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JP3679782B2 - 露光装置及びそれを用いた半導体チップの製造方法 - Google Patents

露光装置及びそれを用いた半導体チップの製造方法 Download PDF

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は露光装置及びそれを用いた半導体チップの製造方法に関し、特にレチクル(マスク)面上に形成されているIC,LSI等の微細な電子回路パターンを投影レンズ系(投影光学系)によりウエハ面上に投影し露光すると共に、この露光の為の光とは波長が異なる光で投影レンズ系を介してウエハ面上の状態を観察する機能を有する露光装置及びそれを用いた半導体チップの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造用の微少投影型の露光装置では、第1物体としてのレチクルの回路パターンを投影レンズ系により第2物体としてのウエハ上に投影し露光するが、この投影露光に先立って観察装置(検出手段)を用いてウエハ面を観察することによりウエハ上のアライメントマークを検出し、この検出結果に基づいてレチクルとウエハとの位置整合、所謂アライメントを行っている。
【0003】
このときのアライメント精度は観察装置の光学性能に大きく依存している。この為、観察装置の性能は露光装置において重要な要素となっている。
【0004】
従来より、露光装置において、ウエハ面に形成したアライメントマークを観察顕微鏡系によって観察し、投影された画像信号を用いてアライメントマークの位置を検出し、ウエハの位置情報を得ることが良く行われている。
【0005】
特に近年、主に次の2つの理由から非露光光で比較的波長幅の広い光が観察用照明光として用いられるようになってきた。
【0006】
第一の理由は、ウエハ面に形成したアライメントマークを観察する際、多くの場合、ウエハ面上には電子回路パターンを転写される感光材(レジスト)が塗布されている。レジストは通常、露光波長で吸収が多いため、露光波長ではウエハ上のアライメントマークをレジスト膜を通して検出することが困難になってきたり、さらに、露光光でアライメントマークを観察しようとすると、露光光によりレジストが感光してアライメントマークの検出が不安定になったり、検出できなくなったりするという問題点があり、非露光光による検出方式が望まれている。
【0007】
第二の理由は、非露光光の観察用の照明光として、例えばハロゲンランプによる比較的波長幅の広い光を用いると、He−Neレーザのような単色光源を用いてウエハ上のAAマークを観察した時に発生しがちな、レジスト膜や半導体プロセスに用いる種々の機能膜の膜厚ムラによる干渉縞を低減することができ、より良好なアライメントが行なえるというものである。
【0008】
このような理由から、アライメントマークの観察顕微鏡系としては、非露光光で比較的波長幅の広い観察用照明光に対して各種収差を補正して、良好なアライメントマークの検出が行なえるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなアライメントマークの検出を行っているものとして、特開平4−223326号公報の位置あわせ装置が挙げられる。ここでは、ある波長帯域を持つアライメント光でアライメントマークを観察するアライメント光学系が開示されており、このアライメント光学系においては、3枚のプリズムを貼り合せた光学素子をコリメータレンズによる平行光束中に配置することによって、アライメント光が波長帯域を持つことによって発生する倍率色収差を補正している。しかしながら、平行光束中にこのようなプリズムを配置すると、平行光束を集光するための後段の結像レンズに対して、光束が偏心した状態で入射するためコマ収差が発生し、その結果アライメント精度が著しく低下してしまうという問題点が生じてくる。 観察用の照明光として波長幅の広い光を用いると、図9(A),(B),(C)に示すように観察顕微鏡系の各要素の加工誤差あるいは組立て誤差などの誤差、具体的にはプリズムのくさび成分や光軸に対する傾き、レンズの偏心誤差などにより検出面上に投影された画像信号の位置が色によって異なった位置に投影されるという問題点が生じてくる。図9(A),(B),(C)はそれぞれプリズム91のくさび成分、プリズム91の光軸に対する傾き、レンズの偏心誤差により投影画面上で色ずれが発生する様子を示している。
