JP3698299B2 - 感光材料搬送機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光材料がロール状に収納された感光材料収容マガジンから写真処理装置本体側へ前記感光材料を送り出し、前記写真処理装置本体から前記感光材料収容マガジン側へ前記感光材料を巻き戻すための感光材料搬送機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
かかる感光材料搬送機構の従来技術について図8、図9により説明する。図8は、感光材料搬送機構の構成を示す模式図であり、図9は各ローラの速度関係を説明するための概念図である。
【0003】
ペーパーマガジンM(感光材料収容マガジンに相当する。)には、長尺状のペーパーP(感光材料に相当する。)がロール状に巻き取られた形で収容されている。ペーパーマガジンMのペーパーPが送り出されていく出口部には、ペーパーPを挟持して搬送するための送り出しローラ61と巻き戻しローラ60とが備えられている。また、ペーパーマガジンMが装着される写真処理装置本体Fは、アドバンスローラ62(本体側搬送ローラに相当する。)とアドバンスローラ62に圧着する圧着ローラ69とを備えている。図8に示すように、送り出しローラ61と同軸に連結されたギヤ64と、巻き戻しローラ60と同軸に連結されたギヤ63とが設けられ、ギヤ63とギヤ64とはかみ合っている。アドバンスローラ62と同軸にギヤ65が設けられ、送り出しローラ61と同軸に更に別のギヤ68が設けられ、ギヤ65とギヤ68とは中間ギヤ66,67により連結されている。駆動源としてのモータ(不図示)は、写真処理装置F側のアドバンスローラ62から近い位置に設けられている。
【0004】
以上のように、送り出しローラ61、巻き戻しローラ60、アドバンスローラ62とからなる感光材料搬送機構によりペーパーPは、ペーパーマガジンMから送り出されていき、搬送経路の下手側に設けられた露光部における画像露光等の所定の処理がなされる。
【0005】
さらに、ペーパーPをペーパーマガジンMから引き出した状態で長時間処理を行なわない時には、搬送経路上に設けられた各ローラにより圧着痕がついてしまうのを防止するために、一端ペーパーPをペーパーマガジンM内に巻き戻すようにしている。ペーパーPの巻き戻しを行なう場合には、先ほど説明した感光材料搬送機構を構成している各ローラの回転方向を逆にすることで巻き戻しが行われる。
【0006】
ここで、ペーパーPがペーパーマガジンMから送り出されていくときの動作について説明すると、ペーパーPは、アドバンスローラ62と送り出しローラ61とにより搬送されるようになっている。そして、理想的にはアドバンスローラ62による送りだし速度(周速)V1と送り出しローラ61による送り出し速度V2とが全く同じになることであるが、現実的には部品形状のばらつき等の要因により全く同じになることはなく差が生じてしまう。仮に、アドバンスローラ62による送り出し速度V1よりも送り出しローラ61による送り出し速度61が速くなってしまうと、アドバンスローラ62と送り出しローラ61の間の搬送経路においてペーパーPに弛みを生じさせてしまう。かかる搬送経路には、ペーパーPのガイド部材Gが設けられており、弛んだペーパーPがガイド部材GにこすれてしまいペーパーPに傷を付けたりペーパーPが詰まってしまう可能性がある。そこで、実際には部品形状のばらつき等があったとしても、確実にアドバンスローラ62による送り出し速度V1の方が送り出しローラ61による送り出し速度V2よりもわずかに速くなるように設定している。つまり、下手側にあるアドバンスローラ62による送り出し速度V1の方をわずかに速くすることにより、アドバンスローラ62と送り出しローラ61の間にあるペーパーPにテンションをかけることで弛みが生じないようにしているのである。
【0007】
次に、ペーパーPをペーパーマガジンMに巻き戻していく時の動作を説明する。仮に、ペーパーPを送り出す時と同じように、送り出しローラ61とアドバンスローラ62により巻き戻そうとすると、V1>V2の関係に設定してあることから、巻き戻しの際にはペーパーPに弛みを生じさせてしまう。そこで、巻き戻しの際には、送り出しローラ61と対になっている巻き戻しローラ60によりペーパーPの巻き戻しを行なうようにし、巻き戻しローラ60によるペーパーPの巻き戻し速度V3がアドバンスローラ62による巻き戻し速度V4よりもわずかに速くなるように設定し、巻き戻し動作時においてもペーパーPにテンションをかけることで弛みが生じないようにしている。
【0008】
