JP2001058732A - 感光材料収容マガジン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光材料送り出し時の振動を抑制できる感光
材料の送り出し・巻き戻し機構を備えた感光材料収容マ
ガジンを提供すること。 【解決手段】 長尺状のペーパー２がロール状に巻き取
られて収容される感光材料収容マガジン５であって、ペ
ーパー２の送り出し部１５に設けられ、ペーパー２の送
り出しと巻き戻しを行なう第１駆動ローラ９及び第１圧
着ローラ１０、ペーパー２のロール状外周部分Ｒに接す
るように設けられ、ペーパー２の送り出しと巻き戻しを
行なう第２駆動ローラ３２とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、長尺状の感光材料
がロール状に巻き取られて収容される感光材料収容マガ
ジンに関し、特に感光材料の駆動機構の改良に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】感光材料収容マガジンには、長尺状の感
光材料がロール状に巻き取られて収容されており、送り
出し部から長尺状の感光材料を露光部に送り出してい
き、露光部にて画像が露光される。長尺状の感光材料は
露光部の手前か露光部を通過した後に、所定のプリント
サイズに切断される。また、露光を長時間行わない時に
は、送り出した感光材料を感光材料収容マガジンに巻き
戻しておく。

【０００３】従って、感光材料収容マガジンには感光材
料を送り出し・巻き戻しを行なうための機構が必要とな
り、従来は、感光材料の送り出し部に設けられ、感光材
料の送り出しと巻き戻しを行なう駆動ローラ機構（第１
駆動ローラ機構に相当する。）と、ロール状感光材料の
巻芯を駆動する巻芯駆動部とを備えていた。

【０００４】感光材料を巻き取っていく際に、ロール径
が変化するため、巻芯を回転する速度( 角速度) が一定
であったとしても、ロールの外周部分における感光材料
の移動速度はロール径に応じて変化することになる。こ
の変化の度合いは、ロール径が最大径になる時と最小径
になる時とで約３倍程度の差となる。一方、送りだし部
に設けられた駆動ローラ機構は、一定速度にて感光材料
を移動させている。従って、長尺状の感光材料をたるま
ないようにして巻き戻すためには、上記移動速度の差を
吸収する必要があり、そのため、巻芯駆動部にトルクリ
ミッターを設けていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トルク
リミッタ−を設けることにより機構が複雑になるだけで
なく、感光材料を送り出していく時に、このトルクリミ
ッタ−が駆動の抵抗になり振動を発生する原因となって
いた。特に、感光材料を定速で搬送させながら画像を１
ラインごとに形成していくデジタル露光を行なう場合に
は、感光材料の送り出し時の振動により画質が低下する
原因となり改善が望まれていた。本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、感光材料送り出
し時の振動を抑制できる感光材料の送り出し・巻き戻し
機構を備えた感光材料収容マガジンを提供することであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係る感光材料収容マガジンは、長尺状の感光材
料がロール状に巻き取られて収容され、前記感光材料の
送り出し部に設けられ、前記感光材料の送り出しと巻き
戻しを行なう第１駆動ローラ機構と、駆動ローラが前記
感光材料のロール状外周部分に接するように設けられ、
前記感光材料の送り出しと巻き戻しを行なう第２駆動ロ
ーラ機構とを備えたことを特徴とするものである。

【０００７】この構成によると、感光材料の送り出し部
に設けられた第１駆動ローラ機構と、駆動ローラが感光
材料のロール状外周部分に接するように設けられた第２
駆動ローラ機構とにより感光材料の送り出しと巻き戻し
とを行なうことができる。そして、第１駆動ローラ機構
による感光材料の移動速度（搬送速度）と、第２駆動ロ
ーラ機構による感光材料の移動速度とが同じになるよう
に設定することができる。したがって、速度差を吸収す
るための機構は不要になるからトルクリミッタ−も設け
る必要はない。その結果、トルクリミッタ−を設けるこ
とによる機構の複雑化を回避するとともに、感光材料送
り出し時の振動を抑制できる感光材料の送り出し・巻き
戻し機構を備えた感光材料収容マガジンを提供すること
ができた。