【0010】
その結果、ウエハ面上に塗布したレジストの膜厚や半導体プロセスに用いる種々の機能膜の膜厚、ウエハ面上に形成したアライメントマークの膜厚などが変化した場合、例えば図10に示すようにウエハ面に形成したアライメントマーク検出信号の分光特性の変化に伴って、検出面上に投影される画像信号の位置が変化してアライメント誤差となり、アライメント精度を劣化させるという問題点が生じてくる。
【0011】
本発明は露光光と波長が異なる検出光(アライメント光)で投影レンズ系を介してマークの検出を行なう場合にマーク像の位置を高精度に検出することが可能な、改良されたマーク検出機能を有する露光装置及びそれを用いた半導体チップの製造方法の提供を目的とする。
【0012】
請求項1の発明の露光装置は、露光光で第1物体のパターンを第2物体上に投影する投影光学系と、前記第1物体と前記第2物体との相対的位置合わせを行うために、複数の波長を有する検出光で前記第2物体を照明し、前記第2物体上のマーク情報を検出する検出手段とを有する露光装置であって、
前記検出手段は検出面上で発生する、前記複数の波長間のマーク像のずれを補正する分散の異なる材質より成る2つのレンズを、前記検出面上で結像する光束が収斂状態にある位置に偏心可能に設けていることを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記検出光とは前記露光光と波長が異なる光であることを特徴としている。
請求項3の発明は請求項1の発明において、前記検出光とは前記第2物体を感光させない光であることを特徴としている。
請求項4の発明は請求項1,2又は3の発明において、前記検出光の光源がハロゲンランプであることを特徴としている。
請求項5の発明は請求項1の発明において、前記分散の異なる材質より成る2つのレンズは互いに接合されていることを特徴としている。
【0014】
請求項6の発明の半導体チップの製造方法は、請求項1乃至いずれか1項記載の露光装置を用いて、前記第1物体の回路パターンを照明することにより投影光学系を介して前記回路パターンの像を前記第2物体上に投影して転写することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を半導体素子製造用の露光装置に適用したときの参考例1の光学系の要部概略図である。
【0019】
同図において8は第1物体としてのレチクルでレチクルステージ10に載置されている。3は第2物体としてのウエハであり、その面上にはアライメント用のマーク(AAマーク)4が設けられている。5は投影光学系で投影レンズ系よりなり、レチクル(マスク)8面上の回路パターン等をウエハ3面上に投影している。投影レンズ系5はレチクル8側とウエハ3側で共にテレセントリック系となっている。
【0020】
9は照明系であり、露光光でレチクル8を照明している。2はθ,Zステージでウエハ3を載置しており、ウエハ3のθ回転及びフォーカス調整、即ちZ方向の調整を行っている。θ,Zステージ2はステップ動作を高精度に行う為のXYステージ1上に載置されている。XYステージ1にはステージ位置計測の基準となる光学スクウェアー(バーミラー)6が置かれており、この光学スクウェアー6をレーザ干渉計7でモニターしている。
【0021】
本参考例におけるレチクル8とウエハ3との位置合わせ(アライメント)は予め位置関係が求められている後述する基準マーク17に対して各々位置合わせを行うことにより間接的に行なっている。又は実際レジスト像パターン等をアライメントを行なって露光を行ない、その誤差(オフセット)を測定し、それ以後のその値を考慮してオフセット処理している。
【0022】
次にウエハ3面のマーク4の位置検出を行なう検出手段101の各要素について説明する。
【0023】
11は観察顕微鏡であり、非露光光でウエハ3面上のAAマーク4を観察している。
【0024】
本参考例では投影レンズ5を介さないでアライメントを行なうオフアクシス方式を用いている。
【0025】
14はAAマーク4の検出用の光源で、露光光の波長とは異なる波長の光束(非露光光)を発するハロゲンランプから成っている。15はレンズであり、光源14からの光束(検出光)を集光して照明用のビームスプリッター16に入射させている。12は対物レンズである。
【0026】
