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JP3537449B2 - 混合ガス中の水素の再結合装置 - Google Patents

混合ガス中の水素の再結合装置

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JP3537449B2
JP3537449B2 JP53370898A JP53370898A JP3537449B2 JP 3537449 B2 JP3537449 B2 JP 3537449B2 JP 53370898 A JP53370898 A JP 53370898A JP 53370898 A JP53370898 A JP 53370898A JP 3537449 B2 JP3537449 B2 JP 3537449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、混合ガス中の水素の再結合装置、特に原子
力発電所用の装置に関する。 原子力発電所においては、可能性は極めて少ないが、
故障や事故の際、例えば核加熱が基になってジルコニウ
ムの酸化が生じる可能性がある。このような事態になる
と、原子炉を取り囲む安全タンク、すなわち原子炉容器
の内部において、水素ガスおよび一酸化炭素の形成ある
いは遊離が生じることが予期される。したがって、原子
炉容器の内部に爆発性の混合ガスが生じる可能性があ
る。 原子力発電所の原子炉容器の内部でのこの種の爆発性
を持った混合ガスの形成を阻止するために、種々の装置
や方法が論じられてきた。このためのものとしては、例
えば触媒式の再結合装置や、触媒と電気により作動する
点火装置、さらにはこれらを組み合わせた装置があり、
また、常時あるいは後補的に原子炉容器を不活性化する
方法もある。 原子炉容器の雰囲気から水素を除去するために触媒式
の再結合装置を組み込む場合には、特に早期に、かつ火
炎を生じることなく水素を酸素と再結合させる必要があ
る。この際、危険な水素の燃焼によって生じる極めて大
きな圧力を確実に低減させる必要がある。これに適した
起動の速い再結合装置で、原子炉容器の雰囲気に在る時
間が長時間であっても本質的に活性の低下がなく、周囲
温度が低い場合には受動的に始動する装置が、(公開さ
れていない)ドイツ特許出願196 36 557.0に提示されて
いる。この種の再結合装置では、原子炉容器の雰囲気
が、例えば蒸気の殆ど存在しない状態において、発火さ
せることなく、水素を“温和に”再結合させることがで
きる。水素を酸素と再結合させるための触媒は、USP5,1
67,908明細書によっても知られる。 EP 0 436 942 A1により、外部温度によって自動的に
開く容器保護装置を備えた再結合システムが知られてい
る。本再結合システムの待機状態においては、本容器保
護装置が閉じられており、再結合器の触媒活性表面の汚
染は抑制される。 EP 0 416 140 A1より知られる再結合装置では、これ
に対してろ過装置が備えられており、周囲雰囲気からの
エアロゾル(煙霧質)のごとき有害物質を抑制し、再結
合装置の触媒の汚染を防止している。 EP 0 388 955 A1からは、制御された水素燃焼を生じ
る点火装置を備えた再結合装置が知られる。 これらの従来の再結合装置は、特に小さい部品寸法
で、特に高い結合効率を持ち、かつ汚染に対して高い抵
抗力を持つように設計されている。これらの装置を混合
ガス中の水素を再結合させるために原子力発電所に組み
込む場合には、これらに加えてさらに、原子力発電所の
安全性に対して不利な影響を及ぼす効果を持ち込まない
ことを保証する必要がある。水素の再結合のために組み
込まれる触媒系は、再結合に伴って一般に加熱されるこ
と、ならびに本来温度が高い状態にあることによって、
原子力発電所の原子炉容器の雰囲気内における混合ガス
の発火に、はからずも寄与することになることを考慮し