以上のように、ペーパーPの送り出し時には、送り出しローラ61を駆動用のローラとして機能させており、逆にペーパーPの巻き戻し時には巻き戻しローラ60を駆動用のローラとして機能させている。そして上記のような速度関係を実現するために巻き戻しローラ60の外径寸法は、送り出しローラ61の外径寸法よりもわずかに大きくなるように設定している(図9では誇張して描かれている。)。
【0009】
また、図8に示すように、送り出しローラ61と巻き戻しローラ60とはギヤ63,64により連結されている。したがって、送り出し時において、送り出しローラ61を駆動すると、駆動力は巻き戻しローラ60にも伝達されて巻き戻しローラ60も回転させようとする。しかも、前述したように巻き戻しローラ60の方が送り出しローラ61よりも外径寸法が大きく設定されていることから、巻き戻しローラ60は送り出しローラ61よりも大きな送り出し速度でペーパーPを送り出そうとしてしまう。これを防止するために、一方向クラッチ(不図示)を設けて上記速度差の分を吸収するようにしている。これにより、送り出し時における送り速度を送り出しローラ61により支配させるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一方、巻き戻し時においては、上記一方向クラッチがロックされる状態にあり、巻き戻し速度は巻き戻しローラ60により支配させられるが、上記ギヤ連結をしていることから送り出しローラ61もペーパーPを巻き戻す方向に回転させられる。
【0011】
しかしながら、巻き戻しローラ60による巻き戻し速度に比べて、送り出しローラ61の巻き戻し方向の速度は少し遅くなっており、かかる速度差はいずれかのローラの外周がペーパーPの表面または裏面にて滑ることにより吸収されなければならない。ところで、ペーパーPの乳剤面とベース面の摩擦係数を比較してみるとベース面には通常テフロン加工等が施されており、ベース面の方が低くなっている。
【0012】
一方、従来技術においてはベース面の方に巻き戻しローラ60が配置され、乳剤面の方に送り出しローラ61が配置されている。つまり、摩擦係数が低く滑りが生じやすい方に巻き戻しローラ60が配置されていることになる。したがって、上述した速度差の吸収は巻き戻しローラ60の方が滑る(送り出しローラ61がペーパーPに対してブレーキをかける)ことで行なわれる可能性が高い。
【0013】
その結果として、巻き戻し時において巻き戻しローラ60による巻き戻し速度が所望の巻き戻し速度にならない(つまり、所望の巻き戻し量にならない。)だけでなく、アドバンスローラ62による巻き戻し速度の方が巻き戻しローラ60による巻き戻し速度よりも速くなってしまい、ガイド部材GにおいてペーパーPが擦れて傷がついたりペーパーPが詰まってしまう可能性があった。
【0014】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、感光材料収容マガジンに収容された感光材料(ペーパー)の送り出し・巻き戻しにおいて感光材料に傷がついたり詰まったりするのを防止する感光材料搬送機構を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明に係る感光材料搬送機構は、
感光材料がロール状に収納された感光材料収容マガジンから写真処理装置本体側へ前記感光材料を送り出し、前記写真処理装置本体から前記感光材料収容マガジン側へ前記感光材料を巻き戻すための感光材料搬送機構において、
前記感光材料収容マガジン側に設けられた前記感光材料のベース面と乳剤面とを挟持して搬送するための第1搬送ローラ及び第2搬送ローラと、
前記写真処理装置本体側に設けられた本体側搬送ローラとを備え、
前記感光材料を送り出す場合には、前記第1搬送ローラを駆動用のローラとして機能させると共に、前記第1搬送ローラによる送り速度よりも前記本体側搬送ローラによる送り速度の方がわずかに速くなるように設定し、
前記感光材料を巻き戻す場合には、前記第2搬送ローラを駆動用のローラとして機能させると共に、前記本体側搬送ローラによる戻し速度よりも前記第2搬送ローラによる戻し速度の方がわずかに速くなるように設定し、
前記第1搬送ローラを前記感光材料の前記ベース面側に、前記第2搬送ローラを前記感光材料の乳剤面側に配置してあることを特徴とするものである。
【0016】
この構成によると、第1搬送ローラを送り出しローラとして用い、第2搬送ローラを巻き戻しローラとして用いている。そして摩擦係数の小さい方のベース面に第1搬送ローラを配置している。したがって、従来技術において説明したように、巻き戻し動作時において、第1搬送ローラと第2搬送ローラとで速度差が生じると、摩擦係数の小さなベース面側に配置された第1搬送ローラが滑ることになる。したがって、巻き戻し時においての巻き戻し速度は第2搬送ローラが支配することになり、巻き戻し時における感光材料の傷や詰まりを防止することができる。なお、送り出し時における第1搬送ローラと第2搬送ローラの速度差については従来どおり一方向クラッチにより吸収することが可能である。