13は光学要素としてのレンズ群であり、観察顕微鏡11で発生したコマ収差を補正する為に光軸Sから偏心可能となるように構成している。
【0027】
尚、本参考例においてレンズ群13は分散の異なる材質の正レンズと負レンズの2つのレンズより成り、色収差も補正するようにしている。
【0028】
ビームスプリッター16で反射したレンズ15からの検出光はミラーMで反射させ、レンズ群13と対物レンズ12を介してウエハ3面上のAAマーク4に導光して照明している。
【0029】
19は基準マーク17の照明用の光源でLED等から成っている。18はレンズである。光源19からの光束はレンズ18で集光し、基準マーク17に導光し、照明している。20は基準マーク用のビームスプリッターであり、基準マーク17からの光束を反射させてミラーMを介してエレクターレンズ21に入射している。エレクターレンズ21は基準マーク17及びウエハ3面上のAAマーク4を各々CCDカメラ22の撮像面に結像している。本参考例における検出手段101は以上の各要素を有している。
【0030】
本参考例において光源14から出射した非露光光(検出光)は順にレンズ15、ビームスプリッター16、ミラーM、レンズ群13、対物レンズ12を経て、ウエハ3上のAAマーク4を照明する。ウエハ3上のAAマーク4の観察像情報は、順にレンズ群13、対物レンズ12、ミラーM、ビームスプリッター16、ビームスプリッター20、ミラーM、エレクターレンズ21を経てCCDカメラ22上に結像する。
【0031】
本参考例においては観察顕微鏡11で発生したコマ収差を後述するように光軸Sから偏心可能に設けたレンズ群13で補正している。これにより良好なAAマーク4の観察像がCCDカメラ22上に形成されるようにしている。
【0032】
一方、基準マーク17は基準マーク照明用のLEDより成る光源19から出射した光をレンズ18により集光して照明され、ビームスプリッター20、ミラーMを介しエレクターレンズ21を経てCCDカメラ22上に結像する。
【0033】
このCCDカメラ22上に結像したウエハ3上のAAマーク4の観察像のCCDカメラ22上の位置を不図示の信号処理装置で計測し、同じく信号処理装置で計測したCCDカメラ22上に結像し、常に固定されている基準マーク17の投影像の位置とを比較することによって正確なXYステージ1の位置情報を得て、これにより高精度のアライメントを行っている。
【0034】
次に本参考例のコマ収差調整用のレンズ群13の光学的作用について図2を用いて説明する。
【0035】
本参考例のレンズ群13は分散の異なる2つのレンズを接合してレンズ群13で発生する色収差を補正した接合色補正レンズを光軸から偏心させるように構成して、検出面22上に色による像ずれを発生させないで観察顕微鏡11全体で発生しているコマ収差を補正できるようにしている。
【0036】
図2(A)は顕微鏡用結像レンズにより検出面上に像を形成している様子を示したもので、図2(B)は1枚のレンズ13を光軸から偏心させたときに、いわゆるプリズム効果による色ずれが発生している様子を示している。
【0037】
図2(C)は分散の異なる2つのレンズを接合して色収差を補正した接合色補正レンズ13により検出面上に像を形成している様子を示している。
【0038】
図2(D)は図2(C)の接合色補正レンズ13を光軸から偏心させたときに、検出面上に色による像ずれが発生しないことを示している。
【0039】
本参考例では以上のようにレンズ群13を構成することにより、観察顕微鏡11全体で発生するコマ収差を補正し、検出面(CCDカメラ22の撮像面)に良好なるAAマーク4の像を形成している。
【0040】
又、本参考例では非露光光としてハロゲンランプによる露光光の波長より中心波長が異なり、かつ比較的波長幅の広い光源(例えば633±30nm)を用い、He−Neレーザのような単色光源を用いてウエハ上のAAマークを観察するときに発生しがちなレジスト膜による干渉縞を低減し、これにより良好なアライメントを行っている。
【0041】
図3は本発明を半導体素子製造用の露光装置に適用したときの参考例2の光学系の要部概略図である。図3において図1で示した部材と同じ部材には同一符番を付している。
【0042】
本参考例は図1の参考例1に比べて、ウエハ3上のAAマーク4を投影レンズ5を介した光を用いて観察している点が異っており、即ちTTL方式でアライメントを行っている点と光学系24を用いた点が異っており、その他の構成は略同じである。
【0043】
