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JP2001510567A - 混合ガス中の水素の再結合装置 - Google Patents

混合ガス中の水素の再結合装置

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JP2001510567A JP53370898A JP53370898A JP2001510567A JP 2001510567 A JP2001510567 A JP 2001510567A JP 53370898 A JP53370898 A JP 53370898A JP 53370898 A JP53370898 A JP 53370898A JP 2001510567 A JP2001510567 A JP 2001510567A
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Abstract

(57)【要約】 特に原子力発電所に用いられる混合ガス中の酸素の再結合用の装置で、運転の際の混合ガスの不測の発火がことのほか確実に回避される装置(1,1')では、本発明によれば、運転時に混合ガスが自由対流として通流する容器(4)内に触媒系(2)が配され、さらにそれに火炎閉じ込め装置(8)が付設される。このとき、好ましくは、火炎閉じ込め装置(8)の中に沈積トラップ(14)が組み込まれ、触媒系(2)から放出された高温の触媒粒子の、混合ガスの流れ方向への離脱が確実に回避される。

Description

【発明の詳細な説明】 混合ガス中の水素の再結合装置 本発明は、混合ガス中の水素の再結合装置、特に原子力発電所用の装置に関す る。 原子力発電所においては、可能性は極めて少ないが、故障や事故の際、例えば 核加熱が基になってジルコニウムの酸化が生じる可能性がある。このような事態 になると、原子炉を取り囲む安全タンク、すなわち原子炉容器の内部において、 水素ガスおよび一酸化炭素の形成あるいは遊離が生じることが予期される。した がって、原子炉容器の内部に爆発性の混合ガスが生じる可能性がある。 原子力発電所の原子炉容器の内部でのこの種の爆発性を持った混合ガスの形成 を阻止するために、種々の装置や方法が論じられてきた。このためのものとして は、例えば触媒式の再結合装置や、触媒と電気により作動する点火装置、さらに はこれらを組み合わせた装置があり、また、常時あるいは後補的に原子炉容器を 不活性化する方法もある。 原子炉容器の雰囲気から水素を除去するために触媒式の再結合装置を組み込む 場合には、特に早期に、かつ火炎を生じることなく水素を酸素と再結合させる必 要がある。この際、危険な水素の燃焼によって生じる極めて大きな圧力を確実に 低減させる必要がある。これに適した起動の速い再結合装置で、原子炉容器の雰 囲気に在る時間が長時間であっても本質的に活性の低下がなく、周囲温度が低い 場合には受動的に始動する装置が、(公開されていない)ドイツ特許出願196 36 557.0に提示されている。この種の再結合装置では、原子炉容器の雰囲気が、例 えば蒸気の殆ど存在しない状態において、発火させることなく、水素を“温和に ”再結合させることができる。水素を酸素と再結合させるための触媒は、USP 5, 167,908明細書によっても知られる。 EP 0 436 942 A1により、外部温度によって自動的に開く容器保護装置を備え た再結合システムが知られている。本再結合システムの待機状態においては、本 容器保護装置が閉じられており、再結合器の触媒活性表面の汚染は抑制される。 EP 0 416 140 A1より知られる再結合装置では、これに対してろ過装置が備え られており、周囲雰囲気からのエアロゾル(煙霧質)のごとき有害物質を抑制し、 再結合装置の触媒の汚染を防止している。 EP 0 388 955 A1からは、制御された水素燃焼を生じる点火装置を備えた再結 合装置が知られる。 これらの従来の再結合装置は、特に小さい部品寸法で、特に高い結合効率を持 ち、かつ汚染に対して高い抵抗力を持つように設計されている。