【０００８】本発明の好適な実施形態として、前記第１
駆動ローラ機構と前記第２駆動ローラ機構は共通の駆動
源により駆動されるものがあげられる。第１駆動ローラ
機構を駆動するための駆動源と、第２駆動ローラ機構を
駆動するための駆動源とを別々に設ける構成に比べて、
機構を簡素化することができる。なお、駆動源は必ずし
も感光材料収容マガジンに設ける必要はなく、感光材料
収容マガジンが取り付けられる写真処理装置に設けられ
た駆動源から駆動力が供給されるようにするのが好まし
い。

【０００９】本発明の別の好適な実施形態として、前記
第２駆動ローラ機構の駆動ローラは、ばねにより前記ロ
ール状外周部分に付勢されており、前記ロール状外周部
分の外径の変化に追従可能に構成したものがあげられ
る。

【００１０】第２駆動ローラ機構の駆動ローラをロール
状外周部分に常時接触させておくために、外周部分の外
径の変化に追従させるための機構が必要となるが、上記
構成のごとく、ばねにより前記駆動ローラを外周部分に
付勢させることにより、簡単な構成でコストをかけるこ
となく追従させるための機構を実現することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の感光材料収容マガジンの
好適な実施形態を図面を用いて説明する。図１は、ペー
パーマガジン（感光材料収容マガジンに相当する。）が
取り付けられた写真処理装置１の構成を示す図である。

【００１２】＜写真処理装置の構成＞写真処理装置１
は、マガジン台３を機体フレーム４に設け、ロール状に
巻かれた一対のペーパー２（感光材料に相当する。）を
ロール軸芯Ｏ周りに各別に回転自在に支持する第１マガ
ジン５と第２マガジン６とをマガジン台３上に横方向に
並設するとともに、ペーパー２を搬送する搬送手段を設
け、ペーパー２を第１マガジン５から繰り出す状態と、
第２マガジン６から繰り出す状態とに切り換え自在に構
成し、第１マガジン５と第２マガジン６からのペーパー
２を焼付処理する画像形成部７を第１マガジン５の下方
側に配設して構成してある。

【００１３】搬送手段８は、ペーパー２を第１駆動ロー
ラ９と第１圧着ローラ１０とで挟持搬送する第１駆動ロ
ーラ機構２４を第１及び第２マガジン５，６に設けると
ともに、第１及び第２マガジン５，６側からのペーパー
２を装置側駆動ローラ１１と複数の装置側圧着ローラ１
２とで挟持搬送する装置側駆動ローラ機構２５を機体フ
レーム４に設け、装置側駆動ローラ機構２５の下手側に
複数の送り出しローラ２１等を設けて構成してある。

【００１４】前記第１駆動ローラ・装置側駆動ローラ
９，１１等の回転方向を正逆に切り換えることで、ペー
パー２を第１及び第２マガジン５，６から送り出す状態
と、第１及び第２マガジン５，６側に巻き戻す状態とに
切り換え自在に構成してある。

【００１５】第１駆動ローラ機構２４と装置側駆動ロー
ラ機構２５の間にペーパー２に対するペーパーガイド１
３を設けてある。また装置側駆動ローラ機構２５の下手
側に、ペーパー２を切断するカッター２３を設けてあ
る。

【００１６】画像形成部７では、ペーパー２を一定速度
で搬送させながらデジタル画像を１ラインごとに順次露
光形成していくものであり、画像形成部７としてはＤＭ
Ｄ（デジタル・ミラー・デバイス）やレーザー露光装置
やＣＲＴ露光装置などが例としてあげられる。

【００１７】＜ペーパーマガジンの構成＞図２は、ケー
スを閉じた状態のペーパーマガジンの内部構成を示す図
であり、図３は、ケースを開けた状態のペーパーマガジ
ンの内部構成を示す図であり、図４は、ペーパーの駆動
機構の主要部を示す斜視図である。なお、第１マガジン
５も第２マガジン６も同じ構成であるので、第１マガジ
ン５として説明する。

【００１８】第１マガジン５は、第１ケース部材１９と
第２ケース部材２０により構成され、その内部に長尺状
のペーパー２がロール状に巻き取られている。ロールＲ
の中心には中空のコア１７が設けられ、そのコア１７の
中空部分に巻芯１８が挿入される。