なければならない。 本発明は、特に原子力発電所の原子炉容器の雰囲気と
して用いられる混合ガス中の水素の再結合装置で、運転
中の混合ガスの不測の発火がとりわけ確実に低減される
再結合装置を提供するとの課題に基づくものである。 本発明によれば、本課題は、上記の種類の装置におい
て、運転の際混合ガスが自由対流により通流する容器に
配された付属の触媒系に火炎閉じ込め装置を付加するこ
とによって解決される。 この場合“自由対流”とは、触媒系の周囲で水素の再
結合により生じた局所的な混合ガスの温度上昇に伴い、
再結合装置に生じた圧力損失を過剰補償するために揚力
が生じ、外部の駆動手段を備えなくとも、再結合装置を
通しての混合ガスの流れが保証されるということを特に
意味するものである。このとき容器は、運転時に混合ガ
スの流れを支える煙突効果が生じるように、ほぼ垂直に
配置された垂直空間の形に形成される。 本発明は、再結合装置の周囲の混合ガスの不測の発火
が、この再結合装置から発生し、再結合時に生じる火炎
によって引き起こされるとの認識に基づいている。これ
を確実に回避するには、容器に囲まれた再結合装置の内
部空間をその外部空間から爆発技術的に隔離する必要が
ある。このために火炎閉じ込め装置が備えられる。この
とき火炎閉じ込め装置は、特に混合ガスの流れ方向への
火炎の伝播が確実に阻止されるように配される。 火炎閉じ込め装置は、その容器を完全にあるいは部分
的に取り囲む穴明き板あるいはグリッドによって構成さ
れる。火炎閉じ込め装置は、特に触媒系の上流側に接続
される。 再結合装置を取り囲む混合ガスの不測の発火を特に確
実に回避するためには、触媒系の上流側に沈積トラップ
を接続すれば好適である。 というのは意外な形で明らかになったように、いわゆ
る“漂遊状態にある”高温の触媒粒子も再結合装置の周
辺の混合ガスの発火に寄与すると考えられる。再結合装
置が運転中でも、また停止中でも、触媒系からの粒子の
分離が起こる。この分離した触媒粒子は、水素の再結合
に伴って放出された熱によって高温となり、例えば再結
合装置の周辺の発火性の混合ガス中に入り、発火を引き
起こす可能性がある。再結合装置からもたらされた漂遊
状態にある触媒粒子によるこの種の発火を確実に抑制す
るために、沈積トラップが備えられる。このとき、この
沈積トラップはその目的に適合するように火炎閉じ込め
装置に組み込まれる。 漂遊状態の高温の触媒粒子による再結合装置の周辺の
混合ガスの発火を特に信頼性よく回避するために、沈積
トラップを容器に流れ込む混合ガスによって冷却可能と
すれば好適である。これにより、沈積トラップに衝突し
た赤熱した触媒粒子の瞬時でかつ確実な冷却が、とりわ
け簡単な方法で保証されることとなる。 再結合装置の容器は、混合ガスの排出口の上部に、目
的に適うように容器上蓋を備える。したがって、混合ガ
スが自由対流として通流するのに特に適した、シャフト
状に形成された容器は、上部に配される散水システムと
組み合わせて設置しても、触媒系へ滴が直接衝突するこ
とはない。したがって、触媒系への滴の直接衝突により
生じる触媒粒子の侵食を、いずれにせよ微少量とするこ
とができる。 火炎閉じ込め装置には、特に、混合ガス流入用の流入
口として平均の大きさが0.1mm以上、好ましくは0.2mm以
上の流入口が複数備えられている。この流入口の目的に
適う平均的な大きさは、高々3mm、好ましくは高々2mmの
値とするのがよい。流入口を上記の寸法にすることによ
って、火炎閉じ込め装置の機能方法が保証され、かつ、
エアロゾルのごとき大きさのより小さい粒子は自由に透
過することができる。したがって、エアロゾルのごとき
小さい粒子により閉塞する危険性も確実に回避される。
それゆえ、再結合装置での混合ガスの通流特性に対して
重要な圧力損失は、長時間運転した後も極めて微少に保
たれる。さらに、上記の寸法と適正に選定された流入面
とを組み合わせることによって、水素の再結合率の観点
からみて流入する混合ガスが極めて好適な流速となるよ