図3において光学系24は投影レンズ5で発生した収差(例えば非点収差)を補正する為の平行平面板より成っている。
【0044】
本参考例においてハロゲンランプ14から出射した非露光光は順にレンズ15、ビームスプリッター16、レンズ群13、対物レンズ12、光学系24、ミラー23、投影レンズ系5を経てウエハ3上のAAマーク4を照明する。
【0045】
ウエハ3上のAAマーク4の観察像情報は順に投影レンズ5、ミラー23、光学系24、対物レンズ12、レンズ群13、ビームスプリッター16、ビームスプリッター20、エレクターレンズ21を経てCCDカメラ22上に結像する。このとき、投影レンズ系5はレチクル8上に描かれた電子回路パターンをウエハ3上に投影する為に露光光に対して良好に収差補正されている。この為、非露光光が投影レンズ5を通過した際、収差が発生する。
【0046】
本参考例においては投影レンズ系5で発生した球面収差と軸上色収差等を対物レンズ12で補正し、同じくコマ収差を光軸から偏心可能に設けたレンズ群13で補正するように構成し、良好なAAマーク4の観察像がCCDカメラ22上に形成されるようにしている。
【0047】
一方、基準マーク17は基準マーク照明用のLED光源19から出射した光をレンズ18により集光して照明され、ビームスプリッター20、対物エレクターレンズ21を経てCCDカメラ22上に結像する。
【0048】
このCCDカメラ22上に結像したウエハ3上のAAマーク4の観察像のCCDカメラ22上の位置を不図示の信号処理装置で計測し、同じく信号処理装置で計測したCCDカメラ22上に結像し、常に固定されている基準マーク17の投影像の位置とを比較することによって正確なステージの位置情報を得て、これにより高精度のアライメントを行っている。
【0049】
以上のように参考例1,2においてはウエハ上のAAマークを非露光光で観察してアライメントを行う際、観察顕微鏡全体で発生しているコマ収差を補正するための光学系要素を色収差の補正された光学系要素で構成することで、観察顕微鏡全体で発生しているコマ収差を補正した際、検出面上に色による像ずれを防止している。
【0050】
これによりウエハ面上に塗布したレジストの膜厚や半導体プロセスに用いる種々の機能膜の膜厚、ウエハ面上に形成したアライメントマークの膜厚などが変化した場合、ウエハ面に形成したアライメントマーク検出信号の分光特性の変化に伴って、検出面上に投影される画像信号の位置が変化したときのアライメント誤差を少なくし、アライメント精度の向上を図っている。
【0051】
図4は本発明を半導体素子製造用の露光装置に適用したときの実施例1の光学系の要部概略図である。図4において図1で示した部材と同じ部材には同一符番を付している。
【0052】
本実施例は図1の参考例1に比べて、CCDカメラ22の前方に後述するように少なくとも2つの透明な楔形プリズムより成る光学部材41を配置し、観察顕微鏡11の各光学要素の誤差等により発生した色によるAAマーク像のCCDカメラ22面上での位置ずれを補正していること、そしてコマ収差補正のレンズ群13を省略していることが異っており、その他の構成は略同じである。
【0053】
次に本実施例の構成について図1の説明と一部重複するが順次説明する。
【0054】
本実施例においてハロゲンランプ14から出射した非露光光は順にレンズ15、ビームスプリッタ16、ミラーM、対物レンズ12を経てウエハ3上のAAマーク4を照明する。
【0055】
ウエハ3上のAAマーク4の観察像情報は順に対物レンズ12、ミラーM、ビームスプリッター16、ビームスプリッター20、ミラーM、エレクターレンズ21、光学部材41を経てCCDカメラ22上に結像する。
【0056】
一方、基準マーク17は基準マーク照明用のLED光源19から出射した光をレンズ18により集光して照明され、ビームスプリッター20、ミラーM、対物エレクターレンズ21を経てCCDカメラ22上に結像する。
【0057】
このCCDカメラ22上に結像したウエハ3上のAAマーク4の観察像のCCDカメラ22上の位置を不図示の信号処理装置で計測し、同じく信号処理装置で計測したCCDカメラ22上に結像し、常に固定されている基準マーク17の投影像の位置とを比較することによって正確なステージの位置情報を得て、これにより高精度のアライメントを行っている。
【0058】