これらの装置を 混合ガス中の水素を再結合させるために原子力発電所に組み込む場合には、これ らに加えてさらに、原子力発電所の安全性に対して不利な影響を及ぼす効果を持 ち込まないことを保証する必要がある。水素の再結合のために組み込まれる触媒 系は、再結合に伴って一般に加熱されること、ならびに本来温度が高い状態にあ ることによって、原子力発電所の原子炉容器の雰囲気内における混合ガスの発火 に、はからずも寄与することになることを考慮しなければならない。 本発明は、特に原子力発電所の原子炉容器の雰囲気として用いられる混合ガス 中の水素の再結合装置で、運転中の混合ガスの不測の発火がとりわけ確実に低減 される再結合装置を提供するとの課題に基づくものである。 本発明によれば、本課題は、上記の種類の装置において、運転の際混合ガスが 自由対流により通流する容器に配された付属の触媒系に火炎閉じ込め装置を付加 することによって解決される。 この場合“自由対流”とは、触媒系の周囲で水素の再結合により生じた局所的 な混合ガスの温度上昇に伴い、再結合装置に生じた圧力損失を過剰補償するため に揚力が生じ、外部の駆動手段を備えなくとも、再結合装置を通しての混合ガス の流れが保証されるということを特に意味するものである。このとき容器は、運 転時に混合ガスの流れを支える煙突効果が生じるように、ほぼ垂直に配置された 垂直空間の形に形成される。 本発明は、再結合装置の周囲の混合ガスの不測の発火が、この再結合装置から 発生し、再結合時に生じる火炎によって引き起こされるとの認識に基づいている 。これを確実に回避するには、容器に囲まれた再結合装置の内部空間をその外部 空間から爆発技術的に隔離する必要がある。このために火炎閉じ込め装置が備え ら れる。このとき火炎閉じ込め装置は、特に混合ガスの流れ方向への火炎の伝播が 確実に阻止されるように配される。 火炎閉じ込め装置は、その容器を完全にあるいは部分的に取り囲む穴明き板あ るいはグリッドによって構成される。火炎閉じ込め装置は、特に触媒系の上流側 に接続される。 再結合装置を取り囲む混合ガスの不測の発火を特に確実に回避するためには、 触媒系の上流側に沈積トラップを接続すれば好適である。 というのは意外な形で明らかになったように、いわゆる“漂遊状態にある”高 温の触媒粒子も再結合装置の周辺の混合ガスの発火に寄与すると考えられる。再 結合装置が運転中でも、また停止中でも、触媒系からの粒子の分離が起こる。こ の分離した触媒粒子は、水素の再結合に伴って放出された熱によって高温となり 、例えば再結合装置の周辺の発火性の混合ガス中に入り、発火を引き起こす可能 性がある。再結合装置からもたらされた漂遊状態にある触媒粒子によるこの種の 発火を確実に抑制するために、沈積トラップが備えられる。このとき、この沈積 トラップはその目的に適合するように火炎閉じ込め装置に組み込まれる。 漂遊状態の高温の触媒粒子による再結合装置の周辺の混合ガスの発火を特に信 頼性よく回避するために、沈積トラップを容器に流れ込む混合ガスによって冷却 可能とすれば好適である。これにより、沈積トラップに衝突した赤熱した触媒粒 子の瞬時でかつ確実な冷却が、とりわけ簡単な方法で保証されることとなる。 再結合装置の容器は、混合ガスの排出口の上部に、目的に適うように容器上蓋 を備える。したがって、混合ガスが自由対流として通流するのに特に適した、シ ャフト状に形成された容器は、上部に配される散水システムと組み合わせて設置 しても、触媒系へ滴が直接衝突することはない。したがって、触媒系への滴の直 接衝突により生じる触媒粒子の侵食を、いずれにせよ微少量とすることができる 。 火炎閉じ込め装置には、特に、混合ガス流入用の流入口として平均の大きさが 0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上の流入口が複数備えられている。この流入 口の目的に適う平均的な大きさは、高々3mm、好ましくは高々2mmの値とす るのがよい。流入口を上記の寸法にすることによって、火炎閉じ込め装置の機能 方法が保証され、かつ、エアロゾルのごとき大きさのより小さい粒子は自由に 透過することができる。したがって、エアロゾルのごとき小さい粒子により閉塞 する危険性も確実に回避される。