うに再結合装置を構成することができる。 再結合装置の外側での混合ガスの発火を特に確実に阻
止するために、触媒装置と火炎閉じ込め装置とによって
区画される爆燃容積を、再結合シャフトないしシャフト
状容器の装置の垂直空間、あるいは垂直空間形状の容器
の容積と関連させて、再結合装置の垂直空間の容積の約
20%より小さいものとする。このとき、この爆燃容積に
よって、火炎は長さが高々0.3mに限定される。また、火
炎閉じ込め装置と触媒系との平均の間隔を高々0.3mの値
とする。 再結合反応によって加熱された混合ガスとともに再結
合装置から粗い粒子が放出されるのを避けるために、触
媒系の後段に特に粗粒子トラップが接続される。この粗
粒子トラップは、一方では、触媒系より分離した漂遊状
態の触媒粒子の再結合装置からの放出を阻止し、もう一
方では、この粗粒子トラップの領域において温度を均一
化するために通流する混合ガスの混合作用を生じるよう
に配置される。この粗粒子トラップは、例えば大気のエ
アロゾルのごとき大きさの小さい粒子が自由に透過でき
る寸法とする。特に熱的泳動、すなわち温度によって誘
起される触媒装置の反発によって、エアロゾルの堆積は
著しく回避されるので、大気のエアロゾルをろ過する必
要はない。したがってエアロゾルにより閉塞する危険性
は確実に回避され、再結合装置内での自由対流を妨げる
圧力損失は、再結合装置を長期にわたり運転しても微少
に保持される。したがって、長時間運転しても再結合装
置を通しての混合ガスの通流は妨げられない。粗粒子ト
ラップには、平均スリット幅が少なくとも0.1mm、好ま
しくは少なくとも0.2mmで、高々1mmの複数の貫通孔を設
ければ好適である。この場合、本粗粒子トラップは、一
層のフィルター板、あるいは多層のフィルターや繊維構
造、あるいはこれらの結合体として形成される。 再結合装置の表面温度を、再結合装置周囲の混合ガス
の発火温度に比べて明らかに低い範囲に制限するため
に、容器に絶縁外被を設ける。このとき、二重ケース構
造の方式として、空気ギャップ、あるいは温度にも輻射
にも耐性を持つ絶縁材料が配すればよい。輻射による熱
の伝播を抑制するために、容器の内表面を鏡面に仕上げ
てもよい。この場合、内表面は、三次元鏡面効果が成立
し、特に500℃以上において重要となる輻射による熱輸
送が小さくなるように研磨される。 再結合装置から放出された混合ガスを、再結合装置の
周囲の混合ガスの発火温度に比べて明らかに低い温度に
冷却するために、周囲の大気を再結合装置から放出され
た混合ガスに混入する混入区間が触媒系の下流側に接続
される。本混入区間は、目的に適うように粗粒子トラッ
プの下流側に配される。混入させるために、容器には周
囲の大気を容器の内部に流れる混合ガスへと供給する複
数のスリット状開口が特に設けられる。 再結合装置の周囲の混合ガスの不測の発火をとりわけ
確実に回避するために、その目的に合わせて、触媒系よ
り流出する、水素の再結合により加熱された混合ガス
が、再結合装置の周囲の混合ガスの発火温度より低い温
度を持つように、再結合装置が構成される。このため
に、触媒系より流出する混合ガスの温度の均一化あるい
は一定化をもたらす静止型の混合機が触媒系の下流側に
接続される。これにより、混合ガスの局所的に特に強い
加熱を受けた部分が、局所的に特に弱い加熱を受けた部
分と混合され、最高温度が高くなるのが回避される。 混合ガス中を流れる水素を特に効率的に再結合させる
ために、触媒系は、その目的を適えるよう、触媒活性物
質としてプラチナおよび/あるいはパラジウムを含む。
目的を適えるよう触媒系は、多数のほぼ平板状の触媒体
を備えており、隣り合うそれぞれ2個の触媒体は、その
平均の間隔が少なくとも0.8cm、高々3cmとなるように配
置されている。少ない容積で高い再結合量を得るため
に、各触媒体の両面に反応面を形成して、触媒物質が積
層され、混合ガスは、各触媒体の前面の反応面のみなら
ず背面の反応面にも導かれる。 これらの触媒体は、目的に適うように、共通のホルダ