本実施例では参考例1と同様に非露光光としてハロゲンランプによる露光光の波長より中心波長が異なり、かつ比較的波長幅の広い光源(例えば633±30nm)を用い、He−Neレーザのような単色光源を用いてウエハ上のAAマークを観察するときに発生しがちなレジスト膜による干渉縞を低減し、これにより良好なアライメントを行っている。
【0059】
次に本実施例の光学部材41の光学的作用について図5を用いて説明する。
【0060】
本実施例において光学部材41は2枚のくさび板41a,41bを用いて観察顕微鏡系11の光学系要素の誤差等によって発生した色による投影像の位置ずれを補正している。
【0061】
図5(A)は1枚のくさび板51のいわゆるプリズム効果により色ずれが発生している様子を示している。
【0062】
図5(B)は観察顕微鏡系11の光学系要素の誤差等によって発生した色による投影像の位置ずれの様子を示している。
【0063】
図5(C)は2枚のくさび板41a,41bを用いて図5(B)に示した投影像の位置ずれを図5(C)の光線λ、λで明示するように、撮像面(CCDカメラ22)上で一点に集光する光線が収斂しつつある位置に配置して補正したもので、2枚のくさび板41a,41bの設定角度を調整して、任意の方向と大きさに発生している色による投影像の位置ずれを補正可能としている。
【0064】
図6,図7は本発明の実施例2、3の一部分の光学部材41に関する説明図である。
【0065】
実施例2、3では図4の実施例1に比べて光学部材41の構成が異っているだけで、その他の構成は同じである。
【0066】
図6の実施例2では光学部材41として分散の異なる2つのくさび板41a1,41a2(41b1,41b2)を接合した2つの平行平面板41a,41bを用いて、図4で示す観察顕微鏡11の光学系要素の誤差等によって発生した色による投影像(AAマーク像)の位置ずれを補正している。
【0067】
本実施例では2組のくさび板の設定角度を調整して、任意の方向と大きさに発生している色による投影像の位置ずれを補正可能としている。特に本実施例において、分散の異なる2枚のくさび板41a1,41a2(41b1,41b2)を構成する硝材をアライメントに用いる照明波長のうちある一波長(例えば中心波長λ)において屈折率が同じで分散が異なるものにすれば、この2枚のくさび板は波長λに対して屈折力を持たないので、色による投影像の位置ずれを補正するために光路中にくさび板を挿入した際に、CCDカメラ22上に結像した観察像の光軸が変化しないという特長がある。
【0068】
図7の実施例3では光学部材41として、分散の異なる材質より成る2つのレンズ41c,41dを接合した、全体として平行平面板となるようにしたものを用いており、これにより図4で示した観察顕微鏡系11の光学系要素の誤差等によって発生した色による投影像の位置ずれを補正するようにしている。
【0069】
本実施例ではレンズの偏心方向と偏心量を調整して、任意の方向と大きさに発生している色による投影像の位置ずれを補正可能としている。
【0070】
特に本実施例において、分散の異なる材質より成る2枚のレンズ41c,41dを構成する硝材を、アライメントに用いる照明波長のうちある一波長(例えば中心波長λ)において屈折率が同じで分散が異なるものにすれば、この2枚のレンズ波長λに対して屈折力を持たないので、色による投影像の位置ずれを補正するために光路中にレンズを挿入した際に、CCDカメラ22上に結像した観察像の光軸が変化しないという特長がある。
【0071】
図8は本発明を半導体素子製造用の露光装置に適用したときの実施例4の光学系の要部概略図である。図8において図4に示した部材と同じ部材に同一符番を付している。
【0072】
本実施例は図4の実施例1に比べて、ウエハ3上のAAマーク4を投影レンズ5を介した光を用いて観察している点が異っており、即ちTTL方式でアライメントを行っている点が異っており、その他の構成は略同じである。
【0073】
本実施例においてハロゲンランプ14から出射した非露光光は順にレンズ15、ビームスプリッタ16、対物レンズ12、ミラーM、投影レンズ系5を経てウエハ3上のAAマーク4を照明する。
【0074】
ウエハ3上のAAマーク4の観察像情報は順に投影レンズ5、ミラーM、対物レンズ12、ビームスプリッター16、ビームスプリッター20、エレクターレンズ21、光学部材41を経てCCDカメラ22上に結像する。
【0075】