【００１９】送り出し部１５にはペーパー２をマガジン
外部に送り出すペーパー出口１６と、ペーパー出口１６
の近傍に配置された第１駆動ローラ９及び第１圧着ロー
ラ１０とが設けられている。図４に示すように、第１駆
動ローラ９は、駆動ローラ支持軸２２に１方向クラッチ
（構造は不図示）を介して支持されている。駆動ローラ
支持軸２２の両端には、それぞれ、入力ギヤ２６と第１
伝達ギヤ２７とが設けられている。入力ギヤ２６と駆動
ローラ支持軸２２とは一体連結されており、写真処理装
置１側に設けられた駆動源（モータ）からの駆動力が入
力される。また、第１伝達ギヤ２７は、１方向クラッチ
（構造は不図示）を介して駆動ローラ支持軸２２に支持
されている。さらに、第１駆動ローラ９と隣接した位置
に歯付きプーリ２８が駆動ローラ支持軸２２に固定され
ている。

【００２０】第１圧着ローラ１０は、圧着ローラ支持軸
２９に対して取り付けられており、圧着ローラ支持軸２
９の両端には、それぞれ、第２伝達ギヤ３０と軸受部３
１とが設けられている。第１伝達ギヤ２７と第２伝達ギ
ヤ３０とは、互いにかみ合うように組み立てられる。

【００２１】また、上記１方向クラッチの意味について
説明する。ペーパー２を送り出す時には、第１圧着ロー
ラ１０を駆動ローラとして機能させ、第１駆動ローラ９
をフリーローラとして機能させる。ペーパー２を巻き戻
す時には、逆に、第１圧着ローラ１０をフリーローラと
して機能させ、第１駆動ローラ９を駆動ローラとして機
能させる。同じローラを駆動ローラにしたりフリーロー
ラにしたりするために、１方向クラッチが必要となる。
更に詳しく説明すると、ペーパー２を搬送させる時に、
第１駆動ローラ機構２４と装置側駆動ローラ機構２５の
両方でペーパー２を搬送させているが、第１駆動ローラ
機構２４と装置側駆動ローラ機構２５の間でペーパー２
が弛まないようにする必要がある。そのため、ペーパー
２を送り出す時には、装置側駆動ローラ機構２５による
ペーパー２の搬送速度が、第１圧着ローラ１０による搬
送速度よりもわずかに速くなるようにし、ペーパー２を
巻き戻す時には、第１駆動ローラ９による搬送速度が、
装置側駆動ローラ機構２５による搬送速度よりもわずか
に速くなるように設定している。第１駆動ローラ９と第
１圧着ローラ１０とはその外径をわずかに異ならせてお
り、これにより搬送速度の違いを作り出している。

【００２２】第２駆動ローラ機構２３は、ロールＲの外
周部分に圧接するように配置されている第２駆動ローラ
３２と、第２駆動ローラ３２を支持するための支持フレ
ーム３３と、３つの歯付きプーリ３４ａ，３４ｃ，３４
ｄと１つのベアリングローラ３４ｂと、それら歯付きプ
ーリとベアリングローラ３４ａ〜３４ｄに巻回された第
２駆動伝達ベルト３５と、歯付きプーリ３４ａと同軸に
設けられた揺動支軸３６と、揺動支軸３６に設けられた
もう１つの歯付きプーリ３７と、歯付きプーリ２８，３
７に巻回される第１駆動伝達ベルト３８とを備えてい
る。

【００２３】以上のように、装置側に設けられた駆動源
からの動力は、第１駆動ローラ９だけでなく、第１及び
第２駆動伝達ベルト３８，３５を介して第２駆動ローラ
３２をも駆動するように構成されている。また、第１駆
動ローラ９及び第２駆動ローラ３２によるペーパー２の
移動速度は同一あるいはほぼ同一になるように設定され
ている。

【００２４】第２駆動ローラ３２は図４に示すように２
つのローラで構成されており、２つのローラの間に歯付
きプーリ３４ｃが第２駆動ローラ３２と一体回転するよ
うに構成されている。揺動支軸３６は２つの取付部材４
０ａにより第２ケース部材２０に対して固定される。