ーによって保持される。したがって、再結合装置はとり
わけ少ない組立て、据え付けコストで製造される。この
とき、ホルダーが良熱伝導性を備えておれば、触媒系の
領域の温度の一定化が極めて簡単な方法で保証されるこ
ととなるので、好適である。 触媒系から流出した混合ガスの温度を、再結合装置の
周囲の混合ガスの発火温度以下にとりわけ確実に保持す
るために、触媒系の酸化を、混合ガス中の水素の一部分
のみに、好ましくは混合ガス中の水素の70%以下の部分
のみに、さらに好ましくは混合ガス中の水素の50%以下
の部分のみに設定することとする。 容器が混合ガスの流れ方向に少なくとも0.4m、好まし
くは少なくとも1mで高々2mの長さを有するものとすれ
ば、再結合装置内にとりわけ確実に対流の流れが得られ
ることとなる。 本発明によって得られる長所は、特に、触媒系の上流
側に接続された火炎閉じ込め装置によって、水素の再結
合により放出された熱に伴って生じた火炎が再結合装置
の外側の空間領域では確実に回避される点にある。火炎
閉じ込め装置を適正な寸法にすれば圧力損失をとりわけ
小さくすることができるので、再結合装置を自由対流状
態として、簡単な手段で運転することができる。目的に
適うように触媒系の上流側に接続され、特に火炎閉じ込
め装置に組み込まれた沈積トラップに、分離して漂遊状
態にある高温の触媒粒子が取り込まれるので、高温の触
媒粒子は再結合装置の外側の空間領域では確実に回避さ
れる。したがって、再結合装置の外側の空間領域での不
測の発火が回避されるので、再結合装置を発火性雰囲気
において発火させることなく運転できることとなる。 本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図
面には以下がが示されている。すなわち、 図1:混合ガス中の水素の再結合用の装置、 図2:混合ガス中の水素の再結合用の他の装置、 図3:図2のIIIの部分、 図4:図2のIVの部分 すべての図において、同一部分には同一の参照符号が
付されている。 図1の装置1と図2の装置1'は、いずれも、混合ガス
中、すなわち詳しくは示されていない原子力発電所の故
障時の原子炉容器の雰囲気中の水素の再結合を意図する
ものである。装置1,1'は、いずれもそのための触媒系2
を備えており、その触媒系2では、水素の再結合に適し
た触媒活性物質が詳しくは示されていない方法によって
支持部に取り付けられている。このとき触媒活性物質と
して、貴金属の混合物、あるいは配列された貴金属箔が
用いられる。貴金属としてはプラチナ、および/あるい
はパラジウムが用いられる。 触媒系2は、複数のほぼ平板状で、かつ、ほぼ平行に
配された触媒体3を備えており、これらの触媒体3は、
互いに少なくとも0.8cm、高々3cmの間隔をおいて配列さ
れている。触媒体3は、一体の板、あるいは平板状の支
持部の上に鋳込んだごとき形状に仕上げることができ
る。 反応面を形成する際、各触媒体3の両面に触媒物質が
積層される。混合ガスは、各触媒体3の前面の反応面と
後面の反応面の上に導くことが可能である。特に組み立
てを簡単にするために、触媒体3は、挿入構造に形成さ
れた高熱伝導性能を備えた共通のホルダー内に保持され
る。 触媒系2は容器4の中に配置される。容器4は、装置
1,1'の運転の際に、混合ガスが自由対流として通流でき
るよう構成される。そのため、容器4は、本質的に垂直
方向の、矢印6によって示された優先方向に沿って垂直
空間を形成している。触媒系2の領域における混合ガス
の再結合によって生じた熱により引き起こされた浮力
は、装置1,1'の運転の際に、混合ガスの圧力低下を過剰
に補うこととなる。そのため、垂直空間状に形成された
容器4の煙突効果により、外部の助力や駆動手段がなく
とも、装置1,1'を通しての混合ガスの通流が形成される
こととなる。この場合、容器の垂直空間状に形成された
部分は、生じた圧力損失を補償するために、0.5mから2.
5mの間の煙突状の高さを備えるものとする。高低比が0.