【0017】
本発明の好適な実施形態として、前記第1搬送ローラの外径寸法よりも前記第2搬送ローラの外径寸法の方がわずかに大きくなるように設定されているものがあげられる。これにより、第1搬送ローラと本体側搬送ローラによる送り出し速度の設定、第2搬送ローラと本体側搬送ローラによる巻き戻し速度の設定を適切にすることができ、感光材料に弛みを生じさせることなく搬送させることができる。
【0018】
本発明の別の好適な実施形態として、前記第1搬送ローラと前記第2搬送ローラの材質を同一にしているものがあげられる。これにより、第1、第2搬送ローラのコスト低減に貢献することができる。
【0019】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラと、前記本体側搬送ローラとは、前記写真処理装置本体側に設けられた共通の駆動源により駆動されるものがあげられる。
【0020】
感光材料収容マガジンに設けられた第1、第2搬送ローラは写真処理装置本体側に設けられた駆動源により駆動されるから、感光材料収容マガジン専用の駆動源を設ける必要がなく構造を簡素化することができる。
【0021】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記駆動源から前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラに駆動力を伝達する伝達機構にベルトが用いられているものがあげられる。
【0022】
従来技術を説明した図8に示されるように、本体側搬送ローラに近い側に駆動源を設け、本体側搬送ローラと第1、第2搬送ローラとをギヤ連結した場合には、ギヤのバックラッシュの存在により感光材料収容マガジン側の搬送ローラが本体側搬送ローラよりも少し遅れて駆動されることになる。そのため、感光材料に弛みを生じて感光材料の詰まりが発生するおそれがある。そこで、上記構成のごとく伝達機構にベルトを用いることにより、バックラッシュを減らすことができ、駆動開始時における感光材料の詰まりを防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の感光材料搬送機構の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、感光材料搬送機構が用いられた写真処理装置(本体)1及びペーパーマガジン(感光材料収容マガジンに相当する。)の構成を示す図である。
【0024】
<写真処理装置の構成>
写真処理装置1は、マガジン台3を機体フレーム4に設け、ロール状に巻かれた一対のペーパーP(感光材料に相当する。)をロール軸芯O周りに各別に回転自在に支持する第1ペーパーマガジン5と第2ペーパーマガジン6とをマガジン台3上に横方向に並設するとともに、ペーパーPを搬送する感光材料搬送機構を設け、ペーパーPを第1ペーパーマガジン5から繰り出す状態と、第2ペーパーマガジン6から繰り出す状態とに切り換え自在に構成し、第1ペーパーマガジン5と第2ペーパーマガジン6からのペーパーPを焼付処理する画像形成部7を第1ペーパーマガジン5の下方側に配設して構成してある。
【0025】
感光材料搬送機構8は、ペーパーPを巻き戻しローラ9と送り出しローラ10とで挟持搬送する第1駆動ローラ機構24を第1及び第2ペーパーマガジン5,6に設けるとともに、第1及び第2ペーパーマガジン5,6側からのペーパーPをアドバンスローラ11(本体側搬送ローラに相当する。)と複数の装置側圧着ローラ12とで挟持搬送する装置側駆動ローラ機構25を機体フレーム4に設け、装置側駆動ローラ機構25の下手側に複数の送り出しローラ21等を設けて構成してある。
【0026】
前記送り出しローラ9・アドバンスローラ11等の回転方向を正逆に切り換えることで、ペーパーPを第1及び第2ペーパーマガジン5,6から送り出す状態と、第1及び第2ペーパーマガジン5,6側に巻き戻す状態とに切り換え自在に構成してある。
【0027】
第1駆動ローラ機構24と装置側駆動ローラ機構25の間にペーパーPに対するペーパーガイド13を設けてある。また装置側駆動ローラ機構25の下手側に、ペーパーPを切断するカッター14を設けてある。
【0028】
画像形成部7では、ペーパーPを一定速度で搬送させながらデジタル画像を1ラインごとに順次露光形成していくものであり、画像形成部7としてはDMD(デジタル・ミラー・デバイス)やレーザー露光装置やCRT露光装置などが例としてあげられる。
