際して本体部1の側壁面に当接する部位と、本体部の裏面に当接する部位の各々に、衝撃を吸収する緩衝部材14が取り付けられ、これによって、スピーカ2と本体部1との当接時における衝撃が緩衝されるようになっている。
【0021】
アーム部19先端の上面及び下面には、同一直線上に軸線を有する略円柱形状の軸部3がそれぞれ立設されている。
各軸部3の中心部には、その軸線方向に沿って線材挿通孔8が設けられ、この線材挿通孔8には、スピーカ本体18から本体部1へと延びる信号線15が配線されている。また、線材挿通孔8には、複数の信号線15を束ねて係止するための配線係止部16が設けられている。
一方、軸部3の外周面には、軸受け部4の係合部6と係合離脱自在な一対の被係合部5が約180度間隔で設けられている。具体的に、一方の被係合部(第1の被係合部)5aは、スピーカ2が本体部1に対して閉状態の回動角度にあるときに軸受け部4の係合部6と係合する位置に設けられ、他方の被係合部(第2の被係合部)5bは、スピーカ2が本体部1に対して開状態の回動角度にあるときに軸受け部4の係合部6と係合する位置に設けられている。つまり、スピーカ2が回動し得る範囲の限界となる回動角度にあるときに、係合部6と被係合部5とが係合し、これによって、軸部3の回動が規制されて、スピーカ2の姿勢が安定した状態で保たれるようになっている。
各被係合部5は、図3及び図6に示すように、軸線方向に延びる溝条(凹部)によって構成され、その断面形状は、係合部6の形状に対応して滑らかなカーブ形状となっている。つまり、スピーカ2に対して所要の回動力を付与することによって、被係合部5と係合部6との係合状態を容易に解除できるようになっている。また、被係合部5と係合部6とが係合するときには、係合部6である突条が被係合部5である溝条に嵌入することによって、軸受け部4の周方向にかかるテンションが弱められると同時に、所望のクリック感が得られるようになっている。
【0022】
また、上記軸部3は、図5に示すように、複数の部材を接合することによって構成されている。即ち、図3に示すように、スピーカ本体18の裏面ほぼ全域及びアーム部19の内側面を構成する合成樹脂製の第1ケース部材20aと、アーム部の外側面を構成する合成樹脂製の第2ケース部材20bとをビス21で相互に接合することによって、アーム部19先端の上下両面に軸部3がそれぞれ形成されるようになっている。
さらに、前述した各被係合部5は、図5に示すように、各ケース部材20a、20bの接合部7に設けられている。即ち、各ケース部材20a、20bの接合面が各被係合部5を通るように、各ケース部材20a、20bの形状が予め設定されている。従って、軸部3の外周面には、被係合部5の位置を除いて段差が生じ難くなっている。
【0023】
次に、スピーカ2の動作について説明する。
【0024】
常時は、各スピーカ2の前面側が前方に向けられた状態(開状態)となっている。このとき、図6(a)に示すように、軸部3の被係合部(第2の被係合部)5bと軸受け部4の係合部6とが係合して、軸部3の回動が規制された状態となっている。従って、スピーカ2に多少の外力が加わったとしても、スピーカ2の姿勢をそのままの状態で維持することができる。この状態で、当該電子機器10が使用される。
この状態から、図2に示すように、スピーカ2を後ろに折り畳む方向に、スピーカ2に対して所要の回動力を付与すると、図6(b)に示すように、係合部6から被係合部5bが離脱して、係合部6と被係合部5bとの係合が解除された状態となる。この状態では、軸部3に対する回動規制が解除されて、スピーカ2を自由に回動させることができる。特に、この実施の形態の電子機器10によれば、前述したように、軸部3の外周面に段差が生じ難い構成となっていることから、被係合部5以外の回動範囲では、スピーカ2を滑らかに回動させることができる。つまり、スピーカ2の姿勢をスムーズに回動変換することができる。
そして、そのままスピーカ2を約180度回動させると、スピーカ本体18の裏面が本体部1の裏面に当接すると共に、図6(c)に示すように、軸部3の被係合部(第1の被係合部)5aが軸受け部4の係合部6と出会って、被係合部5aと係合部6とが係合状態となる。即ち、図1に示すように、スピーカ2の前面側が後方を向く閉状態(つまり、本体部1の後ろにスピーカ2が折り畳まれた状態)となって、この状態で、軸部3の回動が規制されて、スピーカ2の姿勢が維持される。例えば、この状態で、当該電子機器10が収納或いは搬送される。