3と10との間にあれば、容器4はとりわけ優れた対流特
性を備えることとなる。 装置1,1'は、触媒系2の領域での水素の再結合に伴う
熱発生により温度が高くなった際に、装置1,1'の外側の
領域での発火性混合ガスの発火を確実に回避するように
構成されている。そのために触媒系2に火炎閉じ込め装
置8が付設されている。図1の実施例では、火炎閉じ込
め装置8は容器4を完全に覆う金網として形成されてい
る。これに替わるものとして穴明き板を備えることとし
てもよい。 図2の実施例では、火炎閉じ込め装置8は触媒系2の
前に接続されている。この火炎閉じ込め装置8は、触媒
系2の上流側に、触媒系2までの平均間隔が0.3m以下と
なるように配されている。したがって、触媒系2と火炎
閉じ込め装置8により区画される容積によって、この部
分に生じる火炎は、火炎の長さが0.3m以下となるように
制限される。 図2の実施例の火炎閉じ込め装置8は複数の火炎フィ
ルター10を備えている。そのうちの一つが図3に示され
ている。実施例において、各火炎フィルター10は孔の空
いた金属製の基材11より構成されており、図4に断面を
示したように、孔を空けることによって複数の混合ガス
用流入口12が開かれている。このとき、基材11は繊維組
織、特に金属繊維組織よりなる層13によって覆われてい
る。このように形成された火炎フィルター10は、さらに
また、通流する混合ガスの均一化にも寄与する。 火炎フィルター10の金属製の基材11の孔空けは、円形
状、スリット状、あるいは方形状に行われる。これらに
替わって他の構造としてもよい。全ての流入口12により
定まる全ての火炎フィルター10の開口面の総面積を、相
対的に、少なくとも、触媒系2の開口した導入断面積の
1倍乃至3倍の大きさとすれば好適である。 各火炎フィルター10が特に大きな表面積を持つように
するために、それぞれの基材11は種々の折り畳みおよび
/あるいは角曲げが行われ、結果としてほぼ星型の断面
となる。火炎フィルター10の基材11の孔空けで形成され
た流入口12のギャップの幅は、さらに、設計の際に想定
される水素濃度に適合される。水素濃度が10Vol%以下
の場合には、爆発技術上、装置1'の内部をその周辺から
切り離すために、最大で2mmの幅のギャップが設けられ
る。これに対して、設計時の水素濃度が10Vol%より高
い場合には、1mm以下の幅のギャップが設けられる。火
炎フィルター10の金属製の基材11の孔空けによるギャッ
プの広がりは、コロイドやエアロゾルの遊離が火炎フィ
ルター10において広範囲に回避されるように寸法が定め
られる。これによって、装置1'の閉塞は確実に回避され
る。 火炎フィルター10の金属製の基材11に備えられる流入
口12のギャップの広がりの寸法を定める際の別の設計基
準として、装置1'が危険に曝されるのを確実に回避する
ために、装置1'の容器4の内部に形成される圧力を、予
め存在する混合ガスの発火の際に約100hPa以下に保持す
るよう考慮される。このため、火炎フィルター10の金属
製の基材11の流入口12のギャップの広がりは、この種の
発火が生じた際に十分なバイパス断面積を備えるように
割り当てられる。 図2の実施例においては、火炎閉じ込め装置8の中に
沈積トラップ14が組み込まれている。このとき、図3に
模式的に示したように、縦断面がV字状に形成された火
炎フィルター10に、直接、あるいは液滴として到達した
粒子がその底部に堆積するように、各火炎フィルター10
は形成される。このとき、分離されるべき液体は流出口
15を介して詳しくは示されていない排出系へと達する。 沈積トラップ14は、さらに複数のトラップ板16を備え
ており、それらから導入チャンネルを介して各火炎フィ
ルター10が配列されている。これに替わり、あるいはこ
れに付加して、沈積トラップ14が、混合ガスの流れ方向
に見て触媒系2の上流側に配された金網を有するものと
してもよい。沈積トラップ14の寸法を定める際には、ト
ラップされる粒子の大きさについて、物理学的に見て特
に約100μm以上の粒子サイズを持つ触媒粒子が混合ガ
スの発火に寄与するとの認識を考慮に入れる。触媒系2
から分離し漂遊状態にある高温の触媒粒子で上記の粒子
サイズより大きな粒子の、容器4から混合ガスの流れ方
向への離脱は確実に回避される。沈積トラップ14も火炎
閉じ込め装置8と同様に容器4の内部に流れ込む混合ガ
スにより冷却される。 触媒系2は、設計上、装置1,1'に流れ込む混合ガスの
うち水素部分のみが流れ、そのうちの50%未満が酸化さ
れるとして寸法が定められる。したがって、酸化により
放出された熱量による混合ガスの温度上昇は完全に制限