【0029】
<ペーパーマガジンの構成>
図2は、ケースを閉じた状態のペーパーマガジンの内部構成を示す図であり、図3は、ケースを開けた状態のペーパーマガジンの内部構成を示す図であり、図4は、ペーパーマガジン内部のペーパーPの駆動機構の主要部を示す斜視図である。なお、第1ペーパーマガジン5も第2ペーパーマガジン6も同じ構成であるので、第1ペーパーマガジン5として説明する。
【0030】
第1ペーパーマガジン5は、第1ケース部材19と第2ケース部材20により構成され、その内部に長尺状のペーパーPがロール状に巻き取られている。ロールRの中心には中空のコア17が設けられ、そのコア17の中空部分に巻芯18が挿入される。
【0031】
送り出し部15にはペーパーPをマガジン外部に送り出すペーパー出口16と、ペーパー出口16の近傍に配置された巻き戻しローラ9(第2搬送ローラに相当する。)及び送り出しローラ10(第1搬送ローラに相当する。)とが設けられている。図4に示すように、巻き戻しローラ9は、巻き戻しローラ支持軸22に一方向クラッチ(構造は不図示)を介して支持されている。巻き戻しローラ支持軸22の両端には、それぞれ、入力ギヤ26と第1伝達ギヤ27とが設けられている。入力ギヤ26と巻き戻しローラ支持軸22とは一体連結されており、写真処理装置1本体側に設けられた駆動源(モータ)からの駆動力が入力される。また、第1伝達ギヤ27は、一方向クラッチ(構造は不図示)を介して巻き戻しローラ支持軸22に支持されている。さらに、巻き戻しローラ9と隣接した位置に歯付きプーリ28が巻き戻しローラ支持軸22に固定されている。
【0032】
送り出しローラ10は、送り出しローラ支持軸29に対して取り付けられており、送り出しローラ支持軸29の両端には、それぞれ、第2伝達ギヤ30と軸受部31とが設けられている。第1伝達ギヤ27と第2伝達ギヤ30とは、互いにかみ合うように組み立てられる。
【0033】
第2駆動ローラ機構23は、ロールRの外周部分に圧接するように配置されている第2駆動ローラ32と、第2駆動ローラ32を支持するための支持フレーム33と、3つの歯付きプーリ34a,34c,34dと1つのベアリングローラ34bと、それら歯付きプーリとベアリングローラ34a〜34dに巻回された第2駆動伝達ベルト35と、歯付きプーリ34aと同軸に設けられた揺動支軸36と、揺動支軸36に設けられたもう1つの歯付きプーリ37と、歯付きプーリ28,37に巻回される第1駆動伝達ベルト38とを備えている。
【0034】
以上のように、写真処理装置本体側に設けられた駆動源からの動力は、巻き戻しローラ9、送り出しローラ10だけでなく、第1及び第2駆動伝達ベルト38,35を介して第2駆動ローラ32をも駆動するように構成されている。
【0035】
第2駆動ローラ32は図4に示すように2つのローラで構成されており、2つのローラの間に歯付きプーリ34cが第2駆動ローラ32と一体回転するように構成されている。揺動支軸36は2つの取付部材40aにより第2ケース部材20に対して固定される。
【0036】
第2駆動ローラ32は常時ロールRの外周部分に対して圧接するようにばね39が設けられている(図4参照)。ばね39は、つるまき部分にシャフト43が挿入されており、シャフト43の両端部は取付部材40a,40bにより支持されている。また、支持フレーム33にばね39の作用部39aが当接しており、第2駆動ローラ32をロールRに対して付勢している。第2駆動ローラ32は、揺動支軸36周りに揺動(回転)可能である。図2において、実線で示される第2駆動ローラ32は、ロールRの外径が最大径の時であり、二点鎖線はロールRの外径が最小径の時であり、ばね39を設けることにより、ロール径の変化に対応して第2駆動ローラ32を追従させることができる。また、ばね39を設けるだけで追従させることができるから、コストも最小限に押さえることができる。
【0037】
ロールRからペーパーPが引き出されて第1駆動ローラ機構24に至る途中にターンローラ41を設けており、第1駆動ローラ機構24へペーパーPをスムーズに案内している。
【0038】
また、第2駆動ローラ32が配置されているのは、ペーパーPがロールRの外周の接線方向に引き出されていく場所(ペーパーPがロールRから離れていく場所)の近傍であり、この部分でペーパーPに弛みが生じるのを防止している。したがって、ペーパーPが第1又は第2ケース部材19,20の内面に擦れて傷が発生してしまうのを防止することができる。
【0039】