また、この状態から、スピーカ2を開く方向に、スピーカ2に対して所要の回動力を付与すると、前述と同様に、係合部6と被係合部5aとの係合状態が解除される。そして、そのままスピーカ2を約180度回動させれば、被係合部5bと係合部6とが出会って係合状態となり、スピーカ2の前面側が前方を向く状態で、スピーカ2の姿勢が維持される。つまり、当該電子機器10が元の状態(開状態)に戻る。
【0025】
本実施の形態の電子機器10によれば以下のような効果が得られる。
軸受け部4の係合部6と係合可能な被係合部5を、軸部3を構成する各部材20の接合部7に設けるようにしたので、被係合部5以外の位置に段差が生じ難くなる。従って、被係合部5と係合部6とが出会って係合する所定の回動角度において、スピーカ2の姿勢を維持することができる一方で、前記所定の回動角度以外の回動範囲において、スピーカ2を滑らかに回動させることができる。つまり、スピーカ2の姿勢をスムーズに回動変換することができる。
【0026】
また、軸部3の周方向に沿って複数の被係合部5を設けたので、回動角度の異なる複数種類の回動状態にてスピーカ2の姿勢を維持できるようになる。
【0027】
また、複数の被係合部5には、スピーカ2が本体部1に対して閉状態の回動角度にあるときに係合部6と係合する第1の被係合部5aと、スピーカ2が本体部1に対して開状態の回動角度にあるときに係合部6と係合する第2の被係合部5bと、が含まれるので、当該電子機器10の使用状態に応じて、スピーカ2の姿勢を開状態と閉状態の各々の状態で維持できる。従って、電子機器10の使い勝手を向上させることができる。さらに、スピーカ2の内側側面及び裏面には緩衝材14が設けられているので、スピーカ2の開閉時に衝撃を吸収させることができる。
【0028】
また、スピーカ2に対して所要の回動力を付与することによって、被係合部5と係合部6との係合状態が解除されるようになっているので、軸部3に対する回動規制を容易に解除することができる。さらに、軸受け部4は柔軟な樹脂で形成されているのでよりいっそうスムーズに係合状態を解除することができる。従って、スピーカ2の姿勢を容易に回動変換することができる。
【0029】
また、軸部3の軸線方向に沿って線材挿通孔8を設けたので、スピーカ2と本体部1とに亘って信号線15を配線するのが容易となる。
【0030】
また、取付部9によって、信号線15が覆い隠されるので、当該電子機器10の見映えをよくすることができる。また取付部9によって信号線15を保護することもできる。さらに、係合部6である突条が被係合部5である溝条に嵌入することによって、スピーカ2を開状態または閉状態に回動変換したときに使用者は所望のクリック感を得ることができる。なお、この実施の形態の電子機器10によれば、各ケース部材の成形誤差等によって、被係合部5の位置に多少の段差が生じる可能性があるが、この実施の形態では、係合部6の形状を、軸線からの距離が周方向に沿って曲線的に変化する略半円形状としたので、被係合部5の位置に多少の段差が生じたとしても、被係合部5と係合部6とを係合させて該係合位置で軸部3の回動を規制することができ、また、スピーカ2に対して所要の回動力を付与すれば、被係合部5と係合部6との係合状態を簡単に解除できる。つまり、被係合部5の位置に多少の段差が生じたとしても、予め定められた所定の回動角度でスピーカ2の姿勢を維持することができ、しかもスピーカ2の姿勢をスムーズに回動変換することができる。
【0031】
なお、本実施の形態では前記電子機器10を開閉式スピーカ2を備えたオーディオプレーヤとしたが、これに限らず、例えば、その他のオーディオプレーヤや折り畳み式の携帯電話、ノート型のパソコン等としてもよい。また、被係合部5を凹部、係合部6を凸部としたが、被係合部5を凸部、係合部6を凹部としてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1の発明によれば、軸受け部の係合部と係合可能な被係合部を、軸部を構成する各部材の接合部に設けるようにしたので、被係合部以外の位置に段差が生じ難くなる。従って、可動部の姿勢をスムーズに回動変換することができる。
【0033】
請求項2の発明によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、軸部の周方向に沿って複数の被係合部を設けたので、回動角度の異なる複数種類の回動状態にて可動部の姿勢を維持できるようになる。
【0034】