される。したがって、触媒系2より出る混合ガスの温度
は、装置1,1'の周囲の雰囲気の発火温度より明らかに低
い温度に保持される。 混合ガス中に生じる最高温度をさらに制限するため
に、図2に示したように、容器内の混合ガスの流れ方向
の触媒系2の下流側に静止型攪拌器17を配置する。本静
止型攪拌器17は、例えば複数の攪拌板18を備えており、
通流する混合ガスの混合や、渦流の形成を行う役割を果
たす。このような混合や渦流の形成によって、容器4の
内部の断面全体にわたっての混合ガス温度の均一化が達
成される。したがって、混合ガスの内部において触媒体
3に空間的に近く高温に加熱された区域が、触媒体3か
ら比較的離れ、比較的温度の低い混合ガスの区域と混合
される。これによって、混合ガス中の高温に加熱された
領域で実効的に温度低下が達成され、予め与えられた混
合ガスの温度限界値を確実に下回る。 容器4の内部には、触媒系2の下流側に粗粒子トラッ
プ20が接続されている。粗粒子トラップ20は、図2の実
施例では静止型攪拌器17の下流側に接続されており、本
実施例では細線の金網によって構成されている。この金
網の目によって貫通孔21が構成されており、金網のメッ
シュの大きさは、装置1,1'の圧力損失と所要の分離性能
を考慮して800μm以下に選定されている。メッシュの
大きさの寸法を定める別の設計基準においては、粗粒子
トラップ20がコロイドやエアロゾルの分離を引き起こし
てはならないことが考慮される。と言うよりむしろ、コ
ロイドやエアロゾルが、量的に、かつ言うに値する分離
を生じることなく透過するように粗粒子トラップ20の寸
法が定められる。したがって、堆積したコロイドやエア
ロゾルによる閉塞の危険性が回避される。長期間運転し
ても、装置1,1'を通しての通流が特に重要な影響を受け
ることはない。この場合、粗粒子トラップ20のメッシュ
の大きさは、0.1mm以上、特に0.2mm乃至0.8mmの値であ
る。この替わりに、メッシュの粗い複数の金網を互いに
連結したものを粗粒子トラップ20が備えることとしても
よい。この場合には、それぞれの金網のメッシュの大き
さは1mm以上に選定される。 粗粒子トラップ20の下流側、したがって触媒系2の下
流側には、触媒系2より出た混合ガスに周囲の雰囲気を
混合させる混合区間24が連結される。容器4はこの混合
区間24の領域に複数のスリット状開口26を備えている。
周囲の雰囲気を混合させることによって、触媒系2より
出た混合ガスの温度は周囲の雰囲気の発火温度以下に確
実に抑制される。 装置1,1'の容器4の端部領域には混合ガス用の排出口
28が備えられる。本排出口28は容器4の側面に配され、
ほぼ垂直方向の装置1,1'の配置では、混合ガスの排出流
はほぼ水平方向に生じることとなる。容器4には排出口
28の上部に容器上蓋30が備えられている。この容器上蓋
30は、装置1,1'への水滴を跳ね除ける境界の役割を果た
しており、装置1,1'の上部の散水システムを運転する場
合でも、装置1,1'の内部へ液滴が直接持ち込まれるのが
回避される。したがって、この種の散水システムが設置
されている場合においても、触媒系2からの触媒粒子の
侵食による分離が確実に回避される。 図2の実施例では容器4が絶縁ケース32を備えてい
る。本実施例では絶縁ケース32は空気ギャップを持つ二
重ケース型の方式に形成されている。これに替わって二
つのケース層の間に温度と輻射に対して耐性をもつ絶縁
材を備えてもよい。容器の内側から外側への輻射による
熱輸送を少なくするために、絶縁ケース32の内側の表面
は、鏡面効果が起きるように研磨される。これにより絶
縁ケース32を通しての放射線の逃げがより確実に回避さ
れる。絶縁ケース32をこのように構成することによっ
て、500℃以上の温度領域において顕著となる輻射によ
る大量の熱輸送が特に阻止される。このような絶縁ケー
ス32を備えた装置1'は、設計条件での運転の際、容器の
外側温度が500℃より明らかに低い値となる。したがっ
て、容器の外側温度が高いがゆえに生じる容器周辺の混
合ガスの発火は確実に回避される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヒル、アクセル ドイツ連邦共和国 デー―64589 シュ トックシュタット アン デア シュロ ッスミューレ9 (56)参考文献 特開 昭64−68697(JP,A) 特開 昭54−24269(JP,A) 特開 昭48−36095(JP,A) 特表 平5−507553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 9/02