また、図3のケースを開けた状態の図からも分かるように、駆動ローラ機構の大半は第2ケース部材20側に取り付けられているから、ペーパーPを交換する際にも邪魔にならない。
なお、ペーパーPにバックテンションを付与するために、コア17の内面と巻芯18との間に摩擦力を作用させるようにしておくのが好ましい。例えば、巻芯18にアヤメローレット加工またはすべり方向にストレートなローレット加工を施しておく。ただし、アヤメローレットの場合は、摩擦力が大きくなって送り出し時の振動発生の原因になる可能性もあるので、ストレートなローレットが好ましい。
【0040】
<ペーパーの送り出し及び巻き戻し>
次に、ペーパーPの送り出しと巻き戻しに関する動作の詳細を説明する。図5は、感光材料搬送機構8の主要部分の構成を示す模式図である。図7は、ペーパーPの搬送速度の関係を説明するための模式図である。
【0041】
図5において、ペーパーマガジン5側に設けられた入力ギヤ26が、写真処理装置本体側の内歯車54にカップリングする。内歯車54と同軸にプーリ55が設けられている。また、写真処理装置1においては、アドバンスローラ11と同軸にギヤ50が設けられており、ギヤ50は、内歯車51にカップリングする。内歯車51と同軸にプーリ52が設けられており、プーリ52と55にタイミングベルト56が巻回されている。駆動源としてのモータは図示されていないが、例えば、モータからの駆動力はアドバンスローラ11に伝達される。つまり、写真処理装置1に設けられたモータによりペーパーマガジン5内の機構も駆動されるようになっている。
【0042】
ペーパーPをペーパーマガジン5から送り出す時には、送り出しローラ10とアドバンスローラ11とが送り出し方向に回転することで送り出す。また、第2駆動ローラ32も送り出し方向に回転する。図7に明確に示しているように、巻き戻しローラ9は、ペーパーPの乳剤面に配置され、送り出しローラ10は、ペーパーPのベース面に配置されている。ペーパーPのベース面にはテフロン加工がなされており、ベース面の方が乳剤面よりも摩擦係数が小さい。
【0043】
ペーパーPを送り出す時には、ペーパーPはアドバンスローラ11と送り出しローラ10とで送り出しが行なわれる。ここで、アドバンスローラ11による送り出し速度V1が送り出しローラ10による送り出し速度V2よりも遅くなるとペーパーガイド13の部分でペーパーPに弛みが生じて、ペーパーPに傷が発生したりペーパーPが詰まったりするおそれがある。そこで、部品誤差等があったとしても確実にV1>V2となるように設定されている。ただし、V1をV2よりも大きくする程度はわずか(1%程度)で良い。上記のごとき速度設定により、アドバンスローラ11と送り出しローラ10の間の搬送経路においてペーパーPにテンションをかけることにより、ペーパーPに弛みが発生するのを防止している。
【0044】
また、送り出しローラ10と巻き戻しローラ9とは第1、第2伝達ギヤ27,30により連結されているから、送り出しローラ10を回転させると巻き戻しローラ9も強制回転させられる。しかも、巻き戻しローラ9の外径は送り出しローラ10の外径よりもわずかに大きくなるように設定されており(図7では誇張して描かれている。)、巻き戻しローラ9による周速の方がわずかに大きくなる。この送り出しローラ10と巻き戻しローラ9の速度差を吸収する必要があるが、これについては先ほど説明した一方向クラッチ(巻き戻しローラ9と巻き戻しローラ支持軸22の間に設けられている。)が作動することで吸収される。これにより、送り出し時における送り出し速度を送り出しローラ10により支配することができ、確実に送り出しローラ10を送り出し時の駆動ローラとして機能させることができる。
【0045】
次に、巻き戻し時の動作について説明する。巻き戻し時においても、ペーパーPに弛みを発生させないような構成としなければならない。そこで、巻き戻しローラ9とアドバンスローラ11とを送り出し時とは逆方向に回転させることで巻き戻しを行う。さらに、巻き戻しローラ9の外径を送り出しローラ10の外径よりもわずかに大きくしておくことで、巻き戻しローラ9による巻き戻し速度V3の方がアドバンスローラ11による巻き戻し速度V4よりもわずかに大きくなるように設定している。
【0046】
ここで、巻き戻し時においても巻き戻しローラ9も送り出しローラ10も強制回転させられるが、巻き戻し時においては先ほど説明した一方向クラッチがロックされる状態になる。そして、巻き戻しローラ9と送り出しローラ10の速度差が同様に発生することになるが、これをローラとペーパーPとの間の滑りにより吸収しなければならない。この場合、摩擦係数の小さなベース面側に送り出しローラ10を配置しているから、送り出しローラ10とペーパーPの間で滑りが生じ、上記の速度差が吸収される。これにより、巻き戻し時における巻き戻し速度を巻き戻しローラ9により支配させることができ、巻き戻し時には、巻き戻しローラ9を駆動ローラとして機能させることができる。したがって、巻き戻し時においてもペーパーPに弛みを生じさせることなく巻き戻しを行なうことができる。