それゆえ、再結合装置での混合ガスの通流特性 に対して重要な圧力損失は、長時間運転した後も極めて微少に保たれる。さらに 、上記の寸法と適正に選定された流入面とを組み合わせることによって、水素の 再結合率の観点からみて流入する混合ガスが極めて好適な流速となるように再結 合装置を構成することができる。 再結合装置の外側での混合ガスの発火を特に確実に阻止するために、触媒装置 と火炎閉じ込め装置とによって区画される爆燃容積を、再結合シャフトないしシ ャフト状容器の装置の垂直空間、あるいは垂直空間形状の容器の容積と関連させ て、再結合装置の垂直空間の容積の約20%より小さいものとする。このとき、こ の爆燃容積によって、火炎は長さが高々0.3mに限定される。また、火炎閉じ込 め装置と触媒系との平均の間隔を高々0.3mの値とする。 再結合反応によって加熱された混合ガスとともに再結合装置から粗い粒子が放 出されるのを避けるために、触媒系の後段に特に粗粒子トラップが接続される。 この粗粒子トラップは、一方では、触媒系より分離した漂遊状態の触媒粒子の再 結合装置からの放出を阻止し、もう一方では、この粗粒子トラップの領域におい て温度を均一化するために通流する混合ガスの混合作用を生じるように配置され る。この粗粒子トラップは、例えば大気のエアロゾルのごとき大きさの小さい粒 子が自由に透過できる寸法とする。特に熱的泳動、すなわち温度によって誘起さ れる触媒装置の反発によって、エアロゾルの堆積は著しく回避されるので、大気 のエアロゾルをろ過する必要はない。したがってエアロゾルにより閉塞する危険 性は確実に回避され、再結合装置内での自由対流を妨げる圧力損失は、再結合装 置を長期にわたり運転しても微少に保持される。したがって、長時間運転しても 再結合装置を通しての混合ガスの通流は妨げられない。粗粒子トラップには、平 均スリット幅が少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.2mmで、高々1m mの複数の貫通孔を設ければ好適である。この場合、本粗粒子トラップは、一層 のフィルター板、あるいは多層のフィルターや繊維構造、あるいはこれらの結合 体として形成される。 再結合装置の表面温度を、再結合装置周囲の混合ガスの発火温度に比べて明ら かに低い範囲に制限するために、容器に絶縁外被を設ける。このとき、二重ケー ス構造の方式として、空気ギャップ、あるいは温度にも輻射にも耐性を持つ絶縁 材料が配すればよい。輻射による熱の伝播を抑制するために、容器の内表面を鏡 面に仕上げてもよい。この場合、内表面は、三次元鏡面効果が成立し、特に500 ℃以上において重要となる輻射による熱輸送が小さくなるように研磨される。 再結合装置から放出された混合ガスを、再結合装置の周囲の混合ガスの発火温 度に比べて明らかに低い温度に冷却するために、周囲の大気を再結合装置から放 出された混合ガスに混入する混入区間が触媒系の下流側に接続される。本混入区 間は、目的に適うように粗粒子トラップの下流側に配される。混入させるために 、容器には周囲の大気を容器の内部に流れる混合ガスへと供給する複数のスリッ ト状開口が特に設けられる。 再結合装置の周囲の混合ガスの不測の発火をとりわけ確実に回避するために、 その目的に合わせて、触媒系より流出する、水素の再結合により加熱された混合 ガスが、再結合装置の周囲の混合ガスの発火温度より低い温度を持つように、再 結合装置が構成される。このために、触媒系より流出する混合ガスの温度の均一 化あるいは一定化をもたらす静止型の混合機が触媒系の下流側に接続される。こ れにより、混合ガスの局所的に特に強い加熱を受けた部分が、局所的に特に弱い 加熱を受けた部分と混合され、最高温度が高くなるのが回避される。 混合ガス中を流れる水素を特に効率的に再結合させるために、触媒系は、その 目的を適えるよう、触媒活性物質としてプラチナおよび/あるいはパラジウムを 含む。目的を適えるよう触媒系は、多数のほぼ平板状の触媒体を備えており、隣 り合うそれぞれ2個の触媒体は、その平均の間隔が少なくとも0.8cm、高々3cm となるように配置されている。