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転時に混合ガスが自由対流により通流す
    る容器(4)に配された触媒系(2)に、火炎閉じ込め
    装置(8)が付設されており、該装置(8)が、混合ガ
    スを流入させるために予め備えた、0.1mmより大きく、
    高々2mmの平均の大きさの複数個の流入口(12)を有す
    る、混合ガス中の水素の再結合用の装置(1、1')。
  2. 【請求項2】火炎閉じ込め装置(8)が触媒系(2)の
    上流側に接続されている請求項1に記載の楝(1、
    1')。
  3. 【請求項3】触媒系(2)の上流側に沈積トラップ(1
    4)が接続されている請求項1または2に記載の装置
    (1、1')。
  4. 【請求項4】沈積トラップ(14)が火炎閉じ込め装置
    (8)に組み込まれている請求項3に記載の装置(1、
    1')。
  5. 【請求項5】沈積トラップ(14)が、容器(4)に流れ
    込んだ混合ガスによって冷却されている請求項3または
    4に記載の装置(1、1')。
  6. 【請求項6】容器(4)が、混合ガス用の排出口(28)
    の上部に配された容器上蓋(30)を備えている請求項1
    乃至5のいずれか1つに記載の装置(1、1')。
  7. 【請求項7】触媒系(2)と火炎閉じ込め装置(8)に
    より区画される容積が、火炎の長さが高々0.3mとなるよ
    うに火炎を制限している請求項1乃至6のいずれか1つ
    に記載の装置(1、1')。
  8. 【請求項8】火炎閉じ込め装置(8)の触媒系(2)と
    の平均間隔が高々0.3mの値である請求項1乃至7のいず
    れか1つに記載の装置(1、1')。
  9. 【請求項9】触媒系(2)の下流側に粗粒子トラップ
    (20)が接続されている請求項1乃至8のいずれか1つ
    に記載の装置(1、1')。
  10. 【請求項10】粗粒子トラップ(20)が、平均のギャッ
    プ幅が少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.2mm
    で、高々1mmの貫通口(21)を複数有する請求項9に記
    載の装置(1、1')。
  11. 【請求項11】容器(4)が絶縁ケース(32)を有する
    請求項1乃至10のいずれか1つに記載の装置(1、
    1')。
  12. 【請求項12】触媒系(2)の下流側に、周囲の雰囲気
    を触媒系(2)より出た混合ガスに混合する混合区間
    (24)が接続されている請求項1乃至11のいずれか1つ
    に記載の装置(1、1')。
  13. 【請求項13】触媒系(2)の下流側に静止型の攪拌器
    (17)が接続されてい請求項1乃至12のいずれか1つに
    記載の装置(1、1')。
  14. 【請求項14】触媒系(2)が触媒活性物質としてプラ
    チナ、および/あるいはパラジウムを有する請求項1乃
    至13のいずれか1つに記載の装置(1、1')。
  15. 【請求項15】触媒系(2)が複数のほぼ平板状の触媒
    体(3)を備え、かつ、それぞれ隣接する二つの触媒体
    (3)が互いに、少なくとも0.8cm、高々3cmの平均間隔
    をおいて配されている請求項1乃至14のいずれか1つに
    記載の装置(1、1')。
  16. 【請求項16】反応面の形成時にそれぞれの触媒体
    (3)の両面に触媒物質が積層され、かつ、各触媒体
    (3)の前面の反応面にも、また後面の反応面にも混合
    ガスが導かれる請求項15に記載の装置(1、1')。
  17. 【請求項17】触媒体(3)が、良好な熱伝導性能を持
    つ共通のホルダー、特に挿入構造体に保持されている請
    求項15または16に記載の装置(1、1')。
  18. 【請求項18】触媒系(2)が、混合ガス中に流れる水
    素の部分のみの酸化用として、好ましくは、混合ガス中
    に流れる50%以下の水素の部分のみの酸化用として設定
    されている請求項1乃至17のいずれか1つに記載の装置
    (1、1')。
  19. 【請求項19】容器が、混合ガスの通流方向に、少なく
    とも0.4m、好ましくは少なくとも1mで、高々2mの長さを
    有する請求項1乃至18のいずれか1つに記載の装置
    (1、1')。
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