【0047】
なお、各ローラの寸法例を示すと、巻き戻しローラ9はφ24.4mm、送り出しローラ10はφ24.2mmである。この程度の寸法差をつけることにより、部品誤差等を含めても所望の速度設定を実現することができる。また、巻き戻しローラ9と送り出しローラ10とは同一の素材(ゴム)で形成することによりコスト削減に寄与することができる。
【0048】
また、図5に示すようにプーリ52,55はタイミングベルト56により連結されているから、ギヤで連結した従来技術の図8に比べるとバックラッシュの影響が少なくなり、巻き戻し開始時においてアドバンスローラ11の駆動開始よりも巻き戻しローラ9の駆動が遅れることによるペーパーPの詰まりの発生をなくすことができる。
【0049】
<別実施形態>
図6は、図5の変形例である。入力ギヤ26にかみ合うギヤ58を設け、ギヤ58と同軸にプーリ55を設けている。その他の構成は図5と同じである。
【0050】
本実施形態における写真処理装置はデジタル画像を露光するための装置であるが、これに限定されず、アナログ方式の写真処理装置の場合にも本発明は応用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペーパーマガジンが取り付けられた写真処理装置の構成を示す図
【図2】ケースを閉じた状態のペーパーマガジンの内部構成図
【図3】ケースを開いた状態のペーパーマガジンの内部構成図
【図4】駆動ローラ機構を示す斜視図
【図5】感光材料搬送機構の主要部分の構成を示す模式図
【図6】感光材料搬送機構の主要部分の構成(別実施形態)を示す模式図
【図7】ペーパーの搬送速度の関係を示す模式図
【図8】従来技術にかかる感光材料搬送機構の構成を示す模式図
【図9】従来技術にかかる各ローラの速度関係を示す概念図
【符号の説明】
1 写真処理装置
5,6 ペーパーマガジン
9 巻き戻しローラ(第2搬送ローラ)
10 送り出しローラ(第1搬送ローラ)
11 アドバンスローラ(本体側搬送ローラ)
P ペーパー
Claims (5)
- 感光材料がロール状に収納された感光材料収容マガジンから写真処理装置本体側へ前記感光材料を送り出し、前記写真処理装置本体から前記感光材料収容マガジン側へ前記感光材料を巻き戻すための感光材料搬送機構において、
前記感光材料収容マガジン側に設けられた前記感光材料のベース面と乳剤面とを挟持して搬送するための第1搬送ローラ及び第2搬送ローラと、
前記写真処理装置本体側に設けられた本体側搬送ローラとを備え、
前記感光材料を送り出す場合には、前記第1搬送ローラを駆動用のローラとして機能させると共に、前記第1搬送ローラによる送り速度よりも前記本体側搬送ローラによる送り速度の方がわずかに速くなるように設定し、
前記感光材料を巻き戻す場合には、前記第2搬送ローラを駆動用のローラとして機能させると共に、前記本体側搬送ローラによる戻し速度よりも前記第2搬送ローラによる戻し速度の方がわずかに速くなるように設定し、
前記第1搬送ローラを前記感光材料の前記ベース面側に、前記第2搬送ローラを前記感光材料の乳剤面側に配置してあることを特徴とする感光材料搬送機構。 - 前記第1搬送ローラの外径寸法よりも前記第2搬送ローラの外径寸法の方がわずかに大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の感光材料搬送機構。
- 前記第1搬送ローラと前記第2搬送ローラの材質を同一にしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光材料搬送機構。
- 前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラと、前記本体側搬送ローラとは、前記写真処理装置本体側に設けられた共通の駆動源により駆動されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光材料搬送機構。
- 前記駆動源から前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラに駆動力を伝達する伝達機構にベルトが用いられていることを特徴とする請求項4に記載の感光材料搬送機構。
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