少ない容積で高い再結合量を得るために、各触媒 体の両面に反応面を形成して、触媒物質が積層され、混合ガスは、各触媒体の前 面の反応面のみならず背面の反応面にも導かれる。 これらの触媒体は、目的に適うように、共通のホルダーによって保持される。 したがって、再結合装置はとりわけ少ない組立て、据え付けコストで製造される 。このとき、ホルダーが良熱伝導性を備えておれば、触媒系の領域の温度の一定 化が極めて簡単な方法で保証されることとなるので、好適である。 触媒系から流出した混合ガスの温度を、再結合装置の周囲の混合ガスの発火温 度以下にとりわけ確実に保持するために、触媒系の酸化を、混合ガス中の水素の 一部分のみに、好ましくは混合ガス中の水素の70%以下の部分のみに、さらに好 ましくは混合ガス中の水素の50%以下の部分のみに設定することとする。 容器が混合ガスの流れ方向に少なくとも0.4m、好ましくは少なくとも1mで 高々2mの長さを有するものとすれば、再結合装置内にとりわけ確実に対流の流 れが得られることとなる。 本発明によって得られる長所は、特に、触媒系の上流側に接続された火炎閉じ 込め装置によって、水素の再結合により放出された熱に伴って生じた火炎が再結 合装置の外側の空間領域では確実に回避される点にある。火炎閉じ込め装置を適 正な寸法にすれば圧力損失をとりわけ小さくすることができるので、再結合装置 を自由対流状態として、簡単な手段で運転することができる。目的に適うように 触媒系の上流側に接続され、特に火炎閉じ込め装置に組み込まれた沈積トラップ に、分離して漂遊状態にある高温の触媒粒子が取り込まれるので、高温の触媒粒 子は再結合装置の外側の空間領域では確実に回避される。したがって、再結合装 置の外側の空間領域での不測の発火が回避されるので、再結合装置を発火性雰囲 気において発火させることなく運転できることとなる。 本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図面には以下がが示されて いる。すなわち、 図1:混合ガス中の水素の再結合用の装置、 図2:混合ガス中の水素の再結合用の他の装置、 図3:図2のIIIの部分、 図4:図2のIVの部分 すべての図において、同一部分には同一の参照符号が付されている。 図1の装置1と図2の装置1'は、いずれも、混合ガス中、すなわち詳しくは 示されていない原子力発電所の故障時の原子炉容器の雰囲気中の水素の再結合を 意図するものである。装置1,1'は、いずれもそのための触媒系2を備えてお り、その触媒系2では、水素の再結合に適した触媒活性物質が詳しくは示されて いない方法によって支持部に取り付けられている。このとき触媒活性物質として 、貴 金属の混合物、あるいは配列された貴金属箔が用いられる。貴金属としてはプラ チナ、および/あるいはパラジウムが用いられる。 触媒系2は、複数のほぼ平板状で、かつ、ほぼ平行に配された触媒体3を備え ており、これらの触媒体3は、互いに少なくとも0.8cm、高々3cmの間隔をおい て配列されている。触媒体3は、一体の板、あるいは平板状の支持部の上に鋳込 んだごとき形状に仕上げることができる。 反応面を形成する際、各触媒体3の両面に触媒物質が積層される。混合ガスは 、各触媒体3の前面の反応面と後面の反応面の上に導くことが可能である。特に 組み立てを簡単にするために、触媒体3は、挿入構造に形成された高熱伝導性能 を備えた共通のホルダー内に保持される。 触媒系2は容器4の中に配置される。容器4は、装置1,1'の運転の際に、 混合ガスが自由対流として通流できるよう構成される。そのため、容器4は、本 質的に垂直方向の、矢印6によって示された優先方向に沿って垂直空間を形成し ている。触媒系2の領域における混合ガスの再結合によって生じた熱により引き 起こされた浮力は、装置1,1'の運転の際に、混合ガスの圧力低下を過剰に補 うこととなる。そのため、垂直空間状に形成された容器4の煙突効果により、外 部の助力や駆動手段がなくとも、装置1,1'を通しての混合ガスの通流が形成 されることとなる。この場合、容器の垂直空間状に形成された部分は、生じた圧 力損失を補償するために、0.5mから2.5mの間の煙突状の高さを備えるものとす る。