一方、基準マーク17は基準マーク照明用のLED光源19から出射した光をレンズ18により集光して照明され、ビームスプリッター20、対物エレクターレンズ21、光学部材41を経てCCDカメラ22上に結像する。
【0076】
このCCDカメラ22上に結像したウエハ3上のAAマーク4の観察像のCCDカメラ22上の位置を不図示の信号処理装置で計測し、同じく信号処理装置で計測したCCDカメラ22上に結像し、常に固定されている基準マーク17の投影像の位置とを比較することによって正確なステージの位置情報を得て、これにより高精度のアライメントを行っている。
【0077】
以上のように実施例1〜4ではウエハ面上のAAマークを非露光光で観察してアライメントを行う際、検出面上に発生した色による像ずれを補正する光学部材を有することで、ウエハ面上に塗布したレジストや半導体プロセスに用いる種々の機能膜やウエハ面上に形成したアライメントマークの膜厚などが変化した場合、ウエハ面に形成したアライメントマーク検出信号の分光特性の変化に伴って、検出面上に投影される画像信号の位置が変化したときのアライメント誤差を少なくし、アライメント精度の向上を図っている。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば以上のように各要素を設定することにより、露光光と波長が異なる検出光(アライメント光)で投影レンズ系を介してマークの検出を行なう場合にマーク像の位置を高精度に検出することが可能な、改良されたマーク検出機能を有する露光装置及びそれを用いた半導体チップの製造方法を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の露光装置の参考例1の光学系の要部概略図
【図2】 図1の観察顕微鏡のコマ収差を補正する一実施例の説明図
【図3】 本発明の露光装置の参考例2の光学系の要部概略図
【図4】 本発明の露光装置の実施例1の光学系の要部概略図
【図5】 図4の色によるAAマーク像の位置ずれの補正を示す説明図
【図6】 図4の色によるAAマーク像の位置ずれの補正を示す説明図
【図7】 図4の色によるAAマーク像の位置ずれの補正を示す説明図
【図8】 本発明の露光装置の実施例4の光学系の要部概略図
【図9】 従来の装置における色によるAAマーク像の位置ずれの説明図
【図10】 膜厚による分光反射率変化を示す説明図
【符号の説明】
1 XYステージ
2 θステージ
3 ウエハ
4 ウエハ上にあるアライメントマーク(AAマーク)
5 投影レンズ
6 バーミラー
7 XYステージの位置を計測するレーザ干渉計
8 レチクル
9 露光用照明系
10 レチクルのステージ
11 色による投影像の位置ずれを補正する光学系
12 対物レンズ
13 非露光光によるウエハ上のAAマークを観察する観察光学系
14 照明用のハロゲンランプ光源
15 照明用レンズ
16 照明用のビームスプリッタ
17 基準マーク
18 基準マーク照明用のレンズ
19 基準マーク照明用のLED光源
20 基準マーク用のビームスプリッタ
21 エレクターレンズ
22 CCDカメラ

Claims (6)

  1. 露光光で第1物体のパターンを第2物体上に投影する投影光学系と、前記第1物体と前記第2物体との相対的位置合わせを行うために、複数の波長を有する検出光で前記第2物体を照明し、前記第2物体上のマーク情報を検出する検出手段とを有する露光装置であって、
    前記検出手段は検出面上で発生する、前記複数の波長間のマーク像のずれを補正する分散の異なる材質より成る2つのレンズを、前記検出面上で結像する光束が収斂状態にある位置に偏心可能に設けていることを特徴とする露光装置。
  2. 前記検出光とは前記露光光と波長が異なる光であることを特徴とする請求項に記載の露光装置。
  3. 前記検出光とは前記第2物体を感光させない光であることを特徴とする請求項に記載の露光装置。
  4. 前記検出光の光源がハロゲンランプであることを特徴とする請求項 , 2又は3に記載の露光装置。
  5. 前記分散の異なる材質より成る2つのレンズは互いに接合されていることを特徴とする請求項記載の露光装置。
  6. 請求項1乃至いずれか1項記載の露光装置を用いて、前記第1物体の回路パターンを照明することにより投影光学系を介して前記回路パターンの像を前記第2物体上に投影して転写することを特徴とする半導体チップの製造方法。
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