請求項3の発明によれば、請求項2と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、複数の被係合部には、スピーカが本体部に対して閉状態の回動角度にあるときに係合部と係合する第1の被係合部と、スピーカが本体部に対して開状態の回動角度にあるときに係合部と係合する第2の被係合部と、が含まれるので、当該電子機器の使用状態に応じて、スピーカの姿勢を開状態と閉状態の各々の状態で維持できる。
【0035】
請求項4の発明によれば、請求項1〜3と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、可動部に対して所要の回動力を付与することによって、被係合部と係合部との係合状態が解除されるようになっているので、軸部に対する回動規制を容易に解除することができる。
【0036】
請求項5の発明によれば、請求項1〜4と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、軸部に線材挿通孔を設けたので、軸部の軸線方向に沿って線材を通すことが可能となり、可動部と本体部とに亘って信号線等の線材を配線するのが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る電子機器の一例を示すもので、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図、(c)は側面図である。
【図2】図1の電子機器に備わるスピーカの開閉動作を説明する平面図である。
【図3】図1の電子機器に備わる軸部と軸受け部を示す分解斜視図である。
【図4】図3の軸受け部の平面図である。
【図5】図3の軸部の平面図で、(a)は第1ケース部材と第2ケース部材とを接合した状態、(b)は第1ケース部材と第2ケース部材とを分離した状態をそれぞれ示している。
【図6】図5の軸部の動作を説明する平面図で、(a)はスピーカが開いているときの状態、(b)はスピーカが回動途中にあるときの状態、(c)はスピーカが閉じているときの状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1 本体部
2 スピーカ(可動部)
3 軸部
4 軸受け部
5 被係合部
6 係合部
7 接合部
8 線材挿通孔
10 電子機器

Claims (5)

  1. 本体部と、この本体部に回動可能に支持された可動部とを備える電子機器であって、
    前記可動部が前記本体部に対して、前記可動部と前記本体部の何れか一方に設けられた軸部と他方に設けられた軸受け部との相互作用により回動可能に支持される構成とし、
    前記軸部は被係合部を備える一方、
    前記軸受け部は、前記本体部に対する前記可動部の回動角度が所定の回動角度にあるときに前記被係合部と係合し、該係合状態にて前記軸部の回動を規制する係合部を備え、
    前記軸部は複数の部材を接合してなり、前記被係合部は前記軸部の軸線方向に延びる凹部によって構成され、前記軸部を構成する部材の接合部の接合面が前記被係合部を通るように設けられていることを特徴とする電子機器。
  2. 前記軸部には、その周方向に沿って複数の被係合部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記可動部は開閉式のスピーカによって構成され、
    前記複数の被係合部には、
    前記スピーカが前記本体部に対して閉状態の回動角度にあるときに前記係合部と係合する第1の被係合部と、前記スピーカが前記本体部に対して開状態の回動角度にあるときに前記係合部と係合する第2の被係合部と、が含まれることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
  4. 前記係合部は、前記軸受け部の軸線からの距離が周方向に沿って曲線的に変化する凸部によって構成されるとともに、前記被係合部は、前記係合部の形状に対応して断面形状が滑らかなカーブ形状に形成される凹部によって構成され、
    前記可動部に対して所要の回動力を付与することによって、前記被係合部と前記係合部との係合状態が解除されるようになっていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子機器。
  5. 前記軸部には、その軸線方向に線材を通す線材挿通孔が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電子機器。
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