高低比が0.3と10との間にあれば、容器4はとりわけ優れた対流特性を備え ることとなる。 装置1,1'は、触媒系2の領域での水素の再結合に伴う熱発生により温度が 高くなった際に、装置1,1'の外側の領域での発火性混合ガスの発火を確実に 回避するように構成されている。そのために触媒系2に火炎閉じ込め装置8が付 設されている。図1の実施例では、火炎閉じ込め装置8は容器4を完全に覆う金 網として形成されている。これに替わるものとして穴明き板を備えることとして もよい。 図2の実施例では、火炎閉じ込め装置8は触媒系2の前に接続されている。こ の火炎閉じ込め装置8は、触媒系2の上流側に、触媒系2までの平均間隔が0.3 m 以下となるように配されている。したがって、触媒系2と火炎閉じ込め装置8に より区画される容積によって、この部分に生じる火炎は、火炎の長さが0.3m以 下となるように制限される。 図2の実施例の火炎閉じ込め装置8は複数の火炎フィルター10を備えている 。そのうちの一つが図3に示されている。実施例において、各火炎フィルター1 0は孔の空いた金属製の基材11より構成されており、図4に断面を示したよう に、孔を空けることによって複数の混合ガス用流入口12が開かれている。この とき、基材11は繊維組織、特に金属繊維組織よりなる層13によって覆われて いる。このように形成された火炎フィルター10は、さらにまた、通流する混合 ガスの均一化にも寄与する。 火炎フィルター10の金属製の基材11の孔空けは、円形状、スリット状、あ るいは方形状に行われる。これらに替わって他の構造としてもよい。全ての流入 口12により定まる全ての火炎フィルター10の開口面の総面積を、相対的に、 少なくとも、触媒系2の開口した導入断面積の1倍乃至3倍の大きさとすれば好 適である。 各火炎フィルター10が特に大きな表面積を持つようにするために、それぞれ の基材11は種々の折り畳みおよび/あるいは角曲げが行われ、結果としてほぼ 星型の断面となる。火炎フィルター10の基材11の孔空けで形成された流入口 12のギャップの幅は、さらに、設計の際に想定される水素濃度に適合される。 水素濃度が10Vol%以下の場合には、爆発技術上、装置1'の内部をその周辺から 切り離すために、最大で2mmの幅のギャップが設けられる。これに対して、設 計時の水素濃度が10Vol%より高い場合には、1mm以下の幅のギャップが設け られる。火炎フィルター10の金属製の基材11の孔空けによるギャップの広が りは、コロイドやエアロゾルの遊離が火炎フィルター10において広範囲に回避 されるように寸法が定められる。これによって、装置1'の閉塞は確実に回避さ れる。 火炎フィルター10の金属製の基材11に備えられる流入口12のギャップの 広がりの寸法を定める際の別の設計基準として、装置1'が危険に曝されるのを 確実に回避するために、装置1'の容器4の内部に形成される圧力を、予め存在 する 混合ガスの発火の際に約100hPa以下に保持するよう考慮される。このため、火炎 フィルター10の金属製の基材11の流入口12のギャップの広がりは、この種 の発火が生じた際に十分なバイパス断面積を備えるように割り当てられる。 図2の実施例においては、火炎閉じ込め装置8の中に沈積トラップ14が組み 込まれている。このとき、図3に模式的に示したように、縦断面がV字状に形成 された火炎フィルター10に、直接、あるいは液滴として到達した粒子がその底 部に堆積するように、各火炎フィルター10は形成される。このとき、分離され るべき液体は流出口15を介して詳しくは示されていない排出系へと達する。 沈積トラップ14は、さらに複数のトラップ板16を備えており、それらから 導入チャンネルを介して各火炎フィルター10が配列されている。これに替わり 、あるいはこれに付加して、沈積トラップ14が、混合ガスの流れ方向に見て触 媒系2の上流側に配された金網を有するものとしてもよい。沈積トラップ14の 寸法を定める際には、トラップされる粒子の大きさについて、物理学的に見て特 に約100μm以上の粒子サイズを持つ触媒粒子が混合ガスの発火に寄与するとの 認識を考慮に入れる。触媒系2から分離し漂遊状態にある高温の触媒粒子で上記 の粒子サイズより大きな粒子の、容器4から混合ガスの流れ方向への離脱は確実 に回避される。