【００２５】第２駆動ローラ３２は常時ロールＲの外周
部分に対して圧接するようにばね３９が設けられている
（図４参照）。ばね３９は、つるまき部分にシャフト４
３が挿入されており、シャフト４３の両端部は取付部材
４０ａ，４０ｂにより支持されている。また、支持フレ
ーム３３にばね３９の作用部３９ａが当接しており、第
２駆動ローラ３２をロールＲに対して付勢している。第
２駆動ローラ３２は、揺動支軸３６周りに揺動（回転）
可能である。図２において、実線で示される第２駆動ロ
ーラ３２は、ロールＲの外径が最大径の時であり、二点
鎖線はロールＲの外径が最小径の時であり、ばね３９を
設けることにより、ロール径の変化に対応して第２駆動
ローラ３２を追従させることができる。また、ばね３９
を設けるだけで追従させることができるから、コストも
最小限に押さえることができる。

【００２６】ロールＲからペーパー２が引き出されて第
１駆動ローラ機構２４に至る途中にターンローラ４１を
設けており、第１駆動ローラ機構２４へペーパー２をス
ムーズに案内している。

【００２７】ペーパー２を送り出す時には第１圧着ロー
ラ１０及び第２駆動ローラ３２を送り出し方向に回転さ
せることで、ペーパー２を写真処理装置１側に送り出し
ていくことができる。また、ペーパー２を巻き戻す時に
は第１駆動ローラ９及び第２駆動ローラ３２を巻き戻し
方向に回転することで、ペーパー２を第１マガジン５内
に巻き取っていくことができる。第１駆動ローラ９（第
１圧着ローラ１０）と第２駆動ローラ３２の送り出し速
度と巻き取り速度とは同一又はほぼ同一になるように設
定されている。速度を同一にすることで、送り出し時の
振動の発生を防止することができる。

【００２８】また、第２駆動ローラ３２が配置されてい
るのは、ペーパー２がロールＲの外周の接線方向に引き
出されていく場所（ペーパー２がロールＲから離れてい
く場所）の近傍であり、この部分でペーパー２に弛みが
生じるのを防止している。したがって、ペーパー２が第
１又は第２ケース部材１９，２０の内面に擦れて傷が発
生してしまうのを防止することができる。

【００２９】また、図３のケースを開けた状態の図から
も分かるように、駆動ローラ機構の大半は第２ケース部
材２０側に取り付けられているから、ペーパー２を交換
する際にも邪魔にならない。

【００３０】なお、ペーパー２にバックテンションを付
与するために、コア１７の内面と巻芯１８との間に摩擦
力を作用させるようにしておくのが好ましい。例えば、
巻芯１８にアヤメローレット加工またはすべり方向にス
トレートなローレット加工を施しておく。ただし、アヤ
メローレットの場合は、摩擦力が大きくなって送り出し
時の振動発生の原因になる可能性もあるので、ストレー
トなローレットが好ましい。

【００３１】＜別実施形態＞本発明は、ペーパー以外の
感光材料の場合にも応用できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】ペーパーマガジンが取り付けられた写真処理装
置の構成を示す図

【図２】ケースを閉じた状態のペーパーマガジンの内部
構成図

【図３】ケースを開いた状態のペーパーマガジンの内部
構成図

【図４】駆動ローラ機構を示す斜視図

【符号の説明】

１ 写真処理装置 ２ ペーパー（感光材料） ５ 第１マガジン（感光材料収容マガジン） ６ 第２マガジン（感光材料収容マガジン） ９ 第１駆動ローラ １０ 第１圧着ローラ １５ 送り出し部 ２３ 第２駆動ローラ機構 ２４ 第１駆動ローラ機構 ３２ 第２駆動ローラ ３９ ばね Ｒ ロール

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺状の感光材料がロール状に巻き取ら
   れて収容される感光材料収容マガジンであって、 前記感光材料の送り出し部に設けられ、前記感光材料の
   送り出しと巻き戻しを行なう第１駆動ローラ機構と、 駆動ローラが前記感光材料のロール状外周部分に接する
   ように設けられ、前記感光材料の送り出しと巻き戻しを
   行なう第２駆動ローラ機構とを備えたことを特徴とする
   感光材料収容マガジン。
2. 【請求項２】 前記第１駆動ローラ機構と前記第２駆動
   ローラ機構は共通の駆動源により駆動されることを特徴
   とする請求項１に記載の感光材料収容マガジン。
3. 【請求項３】 前記第２駆動ローラ機構の前記駆動ロー
   ラは、ばねにより前記ロール状外周部分に付勢されてお
   り、前記ロール状外周部分の外径の変化に追従可能に構
   成したことを特徴とする請求項１又は２に記載の感光材
   料収容マガジン。