沈積トラップ14も火炎閉じ込め装置8と同様に容器4の内部に 流れ込む混合ガスにより冷却される。 触媒系2は、設計上、装置1,1'に流れ込む混合ガスのうち水素部分のみが 流れ、そのうちの50%未満が酸化されるとして寸法が定められる。したがって、 酸化により放出された熱量による混合ガスの温度上昇は完全に制限される。した がって、触媒系2より出る混合ガスの温度は、装置1,1'の周囲の雰囲気の発 火温度より明らかに低い温度に保持される。 混合ガス中に生じる最高温度をさらに制限するために、図2に示したように、 容器内の混合ガスの流れ方向の触媒系2の下流側に静止型攪拌器17を配置する 。本静止型攪拌器17は、例えば複数の攪拌板18を備えており、通流する混合 ガスの混合や、渦流の形成を行う役割を果たす。このような混合や渦流の形成に よって、容器4の内部の断面全体にわたっての混合ガス温度の均一化が達成され る。したがって、混合ガスの内部において触媒体3に空間的に近く高温に加熱さ れた 区域が、触媒体3から比較的離れ、比較的温度の低い混合ガスの区域と混合され る。これによって、混合ガス中の高温に加熱された領域で実効的に温度低下が達 成され、予め与えられた混合ガスの温度限界値を確実に下回る。 容器4の内部には、触媒系2の下流側に粗粒子トラップ20が接続されている 。粗粒子トラップ20は、図2の実施例では静止型攪拌器17の下流側に接続さ れており、本実施例では細線の金網によって構成されている。この金網の目によ って貫通孔21が構成されており、金網のメッシュの大きさは、装置1,1'の 圧力損失と所要の分離性能を考慮して800μm以下に選定されている。メッシュ の大きさの寸法を定める別の設計基準においては、粗粒子トラップ20がコロイ ドやエアロゾルの分離を引き起こしてはならないことが考慮される。と言うより むしろ、コロイドやエアロゾルが、量的に、かつ言うに値する分離を生じること なく透過するように粗粒子トラップ20の寸法が定められる。したがって、堆積 したコロイドやエアロゾルによる閉塞の危険性は回避される。長期間運転しても 、装置1,1'を通しての通流が特に重要な影響を受けることはない。この場合 、粗粒子トラップ20のメッシュの大きさは、0.1mm以上、特に0.2mm乃至0. 8mmの値である。この替わりに、メッシュの粗い複数の金網を互いに連結した ものを粗粒子トラップ20が備えることとしてもよい。この場合には、それぞれ の金網のメッシュの大きさは1mm以上に選定される。 粗粒子トラップ20の下流側、したがって触媒系2の下流側には、触媒系2よ り出た混合ガスに周囲の雰囲気を混合させる混合区間24が連結される。容器4 はこの混合区間24の領域に複数のスリット状開口26を備えている。周囲の雰 囲気を混合させることによって、触媒系2より出た混合ガスの温度は周囲の雰囲 気の発火温度以下に確実に抑制される。 装置1,1'の容器4の端部領域には混合ガス用の排出口28が備えられる。 本排出口28は容器4の側面に配され、ほぼ垂直方向の装置1,1'の配置では 、混合ガスの排出流はほぼ水平方向に生じることとなる。容器4には排出口28 の上部に容器上蓋30が備えられている。この容器上蓋30は、装置1,1'へ の水滴を跳ね除ける境界の役割を果たしており、装置1,1'の上部の散水シス テムを運転する場合でも、装置1,1'の内部へ液滴が直接持ち込まれるのが回 避される。 したがって、この種の散水システムが設置されている場合においても、触媒系2 からの触媒粒子の侵食による分離が確実に回避される。 図2の実施例では容器4が絶縁ケース32を備えている。本実施例では絶縁ケ ース32は空気ギャップを持つ二重ケース型の方式に形成されている。これに替 わって二つのケース層の間に温度と輻射に対して耐性をもつ絶縁材を備えてもよ い。容器の内側から外側への輻射による熱輸送を少なくするために、絶縁ケース 32の内側の表面は、鏡面効果が起きるように研磨される。これにより絶縁ケー ス32を通しての放射線の逃げがより確実に回避される。絶縁ケース32をこの ように構成することによって、500℃以上の温度領域において顕著となる輻射に よる大量の熱輸送が特に阻止される。このような絶縁ケース32を備えた装置1 ’は、設計条件での運転の際、容器の外側温度が500℃より明らかに低い値とな る。したがって、容器の外側温度が高いがゆえに生じる容器周辺の混合ガスの発 火は確実に回避される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.運転時に混合ガスが自由対流により通流する容器(4)に配された触媒系( 2)に、火炎閉じ込め装置(8)が付設されている、混合ガス中の水素の再結合 用の装置(1、1')。 2.火炎閉じ込め装置(8)が触媒系(2)の上流側に接続されている請求項1 に記載の装置(1、1')。 3.触媒系(2)の上流側に沈積トラップ(14)が接続されている請求項1ま たは2に記載の装置(1、1')。 4.沈積トラップ(14)が火炎閉じ込め装置(8)に組み込まれている請求項 3に記載の装置(1、1')。 5.沈積トラップ(14)が、容器(4)に流れ込んだ混合ガスによって冷却さ れている請求項3または4に記載の装置(1、1')。 6.容器(4)が、混合ガス用の排出口(28)の上部に配された容器上蓋(3 0)を備えている請求項1乃至5のいずれか1つに記載の装置(1、1')。 7.火炎閉じ込め装置(8)が、混合ガスを流入させるために予め備えた、平均 の大きさが0.1mmより大きい流入口(12)を複数有する請求項1乃至6のい ずれか1つに記載の装置(1、1')。 8.流入口(12)がそれぞれ少なくとも0.2mm、高々3mm、好ましくは高 々2mmの平均の大きさを有する請求項7に記載の装置(1、1')。 9.触媒系(2)と火炎閉じ込め装置(8)により区画される容積が、火炎の長 さが高々0.3mとなるように火炎を制限している請求項1乃至8のいずれか1つ に記載の装置(1、1')。 10.火炎閉じ込め装置(8)の触媒系(2)との平均間隔が高々0.3mの値で ある請求項1乃至9のいずれか1つに記載の装置(1、1')。 11.触媒系(2)の下流側に粗粒子トラップ(20)が接続されている請求項 1乃至10のいずれか1つに記載の装置(1、1')。 12.粗粒子トラップ(20)が、平均のギャップ幅が少なくとも0.1mm、好 ましくは少なくとも0.2mmで、高々1mmの貫通口(21)を複数有する請求 項11に記載の装置(1、1')。 13.容器(4)が絶縁ケース(32)を有する請求項1乃至12のいずれか1 つに記載の装置(1、1')。 14.触媒系(2)の下流側に、周囲の雰囲気を触媒系(2)より出た混合ガス に混合する混合区間(24)が接続されている請求項1乃至13のいずれか1つ に記載の装置(1、1')。 15.触媒系(2)の下流側に静止型の撹拌器(17)が接続されている請求項 1乃至14のいずれか1つに記載の装置(1、1')。 16.触媒系(2)が触媒活性物質としてプラチナ、および/あるいはパラジウ ムを有する請求項1乃至15のいずれか1つに記載の装置(1、1')。 17.触媒系(2)が複数のほぼ平板状の触媒体(3)を備え、かつ、それぞれ 隣接する二つの触媒体(3)が互いに、少なくとも0.8cm、高々3cmの平均間隔 をおいて配されている請求項1乃至16のいずれか1つに記載の装置(1、1' )。 18.反応面の形成時にそれぞれの触媒体(3)の両面に触媒物質が積層され、 かつ、各触媒体(3)の前面の反応面にも、また後面の反応面にも混合ガスが導 かれる請求項17に記載の装置(1、1')。 19.触媒体(3)が、良好な熱伝導性能を持つ共通のホルダー、特に挿入構造 体に保持されている請求項17または18に記載の装置(1、1')。 20.触媒系(2)が、混合ガス中に流れる水素の部分のみの酸化用として、好 ましくは、混合ガス中に流れる50%以下の水素の部分のみの酸化用として設定さ れている請求項1乃至19のいずれか1つに記載の装置(1、1')。 21.容器が、混合ガスの通流方向に、少なくとも0.4m、好ましくは少なくと も1mで、高々2mの長さを有する請求項1乃至20のいずれか1つに記載の装 置(1、1')。
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